JPH09134204A - 適応的同定方法とそれを用いた制御方法 - Google Patents

適応的同定方法とそれを用いた制御方法

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JPH09134204A
JPH09134204A JP29311895A JP29311895A JPH09134204A JP H09134204 A JPH09134204 A JP H09134204A JP 29311895 A JP29311895 A JP 29311895A JP 29311895 A JP29311895 A JP 29311895A JP H09134204 A JPH09134204 A JP H09134204A
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controlled object
control
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deviation
transfer function
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JP29311895A
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Yasuhiro Kubota
靖博 久保田
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非線形要素および/または時変系要素を含む
制御対象を数学モデルに同定出来なかった。 【解決手段】 制御対象6の伝達関数G(z)を下記式
に示すむだ時間dを有する2変数多項式として仮想的な
モデルとして、適応同定装置10においてこのモデルを
用いて目標値yr に対するプロセスモデルの結果y’
(k)を演算し、同じ目標値yr に対して動作する制御
対象6の実際の操作結果y(k)との偏差eを算出し
て、この偏差が最小になるように、漸近的に、むだ時間
d,2変数の次数n,mを決定し、プロセス変数a,b
を決定して、伝達関数を同定する。 【数32】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロセス制御方法に
関するものであり、特に、非線形要素および時変系要素
のいずれか一方を含んでいて数学的にモデル化が困難な
制御対象について適切に同定する方法、および、その結
果に基づいて好適に制御対象を制御する適応的同定制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】制御対象を最適に制御するに際してま
ず、その制御対処について制御モデルを設計することが
行われるが、その設計方法としは種々提案されている。
たとえば、特開平5−113803号公報は、最適レギ
ュレータを設計するための装置を開示している。この最
適レギュレータ設計装置は、数式モデル入力手段、非干
渉化指数計算手段、時間応答指定手段、非干渉化手段お
よび最適ゲイン計算手段を有しており、予め数式(数
学)モデルが判っている場合にその最適制御ゲインを決
定する装置である。特開平5−113803号公報に開
示された最適レギュレータ設計装置は、予め数式(数
学)モデルが判っていることを前提としている。しかし
ながら、現実的には数学モデルを求めるには相当手間が
かかり、しかも、正確に数学モデルを求めることはしば
しば困難な場合が多い。したがって、特開平5−113
803号公報に開示された最適レギュレータ設計装置は
数学モデルが正確に判っている制御対象への適用に限ら
れるから、数学モデルが正確には判らない多くの制御対
象には適用できない。
【0003】また特開平5−100711号公報は、制
御対象を同定する装置を開示している。この制御対象の
同定装置は、制御対象とそれを制御するためのコントロ
ーラが設けられて負帰還ループを構成している制御シス
テムにおいて、コントローラの出力を遅延する操作量遅
延手段と、コントローラの出力と制御対象の結果を用い
て無駄時間を測定する無駄時間測定手段と、操作量遅延
手段の遅延結果および制御対象の結果を用いて制御対象
を同定する同定手段と、同定手段の同定結果と無駄時間
測定結果からコントローラのPID制御パラメータを設
定するPID制御パラメータ設定部とを有している。特
開平5−100711号公報に開示されている制御対象
の同定装置においては、無駄時間を測定する手段が必要
であり、この無駄時間の正確な測定も容易ではない。し
かも制御対象の伝達関数の次数が既知である必要があ
る。しかしながら多くの場合、制御対象の実体は正確に
は判らないから伝達関数の次数は必ずしも既知ではない
から、制御対象の正確な同定は困難である。その結果、
