JPH0794801A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents
圧電素子の製造方法Info
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Abstract
いて、陽極接合時の接合温度を低くする。 【構成】 圧電セラミックス1の接合面に薄膜のガラス
層4を形成し、反対側面には金属電極5aを形成する。
シリコン基板2の電極形成面には金属電極5bを形成す
る。基板2の接合面にガラス層4を介して圧電セラミッ
クス1を重ね合わせ、接合温度の雰囲気中で、電極5
a,5b間に電源6から印加電圧を加え、圧電セラミッ
クス1と基板2を陽極接合によって一体化する。ガラス
層4に直接電圧を印加せず、圧電セラミックス1を介し
て印加することで、ガラス層4の耐圧を高め、その分、
印加電圧を大きくする。印加電圧を大きくした分、接合
温度を低くして圧電素子内部の残留歪を小さくする。
Description
板とを接合一体化する圧電素子の製造方法に関するもの
である。
ックス1とシリコン等の基板2とを接合一体化する方法
が示されている。陽極接合は一般的には図4に示すよう
に、ガラス板4とシリコンの基板2とを接合するもの
で、基板2とガラス板4を重ね合わせ、高温雰囲気中
で、電源6により基板2とガラス板4間に数100 Vの電
圧を印加することにより、ガラス層の可動イオンが移動
して、ガラス層とシリコン基板の間の静電引力により両
材料が密着し、さらに、ガラス層中の酸素とシリコン基
板のSiが結合することにより、基板2とガラス板4と
が接合一体化されるものである。
1とシリコンの基板2を接合するには、図5に示すよう
に、圧電セラミックス1の接合面に無機接着層としてガ
ラス層4を形成し、このガラス層4を介して基板2と圧
電セラミックス1と重ね合わせ、300 ℃〜600 ℃の高温
炉中で、電源6により基板2とガラス層4間に数100V
の電圧を印加することにより、基板2とガラス層4との
陽極接合が行なわれ、これにより、圧電セラミックス1
と基板2とを一体化した圧電素子が作製される。
ラミックス1と基板2とを接合する方式は、接合温度が
例えば400 ℃あるいは500 ℃と高く、このため、陽極接
合後、温度を常温に冷却していく過程で、圧電素子に大
きな内部歪が残留し、この残留歪が圧電素子の機械的強
度を低下させたり、素子の特性を低下させるという問題
があった。
なされたものであり、その目的は、高温の陽極接合によ
って生じる素子の残留応力をできる限り低減しようとす
る圧電素子の製造方法を提供することにある。
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、圧電セラミックスと基板とを接着層を介して接
合一体化する圧電素子の製造方法において、前記圧電セ
ラミックスの接合面に無機接着層を形成し、この無機接
着層を介して基板と圧電セラミックスとを重ね合わせ、
接合温度雰囲気中で基板と圧電セラミックス間に電圧を
印加することによって圧電セラミックスと基板とを接合
一体化することを特徴として構成されている。
と基板とを無機接着層を介して接合するに際し、基板と
圧電セラミックス間に電圧を印加するようにしたので、
無機接着層を薄肉化しても、無機接着層の絶縁破壊が生
じにくくなり、これに伴い、印加電圧を直接無機接着層
に印加する場合に比べ印加電圧を高くすることができる
ので、その分接合温度を低くすることができ、接合温度
が低くなる分だけ圧電素子の残留内部歪が小さくなる。
する。図1には本発明の一実施例が示されている。本実
施例も陽極接合により圧電セラミックス1と基板2を接
合するものであるが、図5に示す従来例と異なる特徴的
なことは、陽極接合に際し、印加する電圧を基板とガラ
ス層4との間に印加するのではなく、圧電セラミックス
1と基板2間に印加するようにしたことである。
(Zrx Ti1-x )O3 系の圧電セラミックス1の両面
には研磨が施され、接合面側にスパッタ処理等により厚
さ数μm(この実施例では2μm)のパイレックスガラ
ス等のガラス層4が無機接着層として形成されており、
反対側の面には金属電極5aが蒸着等により形成されて
いる。
同様に蒸着等により金属電極5bが形成されている。圧
電セラミックス1と基板2とを陽極接合する際には、基
板2の接合面と圧電セラミックス1とをガラス層4を介
して重ね合わせ、例えば400℃の接合温度の雰囲気中
で、電源6により圧電セラミックス1と基板2間に500
Vの電圧を印加する。そうすると、ガラス層4と基板2
とが陽極接合して圧電セラミックス1と基板2とが一体
化接合され、圧電素子が作製される。
ラミックス1と基板2間に、つまり、圧電セラミックス
1を介してガラス層4と基板2間に印加するように構成
したことで、次に示す効果が得られる。まず第1の効果
として、印加電圧に対するガラス層4の耐圧が高くな
り、絶縁破壊に対する安全性が高められる。図5に示す
従来例のようにガラス層4に直接電圧を加える方式で
は、印加電圧を大きくするとガラス層が絶縁破壊を起こ
すという心配があり、ガラス層4が一旦絶縁破壊を起こ
すと、その絶縁破壊部分がショート状態となり、その絶
縁破壊部分を通って電流がガラス層4とシリコン基板2
との間で流れるため、陽極接合のための電圧が得られ
ず、陽極接合ができなくなるという問題が生じる。
クス1を介してガラス層4に電圧を印加しているため、
印加電圧はガラス層4の平板面の全面に加わるため耐圧
が高くなり、しかも、図2に示すように、ガラス層4の
一部にピンホール状の絶縁破壊部7が生じても、ガラス
層4に直列に圧電セラミックスが形成されているため、
絶縁破壊個所7に流れる電流が圧電セラミックスの絶縁
抵抗で阻止されるため、絶縁破壊された局部個所を除い
てガラス層4と基板2との間に陽極接合に必要な電圧が
確保され、支障なく陽極接合を達成することができる。
められることで、従来例に比べ高い電圧を印加すること
ができ、その分、接合温度を低くできるという効果が得
られる。本発明者はこの効果を実験により実証してい
る。この実験結果の一例が表1に示されており、例え
ば、印加電圧が300 Vと低いときには、接合温度を500
℃という高い温度にしたときに陽極接合が得られ、それ
よりも低い例えば400 ℃の接合温度では陽極接合ができ
ないという結果を得ている。これに対し、印加電圧を50
0 Vまで高めると、接合温度を400 ℃に低くしても、陽
極接合が可能になっている。
いほど、また、接合温度が高いほど陽極接合の可能性が
高められることが分かった。その理由は、印加電圧が高
いほど、また、接合温度が高いほど、ガラス層の可動イ
オンが移動しやすくなり、ガラス層4とシリコンの基板
2との間の静電引力が増大して陽極接合の可能性が高ま
るものと思われる。
の分、接合温度を低くすることが可能となり、接合温度
