JPH0794449A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH0794449A
JPH0794449A JP4565794A JP4565794A JPH0794449A JP H0794449 A JPH0794449 A JP H0794449A JP 4565794 A JP4565794 A JP 4565794A JP 4565794 A JP4565794 A JP 4565794A JP H0794449 A JPH0794449 A JP H0794449A
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JP
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film
transition metal
nitrogen
tisi
tin
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Application number
JP4565794A
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English (en)
Inventor
Atsuko Sakata
敦子 坂田
Iwao Kunishima
巌 國島
Kazuya Ouchi
和也 大内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体基板の拡散層上に形成するTiSi2
膜を50nmと薄膜化した場合でも膜の抵抗を十分低く
することができ、かつTiSi2 膜の耐熱性の向上をは
かり得る半導体装置の製造方法を提供すること。 【構成】 拡散層上にTiシリサイドを形成して低抵抗
化をはかった半導体装置の製造方法において、表面にp
+ 拡散層14を有し所望パターンに絶縁膜12,13
4 ,135 が形成されたSi基板11上の全面に、窒素
を含まない不活性ガス雰囲気でTiをターゲットとした
スパッタによりTi膜17を形成し、次いでTi膜17
上に、窒素を含む不活性ガス雰囲気でTiをターゲット
とし、Si基板11がプラズマに晒されないようにした
スパッタにより、TiN膜18を形成し、次いでTi膜
17とTiN膜18の積層膜を加熱することによって、
Si基板11とTi膜17が直接接する部分にTiSi
2 膜19を形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浅い不純物拡散層上に
Tiシリサイド等の遷移金属化合物膜を自己整合的に形
成した半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化に伴い、電
気回路の微細化は進む一方であり、基本素子である電解
効果トランジスタ(FET)等においても微細化が必要
となっている。FETのゲート電極の幅を狭くするのに
伴って、短チャンネル効果の発生を抑制するために、ソ
ース・ドレイン領域の拡散層深さも浅くすることが要求
され、低加速イオン注入法等が広く用いられている。こ
の方法を用いることにより、0.1μm以下の浅いソー
ス・ドレイン領域を形成でき、FETの微細化と共に性
能向上をはかることが可能であるが、この場合、不純物
拡散層の抵抗は高く、100Ω/□以上のシート抵抗と
なってしまう。半導体素子の高速化のためには、拡散層
のシート抵抗を小さくしてドレイン電流を流れやすくす
る必要がある。この目的のために、拡散層の表面を金属
化し低抵抗化する方法が提案されている。
【0003】このような方法の1つとして、図8に示す
ように、サリサイドと呼ばれる拡散層表面を自己整合的
にシリサイドにする方法がある。まず、p型Si基板1
上のフィールド酸化膜2で囲まれた素子形成領域にゲー
ト絶縁膜31 ,ゲート電極32 及び側壁絶縁膜35 から
なるゲート領域3を形成し、さらにイオン注入によりp
+ 型の不純物拡散層4を形成する。続いて、チタン(T
i)ターゲット表面をアルゴン(Ar)プラズマでスパ
ッタリングし、Ti膜7を40nmの厚さに堆積する。
その後、Tiターゲット表面を窒素とアルゴン(N2
Ar)の混合ガスによって生成したプラズマでスパッタ
リングし、ターゲット表面の窒化反応によりチタンナイ
トライド(TiN)を形成しながら、先のTi膜7表面
上にTiN膜8を堆積する(図8(a))。
【0004】次いで、この多層膜を窒素雰囲気中でアニ
ールして珪化チタン(TiSi2 )膜9を形成する(図
8(b))。その後、硫酸及び過酸化水素の混合溶液を
用いて未反応のTi及びTiNをエッチング除去する
(図8(c))。ここまでの工程により、不純物拡散層
4上にのみ自己整合的にTiSi2 膜9が形成される。
最後に、絶縁膜5を設けコンタクトホールを開口した
後、電極配線6を形成する(図8(d))。
【0005】この方法によると、例えば80nmのシリ
サイドを形成することによってシート抵抗を約3Ω/□