特開平5−100711号公報に開示されている制御対
象の同定装置を用いて制御対象を同定しても制御対象を
正確に制御することが困難である。
【0004】以上の問題を解決する方法として、本件出
願の発明者は、上述したような数学モデルが得られてい
ない場合でも、制御モデルを同定可能にする方法と装置
を提案している(たとえば、特願平7−160279
号、「制御モデル設計方法とその装置」を参照された
い)。この制御モデル設計装置は、制御対象のプロセス
モデルを同定する同定装置と、同定結果に基づいてコン
トローラにPID制御パラメータを設定するPID制御
パラメータ設定部とを有している。同定装置は数学モデ
ルなしに、制御対象の伝達関数をむだ時間と分母を多項
式、分子も多項式とおき、制御対象の入出力としてのこ
れら操作量と制御対象の出力に一致するような伝達関数
のむだ時間、多項式の次数、多項式の係数を決定する。
PID制御パラメータ設定部は同定して結果に基づい
て、PID制御パラメータを決定し、コントローラに設
定する。コントロールはPID制御演算を行って操作量
を制御対象に印加する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特願平7−160279号に示した制御モデル設計方
法は、制御対象について線形近似するものであるから、
制御対象が非線形要素および時変系要素のいずれか一方
(以下、非線形要素および/または時変系要素)を含む
場合は正確なモデル化が困難である。
【0006】本発明の目的は、制御対象が非線形要素お
よび/または時変系要素を含む場合であっても制御対象
を的確にモデル化できる(同定できる)適応的同定方法
を提供することにある。本発明の他の目的は、上記適応
的同定方法で得られたモデルを活用して制御対象を適切
に制御する適応的同定制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、非線形
要素および時変系要素またはいずれか一方を含む制御対
象の伝達関数を同定する適応的同定方法であって、
(イ)前記制御対象の伝達関数を離散系の下記伝達関数
G(z)として仮定的に規定し、
【数5】 (ロ)操作量u(k)に対する前記制御対象の実際の操
作結果y(k)を下記式で規定し、
【数6】 (ハ)前記制御対象を同定するため、操作量uが印加さ
れたときのプロセスモデルを下記式で規定し、
【数7】 (ニ)前記プロセスパラメータak ,bk の初期値
0 ,b0 を所定の値に設定し、(ホ)前記実際の操作
結果y(k)と、前記プロセスモデルの結果y’(k)
との偏差e(k)=y(k)−y’(k)を算出し、
(ヘ)下記式に基づいて、該偏差e(k)と前回のサン
プリング時刻のプロセスパラメータak,i ,bk,i を用
いて次回のサンプリング時刻のプロセスパラメータa
k+1,i ,bk+1,i を更新し、ただし、変数α,βをプロ
セスパラメータa,bが動的に変化する値になるように
設定する。
【数8】 (ト)あるむだ時間dにおけるプロセス次数n,mを徐
々に増加させてそのときの前記偏差e(k)の総和を最
小にするように前記プロセスパラメータの一致度から最
適なプロセスパラメータの次数n,mを決定し、(チ)
むだ時間dを変えて、さらにプロセスパラメータの次数
n,mを徐々に増加させてそのときの前記偏差e(k)
の総和を最小にするように前記プロセスパラメータの一
致度から最適のむだ時間を決定し、(リ)前記得られた
プロセスパラメータの次数と、得られた最適なむだ時間
についての、前記伝達関数のプロセスパラメータ
(ai )、(bi )を操作量uと実際の操作結果y
(k)その偏差eが最小になるように決定し、(ヌ)前
記決定したむだ時間、前記決定した次数n,mのプロセ
スパラメータ(ai ),(bi )を用いて、前記制御対
象の伝達関数を同定する適応的同定方法が提供される。
【0008】また本発明によれば、前記得られた制御対
象の伝達関数の逆関数を、目標値に対して制御対象に対
する操作量を算出する制御装置の伝達関数として用いて
前記制御対象を制御する、適応的同定制御方法が提供さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の適応同定方法とその装
置、並びに、適応同定方法によって得られた結果を用い
て制御対象を適切に制御する適応同定制御方法とその装
置の実施例について述べる。本発明においては、図1に
示した同定制御系において、適応同定装置10において
オフライン的に制御対象6の伝達関数を同定し、その結
果を用いて、図2に示す制御系で制御対象6を実際に制
御する。
【0010】図1に示した同定制御系は、コントローラ
4、非線形要素および時変系要素またはいずれか一方
(非線形要素および/または時変系要素)を含む制御対
