JPH0793998B2 - ミシンモータの回転制御装置 - Google Patents

ミシンモータの回転制御装置

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JPH0793998B2
JPH0793998B2 JP2331902A JP33190290A JPH0793998B2 JP H0793998 B2 JPH0793998 B2 JP H0793998B2 JP 2331902 A JP2331902 A JP 2331902A JP 33190290 A JP33190290 A JP 33190290A JP H0793998 B2 JPH0793998 B2 JP H0793998B2
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    • D05B69/00Driving-gear; Control devices
    • D05B69/14Devices for changing speed or for reversing direction of rotation
    • D05B69/18Devices for changing speed or for reversing direction of rotation electric, e.g. foot pedals

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はミシンモータの回転制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、ミシンモータの回転制御装置として、交流電
源から直流を作成する直流電源からミシンモータ各相巻
線への通電を所定のシーケンスで断続することで、ミシ
ンモータを駆動あるいは制動(いわゆるインバータ運
転)するものが知られている。
この種の回転制御装置では、ミシンモータの出力トルク
が過大になると加速及び減速時にミシンの運動機構(機
械系)に大きな負荷が加わり運動機構が痛み易いので、
各相巻線への最大許容通電量を一定に定め、それ以下に
通電量を制御することで最大出力トルクを一定以下に制
限して、ミシンの運動機構に過負荷が加わるのを防止し
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記装置では、ミシンモータの出力トルクを制
限しているために、厚手の布地を縫製する際にミシンの
縫い針の貫通力が不足し、布地の抵抗でミシンモータが
ロックするという問題があった。特に工業用ミシンでは
厚手布地を重ね縫いするといった極厚物の縫製を行うこ
とがあるので、モータ・ロックが起こりやすい。
勿論、ミシンモータから伝動ベルト及びプーリを介して
運動機構へ駆動力を伝える機構を有するミシンでは、モ
ータ側プーリの径を小さくして運動機構へ伝えるトルク
を増強することが考えられるが、プーリ径を小さくする
と、ミシンの最高運動速度が下がり高速運転に支障が出
るという問題があるので、採用は困難である。
そこで本発明は、ミシンの運動機構に過重な負担を掛け
ることなく、しかもミシンの最高運転速度を落とさずに
ミシンの縫製能力を向上できるミシンモータの回転制御
装置を提供することを目的としてなされた。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨とするところは、 外部からの速度指令に基づきミシンモータの回転速度を
制御する回転速度制御手段と、ミシンモータの回転方向
を正転方向又は逆転方向へ切り換える回転方向切り換え
手段と、ミシンモータの回転速度を検出する検出手段
と、検出されたミシンモータの回転速度が、当該ミシン
における縫製運転の最低速度に基づいて予め定められた
ミシンモータの最低回転速度より下降している否かを判
定する判定手段と、判定手段により肯定判断がなされる
と、回転方向切り換え手段を制御してミシンモータの回
転方向を所定周期で反転させる反転反復手段とを備える
ことを特徴とするミシンモータの回転制御装置にある。
