JPH0794637B2 - 金属基材に耐腐食性が向上した塗料を塗布する方法 - Google Patents

金属基材に耐腐食性が向上した塗料を塗布する方法

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JPH0794637B2
JPH0794637B2 JP63140346A JP14034688A JPH0794637B2 JP H0794637 B2 JPH0794637 B2 JP H0794637B2 JP 63140346 A JP63140346 A JP 63140346A JP 14034688 A JP14034688 A JP 14034688A JP H0794637 B2 JPH0794637 B2 JP H0794637B2
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epoxy resin
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ピー.アンダーソン カール
エム.クラーク ウェイテ
シー.ユ ポリ
ティー.モイル リチャード
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モートン コーティングズ,インコーポレイティド
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水性エポキシ樹脂を含有する組成物に関し,特
に金属基材の被覆塗料として使用した場合に該基材の腐
食を防止するための組成物に関する。該水性エポキシ樹
脂含有組成物は,一部を変更することにより溶接可能
(weldable)な組成物とすることができる。本発明はま
た,熱可塑性樹脂を含有する液体塗料組成物に関する。
該液体塗料組成物は,本発明の水性エポキシ樹脂含有組
成物で予め被覆した金属基材に塗布する塗料組成物とし
て特に有用である。本発明は,さらに本発明の樹脂含有
組成物の1種またはそれ以上で被覆された金属基材に関
する。
(従来の技術) 金属基材の腐食を防止するためには,各種の液体塗料組
成物を該基材に塗布して焼き付けている。このような塗
料のあるものは,従来の金属コイル塗装工程に使用され
る。この目的に使用する塗料は,ひび割れ,チッピン
グ,および剥離が起こらないように充分粘着力が強く柔
軟でなければならない。各種金属基材の耐腐食性を向上
させるために行われる一般的な方法には,二回塗りがあ
る。下塗り用塗料には,クロム化合物(例えば,三酸化
クロム)や亜粉末が使われ,その担体として,キサンタ
ンガムなどが添加されている。焼き付けを行うと,塗料
中のキサンタンガムは水に不溶となる。一般に,焼付温
度は少なくとも約500゜Fである必要がある。焼き付けた
塗料の上には,上塗りが行われる。上塗りに使用する塗
料は亜鉛含量の高い樹脂を含んでいる。米国特許第4,02
6,710号(Kennedy)には,金属の耐腐食性を向上させる
ためのこのような二回塗りの方法が記載されている。
米国特許第3,713,904号(Bernathら)には,アルミニウ
ムおよびアルミニウム合金用の耐腐食性保護塗料組成物
とその製造方法が記載されている。金属基材用塗料は,
有機樹脂,無機六価クロム化合物,酸化される成分,リ
ン酸,およびクロム酸ストロンチウムを含有している。
混合すると,クロム酸ストロンチウムと酸化される成分
とが反応し,六価クロムが三価クロムに還元される。こ
の混合物を塗布した基材を約600゜Fから約800゜Fの雰囲
気中で加熱し,金属の温度が少なくとも約450゜Fとなる
ようにする。それにより,三価クロムの一部が六価クロ
ムに酸化され,強力に接着した有機樹脂塗膜となる。こ
の有機樹脂にはエポキシ樹脂が含まれている。この特許
権者はビニル上塗り塗料やクロム酸ストロンチウム−−
二クロム酸カリウムを含むフルオロカーボン仕上げ塗料
を包含する仕上げ塗料などの各種応用について述べてい
る。
米国特許第4,352,899号(Tadaら)には,エポキシ樹
脂,有機リン化合物,亜鉛末,およびマグネシウム化合
物を液体媒体中に分散させた金属基材用の塗料組成物が
記載されている。この場合,亜鉛末の一部を,固体導電
物質で置き換えることが可能である。組成物は有機溶剤
に溶解して塗布する。この組成物にはクロム酸塩顔料な
どの各種顔料を添加することができる。
米国特許第4,381,334号(Balkら)には,エポキシ樹脂
粉末に亜鉛を混ぜた亜鉛含有量の高い静電塗装用粉体が
記載されている。様々な固体エポキシ樹脂が有用である
と記載されている。この組成物には,硬化剤およびその
他の流動調節剤などの添加剤が含まれることもある。
米国特許第4,461,857号(Sekmakasら)には,水分散性
のエポキシホスフェートを加え改良した熱硬化性水性塗
料組成物が記載されている。このエポキシホスフェート
と溶剤との混合物については,米国特許第4,598,109号
に記載されている。
米国特許第4,476,260号(salensky)には,耐腐食性を
改善するのに有用な亜鉛含有量の高い塗料が記載されて
いる。該塗料の成分は,亜鉛顔料,熱可塑性エポキシ樹
脂,および有機シランである。必要に応じて,アルミニ
ウム三水和物と1種またはそれ以上の分散剤とを加えて
もよい。米国特許第4,544,686号(Bromleyら)には,ス
ズメッキされた軟鋼を塗装するのにに適したウォッシュ
コート(washcoat)組成物が記載されている。該組成物
は,担体となる水性媒体と,結合剤とからなる。該結合
剤は,熱硬化性アクリルポリマー;エポキシ樹脂;およ
びリン酸またはクロム酸,あるいはこれらのアンモニウ
ム塩またはアミン塩などの酸性触媒を成分とする。米国
特許第4,544,213号(Mariniら)には,エポキシ樹脂含
有塗料が記載されている。この特許権者はリン酸塩と樹
脂との混合物の塗料を記載している。この樹脂は,アク
リル系ベース樹脂,エチレン−ビニルアセテート共重合
体樹脂,または熱硬化性エポキシ樹脂であり得る。
日本特許出願第59052645A号および第59035934A号の英語
抄録によれば,これら特許に記載されている溶接可能な
塗装鋼板は,約50%が三価状態に還元されている三酸化
クロム,リン酸,ポリアクリル酸,およびアクリル系水
性エマルジョンを成分とする塗料で下塗りしたものであ
る。この下塗りした鋼板は,エポキシ樹脂などの樹脂を
含む亜鉛およびマンガンの含有量が高い塗料でローラ塗
装される。そして,その塗膜は約260℃で1分間焼き付
けられる。
日本特許出願第4936734号には,エポキシ−ポリアミド
樹脂からなる腐食防止剤を有機溶剤に希釈し,リン酸お
よびリン酸クロムと混合して金属板を塗装する方法が記
載されている。次いで,この溶液により形成された塗膜
には,ポルトランドセメントと,エチレン−ビニルアセ
テート共重合体を水に分散させたものとの混合物で上塗
りが施される。
(発明の要旨) 本発明は,水性エポキシ樹脂含有組成物および金属基材
の腐食を防止するための塗料として特に有用な組成物に
関するものである。この水性組成物は,一般に(A)水
に分散または乳化し得る少なくとも1種のエポキシ樹
脂,または水に分散または乳化し得る少なくとも1種の
エポキシ樹脂を50重量%を越える量で含有する樹脂混合
物から実質的になる有機樹脂成分,(B)三酸化クロ
ム,および(C)水,(D)非イオン性界面活性剤を含
有する。また,該組成物はクロム酸ストロンチウムを実
質的に含まないという特徴を有する。
本発明の他の水性組成物は,(A)少なくとも1種類の
水に分散または乳化するエポキシ樹脂,または少なくと
も1種類の水に分散または乳化するエポキシ樹脂を50重
量%より多く含有する樹脂混合物,から実質的になる約
2〜約25重量%の有機樹脂成分,(B)約0.5〜約5重
量%の三酸化クロム,および(C)約25〜約97重量%の
水,(D)非イオン性界面活性剤を含有する水性組成物
であって,さらにクロム酸ストロンチウムを実質的に含
有していないことを特徴とする。
本発明の他の水性組成物は,(A)少なくとも1種類の
水に分散または乳化するエポキシ樹脂,(B)三酸化ク
ロム,および(C)水,(D)非イオン性界面活性剤,
(E)亜鉛末またはフェロアロイ粉末,およびこれらの
混合物,を含有する。
金属基材に耐腐食性が向上した塗料を塗布する本発明の
方法は以下の工程を有する:(A)上記の水性組成物を
金属基材に塗布すること,そして(B)塗装された金属
基材を約150゜F〜約450゜Fの温度に加熱し,金属基材上
に所望の耐腐食性塗膜を与えること。
本発明の水含有液体塗料組成物は,(A)少なくとも約
1,000〜約3,000のエポキシ当量を有することを特徴とす
る約2〜約25重量%の少なくとも1種類の水に分散また
は乳化するエポキシ樹脂,(B)約0.5〜約5重量%の
三酸化クロム,(C)約25〜約90重量%の水,(D)非
イオン性界面活性剤,(E)約5〜約60重量%の亜鉛
末,および(F)約0.5〜約3重量%のリン酸またはブ
チルリン酸,を含有する。
耐腐食性が向上した本発明の金属基材用水含有液体前処
理下塗り組成物は以下の組成を有する:構成成分 濃度(重量%) 水に分散するエポキシ樹脂 2.1〜18.4 三酸化クロム粉末 0.8〜4.6 リン酸 0.8〜2.7 亜鉛末 6.2〜51.5 水 29.2〜88.0 この組成物は約390゜F〜450゜Fの焼き付け温度を有し,
鋼鉄,ならびに亜鉛メッキおよびアルミニウム処理され
た金属基材に可撓性を有する耐クラック性の塗膜を与え
る。
金属基材の耐腐食性を向上させる本発明の方法は以下の
工程を有する:(A)上記の水含有液体塗料組成物を金
属基材に塗布すること,そして(B)塗装された金属基
材を約150゜F〜約500゜Fの温度に加熱し,金属基材上に
所望の耐腐食性塗膜を与えること。
これら水性組成物は,金属表面,特に鋼鉄,亜鉛メッキ
またはアルミニウム処理された金属基材表面の下塗りと
して有用である。この下塗り後に,溶接性または非溶接
性のプライマー塗装を行い,その上に器具の上塗りや自