に低減できる。ここで、Ti表面に堆積するTiN膜は
Ti表面の酸化を抑制する作用をし、良好なTiSi2
を形成するためには欠くことのできない膜であった。し
かしながら、最近のMOSFETの更なる微細化の研究
によって以下のような問題の生ずることが分かってき
た。
【0006】シリサイドは拡散層上に直接形成されるた
めに、シリサイドを形成することで基板Siが消費さ
れ、拡散層の実効的な厚さが減少する。例えば、0.1
μmの拡散層を形成したのち80nmのTiSi2 を形
成した場合、拡散層の残り厚さは20nmと非常に少な
くなってしまう。この結果、浅い拡散層上にシリサイド
を形成すると、この実効的拡散層厚さが減少するのに伴
い拡散層の接合リーク電流が著しく増加することが明ら
かになった。従ってこの問題を回避するためには、素子
の微細化に伴ってシリサイドの膜厚を薄くして行くこと
が重要となってきた。ところが、さらに種々の検討を進
めた結果、以下のような問題点の生じることが明らかに
なってきた。
【0007】即ち、形成するTiSi2 の膜厚を薄くす
るために堆積するTiの膜厚を薄くするとTiSi2
比抵抗が上昇し、当初予想されたほど拡散層のシート抵
抗は低下しないことが明らかになったのである。このた
め、素子の性能を十分に発揮させるためにはTiSi2
膜厚を増加させる必要が生じてしまい、素子の性能向上
を阻む要因となった。例えば上記方法で薄膜TiSi2
を30nm形成した場合、TiSi2 膜の比抵抗は25
μΩcmにもなる。TiSi2 膜の理想的な比抵抗は1
3μΩcm前後であり、これと比べて90%も高い値で
あるためシート抵抗を十分に低減することができなかっ
た。
【0008】また、この膜を熱処理したところ750℃
以上の温度でシート抵抗が急激に上昇する現象が現れた
ため、膜の状態を詳細に調べた結果、アニールによって
TiSi2 の結晶粒が凝集する、いわゆるアグロメレー
ション現象が起こっていることが明らかになった。従
来、アグロメレーションは900℃以上で顕著に起きる
ことが報告されていたが、このような低温での報告はな
されておらず素子の微細化を抑制する重大な問題点であ
ることが明らかになってきた。従って、これらの原因を
解明すると共に、その対策をはかることが急務となって
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、深さ
が0.1μm以下の浅い不純物拡散層上にTiSi2
自己整合的に形成する場合に、接合リークの発生を防止
するためにTiSi2 膜厚を薄くする必要があった。し
かし、TiSi2 を薄くすると膜の比抵抗が上昇し、同
時にアグロメレーションの開始温度が著しく低下するこ
とが明らかになったため、素子の微細化を進めることが
困難であった。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、半導体基板の拡散層上
に形成するTi等の遷移金属の化合物膜を50nmと薄
膜化した場合でも膜の抵抗を十分低くすることができ、
かつ遷移金属化合物膜の耐熱性の向上をはかり得る半導
体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち、本
発明(請求項1)は、拡散層上に遷移金属化合物膜を形
成した半導体装置の製造方法において、表面に不純物拡
散層を有し所望パターンに絶縁膜が形成された半導体基
板上の全面に、窒素を含まない不活性ガス雰囲気で遷移
金属をターゲットとしたスパッタにより遷移金属膜を形
成し、次いで遷移金属膜上に、窒素を含む不活性ガス雰
囲気で遷移金属をターゲットとし、半導体基板がプラズ
マに晒されないようにしたスパッタにより遷移金属の窒
化物膜を形成し、次いで遷移金属膜と遷移金属の窒化物
膜の積層膜を加熱することによって、絶縁膜の開口部に
露出した基板表面部分に、半導体基板の構成元素と遷移
金属との化合物膜を形成することを特徴とする。
【0012】また、本発明(請求項2)は、拡散層上に
遷移金属化合物膜を形成した半導体装置の製造方法にお
いて、表面に不純物拡散層を有し所望パターンに絶縁膜
が形成された半導体基板上の全面に、窒素を含まない不
活性ガス雰囲気で遷移金属をターゲットとしたスパッタ
により遷移金属膜を形成し、次いで遷移金属膜上に、窒
素を含まない不活性ガス雰囲気で遷移金属の窒化物をタ
ーゲットとしたスパッタにより遷移金属の窒化物膜を形
成し、遷移金属膜と遷移金属の窒化物膜の積層膜を加熱
することによって、絶縁膜の開口部分に露出した基板表
面部分に、半導体基板の構成元素と遷移金属との化合物
膜を形成することを特徴とする。
【0013】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 半導体基板としてSiを用い、遷移金属としてTi
を用いたこと。 (2) 積層膜を加熱する雰囲気は窒素を含まない不活性雰
囲気であること。 (3) Tiシリサイド(TiSi2 )中の酸素濃度は1×