[作用] 以上のように構成された本発明のミシンモータの回転制
御装置によれば、回転速度制御手段が、外部からの速度
指令に基づきミシンモータの回転速度を制御して、ミシ
ン運転が開始される。例えば、ミシンモータは通常は正
転方向に回転制御され、ミシンモータの駆動力によりミ
シンの運動機構が駆動されてミシンの縫い針が上下動す
ることで、縫製が行われる。
ここで、例えばミシンが布地の重なる箇所を縫製した
際、その布地の抵抗により縫い針が布地を貫通できなく
なり、ミシンモータの回転速度が当該ミシンにおける縫
製運転の最低速度に基づいて予め定められたミシンモー
タの最低回転速度より下降したとする。すると、判定手
段が、ミシンモータの回転速度が最低回転速度より下降
したと判断し、その結果、反転反復手段が、回転方向切
り換え手段を制御してミシンモータの回転方向を所定周
期で反転させる。例えば、縫い針がその運動方向を反転
する上死点或は下死点に到達しない範囲でミシンモータ
の回転方向を反転させる。
このように回転方向を反転反復することによって、一旦
縫い針を布地から引き抜き、再度布地を同じ縫製点で衝
く。このため、縫い針は布地を貫通し、貫通と共に布地
の抵抗がなくなるので、ミシンモータの回転速度が上が
って最低回転速度以上となり、外部からの速度指令に基
づいて正転方向の回転に再び制御される。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
第1図は、本発明を適用したミシンモータの回転制御装
置を表す電気回路図である。
ミシンモータには交流モータMが用いられ、交流モータ
Mの駆動力は伝動機構(図示略)を介してミシンの運動
機構Sに伝えられ縫い針NDが上下に運動する。通常、交
流モータMは正転方向へ駆動され、この正転駆動により
ミシンの縫い針NDが上下動を反復するようにされている
が、ミシンがロックしたときには交流モータMの逆転に
より縫い針NDが下降途中から上昇へと反転動作可能に運
動機構Sは構成されている。
又、ミシン・テーブル(図示略)の下部にはフット・コ
ントローラFCが設けられている。フット・コントローラ
FCには、ペダルPの踏み込み量に応じて交流モータMの
回転速度を指令する指令信号SFCを出力するホール素子H
Dと、ペダルPの踏み込みによりONする二連のスイッチS
Wとが内蔵されている。ペダルPには遊びがあり、僅か
に踏み込まれたときには、スイッチSWがONするだけでホ
ール素子HDからは指令信号SFCは出力されない。ペダル
Pが本格的に踏み込まれると指令信号SFCは出力され
る。
図に示すように、回転制御装置1は、交流電源ACから入
力した交流を整流して直流を作成する直流電源3と、直
流電源3から給電されて交流モータMを通電する通電部
5と、通電部5による通電時期を制御する通電制御部7
と、通電制御部7に交流モータMの回転速度及び回転方
向を指令する回転指令部9と、交流モータMの回転速度
を検出するためのエンコーダ11a及び交流モータMの回
転位相を検出するための磁気センサ11bと、ミシン運動
機構Sの図示せぬ駆動軸(いわゆる、上軸)の回転角度
を検出するためのエンコーダ13とを主要部として構成さ
れている。
直流電源3は、整流回路として周知のダイオード・ブリ
ッジ回路3aと平滑用のコンデンサ3bとからなる。又、ダ
イオード・ブリッジ回路3aの負極には、交流モータMに
流れる電流iを検出するための電流検出抵抗Rが設けら
れている。
通電部5は、いわゆるインバータだあって、交流モータ
Mの各相巻線Lu,Lv,Lwへの通電を断続する6個の電力ト
ランジスタ(以下、単にトランジスタという)Tru,Tr
v、Trw,Trx、Try,Trzと、各相巻線Lu,Lv,Lwから電荷を
回生するための6個の転流ダイオードD1〜D6とから構成
され、トランジスタTruとTrxとのTrvとTryとの接続点Pv
に相巻線Lvが、トランジスタTrwとTrzとの接続点Pwに相
巻線Lwが、夫々接続されている。
通電制御部7は、通電部5による各相巻線Lu,Lv,Lwへの
通電時期及び通電シーケンスを制御することで交流モー
タMの回転速度及び回転方向を制御するものであり、通