動車の上塗りのような装飾用上塗りを施すことができ
る。本発明はまた,下塗り用塗料,および必要に応じて
溶接性および非溶接性のプライマー塗料で被覆された金
属基材に関する。
(好ましい実施態様の記述) ある実施態様では,本発明の水溶性組成物は,(A)水
に分散または乳化し得る少なくとも1種のエポキシ樹
脂,または水に分散または乳化し得る少なくとも1種の
エポキシ樹脂を50重量%を越える量で含有する樹脂混合
物,(B)三酸化クロム,および(C)水,(D)非イ
オン性界面活性剤を含有する。また,該組成物はクロム
酸ストロンチウムを実質的に含まないという特徴を有す
る。これら水性組成物は,特に清浄な鋼鉄や亜鉛メッキ
またはアルミニウム処理された金属に,直接耐腐食性の
塗装を行うのに適している。これら水性組成物は,以下
に詳細を述べる塗料組成物と同様に,金属コイルにも容
易に塗布し得る。
金属表面の前処理塗装(すなわち,下塗り)に有用な本
発明の水性組成物は,膜形成剤であり,エポキシ樹脂を
大量に含有している。従って,これら組成物は,金属コ
イルの両面に塗布し,焼き付けし,そして焼入れを行う
ことができる。該組成物で下塗りしたコイルの両面のプ
ライマー塗装や上塗りは,コイルに仕上げ塗装を行う装
置の中を通すだけで容易に行える。あるいは,下塗り塗
料はコイルに対する1回塗り塗料として使用可能であ
る。市販の下塗り塗料が,コイルに塗布した後も,1回焼
き付けた後でも水溶性であるとは対照的に,該下塗り用
組成物は焼入れができるので,動いているコイル片の両
面に同時に塗布することができる。このような市販製品
の一例は,「従来の技術」で記載したような塗料であ
り,キサンタンガムを担体として使用しているものであ
る。キサンタンガムによるプライマー塗装は,水不溶性
となる前に,まず上塗りを行い,次いで焼き付けて仕上
げる必要がある。
以下でさらに詳述するように,下塗り被膜を形成するた
めに用いる本発明の水性組成物に亜鉛を混合した場合,
金属基材表面に形成された塗膜は,さらに該金属を錆か
ら保護する。従って,本発明の塗料組成物を使用すれ
ば,下塗りの上にさらに耐腐食性の塗装を行う必要性が
減少する。
本発明の水性組成物における有機樹脂の主成分は,水に
分散または乳化し得るエポキシ樹脂である。ある実施態
様では,この有機樹脂成分は,水に分散または乳化し得
る少なくとも1種のエポキシ樹脂を少なくとも50重量%
含有する樹脂混合物を含む。水に分散または乳化し得る
種々のエポキシ樹脂が,本発明の水性組成物に使用可能
である。一般に,エポキシ樹脂の分子量は約300〜約10
0,000である。該エポキシ樹脂のエポキシ当量は,より
一般的には約150〜約10,000であり,さらに特定的には
約1,000〜約3,000である。ある実施態様では,該エポキ
シ樹脂は,典型的にエポキシ単位1個あたりの重量が約
1,550〜2,500であるようなエポキシ樹脂である。
本発明に用いられる水に分散または乳化し得るエポキシ
樹脂は,少なくとも1個のエポキシ基を有する公知の多
数のエポキシ樹脂のいずれであってもよい。本明細書と
添付の特許請求の範囲とで使用されているように,「エ
ポキシ樹脂」という用語は,エピハロヒドリンと,水酸
基含有化合物またはカルボン酸との縮合反応による反応
生成物を意味する。該エポキシ樹脂は,エーテル型また
はエステル型であり得るが,エーテル型が好ましい。
エステル型エポキシ樹脂の例は,ポリグリシジルエステ
ルである。ポリグリシジルエステルは1分子あたり2個
またはそれ以上のカルボン酸基を有する化合物と,エピ
クロロヒドリンまたはグリセロールジクロロヒドリンと
を,アルカリの存在下で反応させて得られる。このよう
なポリグリシジルエステルは,脂肪族ポリカルボン酸
(例えば,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリ
ン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,あるい
はリノール酸の二量体または三量体);環状脂肪族ポリ
カルボン酸(例えば,テトラヒドロフタル酸,4−メチル
テトラヒドロフタル酸,ヘキサヒドロフタル酸,および
4−メチルヘキサヒドロフタル酸);そして芳香族ポリ
カルボン酸(例えば,フタル酸,イソフタル酸,および
テレフタル酸)から誘導することができる。
エーテル型エポキシ樹脂は,1分子あたり少なくとも2個
のフリーなアルコール性水酸基および/またはフェノー
ル性水酸基を有する化合物と,エピハロヒドリンとを,
アルカリ性条件下で反応させるか,あるいは酸性触媒の
存在下で反応させ,次いでアルカリ処理を行うことによ
り得られる。このような反応で得られた生成物は,単一
の単純な化合物ではなく,通常グリシジルポリエーテル
の複雑な混合物である。しかしながら,通常,主生成物
は次の化学式(I)で表される。
ここで,nは,0から30またはそれ以上の整数であり,Rは脂
肪族または芳香族ポリヒドロキシ化合物であり得るポリ
ヒドロキシ化合物の2価の炭化水素基を示す。これらの
エーテルは,非環式アルコール類(例えば,エチレング
リコール,ジエチレングリコール,高級ポリ(オキシエ
チレン)グリコール類,プロパン−1,2−ジオールおよ
びポリ(オキシプロピレン)グリコール,プロパン−1,
3−ジオール,ポリ(オキシテトラメチレン)グリコー
ル,ペンタン−1,5−ジオール,ヘキサン−2,4,6−トリ
オール,グリセロール,1,1,1−トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリトリトール,ソルビトール,およびポリ
エピクロロヒドリン);環状脂肪族アルルコール類(例
えば,レゾルシトール,キニトール,ビス(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)プロパン);および芳香核を有す
るアルコール類(例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)アニリンおよびp,p′−ビス(2−ヒドロキシエ
チルアミノ)ジフェニルメタンから合成される。あるい
は,単核フェノール類(例えば,レゾルシノールおよび
ヒドロキノン);および多核フェノール類(例えば,ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(あるいは,ビス
フェノールFとして知られている),4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル,ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン,1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(あるいは,ビスフェノールAとして知られている),
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン,およびノボラック類から合成される。ノボラ
ック類は,アルデヒド(例えば,ホルムアルデヒド,ア
セトアルデヒド,クロラール,およびフルフリルアルデ
ヒド)と,フェノールそれ自体,および塩素原子により
または9個までの炭素原子を有するアルキル基により置
換されたフェノール(例えば,4−クロロフェノール,2−
メチルフェノール,および4−tert−ブチルフェノー
ル)との反応生成物である。
化学式(I)のnの値は,ポリヒドロキシ化合物に対す
るエピクロロヒドリン反応成分の相対的濃度により決ま
る。エピクロロヒドリンの濃度が高ければ高いほど,nの
値は小さくなる。一般に,nの値によりエポキシ樹脂の性
質の多くが決まる。例えば,通常,nの値が0と約3との
間である場合には,この樹脂は室温で液体である。nの
値が約3を越える場合には,この樹脂は固体となる。最
終的に硬化した樹脂の物理的性質は,nの値が大きくなる
と樹脂の架橋度が高くなり,大きな強度と高い耐久性と
を有する樹脂が得られるので,やはりnの大きさで決ま
る。
このエポキシ樹脂の分子構造は,脂肪族と芳香族との構
造を合わせ持つものであるか,あるいは非ベンゼノイド
(すなわち,脂肪族または環状脂肪族の)構造のいずれ
かである,脂肪族と芳香族との混合型エポキシ樹脂は,
通常,公知の反応により調製される。すなわち,ビス−
(ヒドロキシ−芳香族)アルカンまたはテトラキス−
(ヒドロキシ−芳香族)アルカンと,ハロゲン置換脂肪
族エポキシドとを,塩基(例えば,水酸化ナトリウムま
たは水酸化カリウム)の存在下で反応させる反応であ
る。
ある好ましい実施態様では,エポキシ樹脂は,ビスフェ
ノール,特にビスフェノールAのジグリシジルエーテル
である。これらエポキシ樹脂は,エピクロロヒドリン
と,ビスフェノールAとを,アルカリ性触媒の存在で反
応させて合成される。操作条件を調節し,エピクロロヒ
ドリンのビスフェノールAに対する割合を変化させるこ
とにより,様々な分子量を有する生成物が得られる。
使用し得る他のエポキシ樹脂には,他のビスフェノール
化合物(例えば,ビスフェノールB,F,G,およびH)のジ
グリシジルエーテルがある。
各種のビスフェノールを主成分とする上記の種類のエポ
キシ樹脂は,多種多様なものが市販されている。あり一
連の製品は,商品名「Epon」樹脂として知られ,Shell C
hemical Companyから発売されている。例えば,「Epon8
20」は,平均分子量が約380のエポキシ樹脂であり,2,2
−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピク
ロロヒドリンとから調製される。同様に,「Epon1031」
は,平均分子量が約616のエポキシ樹脂であり,エピク
ロロヒドリンと,対称的なテトラキス−(p−ヒドロキ
シフェノール)エタンとから合成される。「Epon828」
の分子量は350〜400であり,エポキシ当量は約175〜210
である。「Epon1001」は,平均分子量が約1,000であ
り,エポキシ当量が500のエポキシ樹脂である。「Epon1
007」の平均分子量は4,500であり,エポキシ当量は約2.
