JPH0794409A - Iii−v族化合物半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体薄膜の形成方法

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JPH0794409A
JPH0794409A JP23341393A JP23341393A JPH0794409A JP H0794409 A JPH0794409 A JP H0794409A JP 23341393 A JP23341393 A JP 23341393A JP 23341393 A JP23341393 A JP 23341393A JP H0794409 A JPH0794409 A JP H0794409A
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thin film
substrate
iii
group
compound semiconductor
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JP23341393A
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Takashi Eshita
隆 恵下
Masao Yamada
雅雄 山田
Kanetake Takasaki
金剛 高崎
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板上にIII-V族化合物半導体薄膜を結晶性よ
くヘテロエピタキシャル成長させ、III-V族化合物半導
体薄膜に形成する素子の歩留りを向上することができる
III-V族化合物半導体薄膜の形成方法を提供することを
目的とする。 【構成】第1の装置を用い、H2 流量5〜50SLM 、圧
力50〜760Torr、基板温度950〜1050℃で、
Si基板14表面の自然酸化膜30をH2 還元により除
去し(第1の工程)、基板温度約450℃で、Si基板
14上にAs薄膜32を数nm〜数十nmの膜厚に蒸着
し(第2の工程)、第2の装置を用い、圧力76Torr、
2 流量5〜15SLM 、基板温度約700℃で、Si基
板14上のAs薄膜32を除去し(第3の工程)、As
3 及びTMGを用いて、Si基板14上にGaAsバ
ッファ薄膜34及びGaAs薄膜36を順にヘテロエピ
タキシャル成長させる(第4の工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIII-V族化合物半導体薄
膜の形成方法に関する。近年、高集積III-V族化合物半
導体集積回路の市場拡大に伴い、その生産性を向上させ
るため、大口径基板が必要とされている。しかし、III-
V族化合物半導体からなる基板は割れやすく、また大き
な結晶を得にくいため、大口径基板を作ることが困難で
ある。そこで、例えばSi(シリコン)基板上にIII-V
族化合物半導体薄膜をヘテロエピタキシャル成長させた
ものをIII-V族化合物半導体基板として用いる方法が注
目されている。
【0002】
【従来の技術】ところで、Si基板上にIII-V族化合物
半導体薄膜をヘテロエピタキシャル成長させる場合、通
常、Si基板表面には自然酸化膜と呼ばれるSiO2
からなる酸化被膜が形成されている。従って、Si基板
上にIII-V族化合物半導体薄膜を結晶性よく形成するた
めには、そのヘテロエピタキシャル成長に先立って、予
めSi基板表面から酸化被膜を除去しておく必要があ
る。
【0003】そのため、従来においては、還元雰囲気中
又は高真空中で、Si基板を約1000℃の高温で予備
加熱(プレヒート)し、Si基板表面の酸化被膜を除去
した後、例えば700℃前後の基板温度に冷却して、S
i基板上に所望のIII-V族化合物半導体薄膜をヘテロエ
ピタキシャル成長させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような酸
化被膜の除去処理とIII-V族化合物半導体膜の成長処理
とを同一の装置を用いて複数回行うと、III-V族化合物
半導体膜の成長時に装置内に残留したIII-V族化合物
が、次回のプレヒート時の加熱によって蒸発・分解し、
蒸気圧の低いGa、Al、In等のIII 族元素のみがS
i基板上に凝集するため、ヘテロエピタキシャル膜の結
晶性が悪くなる。
【0005】このような装置内に残留したIII-V族化合
物の蒸発・分解によりIII 族元素がSi基板上に凝集し
