JPH0794379A - 荷電粒子ビーム露光方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム露光方法

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JPH0794379A
JPH0794379A JP23395593A JP23395593A JPH0794379A JP H0794379 A JPH0794379 A JP H0794379A JP 23395593 A JP23395593 A JP 23395593A JP 23395593 A JP23395593 A JP 23395593A JP H0794379 A JPH0794379 A JP H0794379A
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JP
Japan
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pattern
base
constant
backscattering
exposure
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Application number
JP23395593A
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Inventor
Hiroyuki Kaneda
博幸 金田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下地の材質が均一でない場合でも、高精度に
パターンを形成することができる電子ビーム露光方法を
提供する。 【構成】 荷電粒子を加速電圧で加速して荷電粒子ビー
ムを形成し、該荷電粒子ビームを被露光基板表面上に形
成したレジスト膜の所望の位置に照射して、所望のパタ
ーンを描画する荷電粒子ビーム露光方法において、前記
被露光基板の表面層に形成する上層パターンと、該表面
層の下に既に形成されている下層パターンとの重なり部
分である下地有り露光パターンを抽出する工程と、前記
上層パターンから前記下地有り露光パターンを除去し、
下地無し露光パターンを抽出する工程と、前記下地有り
露光パターンを下地有りパターン用加速電圧、及び前記
下地無し露光パターンを下地無しパターン用加速電圧
で、荷電粒子を加速して露光する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電粒子ビーム露光方
法に関し、特にいわゆる近接効果を補正して高精度の荷
電粒子ビーム露光パターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム露光方法におけるパターン形
成では、レジスト膜に入射した電子がレジストにより多
重散乱を受けて広がる前方散乱と、基板により反射され
レジスト膜に再入射した電子による後方散乱により、所
望のパターンサイズより大きく描画されるという現象が
起こる。この現象は、パターンが密集して存在する場合
に顕著に現れるため、近接効果と呼ばれている。
【0003】入射電子によるレジスト膜中の吸収エネル
ギ強度F(r)は、
【0004】
【数3】 F(r)=exp(−r2 /A2 )+B・exp(−r2 /C2 ) で表される。ここで、rは電子の入射点からの距離、
A、B、Cは定数であり、右辺第1項は前方散乱、第2
項は後方散乱によって与えられるものである。
【0005】この近接効果を予め補正して設計どおりの
パターンを得るための近接効果補正方法として、図形削
除法、露光量補正法、または両者の併用法、およびゴー
スト露光法が知られている。
【0006】図形削除法は、露光後のパターン幅の広が
りを見込んで露光パターンを所望のパターンよりも小さ
めに補正して露光する方法である。露光量補正法は、設
計どおりのパターン寸法になるような電子ビーム照射量
を算出して、算出された照射量に基づいて露光する方法
である。ゴースト露光法は、所望のパターンを露光した
後、白黒反転パターンを重ねて露光し、後方散乱の影響
を相殺する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記近接効果補正方法
は、パターンが描画されるべき基板が均一の材質から形
成されており、レジスト膜の厚さも均一であることを前
提としている。しかし、実際の基板には、各種半導体プ
ロセスを経て、各種の薄膜(例えば、SiO2 、Si3
4 、アルミニウム、チタン、タングステン等)のパタ
ーンが形成されており、均一な材質ではない。
【0008】このような基板上にパターニングを行う場
合、基板からの後方散乱強度は場所によって不均一とな
る。従って、ある場所では近接効果の補正が適正に行わ
れても、他の場所では適正に行われないといった問題が
あった。特に、タングステン配線等の重金属膜が形成さ
れている部分では、後方散乱強度が非常に大きくなり、
この部分のみ近接効果の補正を適正に行えず、解像不良
等が生じるという問題があった。
【0009】図3(A)〜(F)を参照して、重金属膜
が形成されている部分にパターンを形成する場合の問題
点について詳細に説明する。図3(A)は基板50上に
形成された重金属膜51の平面図、図3(B)はXX’
