JPH079423B2 - フローサイトメトリーによる白血球分類試薬 - Google Patents

フローサイトメトリーによる白血球分類試薬

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JPH079423B2
JPH079423B2 JP27379593A JP27379593A JPH079423B2 JP H079423 B2 JPH079423 B2 JP H079423B2 JP 27379593 A JP27379593 A JP 27379593A JP 27379593 A JP27379593 A JP 27379593A JP H079423 B2 JPH079423 B2 JP H079423B2
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ethyl
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、臨床検査分野におけ
る血球の分類に使用する試薬に関するものであり、さら
に詳しくは、フローサイトメーターを用いて、蛍光染色
処理された血球を光学的に測定し、白血球を分類する2
つの方法に使用する試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】健常人の末梢血中の白血球には、リンパ
球、単球、好中球、好酸球、好塩基球の種類がある。こ
れらは各々その機能が異っており、血液中の白血球を種
類別に計数することによって、病気の診断に貢献するこ
とができる。たとえば、好中球の増加は、炎症、心筋梗
塞、白血病などにみられ、好中球の減少は、ウイルス性
疾患、再生不良性貧血、無顆粒球症などに見られる。好
酸球の増加は、寄生虫症、ホジキン病、アレルギー疾患
などにみられる。単球の増加は、感染症の快復期、単球
性白血病などにみられる。
【0003】白血球を分類・計数するために従来から最
も良く実施されている方法は、血液像鑑定(視算法、用
手法)と呼ばれるものである。
【0004】この方法は、血液をスライドグラス上に塗
抹し、血球を固定し、さらに染色したのち、顕微鏡で観
察し、一つずつの白血球の形態的特徴(白血球の大き
さ、核の形態、細胞質の形態、顆粒の有無等)や染色度
合から測定者がいずれの血球であるかを判定し、分類−
計数するものである。このとき、一般の検査室では10
0〜200個の白血球を計数し、白血球全体の数の中に
占める各々の血球の百分率(%)を測定値としている。
【0005】この方法は、顕微鏡による観察の前に、血
液の塗抹、固定、染色等の繁雑な標本作成操作が必要で
あることと、顕微鏡を用いた分類−計数は、血球のわず
かな差を見分けなければならないこととのために、測定
者に大きな負担をかけるものとなっている。さらに、計
数する白血球数が少い上に、塗抹試料上の血球が不均一
な分布となっている場合もあり、熟練した測定者でも再
現性のある測定値を出すことは難しい。
【0006】このために、白血球の分類・計数が自動的
に行なえる方法が強く求められており、現在のところ、
大きく分けて二種類の方法が実現されている。
【0007】そのうちの一つの方法は、血球像をビデオ
カメラ等でとらえ、コンピューターによる画像処理によ
って白血球を分類するものである。この方法は従来の視
算法に原理的には近い方法であるが、コンピューターに
よる処理では分類できない血球も多く、完全には視算法
に取ってかわるものとはなっていない。また、装置が複
雑で大型になり、価格が高くなるという問題もある。
【0008】白血球を自動的に分類−計数するもう一つ
方法は、フローシステムを利用した方法である。この方
法は、血球を希釈液中に浮遊させた試料を用い、血球が
一個ずつ細い検出器中を通過するようにこの試料を流
し、このとき検出器で発生する信号を分析することによ
り白血球を分類するものである。このフローシステムを
利用した方法は、さらに、二つの方法に細分される。
【0009】第1の方法は、赤血球を溶解剤で破壊し、
白血球のみが浮遊した電解液を細孔中に流し、血球が細
孔を通過したときの細孔部のインピーダンス変化を検出
し、検出信号の大きさによって白血球を分類するもので
ある。
【0010】第2の方法は、光源と、試料中の細胞が1
個ずつ細い流路を流れるようにしたフローセルと、細胞
から発せられた光を検出する測光部と、検出信号を解析
する解析装置とを備えたフローサイトメーターを使用す
るものである。この方法では、血球を染色し、染色され
た血球を光で照射し、そのとき血球から発する蛍光およ
び場合によっては散乱光を一緒に検出し、検出信号の強
度によって白血球を分類しようとするものである。
【0011】この第2の方法に属するものとしては、例
えば特公昭59−853号公報およびエル・エイ・カメ
ンツキー(L.A.Kamentsky)「ブラッド・
セルズ(Blood Cells)」、第6巻、121
〜140頁、1980年に記載された方法がある。この
方法は、血液に10倍量のアクリジンオレンジ染色液を
加え、1分間インキュベートしたのち、アルゴンイオン
レーザー等の光源で照射したとき血球から発する緑色蛍
光と赤色蛍光を測定し、その二次元分布から、白血球を
分類・計数するものである。
【0012】第2の方法に属する他の例としては、特開
昭50−20820号公報およびエイチ・エム・シャピ
ロ(H.M.Shapiro)他「ザ・ジャーナル・オ
ブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー
(The Journalof Histochemi
stry and Cytochemistry)第2
4巻第1号、396〜411頁、1976年;同じく第
25巻第8号、976〜989頁、1977年に記載さ
れた方法がある。この方法は、血液に4倍量の染色液1
を加え、3分間インキュベートした後、血液と等容の2
0%ホルムアルデヒドを加え、5分間固定を行ない、希
釈用の染色液IIで15〜20倍に希釈し、フローサイ
トメーターで測定するものである。この測定に用いられ
るフローサイトメーターは、光源として光を3分割した
水銀アークランプ又は三本のレーザーを備え、染色液に
含まれる3種の蛍光染料を各々励起し、その3種の蛍光
と前方散乱光、側方散乱光、吸光の6つのパラメーター
を測定し、4段階の二次元分布解析により白血球を分類
・計数する装置である。
【0013】さらに、昭和61年9月10日出願の特願
昭61−213715号においては、緩衝液、無機塩類
及び蛍光染料からなる染色液に血液を加えて染色すると
いう一段階染色工程が開示されているが、未溶解の赤血
球が測定データに影響を及ぼし、測定が不明確となるお
それがあった。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】フローシステムを利
用して白血球を分類・計数する方法のうち第1の方法に
おいては、赤血球を破壊しなければならないが、血液に
よっては赤血球の溶解が完全に行なわれ得ない場合もあ
り、このときには測定値の正確さが損なわれるという問
題がある。
【0015】フローシステムを利用した第2の方法のう
ちの特公昭59−853号公報等に記載された方法は、
細胞による染料の吸収が平衡に達する前に、すなわち、
染色の途中で各白血球の蛍光強度の差が最大となる時間
に測定することを特徴としている。しかしながら、白血
球数が極端に多いか、または少い検体については、染色
強度が適正レベルとなる染色時間は正常な検体とは異る
ことになり、検体ごとに適切な染色時間を選定しなけれ
ばならない。また、この方法は蛍光強度の差のみによっ
て白血球を分類しようとしているため、リンパ球と単球
との分離等各血球の分離が必ずしも良くないという問題
がある。
【0016】フローシステムを利用した第2の方法のう
ちの他の例すなわち特開昭50−20820号公報等に
記載された方法は、操作手順が多く、染色時間が長くか
かる上に、複雑な試薬を使用しなければならない。ま
た、光源が3種必要であることに加え、6つのパラメー
ターを測定しなければならないため装置が非常に複雑で
高価なものとなる。さらに、このように多くのパラメー
ターを測定しているため解析が複雑となり、大容量の解
析装置を必要とするという問題もある。
【0017】さらに、前出の特願昭61−213715
号の発明を含めフローサイトメトリーにより白血球を分
類する方法においては、血液を長時間放置しておいたた
め好中球が死細胞になると、フローサイトメーターでは
検出できなくなる場合があると言う問題があった。この
ため測定血液は必ず新鮮血液を使用しなければならなか
った。
【0018】この発明は、上記従来の問題点を解決する
ためになされたもので、簡単な手順と構成で、白血球を
正確に分類・計数するための試薬を提供するものであ
る。
【0019】
【問題点を解決するための手段および作用】本発明の試
薬を用いる白血球の分類方法には二つの方法があり、以
下それぞれを1ステップ法、2ステップ法と呼ぶ。
【0020】1ステップ法は以下(a)〜(c)の各工
程からなる。
【0021】(a)好酸球と好塩基球の両方を選択的に
蛍光染色する染料と、白血球の核を蛍光染色する染料
と、pHを6.0〜11.0に保つための緩衝剤と、染
色液を白血球の形態を保持する浸透圧に調整するための
浸透圧補償剤とからなる染色液に、抗凝固処理を施した
血液を加えて、平衡状態に達するまで染色して測定用試
料を調整する工程、(b)前記測定用試料をフローサイ
トメーターに流し、白血球と他の血球とを蛍光強度によ
って区別し、白血球の側方(90°)散乱光信号と、蛍
光信号とを測定する工程、(c)白血球より発せられた
前記側方散乱光信号および蛍光信号により、各白血球の
種類を判別し、計数し、各白血球の比率を算出する工
程。
【0022】2ステップ法は以下(a)〜(d)の各工
程からなる。
【0023】(a)好酸球と好塩基球の両方を選択的に
蛍光染色する染料と、白血球の核を蛍光染色する染料
と、pHを酸性域に保つための緩衝剤とからなる低張な
第1液に、抗凝固処理を施した血液を加えて、赤血球を
溶血させる工程、(b)第1液の緩衝剤中の酸を中和
し、溶液pHを染色pHに保つための緩衝剤と、溶液を
白血球の形態を保持する浸透圧に調整するための浸透圧
補償剤とからなる第2液を、前記(a)で得られた、第
1液で処理された血液試料に加えて、白血球を染色する
工程、(c)前記染色された試料をフローサイトメータ
ーに流し、白血球と他の血球やゴーストとを蛍光強度に
よって区別し、白血球の蛍光信号と側方(90°)散乱
光信号とを測定する工程、(d)白血球より発せられた
前記蛍光信号および側方散乱光信号により、各白血球の
種類を判別し、計数し、各白血球の比率を算出する工
程。
【0024】また、本発明の、フローサイトメトリーに
よる白血球5分類に使用される試薬は、以下の組成を有