が低くなれば、その分、内部残留歪も小さくなり、これ
により、圧電素子の内部歪による機械的強度が強くな
り、さらに、内部歪による素子特性の低下を防止できる
という効果が得られるのである。
加える電圧をガラス層4に直接印加することなく、圧電
セラミックス1を介してガラス層4に印加しているが、
このように圧電セラミックス1を介して間接的にガラス
層4に電圧を印加しても、圧電セラミックス1はガラス
層4に比較して誘電率が大きいため、陽極接合に必要な
十分高い電圧をガラス層4に印加することができる。こ
のことは次のように説明できる。本実施例の陽極接合部
における等価回路は図3のように表すことができる。こ
こでVE は電源電圧、VP は圧電セラミックス1に加わ
る電圧、Vg はガラス層4に加わる電圧を示している。
圧電セラミックス1の静電容量CP はCP =ε0 εP s
/dP で表され、ガラス層4の静電容量Cg はCg =ε
0 εg s/dg として表される。ここで、ε0 は真空中
の誘電率、εP は圧電セラミックス1の比誘電率、εg
はガラス層4の比誘電率、dP は圧電セラミックス1の
厚さ、dg はガラス層4の厚さ、sは圧電セラミックス
1とガラス層4の平面積であり、両者1,4の平面積は
等しいので同じ記号のsで表している。
と、ガラス層4に印加される電圧VgはVg =(1/C
g )VE /{(1/CP )+(1/Cg )}=CP ・V
E /(CP +Cg )=(εP /dP )VE /{(εP /
dP )+(εg /dg )}のように表される。
は1000〜5000であり、ガラス層4の比誘電率εg は約5
であり、圧電セラミックス1の厚さは300 〜500 μmで
あり、ガラス層4の厚さdg は2μmであり、これらの
値を前記Vg を求める式に代入することによりVg の電
圧が求められ、Vg には約電源電圧VE の2/3の電圧
が印加されることとなり、前記の如く、ガラス層4の耐
圧が十分高められることで、電源電圧VE を大きくする
ことができ、圧電セラミックス1を介して電圧を印加し
ても、支障なくガラス層4に高い電圧を加えることがで
きる。
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では無機接着層としてガラスを用い、基板2の材
料としてシリコンを用いたが、これら無機接着層と基板
の材料は陽極接合が可能な材料ならば他の材料であって
もよい。
加電圧の値は何ら本発明を限定するものではなく、他の
接合温度や印加電圧により陽極接合を行なうことができ
るのは当然のことである。
に印加する電圧を無機接着層に直接印加することなく、
圧電セラミックスを介して印加するように構成したもの
であるから、無機接着層の耐圧を高めることができ、そ
の分、印加電圧を大きくすることができる。印加電圧を
大きくすることにより、その分、接合温度を下げること
ができるので、熱応力の発生およびその熱応力の内部残
留歪が小さくなるので、圧電素子の内部歪に対する機械
的強度が強くなり、さらに、残留内部歪が小さくなるこ
とに伴って圧電素子の内部歪による特性低下を防止する
ことができるという優れた効果を得ることができる。
示す説明図である。
を説明するための等価回路図である。
ン基板との従来の接合例を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電セラミックスと基板とを接着層を介
して接合一体化する圧電素子の製造方法において、前記
圧電セラミックスの接合面に無機接着層を形成し、この
無機接着層を介して基板と圧電セラミックスとを重ね合
わせ、接合温度雰囲気中で基板と圧電セラミックス間に
電圧を印加することによって圧電セラミックスと基板と
を接合一体化する圧電素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26164793A JP3114459B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 圧電素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26164793A JP3114459B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 圧電素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0794801A true JPH0794801A (ja) | 1995-04-07 |
JP3114459B2 JP3114459B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=17364813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26164793A Expired - Lifetime JP3114459B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 圧電素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3114459B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5994821A (en) * | 1996-11-29 | 1999-11-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Displacement control actuator |
JP2008183717A (ja) * | 2001-02-03 | 2008-08-14 | Robert Bosch Gmbh | マイクロメカニカル素子およびその製法 |
-
1993
- 1993-09-24 JP JP26164793A patent/JP3114459B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5994821A (en) * | 1996-11-29 | 1999-11-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Displacement control actuator |
JP2008183717A (ja) * | 2001-02-03 | 2008-08-14 | Robert Bosch Gmbh | マイクロメカニカル素子およびその製法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3114459B2 (ja) | 2000-12-04 |
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