JPH0793288A - 信号処理方法及びその装置 - Google Patents
信号処理方法及びその装置Info
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- JPH0793288A JPH0793288A JP8073894A JP8073894A JPH0793288A JP H0793288 A JPH0793288 A JP H0793288A JP 8073894 A JP8073894 A JP 8073894A JP 8073894 A JP8073894 A JP 8073894A JP H0793288 A JPH0793288 A JP H0793288A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P90/00—Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
- Y02P90/30—Computing systems specially adapted for manufacturing
Landscapes
- Complex Calculations (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 現実の物理現象を数式で近似した物理モデル
の最適化について、従来、人手に頼っていたチューニン
グ作業を自動化するとともに、普遍的な最適化結果を得
ることを目的としている。 【構成】 現実の処理プロセス1をシミュレートする第
1の適応モデル6を、処理プロセス1を数式で表した第
1の物理モデル3と、この第1の物理モデル3からの出
力に収束半径を加算し、この加算結果について1又は2
以上の巾乗項を算出し、これら巾乗項に対応して予め定
義した巾乗係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、全て
の乗算結果を加算する巾乗展開部7a、及びこれら収束
半径及び巾乗係数群最適値に設定する最適化手段を有す
る第1の補正処理部6aとを直列に接続して構成し、こ
の第1の適応モデル6のチューニングは、第1の補正処
理部6aにおいて処理プロセス1の現実の出力情報に基
づて自動的に決定していくことで行なっている。
の最適化について、従来、人手に頼っていたチューニン
グ作業を自動化するとともに、普遍的な最適化結果を得
ることを目的としている。 【構成】 現実の処理プロセス1をシミュレートする第
1の適応モデル6を、処理プロセス1を数式で表した第
1の物理モデル3と、この第1の物理モデル3からの出
力に収束半径を加算し、この加算結果について1又は2
以上の巾乗項を算出し、これら巾乗項に対応して予め定
義した巾乗係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、全て
の乗算結果を加算する巾乗展開部7a、及びこれら収束
半径及び巾乗係数群最適値に設定する最適化手段を有す
る第1の補正処理部6aとを直列に接続して構成し、こ
の第1の適応モデル6のチューニングは、第1の補正処
理部6aにおいて処理プロセス1の現実の出力情報に基
づて自動的に決定していくことで行なっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ある物理現象を数式
で表した物理モデル、例えば制御モデル、計測モデル等
のシミュレーション・モデルの最適化を必要とする分野
において、これらシミュレーション・モデルを自動的に
最適化を行う方法及びその装置に関するものである。
で表した物理モデル、例えば制御モデル、計測モデル等
のシミュレーション・モデルの最適化を必要とする分野
において、これらシミュレーション・モデルを自動的に
最適化を行う方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼プラント等を構成する大規模な各処
理プロセス(物理現象)に対して、多品種製品のそれぞ
れに対し所望の特性が得られるように各処理条件を設定
し直す場合、実際に対象となる処理プロセスを稼働させ
て得られた結果(出力情報)に基づいて逐次最適な処理
条件の設定を行うと、膨大なコストが必要になる。
理プロセス(物理現象)に対して、多品種製品のそれぞ
れに対し所望の特性が得られるように各処理条件を設定
し直す場合、実際に対象となる処理プロセスを稼働させ
て得られた結果(出力情報)に基づいて逐次最適な処理
条件の設定を行うと、膨大なコストが必要になる。
【0003】そこで、従来は予め上記処理プロセスを数
式で表した物理モデル(特に、プロセス特性を数式で表
した物理モデル)を用意し、この物理モデルに対して所
望の特性となる出力結果が得られるように処理条件を逐
次変更し、所望の特性が得られるようになった時点で処
理プロセスの処理条件を設定した後、実際に処理プロセ
スを稼働させるのが一般的であった。
式で表した物理モデル(特に、プロセス特性を数式で表
した物理モデル)を用意し、この物理モデルに対して所
望の特性となる出力結果が得られるように処理条件を逐
次変更し、所望の特性が得られるようになった時点で処
理プロセスの処理条件を設定した後、実際に処理プロセ
スを稼働させるのが一般的であった。
【0004】図17は、実際に稼働している処理プロセ
ス1の実際の出力結果(処理済み材料の各種測定値)が
所望の特性を有するように、最適な処理条件を設定する
ための従来の信号処理方法を実現する信号処理装置Aの
構造を示す図である。
ス1の実際の出力結果(処理済み材料の各種測定値)が
所望の特性を有するように、最適な処理条件を設定する
ための従来の信号処理方法を実現する信号処理装置Aの
構造を示す図である。
【0005】この図において、従来の信号処理装置A
は、実際の対象となる処理プロセス1を数式で近似する
ように表された物理モデル3と、この物理モデル3から
の出力(予測出力)と予め用意されている所望特性4と
を比較して誤差を算出し、さらに上記所望特性4に近似
した値を得るように、この物理モデル3に対して順次処
理条件の変更指示を行う誤差評価手段2から構成されて
いる。
は、実際の対象となる処理プロセス1を数式で近似する
ように表された物理モデル3と、この物理モデル3から
の出力(予測出力)と予め用意されている所望特性4と
を比較して誤差を算出し、さらに上記所望特性4に近似
した値を得るように、この物理モデル3に対して順次処
理条件の変更指示を行う誤差評価手段2から構成されて
いる。
【0006】すなわち、従来の信号処理装置Aでは、実
際に処理プロセス1に供給される材料の情報として、セ
ンサ(図示せず)等により得られた各種測定値である複
数のパラメータZj を物理モデル3に入力し、上記処理
プロセス1の予測出力Yj として物理モデル3からその
予測値を得ている。
際に処理プロセス1に供給される材料の情報として、セ
ンサ(図示せず)等により得られた各種測定値である複
数のパラメータZj を物理モデル3に入力し、上記処理
プロセス1の予測出力Yj として物理モデル3からその
予測値を得ている。
【0007】この物理モデル3からの予測出力Yj を得
る動作と平行して誤差評価手段2では、逐次この物理モ
デル3の予測出力Yj と所望特性4の誤差を求め、この
誤差が所定範囲内にない場合、新たに物理モデル3に対
して処理条件の変更を指示し、さらに物理モデル3の予
測出力Yj が所望特性4に近づくように処理条件の設定
を行っている。
る動作と平行して誤差評価手段2では、逐次この物理モ
デル3の予測出力Yj と所望特性4の誤差を求め、この
誤差が所定範囲内にない場合、新たに物理モデル3に対
して処理条件の変更を指示し、さらに物理モデル3の予
測出力Yj が所望特性4に近づくように処理条件の設定
を行っている。
【0008】そして、上記誤差評価手段2は、物理モデ
ル3の予測出力Yj と所望特性4との誤差が許容範囲内
になったと判断した場合、この物理モデル3にすでに指
示している処理条件を最適な処理条件として、上記実際
の模擬対象である処理プロセス1に対し、最適な処理条
件の設定指示を行う。
ル3の予測出力Yj と所望特性4との誤差が許容範囲内
になったと判断した場合、この物理モデル3にすでに指
示している処理条件を最適な処理条件として、上記実際
の模擬対象である処理プロセス1に対し、最適な処理条
件の設定指示を行う。
【0009】ところが、上述した従来の信号処理装置A
において特に問題となるのは、この信号処理装置Aで行
なうシミュレーションの精度及び信頼性が物理モデル3
の完成度に大きく依存している点である。すなわち、処
理プロセス1の動作をシミュレートする物理モデル3が
どの程度までこの処理プロセス1の特性を近似している
か(十分に近似された数式で表されているか)によっ
て、当該信号処理装置Aが行うシミュレーションの精度
及び信頼性の良否が決るということである。
において特に問題となるのは、この信号処理装置Aで行
なうシミュレーションの精度及び信頼性が物理モデル3
の完成度に大きく依存している点である。すなわち、処
理プロセス1の動作をシミュレートする物理モデル3が
どの程度までこの処理プロセス1の特性を近似している
か(十分に近似された数式で表されているか)によっ
て、当該信号処理装置Aが行うシミュレーションの精度
及び信頼性の良否が決るということである。
【0010】そこで、従来は一定期間ごとに従来の信号
処理装置Aにおける物理モデル3から得られた予測出力
Yj と現実の処理済み材料の各種測定値(実績値Tj )
から、重回帰等の最適化手段5を用いて最適値を算出
し、この最適値にしたがって当該信号処理装置Aにおけ
る物理モデル3を現実の処理プロセス1に近似させるチ
ューニングを人手により行っていた。
処理装置Aにおける物理モデル3から得られた予測出力
Yj と現実の処理済み材料の各種測定値(実績値Tj )
から、重回帰等の最適化手段5を用いて最適値を算出
し、この最適値にしたがって当該信号処理装置Aにおけ
る物理モデル3を現実の処理プロセス1に近似させるチ
ューニングを人手により行っていた。
【0011】なお、上述したように最適値を得る最適化
手段5が行っている最適化手法について以下説明する。
手段5が行っている最適化手法について以下説明する。
【0012】まず、直線回帰手法は、測定量X、Yにつ
いて一次関数の関係がある場合、n組の測定値をxi 、
yi (i=1、2、…、n)として、 y(xi )=a+b・xi とおく。上式におけるxi の分散が無視できるほど小さ
く、かつyi が正規分布に従い、分散σ2 が全て等しい
時、上記一次関数の評価関数を
いて一次関数の関係がある場合、n組の測定値をxi 、
yi (i=1、2、…、n)として、 y(xi )=a+b・xi とおく。上式におけるxi の分散が無視できるほど小さ
く、かつyi が正規分布に従い、分散σ2 が全て等しい
時、上記一次関数の評価関数を
【0013】
【数1】
【0014】と定義し、この評価関数χ2 を最小にする
各係数a、bを求めるに当たり、
各係数a、bを求めるに当たり、
【0015】
【数2】
【0016】の連立方程式を解くことにより、最適化を
行う。したがって、この連立方程式を以下のように書き
直し、
行う。したがって、この連立方程式を以下のように書き
直し、
【0017】
【数3】
【0018】正規方程式とすることで、最適解a、bを
得る。
得る。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、
【0021】
【数5】
【0022】とする。
【0023】次に、曲線回帰手法について説明する。こ
の手法はn組の測定値xi 、yi (i=1、2、…、
n)が以下の2次関数の関係にある場合、 Y=a+b・X+c・X2 この関数に対して、評価関数を
の手法はn組の測定値xi 、yi (i=1、2、…、
n)が以下の2次関数の関係にある場合、 Y=a+b・X+c・X2 この関数に対して、評価関数を
【0024】
【数6】
【0025】で定義し、この評価関数χ2 を最小にする
各係数a、b、cを求めるため、以下の偏微分方程式 ∂χ2 /∂a=0,∂χ2 /∂b=0,∂χ2 /∂c=0 から、以下の連立方程式を得る。
各係数a、b、cを求めるため、以下の偏微分方程式 ∂χ2 /∂a=0,∂χ2 /∂b=0,∂χ2 /∂c=0 から、以下の連立方程式を得る。
【0026】
【数7】
【0027】そして、この連立方程式について各係数
a、b、cを求めることにより、最適解を得る。
a、b、cを求めることにより、最適解を得る。
【0028】次に、以下の多項式について、最小2乗法
を用いて最適化を行う場合について説明する。
を用いて最適化を行う場合について説明する。
【0029】変数Yが変数XのP次式(下式)で表され
る場合、 Y=a+b・X+…k・XP この変数Xの分散は無視できる程小さく、かつ変数Yは
分散σ2 が一定の正規分布に従うとすると、n組の測定
値をxi ,yi (i=1、2、…、n)としたとき、各
係数a、b、…、kは、以下の正規方程式
る場合、 Y=a+b・X+…k・XP この変数Xの分散は無視できる程小さく、かつ変数Yは
分散σ2 が一定の正規分布に従うとすると、n組の測定
