JP3255898B2 - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光法
を用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム露光法は、基板上に形成さ
れ、電子ビームに対して高い感度を有するレジスト膜に
対して電子ビームを高速に照射することにより、所望の
パターンを描画又は転写する方法である。
【0003】電子ビーム露光法を用いると、0.1μm
以下の幅寸法を有するパターンを高解像度で描画するこ
とができると共に高精度の位置合わせ及び重ね合わせ露
光を行なうことができる。このため、電子ビーム露光法
は、従来、フォトマスク等のパターン形成又は半導体デ
バイスの配線形成等の超微細加工に用いられてきてい
る。
【0004】電子ビーム露光法においては、基板上に形
成されたレジスト膜に入射した電子がレジスト膜を構成
する原子量の小さい炭素等の原子と衝突して前方散乱す
ると共に、レジスト膜を通過した後に基板に入射した電
子が基板を構成する原子量の大きい珪素等の原子と衝突
して後方散乱する。その結果、レジスト膜における電子
ビームの照射領域の周辺部まで前方散乱又は後方散乱し
た電子により露光されてしまうため、パターンの寸法精
度が劣化してしまうという近接効果が生じる。
【0005】従って、電子ビーム露光法においてパター
ンの寸法精度を向上させるためには、電子ビームを照射
する前に近接効果の影響を考慮して電子ビームの露光量
を調節するという近接効果補正を行なう必要がある。
【0006】以下、前述の前方散乱及び後方散乱並びに
J.Appl.phys.,Vol.50,No.6,June 1979,pp4371〜 4387に
示されている従来の近接効果補正方法について、図5
(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0007】図5(a)は、レジスト膜中で前方散乱し
た後に基板中で後方散乱する電子の1つの飛跡を示して
いる。
【0008】図5(a)において、1は基板、2は基板
1上に形成されたレジスト膜、3はレジスト膜2に入射
する入射電子、4はレジスト膜2中で前方散乱する前方
散乱電子の飛跡、5は基板1中で後方散乱する後方散乱
電子の飛跡、6はレジスト膜2における前方散乱電子の
飛跡の広がり、7はレジスト膜2における後方散乱電子
の飛跡の広がりを示している。
【0009】図5(b)は、前方散乱電子の飛跡の広が
り6及び後方散乱電子の飛跡の広がり7が分布する様子
を示している。
【0010】図5(b)において、8は前方散乱電子の
飛跡の広がり6の分布を表す第1のガウス分布、9は後
方散乱電子の飛跡の広がり7の分布を表す第2のガウス
分布、βf は第1のガウス分布8の標準偏差である前方
散乱半径、βb は第2のガウス9の標準偏差である後方
散乱半径、rb は後方散乱電子の飛跡の広がり7の最大
値である後方散乱電子到達半径を示している。この場
合、レジスト膜2における入射電子3の入射点からの距
離が後方散乱電子到達半径rb を越える箇所に、後方散
乱電子が到達することはない。
【0011】前方散乱半径βf 、後方散乱半径βb 及び
後方散乱電子到達半径rb の大きさは、電子ビームの加
速電圧、基板1の材質又はレジスト膜2の材質等により
異なってくるが、基板1としてシリコン基板を用い且つ
レジスト膜2として炭素骨格を有する通常のレジストを
用いると共に、レジスト膜2に加速電圧が70kVの電
子ビームを照射する場合、前方散乱半径βf は約0.0
5μmになり、後方散乱半径βb は約20μmになり、
後方散乱電子到達半径rb は約35μmになる。
【0012】レジスト膜2に電子ビームを照射すると、
前方散乱電子及び後方散乱電子のエネルギーがレジスト
膜2に吸収されるため、レジスト膜2に吸収されるエネ
ルギーの入射電子3の入射点を中心とする強度分布つま
り吸収エネルギー強度分布は、レジスト膜2に吸収され
る前方散乱電子のエネルギーの入射電子3の入射点を中
心とする強度分布である第1の吸収エネルギー強度分布
とレジスト膜2に吸収される後方散乱電子のエネルギー
の入射電子3の入射点を中心とする強度分布である第2
の吸収エネルギー強度分布との和になる。
【0013】また、前方散乱電子による第1の吸収エネ
ルギー強度分布は図5(b)に示す前方散乱半径βf
標準偏差とする第1のガウス分布8に近似することがで
きると共に、後方散乱電子による第2の吸収エネルギー
強度分布は図5(b)に示す後方散乱半径βb を標準偏
差とする第2のガウス分布9に近似することができる。
【0014】尚、レジスト膜2における入射電子3の入
射点に吸収される前方散乱電子のエネルギーの強度は、
レジスト膜2における入射電子3の入射点に吸収される
後方散乱電子5のエネルギーの強度の数百倍である。
【0015】従来の近接効果補正方法は、実験又はシミ
ュレーション等により前方散乱半径βf 及び後方散乱半
径βb 並びに前方散乱電子による第1の吸収エネルギー
強度分布及び後方散乱電子による第2の吸収エネルギー
強度分布等を求める工程と、第1の吸収エネルギー強度
分布を前方散乱半径βf を標準偏差とする第1のガウス
分布8に近似すると共に、第2の吸収エネルギー強度分
布を後方散乱半径βbを標準偏差とする第2のガウス分
布9に近似する工程と、近似された第1の吸収エネルギ
ー強度分布と近似された第2の吸収エネルギー強度分布
との和を表す関数と、レジスト膜2の任意の位置におけ
る露光量の所定値つまり露光パターンを表す関数とを畳
み込み積分することにより、レジスト膜2の任意の位置