電制御信号Spwmを作成する通電制御回路7aと、通電制御
信号Spwmに基づいてスイッチングパルスUB〜ZBを各トラ
ンジスタTru〜Trzのベースへ出力する分配器7bとを主要
部として構成されている。
通電制御回路7aは、回転指令部9からの速度指令信号S
SPとエンコーダ11aからの速度検出信号Sjとに基づいて
通電周期及び通電期間を定める通電制御信号(いわゆる
PWM信号)Spwm及び加速・減速を指令する加減速指令Sac
を作成して、夫々分配器7bへ出力する。又、通電制御回
路7aは、電流検出抵抗Rからの電流検出信号Siに基づい
て通電制御信号Spwmの最大パルス幅を制限することで、
交流モータMに流れる電流iを所定の制限電流値以下に
制限する。
交流モータMの回転速度Nは、通電制御信号Spwmのデュ
ーティ比により決まり、そのON期間(パルス幅)が長く
なると相巻線Lu〜Lwを流れる電流量が増加して増速する
ようにされている。又、減速時には上記ON期間を長くす
ると制動トルクが強まるようにされている。
分配器7bは、周知の論理素子回路(図示略)からなり、
通電制御信号Spwmと磁気センサ11bからの磁極検出信号S
msとに基づいて、回転方向(正転指令CW又は逆転指令CC
W)を指令する回転指令部9からの回転方向指令信号SDl
に従って正転シーケンス又は逆転シーケンスで各相巻線
Lu,Lv,Lwを通電するように、各トランジスタTru〜Trzの
ベースにスイッチングパルスUB〜ZBを出力して各トラン
ジスタTru〜TrzのON−OFFを制御する。
回転指令部9は、速度指令回路9aと、交流モータの回転
速度Nが超低速度NBS(後述する)よりも下がったか否
かを判定する判定回路9bと、判定回路9bからの判定信号
SJAとミシン側のエンコーダ13からの回転角度検出信号S
pulとに基づいて交流モータMの回転方向の切り換えを
指令する回転方向切り換え指令回路9cとを主要部として
構成されている。
速度指令回路9aは、ミシンの標準運転状態における交流
モータMの最低回転速度NLSに対応する電圧を設定し、
最低速度指令信号SLSとして出力する電圧設定器VR1と、
2個のダイオードD10及びD11からなりフット・コントロ
ーラFCからの指令信号SFCと電圧設定器VR1からの最低速
度指令信号SLSとの何れか一方を速度指令信号SSPとして
出力するワイヤード論理和回路ORと、フット・コントロ
ーラFCのスイッチSWがONしたときから所定時間後にHigh
からLowになる遅延信号SDL(Lowアクテイブ)を、回転
方向切り換え指令回路9cへ出力する遅延回路DL1とを主
要部として構成されている。
第2図に示すように、ワイヤード論理和回路ORは、フッ
ト・コントローラFCのペダルPが僅かに踏み込まれたと
きには最低速度指令信号SLSを、ペダルPが更に踏み込
まれると指令信号SFCを、夫々速度指令信号SSPとして出
力する。そして、速度指令信号SSPは、ペダルPの踏み
込み又は戻しに応じて上昇又は加工する。
判定回路9bは、コンパレータCOPと、速度検出信号(パ
ルス)Sjを回転速度Nに応じた速度電圧(直流レベル)
Vjに変換する周知のV/Fコンバータと、交流モータMの
超低速度NBSに対応する超低速度電圧VBSを設定する電圧
設定器VR2とからなり、二つの電圧VjとVBSとを大小比較
して、速度電圧Vjが超低速度電圧VBS以下に下がると判
定信号SJA(Highアクティブ)を回転方向切り換え指令
回路9cへ出力する。尚、交流モータMの超低速度NBS
標準の最低回転速度NLSより低い回転速度であり、交流
モータMの電気的仕様及びミシン運動機構Sの機械的構
造から定まる交流モータMの回転可能な範囲における最
低回転速度や、極厚布地の実際の縫製結果に基づいて定
められる。
回転方向切り換え指令回路9cは、カウンタCTと、タイマ
Tと、論理回路LGとを主要部として構成され、交流モー
タMの正転CWを指令するときにはHighレベルとなり逆転
CCWを指令するときにはLowレベルとなる回転方向指令信
号SDlを出力する。
タイマTの出力は、計時開始と共にLowからHighになり
所定時間tの計時完了と共にLowとなる。カウンタCT