値をxi ,yi (i=1、2、…、n)としたとき、各
係数a、b、…、kは、以下の正規方程式
【0030】
【数8】
【0031】の解として得られ、これら各係数が最適解
となる。
となる。
【0032】次に、以下の多元1次方程式について、最
小2乗法を用いて最適化を行う場合について説明する。
小2乗法を用いて最適化を行う場合について説明する。
【0033】求める量をそれぞれx、y、…、tとし、
n組の測定値をqi (i=1、2、…、n)とした場
合、各係数ai 、bi 、…、ki についての多次元1次
方程式を、 ai ・x+bi ・y+…+ki ・t=qi について、以下の正規方程式から得られる各解(x、
y、…、t)を最適解として得る。
n組の測定値をqi (i=1、2、…、n)とした場
合、各係数ai 、bi 、…、ki についての多次元1次
方程式を、 ai ・x+bi ・y+…+ki ・t=qi について、以下の正規方程式から得られる各解(x、
y、…、t)を最適解として得る。
【0034】
【数9】
【0035】但し、wi は加重であり、各解が正規分布
のとき、この加重wi は wi =1/σi 2 となる。
のとき、この加重wi は wi =1/σi 2 となる。
【0036】なお、以上の最適化手法は、例えば竹村彰
通、”現代数理統計学”、(創文社現代経済学選書)に
開示されている。
通、”現代数理統計学”、(創文社現代経済学選書)に
開示されている。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】従来の信号処理方法及
びその装置は以上のように、定期的に行う当該信号処理
装置における物理モデルのチューニング(予測出力とし
て利用できる適正な出力を得るために、物理モデルを処
理プロセスに近似し直すこと)は、オフライン状態にお
いて、重回帰等の手法を用いた最適化手段により、ヒュ
ーリスティックに算出された最適解で各処理条件を設定
し直すことにより行われていた。
びその装置は以上のように、定期的に行う当該信号処理
装置における物理モデルのチューニング(予測出力とし
て利用できる適正な出力を得るために、物理モデルを処
理プロセスに近似し直すこと)は、オフライン状態にお
いて、重回帰等の手法を用いた最適化手段により、ヒュ
ーリスティックに算出された最適解で各処理条件を設定
し直すことにより行われていた。
【0038】したがって、以上のようなチューニング方
法では調整する人によって、あるいは同一の人であって
も別な時間に調整することによって異なる解を得ること
になり、普遍的な最適解を一意に決定することは困難で
あり、かつ得られた結果が最適な条件であることを証明
することができないという課題があった。
法では調整する人によって、あるいは同一の人であって
も別な時間に調整することによって異なる解を得ること
になり、普遍的な最適解を一意に決定することは困難で
あり、かつ得られた結果が最適な条件であることを証明
することができないという課題があった。
【0039】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、現実の物理現象を数式で表した物
理モデルの最適化について、従来人手に頼っていたチュ
ーニング作業を自動化するとともに、普遍的な最適化結
果が得られる信号処理方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
めになされたもので、現実の物理現象を数式で表した物
理モデルの最適化について、従来人手に頼っていたチュ
ーニング作業を自動化するとともに、普遍的な最適化結
果が得られる信号処理方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】この発明に係る信号処理
方法及びその装置において、まず請求項1に係る信号処
理方法を実現する請求項6に係る信号処理装置は、例え
ば鉄鋼プラントにおける圧延プロセス等の現実の処理プ
ロセス、特にプロセス特性が数式で近似するように表さ
れた物理モデルの予測出力を、該処理プロセスから得ら
れる実績値(圧延プロセスから得られる現実の物理量)
を用いて最適化するものである。
方法及びその装置において、まず請求項1に係る信号処
理方法を実現する請求項6に係る信号処理装置は、例え
ば鉄鋼プラントにおける圧延プロセス等の現実の処理プ
ロセス、特にプロセス特性が数式で近似するように表さ
れた物理モデルの予測出力を、該処理プロセスから得ら
れる実績値(圧延プロセスから得られる現実の物理量)
を用いて最適化するものである。
【0041】なお、当該信号処理方法及び信号処理装置
で対象としている現実の処理プロセスとしては、上記圧
延プロセスのほか、例えば半導体の気相プロセス、表面
処理鋼板の合金化プロセス、メッキ鋼板のメッキ付着プ
ロセス、電磁鋼板の酸化プロセス等が該当する。また、
現実の処理プロセスから得られる現実の物理量として
は、上記圧延プロセスの場合、例えば熱間圧延における
板幅、板厚及びクラウン、あるいは冷間圧延における板
厚、クラウン等が該当する。
で対象としている現実の処理プロセスとしては、上記圧
延プロセスのほか、例えば半導体の気相プロセス、表面
処理鋼板の合金化プロセス、メッキ鋼板のメッキ付着プ
ロセス、電磁鋼板の酸化プロセス等が該当する。また、
現実の処理プロセスから得られる現実の物理量として
は、上記圧延プロセスの場合、例えば熱間圧延における
板幅、板厚及びクラウン、あるいは冷間圧延における板
厚、クラウン等が該当する。
【0042】具体的には、上記処理プロセスの特性を近
似する第1の適応モデルとして、予め上記処理プロセス
を数式で良好に近似している物理モデルg(x)(xは
入力信号であり、このモデルの近似状態は所定時間経過
した時点における近似状態まで保証されているものでは
ない)と、この物理モデルからの出力を、さらに良好に
上記処理プロセスの出力(実績値)に近似させるべく補
正する補正処理部であって、該物理モデルからの出力信
号に収束半径を加算(負の加算を含み、この定数は零で
あってもよい)した加算結果について1又は2以上の巾
乗項を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義した
巾乗係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算
結果を全て加算する巾乗展開部f(x)、及びこの巾乗
展開部f(x)の各定数及び巾乗係数群の最適値を再帰
的に決定する最適化手段とを有する第1の補正処理部と
を直列に接続して構成している。
似する第1の適応モデルとして、予め上記処理プロセス
を数式で良好に近似している物理モデルg(x)(xは
入力信号であり、このモデルの近似状態は所定時間経過
した時点における近似状態まで保証されているものでは
ない)と、この物理モデルからの出力を、さらに良好に
上記処理プロセスの出力(実績値)に近似させるべく補
正する補正処理部であって、該物理モデルからの出力信
号に収束半径を加算(負の加算を含み、この定数は零で
あってもよい)した加算結果について1又は2以上の巾
乗項を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義した
巾乗係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算
結果を全て加算する巾乗展開部f(x)、及びこの巾乗
展開部f(x)の各定数及び巾乗係数群の最適値を再帰
的に決定する最適化手段とを有する第1の補正処理部と
を直列に接続して構成している。
【0043】なお、この巾乗展開部は以下のように任意
の関数をテイラー級数で表すモデルであり、式中におい
てai は巾乗係数群、cは入力信号xに加算(負の加算
を含み、この信号xの値は零であってもよい)される収
束半径である定数を示している。
の関数をテイラー級数で表すモデルであり、式中におい
てai は巾乗係数群、cは入力信号xに加算(負の加算
を含み、この信号xの値は零であってもよい)される収
束半径である定数を示している。
【0044】
【数10】
【0045】以上のように第1の補正処理部における最
適化手段により、この第1の適応モデルの予測出力(第
1の物理モデルの出力をさらに入力して得られた第1の
補正処理部からの出力)と処理プロセスの現実の出力と
の誤差を最小にするように、各定数及び巾乗係数群の変
更指示をすることで、さらに上記第1の適応モデルf
(g(x))を現実の処理プロセスに近似させることを
特徴としている。
適化手段により、この第1の適応モデルの予測出力(第
1の物理モデルの出力をさらに入力して得られた第1の
補正処理部からの出力)と処理プロセスの現実の出力と
の誤差を最小にするように、各定数及び巾乗係数群の変
更指示をすることで、さらに上記第1の適応モデルf
(g(x))を現実の処理プロセスに近似させることを
特徴としている。
【0046】また、請求項2に係る信号処理方法を実現
する請求項7に係る信号処理装置は、上記処理プロセス
の特性が数式で十分に近似するように表されていない物
理モデル(あるいは十分に近似しきれない物理モデル)
を利用しなければならない場合を想定している。
する請求項7に係る信号処理装置は、上記処理プロセス
の特性が数式で十分に近似するように表されていない物
理モデル(あるいは十分に近似しきれない物理モデル)
を利用しなければならない場合を想定している。
【0047】すなわち、現実の処理プロセスの特性を近
似する第1の適応モデルとして、上記処理プロセスを数
式で良好に近似していない第1の物理モデルg(x)
と、この第1の物理モデルの出力として処理プロセスの
出力に近似した出力を得る第2の物理モデルと、上記第
1の物理モデルからの出力を入力として該出力信号に収
束半径を加算(負の加算を含み、零の加算であってもよ
い)した加算結果について1又は2以上の巾乗項を算出
し、これら各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係数群
を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算結果を全て
加算する上記巾乗展開部f(x)、及び巾乗展開部f
(x)の収束半径である定数及び巾乗係数群の最適値を
再帰的に決定する最適化手段を有する第1の補正処理部
から構成している。
似する第1の適応モデルとして、上記処理プロセスを数
式で良好に近似していない第1の物理モデルg(x)
と、この第1の物理モデルの出力として処理プロセスの
出力に近似した出力を得る第2の物理モデルと、上記第
1の物理モデルからの出力を入力として該出力信号に収
束半径を加算(負の加算を含み、零の加算であってもよ
い)した加算結果について1又は2以上の巾乗項を算出
し、これら各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係数群
を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算結果を全て
加算する上記巾乗展開部f(x)、及び巾乗展開部f
(x)の収束半径である定数及び巾乗係数群の最適値を
再帰的に決定する最適化手段を有する第1の補正処理部
から構成している。
【0048】そして、第1の工程では、上記第1の物理
モデルg(x)からの出力を入力として処理プロセスの
出力に近似した出力を得る第2の物理モデルk(g
(x))を定義し、上記第1の補正処理部における巾乗
展開部f(x)の収束半径である定数及び巾乗係数群の
最適値を再帰的に決定する最適化手段(第1の補正処理
部)により、上記第2の物理モデルの出力と第1の補正
処理部の出力(この出力が第2の適応モデルの出力とな
る)との誤差が最小になるように、各収束半径及び巾乗
係数群の変更指示をすることで、この第2の物理モデル
を第1の補正処理部における巾乗展開部f(x)に写像
する(k(x)=f(x)とする)。
モデルg(x)からの出力を入力として処理プロセスの
出力に近似した出力を得る第2の物理モデルk(g
(x))を定義し、上記第1の補正処理部における巾乗
展開部f(x)の収束半径である定数及び巾乗係数群の
最適値を再帰的に決定する最適化手段(第1の補正処理
部)により、上記第2の物理モデルの出力と第1の補正
処理部の出力(この出力が第2の適応モデルの出力とな
る)との誤差が最小になるように、各収束半径及び巾乗
係数群の変更指示をすることで、この第2の物理モデル
を第1の補正処理部における巾乗展開部f(x)に写像
する(k(x)=f(x)とする)。
【0049】次に、第2の工程として上記最適化手段に
より、第2の物理モデルが巾乗展開部に写像された後
は、処理プロセスの現実の出力とこの第1の補正処理部
(第2の適応モデルの出力)との誤差を最小にするよう
に各収束半径及び巾乗係数群の変更指示をすることで、
さらに上記第2の適応モデルf(g(x))を現実の処
理プロセスに近似させることを特徴としている。
より、第2の物理モデルが巾乗展開部に写像された後
は、処理プロセスの現実の出力とこの第1の補正処理部
(第2の適応モデルの出力)との誤差を最小にするよう
に各収束半径及び巾乗係数群の変更指示をすることで、
さらに上記第2の適応モデルf(g(x))を現実の処