する。
【0025】(1)好酸球と好塩基球の両方を選択的に
蛍光染色する染料たとえばアストラゾンイエロー3G (2)白血球の核を蛍光染色する下記の染料のうちの一
つ。
【0026】アクリジンレッド ローダミンS ローダミン6G ローダミンB ローダミン19ペルクロレート ローダミン123 エオシンY シアノシン クレジルファーストバイオレット ダロウレッド アクロノールフロキシンFFS 1,1′−ジメチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチル−9−メチルチオカルボシアニンブ
ロミド 2−〔γ−(1′−エチル−4′,5′−ベンゾチアゾ
リリデン)プロペニル〕−1−エチル−4,5−ベンゾ
オキサゾリジウムヨージド アストラゾンレッド6B ベイシックバイオレット16 2−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エチル−
4,5−ベンゾチアゾリウムヨージド 2,4−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
チル−ピリジニウムヨージド 2,6−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
チル−ピリジニウムヨージド TA−2(日本感光色素研究所:岡山市) アストラゾンオレンジR(特にアストラゾンオレンジR
が好適である。) さて、白血球より発せられる前記蛍光信号および側方散
乱光信号のうち、蛍光信号は、細胞化学的特性を反映す
るものであり、染料と各白血球との相互作用により、各
白血球から異なる強度の信号が得られる。
【0027】一方、側方散乱光信号は細胞内情報を反映
するものである。すなわち、細胞内の細胞核が大きいほ
ど、また、顆粒が多いほど細胞内での光の反射が強ま
り、側方散乱光強度が増大する。したがって、リンパ球
は、その内部に顆粒が存在しないかあるいは少いので、
散乱光強度は一番小さく、好中球は、その内部に顆粒が
多く存在し、また、大きな核を持つので、散乱光強度は
大きくなる。好酸球の散乱光強度は好中球のそれにほぼ
匹敵する。単球、好塩基球による散乱光強度はリンパ球
と好中球の中間にある。このような理由により、各白血
球の側方散乱光の相対強度は、第2図に示すものとな
る。
【0028】したがって、蛍光信号と側方散乱光信号と
を組み合わせることにより、後に詳細に述べるように白
血球の5分類が可能となる。
【0029】本発明の方法は、前述のように、複雑な前
処理等の操作を必要とせず、1ステップまたは2ステッ
プの簡単な染色のみで、フローサイトメーターにより血
液中の白血球だけを分類・計数するものである。
【0030】本発明に使用されるフローサイトメーター
の光学系の一具体例を第1図に示された図面に基いて説
明する。第1図は側方散乱光と赤蛍光と緑蛍光とを測定
する場合を示している。このフローサイトメーターの光
学系10に使用された光源は、波長;488nm、出
力;10mWのアルゴンイオンレーザー12である。レ
ーザー12から発せられた光は、シリンドリカルレンズ
16によって絞られ、フローセル14中を流れる測定用
試料を照射する。
【0031】測定用試料中の染色された白血球がレーザ
ー光によって照射されると、白血球からは散乱光と蛍光
が発せられる。
【0032】このうち、側方へ発せられた散乱光と蛍光
はコンデンサレンズ18によって集められ、アパーチャ
20を通過したのち、ダイクロイックミラー22に達す
る。
【0033】ダイクロイックミラー22は側方散乱光2
4を反射し、蛍光26を透過させる。ダイクロイックミ
ラー22によって反射された側方散乱光24は光電子増
倍管28によって測定される。ダイクロイックミラー2
2を透過した蛍光26のうち赤蛍光32はダイクロイッ
クミラー30によって反射させられ、緑蛍光38のみが
透過させられる。反射された赤蛍光32はカラーフィル
ター34を通過したのち、光電子増倍管36によって測
定される。透過した緑蛍光38はカラーフィルター40
を通過したのち光電子増倍管42によって測定される。
【0034】ところで、測定用試料中の赤血球は非常に
弱い蛍光しか発しないので、蛍光強度を測定する限りに
おいては、赤血球が白血球と同時に検出部を通過(同時
通過)しても、白血球の測定には妨害を与えない。しか
し、散乱光を測定する場合には、赤血球は白血球と同レ
ベルの強度の散乱光を発するため、白血球の計数に対し
て妨害を与える。このとき、蛍光と散乱光を同時に測定
し、一定レベル以上の強度の蛍光を発したもののみを白
血球とすることはできるが、白血球と赤血球が同時通過
したときには、白血球による散乱光に赤血球による散乱
光が重畳されるので、正しい白血球の散乱光強度を測定
することができない。第1図に示したフローサイトメー
ターの光学系10では、希釈倍率をたとえば20倍と
し、赤血球と白血球との同時通過が起る確率を減少さ
せ、赤血球による妨害の程度を実用上無視できる程度に
おさえた測定用試料をフローセル14に流すようにして
いる。
【0035】しかし、蛍光強度によって好酸球と好塩基
球とを除外したのちの残った白血球すなわちリンパ球、
単球、好中球の側方散乱光信号の強度分布を描くと、第
3図に示すように、これら3つの集団は完全には分離さ
れていない。
【0036】測定用試料の希釈倍率をさらに上げ、赤血
球と白血球との同時通過が起る確率を、赤血球による妨