てヘテロエピタキシャル膜の結晶性を悪化させることに
対する対策として、例えばGaAs薄膜をエピタキシャ
ル成長させる場合、プレヒートの際にAsH3 (アルシ
ン)を導入して、装置内に残留するGaAsの分解を防
止しようとする技術が知られている(特開昭59−14
6012号公報、特開昭61−70715号公報参
照)。
【0006】しかしながら、この方法では、ある程度の
III-V族化合物の分解を抑制することはできても、分解
元素の発生を完全に防止することはできない。また、II
I-V族化合物の分解抑制のためのAsH3 が分解して生
じたラジカルがSi基板表面を荒らして、その後に成長
させるヘテロエピタキシャル膜の結晶性を却って損なう
原因になるという問題もある。
【0007】また、別の対策として、装置をプレヒート
用とIII-V族化合物半導体成長用とに分離独立させ、両
者を真空配管で接続し、この中をSi基板を搬送するよ
うにして、プレヒート時に基板上にIII 族元素が凝集す
るのを防止しようとする方法も知られている(特開昭6
3−245780号公報参照)。しかしながら、この方
法では、プレヒート後のSi基板を搬送する過程でSi
基板表面が汚染され易く、加えて処理装置の構造が大型
化かつ複雑化し、製造コストが高く取り扱いが不便であ
るという問題がある。
【0008】更に、別の対策として、Si基板表面の自
然酸化膜を除去し、続いて温度700〜600℃でAs
3 を導入し、Si基板表面をAs(砒素)膜でパッシ
ベーションした後、Si基板を別の装置に移して、Si
基板上にGaAs薄膜をヘテロエピタキシャル成長させ
る方法も知られている(特開平2−94431号公報参
照)。
【0009】しかしながら、この方法では、As膜でパ
ッシベーションしたSi基板を空気中に1時間以上放置
した後、GaAs薄膜をヘテロエピタキシャル成長させ
たところ、白濁したGaAs薄膜しかエピタキシャル成
長することができず、良好な結晶性を有するエピタキシ
ャル膜を得ることができないという問題がある。これ
は、AsH3 の熱分解によっては、Si基板表面を有効
にパッシベーションするのに充分な厚さのAs膜を堆積
することができないことによると考えられる。
【0010】そこで本発明は、基板上にIII-V族化合物
半導体薄膜を結晶性よくヘテロエピタキシャル成長さ
せ、このIII-V族化合物半導体薄膜に形成する素子の製
造歩留りを向上することができるIII-V族化合物半導体
薄膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1の装置
を用い、還元雰囲気中又は真空中において基板を加熱
し、前記基板表面の酸化被膜を除去する第1の工程と、
前記酸化被膜を除去した後、前記第1の装置を用い、前
記基板上にV族元素薄膜を形成する第2の工程と、前記
第1の装置と異なる第2の装置を用い、前記基板上の前
記V族元素薄膜を除去する第3の工程と、前記V族元素
薄膜を除去した後、前記第2の装置にIII族元素及びV
族元素を供給し、前記基板上にIII-V族化合物半導体薄
膜を成長させる第4の工程とを有することを特徴とする
III-V族化合物半導体薄膜の形成方法によって達成され
る。
【0012】上記のIII-V族化合物半導体薄膜の形成方
法において、前記第1の工程における還元雰囲気が、水
素雰囲気であることが望ましい。上記のIII-V族化合物
半導体薄膜の形成方法において、前記第1の工程におけ
る真空が、10-6Torr以下の真空であることが望まし
い。上記のIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法におい
て、前記第2の工程が、基板温度400℃乃至600℃
の条件で、V族元素を前記基板上に蒸着し、前記V族元
素薄膜を形成する工程であることを特徴とするIII-V族
化合物半導体薄膜の形成方法によって達成される。
【0013】上記課題は、のIII-V族化合物半導体薄膜
の形成方法において、前記第4の工程が、有機金属気相
成長法又は分子線エピタキシー法を用いて、前記III-V
族化合物半導体薄膜を成長させる工程であることを特徴
とするIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法によって達
成される。上記のIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法
において、前記基板が、Si基板又はGe基板からなる
ことを特徴とするIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法