理プロセスに近似させることを特徴としている。
【0050】さらに、上記第1の適応モデル(補正処理
部を1つ備える)の他の構成として(第2の適応モデ
ル)、第1の補正処理部の出力について上記処理プロセ
スから得られる実績値との誤差のかたよりをなくすとと
もに、実績値とするサンプルの数を大きくすることによ
り測定誤差等のホワイト・ノイズの影響を除去する第2
の補正処理部を設けるようにしてもよい(請求項3及び
8)。
部を1つ備える)の他の構成として(第2の適応モデ
ル)、第1の補正処理部の出力について上記処理プロセ
スから得られる実績値との誤差のかたよりをなくすとと
もに、実績値とするサンプルの数を大きくすることによ
り測定誤差等のホワイト・ノイズの影響を除去する第2
の補正処理部を設けるようにしてもよい(請求項3及び
8)。
【0051】この場合、上記第2の補正処理部は上記第
1の補正処理部からの出力を入力として、該入力信号に
収束半径を加算(負の加算を含み、この定数は零であっ
てもよい)した加算結果について1又は2以上の巾乗項
を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義した巾乗
係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算結果
を全て加算する巾乗展開部h(x)、及びこの巾乗展開
部h(x)の各定数及び巾乗係数群の最適値を再帰的に
決定する最適化手段とを備えている。
1の補正処理部からの出力を入力として、該入力信号に
収束半径を加算(負の加算を含み、この定数は零であっ
てもよい)した加算結果について1又は2以上の巾乗項
を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義した巾乗
係数群を各巾乗項のそれぞれに乗算し、これら乗算結果
を全て加算する巾乗展開部h(x)、及びこの巾乗展開
部h(x)の各定数及び巾乗係数群の最適値を再帰的に
決定する最適化手段とを備えている。
【0052】なお、上記巾乗展開部h(x)の構成は上
述した第1の補正処理部における巾乗展開部f(x)の
構成と同一であり、したがって、これら第1及び第2の
補正処理部におけるそれぞれの最適化手段は、それぞれ
の巾乗展開部に対して同様の最適化処理を行っている。
述した第1の補正処理部における巾乗展開部f(x)の
構成と同一であり、したがって、これら第1及び第2の
補正処理部におけるそれぞれの最適化手段は、それぞれ
の巾乗展開部に対して同様の最適化処理を行っている。
【0053】通常、処理プロセスへの最適な処理条件の
設定は、上述したように現実の処理プロセスに、自動的
にかつより正確に近似された第1の適応モデルf(g
(x))あるいは第2の適応モデルf(h(g
(x)))を備えた信号処理装置において、誤差評価手
段により所望特性とこれら第1及び第2の適応モデルか
ら得られる出力についてその出力誤差を評価する。そし
て、これら第1及び第2の適応モデルの出力が所定の誤
差範囲になければこの誤差評価手段から第1及び第2の
適応モデルに対して処理条件の変更が指示される。そし
て、第1及び第2の適応モデルの出力が所定の誤差範囲
であると判断された時点でこれら第1及び第2の適応モ
デルにすでに指示している最適処理条件にすべく、現実
の処理プロセスへの最適な処理条件の設定が行われる
(請求項4及び9)。
設定は、上述したように現実の処理プロセスに、自動的
にかつより正確に近似された第1の適応モデルf(g
(x))あるいは第2の適応モデルf(h(g
(x)))を備えた信号処理装置において、誤差評価手
段により所望特性とこれら第1及び第2の適応モデルか
ら得られる出力についてその出力誤差を評価する。そし
て、これら第1及び第2の適応モデルの出力が所定の誤
差範囲になければこの誤差評価手段から第1及び第2の
適応モデルに対して処理条件の変更が指示される。そし
て、第1及び第2の適応モデルの出力が所定の誤差範囲
であると判断された時点でこれら第1及び第2の適応モ
デルにすでに指示している最適処理条件にすべく、現実
の処理プロセスへの最適な処理条件の設定が行われる
(請求項4及び9)。
【0054】なお、この明細書でいうチューニングと
は、上記第1及び第2の適応モデルを構成する第1及び
第2の補正処理部の各パラメータをそれぞれ模擬対象で
ある現実の処理プロセスに近似させるために修正する動
作であり、上記誤差評価手段が行なっている処理条件の
変更及び設定動作とは異なる動作である。
は、上記第1及び第2の適応モデルを構成する第1及び
第2の補正処理部の各パラメータをそれぞれ模擬対象で
ある現実の処理プロセスに近似させるために修正する動
作であり、上記誤差評価手段が行なっている処理条件の
変更及び設定動作とは異なる動作である。
【0055】一方、上記第1及び第2の補正処理部で
は、それぞれ最適化手段における巾乗展開部f(x)
(及びh(x))の収束半径である各定数c及び巾乗係
数群aiの最適値の決定が、以下に示すように一般化デ
ルタルールにより行われる(請求項5、10及び1
1)。
は、それぞれ最適化手段における巾乗展開部f(x)
(及びh(x))の収束半径である各定数c及び巾乗係
数群aiの最適値の決定が、以下に示すように一般化デ
ルタルールにより行われる(請求項5、10及び1
1)。
【0056】すなわち、現実の処理プロセスからの出力
である実績値Tj (あるいは上記第2の物理モデルの出
力)と、適応モデルの出力Yj との評価関数Eを、 Ej =(Tj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(x,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は、
である実績値Tj (あるいは上記第2の物理モデルの出
力)と、適応モデルの出力Yj との評価関数Eを、 Ej =(Tj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(x,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は、
【0057】
【数11】
【0058】として定義し、微分方程式 dai /dt=−η∂E(x,ai ,c)/∂ai dc/dt =−η∂E(x,ai ,c)/∂c ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ステ
ップサイズともいう)である。
ップサイズともいう)である。
【0059】からそれぞれ変化量を算出し、以下のよう
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(x,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(x,ai ,c)
/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返している。
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(x,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(x,ai ,c)
/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返している。
【0060】また、新たなパラメータの決定方法として
は、上記評価関数Eの2階微分を数値微分法を適用して
以下のように決定するようにしてもよい。
は、上記評価関数Eの2階微分を数値微分法を適用して
以下のように決定するようにしてもよい。
【0061】ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/
∂ai −ρ∂2 E)/∂ai 2 c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c−ρ∂2 E
/∂c2
∂ai −ρ∂2 E)/∂ai 2 c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c−ρ∂2 E
/∂c2
【0062】
【作用】この発明における信号処理方法及その装置は、
現実の処理プロセスの特性を近似する第1の適応モデル
として、この処理プロセスを近似した第1の物理モデル
と、任意の関数をテイラー級数で表した巾乗展開部及び
この巾乗展開部の出力を処理プロセスの出力により近い
出力を得るように、収束半径及び巾乗係数群を修正する
最適化手段を有する第1の補正処理部とを直列に接続し
て構成したので(応用例1)、上記第1の物理モデルが
良好に処理プロセスを近似している場合でもさらに精密
な近似を可能にする。
現実の処理プロセスの特性を近似する第1の適応モデル
として、この処理プロセスを近似した第1の物理モデル
と、任意の関数をテイラー級数で表した巾乗展開部及び
この巾乗展開部の出力を処理プロセスの出力により近い
出力を得るように、収束半径及び巾乗係数群を修正する
最適化手段を有する第1の補正処理部とを直列に接続し
て構成したので(応用例1)、上記第1の物理モデルが
良好に処理プロセスを近似している場合でもさらに精密
な近似を可能にする。
【0063】また、上記第1の物理モデルが良好に処理
プロセスを近似していない場合(あるいは良好に近似す
る物理モデルが構築できない場合)でも、この第1の物
理モデルの出力を入力して処理プロセスの出力に近似し
た出力を得る第2の物理モデルを、予め上記第1の補正
処理部における巾乗展開部に写像しておくことにより
(応用例2)、同様に精密な近似が可能になる。
プロセスを近似していない場合(あるいは良好に近似す
る物理モデルが構築できない場合)でも、この第1の物
理モデルの出力を入力して処理プロセスの出力に近似し
た出力を得る第2の物理モデルを、予め上記第1の補正
処理部における巾乗展開部に写像しておくことにより
(応用例2)、同様に精密な近似が可能になる。
【0064】さらに、上述した最適化手段により処理プ
ロセスを精密に近似する適応モデルを自動的に構築でき
るので、当該適応モデルの人手によるチューニング作業
が不要になるとともに、従来よりも高精度でかつ信頼性
の高いシミュレーションが可能になる。
ロセスを精密に近似する適応モデルを自動的に構築でき
るので、当該適応モデルの人手によるチューニング作業
が不要になるとともに、従来よりも高精度でかつ信頼性
の高いシミュレーションが可能になる。
【0065】一方、第2の適応モデルとして、上記第1
の適応モデル(応用例1及び2)における第1の補正処
理部の出力を入力とする第2の補正処理部を設け、該第
1の補正処理部の出力と処理プロセスの出力との各誤差
のかたよりをなくすようにさらに最適化を行うので、最
終的に上記現実の模擬対象である処理プロセスの予測出
力として得られる値は、該出力誤差にかたよりがなく、
さらに実績値とするサンプルの数を大きくすることによ
りセンサ等の固有誤差及び計測誤差等のホワイト・ノイ
ズの影響を受けない値となる。
の適応モデル(応用例1及び2)における第1の補正処
理部の出力を入力とする第2の補正処理部を設け、該第
1の補正処理部の出力と処理プロセスの出力との各誤差
のかたよりをなくすようにさらに最適化を行うので、最
終的に上記現実の模擬対象である処理プロセスの予測出
力として得られる値は、該出力誤差にかたよりがなく、
さらに実績値とするサンプルの数を大きくすることによ
りセンサ等の固有誤差及び計測誤差等のホワイト・ノイ
ズの影響を受けない値となる。
【0066】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1乃至図16
を用いて説明する。なお、図中同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。
を用いて説明する。なお、図中同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。
【0067】図1は、この発明に係る信号処理方法を実
現する信号処理装置Bを含む全体構造を示す図であり、
特にこの信号処理装置Bは、現実に稼働している処理プ
ロセス1を近似する適応モデル6と、この自動的にチュ
ーニングされた適応モデル6の予測出力と所望特性4と
を比較し、その誤差が許容範囲になければさらに適応モ
デル6に対して処理条件の変更を指示するが、その誤差
が許容範囲にあれば現実の処理プロセス1を最適な処理
条件に設定する誤差評価手段2から構成されている。
現する信号処理装置Bを含む全体構造を示す図であり、
特にこの信号処理装置Bは、現実に稼働している処理プ
ロセス1を近似する適応モデル6と、この自動的にチュ
ーニングされた適応モデル6の予測出力と所望特性4と
を比較し、その誤差が許容範囲になければさらに適応モ
デル6に対して処理条件の変更を指示するが、その誤差
が許容範囲にあれば現実の処理プロセス1を最適な処理
条件に設定する誤差評価手段2から構成されている。
【0068】この発明に係る信号処理方法は、従来のよ
うに人手により定期的にチューニングされた物理モデル
3を、現実の処理プロセス1のシミュレーションに利用
するのではなく、自動的にかつ普遍的な最適値によりチ