害が完全に無視できる程度に抑えれば、リンパ球、単
球、好中球による側方散乱光信号強度の度数分布は第4
図のようになり、これら三つは完全に分離できるように
なる。しかし測定値の精密度を確保するためには白血球
数で約10,000個測定する必要があるため、希釈倍
率を上げて試料を薄くすると測定時間が長くかかりす
ぎ、実用的でなくなる。
【0037】測定試料に対して、赤血球溶血処理等の赤
血球除去操作を行えば、赤血球による妨害の上記問題は
解決できるが、従来技術では染色条件に適合する赤血球
溶血法等の赤血球除去方法が存在しなかったため行なえ
なかった。蛍光染色による白血球5分類で溶血を行なっ
ている先行技術例はない。又、1分以内で赤血球のみを
溶血し、白血球の側方散乱光(形態情報)を損なわない
様な方法は存在しなかった。
【0038】一般に赤血球を除去した白血球測定用試料
を調整するには、下記の方法が知られている。
【0039】i) 赤血球溶血法 a) 界面活性剤処理 b) アンモニウム塩(たとえば、NH4 Cl)処理 c) 低張処理(生理的pH) ii) 分離法 d) 遠心分離 e) 沈降分離 f) その他 上記(a)〜(e)について以下に説明する。
【0040】a) 界面活性剤処理は染色を阻害する、
赤血球溶血と同時に、白血球の裸核化、膨潤、収縮等の
形態学的変化を生じ、散乱光信号による白血球分画が困
難となる、白血球形態が経時的に変化する等の問題があ
る。
【0041】b) アンモニウム塩処理 染色を阻害する、赤血球溶血能力が低く、たとえば全血
を20倍希釈した濃厚試料は調整が困難、赤血球溶血に
時間がかかる(3〜5分)等の問題がある。
【0042】c) 低張処理 一般に低張溶液中では、赤血球に比べ白血球の抵抗性が
高いことを利用し、赤血球のみを溶血し、白血球のみを
残すが、生理的pHのもとでは、赤血球が完全に溶血す
る条件下では、白血球の一部も破壊される。
【0043】d)およびe) 遠心分離と沈降分離 ・操作が繁雑で時間がかかる。
【0044】・白血球の損失、分画比の変動がおこりや
すい等の問題がある。
【0045】本発明のうち2ステップ法では、前述の赤
血球−白血球同時通過による側方散乱光強度分布の乱れ
を低減させるため試料中の赤血球を酸性低張処理するこ
とにより破壊している。
【0046】前述のように、生理的pH域で低張処理を
行なった場合、赤血球破壊と同時に一部の白血球の破壊
も生ずる。
【0047】酸性pH域特にpH2.0〜5.0で低張
処理を行なった場合、白血球は完全に保持され赤血球の
みが破壊される。この場合、白血球の裸核化、膨潤、収
縮等の形態学的変化は、生じない。
【0048】赤血球選択溶血の作用機序は不明である
が、おそらく、低張処理による。赤血球溶血の進行とと
もに酸性pHによる、赤血球の、脆弱化、白血球の酸性
固定が進行し、赤血球に比べ抵抗力のある白血球のみが
残ると考えられる。
【0049】酸性低張処理によって赤血球は、ゴースト
化され、一部フラグメント化される。その結果赤血球側
方散乱光信号強度は、リンパ球側方散乱光信号強度の1
/2〜1/3以下となり事実上赤血球−白血球の同時通
過は、無視しうるものとなる。
【0050】しかし、酸性低張処理においては、赤血球
が全部フラグメント化されるわけではないので、散乱光
信号強度のみによって赤血球と白血球を完全に弁別する
ことは困難である。
【0051】したがって、赤血球と白血球との弁別は、
前述のように蛍光信号強度によって行なうことが望まし
い。
【0052】次に染料の作用について述べる。
【0053】アストラゾンイエロー3Gの化学構造式は
次のとおりである。
【0054】
【化1】 アストラゾンイエロー3Gの励起−蛍光特性を第5図に
示す。励起極大は430〜455nm、蛍光極大は52
5nmである。
【0055】アストラゾンイエロー3Gは、好酸球およ
び好塩基球内部物質のヘパリン、ヒスタミン、ヒスト
ン、プロタミンなどと結合し、顆粒を強く染色する。
【0056】蛍光強度と側方散乱光強度による二次元分
布図を描くと、アストラゾンイエロー3Gが低濃度(5
0〜100ppm)では第6図に示すように好塩基球の
みが測定可能域にある。好塩基球の蛍光強度は100〜
200ppmで一定値となり、それ以上では増大しな
い。
【0057】アストラゾンイエロー3G濃度100〜2
00ppmでは好酸球が測定可能となり、染料濃度の増
加とともに第7図に示すように蛍光強度は増大する。
【0058】第7図に示されるように、アストラゾンイ
エロー3Gのみの染料では顆粒のないリンパ球が染色が
できず、リンパ球、単球、好中球の染色ができず、全白
血球を測定できないため、アストラゾンイエロー3Gの
染色性能を損わずに全白血球の核を染色する染料を加え
る必要がある。前述の白血球をリンパ球、単球、顆粒球
に分類する染料は、いずれもこの目的に合致するもので
あるが、特に、フローサイトメーターの光源12にアル
ゴンイオンレーザーを使用する場合には励起極大が48
8nm付近にある染料が好ましい。このように選定され
た染料がアストラゾンオレンジRである。
【0059】アストラゾンオレンジRの化学構造式は次
のとおりである。
【0060】
【化2】 アストラゾンオレンジRの励起、蛍光特性を第8図に示
す。励起極大は490nm、蛍光極大は520nmであ
る。
【0061】アストラゾンイエロー3Gとアストラゾン
オレンジRとを組み合わせた染料を使用して白血球を分
類したときの、蛍光と側方散乱光による二次元分布図を