1020cm-3以下であること。 (4) Tiシリサイド(TiSi2 )中の窒素濃度は1×
1019cm-3以下であること。 (5) 基板を加熱しながらスパッタリングによりTi膜を
堆積すること。
【0014】
【作用】遷移金属の窒化物膜(例えばTiN)を形成す
る際に、ターゲットとしての遷移金属(例えばTi)が
窒素プラズマに晒されると、ターゲット表面でTiNが
生成され、これが半導体基板上の遷移金属膜(例えばT
i)上に堆積される。このとき、半導体基板が窒素プラ
ズマに晒されると、下地のTi膜にNが取り込まれるこ
とになり、さらに堆積されるTiN膜ではNが過剰とな
る。このため、後続する熱処理工程でTiシリサイドを
形成する際に、TiN膜の過剰なN及びTi膜に取り込
まれたNの影響でTiシリサイドの膜質が劣化する。
【0015】本発明(請求項1)によれば、下地として
のTi膜がプラズマに晒されない条件でスパッタするた
め、Ti膜上にTiとNの組成比が一定比を保ったまま
の化学量論組成のTiN膜を形成することができ、少な
くともNの組成が1:1の化学量論組成より少ない領域
が、Ti膜上に形成されることがない。さらに、下地の
Ti膜にNが取り込まれることもない。このため、Nの
影響でTiシリサイドの膜質が劣化することはなく、良
質のTiシリサイドを形成することができる。
【0016】また、Ti膜中にNの侵入した領域は、欠
陥も多く、例えばTiSi2 膜質の劣化に寄与するOの
ような不純物が侵入しやすくなるが、本発明によればこ
れを回避することができ、やはり良質のTiシリサイド
を形成することができる。具体的には、理想的な比抵抗
を持つ熱的に安定な高融点シリサイド膜を形成できるた
め、0.1μm以下の浅い接合を持つ微細デバイスの拡
散層上に接合リーク不良がなく、シート抵抗の低い安定
したサリサイドを有する半導体装置を実現することが可
能となる。
【0017】また、本発明(請求項2)によれば、形成
されるTiN膜の組成比が化学量論組成比となるように
作成された化合物TiNターゲットを用いて、これを窒
素を含まない雰囲気でスパッタすることにより、Ti膜
上に化学両論組成比のTiN膜を形成することができ
る。従って、請求項1と同様に、良質のTiシリサイド
を形成することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係わるM
OSFETの製造工程を示す断面図である。まず、図1
(a)に示すように、(001)を主面とするn型のS
i基板11上に埋め込み法により800nmのフィール
ド酸化膜12を形成する。この酸化膜12に囲まれた素
子形成領域に10nmのゲート酸化膜131 ,150n
mのドープした多結晶層132 ,150nmの珪化タン
グステン(WSi2 )膜133 を順次堆積した後、これ
をゲート形状にエッチングで加工して積層膜を設ける。
この後、SiN膜135 を150nmの厚さに堆積した
後、異方性エッチングで加工してゲートの側壁にSiN
膜135 を残存させる。これにより、ゲート領域13を
形成する。
【0019】次いで、Si露出表面上に厚さ10nmの
SiO2 膜16を形成した後、BF2+イオンを35ke
Vで5×1015cm-2注入し、N2 雰囲気中で1000
℃,20秒の熱処理を加えることにより、約0.1μm
の浅いp+ 拡散層14を形成する。
【0020】次いで、p+ 拡散層14の表面上を硫酸と
過酸化水素の混合液で処理してカーボン(C)系の表面
汚染を除去した後、メタル系の汚染を塩酸と過酸化水素
の混合液で処理する。その後、このp+ 拡散層14の表
面上にできた薄いSiO2 膜を希弗酸で洗浄剥離後、溶
存酸素濃度が10ppbの超純水で流水洗浄する。
【0021】次いで、図2(a)に示すようにスパッタ
装置を用い、被処理基板10とTiターゲット20を対
向配置し、Tiターゲット表面をArプラズマでスパッ
タリングすることによって、図1(b)に示すようにT
i膜17を約15nmの厚さに堆積する。
【0022】次いで、図2(b)に示すようにスパッタ
装置を用い、Tiターゲット20の表面をN2 とArの
混合ガスのプラズマでスパッタリングすることによっ
て、Tiターゲット表面の窒化反応によりTiNを形成
しながら、先のTi膜17表面上にTiN膜18を約1
00nmの厚さに堆積させる。このとき、N2 /Arの
混合ガスは、形成されるTiN膜組成が1:1の化学量
論組成比になるよう混合比を調節した。また、スパッタ
リングに際しては、ターゲット20と基板10との距離
は300mmとし、Arプラズマ及び上記混合ガスのプ
ラズマはターゲット近傍にのみ励起し、基板10は直接
プラズマ雰囲気に晒されないように配置した。ここで、
基板10はスパッタリングで使用するプラズマ電位に近
い電位になるように正の電圧を印加して配置してある。
なお、基板10はコンデンサを介して設置するなどして
グランド電位から浮かしたフローティングの状態にして
もよい。
【0023】次いで、図1(c)に示すように、この積
層膜をN2 雰囲気中でアニールし、基板SiとTi膜が
