JPH0794202B2 - 流体圧式アクティブサスペンション - Google Patents

流体圧式アクティブサスペンション

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JPH0794202B2
JPH0794202B2 JP1047028A JP4702889A JPH0794202B2 JP H0794202 B2 JPH0794202 B2 JP H0794202B2 JP 1047028 A JP1047028 A JP 1047028A JP 4702889 A JP4702889 A JP 4702889A JP H0794202 B2 JPH0794202 B2 JP H0794202B2
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JP
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pressure
control
vehicle
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lateral acceleration
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敏男 大沼
修一 武馬
敏男 油谷
隆 米川
司 渡辺
敏明 浜田
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車等の車輌のサスペンションに係り、更
に詳細には流体圧式のアクティブサスペンションに係
る。
従来の技術 自動車等のアクティブサスペンションの一つとして、各
車輌と車体との間に配設された流体圧アクチュエータ
と、各アクチュエータ内の流体圧を調整する圧力調整手
段と、車速センサ、操舵角センサ、車高センサの如き種
々の検出手段の検出結果に基づき圧力調整手段を介して
各アクチュエータ内の流体圧を制御することにより車輌
の乗り心地性や車体の姿勢を制御する制御手段とを有す
る流体圧式のアクティブサスペンションが従来より知ら
れている。
かかる流体圧式のアクティブサスペンションに於けるロ
ール制御として、例えば特開昭62−295714号公報や特願
昭63−331041号明細書に記載されている如く、操舵角及
び車速より横加速度を推定し、或いは操舵角速度及び車
速より横加速度の変化率を推定し、その推定結果に基づ
き圧力調整手段を介して各アクチュエータ内の流体圧を
制御することにより車体のロールを抑制することが既に
提案されている。かかるロール制御によれば、横加速度
センサにより検出された実測横加速度に基づきアクチュ
エータ内の流体圧が制御される場合に比して、ロール制
御を応答性よく効果的に行うことができる。
発明が解決しようとする課題 周知の如く、自動車等の車輌が新雪路面や湿地を走行す
る場合には、タイヤと路面との間の摩擦係数が小さいこ
とに起因して車輪が空転する所謂車輪のスタックが生じ
ることがある。かかるスタックが生じると、車輌の運転
者はその状態より脱出せんとしてアクセルペダルを踏込
み、またステアリングホイールを急操舵することがあ
る。かかる操作が行われると、車速センサにより検出さ
れる車速及び操舵角センサにより検出される操舵角が急
激に上昇して高い値になり、従って操舵角速度も高い値
になる。
従って上述の如く操舵角及び車速より横加速度を推定し
たり操舵角速度及び車速より横加速度の変化率を推定
し、その推定結果に基づきアクチュエータ内の流体圧を
制御することにより車体のロールを制御するよう構成さ
れたアクティブサスペンションに於ては、車輪のスタッ
ク時に急操舵が行われると、実際には車体のロールは全
く生じておらずまた生じる虞れがないにも拘らず、制御
手段により車輪が旋回状態にある場合と同様にアクチュ
エータ内の流体圧が制御されてしまい、却って車体に不
自然なロールが生じてしまう。かかるロールは車輌の乗
員に違和感を与えるだけでなく、エネルギの無駄な消費
を招来する。
本発明は、横加速度又は横加速度の変化率を推定しその
推定結果に基づきロールを抑制するよう構成された従来
の流体圧式アクティブサスペンションに於ける上述の如
き問題に鑑み、車輪のスタック時に操舵が行われても不
必要な姿勢制御に起因する車体のロールが生じることが
ないよう改良された流体圧式アクティブサスペンション
を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、各車輪と車体との
間に配設された流体圧アクチュエータと、前記アクチュ
エータ内の流体圧を調整する圧力調整手段と、車輪の横
加速度若しくはその変化率以外の状態量に基づき車輌の
横加速度若しくはその変化率を推定する手段と、車輪の
スタックを検出する手段と、少なくとも推定された横加
速度若しくはその変化率に基づく制御量に応じて前記圧
力調整手段を介して前記アクチュエータ内の流体圧を制
御することにより前記車体のロールを制御する制御手段
とを有し、前記制御手段は前記スタック検出手段により
スタックが検出されているときには前記推定された横加
速度若しくはその変化率に基づく制御量によってはアク
チュエータ内の流体圧の制御を行わないよう構成された
流体圧式アクティブサスペンションによって達成され
る。
発明の作用及び効果 上述の如き構成によれば、制御手段は少なくとも推定さ
れた横加速度若しくはその変化率に基づく制御量に応じ
て圧力調整手段を介してアクチュエータ内の流体圧を制
御することにより車体のロールを抑制し、またスタック
が検出されているときには推定された横加速度若しくは
その変化率に基づく制御量によってはアクチュエータ内
の流体圧の制御を行わないよう構成されているので、車
輪がスタックすることなく車輌が旋回する時には推定さ
れた横加速度若しくはその変化率に基づく制御量に応じ
てアクチュエータ内の流体圧を確実に制御し、これによ
り応答性よく効果的に車体のロールを抑制することがで
き、また車輌の旋回時であっても車輪がスタックしてい
るときには推定された横加速度若しくはその変化率に基
づく制御量に応じてアクチュエータ内の流体圧の制御が
行われることを阻止し、これにより車輪のスタック時に