方向の断面図である。図3(C)は、重金属膜51が部
分的に形成された基板50の表面に形成する上層パター
ンの平面図である。同一の幅を有する2本の直線状のパ
ターン56aと56bが形成されており、パターン56
aの一部は重金属膜51に重なっている。
【0010】図3(D)は、基板50及び重金属膜51
表面に上層膜52、ネガのレジスト膜53を形成した時
のXX’方向の断面図である。パターン56a、56b
の部分のみに電子ビーム55が照射される。レジスト膜
53のうち、電子ビーム55に照射された部分54a、
54bは変質する。パターン56aに対応する変質部5
4aは、下部の重金属膜51によって後方散乱を受けた
電子によっても露光される。このため、変質部54aの
線幅はパターン56aの線幅よりも広がる。
【0011】図3(E)は、レジスト膜53の露光され
ていない部分を除去して、上層膜52を選択エッチング
したときの基板の平面図、図3(F)は、XX’方向の
断面図である。パターン56a、56bに対応して上層
膜のパターン52a、52bが形成される。パターン5
2bは、近接効果が適正に補正されているため、設計ど
おりの線幅になるが、パターン52aの重金属膜51と
重なった部分は、近接効果が適正に補正されていないた
め、後方散乱により線幅が広がる。
【0012】このように、下地の材質が均一でない場合
には、後方散乱による影響も均一ではないため、従来の
近接効果補正方法では、設計どおりのパターンを得るこ
とが困難である。
【0013】本発明の目的は、下地の材質が均一でない
場合でも、高精度にパターンを形成することができる電
子ビーム露光方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の荷電粒子ビーム
露光方法は、荷電粒子を加速電圧で加速して荷電粒子ビ
ームを形成し、該荷電粒子ビームを被露光基板表面上に
形成したレジスト膜の所望の位置に照射して、所望のパ
ターンを描画する荷電粒子ビーム露光方法において、前
記被露光基板の表面層に形成する上層パターンと、該表
面層の下に既に形成されている下層パターンとの重なり
部分である下地有り露光パターンを抽出する工程と、前
記上層パターンから前記下地有り露光パターンを除去
し、下地無し露光パターンを抽出する工程と、前記下地
有り露光パターンを下地有りパターン用加速電圧、及び
前記下地無し露光パターンを下地無しパターン用加速電
圧で、荷電粒子を加速して露光する工程とを含む。
【0015】好ましくは、荷電粒子によるレジスト膜中
の前方散乱による吸収エネルギ強度が、荷電粒子のレジ
スト膜への入射点からの距離r、及び前方散乱定数Aを
用いて、exp(−r2 /A2 )と表され、後方散乱に
よる吸収エネルギ強度が、前記r、後方散乱第1定数
B、及び後方散乱第2定数Cを用いて、B・exp(−
2 /C2 )と表され、前記下地無し露光パターン部分
の前方散乱定数がA1 、後方散乱第1定数がB1 、後方
散乱第2定数がC1 であり、前記下地有り露光パターン
部分の前方散乱定数がA2 、後方散乱第1定数がB2
後方散乱第2定数がC2 である場合において、 前記下
地無し露光パターン内のほぼ中心を原点とした座標を
(x1 、y1 )、前記下地有り露光パターン内のほぼ中
心を原点とした座標を(x2 、y2 )で表し、前記下地
無し露光パターン及び前記下地有り露光パターン部分の
面積についての積分をそれぞれ∬S1dS1 、∬S2dS2
で表したとき、前記下地無しパターン用加速電圧E1
前記下地有りパターン用加速電圧E2 との関係が、
【0016】
【数4】 E2 /E1 =〔A1 2+(1/2π)∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2) /C1 2}dS1 〕/ 〔A2 2+(1/2π)∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2) /C2 2}dS2 〕 となってもよい。また、
【0017】
【数5】 E2 /E1 =〔∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕/ 〔∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2)/C2 2}dS2 〕 となってもよい。
【0018】
【作用】下地パターンが形成されていない部分を露光す
る時の加速電圧E1 と、下地パターンが形成されている
部分を露光する時の加速電圧E2 とを、
【0019】
【数6】 E2 /E1 =〔A1 2+(1/2π)∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2) /C1 2}dS1 〕/ 〔A2 2+(1/2π)∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2) /C2 2}dS2 〕 または、
【0020】
【数7】 E2 /E1 =〔∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕/ 〔∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2)/C2 2}dS2 〕 とすることにより、前方散乱及び後方散乱によるレジス