直接接触する部分にTiSi2 膜19を形成した。その
後、図1(d)に示すように、TiN膜18及び未反応
のTi膜17をエッチング除去した。
【0024】上記した方法で形成したTiSi2 膜19
を評価したところTiSi2 の膜厚が約30nmと非常
に薄いにも拘らず、比抵抗は13μΩcmと理想的な値
と同等の低い値であることが明らかとなった。この結
果、従来方法で30nmのTiSi2 を形成した場合に
はシート抵抗は8Ω/□であったのに対し、上記方法を
用いた場合には4Ω/□と約1/2に低減させることが
可能となった。
【0025】図3は深さ0.1μmの拡散層上にTiS
2 を張り付け、シート抵抗4Ω/□とした場合の接合
リーク特性を、従来方法を用いてTiSi2 を形成した
場合と本実施例方法を用いた場合で比較した結果であ
る。従来の方法では、著しいリークの発生が認められ
る。先に述べたように、実効拡散層深さの減少に伴う接
合リークの増加を回避し、素子の信頼性を確保するため
には、TiSi2膜を薄くする必要があるのだが、従来
方法で形成したTiSi2では薄膜化に際してシート抵
抗が下がらず、動作速度の低下に伴いMOSFETの性
能が低下した。これに対して本実施例の方法を用いた場
合には接合特性の劣化は生じないことが確認された。
【0026】また、厚さ30nmのTiSi2 膜を70
0〜900℃の温度で熱処理した後のシート抵抗の変化
を従来技術の場合と比較したところ、次のような結果が
得られた。即ち、従来方法ではアニール温度750℃で
30Ω/□,アニール温度900℃で300Ω/□、本
実施例方法ではアニール温度750℃で4Ω/□,アニ
ール温度900℃で5Ω/□であった。
【0027】これより明らかに、本実施例方法を用いて
形成したTiSi2 の場合、全ての温度範囲でシート抵
抗の上昇は殆ど認められないのに対し、従来技術を用い
た場合には750℃を越えた時点から急激な抵抗上昇が
生じ、900℃では300Ω/□以上の高抵抗値になる
ことが分かる。さらに、従来技術で形成したTiSi2
を850℃以上でアニールした後に接合リーク特性を測
定したところ、完全に接合破壊の生じていることも明ら
かになった。この試料を詳細に評価したところ、従来技
術でTiSi2 を形成した場合には750℃以上からT
iSi2 膜の凝集現象が開始し、850℃以上では凝集
した各々の結晶粒が成長し拡散層を突き抜いてリークを
生じさせていることが確認された。これに対して、本実
施例方法を用いた場合にはリークの発生は認められなか
った。
【0028】以上のように、本実施例方法を用いること
により50nm以下の薄いTiSi2 膜を形成した場合
でも、理想値と同等の低い比抵抗を実現できるのと同時
に、900℃の高温まで安定な耐熱性の高いTiSi2
膜が形成できることが明らかとなった。
【0029】一方、上記効果の機構を明らかにするため
に形成したTiSi2 中の不純物分析をSIMSを用い
て行った結果を図4、図5に示す。これより明らかなよ
うに、従来技術を用いて形成したTiSi2 の膜中には
窒素が深さ方向にほぼ一様に1019cm-3以上の濃度で
含まれている(図4(a))のに対し、本実施例方法を
用いた場合には窒素は膜中に殆ど検出されなかった(図
4(b))。
【0030】また、酸素に関しても、興味深い事実が得
られた。従来技術を用いて形成したTiSi2 の膜中で
は、酸素が膜の表面近傍で特に多く、しかも深さ方向に
略一様に約1020cm-3以上の濃度で含まれている(図
5(a))のに対し、本実施例方法を用いた場合には酸
素は膜中にバックグランドベースしか検出されなかった
(図5(b))。ここで、この酸素はTiN膜の成膜中
にこのTiN膜中に混入してしまうものや、外部雰囲気
からTiN膜の柱状結晶の結晶粒界を通して拡散してく
るものである。
【0031】さらに、断面TEM観察、XRD測定を行
った結果では、TiSi2 膜の結晶粒径及び相に関して
有意な差は認められなかった。即ち、従来方法でTiS
2を形成した場合には、TiSi2 膜中に外部から多
量の窒素が取り込まれる。この領域には欠陥が多く、酸
素が取り込まれやすくなっていると同時に、窒化物のあ
る領域は、他のTiSi2 領域より酸化されやすく、例
えばシリサイデーションの熱処理中に界面にパイルアッ
プした酸素により酸化される可能性や、TiNを硫酸と
過酸化水素水の混合液で剥離する際に酸化される可能性
等々、によって酸素がTiSi2 中に取り込まれること
になる。
【0032】その結果、膜の比抵抗が増大すると同時に
耐熱性が低下するのに対し、本実施例の方法を用いた場
合には窒素の取り込みが抑制され、ひいては酸素の取り
込みも抑制される。そのため、良好なTiSi2 膜が形
成できることが明らかとなった。
【0033】このメカニズムをさらに考察した結果、以
下のことが明らかとなった。即ち、従来の方法ではTi
ターゲットをN2 とArの混合ガスのプラズマでスパッ
タリングしTiN膜を形成する際に基板表面がプラズマ