0である。「Epon1009」のエポキシ当量は約2,400〜4,00
0である。
他の市販のエポキシ樹脂は,商品名EPI−REZ(Celanese
Resins,Celanese Coatings Companyの一部門)と呼ば
れるものである。例えば,EPI−REZ510およびEPI−REZ50
9は,粘度とエポキシ当量とが若干異なるビスフェノー
ルAのジグリシジルエーテルからなる市販品である。EP
I−REZ522Fは,ビスフェノールA−エピクロロヒドリン
樹脂であり,そのエポキシ当量は約600である。
本発明に有用な他の種類のエポキシ樹脂には,エポキシ
化ノボラック,特にエポキシクレゾールノボラックおよ
びエポキシフェノールノボラックがある。これらは,通
常オルトクレゾールまたはフェノールとホルムアルデヒ
ドとを反応させて得られるノボラック樹脂を,エピクロ
ロヒドリンと反応させて合成する。
非ベンゼン系材料,例えば,脂肪族または環式脂肪族の
水酸基を有する化合物から誘導されるエポキシ樹脂もま
た,本発明に使用可能である。非ベンゼン系の分子構造
をもつエポキシ樹脂は,一般に脂肪族エポキシ樹脂また
は環式脂肪族エポキシ樹脂のようであるといわれる。環
式脂肪族化合物は,環式オレフィン類の過酢酸エポキシ
化反応,およびテトラヒドロフタル酸のような酸とエピ
クロルヒドリンとの縮合,およびそれに続く脱ハロゲン
化水素反応により調製され得る。脂肪族エポキシ樹脂
は,水酸基含有脂肪族および環式脂肪族化合物,例えば
脂肪族ジオールおよびトリオールを反応させることによ
り調製され得る。例えば,エチレングリコールまたはグ
リセロールが,ハロゲン置換脂肪族エポキサイド,例え
ば,エピクロルヒドリン(および上述の他のハロゲン置
換脂肪族エポキサイド)と反応して液体エポキシ樹脂を
形成する。この液体樹脂は,芳香族水酸基含有化合物か
ら誘導されるエポキシ樹脂より粘度が低いことにより特
徴づけられる。硬化させると,このような脂肪族エポキ
シ樹脂は,芳香族エポキシ樹脂の場合に比べて脆くな
く,多くの場合,高分子弾性体の性質を示す。脂肪族エ
ポキシ樹脂は多く市販されており,入手が可能である。
それは例えば,Shell Chemical CompanyおよびReichhold
Chemicals,Inc.で市販している。特定の製品の例とし
ては,Shell Chemical Companyが発売するEpon562が包含
され,これは約23℃で粘度が90〜150センチポイズ,エ
ポキシ当量が140〜165であり,そして,水酸基当量が約
65である。
このエポキシ樹脂は,エポキシ当量が1.0を越える。エ
ポキシ当量により,グリシジルエーテルまたはエステル
の平均的分子に含まれる1,2−エポキサイド基の平均数
が例示される。グリシジルポリエーテルおよびポリエス
テルの調製法により,そして,通常,若干分子量の異な
る化合物の混合物であるので,生成物のエポキシ当量は
必ずしも2.0という整数ではない。しかし,その当量値
は,通常,1.0と2.0との間にある。本発明において有用
なエポキシ化ノボラック樹脂は,通常,エピクロルヒド
リンと,フェノール−ホルムアルデヒド縮合生成物とを
反応させて調製される。このエポキシ化ノボラックは,1
分子当り2個を越えるエポキシ基を含有し得る。そし
て,7個まで,あるいはそれ以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化ノボラックが市販されている。1分子当り2個
を越えるエポキシ基を有するエポキシ化ノボラックを使
用すると,高度の架橋された構造を有する生産物が得ら
れる。
超高分子量エポキシ樹脂もまた,本発明に使用され得
る。このような樹脂は,Shell Chemical Companyから一
般商品名“Eponol"として販売されている。この超高分
子量樹脂はビスフェノールAとエピクロルヒドリンとか
ら誘導され,構造式Iのnの値は,Eponol樹脂53−BH−3
5では約90であり,そして,Eponol樹脂55−BH−30では約
130である。
本発明の水性組成物の有機樹脂成分は,エポキシ樹脂
と,水に分散または乳化し得る他の樹脂との混合物を含
有し得る。上記他の樹脂としては,この水性組成物を金
属基材上に塗工して得られるエポキシ樹脂および/また
は塗膜の性質を改変させるのに有効であるものが用いら
れる。好適な実施態様においては,樹脂成分は,エポキ
シ樹脂と,少なくとも1種のハロゲン含有熱可塑性ポリ
マーとの混合物を含有する。塩化ビニリデンホモポリマ
ーおよびコポリマーを包含するハロゲン含有ビニルポリ
マーおよびコポリマーが,エポキシ樹脂との組み合わせ
に有用である。塩化ビニリデンコポリマーには,塩化ビ
ニリデンと,塩化ビニル,アクリレート類,またはニト
リル類とのコポリマーが包含される。コモノマーの選択
は,所望の性質に依存して行われる。本発明のエポキシ
樹脂と組み合わせて有利に使用される弗化ポリビニリデ
ン樹脂は,Pennwalt Corporationを含む多くの製造業者
から販売されている。Pennwaltから発売されている弗化
ポリビニリデンの一例としては,Kynar500樹脂がある。
本発明の水性組成物の樹脂成分はまた,エポキシ樹脂と
該エポキシ樹脂の性質を改変し得る他の樹脂との混合物
を含有し得る。上記エポキシ樹脂の性質を改変し得る他
の樹脂としては,例えば,アミン−ホルムアルデヒド樹
脂,フェノール−ホルムアルデヒド樹脂,ポリアミド樹
脂,尿素樹脂,ポリオレフィン類,ポリエステル類など
がある。エポキシ樹脂に添加するこれらの樹脂は,付着
性,耐食性,溶接性,などの他の好ましい性質を著しく
変えないものが用いられる。
本発明の水性組成物中のエポキシ樹脂と組み合わせて有
利に用いられるポリエステルの中には,芳香族二塩基酸
アルキレングリコールとのポリエステルがある。このポ
リエステルはまた,少なくとも若干の対称性がある芳香
族ジカルボン酸;1種またはそれ以上の非環式ジカルボン
酸;および1種またはそれ以上のジオールを含む混合物
からも誘導され得る。対称性の芳香族ジカルボン酸に
は,テレフタル酸,二安息香酸(bibenzoic acid),エ
チレンビス−p−オキシ安息香酸,テトラメチレンビス
−p−オキシ安息香酸,および2,6−ナフタル酸があ
る。この対称性ジカルボン酸と組み合わせて使用され得
る他の芳香族ジカルボン酸には,o−フタル酸やイソフタ
ル酸などが包含され得る。
二塩基性酸と反応して,目的とする直鎖ポリエステルを
形成するグリコールは,次式で表されるグリコールであ
る: HO(Y)OH (II) ここでYは,約2から約10個の炭素原子を有するアルキ
レン基である。このようなグリコールには,エチレング
リコール,1,2−および1,3−プロパンジオール,1,4−ブ
タンジオール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキサン
ジオール,ポリエチレングリコールなどがある。
上記ポリエステルに組み込まれ得る非環式ジカルボン酸
の代表的なものは次式で特徴づけられる。
HOOCCH2XCH2COOH (III) ここで,Xは2から約8個の原子で構成される直鎖状基で
ある。
ある実施態様においては,2もしくはそれ以上の非環式ジ
カルボン酸の混合物が用いられ,この混合物の中の非環
式ジカルボン酸は,直鎖部分の炭素数が少なくとも3個
だけ互いに異っている。上述の式IIIで示される特定の
非環式ジカルボン酸の例には,アジピン酸,ピメリン
酸,スベリン酸,アゼライン酸,オキシ−二酪酸,セバ
シン酸,5−オキサ−1,10−デカン二酸,4−n−プロピル
スベリン酸,ドデカン二酸,トリデカン二酸などがあ
る。本発明で有用なコポリエステルの調製に用いられる
特に有用な芳香族および脂肪族ジカルボン酸の組合わせ
には,次の組合わせが包含される:デレフタル酸,アゼ
ライン酸,およびペンタメチレングリコール;テレフタ
ル酸,イソフタル酸,およびアジピン酸;テレフタル
酸,イソフタル酸,アジピン酸,およびセバシン酸;テ
レフタル酸,イソフタル酸,アジピン酸,およびエチレ
ングリコール;など。そのような混合物のコポリエステ
ルは,既知の方法で調製され得,それらは,上記のジカ
ルボン酸から直接に調製され得る。あるいは,このよう
なコポリエステルは,上記ジカルボン酸の低級アルキル
エステル(例えば,ジメチルテレフタル酸,ジメチルイ
ソフタル酸,ジメチルセバシン酸,ジメチルアジピン酸
など)から調製され得る。本発明のエポキシ樹脂と組み
合わせて使用するのに有用なコポリマーの調製法は,例
えば,米国特許第2,623,033号(Snyder)および2,892,7
474(Dye)に開示されている。これら両特許は,対称性