操舵が行われても車体の不自然なロールが生じることを
確実に防止することができる。
また車輪がスタックしているときに流体圧の制御が行わ
れなくなるのは推定された横加速度若しくはその変化率
に基づく制御量に応じた制御のみであり、従って目標車
高と実車高との偏差や実際の車体の加速度などに基づく
制御量にも応じて流体圧の制御が行われる場合には、こ
れらの制御量に応じた制御は継続されるので、流体圧の
制御が行われなくなる構成の場合に比して、車体の姿勢
変化や車輌の乗り心地性を遥かに良好に制御することが
できる。
尚本発明に於ける横加速度若しくはその変化率を推定す
る手段は例えば操舵角センサ、車速センサ、及び演算装
置よりなる手段の如く、車輌の横加速度若しくはその変
化率以外の状態量に基づき車輌の横加速度若しくはその
変化率を推定し得る限り任意の構成のものであってよ
く、スタック検出手段は例えば車速センサ及び演算装
置を含み車速の変化率が所定値以上のとき車輪のスタッ
クが生じているものと判定するよう構成されていてよ
く、スロットル開度センサ、車速センサ、演算装置を
含み、スロットル開度により定まる基準車速と実際の車
速とを比較し、実際の車速が基準車速よりも所定値以上
高いときスタックが生じているものと判定するよう構成
されていてよく、駆動輪及び遊動輪の回転速度を検出
する回転数センサ及び演算装置を含み、遊動輪の回転速
度に対する駆動輪の回転速度の比が所定値以上のときス
タックが生じているものと判定するよう構成されていて
よく、或いは操舵角センサ、車速センサ、横加速度セ
ンサ及び演算装置を含み、操舵角及び車速より推定され
る横加速度と実際の横加速度との差が所定値以上のとき
スタックが生じているものと判定するよう構成されてい
てよい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例について
詳細に説明する。
実施例 第1図は本発明によるアクティブサスペンションの一つ
の実施例の流体回路を示す概略構成図である。図示のア
クティブサスペンションの流体回路は、それぞれ図には
示されていない車輌の右前輪、左前輪、右後輪、左後輪
に対応して設けられたアクチュエータ1FR、1FL、1RR、1
RLを有しており、これらのアクチュエータはそれぞれ作
動流体室2FR、2FL、2RR、2RLを有している。
また図に於て、4は作動流体としての作動油を貯容する
リザーブタンクを示しており、リザーブタンク4は途中
に異物を除去するフィルタ8が設けられた吸入流路10に
よりポンプ6の吸入側と連通接続されている。ポンプ6
にはその内部にて漏洩した作動流体をリザーブタンク4
に回収するドレン流路12が接続されている。ポンプ6は
エンジン14により回転駆動されるようになっており、エ
ンジン14の回転数が回転数センサ16により検出されるよ
うになっている。
ポンプ6の吐出側には高圧流路18が接続されている。高
圧流路18の途中にはポンプより各アクチュエータへ向か
う作動流体の流れのみを許す逆止弁20が設けられてお
り、ポンプ6と逆止弁20との間にはポンプより吐出され
た作動流体の圧力脈動を吸収してその圧力変化を低減す
るアテニュエータ22が設けられている。高圧流路18には
前輪用高圧流路18F及び後輪用高圧流路18Rの一端が接続
されており、これらの高圧流路にはそれぞれアキュムレ
ータ24及び26が接続されている。これらのアキュムレー
タはそれぞれ内部には高圧ガスが封入され作動流体の圧
力脈動を吸収すると共に蓄圧作用をなすようになってい
る。また高圧流路18F及び18Rにはそれぞれ右前輪用高圧
流路18FR、左前輪用高圧流路18FL及び右後輪用高圧流路
18RR、左後輪用高圧流路18RLの一端が接続されている。
高圧流路18FR、18FL、18RR、18RLの途中にはそれぞれフ
ィルタ28FR、28FL、28RR、28RLが設けられており、これ
らの高圧流路の他端はそれぞれ圧力制御弁32、34、36、
38のパイロット操作型の3ポート切換え制御弁40、42、
44、46のPポートに接続されている。
圧力制御弁32は切換え制御弁40と、高圧流路18FRと右前
輪用の低圧流路48FRとを連通接続する流路50と、該流路
の途中に設けられた固定絞り52及び可変絞り54とよりな
っている。切換え制御弁40のRポートには低圧流路48FR
が接続されており、Aポートには接続流路56が接続され
ている。切換え制御弁40は固定絞り52と可変絞り54との
間の流路50内の圧力Pp及び接続流路56内の圧力Paをパイ
ロット圧力として取込むスプール弁であり、圧力Ppが圧
力Paより高いときにはポートPとポートAとを連通接続
する切換え位置40aに切換わり、圧力Pp及びPaが互いに
等しいときには全てのポートの連通を遮断する切換え位
置40bに切換わり、圧力Ppが圧力Paより低いときにはポ
ートRとポートAとを連通接続する切換え位置40cに切
換わるようになっている。また可変絞り54はそのソレノ
イド58へ通電される電流を制御されることにより絞りの
実効通路断面積を変化し、これにより固定絞り52と共働
して圧力Ppを変化させるようになっている。
同様に圧力制御弁34〜38はそれぞれ圧力制御弁32の切換
え制御弁40に対応するパイロット操作型の3ポート切換
え制御弁42、44、46と、流路50に対応する流路60、62、
64と、固定絞り52に対応する固定絞り66、68、70と、可
変絞り54に対応する可変絞り72、74、76とよりなってお
り、可変絞り72〜76はそれぞれソレノイド78、80、82を
有している。
また切換え制御弁42、44、46は切換え制御弁40と同様に
構成されており、そのRポートにはそれぞれ左後輪用の
低圧流路48FL、右後輪用の低圧流路48RR、左後輪用の低
圧流路48RLの一端が接続されており、Aポートにはそれ
ぞれ接続流路84、86、88の一端が接続されている。また
切換え制御弁42〜46はそれぞれ対応する固定絞りと可変
絞りとの間の流路60〜64内の圧力Pp及び対応する接続流
路84〜88内の圧力Paをパイロット圧力として取込むスプ
ール弁であり、圧力Ppが圧力Paより高いときにはポート
PとポートAとを連通接続する切換え位置42a、44a、46
aに切換わり、圧力Pp及びPaが互いに等しいときには全