ューニングされた適応モデル6を利用することを特徴と
している。
うに人手により定期的にチューニングされた物理モデル
3を、現実の処理プロセス1のシミュレーションに利用
するのではなく、自動的にかつ普遍的な最適値によりチ
ューニングされた適応モデル6を利用することを特徴と
している。
【0069】すなわち、当該信号処理装置Bでは、実際
に処理プロセス1に供給される材料の情報として、セン
サ(図示せず)等により得られた各種測定値である複数
のパラメータZj を、予めチューニングされた適応モデ
ル6に入力し、上記処理プロセス1の予測出力Wj とし
て、適応モデル6の出力を得ている。
に処理プロセス1に供給される材料の情報として、セン
サ(図示せず)等により得られた各種測定値である複数
のパラメータZj を、予めチューニングされた適応モデ
ル6に入力し、上記処理プロセス1の予測出力Wj とし
て、適応モデル6の出力を得ている。
【0070】一方、この適応モデル6から予測出力Wj
を得る動作と平行して誤差評価手段2では、逐次この適
応モデル6の予測出力Wj と所望特性4との誤差を求
め、この誤差が所定範囲内にない場合、新たに適応モデ
ル6に対して処理条件の変更を指示し、さらに適応モデ
ル6の予測出力Wj が所望特性4に近づくように処理条
件の設定を行っている。
を得る動作と平行して誤差評価手段2では、逐次この適
応モデル6の予測出力Wj と所望特性4との誤差を求
め、この誤差が所定範囲内にない場合、新たに適応モデ
ル6に対して処理条件の変更を指示し、さらに適応モデ
ル6の予測出力Wj が所望特性4に近づくように処理条
件の設定を行っている。
【0071】そして、上記誤差評価手段2は、適応モデ
ル6の予測出力Wj と所望特性4との誤差が許容範囲内
におさまったと判断した場合、この適応モデル6の処理
条件を最適な処理条件として、上記実際の模擬対象であ
る処理プロセス1に対し、処理条件の設定指示を行って
いる。
ル6の予測出力Wj と所望特性4との誤差が許容範囲内
におさまったと判断した場合、この適応モデル6の処理
条件を最適な処理条件として、上記実際の模擬対象であ
る処理プロセス1に対し、処理条件の設定指示を行って
いる。
【0072】実施例1 次に、上記適応モデル6の構成として、第1の適応モデ
ルにおける自動チューニング動作について説明する(応
用例1)。
ルにおける自動チューニング動作について説明する(応
用例1)。
【0073】図2は、現実の処理プロセス1を近似する
第1の適応モデル6の構成を示した図であり、この第1
の適応モデル6は、第1の物理モデル3(人手によりす
でにチューニングされた従来の物理モデルg(Zj ))
と、この第1の物理モデル3からの出力Xj に収束半径
である定数cを加算(負の加算を含み、この定数は零で
あってもよい)して1又は2以上の巾乗項を算出し、こ
れら各巾乗項に対応して予め定義された巾乗係数群ai
を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算結果を全て加算す
る巾乗展開部7a、及びこの巾乗展開部の出力Wj と現
実の処理プロセス1の出力(実績値Tj )に基づいて各
定数c及び巾乗係数群ai の最適値を決定することによ
り、シミュレーションモデルとして第1の適応モデル6
の予測出力(Wj =f(g(Zj )))の最適化を行っ
ている最適化手段7bを有する第1の補正手段6aを直
列に接続して構成されている。
第1の適応モデル6の構成を示した図であり、この第1
の適応モデル6は、第1の物理モデル3(人手によりす
でにチューニングされた従来の物理モデルg(Zj ))
と、この第1の物理モデル3からの出力Xj に収束半径
である定数cを加算(負の加算を含み、この定数は零で
あってもよい)して1又は2以上の巾乗項を算出し、こ
れら各巾乗項に対応して予め定義された巾乗係数群ai
を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算結果を全て加算す
る巾乗展開部7a、及びこの巾乗展開部の出力Wj と現
実の処理プロセス1の出力(実績値Tj )に基づいて各
定数c及び巾乗係数群ai の最適値を決定することによ
り、シミュレーションモデルとして第1の適応モデル6
の予測出力(Wj =f(g(Zj )))の最適化を行っ
ている最適化手段7bを有する第1の補正手段6aを直
列に接続して構成されている。
【0074】特に、上記第1の補正処理部6aにおける
巾乗展開部7aは以下のように任意の関数をテイラー級
数で表したモデルf(Xj )であり、
巾乗展開部7aは以下のように任意の関数をテイラー級
数で表したモデルf(Xj )であり、
【0075】
【数12】
【0076】この最適化手段7bは上記現実の処理プロ
セス1の出力(実績値Tj )に基づいて各定数c及び巾
乗係数群ai の最適値を決定することにより、シミュレ
ーションモデルとして第1の適応モデル6の予測出力
(Wj =f(g(Zj )))の最適化を行っている。な
お、図3は現実の材料から得られた物理量(パラメータ
値Zj )が入力された場合の第1の適応モデル6の予測
出力Wj 、及び処理プロセス1の出力Tj (実績値)の
関係を時系列に示した図である。
セス1の出力(実績値Tj )に基づいて各定数c及び巾
乗係数群ai の最適値を決定することにより、シミュレ
ーションモデルとして第1の適応モデル6の予測出力
(Wj =f(g(Zj )))の最適化を行っている。な
お、図3は現実の材料から得られた物理量(パラメータ
値Zj )が入力された場合の第1の適応モデル6の予測
出力Wj 、及び処理プロセス1の出力Tj (実績値)の
関係を時系列に示した図である。
【0077】上記第1の補正処理部6aにおける最適化
手段7bによる巾乗展開部7aの自動チューニング動作
(当該第1の適応モデル6の自動チューニング動作に相
当)は、まず第1の実施例として上記第1の物理モデル
3が処理プロセス1に良好に近似されている場合、最適
化手段7bが当該第1の適応モデル6の予測出力Wjと
処理プロセス1の出力Tj から一般化デルタルールを用
いて巾乗展開部7a(f(Xj )は巾乗展開部7aを示
し、Xj は第1の物理モデル3からの出力を示す)の各
定数c及び巾乗係数群ai の最適値を順次決定していく
ことで、チューニングを自動的に行なっている。
手段7bによる巾乗展開部7aの自動チューニング動作
(当該第1の適応モデル6の自動チューニング動作に相
当)は、まず第1の実施例として上記第1の物理モデル
3が処理プロセス1に良好に近似されている場合、最適
化手段7bが当該第1の適応モデル6の予測出力Wjと
処理プロセス1の出力Tj から一般化デルタルールを用
いて巾乗展開部7a(f(Xj )は巾乗展開部7aを示
し、Xj は第1の物理モデル3からの出力を示す)の各
定数c及び巾乗係数群ai の最適値を順次決定していく
ことで、チューニングを自動的に行なっている。
【0078】すなわち、現実の処理プロセスからの出力
である実績値Tj と、第1の適応モデル6の予測出力W
j (第1の物理モデル3の出力Xj を入力したときの巾
乗展開部7aの出力)とを用いた評価関数Eを、 Ej =(Tj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(Xj ,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は
である実績値Tj と、第1の適応モデル6の予測出力W
j (第1の物理モデル3の出力Xj を入力したときの巾
乗展開部7aの出力)とを用いた評価関数Eを、 Ej =(Tj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(Xj ,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は
【0079】
【数13】
【0080】として定義し、微分方程式 dai /dt=−η∂E(Xj ,ai ,c)/∂ai dc/dt =−η∂E(Xj ,ai ,c)/∂c ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ステ
ップサイズともいう)である。なお、以下に示す係数ρ
も学習係数である。
ップサイズともいう)である。なお、以下に示す係数ρ
も学習係数である。
【0081】からそれぞれ変化量を算出し、以下のよう
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、当該第1の適応モデル6をさらに処理プロ
セス1に近似させることを可能にしている。
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、当該第1の適応モデル6をさらに処理プロ
セス1に近似させることを可能にしている。
【0082】また、新たなパラメータの決定方法として
は、上記評価関数Eの2階微分を数値微分法を適用して
以下のように決定するようにしてもよい。
は、上記評価関数Eの2階微分を数値微分法を適用して
以下のように決定するようにしてもよい。
【0083】ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/
∂ai −ρ∂2 E)/∂ai 2 c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c−ρ∂2
E/∂c2 一方、模擬対象たる処理プロセス1は現実の物理現象で
あることを考慮すると、上記第1の物理モデル3を必ず
しも十分に近似できるとは限らない。そこで、この実施
例1における応用例2では、上記第1の物理モデル3が
良好に処理プロセス1を近似していない場合について図
4を用いて説明する。
∂ai −ρ∂2 E)/∂ai 2 c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c−ρ∂2
E/∂c2 一方、模擬対象たる処理プロセス1は現実の物理現象で
あることを考慮すると、上記第1の物理モデル3を必ず
しも十分に近似できるとは限らない。そこで、この実施
例1における応用例2では、上記第1の物理モデル3が
良好に処理プロセス1を近似していない場合について図
4を用いて説明する。
【0084】この応用例2の場合、第1の補正処理部6
aにおいて行われる最適化手段7bの巾乗展開部7aの
自動チューニング動作(実質的に第1の適応モデル6の
自動チューニング動作)は、まず第1の工程で、上記第
1の物理モデル3からの出力Xj(=g(Zj ))を入
力として処理プロセス1の出力(実績値Tj )に近似し
た出力を得る第2の物理モデル8(図中k(Xj )で示
す)を用意し、この第2の物理モデル8を巾乗展開部7
aに写像する。
aにおいて行われる最適化手段7bの巾乗展開部7aの
自動チューニング動作(実質的に第1の適応モデル6の
自動チューニング動作)は、まず第1の工程で、上記第
1の物理モデル3からの出力Xj(=g(Zj ))を入
力として処理プロセス1の出力(実績値Tj )に近似し
た出力を得る第2の物理モデル8(図中k(Xj )で示
す)を用意し、この第2の物理モデル8を巾乗展開部7
aに写像する。
【0085】すなわち、上記第2の物理モデル8から得
られる出力Kj と、第1の適応モデルの出力Wj (第1
の物理モデル3の出力Xj を入力したときの、当該第1
の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの出力)とを
用いた評価関数を、以下の数式14a Ej =(Kj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(Xj ,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は、
られる出力Kj と、第1の適応モデルの出力Wj (第1
の物理モデル3の出力Xj を入力したときの、当該第1
の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの出力)とを
用いた評価関数を、以下の数式14a Ej =(Kj −Yj )2 (j=1、2、…、n:データ数) ≡E(Xj ,ai ,c) (i=0、1、2、…、n) 又は、
【0086】
【数14】
【0087】として定義し、微分方程式 dai /dt=−η∂E(Xj ,ai ,c)/∂ai dc/dt =−η∂E(Xj ,ai ,c)/∂c ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ステ
ップサイズともいう)である。
ップサイズともいう)である。
【0088】からそれぞれ変化量を算出し、以下のよう
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、上記第2の物理モデル8を第1の補正処理
部6aにおける巾乗展開部7aに写像する(k(Xj )
=f(Xj )とする)。
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E(Xj ,ai ,
c)/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、上記第2の物理モデル8を第1の補正処理