は、エンコーダ13からの回転角度検出信号Spulの入力パ
ルスを計数し、所定数nを計数するとワンショット・パ
ルスを出力する。
論理回路LGは、速度指令回路9aからの遅延信号SDLと判
定回路9bからの判定信号SJAとの論理和をとる第1論理
和素子OR1と、第1論理和素子OR1からの信号と同信号が
否定素子NOT及びディレイ回路DL2とにより反転及び遅延
された信号との排他的論理和をとる排他的論理和素子EX
−ORと、排他的論理和素子EX−ORからの信号とカウンタ
CTからの信号との論理和をとる第2論理和素子OR2と、
第1論理和素子OR1からの信号とタイマTからの信号と
の否定和をとる否定和素子NORと、第1論理和素子OR1か
らの信号とタイマTからの信号との論理和をとり回転方
向指令信号SDlとして出力する第3論理和素子OR3とから
なる。尚、各論理素子OR1〜OR3,NOT,EX−OR,NORと、カ
ウンタCT及びタイマTの出力は、全てHighアクティブで
ある。
第1論理和素子OR1の出力レベルがHighのときには、第
3論理和素子OR3の出力、即ち回転方向指令信号SDlのレ
ベルはHighであり、交流モータMの正転CWが指令され
る。同時に、排他的論理和素子EX−ORの出力レベルがLo
wであると共に、否定和素子NORの出力レベルはLowであ
ってカウンタCTはリセットされたままなので、第2論理
和素子OR2の出力レベルはLowである。従って、タイマT
はスタートしない。
第1論理和素子OR1の出力レベルがLowに転ずると、排他
的論理和素子EX−ORの出力レベルが僅かの間(遅延回路
DL2の遅延時間)Highとなり、これをトリガとしてタイ
マTが計時を開始する。従って、タイマTの出力レベル
がHighになるので、第3論理和素子OR3の出力(SDl)の
レベルはHighのままであり正転CWの指令が継続する。
タイマTが計数を完了してその出力がLowに転じると、
第3論理和素子OR3の出力レベルはLowに転じ交流モータ
Mの逆転CCWが指令されると共に、否定和素子NORの出力
レベルがHighに転じてカウンタCTが計数を開始する。
カウンタCTが計数を完了してパルスを出力すると、第2
論理和素子OR2の出力レベルは僅かな期間中Highに転
じ、これがトリガとなってタイマtが再び計時を開始す
る。このため、第3論理和素子OR3の出力(SDl)のレベ
ルはHighに転じて交流モータMの正転CWが指令される。
次に、回転制御装置1の動作について、ミシンを最低回
転速度NLSで定速運転して厚手布地の縫製を行なう場合
を例に採り、第3図のタイミングチヤートに沿って説明
する。
まずペダルPが僅かに踏み込まれると、スイッチSWがON
して最低回転速度NLSが指令される(SSP=SLS)と共
に、遅延回路DL1の出力(SDL)レベルが下がり始め、ス
イッチSWのONタイミングから所定時間遅れてLowレベル
となる。この遅延時間の間に交流モータMの回転速度N
は超低速度NBSを越えるので判定回路9bの判定信号SJA
Highに転じて、第1論理和素子OR1の出力レベルはHigh
に保持される。従って、スイッチがONした以降は、第3
論理和素子OR3の出力(SDl)のレベルは、Highのままと
なり、交流モータMの正転指令CWが保持される。
ペダルPは僅かに踏み込まれたままの状態に保持される
ので、交流モータMの回転速度Nは最低回転速度NLS
維持され、ミシンは厚手の布地の縫製を開始する。
ここで、縫製途中に重ね縫いの箇所がありミシンの縫い
針NDが強い抵抗を受け、その負荷で交流モータMの回転
速度Nが超低速度NBSより下がり、ミシンがロック状態
になったとする。
すると、判定回路9bの判定信号SJAがLowに転じ、その結
果、第1論理和素子OR1の出力レベルがLowに転じる。し
かし、タイマTが計時を開始しており、その出力レベル
がHighになっているので、第3論理和素子OR3の出力(S
Dl)のレベルはHighのままで正転CWの指令が継続する。
タイマTが計数を完了すると、第3論理和素子OR3の出
力(SSl)のレベルはLowに転じ交流モータMの逆転CCW
が指令されると共に、カウンタCTが計数を開始する。こ