によって達成される。
【0014】上記のIII-V族化合物半導体薄膜の形成方
法において、前記III-V族化合物半導体薄膜が、Al、
Ga、又はInのIII 族元素とAs又はPのV族元素と
の化合物薄膜又は混晶薄膜であることを特徴とするIII-
V族化合物半導体薄膜の形成方法によって達成される。
【0015】
【作用】本発明は、基板表面の酸化被膜を除去し、続い
て基板上にV族元素薄膜を形成する第1の装置と、基板
上のV族元素薄膜を除去し、続いて基板上にIII-V族化
合物半導体薄膜を成長させる第2の装置とを別個独立に
することにより、第1の装置内にIII-V族化合物が残存
することがなくなるため、酸化被膜を除去した基板表面
へのIII 族元素の凝集を防止することができる。
【0016】また、基板表面の酸化被膜を除去した後、
基板温度400℃以上の条件においてV族元素を基板上
に蒸着してV族元素薄膜を形成することにより、基板表
面を数nm〜数十nmの充分な厚さのV族元素薄膜によ
って保護することができるため、例えば第1の装置から
第2の装置に移す際に空気中に長時間放置しても、基板
表面が汚染されることは全くない。
【0017】しかも、この基板上のV族元素薄膜は、基
板温度600℃以下の条件において蒸着されていること
により、500℃〜700℃程度の低い温度で除去でき
るため、MOCVD(有機金属気相成長)法又はMBE
(分子線エピタキシー)法を用いてIII-V族化合物半導
体薄膜を成長させる際に、従来のような高温のプレヒー
トを行う必要がなくなる。
【0018】こうして、V族元素薄膜を除去した後の汚
染の全くない、大口径のSi基板又はGe(ゲルマニウ
ム)基板全面に、所望のIII-V族化合物半導体薄膜を結
晶性よく成長させることができる。従って、このIII-V
族化合物半導体薄膜に形成した素子の不良率を低減する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明によるII
I-V族化合物半導体薄膜の形成方法の各実施例を説明す
る。図1は本発明の一実施例によるGaAs薄膜の形成
方法を説明するための工程図、図2は図1に示す各工程
における基板温度履歴を示すグラフ、図3は基板表面の
酸化被膜を除去する第1の工程及び基板上にAs薄膜を
蒸着する第2の工程で使用する第1の装置を示す概略構
成図である。尚、基板上のAs薄膜を除去する第3の工
程及び基板上にGaAs薄膜を成長させる第4の工程で
使用する第2の装置は、通常のMOCVD装置であるた
め、その図示を省略する。
【0020】図3に示す第1の装置の構成を簡単に説明
する。基板処理部となるチャンバ10内には、例えばS
iCをコーティングしたカーボンからなるサセプタ12
が設置され、例えばSi基板14を下向きに装填するよ
うになっている。また、このサセプタ12は、装置上部
に設けられたサセプタ駆動系16によって回転されるよ
うになっている。
【0021】また、サセプタ12に装填されたSi基板
14下方には、As坩堝18が設置されており、Si基
板14上方には、ヒータ20が設置されている。また、
チャンバ10底壁にはH2 (水素)ガスを供給するH2
導入管22が接続され、チャンバ10上壁には排気管2
4が接続されている。更に、チャンバ10側方には、ゲ
ートバルブ26を介して、処理前後のSi基板14を収
納するローディング・チャンバ28が接続されている。
【0022】次に、図1及び図2を用いて、Si基板上
にGaAs薄膜をヘテロエピタキシャル成長させる方法
を説明する。先ず、第1の工程として、図1(a)に示
されるような、表面に自然酸化膜30がある大口径のS
i基板14を、上記図3に示す第1の装置のローディン
グ・チャンバ28からゲートバルブ26を介してチャン
バ10内に移動させ、サセプタ12に下向きに装填した
後、サセプタ駆動系16によって回転させる。
【0023】そしてH2 導入管22より流量5〜50SL
M (Standard Litter per Minute)のH2 をチャンバ1
0内に供給しながら、ヒータ20によりSi基板14を
温度950〜1050℃に昇温し、圧力50〜760To
rrの条件で、10〜20分間加熱する。これにより、S
i基板14表面の自然酸化膜30をH2 によって還元
し、その表面から除去する。
【0024】次いで、第2の工程として、Si基板14
の温度を約450℃まで降下させた後、As坩堝18を
加熱してAsを蒸発させて、サセプタ12に下向きに装
填されたSi基板14上にAs蒸着を行う。こうして、