中に晒されるために、Ti膜の表面から活性な窒素がT
i膜内部に侵入し、この侵入した窒素がTiSi2 膜中
に取り込まれる。また、TiN堆積時にTi膜の表面か
ら侵入した活性な窒素によって、Ti/TiN界面に、
明確な界面が認められなくなる。TiN堆積時から、こ
のようなTi膜表面の窒化の領域を形成することは、堆
積時から酸素の取り込みやすい領域を形成することにな
る。
【0034】これに対し本実施例の方法では基板を窒素
プラズマ領域に晒さないように設置しているために、T
i表面からのプラズマによる窒素の侵入が生じない。上
記実施例では、ターゲットと基板の距離を300mmと
したが、これに限るものではなく種々検討した結果、タ
ーゲットと基板の距離が少なくとも100mm以上であ
れば、同様の効果が認められた。より具体的には、基板
表面におけるプラズマ密度が最高プラズマ密度の10%
以下となる距離に、ターゲットと基板を配置した場合に
同様の効果が認められた。
【0035】また、従来方法で形成したTiN膜の組成
を詳細に評価した結果、TiN膜組成が、Ti:N=
1:1〜1.2の範囲でばらついていることも明らかに
なった。この結果、正規組成からずれた余剰の窒素がT
iSi2 の形成過程でTiN膜中からTi膜側へ内方拡
散するため、Ti/TiN界面から窒素の高濃度に分散
した領域が形成され、明確な界面が認められなくなるの
と同時に、熱処理温度によってもTi膜中への拡散速度
が異なるために、均一な薄膜のTiSi2 を所望の膜厚
通りに得ることも困難であった。
【0036】同時に、TiN膜組成が窒素リッチになる
ことによって余剰の窒素によって格子定数が大きくな
り、TiN膜中、粒界に酸素が多く侵入しやすくなる。
さらに、先に述べたようにTi/TiN膜界面に不明瞭
な窒化領域が形成されるだけでなく、正規組成からずれ
た余剰の窒素がTiSi2 の形成過程でTiN膜中から
Ti膜側へ内方拡散するためTi/TiN界面から窒素
の高濃度に分散した領域が形成され、明確な界面が認め
られなくなる。これによって、酸素の侵入しやすい領域
や経路、或いは酸化されやすい領域を形成することにな
ると共に、熱処理時に先のTiN膜中の酸素がNの拡散
と同時に、TiN膜側へ内方拡散することにより、結果
としてTiSi2 膜中の不純物酸素濃度が増加する。
【0037】これに対し、本実施例方法を用いた場合に
は、TiN堆積時にTi膜の表面から活性な窒素が侵入
しないため、Ti/TiN界面に、明確な界面が認めら
れるようになる。また、TiN膜を1:1の化学量論組
成比で形成しているため、熱処理してTiSi2 膜を形
成する際に、TiSi2 膜中への窒素の取り込みが防止
される。従って、以上の2点から、Ti/TiN界面で
の不均一な窒化反応を防ぎ、TiSi2 表面の荒れを防
ぐと共に、均一な薄膜TiSi2 を所望の膜厚で再現性
良く得ることができる。
【0038】また、上記のようなTi/TiN界面を明
確に形成できることで、酸素を取り込みやすい領域、酸
化されやすい不均一な領域が減少し、TiSi2 膜中へ
の酸素の取り込みを防ぐことができる。さらに、TiN
膜が1:1の化学量論組成比で形成されているので、T
iN膜中、粒界の酸素の取り込み量を減少させ、シリサ
イデーション時の再拡散等を防ぐこともできる。
【0039】さらに、基板をグランド電位から浮かせた
り、スパッタリングで使用するプラズマ電位に近い電位
になるように正の電位に設定して配置しているため、基
板がプラズマ電位と等電位になるので、プラズマ中から
の正イオンの入り込みを防止し、先に積層したTi表面
上に与えるダメージを減少させることができる。これに
よって、窒素などを初めとした高エネルギーの正イオン
のTi表面への入り込みを防ぎ、上記効果が一層期待で
きる。
【0040】以上の理由から、比抵抗を減少させること
ができ、拡散層表面のシート抵抗を低減することができ
ることが明らかとなった。また、TiSi2 膜中に窒素
や酸素が取り込まれないためTiSi2 結晶粒界エネル
ギーが上昇せず、アグロメーションが起こりにくくな
り、耐熱性が向上することも明らかとなった。
【0041】なお、本実施例方法と従来方法とで形成さ
れるTiSi2 の膜質の違いは次のようにも推察され
る。従来方法では、TiSi2 中に窒素や酸素が取り込
まれることによって、TiSi2 が高抵抗C49相から
低抵抗C54相に相転位するのが阻害され、その結果、
形成されたTiSi2 中に高抵抗なC49相が残ること
になり、ひいては比抵抗の増大を招く。さらに、膜中に
窒素や酸素が取り込まれると、相転位後のTiSi2
グレイン成長をも阻害し、かつ結晶中に歪みを導入する
要因ともなる。これら種々の要因は、やはり電子の散乱
断面積を増大させる結果となり、シート抵抗を増大させ
る。これに対し本実施方法例では、TiSi2 中に窒素
や酸素が取り込まれることがないため、TiSi2 がC
49相からC54相に確実に相転位することになるので
ある。 (実施例2)図6は、本発明の第2の実施例に係わる半