芳香族ジカルボン酸から少なくとも一部が誘導される直
鎖コポリエステルの開示について参考として本件に引用
した。
ある実施態様においては,エポキシ樹脂と組み合わせて
使用されるポリエステルは,芳香族二塩基酸とアルキレ
ングリコールとの直鎖状ポリエステルである。一般に,
これらのポリエステルは,テレフタル酸およびイソフタ
ル酸のような芳香族二塩基性酸と,アルキレン基中に2
から約6または8個の炭素原子を有するアルキレングリ
コールとの混合物から誘導される。そのようなグリコー
ルの例には,エチレングリコール,トリメチレングリコ
ール,1,4−ブチレングリコールなどが包含される。これ
らの芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコールに
加えて,反応混合物にはまた,非環式ジカルボン酸が含
有され得,そして好ましくは含有される。芳香族ジカル
ボン酸および非環式ジカルボン酸の相対量を変化させ
て,性質の異なるポリエステルを得ることも可能であ
る。通常,芳香族ジカルボン酸の非環式ジカルボン酸に
対する当量比は約2:1から約1:2であり,多くの場合約1:
1である。ジカルボン酸のグリコールに対する比は変化
させることができ,グリコールは通常,過剰量で存在す
る。このように,ジカルボン酸とジオールとの比は,通
常,約1:1から約1:2である。
ジカルボン酸混合物とジオールとの反応は,通常,反応
液を触媒の存在下で加熱して温度を上げることにより起
こる。このような目的の触媒としては,錫触媒がとくに
有効である。それには,例えば,ジブチル錫オキサイ
ド,およびジブチル錫ジラウレートが包含される。使用
され得る他の錫触媒には酸化アンチモンが包含される。
このようにして調製されるポリエステルおよびコポリエ
ステルは,通常分子量が約5,000から約50,000であり,
水酸基価が約5から15である。
次に示すのは,本発明の組成物に使用され得るポリエス
テルの例である。次の実施例,または明細書および特許
請求の範囲で,特に指示されない限り,部およびパーセ
ントは,すべて重量を基準とし,温度はすべて摂氏であ
る。
ポリエステル;実施例1 エチレングリコール387.6部(12.5当量),テレフタル
酸228部(2.75当量),イソフタル酸117.6部(1.42当
量),アゼライン酸(Emerox1144)396部(4.2当量),
よおび三酸化アンチモン0.42部を反応容器に仕込む。容
器内を不活性雰囲気に保ち,そして,混合物を攪拌しな
がら加熱し,蒸気の温度を125℃を下まわる温度に保ち
ながら,240℃にまで加熱する。水とグリコールとの混合
物(184部)が除かれる。温度が240℃に達したら,反応
容器を真空装置につなぎ,温度を250℃に上げた状態に
おいて圧力を下げ,約25mm.Hgで1.25時間保つ。充分な
真空に達してから15分後に反応を止める。そして,容器
内に窒素ガスを導入して真空状態を解除する。このよう
にして調製されたポリエステルの分子量は約35,000であ
り,このポリエステルの水酸基価は約8.9であり,水酸
基とカルボキシ基との比は,1.6である。
ポリエステル;実施例2 エチレングリコール17.08部,ネオペンチルグリコール3
5.31部,イソフタル酸36.81部,テレフタル酸36.83部,
ジブチルオクタン酸錫0.7部,およびトリフェニルフォ
スファイト0.13部を反応容器に仕込む。この混合物を不
活性スパージャーを用いて230℃まで加熱する。230℃に
加熱するときの排出ガスの温度は110℃もしくはそれ以
下に保つ。次に,混合物を,該混合物の酸価が5を下ま
わるまで,225〜230℃に保つ。所望の酸価に達したら,
反応器を真空装置につなぎ,約250℃の温度で,3mm.Hgも
しくはそれ以下の真空状態に保つ。反応容器の内容物の
粘度が約L(40%MEK中)となるまで,この温度と真空
度とを約7.5時間にわたり維持する。次に,反応混合物
を冷却し,回収する。このポリエステルの分子量は約1
7,500であり,その水酸基価が約8であることにより特
徴づけられる。
本発明の第1の実施態様の水性組成物の第2の成分は,6
価クロムであり,これは三酸化クロム,クロム酸または
無水クロム酸の形態である。この水性組成物は,通常,
三酸化クロムを約0.5から約5重量%の割合で含有す
る。
ある実施態様においては,本発明の水性組成物は次のも
のを含有する:(A)約2から約25重量%の有機樹脂成
分;この有機樹脂成分は,少なくとも1種類の水に分散
または乳化し得るエポキシ樹脂で実質的になるか,また
は少なくとも1種の水に分散または乳化し得るエポキシ
樹脂を50重量%を越える割合で含有する樹脂混合物であ
る;(B)約0.5から約5重量%の三酸化クロム,およ
び(C)約25から約97重量%の水。このような組成物
は,さらにクロム酸ストロンチウムを実質的に含有しな
いことにより特徴づけられる。
本発明のこの第1の水性組成物にはまた,(D)リン酸
またはアルキルリン酸が含有され得る。アルキルリン酸
の例には,メチルリン酸,エチルリン酸,プロピルリン
酸,およびブチルリン酸のような低級アルキルリン酸が
包含される。通常,本発明の水性組成物がリン酸または
アルキルリン酸を含むときには,該水性組成物中に,ご
く少量の,例えば約0.1から約3重量%のリン酸または
ブチルリン酸が含まれ,このような量により性質が充分
に改善される。
第1の実施態様の水性組成物が金属基材上に塗膜を形成
するために使用される場合,そしてその塗装が溶接可能
であることが望まれる場合には,この第1の実施態様の
水性組成物にはまた,亜鉛末が含有される。この亜鉛末
は球状,粉末状,または鱗片(フレーク)状であり得
る。典型的には,亜鉛末は,粉末状亜鉛を純化して調製
されるか,気流中で溶融亜鉛を噴霧して調製される。亜
鉛の平均粒子径は,通常,約1から約15ミクロン,好ま
しくは,約2から約6ミクロンである。フレーク状の亜
鉛粉末の場合には,粒子サイズ(長径)は約1から約15
ミクロン,好ましくは約2から約10ミクロンであり得
る。形や粒子サイズの異なる亜鉛末の混合物がまた,こ
の水性組成物に使用され得る。本発明の水性組成物に含
有される亜鉛末の量は広い範囲で変化し得る。通常,本
水性組成物の亜鉛含有量は組成物全体の約5から約60重
量%である。
本発明の水性組成物を金属基材に塗装して得られる塗膜
の溶接性を改善するために,本発明の水性組成物に亜鉛
末を含有させる場合には,該水性組成物にはまた,鉄合
金粉末が少なくとも若干含有され得,そして好ましくは
含有される。この鉄合金は,塗膜の溶接性を改善する。
適当な耐火性鉄合金粉末が知られており,それには,フ
ェロマンガン,フェロモリブデン,フェロシリコン,フ
ェロクロリン,フェロバナジウム,フェロボロン,フェ
ロホスホラス,炭化鉄などがある。これらの適切な耐火
性合金は,導電性があり,脆く,そして,実質的に水,
希酸または希アルカリ溶液中で反応しない。市販の種々
の耐火性合金のなかでは,好適な材料は,通常,フェロ
ホスホラスである。これは,通常,Fe2PおよびFePの混合
物を含むリン化鉄組成物である。フェロホスホラスは亜
鉛とともに,あるいは単独で用いられ得,そして亜鉛
は,フェロホスホラスなしで使用され得る。しかし,一
般には,混合物が好適であるように思われる。亜鉛を含
み,そして100部あたり1から80部,通常,1から30部の
割合で亜鉛を含む組成物が好適である。
本発明の水性組成物はまた,少量(例えば,0.1から5重
量%)の有機溶剤,および水と親和性のあるまたは有機
性の潤滑剤が含有され得る。有用な有機溶剤の例には二
塩基性酸エステルがあり,それには,Dupontから“DBE"
という一般商品名で販売されている二塩基性酸エステル
酸の混合物がある。DBE物質およびその他の有用な有機
溶剤の組成物については,この明細書の別の場所で検討
し述べる。潤滑剤が,ポリマーの流れを改善し塗膜の性
質を改善するために含有され得る。本水性組成物に加え
られ得る潤滑剤には,グリセロールエステル,脂肪酸,
脂肪酸エステル,脂肪酸アミド,脂肪酸塩,脂肪族アル
コールなどが包含される。そのような潤滑剤の例にはモ
ノステアリン酸グリセロール,ステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸亜鉛,ポリチレンワックス,およびシ
リコーンが包含される。
第2の実施態様においては,本発明の水性組成物は次の
成分を包含する: (A)少なくとも1種類の水に分散または乳化し得るエ
ポキシ樹脂, (B)三酸化クロム, (C)水,および (D)亜鉛末および/または鉄合金。
この第2の実施態様の組成物は,次の点で第1の実施態