象6、適応同定装置10、加算器8を有している。コン
トローラ4は与えられた目標値yr について後述する所
定の制御アルゴリズムに従って、その目標値yr に応じ
て制御対象6を操作させる操作量uを算出する。制御対
象6はコントローラ4からの操作量uに基づいて動作す
る。この制御対象6の操作結果yを実際の操作結果yと
呼ぶ。適応同定装置10にはコントローラ4から制御対
象6と同じ操作量uが与えられ、詳細について後述する
制御対象6と同等の演算処理をしてその演算結果y’を
出力する。この演算結果y’をプロセスモデルの結果
y’と呼ぶ。加算器8は制御対象6の実際の操作結果y
と適応同定装置10の同定結果(プロセスモデルの結
果)y’との偏差eを、下記式に従って計算する。
【0011】
【数9】
【0012】適応同定装置10はこの偏差eの絶対値が
最小になるように、制御対象6を適応的に同定する。適
応同定装置10にはプロセスモデルの初期値が保持され
ており、操作量uに対するプロセスモデルの結果y’
(k)を算出する。この適応同定装置10の詳細動作に
ついては後述する。
【0013】コントローラ4、加算器8、適応同定装置
10を実現する手段としては、(1)コンピュータを用
いて一体的に実現する方法、(2)コントローラ4、加
算器8、適応同定装置10をそれぞれ個別のマイクロコ
ンピュータで実現する方法、(3)コントローラ4をハ
ードウエア回路で実現し、加算器8もハードウエア回路
で実現し、適応同定装置10をコンピュータを用いて実
現する方法など、種々の方法をとることができる。以下
の記述においては、コントローラ4、加算器8および適
応同定装置10を1つのコンピュータを用いて一体的に
実現する場合について例示する。
【0014】図2に示した制御系は、図1に示した適応
同定装置10によって同定された結果を用いて適応制御
装置12によって制御対象6が閉ループ制御される構成
を示している。図3に適応制御装置12の構成を示す。
適応制御装置12は、目標値yr が印加される制御量設
定手段12a、適応同定手段12b、加算器12cから
構成されている。図2および図3に示した適応制御装置
12の詳細については後述する。
【0015】適応同定装置10における適応同定の詳細 ディジタル制御を想定して、制御対象6の離散時間表示
の一般的な伝達関数G(z)を下記式に示す。
【0016】
【数10】
【0017】ディジタルサンプリング制御を行うとし
て、あるサンプリング時刻kにおける、コントローラ4
の操作量u(k)と制御対象6の実際の操作結果y
(k)との関係は下記式で表される。
【0018】
【数11】
【0019】式3より制御対象6の数学モデルをプロセ
スモデルとして、適応同定装置10に保持する。図4は
この種の一般的なプロセスモデルを示す図である。適応
同定装置10において、図4に示した一般的なプロセス
モデルにおけるむだ時間d、プロセス次数n,m、プロ
セスパラメータai ,bi を適応的に同定する。以下、
その詳細を述べる。無駄時間d、プロセス次数n,mに
おけるプロセスパラメータai 、biについての任意の
サンプリング時刻kの値を、ak 、bk (k=k1,k
2,・・・,km)とすると、制御対象6の実際の出力
y(k)と適応同定装置10によるプロセスモデルの結
果y’(k)との関係は下記式で定義される。
【0020】
【数12】
【0021】このとき、制御対象6の実際の操作結果y
(k)と適応同定装置10のプロセスモデルの結果y’
(k)との偏差e(k)は下記式で表される。
【0022】
【数13】
【0023】適応同定装置10は、この偏差e(k)を
用いてプロセスパラメータ(ak+1)および(bk+1
を下記式に従って更新する。
【0024】
【数14】
【0025】
【数15】
【0026】上記式におけるαおよびβは任意の実数で
ある。αおよびβを非常に小さな値に設定しておくと、
式6および式7により、プロセスパラメータ(ai )お
よび(bi )はある値に収束する。しかしながら、αお
よびβをある適切な値に設定すると、プロセスパラメー
タ(ai )および(b i )はある値に収束するのではな
く動的に変化する値となる。本発明においては、プロセ
スパラメータ(ai )および(bi )がある値に収束し
ないようにして、偏差の総和eALL が小さくなるよう
に、αおよびβをある適切な値に設定する。
【0027】
【数16】
【0028】サンプリング時刻k=0から制御終了まで
の偏差e(k)の総和eALL を計算する。このように、
プロセスパラメータ(ai )および(bi )をある値に
収束させるのではなく動的に変化させることにより、偏
差の総和eALL を最小にすることが可能になる。ある無
駄時間dおよびプロセス次数n,mの組合せで得られる
プロセスモデルの評価関数は式8で得られる制御中の誤