導体装置の製造工程を示す断面図である。まず、図6
(a)に示すように、(001)を主面とするn型のS
i基板51上に、熱酸化により800nmのフィールド
酸化膜52を形成する。この酸化膜52に囲まれた素子
形成領域にBF2+イオンを35keVで5×1015cm
-2注入し、N2 雰囲気中で1000℃,20秒の熱処理
を加えることにより約0.1μmの浅いp+ 拡散層54
を形成する。
【0042】次いで、層間絶縁層として、CVD−Si
2 膜55,BPSG膜56の積層膜を1.0μm厚に
て全面に堆積した後、拡散層上にコンタクトホールを形
成する。この基板を硫酸と過酸化水素の混合液で処理
し、さらに塩酸と過酸化水素の混合液で処理した後、拡
散層表面の薄いSiO2 膜を希弗酸で洗浄剥離後、溶存
酸素濃度が10ppbの超純水でリンスする。
【0043】次いで、図7(a)に示すようなスパッタ
装置を用い、被処理基板50とTiターゲット20を対
向配置し、Tiターゲット表面をArプラズマでスパッ
タリングすることによって、図6(b)に示すように厚
さ15nmのTi膜57を堆積する。続いて、図7
(b)に示すようなスパッタ装置を用い、1:1の化学
量論組成比で構成されるTiNの化合物ターゲット30
を用い、TiNターゲット表面をArプラズマでスパッ
タリングすることによって、先のTi膜57表面上に化
学量論組成比のTiN膜58を100nmの厚さに堆積
させる。ここで、基板50は実施例1と同様に、グラン
ド電位から浮かせたり、スパッタリングで使用するプラ
ズマ電位に近い電位になるように正の電位に設定して配
置する。
【0044】次いで、図6(c)に示すように、この多
層膜をN2 雰囲気中で700℃で30分アニールして、
TiSi2 膜59を形成する。その後、図6(d)に示
すように、TiN膜58及び未反応Ti膜57を除去し
てサリサイドを形成した。
【0045】このようにして得られたTiSi2 膜59
の比抵抗を評価した結果、第1の実施例の場合と同様に
約13μΩcmの理想的な値にほぼ一致する膜であるこ
とが確認された。
【0046】また、このようにして形成したTi/Ti
N積層膜の堆積直後の界面及び熱処理後のTiSi2
TiNの界面を断面TEMで観察した結果、従来技術を
用いた場合の界面では、TiSi2 表面に高濃度の窒素
を含む領域が形成されるため界面は不明瞭であったのに
対し、本実施例の方法で形成されたTi/TiN界面及
び熱処理後のTiSi2 膜/TiN界面は非常に急峻で
あった。
【0047】また、本実施例の方法で形成されたシリサ
イド表面は滑らかであり、局所的な凹凸の生成は認めら
れなかった。さらに、アグロメレーションに対する耐熱
性も第1の実施例方法の場合と同様に従来技術に比べて
150℃以上向上することが確認された。第2の実施例
によって形成したTiSi2 膜中の窒素濃度、酸素濃度
をSIMSを用いて評価した結果、やはり膜中で窒素濃
度に関しては1019cm-3、酸素濃度に関しては1020
cm-3以下に保たれていることが明らかになった。
【0048】このように、第2の実施例の方法によりS
i基板上に良好なTiSi2 膜が形成できる機構は以下
のように説明できる。第1の機構としては第1の実施例
の場合と同様に堆積する、TiN膜の組成を容易に化学
量論組成比にすることができるため、N2 雰囲気中で熱
処理してTiSi2 膜を形成する際にTiN膜中からT
i膜側への余剰窒素が内方拡散が生ぜず、Ti膜中への
窒素の取り込みを防ぎ、表面の荒れを防ぐと共に、均一
な薄膜TiSi2 を所望の膜厚で再現性良く得ることが
できる。そのため、比抵抗を減少させることができ、拡
散層表面のシート抵抗を低減できる。
【0049】第2の機構としては、Ti/TiNの積層
構造膜を堆積するときにTi表面を窒素プラズマに晒さ
ないことにより、活性な窒素でTi表面及びTi膜がダ
メージを受けるのを排除した点にある。従来方法ではT
iNを堆積させる場合、Tiターゲット表面をN2 とA
rの混合ガスのプラズマでスパッタリングする際、Ti
膜中への活性な窒素プラズマの拡散速度は、通常の窒素
よりも速い。このため従来方法では、TiN膜を形成す
る際に窒素をTi膜中に取り込んでしまう。
【0050】また、活性な窒素プラズマに晒されたTi
表面は、低い温度でも局部的に窒化反応が進み、TiN
を形成する。この反応はTi表面方向,深さ方向で共に
均一でないため、Ti表面の荒れを生じると共にTi/
TiN界面のだれを生じさせる。その結果、形成された
TiSi2 膜表面の荒れを生じさせる。例えば、従来方
法で形成されたTiSi2 表面は、表面凹凸高さが5〜
8nmになり、シリサイド膜厚30nmに対して約30
%の膜厚の揺らぎが生じてしまう。これに対して本発明
によると、表面凹凸高さは1〜3nmに抑えられてお
り、シリサイド膜厚30nmに対して膜厚の揺らぎを1
0%以下にすることができる。膜厚の揺らぎは、薄膜に
おいては抵抗上昇の一因となると共に、膜を凝集させや
すくする要因でもある。