第9図に示す。第9図において、FLは蛍光相対強度、
Side Scは側方散乱光相対強度を、また1はリン
パ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好塩基
球の各集団を示す。6はノイズ成分を表わす(以下同
じ)。
【0062】第9図に示すように蛍光強度と側方散乱光
強度によって白血球を5分類できる。このように、アス
トラゾンイエロー3GとアストラゾンオレンジRとを組
み合わせた染料を使用すると、蛍光信号としては1チャ
ンネルのみを測定すれば良いので、第1のフローサイト
メーターの光学系の中の、ダイクロイックミラー30、
カラーフィルター34、光電子増倍管36は不用とな
り、特願昭61−213715号の具体例で使用された
装置と較べて構成が簡単となる。
【0063】次に、溶液の組成、pH、浸透圧について
前述の1ステップ法と2ステップ法について詳細に述べ
る。
【0064】1ステップ法 (a) 色素濃度 アストラゾンイエロー3G濃度50〜400ppmの5
水準とアストラゾンオレンジR濃度100〜400pp
mの4水準との組み合わせ20組の各色素濃度での好酸
球と好塩基球の蛍光相対強度を第10図および第11図
に示す。第10図には好塩基球と好酸球についての結果
をそれぞれ実線と点線で、第11図には、リンパ球・好
中球と単球とについての結果をそれぞれ実線と点線で示
している。第10図からアストラゾンイエロー3G濃度
100ppm以上で好塩基球による強度が他の白血球に
よる強度よりも増大し、200ppm以上では好酸球に
よる強度が増大すること、また、第11図から他の白血
球の強度はアストラゾンイエロー3G濃度の増加に対し
て、ほとんど増大しないことがわかる。したがって、好
塩基球および好酸球を他の白血球から蛍光強度によって
分離するためには、アストラゾンイエロー3G濃度を1
50〜200ppm以上とすれば良いことがわかる。
【0065】第12図はアストラゾンイエロー3G濃度
300ppmにおけるリンパ球・好中球の蛍光強度とノ
イズの強度のアストラゾンオレンジR濃度への依存性を
示している。アストラゾンオレンジR濃度100ppm
以上でリンパ球・好中球の蛍光強度とノイズとが分離で
きるようになり、200ppm以上で分離が良好にな
る。300ppm以上ではリンパ球・好中球とノイズと
の分離は、ほぼ一定となり、また、アストラゾンオレン
ジR濃度の上昇に伴い、好塩基球および好酸球の蛍光強
度が若干低下するので、アストラゾンオレンジR濃度は
300ppm程度が好ましい。
【0066】(b) pH 染色液pHを7.5〜9.5の間で変化させたときの好
中球に対する好塩基球の、および好中球に対する好酸球
の蛍光強度比の変化をそれぞれ第13図、第14図に示
す。図より、好中球に対する好塩基球および好酸球の蛍
光強度比が最も大きいのはpH8.5〜9.0であるこ
とがわかる。
【0067】(c) 緩衝剤の種類 緩衝剤としては、グリシルグリシン、タウリン、ホウ
酸、トライシン等が使用できるが、中でも、トライシン
10〜100mMの使用が好ましい。
【0068】(d) 浸透圧補償剤 塩化ナトリウム濃度75mM〜225mMの間では蛍光
強度は変化しない。等張(150mM)付近で使用すれ
ば良い。
【0069】2ステップ法 色素濃度については、2ステップ法の最終濃度を1ステ
ップ法における濃度範囲内に設定すれば良い。他の条件
について述べる。
【0070】(a) 第1液pH 第1液pHは、赤血球を溶血させるために5.0以下が
良いが、血小板の凝集を防ぐためには3.5以上が必要
である。特にpH4.5が適している。
【0071】(b) 第1液緩衝剤 第1液緩衝剤としては、クエン酸、マレイン酸、ジグリ
コール酸などpKaが4.5付近の緩衝剤なら使用可能
である。たとえばジグリコール酸を用いたとき、ジグリ
コール酸濃度5mM以下では、好塩基球の蛍光強度に若
干の低下が見られ、50mM以上では赤血球の溶血不良
が見られる。最適なジグリコール酸濃度は約10mMで
ある。
【0072】(c) 第2液浸透圧 第2液に添加する浸透圧補償剤(たとえば塩化ナトリウ
ム)の量を変化させて、最終浸透圧を167〜387m
Osm/kgの間に変えても、分画パターンに変化は無
い。第2液浸透圧は最終浸透圧がほぼ等張(280mO
sm/kg)となるようにすれば良い。
【0073】(d) 第2液緩衝剤 第2液緩衝剤としては、ホウ酸、トリス、トライシンな
どpKaが8.5〜9.0付近の緩衝剤が使用できる。
たとえばトライシンを用いたとき、トライシン濃度50
mM以下では、好塩基球および好酸球の蛍光強度が低下
する。好ましいトライシン濃度は300mMである。
【0074】(実施例)本発明を、前述した組成範囲の
中で最も好適な条件のもとで実施した例を以下に示す。
【0075】実施例1:1ステップ法 試薬組成 アストラゾンイエロー3G(好塩基球および好酸球特異染料) 350ppm アストラゾンオレンジR(白血球の核の蛍光染色用染料) 300ppm トライシン−水酸化ナトリウム(緩衝剤) 30mM 塩化ナトリウム(浸透圧調整剤) 115mM pH 8.7、 浸透圧 280mOsm/kg染色方法 1容量部のEDTA2K 抗凝固血液に20容量部の染
色液を加え、攪拌後25℃で約1分間インキュベートす
る。