ト膜の露光量の相違を補償することができる。すなわ
ち、下地パターンが形成されていない部分と形成されて
いる部分の吸収エネルギ強度、または後方散乱のみによ
る吸収エネルギ強度を等しくすることができる。
【0021】これにより、下地パターンが形成されてい
ない部分と形成されている部分で、前方散乱及び後方散
乱の影響が異なる場合でも設計どおりのパターンを形成
することができる。
【0022】
【実施例】本発明の実施例について、タングステンパタ
ーンが一部に形成されたシリコン基板上にアルミニウム
の被加工層を堆積し、アルミニウム層をパターニングす
る場合を例にとって、以下に説明する。
【0023】図1は、本実施例で使用する基板の断面を
示す。シリコン基板10の表面の一部に、膜厚2000
Åのタングステン層11が形成されている。さらに、タ
ングステン層11及びシリコン基板10の表面を覆っ
て、膜厚5000Åのアルミニウム層12が堆積されて
いる。
【0024】アルミニウム層12の表面に、3層構造の
レジスト膜13が塗布されている。レジスト膜13の下
層は膜厚14000Åのノボラック系樹脂、中間層は膜
厚100Åのミキシング防止層、上層は膜厚4000Å
のSAL601(シプレー社製)で形成されている。
【0025】図2は、タングステン層11のパターン及
びアルミニウム層12のパターンの平面図を示す。アル
ミニウム層12のパターンは、下層のタングステン層1
1と重ならない部分14と、重なる部分15に分けるこ
とができる。
【0026】レジスト膜13を荷電粒子ビームでパター
ニングし、エッチングによりパターンをアルミニウム層
12に転写する場合について説明する。レジスト膜13
に入射した荷電粒子の後方散乱強度は、アルミニウム層
12で後方散乱をうける荷電粒子によるもの(図中aで
示すもの)と、タングステン層11にまで入射した荷電
粒子によるもの(図中bで示すもの)の2種類に分ける
ことができる。
【0027】荷電粒子のレジスト膜への入射点からの距
離をrとすると、アルミニウム層12からの後方散乱に
よるレジスト膜の吸収エネルギ強度F1 は、rの関数と
して、
【0028】
【数8】 F1 (r)=B1 ・exp(−r2 /C1 2) …(1) と表される。ここで、B1 、C1 は、基板の構成物質と
荷電粒子ビームの加速電圧によって決まる量であり、加
速電圧が30keVの条件下では、B1 =0.000
8、C1 =4.3である。
【0029】タングステン層11まで入射した荷電粒子
の後方散乱によるレジスト膜の吸収エネルギ強度F
2 は、rの関数として、
【0030】
【数9】 F2 (r)=B2 ・exp(−r2 /C2 2) …(2) で表される。ここで、B2 、C2 は、上記と同様に基板
の構成物質と荷電粒子ビームの加速電圧によって決まる
量であり、加速電圧を30keVとすると、B2=0.
0022、C2 =2.65である。
【0031】また、下地にタングステン層11がない部
分、及びタングステン層11がある部分における前方散
乱によるレジスト膜の吸収エネルギ強度は、それぞれ
【0032】
【数10】 exp(−r2 /A1 2)、及びexp(−r2 /A2 2) …(3) と表される。
【0033】ここで、A1 、A2 は、基板を構成する物
質と入射荷電粒子ビームの加速電圧によって決まる量で
ある。上記A1 、B1 、C1 、A2 、B2 、C2 は、実
験的に、またはモンテカルロ法を用いた数値計算により
原理的に決定することができる。
【0034】下地にタングステン層がない部分に、十分
大きなパターンを露光する場合の適正露光量をQ0 とす
ると、この時のパターン内部の一点における吸収エネル
ギ強度F0 は、式(1)および式(3)を無限大の範囲
で面積分することにより、
【0035】
【数11】 F0 =2πQ0 (A1 2+B1 ・C1 2) …(4) と求めることができる。
【0036】本実施例で使用したレジストSAL601
の場合、Q0 は約10μC/cm2である。下地にタン
グステン層12がない部分、すなわちパターン14の部
分(面積S 1 )の露光量をQ1 としたときのパターン1
4内の一点P1 の吸収エネルギ強度F1 は、P1 を原点
とした座標を(x1 、y1 )で表し、面積S1 について
の積分を∬S1dS1 で表すと、
【0037】
【数12】 F1 =Q1 〔∬S1exp{−(x1 2+y1 2)/ A1 2}dS1 +∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕 …(5) と求めることができる。
【0038】ここで、A1 2は面積S1 の大きさに比して
十分小さい値であるので、点P1 からの距離が大きくな
ればexp{−(x1 2+y1 2)/ A1 2}の値は急激に
減少する。従って、面積S1 についての積分は、無限大
の範囲についての積分に近似することができ、式(5)
の右辺第1項は、2πA1 2と置き換えることができる。
【0039】また、パターン14内の一点P1 の吸収エ
ネルギ強度F1 を適正量にするためには、
【0040】
【数13】 F1 =F0 …(6) となるように選べばよい。
【0041】式(4)、(5)、(6)と、上記近似か
ら、パターン14の適正露光量Q1は、
【0042】