【0051】さらに、エネルギーを持った活性な窒素に
よってTiの表面付近の結合を切ることになり、格子欠
陥を生じその後の熱処理の際に、Ti/TiN界面での
固相反応において、不均一な窒化や過剰な窒素の取り込
みを促進させる要因となる。TiSi2 膜中に取り込ま
れた窒素は、原子半径がTi(0.068nm)やSi
(0.041nm)に対して原子半径が大きいため
(N:0.171nm)、TiSi2 の格子間や格子欠
陥に取り込まれることによって、TiSi2 の格子に局
所的な歪を導入し、電子の拡散抵抗を増大させる。これ
は、Nの原子半径が大きいために単純に散乱断面積が増
えるためと、TiSi2 の格子の周期的ポテンシャルが
歪むためとの2つの要因による。さらに、TiNとし
て、TiSi2膜中に分布した場合も、同様の影響を及
ぼす。また、TiSi2 の比抵抗が13μΩcmである
のに対し、TiNは100μΩcm以上の高抵抗値を持
つため、上記した効果は重畳してTiSi2 膜としての
シート抵抗を上昇させることとなる。
【0052】さらに、上記窒素の引き起こす現象によっ
て、Ti/TiN堆積時から熱処理に至るまでの工程の
中でTi膜中に多く導入された欠陥は、酸素の侵入しや
すい領域を形成することになる。また、不均一に分布し
たTiNは、熱処理中に酸化されやすく、一層TiSi
2 膜中の不純物酸素濃度を増加させる。不純物酸素濃度
の増加したTiSi2 膜は、一層比抵抗が上昇すること
になる。
【0053】これに対し第2の実施例では、TiNの化
合物ターゲットをArプラズマによってスパッタリング
しているために、基板表面がプラズマ雰囲気に晒される
場合でもTiN膜堆積時にはTi膜中への窒素の取り込
みがなく、表面の不均一な窒化も起こらない。また、T
iに対してArプラズマは不活性であるために、窒素プ
ラズマに比べてTi結合を切る確率は小さく、格子欠陥
等を生じにくい。さらに、TiSi2 膜中に窒素が取り
込まれないために、界面エネルギーが上昇しないだけで
なく、より均一な膜となるために、アグロメレーション
開始の起点となる特異点の存在確率も減少し、耐熱性が
さらに向上する。以上の機構により、TiSi2 膜の均
一性の向上、シート抵抗の低減及び耐熱性を向上させる
結果となっている。
【0054】ここで、上記のTi表面の窒化防止の効果
によって、TiSi2 膜中酸素濃度が減少し、その結果
シート抵抗、比抵抗低減、及び耐熱性向上に効果がある
ことは言うまでもない。
【0055】さらに、基板をグランド電位から浮かせた
り、又はスパッタリングで使用するプラズマ電位に近い
電位になるように正の電位に設定して配置しているた
め、基板がプラズマ電位と等電位になるので、プラズマ
中からの正イオンからの入り込みを防止し、先に積層し
たTi表面上に与えるダメージを減少させることができ
る。これによって、窒素などを初めとした高エネルギー
の正イオンのTi表面への入り込みを防ぎ、上記効果が
一層期待できるのは先の実施例に示した通りである。
【0056】なお、Ti膜を堆積する場合に、400℃
以下の温度、例えば200℃で基板を加熱しながらスパ
ッタリングを行うと、基板と反応することなくTi膜中
の格子欠陥等が回復し結晶性が良くなるために、窒素ひ
いては酸素が取り込まれにくくなるため、上記実施例と
同様な効果が得られた。
【0057】さらに第1,第2の実施例方法ではTi/
TiNの積層膜を窒素雰囲気中でアニールすることによ
ってTiSi2 を形成したが、アニールをAr雰囲気中
で行った場合にはさらに効果的であった。
【0058】窒素雰囲気中で熱処理する方法では、熱処
理雰囲気中からTiN柱状結晶の結晶粒界を通して窒素
がTi膜表面に到達して、窒化を促進させると共にシリ
サイド形成時に窒素を取り込んでしまう。このため、や
はり第1,第2の実施例で示したように膜質が低下す
る。上記の如くアニールをAr雰囲気中で行った場合に
は、熱処理雰囲気からの窒化の影響がないために膜質が
向上し、薄膜形成においても膜厚の制御が容易であるだ
けでなく、TiSi2 膜中のみならず、TiSi2 結晶
粒界に窒素が取り込まれないために、界面エネルギーが
上昇せず、アグロメレーションに対する耐熱性もいっそ
う向上する。さらに、TiNが窒素リッチ組成で構成さ
れている場合においても、アニール雰囲気中に窒素が含
まれていないために窒素がAr雰囲気中へ外方拡散する
事によって、Ti中への窒素の拡散を最小限に抑制で
き、第1、第2の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0059】上記した以外にも、TiNの粒径を大きく
して、粒界面積を減少させて熱処理雰囲気からの窒素の
内方拡散量を減少させることも、TiSi2 膜中の窒素
濃度を低減させる上で効果的であった。また、TiNの
柱状結晶粒界が、熱処理雰囲気からTi表面に直接通じ
ないようにTiNを少なくとも2段階層以上になるよう
に堆積させ、窒素の内方拡散を減少させることも、上記
の方法と同様な効果を現すことが可能であった。なお、