部6aにおける巾乗展開部7aに写像する(k(Xj )
=f(Xj )とする)。
【0089】なお、上記各パラメータの決定方法として
は、応用例1と同様に評価関数Eの2階微分を数値微分
法を適用して決定するようにしてもよい。
は、応用例1と同様に評価関数Eの2階微分を数値微分
法を適用して決定するようにしてもよい。
【0090】そして、第2の工程において、として上記
最適化手段7bは、上記第2の物理モデル8の出力Kj
の代りに処理プロセス1の出力Tj を入力とし(スイッ
チにより入力するデータを切り替える)、この処理プロ
セス1の出力Tj と第1の適応モデルの予測出力W
j (第1の物理モデル3の出力Xj を入力したときの、
第1の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの出力)
との評価関数Eを定義し、上述した動作と同様に当該第
1の適応モデル6の自動チューニングを行なうことで、
現実の処理プロセス1を近似する適応モデルの最適化を
達成している。
最適化手段7bは、上記第2の物理モデル8の出力Kj
の代りに処理プロセス1の出力Tj を入力とし(スイッ
チにより入力するデータを切り替える)、この処理プロ
セス1の出力Tj と第1の適応モデルの予測出力W
j (第1の物理モデル3の出力Xj を入力したときの、
第1の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの出力)
との評価関数Eを定義し、上述した動作と同様に当該第
1の適応モデル6の自動チューニングを行なうことで、
現実の処理プロセス1を近似する適応モデルの最適化を
達成している。
【0091】なお、以上説明した応用例2では、第1の
物理モデル3が現実の処理プロセス1に良好に近似して
いない場合に、第2の物理モデル8を第1の補正処理部
6aにおける巾乗展開部7aのテキスト・モデルとして
処理プロセス1に近似させるものであるが、第1の物理
モデル3が処理プロセス1に良好に近似している場合に
も適応することができる。
物理モデル3が現実の処理プロセス1に良好に近似して
いない場合に、第2の物理モデル8を第1の補正処理部
6aにおける巾乗展開部7aのテキスト・モデルとして
処理プロセス1に近似させるものであるが、第1の物理
モデル3が処理プロセス1に良好に近似している場合に
も適応することができる。
【0092】すなわち、第1の工程として巾乗展開部7
aの入力として現実の材料から得られる各種パラメータ
Zj (現実の処理プロセス1に導入されるべき材料に関
する物理量)を入力し、このパラメータZj を同時に入
力した第1の物理モデル3からの出力に近似させるべ
く、最適化手段7で上記巾乗展開部7bにおける各定数
c及び巾乗係数群ai を最適値に更新させることで、良
好に処理プロセス1を近似している第1の物理モデル3
を巾乗展開部7aに写像させる(f(x)=k(x)に
する)。
aの入力として現実の材料から得られる各種パラメータ
Zj (現実の処理プロセス1に導入されるべき材料に関
する物理量)を入力し、このパラメータZj を同時に入
力した第1の物理モデル3からの出力に近似させるべ
く、最適化手段7で上記巾乗展開部7bにおける各定数
c及び巾乗係数群ai を最適値に更新させることで、良
好に処理プロセス1を近似している第1の物理モデル3
を巾乗展開部7aに写像させる(f(x)=k(x)に
する)。
【0093】続いて、上記最適化手段7bへの入力を、
第1の物理モデル3の出力から処理プロセス1の出力に
切り替え、さらに巾乗展開部7a(この実施例1の場
合、第1の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの最
適化がそのまま当該第1の適応モデル6の最適化に相当
する)を処理プロセス1に近似させてもよい。
第1の物理モデル3の出力から処理プロセス1の出力に
切り替え、さらに巾乗展開部7a(この実施例1の場
合、第1の補正処理部6aにおける巾乗展開部7aの最
適化がそのまま当該第1の適応モデル6の最適化に相当
する)を処理プロセス1に近似させてもよい。
【0094】また、上記実施例1で説明してきた、この
発明に係る信号処理方法及びその装置Bにおける「適応
モデル6の最適化」、あるいは「処理プロセス1に近似
させる」の技術的意味について以下図5乃至図7を用い
て説明する。
発明に係る信号処理方法及びその装置Bにおける「適応
モデル6の最適化」、あるいは「処理プロセス1に近似
させる」の技術的意味について以下図5乃至図7を用い
て説明する。
【0095】これらの図は、処理プロセス1として現実
の圧延プロセスについて、シミュレーション・モデルの
予測出力と現実の処理済み材料との誤差を、各材料ごと
にプロットしたグラフ(各図(a))とヒストグラム
(各図(b))である。
の圧延プロセスについて、シミュレーション・モデルの
予測出力と現実の処理済み材料との誤差を、各材料ごと
にプロットしたグラフ(各図(a))とヒストグラム
(各図(b))である。
【0096】図5は、人手によってチューニングされた
従来の物理モデル(第1の物理モデル3に相当)の予測
出力誤差をプロットした図であり、一般的によく近似さ
れた場合の予測出力の誤差分布を示している。
従来の物理モデル(第1の物理モデル3に相当)の予測
出力誤差をプロットした図であり、一般的によく近似さ
れた場合の予測出力の誤差分布を示している。
【0097】これに対して、この発明のように第1の補
正処理部6aにおける最適化手段7bにより巾乗展開部
7aを自動チューニングした場合の第1の適応モデル6
の予測出力誤差をプロットした図を図6及び図7に示
す。特に、図6は線形性を重視した場合の第1の適応モ
デル6の予測出力誤差を示しており、図7は非線形性を
重視した場合の第1の適応モデル6の予測出力誤差を示
している。
正処理部6aにおける最適化手段7bにより巾乗展開部
7aを自動チューニングした場合の第1の適応モデル6
の予測出力誤差をプロットした図を図6及び図7に示
す。特に、図6は線形性を重視した場合の第1の適応モ
デル6の予測出力誤差を示しており、図7は非線形性を
重視した場合の第1の適応モデル6の予測出力誤差を示
している。
【0098】すなわち、図6では第1の補正処理部6a
における巾乗展開部7aの低次の巾乗項のみを利用し、
図7ではさらに高次の巾乗項も利用して該巾乗展開部7
aをを構成した時のそれぞれの特性を示している。
における巾乗展開部7aの低次の巾乗項のみを利用し、
図7ではさらに高次の巾乗項も利用して該巾乗展開部7
aをを構成した時のそれぞれの特性を示している。
【0099】したがって、図6に示すように従来の物理
モデルよりも線形性を重視した当該信号処理装置Bにお
ける第1の適応モデル6の方が誤差の分散が小さく、よ
り処理プロセス1に近似させることができる。そして、
図7に示すように非線形性まで考慮すればさらに誤差の
分散が小さくなり、さらに処理プロセス1に近似させる
ことができる。
モデルよりも線形性を重視した当該信号処理装置Bにお
ける第1の適応モデル6の方が誤差の分散が小さく、よ
り処理プロセス1に近似させることができる。そして、
図7に示すように非線形性まで考慮すればさらに誤差の
分散が小さくなり、さらに処理プロセス1に近似させる
ことができる。
【0100】これは、換言すれば最適化手段7bにより
自動チューニングさせる第1の補正処理部6aにおける
巾乗展開部6aの巾乗項の次数を変えることにより、容
易に近似精度を制御することができることを意味してい
る。
自動チューニングさせる第1の補正処理部6aにおける
巾乗展開部6aの巾乗項の次数を変えることにより、容
易に近似精度を制御することができることを意味してい
る。
【0101】実施例2 次に、この発明に係る信号処理方法及びその装置の他の
実施例について説明する。なお、上述した実施例1と同
一の構成部分については重複する説明は省略する。
実施例について説明する。なお、上述した実施例1と同
一の構成部分については重複する説明は省略する。
【0102】この実施例2に係る第2の適応モデル6
は、上述した第1の補正処理部6aに加え、該第1の補
正処理部6aの出力と現実の処理プロセス1からの出力
との各誤差のかたよりをなくすべく、第2の補正処理部
6bを備えたことを特徴としている。
は、上述した第1の補正処理部6aに加え、該第1の補
正処理部6aの出力と現実の処理プロセス1からの出力
との各誤差のかたよりをなくすべく、第2の補正処理部
6bを備えたことを特徴としている。
【0103】すなわち、第2の適応モデル6の応用例1
は、図8に示すように第1の物理モデル3の出力Xj を
さらに現実の処理プロセス1の出力(実績値Tj )に近
似させるべく、第1の物理モデル3と、第1の補正処理
部6aと、さらにこの第1の補正処理部6aと同一構成
の第2の補正処理部6bとをそれぞれ直列に接続して構
成されている。一方、応用例2では、第1の物理モデル
が十分に現実の処理プロセス1を近似していない場合に
ついて、第2の適応モデル6を構成したものであり、こ
の第2の適応モデル6(応用例2)図9に示すように、
第1の物理モデル3と、この第1の物理モデル3の出力
を入力としてん現実の処理プロセス1の出力に近似した
出力を得る第2の物理モデル8と、この第2の物理モデ
ル8を写像して現実の処理プロセス1に近似した出力を
得る第1の補正処理部6aと、さらにこの第1の補正処
理部6aと現実の処理プロセス1の出力との各誤差のか
たよりをなくす第2の補正処理部6とから構成されてい
る。
は、図8に示すように第1の物理モデル3の出力Xj を
さらに現実の処理プロセス1の出力(実績値Tj )に近
似させるべく、第1の物理モデル3と、第1の補正処理
部6aと、さらにこの第1の補正処理部6aと同一構成
の第2の補正処理部6bとをそれぞれ直列に接続して構
成されている。一方、応用例2では、第1の物理モデル
が十分に現実の処理プロセス1を近似していない場合に
ついて、第2の適応モデル6を構成したものであり、こ
の第2の適応モデル6(応用例2)図9に示すように、
第1の物理モデル3と、この第1の物理モデル3の出力
を入力としてん現実の処理プロセス1の出力に近似した
出力を得る第2の物理モデル8と、この第2の物理モデ
ル8を写像して現実の処理プロセス1に近似した出力を
得る第1の補正処理部6aと、さらにこの第1の補正処
理部6aと現実の処理プロセス1の出力との各誤差のか
たよりをなくす第2の補正処理部6とから構成されてい
る。
【0104】特に、この実施例2における第2の補正処
理部6bの構成は、上述した実施例1と同一であり(各
構成は図2及び図4に示した第1の補正処理部6aと同
一であり、この第2の補正処理部6bを構成する巾乗展
開部及び最適化手段はそれぞれ図中70a70bで示
す)、入力された情報(第1の補正処理部6aの出力Y
j )に収束半径である定数cを加算(負の加算を含み、
この定数cは零であってもよい)して1又は2以上の巾
乗項を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義され
た巾乗係数群ai を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算
結果を全て加算する巾乗展開部70aと、この巾乗展開
部70bの各定数及び巾乗係数群の最適値を、この巾乗
展開部70aの出力(図8及び9中、Wj で示す)と処
理プロセス1からの出力Tj を最小、あるいは最大にす
べく再帰的に決定していく最適化手段70b(なお、第
1の補正処理部6aでは、第1の工程で第2の物理モデ
ル8の出力Kj を入力する)から構成されている。
理部6bの構成は、上述した実施例1と同一であり(各
構成は図2及び図4に示した第1の補正処理部6aと同
一であり、この第2の補正処理部6bを構成する巾乗展
開部及び最適化手段はそれぞれ図中70a70bで示
す)、入力された情報(第1の補正処理部6aの出力Y
j )に収束半径である定数cを加算(負の加算を含み、
この定数cは零であってもよい)して1又は2以上の巾
乗項を算出し、これら各巾乗項に対応して予め定義され
た巾乗係数群ai を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算
結果を全て加算する巾乗展開部70aと、この巾乗展開
部70bの各定数及び巾乗係数群の最適値を、この巾乗
展開部70aの出力(図8及び9中、Wj で示す)と処
理プロセス1からの出力Tj を最小、あるいは最大にす
べく再帰的に決定していく最適化手段70b(なお、第
1の補正処理部6aでは、第1の工程で第2の物理モデ
ル8の出力Kj を入力する)から構成されている。
【0105】ここで、上記第1の補正処理部6aの最適
化手段7bでは、最適化するための評価関数Eとして、
巾乗展開部7aから得られる出力Yj と処理プロセス1
の実績値Tj との誤差、あるいは誤差の絶対値につい
て、すでに得られた処理プロセス1の実績値Tj と巾乗
展開部7aから得られる出力Yj との誤差平均で表した
関数を利用しており、上記第2の補正処理部6bの最適
化手段70bでは、最適化するための評価関数Eとし