に蓄積されるエネルギーの強度分布つまり蓄積エネルギ
ー強度分布を計算する工程と、該蓄積エネルギー強度分
布が所望の分布になるように露光パターンを表す関数を
修正する工程とを備えており、この近接効果補正により
電子ビームの露光量を調節した後、レジスト膜2に電子
ビームを照射することによりパターンを描画し、その
後、電子ビームが照射されたレジスト膜2の現像を行な
うことによりレジスト膜2の不要部分を選択的に除去し
てレジストパターンを形成する。
【0016】尚、従来の近接効果補正方法において補正
の精度を向上させるため、基板1に入射した電子が基板
1を構成する原子と衝突することにより発生する2次電
子の影響を考慮して近接効果補正を行なう場合がある。
しかし、2次電子は比較的低速であり、レジスト膜2に
おける2次電子の飛跡の広がりは後方散乱半径βb の数
百分の1程度であるため、レジスト膜に吸収される2次
電子のエネルギーの入射電子3の入射点を中心とする強
度分布を考慮しても、近接効果補正の精度が大きく向上
することはない。
【0017】また、従来提案されている近接効果補正方
法の多くは、前述の畳み込み積分をより高速に計算する
ために用いられる近似方法等に関するものであると共
に、電子ビーム露光において前方散乱電子及び後方散乱
電子によりレジスト膜2が露光されることを前提として
いるものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の近接効果補正方
法を用いた電子ビーム露光法は、電子ビームの加速電圧
が50kV以下の場合に利用されてきたが、今後、電子
ビーム露光法の解像度を向上させるためには電子ビーム
の加速電圧を50kV以上にする必要がある。
【0019】ところが、従来の近接効果補正方法を用い
た電子ビーム露光法は、電子ビームの加速電圧を50
以上にすると、加速電圧の増大に従い近接効果補正の
精度が悪化するため、パターンの寸法精度が劣化すると
いう問題がある。
【0020】前記に鑑み、本発明は、加速電圧が50
以上の電子ビーム露光を用いたパターン形成方法にお
いて、近接効果補正の精度を向上させることによりパタ
ーンの寸法精度を向上させることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、従来の近
接効果補正方法を用いた電子ビーム露光法において、電
子ビームの加速電圧を50kV以上にした場合に、近接
効果補正の精度が悪化してパターンの寸法精度が劣化す
る原因について検討するため、図6に示すラインアンド
スペースパターンを用いてレジスト膜に対して電子ビー
ム露光を行なった。
【0022】図6において、Lは電子ビームにより露光
されるライン部(図6の斜線部)、Sはライン部L間の
スペース部、sはライン部L間の距離であるライン間距
離、βb は後方散乱半径、rb は後方散乱電子到達半径
を表している。尚、後方散乱半径βb 及び後方散乱電子
到達半径rb は従来より報告されているモンテカルロシ
ミュレーション[K. Murata, Electron Beam Interactio
n With Solids, pp.311-329,SEM, Inc., AMF O'Hare(Ch
icago), IL 60666,U.S.A.]等により予め求めておく。
【0023】図6に示すように、同様のラインアンドス
ペースパターンを有する領域がA1からAn まで縦方向
に設定されている。また、ライン間距離sは右方向に向
かってs=2βb 、2(βb+△βb)、・・・のように
徐々に大きくなるように設定されていると共に、最終
(右端)のライン間距離sがs>2rb になるように設
定されている。また、1つの領域内のすべてのライン部
Lは同一の露光量で露光されると共に、各領域毎の露光
量は領域A1 においてはD1 、領域A2 においては
2 、・・・、領域An においてはDn に設定されてい
ると共に、例えばDn=D0 nD 、Dn =αn 0
はDn =D0 +n△D等の数式に従って、D1 からDn
まで徐々に大きくなるように設定されている。
【0024】図6に示すラインアンドスペースパターン
におけるライン間距離sの変化の様子と、それに伴うレ
ジスト膜における後方散乱電子の到達しうる領域である
後方散乱電子到達領域の変化の様子とを図7(a)〜
(c)を用いて説明する。尚、図7(a)〜(c)にお
いて、後方散乱電子到達領域を太線で示している。
【0025】図7(a)及び(b)に示すように、ライ
ン間距離sが後方散乱電子到達半径rb の2倍以下の場
合は、ライン部Lに電子ビームを照射した際に各後方散
乱電子到達領域が重なりあう。しかし、図7(c)に示
すように、ライン間距離sが後方散乱電子到達半径rb
の2倍よりも大きいときは、ライン部Lに電子ビームを
照射した際に各後方散乱電子到達領域が重なりあわない
ので、レジスト膜のスペース部Sの中央が後方散乱電子
により露光されない。従って、ライン間距離sが後方散
乱電子到達半径rb の2倍よりも大きい場合において、
レジスト膜のスペース部Sの中央が露光された場合は、
その原因が前方散乱電子又は後方散乱電子以外の第3の
露光源による作用であると推定できる。
【0026】本件発明者は、まず、図6に示すラインア
ンドスペースパターンを用いて、シリコン基板上に形成
されたレジスト膜のライン部Lのみに、加速電圧が70
kVの電子ビームをその露光量を変化させながら照射し
た。レジスト膜としては、スレッショルド感度約5μC
/cm2 を有する住友化学工業(株)製のネガ型電子ビー
ムレジストNEB−22を、シリコン基板上に膜厚0.