【0076】フィルター、ダイクロイックミラーの選定 ダイクロイックミラー22 510nm (510nm以下の波長を反射し反射しな かった光は透過する) カラーフィルター40 520nm (520nm以上の波長を透過するもの)分析結果 上記条件にて、フローサイトメーターで測定し、蛍光強
度と側方散乱光強度による二次元分布図を描くと第15
図のようになる。図のように白血球が5分類されている
が、リンパ球と好中球の間に若干の分布の重なりが見ら
れる。これは赤血球と白血球との同時通過の影響で側方
散乱光が乱されているためである。
【0077】実施例2:2ステップ法 試薬組成 第1液 アストラゾンイエロー3G(好塩基球および好酸球特異染料) 385ppm アストラゾンオレンジR(白血球の核の蛍光染色用染料) 330ppm ジグリコール酸−水酸化ナトリウム(緩衝剤) 10mM pH 4.5、 浸透圧 50mOsm/kg第2液 トライシン−水酸化ナトリウム(緩衝剤) 300mM 塩化ナトリウム(浸透圧調整剤) 750mM pH 9.8〜9.9、 浸透圧 2200mOsm/kg発色方法 1容量部のEDTA2K 抗凝固血液に18容量部の第
1液を加え、攪拌後25℃で20秒間インキュベートし
たのち、2容量部の第2液を加え、攪拌後25℃で40
秒間インキュベートする。最終染色条件はpH8.6〜
8.7、浸透圧286mOsm/kg(等張)となる。
【0078】フィルター、ダイクロイックミラーの選定 実施例1と同じ。
【0079】分析結果 上記条件には、フローサイトメーターで測定し、蛍光強
度と側方散乱光強度による二次元分布図を描くと第16
図のようになる。図のように白血球が5分類され、実施
例1においてリンパ球と好中球の間に見られた若干の分
布の重なりは現れていない。これは赤血球を溶血させた
ために、赤血球と白血球との同時通過の影響を完全に除
いたためである。
【0080】次に実施例2において顕著に見られる本発
明の特有の作用について述べる。
【0081】実施例2の条件で、採血後6時間以内の新
鮮血を測定すると、第17図に示すような二次元分布図
が得られる。第17図において、領域Aの中には白血球
がほとんど分布していない。ところが同様の条件で、同
じ検体を採血後22時間放置した後、測定すると、第1
8図に示されるように、領域Aの中に未知の集団が見ら
れる。この未知集団は以下述べるように好中球の死細胞
であると推定される。
【0082】まず、上記採血後22時間放置した血液
に、生きた細胞のみを染色できるフルオレセインジアセ
テート(FDA)を1ppm、2ppm、5ppm、1
0ppm、20ppm添加する。そのときの二次元分布
図をそれぞれ第19図〜第23図に示す。これらの図に
おいて、FDAを添加しても領域A内の未知集団は動か
ず、他の白血球のみが動いている(FDAで染色されて
いる)ことがわかる。したがって、この未知集団は死細
胞である。
【0083】次に、ある検体(検体1)の好中球数と未
知集団中に含まれる個数の検体放置時間に対する変化を
第24図に示す。検体放置時間とともに、図中●印で示
される好中球比率は減少していき、反対に未知集団中の
個数の比率は増加していく。好中球比率と未知集団比率
を加えると、図中○印で示されるように、検体を放置し
ても、ほぼ一定である。他の検体 についても、好中球比率と未知集団比率を加えたもの
は、ほぼ一定である。以上のことから、未知集団は好中
球の死細胞であると推定される。
【0084】従来、検体を長時間放置したときに見られ
るこのような死細胞はフローサイトメトリーでは計数で
きない場合があったが、本発明では領域A内に分画され
る個数と本来の好中球の位置に分画される個数とを加え
て、元の好中球数とすることができる。
【0085】なお、検体を長時間放置することは、白血
球以外の他の血液項目の測定においても好ましいことで
はないので、領域A内に所定の個数以上の細胞が計数さ
れた場合には、検体長時間放置の警報を自動的に出力
し、測定者に注意を促すようにすることが望ましい。
【0086】なお、以上述べた実施例は、すべて、完全
に染色が終了したのちに(すなわち染色が平衡状態に達
したのちに)、測定を開始するものであるから、測定中
に試料が経時変化することはなく、また、白血球が極端
に多いか、または、少い検体についても、常に、一定時
間で適正な強度にまで染色レベルが達している。したが
って、安定な測定が可能となるとともに、比較的低出力
の光源を使用しても、充分な蛍光強度の信号が得られ
る。たとえば、この実施例では、すべて、10mWのア
ルゴンイオンレーザーをフローサイトメーターの光源と
して使用している。
【0087】しかし、この発明に使用されるフローサイ
トメーターの光源は、前述の低出力のアルゴンイオンレ
ーザーに限らず、他の光源、たとえば、水銀アークラン
プ、クセノンアークランプ、He−Cdレーザー、He
−Neレーザー、クリプトンイオンレーザー、大出力の
アルゴンイオンレーザー等の光源であってもかまわな
い。そのときには、各光源に応じた、染色条件、測定条
件を設定すれば良い。
【0088】さて、本発明の2ステップ法と従来の視算
法との相関関係を示すための実験を行い、その結果を第
25図ないし第29図に示した。
【0089】第25図は、全白血球数中のリンパ球数の
比率(%)について蛍光と側方散乱光とで測定する2ス
テップ法の結果と視算法との相関関係を示すものであ
る。
【0090】横軸(X軸)は視算法によるリンパ球比率
を、たて軸(Y軸)は2ステップ法によるリンパ球比率
を示す。図中の直線は回帰直線を、式はYに対するXの