てのポートの連通を遮断する切換え位置42b、44b、46b
に切換わり、圧力Ppが圧力Paより低いときにはポートR
とポートAとを連通接続する切換え位置42c、44c、46c
に切換わるようになっている。
第1図に解図的に示されている如く、各アクチュエータ
1FR、1FL、1RR、1RLはそれぞれシリンダ106FR、106FL、
106RR、106RLと、それぞれ対応するシリンダに嵌合し対
応するシリンダと共働して作動流体室2FR、2FL、2RR、2
RLを郭定するピストン108FR、108FL、108RR、108RLとよ
りなっており、それぞれシリンダにて図には示されてい
ない車体に連結され、ピストンのロッド部の先端にて図
には示されていないサスペンションアームに連結されて
いる。尚図には示されていないが、ピストンのロッド部
に固定されたアッパシートとシリンダに固定されたロア
シートとの間にはサスペンションスプリングが弾装され
ている。
また各アクチュエータのシリンダ106FR、106FL、106R
R、106RLにはドレン流路110、112、114、116の一端が接
続されている。ドレン流路110、112、114、116の他端は
ドレン流路118に接続されており、該ドレン流路はフィ
ルタ120を介してリザーブタンク4に接続されており、
これにより作動流体室より漏洩した作動流体がリザーブ
タンクへ戻されるようになっている。
作動流体室2FR、2FL、2RR、2RLにはそれぞれ絞り124、1
26、128、130を介してアキュムレータ132、134、136、1
38が接続されている。またピストン108FR、108FL、108R
R、108RLにはそれぞれ流路140FR、140FL、140RR、140RL
が設けられている。これらの流路はそれぞれ対応する流
路56、84〜88と作動流体室2FR、2FL、2RR、2RLとを連通
接続し、それぞれ途中にフィルタ142FR、142FL、142R
R、142RLを有している。またアクチュエータ1FR、1FL、
1RR、1RLに近接した位置には、各車輪に対応する部位の
車高HFR、HFL、HRR、HRLと基準車高HFRa、HFLa、
HRRa、HRLaとの偏差として車高XFR、XFL、XRR、X
RLを検出する車高センサ144FR、144FL、144RR、144RLが
設けられている。
接続流路56、84〜88の途中にはそれぞれパイロット操作
型の遮断弁150、152、154、156が設けられており、これ
らの遮断弁はそれぞれ対応する圧力制御弁40、42、44、
46より上流側の高圧流路18FR、18FL、18RR、18RL内の圧
力とドレン流路110、112、114、116内の圧力との間の差
圧が所定値以下のときには閉弁状態を維持するようにな
っている。また接続流路56、84〜88の対応する圧力制御
弁と遮断弁との間の部分がそれぞれ流路158、160、16
2、164により対応する圧力制御弁の流路50、60、62、64
の可変絞りより下流側の部分と連通接続されている。流
路158〜164の途中にはそれぞれリリーフ弁166、168、17
0、172が設けられており、これらのリリーフ弁はそれぞ
れ対応する流路158、160、162、164の上流側の部分、即
ち対応する接続流路の側の圧力をパイロット圧力として
取込み、該パイロット圧力が所定値を越えるときには開
弁して対応する接続流路内の流動流体の一部を流路50、
60〜64へ導くようになっている。
尚遮断弁150〜156はそれぞれ高圧流路18FR、18FL、18R
R、18RL内の圧力と大気圧との差圧が所定値以下のとき
に閉弁状態を維持するよう構成されてもよい。
低圧流路48FR及び48FLの他端は前輪用の低圧流路48Fの
一端に連通接続され、低圧流路48RR及びRLの他端は後輪
用の低圧流路48Rの一端に連通接続されている。低圧流
路48F及び48Rの他端は低圧流路48の一端に連通接続され
ている。低圧流路48は途中にオイルクーラ174を有し他
端にてフィルタ176を介してリザーブタンク4に接続さ
れている。高圧流路18の逆止弁20とアテニュエータ22と
の間の部分は流路178により低圧流路48と連通接続され
ている。流路178の途中には予め所定の圧力に設定され
たリリーフ弁180が設けられている。
図示の実施例に於ては、高圧流路18R及び低圧流路48Rは
途中にフィルタ182、絞り184、及び常開型の流量調整可
能な電磁開閉弁186を有する流路188により互いに接続さ
れている。電磁開閉弁186はそのソレノイド190が励磁さ
れその励磁電流が変化されることにより開弁すると共に
弁を通過する作動流体の流量を調整し得るよう構成され
ている。また高圧流路18R及び低圧流路48Rは途中にパイ
ロット操作型の開閉弁192を有する流路194により互いに
接続されている。開閉弁192は絞り184の両側の圧力をパ
イロット圧力として取込み、絞り184の両側に差圧が存
在しないときには閉弁位置192aを維持し、絞り184に対
し高圧流路18Rの側の圧力が高いときには開弁位置192b
に切換わるようになっている。かくして絞り184、電磁
開閉弁186及び開閉弁192は互いに共働して高圧流路18R
と低圧流路48R、従って高圧流路18と低圧流路48とを選
択的に連通接続して高圧流路より低圧流路へ流れる作動
流体の流量を制御するバイパス弁196を構成している。
更に図示の実施例に於ては、高圧流路18R及び低圧流路4
8Rにはそれぞれ圧力センサ197及び198が設けられてお
り、これらの圧力センサによりそれぞれ高圧流路内の作
動流体の圧力Ps及び低圧流路内の作動流体の圧力Pdが検
出されるようになっている。また接続流路56、84、86、
88にはそれぞれ圧力センサ199FR、199FL、199RR、199RL
が設けられており、これらの圧力センサによりそれぞれ
作動流体室2FR、2FL、2RR、2RL内の圧力が検出されるよ
うになっている。更にリザーブタンク4には該タンクに
貯容された作動流体の温度Tを検出する温度センサ195
が設けられている。
電磁開閉弁186及び圧力制御弁32〜38は第2図に示され
た電気式制御装置200により制御されるようになってい
る。電気式制御装置200はマイクロコンピュータ202を含
んでいる。マイクロコンピュータ202は第2図に示され