5μm塗布したものを用いた。
【0027】次に、電子ビームを照射されたレジスト膜
を現像した後、レジスト膜のスペース部Sの中央が残存
し始めるライン間距離sの最大値を測定し、その後、測
定されたライン間距離sの最大値を2で割ることにより
最大露光半径rX を求めたところ約70μmであった。
一方、従来の近接効果補正方法の対象である前方散乱電
子及び後方散乱電子のみによりレジスト膜が露光される
領域の半径は後方散乱電子到達半径rb に等しく約35
μmであった。
【0028】従って、高加速電圧の電子ビーム露光を用
いる場合、レジスト膜が露光される領域の半径は、従来
の近接効果補正方法において想定されていたより約2倍
大きいことが判明した。
【0029】今後、より微細なパターンを形成するため
に高加速電圧の電子ビーム露光が期待されている。その
場合、前方散乱電子又は後方散乱電子以外の第3の露光
源によりレジスト膜が露光される影響を考慮して近接効
果補正を行なう必要がある。
【0030】さて、本件発明者は、この第3の露光源に
ついてさらに検討を加えた。その結果、第3の露光源と
しては、基板に入射した電子により基板中から発生する
X線等が想定されることが判明した。
【0031】以下、第3の露光源として前述のX線が想
定される理由について説明する。
【0032】基板に入射した電子は基板を構成する原子
を励起するため、励起された原子から特性X線が放射さ
れると共に、基板に入射した電子は基板を構成する原子
の原子核により散乱されるため、散乱された電子から連
続X線が放射される。
【0033】電子ビーム露光法の解像度を向上させるた
めには、電子ビームの加速電圧を大きくする必要がある
一方、前述のX線の強度は電子ビームの加速電圧が大き
くなるに従い増大することが知られている[Eugene P. B
ertim,Introduction to X-Ray Spectrometric Analysi
s,Plenum Press]。
【0034】また、X線は電子と比較して基板を透過し
やすいため、レジスト膜における電子ビームの照射点か
らの距離が後方散乱電子到達半径rb を越える箇所にま
でX線が到達すると共に、電子ビームの加速電圧が大き
くなるに従い電子がレジスト膜の構成原子と相互作用し
て化学反応を生じる衝突断面積が小さくなるため、電子
ビームに対するレジストの感度が低下する。従って、高
加速電圧の電子ビームを用いる場合、X線によりレジス
ト膜が露光される影響が無視できなくなるため、前方散
乱電子及び後方散乱電子のみによりレジスト膜が露光さ
れることを前提としている従来の近接効果補正方法の精
度が悪化すると考えられる。
【0035】また、電子ビーム露光法のスループットを
向上させるためには、レジストの感度を高くする必要が
ある一方、レジストは電子ビームに対して高感度になる
に伴いX線に対しても高感度になる。従って、高感度の
レジストと共に高加速電圧の電子ビームを用いる場合、
従来の近接効果補正方法を用いた電子ビーム露光法によ
り形成されるパターンの寸法精度はさらに劣化すること
になる。
【0036】従って、高加速電圧の電子ビームを用いる
場合、X線によりレジスト膜が露光される影響を考慮し
て近接効果補正を行なう必要がある。
【0037】本発明は、前記の知見に基づいてなされた
ものであって、具体的には、本発明に係る第1のパター
ン形成方法は、基板上に形成された被加工膜の上にレジ
スト膜を堆積するレジスト膜堆積工程と、電子ビームを
走査して基板上に形成された位置合わせマークを検出す
る位置合わせマーク検出工程と、電子ビームをレジスト
膜に対して照射することによりパターンを描画する電子
ビーム露光工程と、電子ビームが照射されたレジスト膜
を現像してレジストパターンを形成するパターン形成工
程とを備えており、電子ビーム露光工程は、位置合わせ
マーク検出工程において電子ビームを走査する際にレジ
スト膜が露光される被露光領域の外側の領域においての
みパターンを描画する工程を含むことを特徴とする。
【0038】本発明の第1のパターン形成方法による
と、電子ビーム露光工程が位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する際にレジスト膜が露光され
る被露光領域の外側の領域においてのみパターンを描画
する工程を含むため、位置合わせマーク検出工程におい
て電子ビームを走査する際にレジスト膜が露光されてパ
ターンの寸法精度が劣化することを防ぐことができる。
【0039】本発明に係る第2のパターン形成方法は、
基板上に形成された被加工膜の上にレジスト膜を堆積す
るレジスト膜堆積工程と、電子ビームを走査して基板上
に形成された位置合わせマークを検出する位置合わせマ
ーク検出工程と、電子ビームをレジスト膜に対して照射
することによりパターンを描画する電子ビーム露光工程
と、電子ビームが照射されたレジスト膜を現像してレジ
ストパターンを形成するパターン形成工程とを備えてお
り、電子ビーム露光工程は、位置合わせマーク検出工程
において電子ビームを走査する際にレジスト膜が露光さ
れる被露光領域における電子ビームの露光量を、被露光
領域の外側の領域における電子ビームの露光量よりも小
さく設定する工程を含むことを特徴とする。
【0040】本発明の第2のパターン形成方法による
と、電子ビーム露光工程が位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する際にレジスト膜が露光され
る被露光領域における電子ビームの露光量を、被露光領
域の外側の領域における電子ビームの露光量よりも小さ
く設定する工程を含むため、被露光領域における電子ビ
ームの露光量の総計を、被露光領域の外側の領域におけ
る電子ビームの露光量と同程度にすることができる。
【0041】本発明の第1又は第2のパターン形成方法
において、レジスト膜はネガ型レジストからなり、被露
光領域は、ライン部同士の距離であるライン間距離が、
レジスト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表す
ガウス分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の
値から、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後
方散乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化し