て、巾乗展開部70aから得られる出力Wj と処理プロ
セス1の実績値Tj との誤差、あるいは誤差の絶対値で
与えられる差分で表した関数を利用している。
化手段7bでは、最適化するための評価関数Eとして、
巾乗展開部7aから得られる出力Yj と処理プロセス1
の実績値Tj との誤差、あるいは誤差の絶対値につい
て、すでに得られた処理プロセス1の実績値Tj と巾乗
展開部7aから得られる出力Yj との誤差平均で表した
関数を利用しており、上記第2の補正処理部6bの最適
化手段70bでは、最適化するための評価関数Eとし
て、巾乗展開部70aから得られる出力Wj と処理プロ
セス1の実績値Tj との誤差、あるいは誤差の絶対値で
与えられる差分で表した関数を利用している。
【0106】具体的には、上記第1の補正処理部6aに
おける最適化手段7bは、以下に示すように、 Ej =(Yj −Tj )2 なお、jは第j番目のデータに対する評価関数であるこ
とを示す添字である。あるいは
おける最適化手段7bは、以下に示すように、 Ej =(Yj −Tj )2 なお、jは第j番目のデータに対する評価関数であるこ
とを示す添字である。あるいは
【0107】
【数15】
【0108】を評価関数として定義し、上記巾乗展開部
7bにおける定数c及び巾乗係数群ai の最適値を算出
している。
7bにおける定数c及び巾乗係数群ai の最適値を算出
している。
【0109】また、上記第2の補正処理部6bにおける
最適化手段70bは、以下に示すように、 Ej =(Xj −Tj )2 なお、jは同様に第j番目のデータに対する評価関数で
あることを示す添字である。
最適化手段70bは、以下に示すように、 Ej =(Xj −Tj )2 なお、jは同様に第j番目のデータに対する評価関数で
あることを示す添字である。
【0110】次に、この実施例2に係る信号処理装置の
第2の適応モデル6の自動チューニング動作について説
明する。
第2の適応モデル6の自動チューニング動作について説
明する。
【0111】まず、材料から得られた入力情報Zj をす
でに人手によりチューニングされている第1の物理モデ
ル3に入力し、出力Xj (=g(Zj ))を得る。そし
て、この出力Xj を第1の補正処理部6aに入力し、こ
の第1の補正処理部6aにおいて、入力Xj に定数cを
加算(負の加算)して1又は2以上の巾乗項を算出し、
これら各巾乗項に対応して予め定義された巾乗係数群a
i を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算結果を全て加算
する、以下のような関数で定義された巾乗展開部7aか
ら出力Yj を得る。
でに人手によりチューニングされている第1の物理モデ
ル3に入力し、出力Xj (=g(Zj ))を得る。そし
て、この出力Xj を第1の補正処理部6aに入力し、こ
の第1の補正処理部6aにおいて、入力Xj に定数cを
加算(負の加算)して1又は2以上の巾乗項を算出し、
これら各巾乗項に対応して予め定義された巾乗係数群a
i を各巾乗項のそれぞれに乗算した乗算結果を全て加算
する、以下のような関数で定義された巾乗展開部7aか
ら出力Yj を得る。
【0112】
【数16】
【0113】そして、この巾乗展開部7aに対して最適
化手段7bが上記現実の処理プロセス1の出力Tj に基
づいて各定数c及び巾乗係数群ai の最適値を決定する
ことにより、シミュレーションモデルとして巾乗展開部
7aの予測出力(Yj =f(Xj ))の最適化を行って
いる。
化手段7bが上記現実の処理プロセス1の出力Tj に基
づいて各定数c及び巾乗係数群ai の最適値を決定する
ことにより、シミュレーションモデルとして巾乗展開部
7aの予測出力(Yj =f(Xj ))の最適化を行って
いる。
【0114】なお、この自動チューニング動作は以下に
示すように、一般化デルタルールを用いて上記評価関数
Eを最小にするよう、巾乗馬展開部7aの定数c及び巾
乗係数群ai の最適値を再帰的に決定していくことによ
り、実現している。
示すように、一般化デルタルールを用いて上記評価関数
Eを最小にするよう、巾乗馬展開部7aの定数c及び巾
乗係数群ai の最適値を再帰的に決定していくことによ
り、実現している。
【0115】すなわち、与えられる上記数式29に示す
評価関数に対し、微分方程式 dai /dt=−η∂E/∂ai dc/dt =−η∂E/∂c ただし、ηは収束速度を決定するための比例定数であ
る。
評価関数に対し、微分方程式 dai /dt=−η∂E/∂ai dc/dt =−η∂E/∂c ただし、ηは収束速度を決定するための比例定数であ
る。
【0116】からそれぞれ変化量を算出し、以下のよう
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、巾乗展開部7aの最適化することを可能に
している。なお、実施例1で述べたように、評価関数の
2階微分をさらに利用してもよい。
に現時点の定数c(t)及び各巾乗係数群ai (t)に
それぞれ加算して新たな定数c(t+Δt)及び各巾乗
係数群ai (t+Δt)を以下のように決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/∂ai c(t+Δt) =c(t)−η∂E/∂c これら一連の動作を上記評価関数Eが最小になるまで繰
返すことで、巾乗展開部7aの最適化することを可能に
している。なお、実施例1で述べたように、評価関数の
2階微分をさらに利用してもよい。
【0117】以上の動作により得られた第1の補正処理
部6aの出力Yj は、第2の補正処理部6bに入力さ
れ、上述した第1の補正処理部6aの動作と同様の動作
により、最終的に当該第2の適応モデル6の予測出力W
j として出力を得る。
部6aの出力Yj は、第2の補正処理部6bに入力さ
れ、上述した第1の補正処理部6aの動作と同様の動作
により、最終的に当該第2の適応モデル6の予測出力W
j として出力を得る。
【0118】次に、この発明の応用例として、現実の処
理プロセス1を鉄鋼プラントにおける圧延プロセスとし
た場合について説明する。
理プロセス1を鉄鋼プラントにおける圧延プロセスとし
た場合について説明する。
【0119】図10は、模擬対象である圧延プロセスに
おける圧延状況を、材料である鋼板の断面を示して説明
するための図である。
おける圧延状況を、材料である鋼板の断面を示して説明
するための図である。
【0120】同図(a)は、板幅WIの左右方向(板の
端から中心に向かう方向)から圧延する(エッチング圧
延という)ものであり、左右から圧延されることによ
り、同図(b)に示すような断面を得る。この図より、
左右方向から圧延されるためエッジ部分が厚さHI方向
にはみ出るように潰されることになり(図中、白地の部
分がはみ出した部分)、中心に近いほど、エッジング圧
延の効果は少ないことがわかる。
端から中心に向かう方向)から圧延する(エッチング圧
延という)ものであり、左右から圧延されることによ
り、同図(b)に示すような断面を得る。この図より、
左右方向から圧延されるためエッジ部分が厚さHI方向
にはみ出るように潰されることになり(図中、白地の部
分がはみ出した部分)、中心に近いほど、エッジング圧
延の効果は少ないことがわかる。
【0121】続いて、同図(b)のエッジング圧延され
た鋼板に対し水平方向(板の中心から端に向かう方向)
に圧延される(水平圧延という)と、同図(b)に示さ
れた厚みHI方向にはみ出した部分も水平圧延により水
平方向に厚さHOになるよう一定に圧延される(同図
(c))。
た鋼板に対し水平方向(板の中心から端に向かう方向)
に圧延される(水平圧延という)と、同図(b)に示さ
れた厚みHI方向にはみ出した部分も水平圧延により水
平方向に厚さHOになるよう一定に圧延される(同図
(c))。
【0122】ここで、水平圧延(同図(b)から同図
(c)への処理過程)により水平方向に圧延される各部
分の寄与を考えると、水平圧延されることにより同図
(b)における白地部分(ドッグボーンという)は、同
図(c)における白地部分へ寄与し、一方、同図(b)
における斜線部分は、同図(c)における斜線部分へそ
れぞれ寄与するモデルとして考えることができる。
(c)への処理過程)により水平方向に圧延される各部
分の寄与を考えると、水平圧延されることにより同図
(b)における白地部分(ドッグボーンという)は、同
図(c)における白地部分へ寄与し、一方、同図(b)
における斜線部分は、同図(c)における斜線部分へそ
れぞれ寄与するモデルとして考えることができる。
【0123】この圧延プロセスにおける入力パラメータ
(処理プロセス及び材料から得られる情報)として WE:エッジング圧延後の板幅 WI:エッジング圧延前の板幅 HO:水平圧延後の板厚 HI:水平圧延前の板厚 RE:エッジャロール半径 RR:水平ロール半径 が与えられる場合に、
(処理プロセス及び材料から得られる情報)として WE:エッジング圧延後の板幅 WI:エッジング圧延前の板幅 HO:水平圧延後の板厚 HI:水平圧延前の板厚 RE:エッジャロール半径 RR:水平ロール半径 が与えられる場合に、
【0124】
【数17】
【0125】 ここで、LD={RR・(HI−HO)}1/2
【0126】
【数18】
【0127】のように2つの第1の物理モデル3(αは
1つ目の第1の物理モデルの出力、βは2つ目の第1の
物理モデルの出力)がチューニングされ、処理プロセス
1(鉄鋼圧延プロセス)の出力として、処理済材料から
センサ等により実績値WGが得られるものとする。
1つ目の第1の物理モデルの出力、βは2つ目の第1の
物理モデルの出力)がチューニングされ、処理プロセス
1(鉄鋼圧延プロセス)の出力として、処理済材料から
センサ等により実績値WGが得られるものとする。
【0128】なお、これら第1の物理モデル3の最終出
力WO(予測出力)は WO=f(WH+WD+WE) ここで、WH=((HI/HO)f(α ) −1)WE WD=f(β)・(WI−WE) この時、式中に示した関数fは上記数式15に示した任
意の関数をテイラー級数に展開する関数であり、上記2
つの第1の物理モデル3の出力α、βのそれぞれについ
て上記評価関数Ej を用いて微分方程式 dai /dt=−η∂Ej /∂ai dc/dt =−η∂Ej /∂c を解くと、以下に示す式が得られる。すなわち、出力α
を得る1つ目の第1の物理モデルについて、
力WO(予測出力)は WO=f(WH+WD+WE) ここで、WH=((HI/HO)f(α ) −1)WE WD=f(β)・(WI−WE) この時、式中に示した関数fは上記数式15に示した任
意の関数をテイラー級数に展開する関数であり、上記2
つの第1の物理モデル3の出力α、βのそれぞれについ
て上記評価関数Ej を用いて微分方程式 dai /dt=−η∂Ej /∂ai dc/dt =−η∂Ej /∂c を解くと、以下に示す式が得られる。すなわち、出力α
を得る1つ目の第1の物理モデルについて、
【0129】
【数19】
【0130】
【数20】
【0131】同様に、出力βを得る2つ目の第1の物理
モデルについて、
モデルについて、
【0132】
【数21】
【0133】
【数22】
【0134】また、第1の補正処理部6aにおける評価
関数としては数式14aと数式14の2つを示したが、
この数式14の最急降下法は図11(a)に示すよう
に、その学習経過において直接最適解に到達するのに対
し、数式14aの緩和法は図11(b)に示すように、
与えられるデータごとに順次最適解を得ていくという特
徴がある。したがって、学習の効果から考えると最急降
下法(数式14)を用い、データ1つ1つについて学習
するためには(オンライン学習を実現するためには)緩
和法(数式14a)を用いる必要があり、目的に合せて
使い分けることができる。
関数としては数式14aと数式14の2つを示したが、
この数式14の最急降下法は図11(a)に示すよう
に、その学習経過において直接最適解に到達するのに対
し、数式14aの緩和法は図11(b)に示すように、
与えられるデータごとに順次最適解を得ていくという特
徴がある。したがって、学習の効果から考えると最急降
下法(数式14)を用い、データ1つ1つについて学習
するためには(オンライン学習を実現するためには)緩
和法(数式14a)を用いる必要があり、目的に合せて
使い分けることができる。
【0135】次に、上述した第2の適応モデル6につい
て、その予測出力Wj がいかに現実の処理プロセス1の
出力Tj に近似した結果となるかを図12及び図13を
用いて説明する。
て、その予測出力Wj がいかに現実の処理プロセス1の
出力Tj に近似した結果となるかを図12及び図13を
用いて説明する。
【0136】図12は、所望の特性4として板厚を設定
した場合の処理プロセス1の出力との誤差をプロットし
た図である。図中、○印で示したのは第1の物理モデル
3(従来の物理モデル)の誤差であり、▲印はこの第1
の物理モデル3と第2の補正処理部6b(評価関数とし
て差分を用いている)とを直列に接続して第2の適応モ
デル6を構成した場合であり、この第2の適応モデル6
の出力誤差を示している。
した場合の処理プロセス1の出力との誤差をプロットし
た図である。図中、○印で示したのは第1の物理モデル