図1(b)に示されるように、Si基板14上に、As
薄膜32を数nm〜数十nmの膜厚に形成する。尚、こ
のAs蒸着工程において、Si基板14の基板温度及び
As薄膜32の膜厚を上記のような値に設定したのは、
以下の理由によるものである。
【0025】第1の理由は、仮にSi基板14の基板温
度を800℃以上にすると、Si基板14内部にAsが
拡散し始めるからである。そしてAs元素はn型ドーパ
ントであるため、その拡散度合いが高いと、Si基板1
4自体の比抵抗制御が困難になる恐れがある。また、第
2の理由は、Si基板14の基板温度が300℃以下で
あり、As薄膜32の膜厚が数nm以下の場合、このA
s薄膜32は緻密な蒸着膜とはいい難く、また十分な厚
さでもないからである。従って、この第2の工程と次の
第3の工程との間にSi基板14を保管する際に、大気
中に晒されたSi基板14表面に酸化被膜ができる恐れ
がある。
【0026】更に、第3の理由は、As蒸着後のヘテロ
エピタキシャル成長工程において、AsH3 の分解によ
ってラジカルを生ずることのない500℃〜700℃程
度の加熱によって短時間にAs薄膜32を除去しなけれ
ばならないが、そのためには、基板温度が600℃以下
であって、As薄膜32の膜厚が数十nm以下であれば
よいことが本発明者らの実験によって判明したからであ
る。
【0027】以上の各理由により、これら全ての条件を
満足するものとして、Si基板14の基板温度及びAs
薄膜32の膜厚が上記のように設定されている。従っ
て、この第2の工程後、As薄膜32を蒸着したSi基
板14を空気中に長時間放置しても、Si基板14表面
が汚染されることは全くない。次いで、As薄膜32を
蒸着したSi基板14を、第2の装置、即ち通常のMO
CVD装置(図示せず)に移した後、第3の工程とし
て、リアクタ(反応炉)内の圧力を50〜760Torrの
範囲の内、例えば76Torrに設定し、例えば流量5〜1
5SLM のH2 を供給し、Si基板14の基板温度を約7
00℃に加熱して、図1(c)に示されるように、Si
基板14上のAs薄膜32を除去する。
【0028】次いで、第4の工程の第1段階として、基
板温度を400〜450℃に降温し、H2 ガスと共に流
量0.1〜0.5SLM のAsH3 及び流量50〜200
SCCMのTMG(トリメチルガリウム)をそれぞれ外部か
らリアクタ内に導入し、As薄膜32を除去した後の汚
染の全くないSi基板14上に、GaAsバッファ薄膜
34を約10〜20nmの膜厚にヘテロエピタキシャル
成長させる。
【0029】続いて、第4工程の第2段階として、Si
基板14の基板温度を650〜750℃まで昇温して、
流量30〜140SCCMのAsH3 及び流量2.5SCCMの
TMGをそれぞれ導入し、GaAs薄膜36を約2μm
の膜厚にエピタキシャル成長させる。尚、最初に形成し
たGaAsバッファ薄膜34は、その後の本来のGaA
sエピタキシャル成長に先立ち、その結晶性を高めるた
めのバッファ層となるものであり、第2段階の昇温過程
において、このGaAsバッファ薄膜34はアニールさ
れる。この結果、GaAsバッファ薄膜34上に成長す
るGaAs薄膜36は、表面欠陥が含まれない高品質の
III-V族化合物半導体薄膜となる。
【0030】次に、Si基板14上にGaAs薄膜36
を形成した第4の工程の後に大気中に放置した時間と、
その後このSi基板14上のGaAs薄膜36を用いて
作製したHEMT(High Electron Mobility Transisto
r )(特開昭59−53714号公報、M.Abe et al.,I
EEE J.Quantum Electronics, Vol.QE-22,1870(1986)参
照)のスレッショルド電圧VTHの不良率との関係を、図
4のグラフに示す。
【0031】尚、参考のために、プレヒートの際にAs
3 を導入して、装置内に残留するGaAsの分解を防
止しようとする特開昭61−70715号公報等に開示
された従来技術(以下、「従来技術A」と呼ぶ)を用い
た場合の不良率、及びSi基板表面の自然酸化膜を除去
した後、AsH3 の熱分解によってSi基板表面をAs
膜でパッシベーションし、更にこのSi基板を別の装置
に移してSi基板上にGaAs薄膜をヘテロエピタキシ
ャル成長させる特開平2−94431号公報に開示され
た従来技術(以下、「従来技術B」と呼ぶ)を用いた場
合の不良率をも併せてプロットした。
【0032】この図4のグラフからも明らかなように、
本実施例によりSi基板14上に形成したGaAs薄膜
36を用いてHEMTを作製した場合、GaAs薄膜3