回帰式を示す。またγは相関係数を、nは検体数を示
す。第26〜29図はそれぞれ単球、好中球、好酸球、
好塩基球比率について第25図と同様に示したものであ
る。
【0091】
【発明の効果】この発明の試薬によって血液を測定し、
白血球を分類・計数すると、以下に述べる様な効果が得
られる。
【0092】(1)染色液に抗凝固処理を施した血液を
加えるという一段階の染色、または抗凝固処理を施した
血液に第1液を加え、次に第2液を加えるという二段階
の染色のみで測定用試料が得られるので、試料の前処理
が簡単である。
【0093】(2)1分程度の試料調製時間で測定する
ことが可能であるため、測定迄に要する時間が短くて済
む。
【0094】(3)完全に染色が終了した状態で測定す
るため、測定中の試料の経時的変化が無く、また、正常
な検体のみならず、白血球が極端に多いか、または少い
検体についても、一定時間で常に適正な強度に染色がな
されている。このため検体によって染色時間を変えると
いう必要は生じない。
【0095】(4)完全に染色が終了し、強い染色強度
に達したのち測定するので、光源は低出力のもので良
い。さらに光源は一個しか必要とせず、測定パラメータ
ーも蛍光1チャンネル、側方散乱光1チャンネルを測定
し、分析するだけで良いので、この発明の方法を実施す
るための装置は、構成が簡単で低価格のものとなる。
【0096】(5)2ステップ法においては酸性低張処
理により赤血球のみを溶血させてしまうので、赤血球と
白血球の同時通過が無くなったため、側方散乱光信号に
よるリンパ球と単球と好中球との分離が著しく良くなっ
た。
【0097】(6)白血球と他の血球等との分離は蛍光
強度によって行っているので、2ステップ法において全
ての赤血球がフラグメント化されなくても、測定値に影
響を与えることがない。
【0098】(7)好中球の死細胞を計数することがで
きるので、採血後長時間放置した血液でも正しく好中球
数を算定できる。
【0099】(8)好塩基球と好酸球を両方とも染色で
きる染料(アストラゾンイエロー3G)を使用するので
染色工程が簡単である。
【0100】本発明の方法において、一検体につき10
000個以上の白血球を測定すると、正確度および再現
性にすぐれた測定値が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に使用されるフローサイトメ
ーターの光学系の一具体例を示す概略図。図1中の符号
は次のとおりに説明される: 10 フローサイトメーターの光学系 12 レーザー 14 フローセル 16 シリンドリカルレンズ 18 コンデンサーレンズ 20 アパーチャー 22 ダイクロイックミラー 24 側方散乱光 26 蛍光 28 光電子増倍管 30 ダイクロイックミラー 32 赤蛍光 34 カラーフィルター 36 光電子増倍管 38 緑蛍光 40 カラーフィルター 42 光電子増倍管
【図2】図2は、各白血球の側方散乱光相対強度を示す
グラフ。
【図3】図3は、赤血球の同時通過の影響があるときの
側方散乱光相対強度の度数分布を示す図。
【図4】図4は、赤血球の同時通過の影響が無いときの
側方散乱光相対強度の度数分布を示す図。
【図5】図5は、アストラゾンイエロー3Gの励起・蛍
光特性を示すグラフ。
【図6】図6は、アストラゾンイエロー3Gで染色した
ときの蛍光および側方散乱光による二次元分布図。図
中、イは好塩基球、ロはその他の白血球である。
【図7】図7は、アストラゾンイエロー3Gで染色した
ときの蛍光および側方散乱光による二次元分布図。図
中、イは好塩基球、ロはその他の白血球、ハはアストラ
ゾンイエロー3G 400ppmでの好酸球、ニはアス
トラゾンイエロー3G200ppmでの好酸球である。
【図8】図8は、アストラゾンオレンジRの励起・蛍光
特性を示すグラフ。
【図9】図9は、蛍光と側方散乱光を使用して、白血球
を5分類したときの二次元分布図。図面中の符号1はリ
ンパ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好塩
基球の集合を、6はノイズを表わしている。
【図10】図10は、好酸球、好塩基球蛍光強度のアス
トラゾンイエロー3G濃度への依存性を示すグラフ。図
中の符号は次のような意味である。
【図11】図11は、リンパ球、好中球、単球蛍光強度
のアストラゾンイエロー3G濃度への依存性を示すグラ
フ。図中の符号は次のとおりである。
【図12】図12は、リンパ球・好中球蛍光強度のアス
トラゾンオレンジR濃度への依存性(アストラゾンイエ
ロー3G濃度300ppm)を示すグラフ。
【図13】図13は、好塩基球の好中球に対する蛍光強
度比のpHへの依存性を示すグラフ。図中の符号は次の
意味を有する:
【図14】図14は、好酸球の好中球に対する蛍光強度
比のpHへの依存性を示すグラフ。図中の符号の意味は
図13に同じ。
【図15】図15は、1ステップ法の実施例の結果を示
す二次元分布図。
【図16】図16は、2ステップ法の実施例の結果を示
す二次元分布図。
【図17】図17は、2ステップ法の実施例で採血後6
時間以内の新鮮血の結果を示す二次元分布図。
【図18】図18は、2ステップ法の実施例で採血後2
2時間放置した血液を測定したときの結果を示す二次元
分布図。
【図19】図19は、FDAを1ppm添加したときの
結果を示す二次元分布図。
【図20】図20は、FDAを2ppm添加したときの
結果を示す二次元分布図。