様の水性組成物と異なる。つまり,亜鉛末,および/ま
たは鉄合金が必要な成分であり,この水性組成物には,
エポキシ樹脂に加えて,他の樹脂が大量に含有される。
例えば,エポキシ樹脂が50重量%以下の割合で含有され
得るような水性組成物を提供することも可能である。さ
らに,クロム酸ストロンチウムが第2の実施態様の水性
組成物に含有されていてもよい。
上述の必須4成分に加えて,第2の実施態様の水性組成
物にはまた,1もしくはそれ以上の次の成分が含有され得
る:リン酸またはアルキルリン酸;少なくとも1種のハ
ロゲン含有熱可塑性ポリマー;および/または少なくと
も1種の熱可塑性ポリエステル樹脂。第2の実施態様の
水性組成物に含まれエポキシ樹脂,ハロゲン含有熱可塑
性ポリマー,および熱可塑性ポリエステル樹脂は,第1
の実施態様の水性組成物において述べられた樹脂および
ポリマーに相当するいずれであってもよい。さらに,第
1の実施態様と同様に,第2の実施態様の水性組成物に
は,該組成物中に含まれている亜鉛末の重量に対して,
約1から約80重量%のリン化二鉄が含有され得る。ある
実施態様においては,亜鉛はすべて鉄合金で起き換えら
れてもよい。第2の実施態様の水性組成物の各種成分の
量は,第1の実施態様の水性組成物中の同様の成分にお
いて用いられるのと同量であり得る。
通常,第2実施例の水性組成物の組成は,以下のものか
ら成る。
(A)少なくともエポキシ等量が約1000ないし約3000で
ある少なくとも一種類の水に分散または乳化し得るエポ
キシ樹脂を,約2ないし約25重量%, (B)三酸化クロムを約0.5ないし5重量%, (C)水を約25ないし約90重量% (D)亜鉛末及び/又はフェロアロイ約5ないし約60重
量% (E)リン酸またはブチルリン酸を約0.5ないし約重量
3% 上記組成物は,弗素含有ビニルポリマーを少なくとも一
種類,重量で約0.5から約15%,及び/又は前に述べた
のと同じ種類の熱可塑性ポリエステル樹脂を約0.5から
約15重量%,またはいずれか一方を含んでいても良い。
別の実施例では,耐食性の,金属の前処理下塗用水性組
成物の組成は次の様である。成 分 濃度(重量%) 水に分散するエポキシ樹脂 2.1〜18.4 三酸化クロム粉末 0.8〜4.6 リン酸 0.8〜2.7 亜鉛末 6.2〜51.5 水 29.2〜88.0 前記組成物を約390゜Fないし450゜Fで焼成すると,鋼鉄
や,亜鉛鍍金或はアルミニウム加工した金属表面に柔軟
でひびわれしない塗膜が作られる。
本発明の水性組成物は,当業者にはよく知られている技
術を使って,各種成分を混合することにより調製し得
る。混合の順序は変更してもよい。一例を挙げると,三
酸化クロムを水に溶かし,それから水に分散したエポキ
シを加え,次に他の成分を加える。ホモミキサーや分散
ミルなどの高速攪拌器を使って,常法により混合し得
る。本発明の水性組成物を調製するには,Brabenderミキ
サーやバンバリーミキサーのようなミキサーを用いるこ
ともできる, 次に,本発明の水性組成物の実施例を示す。
実施例 1−9: 本発明の水性組成物の金属用下塗り塗料としての有用性
を,次の実験により示す。実施例1−9の水性組成物を
使って冷間圧延鋼に塗装する。その塗膜を金属部位最高
温度390゜Fで焼き,約100mg/ft2の乾燥塗膜を形成し
た。冷間圧延鋼上に形成した塗膜の耐食性の特性は,塗
装鋼板をASTM食塩水噴霧試験ASTM B−117に準じて測定
した。この試験では,先の尖った道具を使って,塗料の
膜に引っ掻き傷を付け,塗膜下の金属を露出する。次い
で,この掻き傷をつけた鋼板を約95゜Fのチャンバーに
配置し,5%食塩溶液を240時間噴霧して接触させる。
(この試験は240時間後に終了する。)試験中は,塗装
板の観察を続け膜に破壊が生じる時間を記録する。塗装
板は,膜が剥がれたり,気泡ができたとき,この試験に
不合格となったと判定する。
金属表面に形成されたプライマー塗膜の密着性と柔軟性
は,径7/8−インチの球と径1インチのさいころ,また
はそれと同等の物を使って,Tinius−Olsen試験機を利用
したOlsen Button試験を用いて測定した。このTinius−
Olsen試験機またはそれと同等の試験機は,塗装金属の
表面に徐々に窪みをつくる装置である。パネルを装置に
挿置し,球を覆い固定する。装置の側面に取り付けてあ
るハンドルを,決められた変形が起きるまで,ゆっくり
と回す。球を引っ込めて,パネルを装置から取り外す。
へこんだ所を使って,塗膜の付着性を試験する。形の付
いた所に粘着テープを決められた回数張り,テープで取
れた塗膜の量を写真の基準と比較して1から8までに評
価する。9は完全,即ち塗膜が全く取れない場合であ
る。
塗装鋼板の溶接性は,二枚の鋼板を塗装面同士,及び塗
装面と裏面とをスポット溶接して決める。この試験に使
う鋼板は片面のみ塗装した。
Olsen法によりへこみを付けた下塗りをした鋼板を使っ
た塩水噴霧試験と溶接性試験の結果を次の表11にまとめ
た。対照となる塗装は,樹脂3540を10重量部と水90重量
部の水性組成物で塗装した。
上の表11にまとめた結果は,本発明の水性塗料を組成物
を使用することにより,耐食性が改善される事を示して
いる。そして,亜鉛末が含まれていない塗料組成物での
下塗りは溶接性が低く,食塩水噴霧に対する抵抗性も低
い。また,三酸化クロム含有量が低い(組成物9)と,
食塩水噴霧に対する抵抗性が若干低下する。塗装鋼板の
試験が240時間までであったので,食塩水噴霧試験の成
績が240時間のものは塗膜の破壊が起こらなかった事を
示している。
本発明の水性組成物の追加例を,表IIIに示す。
実施例 10−19: 実施例10−19の塗料の組成を,乾燥塗膜基準で次の表IV
にまとめて示す。
上述の考察と実験結果から分かるように,本発明の水性
エポキシ樹脂含有組成物は,金属に密着性,柔軟性,及
び耐食性のある下塗り膜を付与するのに有効である。こ
の塗料は膜が形成され易く溶接可能であり,既存のコイ
ル塗装工程を利用して容易に塗装できる。本発明の水性
下塗り組成物は,冷間および熱間圧延鋼,アルミニウム
処理鋼,および溶融亜鉛鍍金および電気亜鉛鍍金鋼,gal
valume,galvaneal,等の亜鉛鍍金表面等の各種金属の塗
装に使用可能である。
この発明の水性組成物は,比較的安定した1液塗料であ
るが,無期限に安定な2液および3液塗料としても供給
可能であり,上気金属に処理されると優れた下塗り膜が
できる。下塗りの方法は,浸漬,スプレー,ローラ塗
装,バー塗装等のよく知られた塗装法が使用し得る。こ
の水性塗料組成物で金属を塗装した後,塗膜を乾燥し,
通常,200〜500゜F,出来れば約350〜450゜Fの間にまで
温度を上げて焼き付ける。この組成物は通常,十分量,
乾燥基準で50〜150mg/ft2,を使って塗装する。しかし,
これよりも,薄くまたは厚く塗装してもよい。
本発明により水性エポキシ樹脂含有組成物を金属表面に
下塗りして形成した膜は,耐食性に優れているが,更に
耐食性を高めたり,装飾等の各種目的で下塗りの上に,
さらに一回以上の塗装を行うことが望ましい。下塗りは
金属に耐食性と溶接性を与える外に,通常その上に重ね
られる膜と金属間の密着結合を良くする。言い替える
と,金属表面に下塗りがあると,上塗り塗料の密着性を
改良する。
下塗りの上に加えることの出来るプライマーや上塗り塗
料は,水性でも有機溶剤系でも良い。プライマーと上塗
り塗料は溶接可能であっても,できなくても良い。市販
のプライマーと上塗り塗料組成物の多くが,この発明の
下塗り塗装の上に有効に使用できる。
一実施例を挙げると,本発明の塗料で下塗りした上に使
用するプライマーとして,特に有用な液体塗料の組成は
次のものを含む。
(A)少なくとも一種類の架橋可能な熱可塑性樹脂 (B)少なくとも一種類の有機溶剤 (C)少なくとも一種類の流動性調節剤 (D)少なくとも一種類の熱可塑性樹脂用架橋剤 この外,これらの塗料組成物が必要に応じて,或は通
常,次の成分の中から一種類以上を含有し得る;懸濁助
剤,顔料,他の樹脂およびポリマー,腐食防止剤,リン
酸またはアルキル化リン酸,密着性付与剤,等,及びも
し塗膜が溶接性を要求されるときは亜鉛及び/又はフェ
ロアロイ。
各種架橋可能熱可塑性樹脂がこの塗料の調製に利用でき
る。一例を挙げると,架橋可能熱可塑性樹脂は架橋可能
熱可塑性ポリエステルである。ヒドロキシル基含有直鎖
飽和ポリエステル樹脂が,この発明の塗料組成物の調製
に於て特に有用である。この直鎖飽和ポリエステル樹脂
は水酸基価が約5ないし約60,通常約5ないし15であ
る。この直鎖飽和ポリエステル樹脂の分子量は,約5,00