3(従来の物理モデル)の誤差であり、▲印はこの第1
の物理モデル3と第2の補正処理部6b(評価関数とし
て差分を用いている)とを直列に接続して第2の適応モ
デル6を構成した場合であり、この第2の適応モデル6
の出力誤差を示している。
【0137】この図によると、第1の物理モデル3の出
力では矢印9aで示したように約3.0mmのバラツキ
をもつのに対し、第2の補正処理部6bを接続してさら
に近似させた場合は、約2.0mmのバラツキとなり、
この誤差のバラツキが30%程度改善される。
力では矢印9aで示したように約3.0mmのバラツキ
をもつのに対し、第2の補正処理部6bを接続してさら
に近似させた場合は、約2.0mmのバラツキとなり、
この誤差のバラツキが30%程度改善される。
【0138】一方、図13は第1の物理モデル3と上記
第2の補正処理部6bとの間に第1の補正処理部6aを
設けて構成した第2の適応モデル6の出力誤差を▲印で
プロットした図である(○印は第1の物理モデル3のみ
の出力誤差)。この図から誤差のバラツキが約1.5m
mのバラツキとなり、第1の物理モデル3に対して誤差
のバラツキが50%程度改善されたことがわかる。ま
た、相対的には補正処理部8のみを接続して第2の適応
モデル6を構成した場合と比較しても20%程度改善さ
れることがわかる。
第2の補正処理部6bとの間に第1の補正処理部6aを
設けて構成した第2の適応モデル6の出力誤差を▲印で
プロットした図である(○印は第1の物理モデル3のみ
の出力誤差)。この図から誤差のバラツキが約1.5m
mのバラツキとなり、第1の物理モデル3に対して誤差
のバラツキが50%程度改善されたことがわかる。ま
た、相対的には補正処理部8のみを接続して第2の適応
モデル6を構成した場合と比較しても20%程度改善さ
れることがわかる。
【0139】なお、この時の第1の補正処理部6aにお
ける巾乗展開部7aの各定数及び巾乗項係数群の学習結
果(最適値)は以下の通りである。
ける巾乗展開部7aの各定数及び巾乗項係数群の学習結
果(最適値)は以下の通りである。
【0140】出力αを得る1つ目の第1の物理モデルの
場合、 c =-1.619042 ×10-04 a0 = 5.750334 ×10-03 、a1 = 1.198007 ×10-01 a2 =-1.316390 ×10-03 、a3 =-1.164597 ×10-05 a4 =-6.855790 ×10-08 、a5 =-6.307745 ×10-10 a6 =-4.915135 ×10-12 、a7 =-4.323148 ×10-14 a8 =-3.738154 ×10-16 、a9 =-3.429528 ×10-18 a10=-3.209611 ×10-20 、a11=-3.104537 ×10-22 a12=-3.057202 ×10-24 、a13=-3.060137 ×10-26 a14=-3.092635 ×10-28 、a15=-3.147309 ×10-30 a16=-3.215818 ×10-32 、a17=-3.294016 ×10-34 a18=-3.376424 ×10-36 、a19=-3.467065 ×10-38 出力βを得る2つ目の第2の物理モデルの場合、 c =-5.254460 ×10-02 a0 = 3.624446 ×10-02 、a1 = 9.820212 ×10-01 a2 =-4.574309 ×10-02 、a3 =-5.710421 ×10-02 a4 =-5.875742 ×10-02 、a5 =-5.506946 ×10-02 a6 =-4.881325 ×10-02 、a7 =-4.168617 ×10-02 a8 =-3.467262 ×10-02 、a9 =-2.829455 ×10-02 a10=-2.278271 ×10-02 、a11=-1.619182 ×10-02 a12=-1.447665 ×10-02 、a13=-1.154114 ×10-02 a14=-9.269035 ×10-03 、a15=-7.542265 ×10-03 a16=-6.251083 ×10-03 、a17=-5.299045 ×10-03 a18=-4.604719 ×10-03 、a19=-4.101489 ×10-03 また、図14乃至図16は別のデータを用いた場合、こ
の実施例2における第2の適応モデル6の予測出力が誤
差のバラツキを改善している様子を説明するための図で
あり、図14は第1の物理モデル3(従来の物理モデ
ル)の出力誤差をプロットした図(同図(a))及びそ
のヒストグラム(同図(b))、図15はこの第1の物
理モデル3と差分を評価関数とする第2の補正処理部6
bとを接続して第2の適応モデル6を構成した場合の出
力誤差をプロットした図(同図(a))及びそのヒスト
グラム(同図(b))、図16は第1の物理モデル3、
差分を評価関数とする第1の補正処理部6a、同様に差
分を評価関数とする第2の補正処理部6bとを接続して
第2の適応モデル6を構成した場合の出力誤差をプロッ
トした図(同図(a))及びそのヒストグラム(同図
(b))である。
場合、 c =-1.619042 ×10-04 a0 = 5.750334 ×10-03 、a1 = 1.198007 ×10-01 a2 =-1.316390 ×10-03 、a3 =-1.164597 ×10-05 a4 =-6.855790 ×10-08 、a5 =-6.307745 ×10-10 a6 =-4.915135 ×10-12 、a7 =-4.323148 ×10-14 a8 =-3.738154 ×10-16 、a9 =-3.429528 ×10-18 a10=-3.209611 ×10-20 、a11=-3.104537 ×10-22 a12=-3.057202 ×10-24 、a13=-3.060137 ×10-26 a14=-3.092635 ×10-28 、a15=-3.147309 ×10-30 a16=-3.215818 ×10-32 、a17=-3.294016 ×10-34 a18=-3.376424 ×10-36 、a19=-3.467065 ×10-38 出力βを得る2つ目の第2の物理モデルの場合、 c =-5.254460 ×10-02 a0 = 3.624446 ×10-02 、a1 = 9.820212 ×10-01 a2 =-4.574309 ×10-02 、a3 =-5.710421 ×10-02 a4 =-5.875742 ×10-02 、a5 =-5.506946 ×10-02 a6 =-4.881325 ×10-02 、a7 =-4.168617 ×10-02 a8 =-3.467262 ×10-02 、a9 =-2.829455 ×10-02 a10=-2.278271 ×10-02 、a11=-1.619182 ×10-02 a12=-1.447665 ×10-02 、a13=-1.154114 ×10-02 a14=-9.269035 ×10-03 、a15=-7.542265 ×10-03 a16=-6.251083 ×10-03 、a17=-5.299045 ×10-03 a18=-4.604719 ×10-03 、a19=-4.101489 ×10-03 また、図14乃至図16は別のデータを用いた場合、こ
の実施例2における第2の適応モデル6の予測出力が誤
差のバラツキを改善している様子を説明するための図で
あり、図14は第1の物理モデル3(従来の物理モデ
ル)の出力誤差をプロットした図(同図(a))及びそ
のヒストグラム(同図(b))、図15はこの第1の物
理モデル3と差分を評価関数とする第2の補正処理部6
bとを接続して第2の適応モデル6を構成した場合の出
力誤差をプロットした図(同図(a))及びそのヒスト
グラム(同図(b))、図16は第1の物理モデル3、
差分を評価関数とする第1の補正処理部6a、同様に差
分を評価関数とする第2の補正処理部6bとを接続して
第2の適応モデル6を構成した場合の出力誤差をプロッ
トした図(同図(a))及びそのヒストグラム(同図
(b))である。
【0141】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、現実の
処理プロセスの特性を近似する第1の適応モデルとし
て、この処理プロセスを近似した第1の物理モデルと、
任意の関数をテイラー級数で表した巾乗展開部、及びこ
の巾乗展開部の収束半径及び巾乗係数群を修正する最適
化手段を有する第1の補正処理部とを直列に接続して構
成し、該最適化手段が処理プロセスの出力により近い出
力を得るように上記巾乗展開部の収束半径及び巾乗係数
群を決定しているので(チューニングしている)、上記
物理モデルが良好に処理プロセスを近似している場合で
もさらに精密な近似ができるという効果がある。
処理プロセスの特性を近似する第1の適応モデルとし
て、この処理プロセスを近似した第1の物理モデルと、
任意の関数をテイラー級数で表した巾乗展開部、及びこ
の巾乗展開部の収束半径及び巾乗係数群を修正する最適
化手段を有する第1の補正処理部とを直列に接続して構
成し、該最適化手段が処理プロセスの出力により近い出
力を得るように上記巾乗展開部の収束半径及び巾乗係数
群を決定しているので(チューニングしている)、上記
物理モデルが良好に処理プロセスを近似している場合で
もさらに精密な近似ができるという効果がある。
【0142】また、上記第1の物理モデルが良好に処理
プロセスを近似していない場合でも、この第1の物理モ
デルの出力を入力して処理プロセスの出力に近似した出
力を得る第2の物理モデルを、予め上記第1の補正処理
部の巾乗展開部に写像しておくことにより、当該第1の
適応モデルは同様に精密な近似ができるという効果があ
る。
プロセスを近似していない場合でも、この第1の物理モ
デルの出力を入力して処理プロセスの出力に近似した出
力を得る第2の物理モデルを、予め上記第1の補正処理
部の巾乗展開部に写像しておくことにより、当該第1の
適応モデルは同様に精密な近似ができるという効果があ
る。
【0143】さらに、第2の適応モデルは、上述した第
1の補正処理部の出力と現実の処理プロセスの出力との
各誤差のかたよりをなくす第2の補正処理部を、該第1
の補正処理部と直列に接続した第2の適応モデルを構成
している。また、上述した最適化手段により処理プロセ
スを精密に近似する適応モデルを自動的に構築できるの
で、当該適応モデルの人手によるチューニング作業が不
要になるとともに、従来よりも高精度でかつ信頼性の高
いシミュレーションを実施できるという効果がある。
1の補正処理部の出力と現実の処理プロセスの出力との
各誤差のかたよりをなくす第2の補正処理部を、該第1
の補正処理部と直列に接続した第2の適応モデルを構成
している。また、上述した最適化手段により処理プロセ
スを精密に近似する適応モデルを自動的に構築できるの
で、当該適応モデルの人手によるチューニング作業が不
要になるとともに、従来よりも高精度でかつ信頼性の高
いシミュレーションを実施できるという効果がある。
【0144】一方、この発明における適応モデルは、こ
れら適応モデルを構成する巾乗展開部で算出する巾乗項
のうち、低次の項だけを利用(線形性を重視)した場合
よりも高次の項まで利用(非線形性を重視)したほうが
近似精度を向上させることができるので、上記巾乗展開
部で算出する巾乗項の項数を制御することにより、容易
に近似精度を設定できるという効果がある。
れら適応モデルを構成する巾乗展開部で算出する巾乗項
のうち、低次の項だけを利用(線形性を重視)した場合
よりも高次の項まで利用(非線形性を重視)したほうが
近似精度を向上させることができるので、上記巾乗展開
部で算出する巾乗項の項数を制御することにより、容易
に近似精度を設定できるという効果がある。
【図1】この発明に係る信号処理装置の一実施例による
構造を示す図である。
構造を示す図である。
【図2】この発明に係る信号処理装置の一実施例による
第1の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正処
理部を有する場合の応用例1)。
第1の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正処
理部を有する場合の応用例1)。
【図3】この発明に係る信号処理装置の各部における信
号の対応関係を時系列に示した図である。
号の対応関係を時系列に示した図である。
【図4】この発明に係る信号処理装置の一実施例による
第1の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正処
理部を有する場合の応用例2)。
第1の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正処
理部を有する場合の応用例2)。
【図5】従来の信号処理装置の誤差評価についての実験
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図6】この発明に係る信号処理装置の誤差評価につい
ての線形性を重視した実験結果を示すグラフである。
ての線形性を重視した実験結果を示すグラフである。
【図7】この発明に係る信号処理装置の誤差評価につい
ての非線形性を重視した実験結果を示すグラフである。