ており、且つレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
変化させながら照射した後、テスト用レジスト膜を現像
してテスト用レジスト膜のライン部間のスぺース部の中
央が残存し始めるライン間距離の最大値の2分の1を最
大露光半径としたときに、位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する位置からの距離が最大露光
半径以内の領域であることが好ましい。
【0042】本発明の第1又は第2のパターン形成方法
において、レジスト膜はポジ型レジストからなり、被露
光領域は、ライン部同士の距離であるライン間距離が、
レジスト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表す
ガウス分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の
値から、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後
方散乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化し
ており、且つレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
変化させながら照射した後、テスト用レジスト膜を現像
してテスト用レジスト膜のライン部間のスぺース部の中
央が消滅し始めるライン間距離の最大値の2分の1を最
大露光半径としたときに、位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する位置からの距離が最大露光
半径以内の領域であることが好ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態に係る電子ビーム露光法を用いたパタ
ーン形成方法について、図1を参照しながら説明する。
尚、第1の実施形態は、パターン形成の対象となるレジ
スト膜と同仕様のテスト用レジスト膜に対して電子ビー
ムを照射することにより、レジスト膜に吸収される第3
の露光源のエネルギーの電子ビームの照射点を中心とす
る強度分布である第3の吸収エネルギー強度分布を求
め、その結果を近接効果補正に利用するものである。
【0044】図1において、11は前方散乱電子による
第1の規格化された吸収エネルギー強度分布、12は後
方散乱電子による第2の規格化された吸収エネルギー強
度分布、13は第3の露光源による第3の規格化された
吸収エネルギー強度分布を示している。
【0045】まず、従来から知られている実験又はシミ
ュレーション等により、後方散乱半径βb 、後方散乱電
子到達半径rb 及びレジスト膜における電子ビームの照
射点に吸収される前方散乱電子のエネルギーである前方
散乱エネルギーEf を求めると共に、レジスト膜に吸収
される前方散乱電子のエネルギーの電子ビームの照射点
を中心とする強度分布である第1の吸収エネルギー強度
分布及びレジスト膜に吸収される後方散乱電子のエネル
ギーの電子ビームの照射点を中心とする強度分布である
第2の吸収エネルギー強度分布を求める。
【0046】次に、例えば図6に示すようなラインアン
ドスペースパターンを用いて、パターン形成の対象とな
るレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜のライン部
Lに対して電子ビームをその露光量を変化させながら照
射する。
【0047】具体的には、課題を解決するための手段と
同じく図6に示すように、同様のラインアンドスペース
パターンを有する領域がA1 からAn まで縦方向に設定
されている。また、ライン間距離sは右方向に向かって
s=2βb 、2(βb+△βb)、・・・のように徐々に
大きくなるように設定されていると共に、最終(右端)
のライン間距離sがs>2rb になるように設定されて
いる。また、1つの領域内のすべてのライン部Lは同一
の露光量で露光されると共に、各領域毎の露光量は領域
1 においてはD1 、領域A2 においてはD2 、・・・
領域An においてはDn に設定されていると共に、例え
ばDn =D0 nD 、Dn =αn 0又はDn =D0
n△D等の数式に従ってD1 からDn まで徐々に大きく
なるように設定されている。
【0048】次に、テスト用レジスト膜としてネガ型レ
ジストを用いる場合は、テスト用レジスト膜を現像して
テスト用レジスト膜のライン部Lの中央が残存し始める
最小の露光量である第1の露光量Df 及びテスト用レジ
スト膜のスペース部Sの中央が残存し始める最小の露光
量である第2の露光量の、ライン間距離sを変数とする
関数D(s)を求める。
【0049】また、テスト用レジスト膜としてポジ型レ
ジストを用いる場合は、テスト用レジスト膜を現像して
テスト用レジスト膜のライン部Lの中央が消滅し始める
最小の露光量である第1の露光量Df 及びテスト用レジ
スト膜のスペース部Sの中央が消滅し始める最小の露光
量である第2の露光量の、ライン間距離sを変数とする
関数D(s)を求める。
【0050】このとき、図1に示すように、縦軸に最大
値が0(=log1)になるように規格化された吸収エ
ネルギー強度を示すlog(Df /D(s))、横軸に
電子ビーム入射点からの距離を示すs/2をプロットす
ることにより、第1、第2及び第3の規格化された吸収
エネルギー強度分布11、12、13をそれぞれ求める
ことができる。尚、電子ビーム入射点からの距離s/2
が0〜βb 間の規格化された吸収エネルギー強度分布
は、予め求めてある第1の吸収エネルギー強度分布及び
第2の吸収エネルギー強度分布を最大値が0(=log
1)になるように規格化して求めている。
【0051】図6に示すラインアンドスペースパターン
を用いて、シリコン基板上にスレッショルド感度約5μ
C/cm2 を有する住友化学工業(株)製のネガ型電子ビ
ームレジストNEB−22を膜厚0.5μm塗布して形
成されたレジスト膜に、加速電圧が70kVの電子ビー
ムを照射したところ、図2に示すような規格化された吸
収エネルギー強度分布が得られた。図2において、aは
前方散乱電子による第1の規格化された吸収エネルギー
強度分布、bは後方散乱電子による第2の規格化された
吸収エネルギー強度分布、cは第3の露光源による第3
の規格化された吸収エネルギー強度分布を示している。
【0052】次に、レジスト膜に吸収される第3の露光