ている如き一般的な構成のものであってもよく、中央処
理ユニット(CPU)204と、リードオンリメモリ(ROM)2
06と、ランダムアクセセメモリ(RAM)208と、入力ポー
ト装置210と、出力ポート装置212とを有し、これらは双
方性のコモンバス214により互いに接続されている。
入力ポート装置210には回転数センサ16よりエンジン14
の回転数Nを示す信号、温度センサ195より作動流体の
温度Tを示す信号、圧力センサ197及び198よりそれぞれ
高圧流路内の圧力Ps及び低圧流路内の圧力Pdを示す信
号、圧力センサ199FL、199FR、199RL、199RRよりそれぞ
れ作動流体室2FL、2FR、2RL、2RR内の圧力Pi(i=1、
2、3、4)を示す信号、イグニィッションスイッチ
(IGSW)216よりイグニッションスイッチがオン状態に
あるか否かを示す信号、車室内に設けられ車輌の乗員に
より操作されるエマージェンシースイッチ(EMSW)218
より該スイッチがオン状態にあるか否かを示す信号、車
高センサ144FL、144FR、144RL、144RRよりそれぞれ左前
輪、右前輪、左後輪、右後輪に対応する部位の車高Xi
(i=1、2、3、4)を示す信号がそれぞれ入力され
るようになっている。
また入力ポート装置210には車速センサ234より車速Vを
示す信号、前後G(加速度)センサより前後加速度Gaを
示す信号、横G(加速度)センサ238より横加速度Glを
示す信号、操舵角センサより操舵角θを示す信号、車高
設定スイッチ248により設定された車高制御のモードが
ハイモードであるかノーマルモードであるかを示す信号
がそれぞれ入力されるようになっている。
入力ポート装置210はそれに入力された信号を適宜に処
理し、ROM206に記憶されているプログラムに基くCPU204
の指示に従いCPU及びRAM208へ処理された信号を出力す
るようになっている。ROM206は第3図、第8A図〜第8C図
に示された制御フロー及び第4図〜第7図、第9図〜第
15図に示されたマップを記憶している。出力ポート装置
212はCPU204の指示に従い、駆動回路220を経て電磁開閉
弁186へ制御信号を出力し、駆動回路222〜228を経て圧
力制御弁32〜38、詳細にはそれぞれ可変絞り54、72、7
4、76のソレノイド58、78、80、82へ制御信号を出力
し、駆動回路230を経て表示器232へ制御信号を出力する
ようになっている。
次に第3図に示されたフロチャートを参照して図示の実
施例の作動について説明する。
尚、第3図に示された制御フローはイグニッションスイ
ッチ216が閉成されることにより開始される。また第3
図に示されたフローチャートに於て、フラグFfはアクテ
ィブサスペンションの何れかの箇所にフェイルが存在す
るか否かに関するものであり、1はアクティブサスペン
ションの何れかの箇所にフェイルが存在することを示
し、フラグFeはエンジンが運転状態にあるか否かに関す
るものであり、1はエンジンが運転状態にあることを示
し、フラグFpは高圧流路内の作動流体の圧力Psが遮断弁
150〜156を完全に開弁させる敷居値圧力Pc以上になった
ことがあるか否かに関するものであり、1は圧力Psが圧
力Pc以上になったことがあることを示し、フラグFsは圧
力制御弁32〜38の後述のスタンバイ圧力Pbi(i=1、
2、3、4)に対応するスタンバイ圧力電流Ibi(i=
1、2、3、4)が設定されているか否かに関するもの
であり、1はスタンバイ圧力電流が設定されていること
を示している。
まず最初のステップ10に於ては、図には示されていない
メインリレーがオン状態にされ、しかる後ステップ20へ
進む。
ステップ20に於ては、RAM208に記憶されている記憶内容
がクリアされると共に全てのフラグが0にリセットさ
れ、しかる後ステップ30へ進む。
ステップ30に於ては、回転数センサ16により検出された
エンジン14の回転数Nを示す信号、温度センサ195によ
り検出された作動流体の温度Tを示す信号、それぞれ圧
力センサ197及び198により検出された高圧流路内の圧力
Ps及び低圧流路内の圧力Pdを示す信号、圧力センサ199F
L、199FR、199RL、199RRにより検出された作動流体室2F
L、2FR、2RL、2RR内の圧力Piを示す信号、イグニッショ
ンスイッチ216がオン状態にあるか否かを示す信号、EMS
W218がオン状態にあるか否かを示す信号、車高センサ14
4FL、144FR、144RL、144RRにより検出された車高Xiを示
す信号、車速センサ234により検出された車速Vを示す
信号、前後Gセンサ236により検出された前後加速度Ga
を示す信号、横Gセンサ238により検出された横加速度G
lを示す信号、操舵角センサ240により検出された操舵角
θを示す信号、スロットル開度センサ242により検出さ
れたスロットル開度θaを示す信号、IDSW244がオン状
態にあるか否かを示す信号、BKSW246がオン状態にある
か否かを示す信号、車高設定スイッチ248より設定され
たモードがハイモードであるかノーマルモードであるか
を示す信号の読込みが行われ、しかる後ステップ40へ進
む。
ステップ40に於ては、イグニッションスイッチがオフ状
態にあるか否かの判別が行われ、イグニッションスイッ
チがオフ状態にある旨の判別が行われたときにはステッ
プ240へ進み、イグニッションスイッチがオン状態にあ
る旨の判別が行われたときにはステップ50へ進む。
ステップ50に於ては、EMSWがオン状態にあるか否かの判
別が行われ、EMSWがオン状態にある旨の判別が行われた
ときにはステップ220へ進み、EMSWがオン状態にはない
旨の判別が行われたときにはステップ60へ進む。
ステップ60に於ては、フラグFfが1であるか否かの判別
が行われ、Ff=1である旨の判別が行われたときにはス
テップ220へ進み、Ff=1ではない旨の判別が行われた
ときにはステップ70へ進む。
ステップ70に於ては、回転数センサ16により検出されス
テップ32に於て読込まれたエンジンの回転数Nが所定値
を越えているか否かを判別することによりエンジンが運
転されているか否かの判別が行われ、エンジンが運転さ
れていない旨の判別が行われたときにはステップ110へ