0ないし約50,000またはそれ以上である。水酸基価約5
ないし約15,分子量約10,000ないし約20,000の直鎖ポリ
エステル樹脂が本発明に特に有用である。この直鎖ポリ
エステルは,通常芳香族ジカルボン酸とグリコールとの
混合から合成される。この芳香族ジカルボン酸には,テ
レフタル酸,二安息香酸,エチレンビス−P−オキシ安
息香酸,2,6−ナフタリン酸,オルトフタル酸,イソフタ
ル酸,等が含まれる。テレフタル酸とイソフタル酸の混
合物は特に有用である。直鎖ポリエステルの調製に使用
されるグリコールは,次の一般式で表される。
HO−(Y)−OH ここでYは,2ないし10個の炭素原子を含む炭化水素基で
ある。このジオールは,エチレングリコール,1,2−およ
び1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール,ネオ
ペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオール,等の中か
ら選ぶことが望ましい。特に有用な混合物は,エチレン
グリコールとネオペンチルグリコールとの混合物であ
る。
ヒドロキシル基を含む直鎖ポリエステルのうち特に有用
なものは,テレフタル酸,イソフタル酸,エチレングリ
コール,およびネオペンチルグリコールの混合物から誘
導される。この四成分の相対量は広い範囲で変えられ
る。
例えば,ポリエステル樹脂は約20ないし約60モル%の,
テレフタル酸,約15ないし約50モル%のイソフタル酸,1
0ないし約50モル%のグリコール混合物の混合物から合
成される。
プライマー塗膜を作るのに有用な液体塗料組成物に使用
されるポリエステルは,前述の水性塗料組成物において
エポキシ樹脂に混合するのに有効であると前述された別
のポリエステルが含まれる。ポリエステル−1及びポリ
エステル−2とされた特殊なポリエステルは何れもプラ
イマー塗料成分に使用可能である。
本発明の液体塗料組成物の調製に使用される直鎖飽和ポ
リエステル樹脂は,密着力,弾性,引っ掻き傷に対する
抵抗性,及び衝撃に対する抵抗性に優れている。
本発明のプライマー塗料組成物に使用し得るポリエステ
ルは,市販されているものが用いられる。Nobe I Dynam
it社からDynapolという商品名で発売されている一連の
ポリエステルはこの目的に使用できる。この高分子直鎖
状飽和ポリエステルは,水酸基価が約5ないし約60,分
子量が約3000ないし約18,000である。個々の例をあげる
と,napol L205は分子量が15,000,水酸基価が10;Dynapol
L206は分子量が18,000,水酸基価が8;そしてDynapol LH
812は分子量が約3000,水酸基価が35である。
プライマー液体塗料組成物は,少なくとも一種類の有機
溶剤で溶解または懸濁されたものである。この有機溶剤
は,脂肪族有機溶剤,芳香族有機溶剤又はそれらの混合
物である。多くの場合,溶剤系は,脂肪族および芳香族
溶剤の混合物である。典型的には,芳香族溶剤は,沸点
が約350ないし410゜Fとなる。有用な脂肪族溶剤は,メ
チルエチルケトン,メチルイソプルケトン,アセトン,
イソホロン,ブチルカルビトール,ジアセトンアルコー
ル,各種グリコールと酢酸エステルの低級アルキルエー
テル,低級アルキル酢酸エステル,等のケトンである。
DBE(二塩基性エステル)という商品名でDuPont社から
発売されている溶剤は,特に有用な溶剤である。DBE
は,アジピン酸,グリタル酸,およびコハク酸のジメチ
ルエステルを精製したものである。これらは単独でも混
合物としてでも使用できる。例えば,DBEといわれる製品
はエステル含有量が最低99.5%である。このエステルの
組成は,アジピン酸ジメチルエステル10〜25重量%,グ
リタル酸ジメチルエステル55〜75重量%,およびコハク
酸ジメチルエステル15〜25重量である。典型的なDBE組
成物の組成は,アジピン酸ジメチルエステル17%,グリ
タル酸ジメチルエステル66%,コハク酸ジメチルエステ
ル16.5%,およびメタノール0.2%と報告されている。
商品名DBE−3でDupont社から発売されている別の二塩
基エステル混合物の重量組成は,アジピン酸ジメチルエ
ステル89%,グリタル酸ジメチルエステル10%,コハク
酸ジメチルエステル0.5%,およびメタノール0.1%以下
である。液体DBE溶剤を使用した組成物で形成した塗膜
は,平滑性に優れているように思われる。
本発明のプライマー塗組成物は,少なくとも一種類の流
動性調製剤を含有する。樹脂塗料組成物(例えば,ペイ
ント)に一般に使用されている各種流動調製剤が使用で
きる。大部分はアクリル系流体改質樹脂で,色々の会社
から市販されている。ポリアクリル樹脂は,メチル−メ
タアクリレート系,エチレンビニルアセテート樹脂,等
である。
本発明に有用なプライマー塗料組成物は,架橋可能熱可
塑性樹脂の架橋剤を少なくとも一種類含有する。ポリエ
ステルに使用できる架橋剤はいろいろある。例えば,尿
素ホルムアルデヒドとメラミンホルムアルデヒド及びこ
れらのアルコキシ誘導体などのアミノ樹脂,フェノール
ホルムアルデヒド樹脂,エポキシ樹脂,イソシアネート
等である。有用なイソシアネート架橋剤の例を示すと,
トリレンジイソシアネート(TDI),4,4′−メチレン−
ビス−(ジフェニル)ジイソシアネート,トリレンジイ
ソシアネートとジエチレングリコールとの2:1モル付加
物,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート,トリレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物,
等である。架橋剤として使用されるポリイソシアネート
はフェノール類,アルコール類,等の熱に不安定なブロ
ッキング剤によりブロック化される。本発明の組成物に
於て,ポリエステル/架橋剤の重量比は,約95/5から約
60/40またはそれ以下まで変えられる。メラミン樹脂も
ポリエステルの有用な架橋剤である。その様な架橋剤の
一例を挙げると,ヘキサメトキシメチルメラミンであ
る。
プライマー塗料組成物は,また,シリカ粉,シラン処理
シリカ,四級アミン処理マグネシウムアルミニウムけい
酸塩(Bentone−NL工業),等の各種懸濁助剤を含むこ
とが出来る。これら懸濁助剤を塗料組成物に添加すると
きの含有量は約0.1ないし約2重量%である。
この発明のプライマー塗料組成物には,顔料粉末を加え
ることができ,一般に使われる。使用する顔料は,その
特定の色,即ちプライマー塗料の色により選択する。そ
の顔料は有機系顔料及び/又は無機系顔料である。しか
し次無機系顔料が使われる。本発明によるプライマー塗
料組成物に混入される顔料の量は,塗料組成物の総重量
の約0ないし約25重量%である。
カーボンブラックは,よく知られた顔料であり,黒色の
ポリマーの配合によく使用される。本発明で顔料として
使用され得るカーボンブラックには,ファーネスブラッ
ク,チャンネルブラック,およびランプブラックがあ
る。顔料粉末はまた,金属粉,金属酸化物および硫酸バ
リウムのようなその他の無機化合物でもあり得る。顔料
として使用し得る金属酸化物には,酸化亜鉛,酸化アル
ミニウム,酸化マグネシウム,ベンガラ,鉄黄,緑色酸
化クロムおよび白色酸化チタンがある。所望の色を提供
するのに使用し得るその他の無機顔料には,硫化亜鉛,
カドミウムスルホセレニド,水銀カドミウム,クロム酸
亜鉛,コバルトアルミネート,クロムコバルト−アルミ
ナ,ウルトラマリンブルーおよび炭酸鉛がある。
腐食防止剤も,プライマー塗料組成物に含有され得る。
腐食防止剤の量の範囲は,約0から11重量%であり得
る。本発明のプライマー塗料組成物に含有される腐食防
止剤として特に有用な例は,クロム酸ストロンチウムで
ある。
密着性向上剤は,プライマー塗料組成物に5重量%の量
まで混合され得る。有用な密着性向上剤の種類の例に
は,エポキシホスフェートエステルがある。エポキシホ
スフェートエステルは,一般に,有機溶剤中でエポキシ
樹脂とリン酸とを反応させることにより調製される。そ
の他のポリマーまたは樹脂が,エポキシホスフェートエ
ステルの組成および特性を改良するために含有され得
る。ある方法では,ポリエポキシドは,加熱した有機溶
剤とリン酸との混合物に添加され,約100℃といった高
温に保たれる。この方法に使用され得るエポキシ樹脂
は,エポキシ等量が1を越えるポリエポキシドのいずれ
かであり得る。水性組成物(下塗り配合)に有用である
と上述したエポキシ樹脂は,リン酸エステルに変えて,
プライマー組成物に使用し得るエポキシ樹脂の例であ
る。ビス−フェノールAのような,平均分子量350〜7,0