源のエネルギーの電子ビームの照射点を中心とする強度
分布である第3の吸収エネルギー強度分布を(Df /D
(s))×Ef として求める。
【0053】尚、本実施形態においては、電子ビーム入
射点からの距離を示すs/2が後方散乱電子到達半径r
b を越える領域において、すなわち、レジスト膜におけ
る後方散乱電子の到達しうる領域である後方散乱電子到
達領域の外側の領域において、第3の吸収エネルギー強
度分布を求める。
【0054】次に、第1、第2及び第3の吸収エネルギ
ー強度分布をそれぞれガウス分布に近似した後、近似さ
れた第1、第2及び第3の吸収エネルギー強度分布の和
を表す関数と、パターン形成の対象となるレジスト膜の
任意の位置における露光量の所定値つまり露光パターン
を表す関数とを畳み込み積分することにより、パターン
形成の対象となるレジスト膜の任意の位置に蓄積される
エネルギーの強度分布つまり蓄積エネルギー強度分布を
計算した後、該蓄積エネルギー強度分布が所望の分布に
なるように露光パターンを表す関数を修正する。
【0055】次に、前述の近接効果補正により電子ビー
ムの露光量を調節した後、基板上に形成されており、パ
ターン形成の対象となるレジスト膜に電子ビームを照射
することによりパターンを描画し、その後、電子ビーム
が照射されたレジスト膜の現像を行なうことによりレジ
スト膜の不要部分を選択的に除去してレジストパターン
を形成する。
【0056】第1の実施形態によると、前方散乱電子及
び後方散乱電子による第1及び第2の吸収エネルギー強
度分布に加えて、第3の露光源による第3の吸収エネル
ギー強度分布を用いて近接効果補正を行なうため、高感
度のレジストに対して高加速電圧の電子ビームを照射し
たときに近接効果補正の精度を向上させることができる
ので、パターンの寸法精度を向上させることができる。
【0057】また、第1の実施形態によると、パターン
形成の対象となるレジスト膜と同仕様のテスト用レジス
ト膜に対して電子ビームを照射することにより第3の露
光源による第3の吸収エネルギー強度分布を求めるた
め、第3の吸収エネルギー強度分布を高精度に求めるこ
とができるので、近接効果補正の精度をさらに向上させ
ることができる。
【0058】また、第1の実施形態によると、感度が2
0μC/cm2 以下のレジスト膜に対して加速電圧が5
0kV以上の電子ビームを照射する場合、従来の電子ビ
ーム露光法を用いたパターン形成方法に比べて、パター
ンの寸法精度が顕著に向上する。
【0059】尚、第1の実施形態において、前方散乱電
子による第1の吸収エネルギー強度分布、後方散乱電子
による第2の吸収エネルギー強度分布及び第3の露光源
による第3の吸収エネルギー強度分布を近接効果補正に
用いたが、第1、第2及び第3の吸収エネルギー強度分
布に加えて、電子ビームの照射により基板中に生じる2
次電子のエネルギーのうちレジスト膜に吸収されるエネ
ルギーの電子ビームの照射点を中心とする強度分布であ
る第4の吸収エネルギー強度分布を近接効果補正に用い
てもよい。
【0060】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る電子ビーム露光法を用いたパターン形成
方法について、図3を参照しながら説明する。尚、第2
の実施形態は、電子ビームにより基板中に発生するX線
を前述の第3の露光源とみなして、レジスト膜に吸収さ
れるX線のエネルギーの電子ビームの照射点を中心とす
る強度分布である第3の吸収エネルギー強度分布を計算
により求め、その結果を近接効果補正に利用するもので
ある。
【0061】図3は、レジスト膜を通過した後に基板に
入射して散乱する散乱電子の1つの飛跡及び電子ビーム
により基板中に発生するX線の1つの経路を模式的に示
したものである。
【0062】図3において、21は基板、22はレジス
ト膜、23はレジスト膜22を通過した後に基板21に
入射する入射電子、24は基板21中で散乱する散乱電
子の飛跡、25はX線の1つの経路、26はX線の発生
中心を表している。また、図3において、l(エル)は
基板21における入射電子23の入射点からレジスト膜
22におけるX線の到達点までの第1の距離、RはX線
の発生中心26からレジスト膜22におけるX線の到達
点までの第2の距離、dは基板21の表面からX線の発
生中心26までの第3の距離、θはX線の放射角を表し
ている。
【0063】まず、従来から知られているモンテカルロ
シミュレーション等により、前方散乱半径βf 、後方散
乱半径βb 及び後方散乱電子到達半径rb を求めると共
に、レジスト膜22に吸収される前方散乱電子のエネル
ギーの電子ビームの照射点を中心とする強度分布である
第1の吸収エネルギー強度分布及びレジスト膜22に吸
収される後方散乱電子のエネルギーの電子ビームの照射
点を中心とする強度分布である第2の吸収エネルギー強
度分布を求める。
【0064】次に、モンテカルロシミュレーション等に
より求めた散乱電子の飛跡24から散乱電子の平均の深
さを求める。X線は電子が基板21中で散乱する際に発
生するので、X線の発生中心26の深さを表す第3の距
離dは散乱電子の平均の深さに等しくなる。このよう
に、第3の距離dの値が求まると、任意の第1の距離l
の値に対してR2 =l2 +d2 の関係式を用いることに
より、第2の距離Rの値が一意に決まる。
【0065】次に、基板21に入射する入射電子23に
印加するのと同じ加速電圧を用いて、基板21と同仕様
のターゲットに電子ビームを照射する場合に、単位電流
当たりの電子ビームの照射により発生するX線の強度分
布I(λ ,θ)を実験的に又は理論式[Ludwig Reimer, Sc
anning Electron Microscopy, Spriger-Verlag, pp158-
169]を用いて求める。尚、λはX線の波長を表し、θは
x線の放射角を表す。また、放射角θは、任意の第1の
距離lの値に対してtanθ=d/lの関係式を用いる
ことにより一意に決まる。
【0066】次に、単位電流当たりの電子ビームに含ま
れる単位時間当たりの電子の個数nをn=1/電気素量
の関係式を用いて求めた後、電子ビーム中の電子1個当
たりから発生するX線の強度分布をI(λ ,θ)/nとし
て求める。このとき、基板21における入射電子23の
入射点の直下において、X線が多量に発生する範囲はX
線が到達する範囲に比較して十分狭い領域であると考え
られるため、X線の発生源を点光源とみなせるので、I
(λ ,θ)/nの強度を有するX線の点光源が、基板21