6を形成したSi基板14の大気中への放置時間が長時
間になるにつれて、HEMTの不良率は増加する傾向を
見せるが、それでも上記従来技術A,Bを用いて作製さ
れたHEMTの不良率よりも格段に低いことが分かる。
【0033】また、Si基板14上にAs薄膜32を形
成した第2の工程の後、大気中に数日間放置してから、
Si基板14上のAs薄膜32を除去する第3の工程
と、As薄膜32を除去した後のSi基板14上に、G
aAsバッファ薄膜34及びGaAs薄膜36を順にエ
ピタキシャル成長させる第4の工程を行っても、鏡面を
なす良好な表面状態及び良好な結晶性を有するGaAs
薄膜36を得ることができた。そしてこのGaAs薄膜
36を用いても、良好なHEMTを作製することができ
た。
【0034】他方、特開平2−94431号公報に開示
された従来技術Bの場合、AsH3の熱分解によってS
i基板表面をAs膜でパッシベーションした後、大気中
に1時間以上放置してから、更にSi基板を別の装置に
移してSi基板上にGaAs薄膜をヘテロエピタキシャ
ル成長させたところ、白濁したGaAs薄膜しかエピタ
キシャル成長させることができなかった。
【0035】以上のように、本発明の一実施例によれ
ば、第1の装置を用いて、Si基板14表面の自然酸化
膜30を除去する第1の工程と、Si基板14の基板温
度を約450℃とするAsの蒸着により、Si基板14
上に厚さ数nm〜数十nmのAs薄膜32を形成する第
2の工程を実行することにより、Si基板14は不活性
化され、汚染から完全に保護される。従って、次の工程
を行う第2の装置、即ちMOCVD装置への搬送過程に
おいて、大気中に長時間放置しても、Si基板14表面
が汚染される恐れを極めて低くすることができる。
【0036】また、As薄膜32を形成したSi基板1
4を大気中に長時間放置することが可能となることによ
り、第1の装置や第2の装置を効率よく運転することが
できるため、量産性の向上に寄与することができる。ま
た、Si基板14上のAs薄膜32は、500℃〜70
0℃程度の低い温度で除去できるため、MOCVD法を
用いてGaAsバッファ薄膜34及びGaAs薄膜34
をエピタキシャル成長させる際に、従来のような100
0℃程度の高温プレヒートを行う必要がなくなる。
【0037】また、Si基板14表面の自然酸化膜30
を除去する第1の工程及びSi基板14上にAs薄膜3
2を形成する第2の工程に用いる第1の装置と、Si基
板14上のAs薄膜32を除去する第3の工程及びSi
基板14上にGaAsバッファ薄膜34及びGaAs薄
膜34をエピタキシャル成長させる第4の工程に用いる
第2の装置と別個独立にすることにより、第1の装置内
にはGaAsが残存することはないため、自然酸化膜3
0を除去したSi基板14表面にGaが凝集することは
ない。
【0038】このようにして、Si基板14上に良好な
結晶性を有するGaAs薄膜36をヘテロエピタキシャ
ル成長させることができる。従って、このGaAs薄膜
36を用いて、良好なHEMTを作製することができ、
その歩留まりの向上を実現することが可能となる。尚、
上記実施例においては、上記図3に示す第1の装置を用
いて、Si基板14表面の自然酸化膜30を除去する第
1の工程及びSi基板14上にAs薄膜32を形成する
第2の工程を行っているが、この第1の装置の代わり
に、図5に示す第1の装置を用いてもよい。
【0039】以下、図5に示す第1の装置の構成を簡単
に説明する。尚、上記図3に示す第1の装置と同一の構
成要素には同一の符号を付して説明を省略する。基板処
理部となるチャンバ10内には、サセプタ12が設置さ
れ、Si基板14を下向きに装填するようになってい
る。また、このサセプタ12は、装置上部に設けられた
サセプタ駆動系16によって回転されるようになってい
る。
【0040】また、サセプタ12に装填されたSi基板
14下方には、As坩堝18が設置され、Si基板1上
方には、ヒータ20が設置されている。また、チャンバ
10底壁には排気管24が接続され、更にこの排気管2
4は真空ポンプ(図示せず)に接続されている。また、
チャンバ10内には、真空度を保つための液体窒素シュ
ラウド38が設置されている。更に、チャンバ10側方
には、ゲートバルブ26を介して、ローディング・チャ
ンバ28が接続されている。
【0041】この図5に示す第1の装置を用いる場合に
おいては、第1の工程として、表面に自然酸化膜30が
ある大口径のSi基板14をサセプタ12に下向きに装
填した後、排気管24に接続されている真空ポンプを用