00の各種ビス−フェノールのジグリシジルエーテルは有
用である。使用するリン酸の量は,ポリエポキシドのエ
ポキシ等量当たり約0.03〜約0.9モルの酸を与えれば充
分である。
プライマー塗料組成物中の密着性向上剤として有用なエ
ポキシホスフェートエステルの調製は,米国特許第4,42
5,451号,第4,461,857号および第4,598,109号のような
従来技術に記載されている。これらの特許は,エポキシ
ホスフェートエステルの調製法およびこれらの特許に記
載のエポキシホスフェートエステルを開示しているの
で,参考文献としてここに引用する。
プライマー塗料組成物に有用なエポキシホスフェートエ
ステルの調製の実施例を以下に示す: エポキシホスフェートエステル 実施例1: 291.6部のブチルセロソルブ,50.4部のキシロールおよび
114部のメチルイソブチルケトンの混合物を,攪拌して
調製した。不活性ガス(二酸化炭素)を液体の中に吹き
込み,483.6部のエポン(Epon)1001(平均分子量1000,
エポキシ等量重量500のビス−フェノールAのジグリシ
ジルエーテル,Shell Chemical)および187.2部のRJ−10
1コポリマー(スチレン−アリルアルコールコポリマー,
Monsanto社)を,完全に溶解するように加熱しながら反
応容器に仕込む。必要ならば,混合液を約140゜Fにま
で冷却し,100〜140゜Fの温度で73.2部の85%リン酸を
加える。この反応は発熱反応である。反応温度が200゜
Fを越えないように,必要ならば冷却して反応温度を制
御する。約0.5時間後に反応混合液を冷却し,濾過す
る。この濾液が,約64%の不揮発性物質を含有する所望
のエポキシホスフェートエステルである。
密着性向上剤のエポキシホスフェートエステルに加え
て,プライマー塗料組成物は少量(0〜約5重量%)の
エポキシ樹脂も含有し得る。本発明明細書で上述したエ
ポキシ樹脂のいずれもが使用され得る。プライマー塗料
組成物に含有され得るエポキシ樹脂の具体例は,Epon100
7,Epon1001,Epon828などを包含する。
リン酸またはアルキル化リン酸が,プライマー塗料組成
物に含有され得る。使用する場合には,リン酸またはア
ルキル化リン酸の濃度は組成物の全重量の約0.1から約
2重量%である。
ある1つの実施態様においては,非溶接性液体プライマ
ー塗料組成物の成分および成分の濃度は以下のとおりで
ある:成分 濃度(重量%) ポリエステル樹脂A 10.00−28.8** 芳香族溶剤B 5.0−29.7*** 二塩基性エステル 7.9−34.5 プロピレングリコールモノメチル 酢酸エステル 1.0−28.5 シリカ粉 0.1−1.5 二酸化チタン 0−25.0 クロム酸ストロンチウム 0−11.0**** アクリル系流動調節剤 0.2−1.5 エポキシホスフェートエステル密着性 向上剤 0.1−1.0 ***** エポキシ樹脂 0−5.0 ****** ブロック化された脂肪族 ポリイソシアネート 1−10 *ポリエステル樹脂Aは,直鎖飽和ポリエステルであ
り,その分子量は約14000〜15000,水酸基価は約8〜10
である。
**芳香族溶剤Bは,典型的には350〜410゜Fの沸点を
有する。
***アジピン酸,グルタル酸および/またはコハク酸
まは類似物質のジメチルエステル。
****ブチルアクリレート,ステアリルメタクリレー
トまたは類似物質のコポリマー。
*****ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂または
類似の物質であり,該組成物は約450゜Fまでの焼き付
け温度を有し,鋼鉄および/または亜鉛処理およびアル
ミニウム処理した金属基材に柔軟な,耐クラック性の塗
膜を作る。
ポリエステル樹脂は,上述の非溶接性プライマー塗料組
成物の主成分であると理解される。ある1つの好適な実
施態様では,ポリエステル樹脂は,芳香族溶剤,二塩基
性エステルおよびプロピレングリコールモノメチル酢酸
エステルを包含する溶剤の適当な組み合わせに溶解され
る。二酸化チタンおよびクロム酸ストロンチウムの使用
は任意であるが,通常,望ましい。流動性調節剤,賦形
剤(シリカ粉)および密着性向上剤は,塗膜および製品
の一定の物理的性質を調節するために使用される。これ
らの物質は,類似の物質で置き換えることができる。
本発明に有用な液体非溶接性プライマー組成物の調製の
実施例を以下に示す。
プライマー合成品 実施例1: 30部のポリエステル樹脂Dynapol L−205を70部のDBEに
溶解した混合液24.6部,6.1部の二酸化チタン,7.2部のク
ロム酸ストロンチウム,0.2部のシリカ(Aerosil200),
5.1部のDBE,2.8部の芳香族溶剤および0.2部のアクリル
系流動改良剤の混合物をサンドミルで調製した。ミルを
4.3部のポリエステル溶液(30%固形分)と2部の芳香
族溶剤との混合物で洗浄し,洗浄液をもとの混合物に合
わせる。攪拌しながら,さらに40部のポリエステル溶
液,3.15部の芳香族溶剤,1.7部のEpon828,2.15部のブロ
ック化された脂肪族イソシアネート(Mobay3175)およ
び0.5部のエポキシホスフェート(実施例1の生成物)
を添加する。混合液の攪拌を続け,0.1部の85%リン酸お
よび0.2部のジブチル錫ジラウレートを加える。必要な
らば,粘度をDBEで調節することができる。
上述の非溶接性液体プライマー塗料組成物は,本発明の
下塗り組成物で前もって塗装されている金属基材のプラ
イマー塗料として有用である。
本発明はまた,前述した本発明の下塗り組成物で塗装し
た上に使用する溶接性液体プライマー塗料組成物の使用
に関する。本発明の溶接性液体プライマー塗料組成物の
成分は,上述の非溶接性液体プライマー塗料組成物で用
いられる成分と本質的に同じであり得るが,通常,量が
異なり,溶接性組成物は亜鉛末および/または鉄合金末
を含有することが異なる。プライマー塗料組成物に使用
される亜鉛末と鉄合金末とは,上述した本発明の下塗り
組成物に使用されたものと同じタイプのものである。一
般に,溶接性液体プライマー塗料組成物はまた,非溶接
性プライマー塗料組成物と組成および各種成分の量の比
が異なる。このように,本発明に有用な改良された溶接
性液体プライマー塗料組成物は,通常,以下のものを含
有する: (A)約3から約20重量%の少なくとも一種類の熱可塑
性樹脂; (B)約5から約60重量%の少なくとも一種類の有機溶
剤; (C)約30から約70重量%の亜鉛末; (D)約0.5から約10重量%の熱可塑性樹脂用架橋剤; (E)約0.1から約2重量%のシリカ粉; (F)約0.5から約2重量%の有機液体潤滑剤;および (G)亜鉛末(C)の重量の約1から約80重量%のリン
化二鉄。
ある1つの実施態様では,リン酸またはアルキル化リン
酸が溶接性組成物に含まれる。約0.5から約3%の量の
リン酸が,しばしば効果的である。ある1つの実施態様
では,金属基材に塗装するのに有用な本発明の改良され
た溶接性液体プライマー塗料組成物の組成を次に示す:成分 濃度(重量%) ポリエステル樹脂A 4.0−14.9 ポリエチレングリコールモノメチル 酢酸エステル 2.1−11.3 芳香族溶剤B 0−18.6 二塩基性エステルC 5.0−18.6 ブロック化された脂肪族 ポリイソシアネート 0.0−10.0 シリカ粉 0.1−1.0 亜鉛末 42.8−61.7 有機液体潤滑剤 0.5−1.5 この組成物は,鋼鉄ならびに亜鉛処理およびアルミニウ
ム処理された金属基材に柔軟な耐クラック性の塗膜を作
るための焼き付け温度は,約450゜Fから約500゜Fであ
る。
本発明の下塗りの上を塗装するためのプライマー組成物
として有用な液体溶接性プライマー組成物の調製の一例
を以下に示す。
プライマー組成物 実施例2: 26部の実施例2のポリエステル樹脂,4部の実施例1のポ
リエステル樹脂,35部のDBE溶剤および35部の芳香族溶剤
(Amsco G)の混合物を調製した。混合器中の27部のこ
の混合物に,次に示す成分を攪拌しながら添加する:0.8
0部のEpon828,2.00部のブロック化された脂肪族ジイソ
シアネート(Mobay3175),9部のDBE溶剤,0.20部のシリ
カ(Aerosil200),40.0部のNo.64亜鉛末,および15.0部
のフェロホスホラス(Fe2P)。全成分を充分に混合した
後,1部のヘキサメトキシメチルメラミンおよび0.2部の
パラトルエンスルホン酸のモルホリン塩を加える。これ
らの材料が分散した後,2部のブタノールおよび0.5部の8
5%リン酸を含有する混合物を攪拌しながら加える。必
要に応じて,少量のDBE溶剤を添加することにより粘度