における入射電子23の入射点の直下であって基板21
の表面からの深さが第3の距離dに等しい位置つまりX
線の発生中心26の位置に存在していると仮定すること
ができる。
【0067】次に、従来から知られている基板21に対
する波長λのX線の透過率をa(λ)として、波長λのX
線がX線の発生中心26から第2の距離Rの位置にある
レジスト膜22に到達したときのX線の強度を電子1個
あたり、exp(−R/a(λ))×I(λ ,θ)/n×Δλ
として求める。次に、従来から知られている単位強度の
X線がレジスト膜22に蓄積するエネルギーの割合をg
(λ)として、波長λのX線によりレジスト膜22が露光
される強度を、g(λ)× exp(−R/a(λ))×I(λ
,θ)/n×Δλとして求める。次に、この強度をX線
の波長λについて積分することにより、レジスト膜22
に吸収されるX線のエネルギーの電子ビームの照射点を
中心とする強度分布である第3の吸収エネルギー強度分
布を、Σ[g(λ)×exp(−R/a(λ)) ×I(λ ,θ)
/n×Δλ] として求める。
【0068】尚、本実施形態においては、第1の距離l
が後方散乱電子到達半径rb を越える領域において、す
なわち、レジスト膜22における後方散乱電子の到達し
うる領域である後方散乱電子到達領域の外側の領域にお
いて、第3の吸収エネルギー強度分布を求める。
【0069】次に、予め求めてある第1及び第2の吸収
エネルギー強度分布をそれぞれガウス分布に近似した
後、近似された第1及び第2の吸収エネルギー強度分布
と第3の吸収エネルギー強度分布との和を表す関数と、
レジスト膜22の任意の位置における露光量つまり露光
パターンを表す関数とを畳み込み積分することにより、
レジスト膜22の任意の位置に蓄積されるエネルギーの
強度分布つまり蓄積エネルギー強度分布を計算した後、
該蓄積エネルギー強度分布が所望の分布になるように露
光パターンを表す関数を修正する。
【0070】次に、前述の近接効果補正により電子ビー
ムの露光量を調節した後、基板21に形成されたレジス
ト膜22に対して電子ビームを照射することによりパタ
ーンを描画し、その後、電子ビームが照射されたレジス
ト膜22の現像を行なうことによりレジスト膜22の不
要部分を選択的に除去してレジストパターンを形成す
る。
【0071】第2の実施形態によると、前方散乱電子及
び後方散乱電子による第1及び第2の吸収エネルギー強
度分布に加えて、第3の露光源とみなしたX線による第
3の吸収エネルギー強度分布を用いて近接効果補正を行
なうため、高感度のレジストに対して高加速電圧の電子
ビームを照射したときに近接効果補正の精度を向上させ
ることができるので、パターンの寸法精度を向上させる
ことができる。
【0072】また、第2の実施形態によると、簡易な数
値計算により第3の吸収エネルギー強度分布を求めるこ
とができるため、近接効果補正を簡易に行なうことがで
きる。
【0073】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係る電子ビーム露光法を用いたパターン形成
方法について、図4を参照しながら説明する。尚、第3
の実施形態は、パターン形成の対象となるレジスト膜と
同仕様のテスト用レジスト膜に対して電子ビームを照射
することにより、図4に示すように第3の露光源により
レジスト膜が露光される被露光領域を求め、その結果を
位置合わせマーク周辺部におけるパターン形成に利用す
るものである。
【0074】図4は、基板上に形成された位置合わせマ
ーク及びその周辺部を基板の真上から見た図である。
【0075】図4において、31は位置合わせマーク、
32はマーク検出のため電子ビームを走査する位置、3
3は第3の露光源によりレジスト膜が露光される被露光
領域、34は被露光領域33の内側に描画されるパター
ン、35は被露光領域33の外側に描画されるパター
ン、rX は最大露光半径を表している。位置合わせマー
ク31としては、基板に対してエッチングを行なうこと
により形成された段差、又はシリコン等からなる基板上
に形成され、シリコン等より大きな原子番号を有する例
えばタングステン等からなる凸マーク等が用いられる。
【0076】尚、図4において、図示は省略しているが
基板上には位置合わせマーク31と共にレジスト膜が形
成されている。
【0077】まず、モンテカルロシミュレーション等に
より後方散乱半径βb 及び後方散乱電子到達半径rb
求める。
【0078】次に、例えば図6に示すようなラインアン
ドスペースパターンを用いて、パターン形成の対象とな
るレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜のライン部
Lに対して電子ビームをその露光量を変化させながら照
射する。
【0079】具体的には、課題を解決するための手段と
同じく図6に示すように、同様のラインアンドスペース
パターンを有する領域がA1 からAn まで縦方向に設定
されている。また、ライン間距離sは右方向に向かって
s=2βb 、2(βb+△βb)、・・・のように徐々に
大きくなるように設定されていると共に、最終(右端)
のライン間距離sがs>2rb になるように設定されて
いる。また、1つの領域内のすべてのライン部は同一の
露光量で露光されると共に、各領域毎の露光量は領域A
1 においてはD1 、領域A2 においてはD2 、・・・領
域An においてはDn に設定されていると共に、例えば
n =D0 nD 、Dn =αn 0 、又はDn =D0
+n△D等の数式に従ってD1 からDn まで徐々に大き
くなるように設定されている。
【0080】次に、テスト用レジスト膜としてネガ型レ
ジストを用いる場合は、テスト用レジスト膜を現像して
テスト用レジスト膜のスペース部Sの中央が残存し始め
るライン間距離sの最大値を求める。
【0081】また、テスト用レジスト膜としてポジ型レ
ジストを用いる場合は、テスト用レジスト膜を現像して
テスト用レジスト膜のスペース部Sの中央が消滅し始め
るライン間距離sの最大値を測定する。
【0082】次に、測定されたライン間距離sの最大値
を2で割ることにより最大露光半径rX を求める。
【0083】図6に示すラインアンドスペースパターン
を用いて、シリコン基板上にスレッショルド感度約5μ
C/cm2 を有する住友化学工業(株)製のネガ型電子ビ
ームレジストNEB−22を膜厚0.5μm塗布して形
成されたテスト用レジスト膜に、加速電圧が70kVの
電子ビームを照射することにより最大露光半径rX を求