進み、エンジンが運転されている旨の判別が行われたと
きにはステップ80へ進む。
尚エンジンが運転されているか否かの判別は、エンジン
により駆動される図には示されていない発電機の発電電
圧が所定値以上であるか否かの判別により行われてもよ
い。
ステップ80に於ては、フラグFeが1にセットされると共
に、エンジンの運転が開始された時点より後述のステッ
プ200に於て圧力制御弁32〜38のスタンバイ圧力Pbiが
設定される時点までの時間Tsに関するタイマの作動が開
始され、しかる後ステップ90へ進む。尚この場合フラグ
Feが既に1にセットされている場合にはそのままの状態
に維持され、タイマTsが既に作動されている場合にはそ
のままタイマのカウントが継続される。
ステップ90に於ては、バイパス弁196の電磁開閉弁186の
ソレノイド190へ通電される電流IbがROM206に記憶され
ている第4図に示されたグラフに対応するマップに基
き、 Ib=Ib+ΔIbs に従って演算され、しかる後ステップ100へ進む。
ステップ100に於ては、ステップ90に於て演算された電
流Ibが電磁開閉弁186のソレノイド190へ通電されること
によりバイパス弁196が閉弁方向へ駆動され、しかる後
ステップ130へ進む。
ステップ110に於ては、Tsタイマの作動が停止され、し
かる後ステップ120へ進む。尚この場合Tsタイマが作動
されていない場合にはそのままの状態に維持される。
ステップ120に於ては、フラグFeが1であるか否かの判
別が行われ、Fe=1である旨の判別、即ちエンジンが始
動された後停止した旨の判別が行われたときにはステッ
プ220へ進み、Fe=1ではない旨の判別、即ちエンジン
が全く始動されていない旨の判別が行われたときにはス
テップ130へ進む。
ステップ130に於ては、高圧流路内の圧力Psが敷居値Pc
以上であるか否かの判別が行われ、Ps≧Pcではない旨の
判別が行われたときにはステップ170へ進み、Ps≧Pcで
ある旨の判別が行われたときにはステップ140へ進む。
ステップ140に於ては、フラグFpが1にセットされ、し
かる後ステップ150へ進む。
ステップ150に於ては、車輌の乗心地制御及び車体の姿
勢制御を行うべく、後に第8A図以降の図面を参照して詳
細に説明する如く、ステップ30に於て読込まれた各種の
信号に基きアクティブ演算が行われることにより、各圧
力制御弁の可変絞り54、72〜76のソレノイド58、78、8
0、82へ通電される電流Iuiが演算され、しかる後ステ
ップ290へ進む。
ステップ170に於ては、フラグFpが1であるか否かの判
別が行われ、Fp=1である旨の判別、即ち高圧流路内の
作動流体の圧力Psが敷居値圧力Pc以上になった後これよ
りも低い値になった旨の判別が行われたときにはステッ
プ150へ進み、Fp=1ではない旨の判別、即ち圧力Psが
敷居値圧力Pc以上になったことがない旨の判別が行われ
たときにはステップ180へ進む。
ステップ180に於ては、フラグFsが1であるか否かの判
別が行われ、Fs=1である旨の判別が行われたときには
ステップ290へ進み、Fs=1でない旨の判別が行われた
ときにはステップ190へ進む。
ステップ190に於ては、時間Tsが経過したか否かの判別
が行われ、時間Tsが経過してはいない旨の判別が行われ
たときにはステップ290へ進み、時間Tsが経過した旨の
判別が行われたときにはステップ200へ進む。
ステップ200に於ては、Tsタイマの作動が停止され、ま
たステップ30に於て読込まれた圧力Piがスタンバイ圧力
PbiとしてRAM208に記憶されると共に、ROM206に記憶さ
れている第7図に示されたグラフに対応するマップに基
き、各圧力制御弁と遮断弁との間の接続流路56、84〜88
内の作動流体の圧力をスタンバイ圧力Pbi、即ちそれぞ
れ対応する圧力センサにより検出された作動流体室2F
L、2FR、2RL、2RR内の圧力Piに実質的に等しい圧力にす
べく、圧力制御弁34、32、38、36の可変絞り72、54、7
6、74のソレノイド78、58、82、80へ通電される電流Ib
i(i=1、2、3、4)が演算され、しかる後ステッ
プ210へ進む。
ステップ210に於ては、フラグFsが1にセットされ、し
かる後ステップ290へ進む。
ステップ220に於ては、ROM206に記憶されている第6図
に示されたグラフに対応するマップに基き、バイパス弁
196の電磁開閉弁186のソレノイド190へ通電される電流I
bが、 Ib=Ib−ΔIbe によって演算され、しかる後ステップ230へ進む。
ステップ230に於ては、ステップ220に於て演算された電
流Ibがソレノイド190へ通電されることによりバイパス
弁196が開弁方向へ駆動され、しかる後ステップ290へ進
む。
ステップ240に於ては、イグニッションスイッチがオフ
に切換えられた時点よりメインリレーがオフに切換られ
る時点までの時間Toffに関するタイマが作動されてい
るか否かの判別が行われ、Toffタイマが作動されてい
る旨の判別が行われたときにはステップ260へ進み、To
ffタイマが作動されていない旨の判別が行われたときに
はステップ250へ進む。
ステップ250に於ては、Toffタイマの作動が開始され、
しかる後ステップ260へ進む。
ステップ260に於ては、ROM206に記憶されている第5図
に示されたグラフに対応するマップに基き、電磁開閉弁
186のソレノイド190へ通電される電流Ibが、 Ib=Ib−ΔIbo に従って演算され、しかる後ステップ270へ進む。
ステップ270に於ては、ステップ260に於て演算された電
流Ibが電磁開閉弁186のソレノイド190へ通電されること
により、バイパス弁196が開弁方向へ駆動され、しかる
後ステップ280へ進む。
ステップ280に於ては、時間Toffが経過したか否かの判
別が行われ、時間Toffが経過した旨の判別が行われた
ときにはステップ350へ進み、時間Toffが経過していな
い旨の判別が行われたときにはステップ290へ進む。
ステップ290に於ては、ステップ90、220、260に於て演
算された電流Ibが基準値Ibo以上であるか否かの判別が
行われ、Ib≧Iboではない旨の判別が行われたときには
ステップ320へ進み、Ib≧Iboである旨の判別が行われ
たときにはステップ300へ進む。