【図21】図21は、FDAを5ppm添加したときの
結果を示す二次元分布図。
【図22】図22は、FDAを10ppm添加したとき
の結果を示す二次元分布図。
【図23】図23は、FDAを20ppm添加したとき
の結果を示す二次元分布図。なお、図15から図23に
おいてFLは蛍光強度、Side Scは側方散乱光相
対強度を示す。
【図24】図24は、〔好中球+未知集団〕比率と〔好
中球〕、〔未知集団〕比率の検体放置時間による変化を
を示すグラフ。〔好中球〕、〔不明集団〕比率は検体1
のみを示した。
【図25】図25は、全白血球数中のリンパ球数の比率
(%)について、蛍光と側方散乱光とで測定する2ステ
ップ法の結果と、視算法との相関関係を示すものであ
る。横軸(X軸)は視算法によるリンパ球比率を、たて
軸(Y軸)は2ステップ法によるリンパ球比率を示す。
図中の直線は回帰直線を、式はYに対するXの回帰式を
示す。またγは相関係数を、nは検体数を示す。
【図26】図26は、単球比率について図25と同様に
示したものである。
【図27】図27は、好中球比率について図25と同様
に示したものである。
【図28】図28は、好酸球比率について図25と同様
に示したものである。
【図29】図29は、好塩基球比率について図25と同
様に示したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 好酸球と好塩基球の両方を選択的に蛍光
    染色する染料と、白血球の核を蛍光染色する染料と、p
    Hを6.0〜11.0に保つための緩衝剤と、染色液を
    白血球の形態を保持する浸透圧に調整するための浸透圧
    補償剤とからなる、フローサイトメーター用白血球5分
    類試薬。
  2. 【請求項2】 好酸球と好塩基球とを選択的に蛍光染色
    する染料がアストラゾンイエロー3Gである請求項1に
    記載の試薬。
  3. 【請求項3】 白血球の核を蛍光染色する染料が下記に
    示す染料のうちの一つである請求項1に記載の試薬: アクリジンレッド ローダミンS ローダミン6G ローダミンB ローダミン19ペルクロレート ローダミン123 エオシンY シアノシン クレジルファーストバイオレット ダロウレッド アクリノールフロキシンFFS 1,1′−ジメチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチル−9−メチルチオカルボシアニンブ
    ロミド 2−〔γ−(1′−エチル−4′,5′−ベンゾチアゾ
    リリデン)プロペニル〕−1−エチル−4,5−ベンゾ
    オキサゾリジウムヨージド アストラゾンレッド6B ベイシックバイオレット16 2−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エチル−
    4,5−ベンゾチアゾリウムヨージド 2,4−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
    チル−ピリジニウムヨージド 2,6−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
    チル−ピリジニウムヨージド TA−2 アストラゾンオレンジR。
  4. 【請求項4】 好酸球と好塩基球の両方を選択的に蛍光
    染色する染料と、白血球の核を蛍光染色する染料と、p
    Hを酸性域に保つための緩衝剤とからなる低張な第1液
    と、 第1液の緩衝剤中の酸を中和し、溶液pHを染色pHに
    保つための緩衝剤と、溶液を白血球の形態を保持する浸
    透圧に調整するための浸透圧補償剤とからなる第2液、 とからなる、フローサイトメーター用白血球5分類試
    薬。
  5. 【請求項5】 好酸球と好塩基球とを選択的に蛍光染色
    する染料がアストラゾンイエロー3Gである請求項4に
    記載の試薬。
  6. 【請求項6】 白血球の核を蛍光染色する染料が下記に
    示す染料のうちの一つである請求項4に記載の試薬: アクリジンレッド ローダミンS ローダミン6G ローダミンB ローダミン19ペルクロレート ローダミン123 エオシンY シアノシン クレジルファーストバイオレット ダロウレッド アクリノールフロキシンFFS 1,1′−ジメチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチルチオカルボシアニン 1,1′−ジエチル−9−メチルチオカルボシアニンブ
    ロミド 2−〔γ−(1′−エチル−4′,5′−ベンゾチアゾ
    リリデン)プロペニル〕−1−エチル−4,5−ベンゾ
    オキサゾリジウムヨージド アストラゾンレッド6B ベイシックバイオレット16 2−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エチル−
    4,5−ベンゾチアゾリウムヨージド 2,4−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
    チル−ピリジニウムヨージド 2,6−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
    チル−ピリジニウムヨージド TA−2 アストラゾンオレンジR。
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