ての非線形性を重視した実験結果を示すグラフである。
【図8】この発明に係る信号処理装置の他の実施例によ
る第2の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正
処理部と第2の補正処理部を有する場合の応用例1)。
る第2の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正
処理部と第2の補正処理部を有する場合の応用例1)。
【図9】この発明に係る信号処理装置の他の実施例によ
る第2の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正
処理部と第2の補正処理部を有する場合の応用例2)。
る第2の適応モデルの構造を示す図である(第1の補正
処理部と第2の補正処理部を有する場合の応用例2)。
【図10】この発明に係る信号処理方法及びその装置を
鉄鋼圧延プロセスに応用した場合の動作を説明するため
の図である。
鉄鋼圧延プロセスに応用した場合の動作を説明するため
の図である。
【図11】上記第1及び第2の適応モデルのそれぞれに
おける最適化動作(学習経過)について、最急降下法を
用いた場合と緩和法を用いた場合を示した図である。
おける最適化動作(学習経過)について、最急降下法を
用いた場合と緩和法を用いた場合を示した図である。
【図12】上記第2の適応モデルについて、単に従来の
物理モデルのみで構成した場合の予測出力結果と、この
発明に係る第1の物理モデル(従来の物理モデルと同
様)と第2の補正処理部とから構成した場合の予測出力
結果を比較するための図である。
物理モデルのみで構成した場合の予測出力結果と、この
発明に係る第1の物理モデル(従来の物理モデルと同
様)と第2の補正処理部とから構成した場合の予測出力
結果を比較するための図である。
【図13】上記第2の適応モデルとして、第1の物理モ
デルと第2の補正処理部との間に第1の補正処理部を設
けて構成した場合の予測出力結果を示す図である。
デルと第2の補正処理部との間に第1の補正処理部を設
けて構成した場合の予測出力結果を示す図である。
【図14】上記第2の適応モデルを、単に従来の物理モ
デルのみで構成した場合の予測出力の誤差分布と、その
ヒストグラムを示す図である。
デルのみで構成した場合の予測出力の誤差分布と、その
ヒストグラムを示す図である。
【図15】上記第2の適応モデルとして、第1の物理モ
デルと第2の補正処理部とから構成した場合の予測出力
の誤差分布と、そのヒストグラムを示す図である。
デルと第2の補正処理部とから構成した場合の予測出力
の誤差分布と、そのヒストグラムを示す図である。
【図16】上記第2の適応モデルとして、第1の物理モ
デルと第2の補正処理部との間に、第1の補正処理部を
設けて構成した場合の予測出力の誤差分布と、そのヒス
トグラムを示す図である。
デルと第2の補正処理部との間に、第1の補正処理部を
設けて構成した場合の予測出力の誤差分布と、そのヒス
トグラムを示す図である。
【図17】従来の信号処理装置の構造を示す図である。
1…処理プロセス、2…誤差評価手段、3…第1の物理
モデル、4…所望特性、6…適応モデル(第1及び第2
の物理モデル)、6a…第1の補正処理部、6b…第2
の補正処理部、7a…巾乗展開部、7b…最適化手段、
8…第2の物理モデル、B…信号処理装置。
モデル、4…所望特性、6…適応モデル(第1及び第2
の物理モデル)、6a…第1の補正処理部、6b…第2
の補正処理部、7a…巾乗展開部、7b…最適化手段、
8…第2の物理モデル、B…信号処理装置。
Claims (11)
- 【請求項1】 模擬対象となる現実の処理プロセスを数
式で表した第1の物理モデルからの出力を補正する演算
動作であって、該第1の物理モデルからの出力信号に収
束半径を加算した加算結果について1又は2以上の巾乗
項を算出し、該各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係
数群を該各巾乗項のそれぞれに乗算し、該乗算結果を全
て加算する第1の演算動作を、 前記処理プロセスの出力情報に基づいて前記収束半径及
び巾乗係数群を、最適化手法により逐次決定しながら繰
り返し、前記第1の演算動作により得られる出力を前記
処理プロセスの出力に近似させる信号処理方法。 - 【請求項2】 模擬対象となる現実の処理プロセスを数
式で表した第1の物理モデルからの出力を入力として該
処理プロセスの出力情報に近似した出力を得る第2の物
理モデルを定義し、 前記第1の物理モデルからの出力信号に収束半径を加算
した加算結果について1又は2以上の巾乗項を算出し、
該各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係数群を該各巾
乗項のそれぞれに乗算した後、該乗算結果を全て加算す
る第1の演算動作を、 前記第2の物理モデルの出力に基づいて前記収束半径及
び巾乗係数群を、最適化手法により逐次決定しながら繰
り返し、前記第1の演算動作により得られる出力を前記
第2の物理モデルの出力に近似させる第1の工程と、 前記第1の工程において、前記第1の演算動作により得
られる出力を前記第2の物理モデルの出力に近似させた
後は、さらに前記処理プロセスの出力情報に基づいて前
記収束半径及び巾乗係数群を、最適化手法により逐次決
定しながら繰り返し、前記第1の演算動作により得られ
る出力を前記処理プロセスの出力にさらに近似させる第
2の工程とを、備えた信号処理方法。 - 【請求項3】 前記第1の演算動作により得られる出力
と前記処理プロセスの出力との各誤差のかたよりをなく
す演算動作であって、該第1の演算動作により得られる
出力をさらに入力とし、該入力信号に収束半径を加算し
た加算結果について1又は2以上の巾乗項を算出し、該
各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係数群を該各巾乗
項のそれぞれに乗算し、該乗算結果を全て加算する第2
の演算動作を、 前記処理プロセスの出力情報に基づいて前記収束半径及
び巾乗係数群を、最適化手法により逐次決定しながら繰
り返し、前記第2の演算動作により得られる出力を前記
処理プロセスの出力にさらに近似させることを特徴とす
る請求項1又は2記載の信号処理方法。 - 【請求項4】 前記収束半径及び巾乗係数群が最適値に
チューニングされた状態で行われる前記第1の演算動
作、あるいは第1及び第2の演算動作を、前記処理プロ
セスにおける処理条件を変更しながら繰り返し、 最終的に得られる前記いずれかの演算出力について、予
め用意されている所望特性との誤差を評価し、 前記誤差が所定範囲内になった時点で、前記処理条件を
最適な処理条件に設定し直す請求項1、2又は3のいず
れか一項記載の信号処理方法。 - 【請求項5】 前記第1及び第2の各演算動作のそれぞ
れにおいて行なわれる各最適化手法は、所定の演算動作
により得られた結果と、前記処理プロセスの出力情報あ
るいは前記第2の物理モデルの出力との評価関数を、一
般化デルタルールにしたがって最小にする、該所定の演
算動作における収束半径及び巾乗係数群の最適値を再帰
的に求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一
項に記載の信号処理方法。 - 【請求項6】 模擬対象となる現実の処理プロセスへ入
力する材料についての物理量を入力し、該処理プロセス
の挙動を予測するための予測出力を出力する適応モデル
を備えた信号処理装置において、 前記適応モデルは、前記現実の処理プロセスを数式で表
した第1の物理モデルと、 前記第1の物理モデルからの出力を補正する補正処理部
であって、該第1の物理モデルからの出力に収束半径を
加算した加算結果について1又は2以上の巾乗項を算出
し、該各巾乗項に対応して予め定義した巾乗係数群を該
各巾乗項のそれぞれに乗算し、該乗算結果を全て加算す
る巾乗展開部、及び前記処理プロセスからの出力に基づ
いて該巾乗展開部から得られる出力の出力誤差を最小に
すべく、該巾乗展開部における収束半径及び巾乗係数群
の最適値を再帰的に決定する最適化手段を有する第1の
補正処理部とを、直列に接続して構成されていることを
特徴とする信号処理装置。 - 【請求項7】 模擬対象となる現実の処理プロセスへ入
力する材料についての物理量を入力し、該処理プロセス
の挙動を予測する予測出力を出力する適応モデルを備え
た信号処理装置において、 前記適応モデルは、前記現実の処理プロセスを数式で表
した第1の物理モデルと、 前記第1の物理モデルからの出力を入力として該処理プ
ロセスの出力に近似した出力を得る第2の物理モデル
と、 前記第1の物理モデルからの出力を入力として該入力信
号に収束半径を加算した加算結果について1又は2以上
の巾乗項を算出し、該各巾乗項に対応して予め定義した
巾乗係数群を該各巾乗項のそれぞれに乗算し、該乗算結
果を全て加算する巾乗展開部、及び該第2の物理モデル
からの出力あるいは前記処理プロセスからの出力に基づ
いて該巾乗展開部から得られる出力の出力誤差を最小に
すべく、該巾乗展開部における収束半径及び巾乗係数群
の最適値を再帰的に決定する最適化手段を有する第1の
補正処理部とで、構成されていることを特徴とする信号
処理装置。 - 【請求項8】 前記第1の補正処理部から得られる出力
と前記処理プロセスの出力との各誤差のかたよりをなく
す補正処理部であって、 該第1の補正処理部から得られる出力をさらに入力と
し、該入力信号に収束半径を加算した加算結果について
1又は2以上の巾乗項を算出し、該各巾乗項に対応して
予め定義した巾乗係数群を該各巾乗項のそれぞれに乗算
し、該乗算結果を全て加算する巾乗展開部、及び前記処
理プロセスからの出力に基づいて該巾乗展開部から得ら
れる出力の出力誤差を最小にすべく、該巾乗展開部にお
ける収束半径及び巾乗係数群の最適値を再帰的に決定す
る最適化手段とを有する第2の補正処理部を、さらに備
えたことを特徴とする請求項6又は7記載の信号処理装
置。 - 【請求項9】 最適値にチュ−ニングされた前記適応モ
デルからの出力と所望特性との誤差を評価し、該適応モ
デルに近似させるべく前記処理プロセスを最適な処理条
件で設定し直す誤差評価手段を備えたことを特徴とする
請求項6、7又は8のいずれか一項記載の信号処理装
置。 - 【請求項10】 前記第1の補正処理部において、前記
最適化手段は、前記巾乗展開部の出力についての評価関
数を、一般化デルタルールにしたがって最小にする収束
半径及び巾乗係数群の最適値を再帰的に求めることを特
徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の信号処理
装置。 - 【請求項11】 前記第2の補正処理部において、前記
最適化手段は、前記巾乗展開部の出力についての評価関
数を、一般化デルタルールにしたがって最小にする収束
半径及び巾乗係数群の最適値を再帰的に求めることを特
徴とする請求項8又は9記載の信号処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8073894A JPH0793288A (ja) | 1993-04-20 | 1994-04-19 | 信号処理方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280893 | 1993-04-20 | ||
JP5-92808 | 1993-04-20 | ||
JP8073894A JPH0793288A (ja) | 1993-04-20 | 1994-04-19 | 信号処理方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0793288A true JPH0793288A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=26421709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8073894A Pending JPH0793288A (ja) | 1993-04-20 | 1994-04-19 | 信号処理方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0793288A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014171544A1 (ja) * | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 時系列予測の導出装置、導出方法及び導出プログラム |
-
1994
- 1994-04-19 JP JP8073894A patent/JPH0793288A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014171544A1 (ja) * | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 時系列予測の導出装置、導出方法及び導出プログラム |
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