ステップ300に於ては、ステップ30に於て読込まれた高
圧流路内の作動流体の圧力Psが基準値Pso以上であるか
否かの判別が行われ、Ps≧Psoではない旨の判別が行わ
れたときにはステップ320へ進み、Ps≧Psoである旨の
判別が行われたときにはステップ310へ進む。
ステップ310に於ては、ステップ200に於て演算された電
流Ibi又はステップ150に於て演算された電流Iuiが各
圧力制御弁の可変絞りのソレノイド58、78〜82へ出力さ
れることにより各圧力制御弁が駆動されてその制御圧力
が制御され、しかる後ステップ320へ進む。
ステップ320に於ては、アクティブサスペンション内の
何れかの箇所にフェイルが存在するか否かの判別が行わ
れれ、フェイルが存在しない旨の判別が行われたときに
はステップ340へ進み、フェイルが存在する旨の判別が
行われたときにはステップ330へ進む。
ステップ330に於ては、フェイルフラグFfが1にセット
され、しかる後ステップ340へ進む。
ステップ340に於ては、アクティブサスペンション内の
各部分についてダイアグノーシス処理が行われ、故障等
の異常が存在する場合には、その場所を示すコード番号
が表示器232に表示され、何れの箇所にも異常が存在し
ない場合には表示器にコード番号を表示することなくス
テップ30へ戻り、上述のステップ30〜340が繰り返され
る。
ステップ350に於ては、メインリレーがオフに切換ら
れ、これにより第3図に示された制御フローが終了され
ると共に、第2図に示された電気式制御装置200への通
電が停止される。
尚上述の作動開始時及び作動停止時に於けるバイパス弁
による圧力制御は本発明の要部をなすものではなく、こ
れらの圧力制御の詳細については本願出願人と同一の出
願人の出願にかかる特願昭63−307189号及び特願昭63−
307190を参照されたい。
次に第8A図乃至第8C図及び第9図乃至第15図を参照して
ステップ150に於て行われるアクティブ演算について説
明する。
まずステップ400に於ては、それぞれヒーブ目標値Rx
h、ピッチ目標値Rxp、ロール目標値Rxrがそれぞれ第
9図乃至第11図に示されたグラフに対応するマップに基
き演算され、しかる後ステップ410へ進む。
尚第9図に於て、実線及び破線はそれぞれ車高設定スイ
ッチにより設定された車高制御モードがノーマルモード
及びハイモードである場合のパターンを示している。
ステップ410に於ては、ステップ30に於て読込まれた左
前輪、右前輪、左後輪、右後輪に対応する位置の車高X1
〜X4に基き、下記の式に従ってヒーブ(Xxh)、ピッチ
(Xxp)、ロール(Xxr)、ワープ(Xxw)について変
位モード変換の演算が行われ、しかる後ステップ420へ
進む。
Xxh=(X1+X2)+(X3+X4) Xxp=−(X1+X2)+(X3+X4) Xxr=(X1−X2)+(X3−X4) Xxw=(X1−X2)−(X3−X4) ステップ420に於ては、下記の式に従って変位モードの
偏差の演算が行われ、しかる後ステップ430へ進む。
Exh=Rxh−Xxh Exp=Rxp−Xxp Exr=Rxr−Xxr Exw=Rxw−Xxw 尚この場合Rxwは0であってよく、或いはアクティブサ
スペンションの作動開始直後にステップ410に於て演算
されたXxw又は過去の数サイクルに於て演算されたXxw
の平均値であってよい。また|Exw|≦W1(正の定数)の
場合にはExw=0とされる。
ステップ430に於ては、下記の式に従って変位フィード
バック制御のPID補償演算が行われ、しかる後ステップ4
40へ進む。
Cxh=Kpxh・Exh+Kixh・Ixh(n) +Kdxh{Exh(n)−Exh(n−n1)} Cxp=Kpxp・Exp+Kixp・Ixp(n) +Kdxp{Exp(n)−Exp(n−n1)} Cxr=Kpxr・Exr+Kixr・Ixr(n) +Kdxr{Exr(n)−Exr(n−n1)} Cxw=Kpxw・Exw+Kixw・Ixw(n) +Kdxw{Exw(n)−Exw(n−n1)} 尚上記各式に於て、Ej(n)(j=xh、xp、xr、xw)は
現在のEjであり、Ej(n−n1)はn1サイクル前のEjであ
る。またIj(n)及びIj(n−1)をそれぞれ現在及び
1サイクル前のIjとし、Txを時定数として Ij(n)=Ej(n)×Tx+Ij(n−1) であり、Ijmaxを所定値として|Ij|≦Ijmaxである。更
にゲインKpj、Kij、Kdj(j=xh、xp、xr、xw)はそ
れぞれ比例定数、積分定数、微分定数である。
ステップ440に於ては、下記の式に従って、変位モード
の逆変換の演算が行われ、しかる後ステップ450へ進
む。
Px1=1/4・Kx1(Cxh−Cxp+Cxr+Cxw) Px2=1/4・Kx2(Cxh−Cxp−Cxr−Cxw) Px3=1/4・Kx3(Cxh+Cxp+Cxr+Cxw) Px4=1/4・Kx4(Cxh+Cxp+Cxr−Cxw) 尚Kx1、Kx2、Kx3、Kx4は比例定数である。
ステップ450に於ては、それぞれ車輌の前後方向及び横
方向について第12図及び第13図に示されたグラフに対応
するマップに基き、目標圧Pga、Pglが演算され、しか
る後ステップ460へ進む。
ステップ460に於ては、下記の式に従ってピッチ(Cg
p)及びロール(Cgr)についてGフィードフォワード
制御のPD補償の演算が行われ、しかる後ステップ470へ
進む。
Cgp=Kpgp・Pga+Kdgp{Pga(n) −Pga(n−n1)} Ggr=Kpgr・Pgl+Kdgr{Pgl(n) −Pgl(n−n1)} 尚上記各式に於て、Pga(n)及びPgl(n)はそれぞ
れ現在のPga及びPglであり、Pga(n−n1)及びPgl
(n−n1)はそれぞれn1サイクル前のPga及びPglであ
る。またKpgp及びKpgrは比例定数であり、Kdgp及び
Kdgrは微分定数である。
ステップ470に於ては、第3図のフローチャートの1サ
イクル前のステップ30に於て読込まれた操舵角をθ′と
して θ=θ−θ′ に従い操舵角速度θが演算され、この操舵角速度及び車
速Vにより第14図に示されたグラフに対応するマップに
基き予測横Gの変化率、即ち が演算され、しかる後ステップ480へ進む。
ステップ480に於ては、後述のステップ540に於て演算さ