【数14】 Q1 =Q0 (A1 2+B1 ・C1 2)/〔A1 2+(1/2π)∬S11 ・ exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕 …(7) と求めることができる。
【0043】同様に、下地にタングステン層12がある
部分、すなわちパターン15の部分(面積S2 )の適正
露光量Q2 は、パターン15内の一点P2 を原点とした
座標を(x2 、y2 )で表すと、
【0044】
【数15】 Q2 =Q0 (A1 2+B1 ・C1 2)/〔A2 2+(1/2π)∬S22 ・ exp{−(x2 2+y2 2)/C2 2}dS2 〕 …(8) と求めることができる。
【0045】パターン14およびパターン15を露光す
る場合の加速電圧を、それぞれE1およびE2 とする
と、両パターン内の吸収エネルギ強度を一定にするため
には、
【0046】
【数16】 Q1 /E1 =Q2 /E2 …(9) の関係を満たすように、E1 およびE2 を選択すればよ
い。
【0047】従って、式(7)、(8)、(9)からE
1 とE2 の比が
【0048】
【数17】 E2 /E1 =〔A1 2+(1/2π)∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2) /C1 2}dS1 〕/ 〔A2 2+(1/2π)∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2) /C2 2}dS2 〕 …(10) となるように選択すればよい。
【0049】実際には、計算を簡単にするため、式(1
0)の積分を無限大の面積についての積分に置き換え、
【0050】
【数18】 E2 /E1 =(A1 2+η1 1 ・C1 2)/(A2 2+η2 2 ・C2 2) とする。ここで、η1 、η2 は、例えば一辺の長さがC
1 またはC2 と同程度である正方形の面積S0 に対する
面積S1 、S2 の比を表す。すなわち、
【0051】
【数19】η1 =S1 /S0 およびη2 =S2 /S0 である。
【0052】これから、加速電圧E1 を30keVとし
た場合には、加速電圧E2 は、
【0053】
【数20】 E2 =(0.1232 +0.0008×4.312 ×η1)/(0.1052 +0.002 ×2.652 ×η2)×30 =30×(0.015+0.015 η1)/(0.011+0.014 η2) となる。一例として、η1 =η2 =0.5とすれば、
【0054】
【数21】E2 =37.5keV となる。
【0055】すなわち、下地にタングステン層12がな
いパターン14の部分を加速電圧30keVで露光し、
下地にタングステン層12があるパターン15の部分を
加速電圧37.5keVで露光すれば、両パターンとも
吸収エネルギ強度は等しくなる。
【0056】上述の方法は、下地にタングステン層があ
る部分とない部分との前方散乱及び後方散乱による吸収
エネルギ強度を等しくする方法であるが、後方散乱のみ
による吸収エネルギ強度を等しくしてもよい。
【0057】すなわち、
【0058】
【数22】 E2 /E1 =〔∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕 /〔∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2)/C2 2}dS2 〕 となるようにしてもよい。
【0059】この場合、後方散乱効果の弱い部分は、露
光量を多くする必要があるため、吸収エネルギが過剰に
なる。しかし、この過剰な部分は主に前方散乱による吸
収エネルギであるため、その吸収エネルギ強度の空間的
立ち上がりは急峻であり、パターン寸法に与える影響は
少ない。
【0060】上記実施例と同様の露光条件を用いると、
【0061】
【数23】 E2 /E1 =(0.0008 ×4.312 ×η1)/(0.002×2.652 ×η2) となり、一例として、η1 =η2 =0.5とすれば、
【0062】
【数24】E2 =31.7keV となる。
【0063】下地の材質の相違による近接効果の差を補
償するために、下地の材質によって露光量Qを変化させ
る方法も考えられるが、本実施例のように加速電圧Eを
変化させる方法は、露光量を変化させる方法に比べて下
記の利点がある。
【0064】すなわち、露光量Qを変化させる方法で
は、上述の吸収エネルギ強度の各定数A、B、Cは一定
の値である。この方法で、定数Aの大きさと同程度の極
微細パターンを露光しようとすると、前方散乱の影響が
無視できなくなり、設計通りのパターンを形成すること
が困難となる。
【0065】これに対し、加速電圧を変化させる方法で
は、極微細パターンの露光時に、もし下地にパターンが
存在する場合には、加速電圧を上昇させることになり、
前方散乱定数Aを小さくする効果をもたらす。このた
め、極微細パターンを解像性よく形成することができ
る。
【0066】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板表面の下地に形成された各種パターンの材質等の相
違による近接効果の差を正確かつ高速に補正することが
できる。従って、荷電粒子ビーム露光によって設計どお
りのパターンを容易に形成することが可能になる。これ