めたところ約70μmであった。
【0084】次に、基板上に形成されており、パターン
形成の対象となるレジスト膜に対して、図4に示すよう
に、マーク検出のため電子ビームを走査する位置32か
らの距離が最大露光半径rX を越える領域においての
み、すなわち位置合わせマーク31を検出するため電子
ビームを走査する際に第3の露光源によりレジスト膜が
露光される被露光領域33の外側の領域においてのみ電
子ビームを照射することによりパターンを描画する。
【0085】次に、電子ビームが照射されたレジスト膜
の現像を行なうことによりレジスト膜の不要部分を選択
的に除去してレジストパターンを形成する。
【0086】第3の実施形態によると、第3の露光源に
よりレジスト膜が露光される被露光領域33の外側の領
域においてのみパターンを描画するため、マーク検出の
ため電子ビームを走査した際に第3の露光源によりレジ
スト膜が露光されてパターンの寸法精度が劣化すること
を防ぐことができる。
【0087】尚、被露光領域33にパターン34を描画
する必要がある場合には、被露光領域33の外側の領域
にパターン35を描画するのに用いる露光量に比べて、
マーク検出のため電子ビームを走査した際のレジスト膜
に対する露光量の分だけ小さい露光量を用いて被露光領
域33に電子ビームを照射することにより、パターン3
4を描画することが好ましい。このようにすると、被露
光領域33におけるパターン34の寸法精度を、被露光
領域33の外側の領域におけるパターン35の寸法精度
と同程度にすることができる。
【0088】
【発明の効果】本発明の第1のパターン形成方法による
と、位置合わせマーク検出工程において電子ビームを走
査する際にレジスト膜が露光されてパターンの寸法精度
が劣化することを防ぐことができる。
【0089】本発明の第2のパターン形成方法による
と、被露光領域における電子ビームの露光量の総計を被
露光領域の外側の領域における電子ビームの露光量と同
程度にすることができるため、被露光領域におけるパタ
ーンの寸法精度を被露光領域の外側の領域におけるパタ
ーンの寸法精度と同程度にすることができる。
【0090】本発明の第1又は第2のパターン形成方法
において、レジスト膜がネガ型レジストからなり、被露
光領域が、ライン部同士の距離であるライン間距離が、
レジスト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表す
ガウス分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の
値から、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後
方散乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化し
ており、且つレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
変化させながら照射した後、テスト用レジスト膜を現像
してテスト用レジスト膜のライン部間のスぺース部の中
央が残存し始めるライン間距離の最大値の2分の1を最
大露光半径としたときに、位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する位置からの距離が最大露光
半径以内の領域であると、テスト用レジスト膜を用いる
ことにより最大露光半径を高精度に求めることができる
ため、被露光領域を高精度に求めることができる。
【0091】本発明の第1又は第2のパターン形成方法
において、レジスト膜がポジ型レジストからなり、被露
光領域が、ライン部同士の距離であるライン間距離が、
レジスト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表す
ガウス分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の
値から、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後
方散乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化し
ており、且つレジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
変化させながら照射した後、テスト用レジスト膜を現像
してテスト用レジスト膜のライン部間のスぺース部の中
央が消滅し始めるライン間距離の最大値の2分の1を最
大露光半径としたときに、位置合わせマーク検出工程に
おいて電子ビームを走査する位置からの距離が最大露光
半径以内の領域であると、テスト用レジスト膜を用いる
ことにより最大露光半径を高精度に求めることができる
ため、被露光領域を高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム露光
法を用いたパターン形成方法において、前方散乱電子、
後方散乱電子及び第3の露光源による規格化された吸収
エネルギー強度分布を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム露光
法を用いたパターン形成方法において、テスト用レジス
ト膜に対して電子ビームを照射することにより求めた前
方散乱電子、後方散乱電子及び第3の露光源による規格
化された吸収エネルギー強度分布を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム露光
法を用いたパターン形成方法において、レジスト膜を通
過した後に基板に入射して散乱する散乱電子の1つの飛
跡及び基板中に発生するX線の1つの経路を示す図であ
る。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電子ビーム露光
法を用いたパターン形成方法において、基板上に形成さ
れた位置合わせマーク及びその周辺部を真上から見た図
である。
【図5】(a)はレジスト膜中で前方散乱した後に基板
中で後方散乱する電子の1つの飛跡を示す図であり、
(b)は前方散乱電子の飛跡の広がり及び後方散乱電子
の飛跡の広がりが分布する様子を示す図である。
【図6】電子ビーム露光法における近接効果補正の精度
を調べるために用いるラインアンドスペースパターンを
示す図である。
【図7】(a)〜(c)はライン部間の距離を変えなが
らライン部に電子ビームを照射した際の後方散乱電子到