れる演算式のゲインK1f及びK1rが0であるか否かの判別
が行われ、これらのゲインが0である旨の判別が行われ
たときにはステップ510へ進み、これらのゲインが0で
はない旨の判別が行われたときにはステップ490へ進
む。
ステップ490に於ては、Vnを現在の車速とし、Vn−1を
第3図のフローチャートの1サイクル前のステップ30に
於て読込まれた車速とし、ΔVr(正の定数であり、通常
の車輌の加速時に於ける車速の偏差Vn−Vn−1よりも遥
かに高い値である)を制御の敷居値として、 Vn−Vn−1≧ΔVr であるか否か、即ち車輪のスタックが生じているか否か
の判別が行われ、スタックが生じていない旨の判別が行
われたときにはステップ530へ進み、スタックが生じて
いる旨の判別が行われたときにはステップ500へ進む。
ステップ500に於ては、Gl0(正の定数)を制御の敷居値
として、横加速度の絶対値|Gl|がGl0以下であるか否か
の判別が行われ、|Gl|がGl0以下ではない旨の判別が行
われたときにはステップ530へ進み、|Gl|がGl0以下であ
る旨の判別が行われたときにはステップ520へ進む。
ステップ510に於ては、V1(正定数)を制御の敷居値と
して、車速の絶対値|V|がV1未満であるか否かの判別が
行われ、|V|<V1である旨の判別が行われたときにはス
テップ530へ進み、|V|<V1ではない旨の判別が行われた
ときにはステップ540へ進む。
ステップ520に於ては、ゲインK1f及びK1rが0に設定さ
れ、しかる後ステップ540へ進む。
ステップ530に於ては、ゲインK1f及びK1rがそれぞれ正
の定数CK1f及びCK1rに設定され、しかる後ステップ540
へ進む。
ステップ540に於ては、下記の式に従って、Gモードの
逆変換の演算が行われ、しかる後ステップ550へ進む。
尚Kg1、Kg2、Kg3、Kg4はそれぞれ比例定数であり、ステ
ップ480〜500に於ける車輪がスタックしているか否かの
判定結果に基づきステップ520又は530に於て上述の如く
設定されるK1f及びK1r、K2f及びK2rはそれぞれ前後輪間
の分配ゲインとしての定数である。
ステップ550に於ては、ステップ200に於てRAM208に記憶
された圧力Pbi及びステップ440及び540に於て演算され
た結果に基き、 Pui=Pxi+Pgi+Pbi (i=1、2、3、4) に従って各圧力制御弁の目標制御圧力Puiが演算され、
しかる後ステップ560へ進む。
ステップ560に於ては、下記の式に従って各圧力制御弁
へ供給されるべき目標電流が演算され、しかる後ステッ
プ570へ進む。
I1=Ku1Pu1+Kh(Psr−Ps) −Kl・Pd−α I2=Ku2Pu2+Kh(Psr−Ps) −Kl・Pd−α I3=Ku3Pu3+Kh(Psr−Ps) −Kl・Pd I4=Ku4Pu4+Kh(Psr−Ps) −Kl・Pd 尚Ku1、Ku2、Ku3、Ku4、Kh、Klは比例定数であり、αは
前後輪間の補正通数であり、Psrは高圧流路内の基準圧
力である。
ステップ570に於ては、ステップ30に於て読込まれた作
動流体の温度T及び第18図に示されたグラフに対応する
マップに基き温度補正係数Ktが演算され、また Iti=Kt・Ii (i=1、2、3、4) に従って目標電流の温度補正演算が行われ、しかる後ス
テップ580へ進む。
ステップ580に於ては、 Iw=(It1−It2)−(It3−It4) に従って電流ワープ(車体の前後軸線周りのねじれ量)
の演算が行われ、しかる後ステップ590へ進む。
ステップ590に於ては、Riwを目標電流ワープとして下
記の式に従って電流ワープの偏差の演算が行われ、しか
る後ステップ600へ進む。
Eiw=Riw−Iw 尚上記式に於ける目標電流ワープRiwは0であってよ
い。
ステップ600に於ては、Kiwpを比例定数として、 Eiwp=Kiwp・Eiw に従って電流ワープ目標制御量が演算され、しかる後ス
テップ610へ進む。
ステップ610に於ては、下記の式に従って電流ワープの
逆変換の演算が行われ、しかる後ステップ620へ進む。
Iw1=Eiwp/4 Iw2=−Eiwp/4 Iw3=−Eiwp/4 Iw4=Eiwp/4 ステップ620に於ては、ステップ570及び610に於て演算
された結果に基き、下記の式に従って各圧力制御弁へ供
給されるべき最終目標電流Iuiが演算され、しかる後第
3図のステップ290へ進む。
Iui=Iti+Iwi (i=1、2、3、4) かくしてこの実施例によれば、車輪がスタックの状態に
なるとステップ490に於てイエスの判別、即ち車輪のス
タックが生じている旨の判定が行われ、ステップ500於
てイエスの判別が行われることにより車輪がスタックの
状態にある旨の判定より一層正確に行われ、ステップ52
0に於てゲインK1f及びK1rが0に設定される。かくして
ステップ540に於て行われる演算の演算式に於けるゲイ
ンK1r及びK1rが0に設定されることにより、ステップ47
0に於て演算された予測横加速度の変化率に基づく制御
量に応じて車体のロールを抑制する各圧力制御弁の圧力
制御が解除されるので、車輪がスタックした場合に車輌
の運転者がその状態より脱出せんとしてアクセルペダル
を踏込みステアリングホイールを転舵したとしても、横
加速度の予測変化率に基くロール制御に起因して車体に
好ましからざるロールが生じることが確実に回避され
る。
また車輪がスタックの状態になると予測横加速度の変化
率に基づく制御量が0に低減補正されるが、変位フィー
ドバック制御量及び実際の前後加速度及び横加速度に基
づくGフィードバック制御量はそのまま維持されるの
で、これらの制御量も0に低減補正される場合に比して
車体の姿勢が良好に制御される。
また一旦ゲインK1f及びK1rが0に設定されると、アクセ
ルペダルの踏込み量が一定の状態で急操舵が行われて
も、ステップ510に於てノーの判別が行われゲインK1f及
びK1rが0に維持されることにより、車体のロールが回
避される。
更に車輪がスタックの状態より脱出すると、その過程に
於て車速が低下し、ステップ510に於てイエスの判別が
行われ、ステップ530に於てゲインK1f及びK1rがそれぞ
れ一定値CK1f、CK1rに設定され、横加速度の変化率の予
測値に基くロール制御が行われるようになる。