により、信頼性の高い半導体装置の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷電粒子ビームの後方散乱電子のふるまいを説
明するための、試料の断面図である。
【図2】本発明の実施例で使用したタングステン層及び
アルミニウム層のマスクパターンの平面図である。
【図3】従来例による近接効果を説明するための試料の
平面図及び断面図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板 11 タングステン層 12 アルミニウム層 13 レジスト膜 14 下地にタングステン層がないアルミニウム層パ
ターン 15 下地にタングステン層があるアルミニウム層パ
ターン 50 基板 51 重金属膜 52、52a、52b 上層膜 53 レジスト膜 54a、54b 変質部 55 電子ビーム 56a、56b 上層パターン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子を加速電圧で加速して荷電粒子
    ビームを形成し、該荷電粒子ビームを被露光基板表面上
    に形成したレジスト膜の所望の位置に照射して、所望の
    パターンを描画する荷電粒子ビーム露光方法において、 前記被露光基板の表面層に形成する上層パターン(1
    2)と、該表面層の下に既に形成されている下層パター
    ン(11)との重なり部分である下地有り露光パターン
    (15)を抽出する工程と、 前記上層パターンから前記下地有り露光パターンを除去
    し、下地無し露光パターン(14)を抽出する工程と、 前記下地有り露光パターンを下地有りパターン用加速電
    圧、及び前記下地無し露光パターンを下地無しパターン
    用加速電圧で、荷電粒子を加速して露光する工程とを含
    む荷電粒子ビーム露光方法。
  2. 【請求項2】 荷電粒子によるレジスト膜中の前方散乱
    による吸収エネルギ強度が、荷電粒子のレジスト膜への
    入射点からの距離r、及び前方散乱定数Aを用いて、e
    xp(−r2 /A2 )と表され、後方散乱による吸収エ
    ネルギ強度が、前記r、後方散乱第1定数B、及び後方
    散乱第2定数Cを用いて、B・exp(−r2 /C2
    と表され、 前記下地無し露光パターン部分の前方散乱定数がA1
    後方散乱第1定数がB 1 、後方散乱第2定数がC1 であ
    り、 前記下地有り露光パターン部分の前方散乱定数がA2
    後方散乱第1定数がB 2 、後方散乱第2定数がC2 であ
    る場合において、 前記下地無し露光パターン内のほぼ中心を原点とした座
    標を(x1 、y1 )、前記下地有り露光パターン内のほ
    ぼ中心を原点とした座標を(x2 、y2 )で表し、 前記下地無し露光パターン及び前記下地有り露光パター
    ン部分の面積についての積分をそれぞれ∬S1dS1 、∬
    S2dS2 で表したとき、前記下地無しパターン用加速電
    圧E1 と前記下地有りパターン用加速電圧E2 との関係
    が、ほぼ 【数1】 E2 /E1 =〔A1 2+(1/2π)∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2) /C1 2}dS1 〕/ 〔A2 2+(1/2π)∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2) /C2 2}dS2 〕 となる請求項1記載の荷電粒子ビーム露光方法。
  3. 【請求項3】 荷電粒子によるレジスト膜中の後方散乱
    による吸収エネルギ強度が、荷電粒子のレジスト膜への
    入射点からの距離r、後方散乱第1定数B、及び後方散
    乱第2定数Cを用いて、B・exp(−r2 /C2 )と
    表され、 前記下地無し露光パターン部分の後方散乱第1定数がB
    1 、後方散乱第2定数がC1 であり、 前記下地有り露光パターン部分の後方散乱第1定数がB
    2 、後方散乱第2定数がC2 である場合において、 前記下地無し露光パターン内のほぼ中心を原点とした座
    標を(x1 、y1 )、前記下地有り露光パターン内のほ
    ぼ中心を原点とした座標を(x2 、y2 )で表し、 前記下地無し露光パターン及び前記下地有り露光パター
    ン部分の面積についての積分をそれぞれ∬S1dS1 、∬
    S2dS2 で表したとき、前記下地無しパターン用加速電
    圧E1 と前記下地有りパターン用加速電圧E2 との関係
    が、ほぼ 【数2】 E2 /E1 =〔∬S11 ・exp{−(x1 2+y1 2)/C1 2}dS1 〕 /〔∬S22 ・exp{−(x2 2+y2 2)/C2 2}dS2 〕 となる請求項1記載の荷電粒子ビーム露光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6831283B2 (en) 1999-02-18 2004-12-14 Hitachi, Ltd. Charged particle beam drawing apparatus and pattern forming method

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