のため、縫い針NDが上昇し布地から抜け出て上昇する。
縫い針NDの上昇に伴い入力されるパルス(回転角度検出
信号Spul)の数を、カウンタCTが数える。
カウンタCTが所定数nを数えると、タイマTが再び計時
を開始し、第3論理和素子OR3の出力(SDl)レベルはHi
ghに転じて交流モータMの正転CWが指令される。する
と、交流モータMは正転に転じその回転速度Nが超低速
度NBSを越えるので、判定信号SJAはHighになり第1論理
和素子OR1の出力レベルもHighになる。従って、タイマ
Tが計時完了しても第3論理和素子OR3の出力(SDl)レ
ベルはHighを維持し正転CW指令が続行する。
このため、上昇していた縫い針NDは下降し同じ縫製点を
衝く。この第2針でも布地を貫通できないときには、上
記と同様にして逆転−正転を再度行う。第3針で布地を
貫通し布地の重なり箇所の縫製を終了すると、交流モー
タMの回転速度Nは最低回転速度NLSまで上昇し、ここ
で定速回転してミシンも定速運転で布地の縫製を続け
る。
このように極厚物の縫製時には、布地を貫通するまで同
じ縫製点で縫い針NDの上下動が反復される。
尚、上記のように縫い針NDが上下するときの交流モータ
Mの正転期間及び逆転期間は、以下のような要素に基づ
いて決定される。即ち、交流モータMの慣性、ミシン運
動機構Sの負荷イナーシヤ、伝動機構のベルト(図示
略)のテンションなどで決まるミシンの応答遅れ(ミシ
ンの運転速度が速度指令信号SSPに対応する運動速度に
達するまでのタイム・ラグ)や、交流モータMの電気的
時定数(速度指令信号SSPが出されてから、モータ電流
iが速度指令信号SSPに対応する電流値に上昇するまで
のタイム・ラグ)を実測で求めて上記正転期間及び逆転
期間を決定するのである。
更に、厚手布地の縫製の際には布地の抵抗を受けながら
も縫い針NDが少しずつ進み貫通するまで多少時間を要す
ることもあり、その時間も考慮し、タイマTの計時時間
tが設定され逆転開始のタイミングが決まる。カウンタ
CTの計数回数nは、縫い針NDが上昇(下死点から上死点
へ)する間にカウンタCTに入力されるパルスの数より小
さい範囲で設定される。
以上説明したように、本実施例は交流モータMの回転速
度Nが超低速度NBS以下に下がると、交流モータMを逆
転−正転させて縫い針NDが布地の同じ縫製点を再度衝く
ように構成されているので、縫い針NDは極厚の布地でも
貫通することができる。更に、第2針で布地を貫通でき
ないときには第3針が繰り出され、それでも貫通できな
いときには貫通するまで何度も繰り出されるので、布地
が極端に厚い場合であっても縫い針NDが布地を貫通する
ことができる。
それゆえ、従来のようにミシンの最高運転速度を落とす
ことなくミシンの縫製能力を向上させることができる。
又、モータ出力を上げミシンの運動機構Sに過重な負担
を掛けることがないので、交流モータM及びミシンの耐
用年数が延びるという効果を奏する。
尚、本実施例では交流モータMの回転速度Nが超低速度
NBS以下に下がると交流モータMを逆転−正転させるよ
うに構成したが、この他に交流モータMの回転速度Nが
最低回転速度NLS以下に下がり、且つ最低回転速度NLS
実回転速度との偏差が所定レベルより大きくなると、或
は交流モータMの回転速度Nが最低回転速度NLS以下に
下がり、且つモータ電流iが制限電流値に達すると、交
流モータMを逆転−正転させるように構成してもよい。
又、本実施例では縫い針NDが布地を貫通できないときに
は、貫通するまで逆転−正転が繰り返すように構成され
たが、第1針又は第2針で貫通できないときには、一旦
交流モータMを停止して、手動スイッチによるスタート
・タイミングで逆転−正転を行うように構成してもよ
い。
この場合には、縫製作業者が布地の状態を判断しながら
第3針以降を繰り出すことができるといった利点や、布
地の性質によっては縫い針NDの折損の恐れがあるような
ときにはミシン側の上軸プーリを手で回して縫製を行こ
とができるといつた利点がある。
ここで、上記実施例では回転指令部9の回転方向切り換
え指令回路9cを、カウンタCT、タイマT及び論理回路LG