差の偏差(誤差)e(k)の総和eALLと、プロセスパ
ラメータの数との関数になっている。無駄時間dとプロ
セス次数n,mの決定方法の例を、図5に示したグラフ
を参照して述べる。
【0029】図5は適応同定装置10における適応的な
同定方法を示すグラフである。図5において、Dは実際
のむだ時間dに相当する計算で求めるむだ時間を示し、
NおよびMは実際の次数N,mに相当する計算で求める
次数を示し、AIC(An Information
Criterion)は同定したパラメータの一致度を
表す情報量規準を示す。すなわち、AICは情報量基準
の意味で、統計的モデルの適切さの基準として真の分布
との間の情報量をとり、その推定値として導入されたも
ので下記式で定義される。
【0030】
【数17】
【0031】次数m、nおよびパラメータの推定を行っ
た際の残差の分散の不倫推定値をσ e ^(ハットσe
とすると、下記式で表される。
【0032】
【数18】
【0033】なお、初期条件として、AIC0〜AIC
3を0に初期化しておく。ステップ1〜4 まず、D=0、N=0、M=0について、適応同定装置
10において、パラメータAi,Biを算出する。パラ
メータAi,Biはプロセスモデルのパラメータai,
biに相当するパラメータである。このパラメータの算
出方法としては、たとえば、最小2乗法などによる。プ
ロセスモデルをサンプリング時刻kを用いて表し、D=
0、N=0、M=0の場合、式3を用いて適応同定装置
10におけるプロセスモデルの結果y’(k)を式3と
同様に、下記式で表す。
【0034】
【数19】
【0035】初期状態、つまり、k=0のとき、制御対
象6の実際の操作結果y(0)と適応同定装置10のプ
ロセスモデルの結果y’(0)との偏差e(0)を用い
て、プロセスパラメータa0 ,b0 を下記の式で更新す
る。
【0036】
【数20】
【0037】
【数21】
【0038】上記式において、プロセスパラメータ
0 ,b0 について、更新後のプロセスパラメータをa
0,K=1 ,b0,K=1 で表し、更新前のプロセスパラメータ
0,K=0,b0,K=0 として表している。更新前のプロセ
スパラメータa0,K=0 ,b0,K=0はそれぞれ任意の初期
値である。αはプロセスパラメータa0 の値を繰り返し
学習によって収束させるための学習定数であり、α>0
である。同様に、βはプロセスパラメータb0 の値を繰
り返し学習によって収束させるための学習定数であり、
β>0である。ここで、学習の終了条件としてしきい値
δa,δbを設定しておき、下記の条件が満足されるま
でサンプリング時刻kの値を順次増加させていき、プロ
セスパラメータa0 ,b0 を決定する。
【0039】
【数22】
【0040】
【数23】
【0041】このようにして、決定されたプロセスパラ
メータa0 ,b0 について、AIC0を算出する。
【0042】ステップ5〜6 ステップ5においてAIC0とAIC1とを比較する。
AIC0は負であるから、ステップ6のAIC1=AI
C0の置き換え処理、および、次数Mの更新を行い、ス
テップ4の処理に戻る。
【0043】ステップ4〜6 AIC0>AIC0になるまで、上記処理を反復する。
これにより、暫定的な次数Mが決定される。
【0044】ステップ3,7,8 AIC0>AIC0になったら、ステップ7の処理に移
行する。ステップ7において、AIC1>AIC2の判
定を行う。このときは、AIC1>AIC2ではないか
ら、ステップ8に移行して、AIC2=AIC1の置き
換え処理を行い、次数Nの更新を行い、ステップ3にお
いて、再び、M=0として、ステップ4の処理に移行す
る。
【0045】ステップ4〜6 この場合は、D=0、N=1、M=0について、適応同
定装置10において、パラメータAi,Biを算出す
る。つまり、次数N=1に更新された状態のAIC0を
算出し、AIC0>AIC0になるまで、ステップ4〜
6の処理を繰り返す。
【0046】ステップ3,7,8 D=0、N=1、M=0において、AIC0>AIC0
になったら、ステップ7の処理に移行する。このとき
も、AIC1>AIC2ではないから、ステップ8に移
行して、AIC2=AIC1の置き換え処理を行い、次
数Nの更新、N=2を行い、ステップ3において、再
び、M=0として、ステップ4の処理に移行する。以上
の処理を行うことにより、次数N,Mが暫定的に決定さ
れる。
【0047】ステップ2,9,10 ステップ7においてAIC1>AIC2になったら、ス
テップ9に移行し、AIC1>AIC2の判定が行わ
れ、ステップ10において、むだ時間Dの更新が行われ
る。
【0048】ステップ2,3,4 更新したむだ時間D、次数N=0,M=0について、上
記同様の処理が行われる。つまり、あるむだ時間におけ
るプロセス次数を徐々に増加させ、そのむだ時間におけ