この窒素に関しての効果は同様に酸素に関しても効果を
発揮することは言うまでもない。
【0060】本発明は上記実施例に限ることなく、その
他種々これを変形して実施できることはいうまでもな
い。例えばTiSi2 以外にも遷移金属のシリサイド、
例えばNiSix,CoSix (X=0.5,1,2)或いはZrS
ix ,Pdx Si,VSix ,HfSix ,TaSix
,WSix 等他のシリサイドを形成する際にも各々の
金属膜上にキャップ層として形成する化合物膜層からの
不純物の拡散を防止することによって同様の効果が期待
できる。また、キャップ層はTiN膜に限るものではな
く、炭化物膜、硼化物膜等他の化合物膜についても同様
の議論が可能である。また熱処理雰囲気に関しても窒素
分圧を下げた不活性な熱処理雰囲気、或いは単に不活性
ガスのみならず、キャップを構成する物質を含まずなお
且つ堆積した積層膜と反応しない雰囲気であれば、先の
実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、上記
実施例では、いずれもTiNキャップ有りの場合につい
て述べたが、これに限るものではなくTi膜を堆積し、
窒素を含む雰囲気中で熱処理する場合においても、同様
の議論が可能である。また上記実施例では、p+ −Si
基板上についても述べたが、n+ −Si基板上について
も同様の技術が適用できることもいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ス
パッタにより形成する遷移金属の窒化物膜を形成する工
程を工夫することにより、半導体基板の拡散層上に形成
するTi等の遷移金属の化合物膜を50nmと薄膜化し
た場合でも、膜の抵抗を十分低くすることができ、かつ
遷移金属化合物膜の耐熱性の向上をはかることが可能と
なる。つまり、半導体基板上に均一で比抵抗が低く耐熱
性の良好なシリサイド膜薄膜が形成でき、浅い接合上に
信頼性の高いサリサイド構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる半導体装置の製造工程を
示す断面図。
【図2】第1の実施例方法に用いたスパッタ装置を示す
模式図。
【図3】第1の実施例における接合リーク特性を示す
図。
【図4】第1の実施例におけるSIMS分析を従来例と
比較して示す図。
【図5】第1の実施例におけるSIMS分析を従来例と
比較して示す図。
【図6】第2の実施例に係わる半導体装置の製造工程を
示す断面図。
【図7】第2の実施例方法に用いたスパッタ装置を示す
模式図。
【図8】従来技術による半導体装置の製造工程を示す断
面図。
【符号の説明】
10,50…被処理基板 11,51…シリコン基板 12,52…フィールド酸化膜 13…ゲート領域 14…p+ 拡散層 16…SiO2 膜 17,57…Ti膜 18,58…TiN膜 19,59…TiSi2 膜 20…Tiターゲット 30…TiNターゲット 55…CVD−SiO2 膜 56…BPSG膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に不純物拡散層を有し所望パターンに
    絶縁膜が形成された半導体基板上の全面に、窒素を含ま
    ない不活性ガス雰囲気で遷移金属をターゲットとしたス
    パッタにより、遷移金属膜を形成する工程と、 前記遷移金属膜上に、窒素を含む不活性ガス雰囲気で遷
    移金属をターゲットとし、前記半導体基板がプラズマに
    晒されないようにしたスパッタにより、遷移金属の窒化
    物膜を形成する工程と、 前記遷移金属膜と遷移金属の窒化物膜の積層膜を加熱す
    ることによって、前記絶縁膜の開口部に露出した基板表
    面部分に、前記半導体基板の構成元素と遷移金属との化
    合物膜を形成する工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】表面に不純物拡散層を有し所望パターンに
    絶縁膜が形成された半導体基板上の全面に、窒素を含ま
    ない不活性ガス雰囲気で遷移金属をターゲットとしたス
    パッタにより、遷移金属膜を形成する工程と、 前記遷移金属膜上に、窒素を含まない不活性ガス雰囲気
    で遷移金属の窒化物をターゲットとしたスパッタによ
    り、遷移金属の窒化物膜を形成する工程と、 前記遷移金属膜と遷移金属の窒化物膜の積層膜を加熱す
    ることによって、前記絶縁膜の開口部に露出した基板表
    面部分に、前記半導体基板の構成元素と遷移金属との化
    合物膜を形成する工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH098148A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nec Corp 半導体装置およびその製造方法
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