達領域の変化を示す図である。
【符号の説明】
βf 前方散乱半径 βb 後方散乱半径 rb 後方散乱電子到達半径 rX 最大露光半径 L ライン部 S スペース部 s ライン間距離 Df 第1の露光量 D(s) 第2の露光量のライン間距離sを変数とする関
数 a 第1の規格化された吸収エネルギー強度分布 b 第2の規格化された吸収エネルギー強度分布 c 第3の規格化された吸収エネルギー強度分布 l 入射電子の入射点からX線の到達点までの距離 R X線の発生中心からX線の到達点までの距離 d 基板の表面からX線の発生中心までの距離 θ X線の放射角 1 基板 2 レジスト膜 3 入射電子 4 前方散乱電子の飛跡 5 後方散乱電子の飛跡 6 前方散乱電子の飛跡の広がり 7 後方散乱電子の飛跡の広がり 8 第1のガウス分布 9 第2のガウス分布 11 第1の規格化された吸収エネルギー強度分布 12 第2の規格化された吸収エネルギー強度分布 13 第3の規格化された吸収エネルギー強度分布 21 基板 22 レジスト膜 23 入射電子 24 散乱電子の飛跡 25 X線の1つの経路 26 X線の発生中心 31 位置合わせマーク 32 マーク検出のため電子ビームを走査する位置 33 被露光領域 34 パターン 35 パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された被加工膜の上にレジ
    スト膜を堆積するレジスト膜堆積工程と、 電子ビームを走査して前記基板上に形成された位置合わ
    せマークを検出する位置合わせマーク検出工程と、 電子ビームを前記レジスト膜に対して照射することによ
    りパターンを描画する電子ビーム露光工程と、 電子ビームが照射された前記レジスト膜を現像してレジ
    ストパターンを形成するパターン形成工程とを備えたパ
    ターン形成方法において、 前記電子ビーム露光工程は、前記位置合わせマーク検出
    工程において電子ビームを走査する際に前記レジスト膜
    が露光される被露光領域の外側の領域においてのみ前記
    パターンを描画する工程を含み、 前記被露光領域は、電子ビームの走査により前記基板中
    に生じるエネルギーのうち、前記レジスト膜における後
    方散乱電子の到達しうる領域である後方散乱電子到達領
    域より外側の前記レジスト膜に吸収されるエネルギーが
    分布する領域を含む ことを特徴とするパターン形成方
    法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された被加工膜の上にレジ
    スト膜を堆積するレジスト膜堆積工程と、 電子ビームを走査して前記基板上に形成された位置合わ
    せマークを検出する位置合わせマーク検出工程と、 電子ビームを前記レジスト膜に対して照射することによ
    りパターンを描画する電子ビーム露光工程と、 電子ビームが照射された前記レジスト膜を現像してレジ
    ストパターンを形成するパターン形成工程とを備えたパ
    ターン形成方法において、 前記電子ビーム露光工程は、前記位置合わせマーク検出
    工程において電子ビームを走査する際に前記レジスト膜
    が露光される被露光領域における電子ビームの露光量
    を、前記被露光領域の外側の領域における電子ビームの
    露光量よりも小さく設定する工程を含み、 前記被露光領域は、電子ビームの走査により前記基板中
    に生じるエネルギーのうち、前記レジスト膜における後
    方散乱電子の到達しうる領域である後方散乱電子到達領
    域より外側の前記レジスト膜に吸収されるエネルギーが
    分布する領域を含む ことを特徴とするパターン形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト膜はネガ型レジストからな
    り、 前記被露光領域は、 ライン部同士の距離であるライン間距離が、前記レジス
    ト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表すガウス
    分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の値か
    ら、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後方散
    乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化してお
    り、且つ前記レジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
    の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
    変化させながら照射した後、前記テスト用レジスト膜を
    現像して前記テスト用レジスト膜のライン部間のスぺー
    ス部の中央が残存し始めるライン間距離の最大値の2分
    の1を最大露光半径としたときに、 前記位置合わせマーク検出工程において電子ビームを走
    査する位置からの距離が前記最大露光半径以内の領域で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記レジスト膜はポジ型レジストからな
    り、 前記被露光領域は、 ライン部同士の距離であるライン間距離が、前記レジス
    ト膜における後方散乱電子の飛跡の広がりを表すガウス
    分布の標準偏差である後方散乱半径の2倍以下の値か
    ら、後方散乱電子の飛跡の広がりの最大値である後方散
    乱電子到達半径の2倍を越える値まで徐々に変化してお
    り、且つ前記レジスト膜と同仕様のテスト用レジスト膜
    の複数のライン部群に対して電子ビームをその露光量を
    変化させながら照射した後、前記テスト用レジスト膜を
    現像して前記テスト用レジスト膜のライン部間のスぺー
    ス部の中央が消滅し始めるライン間距離の最大値の2分
    の1を最大露光半径としたときに、 前記位置合わせマーク検出工程において電子ビームを走
    査する位置からの距離が前記最大露光半径以内の領域で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン
    形成方法。
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