いてチャンバ10内を10-6Torr以下の真空にすると共
に、ヒータ20によりSi基板14を温度900〜10
00℃で、約10分間加熱する。これにより、Si基板
14表面の自然酸化膜30をその表面から除去する。
【0042】次いで、第2の工程として、Si基板14
の温度を約450℃まで降下させた後、As坩堝18を
加熱してAsを蒸発させると共にAs坩堝18のシャッ
タ−を開放して、サセプタ12に下向きに装填されたS
i基板14上にAsを蒸着させる。こうして、Si基板
14上に、厚さ数nm〜数十nmのAs薄膜32を形成
する。
【0043】このように、H2 還元ガスを用いてSi基
板14上の自然酸化膜30を除去する上記図3に示す第
1の装置の代わりに、上記図5に示す第1の装置を用い
て、高真空下で加熱することによりSi基板14上の自
然酸化膜30を除去してもよい。また、上記実施例にお
いては、MOCVD法を用いて、Si基板14上のAs
薄膜32を除去する第3の工程及びSi基板14上にG
aAs薄膜36を成長させる第3の工程を行っている
が、このMOCVD法の代わりに、MBE法を用いても
よい。
【0044】このMBE法を用いる場合においては、第
3の工程として、MBE装置のサセプタ上に搭載したS
i基板14の基板温度を600〜700℃に加熱して、
Si基板14上のAs薄膜32を除去する。次いで、第
4の工程の第1段階として、基板温度を300〜400
℃に降温し、As/Gaフラックス比1〜5の条件にお
いて、GaAsバッファ薄膜34を50〜100nmの
膜厚にヘテロエピタキシャル成長させる。続いて、第4
工程の第2段階として、Si基板14の基板温度を55
0〜650℃まで昇温し、As/Gaフラックス比0.
2〜2の条件において、GaAs薄膜36を約1.5〜
2μmの膜厚にエピタキシャル成長させる。こうして、
Si基板14上に、GaAsバッファ薄膜34及びGa
As薄膜36を形成する。
【0045】このように、MOCVD法を用いる代わり
に、MBE法を用いて、Si基板14上のAs薄膜32
を除去し、Si基板14上にGaAsバッファ薄膜34
及びGaAs薄膜36を順に成長させてもよい。しか
も、この場合、分子ビームによる特殊な結晶成長法によ
って、MOCVD法を用いる場合よりも不純物や結晶欠
陥の極めて少ないGaAsバッファ薄膜34及びGaA
s薄膜36をより低温で作製することができるメリット
がある。
【0046】また、上記実施例においては、GaAs薄
膜36をヘテロエピタキシャル成長させる基板としてS
i基板14を用いる場合について説明したが、本発明の
適用対象となる基板はSi基板に限定されるものではな
く、例えばGe基板を使用してもよい。また、形成され
る半導体薄膜もGaAs薄膜36に限定されず、III-V
族化合物半導体薄膜であれば、Al、Ga、又はInの
III 族元素とAs又はPのV族元素との化合物薄膜又は
混晶薄膜に広く本発明を適用することが可能である。
【0047】更に、上記実施例においては、Si基板1
4上にGaAs薄膜36を形成したいわゆるGaAs基
板を用いて作製したデバイスとしてHEMTを例にその
不良率の低下等を示したが、これに限定されず、InG
aAs薄膜やInGaAsP薄膜を用いたHEMTや、
その他、MESFET(Metal Semiconductor FieldEff
ect Transistor )、HBT(Heterojunction Bipolar
Transistor )、発光ダイオード或いはレーザダイオー
ド等、Si基板又はGe基板上にIII-V族化合物半導体
薄膜を形成したIII-V族化合物半導体基板を用い、かつ
その作製方法が類似するデバイスには、本発明を広く適
用し、その歩留まりを改善することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の装置を用い、還元雰囲気中又は真空中において基
板を加熱し、基板表面の酸化被膜を除去する第1の工程
と、酸化被膜を除去した後、第1の装置を用い、基板上
にV族元素薄膜を形成する第2の工程と、第1の装置と
異なる第2の装置を用い、基板上のV族元素薄膜を除去
する第3の工程と、V族元素薄膜を除去した後、第2の
装置にIII 族元素及びV族元素を供給し、基板上にIII-
V族化合物半導体薄膜を成長させる第4の工程とを有す
ることにより、表面の酸化被膜を除去した後の基板上に
充分な厚さのV族元素薄膜を形成して基板表面を保護す
ることが可能であるため、例えば第1の装置から第2の
装置に移す際に空気中に長時間放置しても、基板表面が
