JPH0794003B2 - エアフィルターユニットにおけるろ布の取付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、波状のエアフィルターユニットにおけるろ布
の取付け方法に関する。

従来技術 ユニット型のエアフィルターには、フラッチ（プレー
ト）タイプ、セパレートタイプ、ロールタイプ、フィル
ターバッグ、波形タイプなど種々のタイプのものがあ
り、エレクトロニクス工場など高性能なものが要求され
る分野では表面積が大きくて圧力損失が少ないうえ長期
の使用が可能であり、また比較的コンパクトであること
もあってピッチの小さな波形タイプのものが使用され
る。こうした波形タイプのユニットは図示されるよう
に、矩形状の外枠１内に二列のロッド２を並設し、これ
にフェルト、厚布、ガラス繊維、不織布等よりなるろ布
３をジグザグ状に通して構成されているが、この種ユニ
ットの製法上の１番の問題はろ布端部と外枠との間のシ
ールで、腰の弱いろ布を外枠に固定するのが容易でない
ことである。ろ布端部と外枠との間をシールするのに従
来は多くの場合、ろ布端部に接着剤を塗布して固定して
いたが、接着剤を波形に沿った隅から隅まで万扁なく塗
布するのは大変な手間がかゝり、とくにピッチの小さな
ものでは塗布自体が容易でなく、ピッチのあまり小さな
ものはシールすることができなかった。

水溶性の接着剤を流し込んで固定する試みもなされてい
るが、比較的多くの接着剤を要するうえシールする際に
は外枠一側のシール部分を下向きにしてろ布端部の両側
より接着剤を流し込み、隅々まで万扁なく行き渡らせた
のち乾燥させ、ついで外枠の上下を逆にして反対側を下
向きにし、同様の作業を繰返さねばならず、かなりな時
間と手間がかゝっていた。

発明が解決しようとする問題点 この発明はピッチの小さなものでもろ布端部と外枠との
間のシールが容易かつ簡単に行えるようにしたものであ
る。

問題点を解決するための手段 本発明はそのため、矩形状の外枠内に並設されるロッド
にろ布をジグザグ状に掛け渡したのち、波状に形成さ
れ、波が互いに噛み合う一組の内枠の外枠とろ布との接
触部に接着剤を塗布し、ついで両内枠のうちの一方をろ
布端部の一側より、他方を他側よりそれぞれ当てがい、
外枠に密着させた状態で波が互いに噛み合うように押し
込むことによって、ろ布端部を挟着して固定することを
特徴とするものである。

ここで内枠は、金属、樹脂、木製等からなり、バンドを
波状に屈曲形成した形態をなすもの、細長い板の一側を
波状に形成したもの、或いはこれらの組み合わせ、すな
わち一方がバンドを波状に屈曲形成し、他方が細長い板
の一側を波状に形成した形態をなすものよりなる。

内枠は上述するように、外枠内のロッドにろ布をジグザ
グ状に通したのち、ろ布に両側より当てがい、外枠に嵌
合させて外枠内の各一側に接着し固定されるが、伸縮性
に富み、或いは摩擦係数の小さなろ布を使用し、かつ波
のピッチが大きく、また細長い板の一側を波状に形成し
た内枠を使用する場合には、外枠を使用しないで、該内
枠に外枠としての機能を持たせるようにすることもでき
る。すなわち、外枠の各対向辺を長手方向に沿って波状
に分割し、対向する各波の突出端がそれぞれロッドで連
結された構造をなすようにすることもできる。この場
合、両外枠間にろ布を介在させたのち両外枠を噛み合わ
せると、ろ布が伸び、或いはロッド間を滑って波状に屈
曲しながら両外枠で挟着され、固定されるようになり、
波状の屈折と固定とが一工程で行われる。

したがって別の発明は、対向辺を波状に分割して、対向
辺の対応する波の突出端をそれぞれロッドで連結し、波
が互いに噛み合うように組み合わせた状態でロッドがジ
グザグ状に並設される構造をなす外枠を用い、外枠を分
割した状態で、ろ布への接触部にそれぞれ接着剤を塗布
したのち、引き離した外枠間にろ布を介在させ、ついで
両者を波が互いに噛み合うように押し込むことによっ
て、ろ布端部を挟着して固定することを特徴とする。

実施例 第１、２図は、外枠１内のロッド２にろ布３をジグザグ
状に掛け渡したのち、前後において上下より対向辺が波
状で、ピッチがろ布３と同一ピッチをなし、しかも外枠
１及びろ布３への接触部に接着剤を塗布した内枠４を押
し込み、外枠に密着した状態で挟着することによりろ布
端部を固定しシールした例を示すものである。

第３図は内枠の一方を波状に屈曲形成されるバンド５と
した例を示すものである。

第４、５図は外枠１の各対向辺を波状に分割して組合せ
一体化することによりろ布端部を波状に屈曲し、シール
する例を示すものである。

発明の効果 第１の発明によれば、外枠内に並設されるロッドにろ布
をジグザグ状に掛け渡すだけで大面積のろ布でも、また
波のピッチが小さく、波の高さが大きな波形にも容易に
波形成形することができること、波が互いに噛み合う一
組の内枠の外枠とろ布との接触部に接着剤を塗布したの
ち、外枠に密着させた状態でろ布の両側より押し込むだ
けで、内枠と外枠及びろ布端部を接着してしっかりと固
定し、使用時の圧力やブロア吹出しの圧力の変動による
振動に耐えてシール性を十分に維持することができるこ
と、シールのための作業が簡単かつ容易で、量産向きで
あり、腰の弱いろ布でも、また波状のピッチの小さなも
のでも確実にシールすることができ、ことにピッチを小
さくすることによって表面積を増大させることができ、
これにより圧力損失が少なくなると共に、寿命を増大さ
せることができることなどの効果を有する。

第２の発明によれば、外枠のろ布への接触部に接着剤を
塗布したのち、両枠を波が互いに噛み合うように押し込
むことによって、ろ布の波状の屈折と固定及びシールを
一工程で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は内枠を押し込む前の状態を示す正面図、第２図
は内枠押し込み後の一部を断面で示した部分拡大正面
図、第３図は押え枠の一方をバンドとした例の一部拡大
正面図、第４及び５図は他の押え枠を使用した例の押し
込み時及び押し込み後の正面図をそれぞれ示す。 １……外枠、２……ロッド ３……ろ布、４……内枠、５……バンド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形状の外枠内に並設されるロッドにろ布
   をジグザグ状に掛け渡したのち、波状に形成され、波が
   互いに噛み合う一組の内枠の外枠とろ布との接触部に接
   着剤を塗布し、ついで両内枠のうちの一方をろ布端部の
   一側より、他方を他側よりそれぞれ当てがい、外枠に密
   着させた状態で波が互いに噛み合うように押し込むこと
   によって、ろ布端部を挟着して固定することを特徴とす
   るエアフィルターユニットにおけるろ布の取付け方法。
2. 【請求項２】対向辺を波状に分割して、対向辺の対応す
   る波の突出端をそれぞれロッドで連結し、波が互いに噛
   み合うように組み合わせた状態でロッドがジグザグ状に
   並設される構造をなす外枠を用い、外枠を分割した状態
   で、ろ布への接触部にそれぞれ接着剤を塗布したのち、
   引き離した外枠間にろ布を介在させ、ついで両者を波が
   互いに噛み合うように押し込むことによって、ろ布端部
   を挟着して固定することを特徴とするエアフィルターユ
   ニットにおけるろ布の取付け方法。