を主要部として構成したが、この他に単安定マルチバイ
ブレータ回路で構成してもよい。
即ち第4図に示すように、回転指令部20の回転方向切り
換え指令回路20cは、判定回路20bから入力される判定信
号SJAの立ち上がりタイミングで所定時間t1の間ワンシ
ョット・パルスSP1(Lowアクティブ)を出力する第1単
安定マルチバイブレータ回路MB1と、入力されたワンシ
ョット・パルスSP1の立ち上がりタイミングで所定時間t
2の間ワンショット・パルスSP2(Lowアクティブ)を出
力する第2単安定マルチバイブレータ回路MB1とで構成
され、ワンショット・パルスSP2を回転方向指令信号SDl
としている。尚、上記の構成に伴い、回転指令部20の速
度指令回路20aでは、上記実施例の速度指令回路9aの遅
延回路DL1は省略されている。
第5図に示すように、回転方向切り換え指令回路20cで
は、ワンショット・パルスSP2(SD1)のノン・アクティ
ブ(High)のときに正転CWを指令しアクティブ(Low)
のときに逆転CCWを指令する。
尚、単安定マルチバイブレータ回路MB1においては、所
定時間t1が上記実施例のタイマTの計時時間tと同じに
なるように、第2単安定マルチバイブレータ回路MB2に
おいては、所定時間t2が上記実施例のタイマTが所定数
nのパルスを計数するに要する時間と等しくなるよう
に、夫々外付けの抵抗R1・コンデンサC1及び抵抗R2・コ
ンデンサC2により調整されている。
又、上記実施例では交流モータMを採用したが、ミシン
モータにDC整流子直巻モータやDCブラシレスモータなど
を用いた場合にも本発明を適用できることは、勿論であ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明のミシンモータの回転制御装
置によれば、ミシンモータの回転速度が、縫製運転の最
低速度に基づいて予め定められたミシンモータの最低回
転速度より下降すると、ミシンモータの回転方向を所定
周期で反転させるので、ミシンの縫い針が上下の動きを
繰り返して布地を同じ縫製点で何度が衝き、このため縫
い針は布地を貫通することができる。
それゆえ、ミシンの最高運転速度を落とすことなく且つ
モータ出力を上げることなくミシンの縫製能力を向上さ
せることができると共に、ミシンの運動機構に過重な負
担を掛けることもないのでミシンモータ及びミシンの耐
用年数を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のミシンモータの回転制御装置を表す電
気回路図、第2図は速度指令信号の切り換えを説明する
ための説明図、第3図は回転制御装置の動作を表すタイ
ミングチャート、第4図は別の回転方向切り換え指令回
路を用いた回転制御装置を表す電気回路図、第5図は同
回転制御装置の動作を表すタイミングチャートである。 1……ミシンモータの回転制御装置 5……通電部、7……通電制御部 9,20……回転指令部 9a,20a……速度指令回路 9b,20b……判定回路 9c,20c……回転方向切り換え指令回路 11a……エンコーダ、11b……磁器センサ M……交流モータ、S……ミシンの運動機構 ND……縫い針、FC……フツト・コントローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部からの速度指令に基づきミシンモータ
    の回転速度を制御する回転速度制御手段と、 ミシンモータの回転方向を正転方向又は逆転方向へ切り
    換える回転方向切り換え手段と、 ミシンモータの回転速度を検出する検出手段と、 該検出されたミシンモータの回転速度が、当該ミシンに
    おける縫製運転の最低速度に基づいて予め定められたミ
    シンモータの最低回転速度より下降している否かを判定
    する判定手段と、 該判定手段により肯定判断がなされると、上記回転方向
    切り換え手段を制御してミシンモータの回転方向を所定
    周期で反転させる反転反復手段と、 を備えることを特徴とするミシンモータの回転制御装
    置。
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