汚染されることは全くない。しかも、この基板上のV族
元素薄膜は低い温度で除去できるため、III-V族化合物
半導体薄膜を成長させる際に、高温のプレヒートを行う
必要がなくなる。
【0049】こうして、V族元素薄膜を除去した後の汚
染の全くない大口径の基板全面に、所望のIII-V族化合
物半導体薄膜を結晶性よく成長させることができる。従
って、このIII-V族化合物半導体薄膜を用いて形成する
デバイスの不良率を低減し、歩留りの向上を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるGaAs薄膜の形成方
法を説明するための工程図である。
【図2】図1の各工程における基板温度履歴を示すグラ
フである。
【図3】本発明の一実施例において用いられる第1の装
置を示す概略構成図である。
【図4】Si基板上にGaAs薄膜を形成した後の大気
中への放置時間と、Si基板上のGaAs薄膜を用いて
作製したHEMTのVTHの不良率との関係を示すグラフ
である。
【図5】本発明の他の実施例において用いられる第1の
装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…チャンバ 12…サセプタ 14…Si基板 16…サセプタ駆動系 18…As坩堝 20…ヒータ 22…H2 導入管 24…排気管 26…ゲートバルブ 28…ローディング・チャンバ 30…自然酸化膜 32…As薄膜 34…GaAsバッファ薄膜 36…GaAs薄膜 38…液体窒素シュラウド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の装置を用い、還元雰囲気中又は真
    空中において基板を加熱し、前記基板表面の酸化被膜を
    除去する第1の工程と、 前記酸化被膜を除去した後、前記第1の装置を用い、前
    記基板上にV族元素薄膜を形成する第2の工程と、 前記第1の装置と異なる第2の装置を用い、前記基板上
    の前記V族元素薄膜を除去する第3の工程と、 前記V族元素薄膜を除去した後、前記第2の装置にIII
    族元素及びV族元素を供給し、前記基板上にIII-V族化
    合物半導体薄膜を成長させる第4の工程とを有すること
    を特徴とするIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のIII-V族化合物半導体薄
    膜の形成方法において、 前記第1の工程における還元雰囲気が、水素雰囲気であ
    ることを特徴とするIII-V族化合物半導体薄膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のIII-V族化合物半導体薄
    膜の形成方法において、 前記第1の工程における真空が、10-6Torr以下の真空
    であることを特徴とするIII-V族化合物半導体薄膜の形
    成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のIII-
    V族化合物半導体薄膜の形成方法において、 前記第2の工程が、基板温度400℃乃至600℃の条
    件で、V族元素を前記基板上に蒸着し、前記V族元素薄
    膜を形成する工程であることを特徴とするIII-V族化合
    物半導体薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のIII-
    V族化合物半導体薄膜の形成方法において、 前記第4の工程が、有機金属気相成長法又は分子線エピ
    タキシー法を用いて、前記III-V族化合物半導体薄膜を
    成長させる工程であることを特徴とするIII-V族化合物
    半導体薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のIII-
    V族化合物半導体薄膜の形成方法において、 前記基板が、Si基板又はGe基板からなることを特徴
    とするIII-V族化合物半導体薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のIII-
    V族化合物半導体薄膜の形成方法において、 前記III-V族化合物半導体薄膜が、Al、Ga、又はI
    nのIII 族元素とAs又はPのV族元素との化合物薄膜
    又は混晶薄膜であることを特徴とするIII-V族化合物半
    導体薄膜の形成方法。
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