尚上述の実施例に於ては、車体のロールを抑制する制御
は横加速度の変化率の予測値に基き行われるようになっ
ているが、車体のロールの抑制制御は操舵角及び車速よ
り推定される横加速度に基き行われてもよく、実測横加
速度と横加速度の変化率の予測値に基き行われてもよ
く、更には推定横加速度及び横加速度の変化率の予測値
の両方に基き行われてもよい。また車体のロールの抑制
制御が推定横加速度及び横加速度の変化率の予測値に基
き行われる場合には、車輪のスタック時にはそれらの両
方に対する係数(ゲイン)が0に設定される。
以上に於ては本発明を特定の実施例について詳細に説明
したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能である
ことは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるアクティブサスペンションの一つ
の実施例の流体回路を示す概略構成図、第2図は第1図
に示された実施例の電気式制御装置を示すブロック線
図、第3図は第2図に示された電気式制御装置により達
成される制御フローを示すフローチャート、第4図乃至
第6図はそれぞれアクティブサスペンションの作動開始
時、通常の作動停止時、異常事態に於ける作動停止時に
バイパス弁へ供給される電流Ibを演算する際に供される
マップを示すグラフ、第7図は各アクチュエータの作動
流体室内の圧力Piと各圧力制御弁へ供給される電流Ibi
との間の関係を示すグラフ、第8A図乃至第8C図は第3図
に示されたフローチャートのステップ150に於て行われ
るアクティブ演算のルーチンを示すフローチャート、第
9図は車速Vと目標変位量Rxhとの間の関係を示すグラ
フ、第10図は前後加速度Gaと目標変位量Rxpとの間の関
係を示すグラフ、第11図は横加速度Glと目標変位量Rxr
との間の関係を示すグラフ、第12図は前後加速度Gaと目
標圧Pgaとの間の関係を示すグラフ、第13図は横加速度
Glと目標圧Pglとの間の関係を示すグラフ、第14図は車
速V及び操舵速度と予測横加速度の変化率 との間の関係を示すグラフ、第15図は作動流体の温度T
と補正係数Ktとの間の関係を示すグラフである。 1FR、1FL、1RR、1RL……アクチュエータ,2FR、2FL、2R
R、2RL……作動流体室,4……リザーブタンク,6……ポン
プ,8……フィルタ,10……吸入流路,12……ドレン流路,1
4……エンジン,16……回転数センサ,18……高圧流路,20
……逆止弁,22……アテニュエータ,24、26……アキュム
レータ,32、34、36、38……圧力制御弁,40、42、44、46
……切換え制御弁,48……低圧流路,52……固定絞り,54
……可変絞り,56……接続流路,58……ソレノイド,66、6
8、70……固定絞り,72、74、76……可変絞り,78、80、8
2……ソレノイド,84、86、88……接続流路,110〜118…
…ドレン流路,120……フィルタ,124〜130……絞り,132
〜138……アキュムレータ,144FR、144FL、144RR、144RL
……車高センタ,150〜156……遮断弁,166〜172……リリ
ーフ弁,174……オイルクーラ,176……フィルタ,180……
リリーフ弁,182……フィルタ,184……絞り,186……電磁
開閉弁,190……ソレノイド,192……開閉弁,196……バイ
パス弁,197、198、199FR,199FL、199RR、199RL……圧力
センサ,200……電気式制御装置,202……マイクロコンピ
ュータ,204……CPU,206……ROM,208……RAM,210……入
力ポート装置,212……出力ポート装置,216……IGSW,218
……EMSW,220〜230……駆動回路,232……表示器,234…
…車速センサ,236……前後Gセンサ,238……横Gセン
サ,240……操舵角センサ,248……車高設定スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 油谷 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 米川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 渡辺 司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 浜田 敏明 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−154306(JP,A) 特開 平1−103526(JP,A) 特開 平1−101215(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪と車体との間に配設された流体圧ア
    クチュエータと、前記アクチュエータ内の流体圧を調整
    する圧力調整手段と、車輌の横加速度若しくはその変化
    率以外の状態量に基づき車輌の横加速度若しくはその変
    化率を推定する手段と、車輌のスタックを検出する手段
    と、少なくとも推定された横加速度若しくはその変化率
    に基づく制御量に応じて前記圧力調整手段を介して前記
    アクチュエータ内の流体圧を制御することにより前記車
    体のロールを抑制する制御手段とを有し、前記制御手段
    は前記スタック検出手段によりスタックが検出されてい
    るときには前記推定された横加速度若しくはその変化率
    に基づく制御量によっては前記アクチュエータ内の流体
    圧の制御を行わないよう構成された流体圧式アクティブ
    サスペンション。
JP1047028A 1989-02-28 1989-02-28 流体圧式アクティブサスペンション Expired - Lifetime JPH0794202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1047028A JPH0794202B2 (ja) 1989-02-28 1989-02-28 流体圧式アクティブサスペンション

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