を調節し得る。
プライマー組成物 実施例3: 実施例2(プライマー組成物)に記載の最初に調製した
樹脂溶剤混合物の27部に,以下の成分を攪拌しながら添
加する:0.80部のEpon828,2.0部のブロック化された脂肪
族ジイソシアネート,9部のDBE溶剤,0.2部のAerosil200,
および55部のフェロホスホラス。これらの成分全部を充
分に混合してから,1部のヘキサメトキシメチルメラミン
および0.2部のパラトルエンスルホン酸のモルホリン塩
を攪拌しながら加える。最後に,2部のブタノールおよび
0.5部の85%リン酸の混合物を攪拌しながら加え,必要
に応じて,DBE溶剤を用いて粘度を調節する。
プライマー塗料組成物は,例えば,浸漬,噴霧,ローラ
ー塗装およびバーコーティング(bar coating)を包含
する当該技術分野に公知のいずれかの方法により,金属
基材に塗装し得る。本発明のプライマー塗料組成物を,
乾燥し,固めた場合に,約0.1から約1.2ミル(mil),
通常,約0.1〜0.5ミルの厚さの膜となるように金属基材
に塗装する。このプライマー塗料組成物を本発明の下塗
り組成物の上に塗装する場合には,プライマー塗料を塗
装するのに先立って下塗り組成物を乾燥し,プライマー
塗料を塗装した後に,所望の耐腐食性塗膜を作るため
に,金属の最高温度が約150゜Fから約500゜F,より一般
的には約390゜Fから約500゜Fで乾燥および焼き付けす
る。
溶接性の塗装された金属が所望される場合には,下塗り
およびプライマー塗装は両者とも溶接性タイプであり得
る。すなわち,下塗りおよびプライマー塗装に使用され
る塗料組成物は,亜鉛末および/または鉄合金末を含有
する。このプライマー組成物にジブチル錫ジラウレート
のような触媒を添加することにより,低い焼き付け温度
が使用され得る。
冷間圧延鋼に本発明の下塗りを行い,続いて本発明に従
って溶接性プライマー塗料を塗装する場合に得られる有
利な結果は,以下の実験で実証される。11.7部のエポキ
シ樹脂3045,1.5部の三酸化クロム,0.8部の85%リン酸,
6.2部の亜鉛および79.8部の水を含有する水性組成物か
ら下塗り塗料を作る。この下塗り塗料は常法により冷間
圧延鋼に塗布され,次いで以下の表Vに示したように金
属の最高温度が350゜F,420゜F,または450゜Fで焼き付
けされる。乾燥した下塗り塗膜は厚さが0.10ミルであ
る。この下塗りの上に,有機溶剤30重量%,実施例2の
ポリエステル9.2重量%,ブロック化されたイソシアネ
ート硬化剤1.5重量%,シリカ0.6重量%,亜鉛57.8重量
%および有機潤滑剤0.9重量%を含有するプライマー塗
料組成物を塗布する。この上塗りも常法により塗布し,
以下の表Vに示したように金属の最高温度が350゜F,420
゜Fまたは450゜Fで焼き付ける。この上塗り塗膜の厚
さは0.50ミルである。
上述の工程で処理および塗装したパネルの数枚をASTM食
塩水噴霧試験に供し,残りの塗装パネルを界面活性剤液
試験に供した。
界面活性剤液試験では,乾燥標準界面活性剤を1.0重量
%含有する溶液を調製し,165゜Fに加熱した。約4イン
チの大きさの“X"字型の引っ掻き傷を付けたパネルと0.
3オルセン(Olsen)ボタンとをこの165゜Fの界面活性
剤溶液の中に吊るし,X印とボタンが完全に浸漬するよう
にする。そして,塗装が破壊されるまでの時間を時間単
位で観察し,記録する。食塩水噴霧試験と界面活性剤液
試験においてこれらのパネルの塗装が破壊するまでの時
間とを,以下の表Vにまとめる。
溶接性試験(表−表および表−裏)を,奇数番号の試験
の塗装金属試料で実施した。全てのパネルが溶接可能で
あった。
表Vにまとめた結果は,下塗り塗装および溶接しうる上
塗りり塗装のために金属焼き付けの最高温度範囲350〜4
50゜Fを採用すると,この2つの塗装システムは食塩水
噴霧および高温の界面活性剤液に対して高い耐性を有す
るこのを示す。上塗りりの金属焼き付けの最高温度が42
0゜Fまたはそれ以上の時,最も良好な結果が得られ
た。
プライマー塗膜は,乾燥時の厚さが約0.2から0.8ミル,
より一般的には約0.4から0.6ミルとなるように塗布され
る。本発明の方法および組成物を用いて塗装した金属基
材は,機械器具用塗装および自動車塗装のような市販の
高性能塗装を,簡単にかつ満足にし得る。本発明に従っ
て塗装した亜鉛含有塗装またはその他の電伝動性の塗装
は,耐腐食性をよくするため電気塗装で上塗りし得る。
本発明をその好適な実施態様に関して説明してきたが,
本明細書を読むことにより,該実施態様の種々の改変が
当該技術分野の当業者に明らかになると理解される。従
って,ここに開示した本発明は,このような改変も特許
請求の範囲内に包含されると理解される。
(発明の要約) 本発明は,水性エポキシ樹脂含有組成物,および金属基
材の腐食を防止するための塗料として特に有用な組成物
に関するものである。本発明の水性組成物は,一般に
(A)水に分散または乳化し得る少なくとも1種のエポ
キシ樹脂,または水に分散または乳化し得る少なくとも
1種のエポキシ樹脂を50重量%を越える量で含有する樹
脂混合物から実質的になる有機樹脂成分,(B)三酸化
クロム,および(C)水を含有する。これら水性組成物
は,さらにクロム酸ストロンチウムを実質的に含まない
という特徴を有する。本発明の水性組成物は,亜鉛およ
び/またはフェロアロイを含む他の成分をも含有し得
る。
これら水性組成物は,金属表面,特に鋼鉄や亜鉛メッキ
またはアルミニウム処理された金属基材表面の下塗りと
して有用である。この下塗りの後に,溶接性または非溶
接性のプライマー塗装を行い,その上に器具の上塗りや
自動車の上塗りのような装飾用上塗りを施すことができ
る。本発明はまた,下塗り用塗料,および必要に応じて
溶接性および非溶接性のプライマー塗料で被覆された金
属基材に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウェイテ エム.クラーク アメリカ合衆国 カリフォルニア 92770 ランチョ ミラージ,コロンビア ドラ イブ127 (72)発明者 ポリ シー.ユ アメリカ合衆国 ペンシルベニア 15090 ウェックスフォード,ドッグウッド ス トリート2425 (72)発明者 リチャード ティー.モイル アメリカ合衆国 オハイオ 43062 パタ スカラ,ウッドサイド ドライブ 36 (56)参考文献 特開 昭62−275171(JP,A) 特開 昭57−121069(JP,A) 特開 昭58−84980(JP,A) 特開 昭56−141366(JP,A) 特開 昭60−197881(JP,A) 米国特許4026710(US,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基材に耐腐食性が向上した塗料を塗布
    する方法であって、以下の工程 (1)(A)少なくとも1種の、エピハロヒドリンと芳
    香族ポリヒドロキシ化合物との縮合生成物である水分散
    性もしくは乳化性エポキシ樹脂、 (B)三酸化クロム、および (C)水、 (D)非イオン性界面活性剤 を含む水性組成物を金属基材に塗布すること、そして (2)この塗布された金属基材を65.6〜232℃(150〜45
    0゜F)の温度に加熱し、金属基材上に所望の耐腐食性
    塗膜を与えること を含む方法。
  2. 【請求項2】前記水性組成物が亜鉛末もしくはフェロア
    ロイ粉末、またはこれらの混合物を含む、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】前記エポキシ樹脂がビスフェノールのジグ
    リシジルエーテルである、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記水性組成物が、リン酸またはアルキル
    リン酸をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記水性組成物が少なくとも1種のハロゲ
    ン含有熱可塑性ポリマーをさらに含む、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】前記熱可塑性ポリマーがフッ素含有ビニル
    ポリマーである、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】前記水性組成物が少なくとも1種の熱可塑
    性ポリエステル樹脂をさらに含む、請求項1記載の方
    法。
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