る次数とプロセスパラメータとの一致度から、最適の次
数N,Mを決定する。さらに、むだ時間を徐々に増加さ
せながら、一致度を比較して、最適なむだ時間を算出す
る。
【0049】適応同定装置10は、式2で表した伝達関
数において、それぞれ各ループにおいて、仮に設定され
た、むだ時間D、次数M,Nについて、分子の多項式の
係数Bi 、分母の多項式の係数Ai を、制御対象6に印
加された操作量uと制御対象6の出力yとの差が最小に
なるように、たとえば、最小2乗法で求めていく。
【0050】例えば、以下の式で、それぞれのパラメー
タak ,bk を更新して、すべてのパラメータak ,b
k が収束するまで、学習を繰り返し、パラメータak
kを決定する。
【0051】
【数24】
【0052】
【数25】
【0053】適応同定装置10における上述した処理に
より、制御対象6の伝達関数G(z)が判ると、コント
ローラ4の制御パラメータを伝達関数の逆関数G
-1(z)として設定する。コントローラ4に制御パラメ
ータが設定されたら、制御対象6のオンライン制御のた
めに、図1に示した加算器8および適応同定装置10は
不要となる。しかしながら、オンライン制御中も、加算
器8および適応同定装置10を動作させて、適応的に同
定した制御対象6の伝達関数の正当さ、コントローラ4
の制御パラメータの妥当性を監視し、同定したモデルと
異なる場合は、再度モデルの同定をやり直すことができ
る。そして、修正したモデルについてプロセスパラメー
タを算出しなおし、コントローラ4に設定しなおすこと
もできる。
【0054】適応的同定制御方法 次に図2および図3に示した適応制御装置12について
述べる。適応制御装置12は上述した図1に示した適応
同定装置10で同定した結果を用いて実際に制御対象6
を制御する。適応制御装置12は制御量設定手段12
a、適応同定手段12b、加算器12cから構成されて
いる。適応同定手段12bは図1に示した適応同定装置
10のプロセスパラメータを同定する部分と同等の機能
を有する。したがって、適応同定装置10のプロセスパ
ラメータを同定する部分を用いて適応同定手段12bを
実現することもできる。つまり、無駄時間、プロセス次
数n,mを上述したように、オフライン的に決定してお
き、あるいは、上述したように、間欠的にオンラインで
動作させて同定結果を更新し、このように適応同定装置
10で得られたサンプリング時刻k=0におけるプロセ
スパラメータa0 ,b0 を適応制御装置12内の適応同
定手段12bのプロセスパラメータの初期値として適応
同定手段12b内のプロセスモデルの結果y’(k)と
制御対象6の実際の操作結果y(k)との偏差e(k)
=y(k)−y’(k)が小さくなるようにプロセスパ
ラメータを変化させて制御対象6の同定を適応的に行
う。上記偏差e(k)は加算器12cにおいて計算され
る。適応同定手段12bにおけるプロセスモデルの伝達
関数を下記式で表すと、
【0055】
【数26】
【0056】制御量設定手段12aの伝達関数はプロセ
スモデルの伝達関数の逆関数として下記式で示される。
【0057】
【数27】
【0058】制御量設定手段12aには目標値yr が印
加されて上記伝達関数に従って操作量uを制御対象6に
出力する。制御対象6は操作量uに従って制御動作を行
う。その結果が実際の操作結果y(k)となる。操作量
uと実際の操作結果y(k)との関係は下記式で示され
る。
【0059】
【数28】
【0060】
【数29】
【0061】適応同定手段12bにおいて制御対象6を
正確に同定できた場合、すなわち、下記式が成立する場
合、
【0062】
【数30】
【0063】下記式が成立し、適応制御装置12によっ
て期待する制御が行われる。
【0064】
【数31】
【0065】以上の例示においては、むだ時間が存在す
る場合を例示したが、むだ時間を殆ど考慮する必要がな
い場合についても本発明を適用できる。むしろ、むだ時
間を含まない制御対象6の制御は容易になる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、数学モデ
ルを使用せず、換言すれば、数学モデルを必要とせず、
単に制御対象への入出力の関係のみから、つまり、操作
量と実際の操作結果のみから、制御対象のむだ時間、プ
ロセス次数、パラメータをオフラインで同定することが
できるから、制御系の設計を簡便に行うことができる。
換言すれば、本発明によれば、制御対象の数学モデルを
求めるために、動特性解析などの種々の複雑で時間のか
かる作業を行う必要がない。
【0067】また、本発明は数学モデルを作成すること
が困難な制御対象について、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適応同定を行う同定制御系を示す図で
ある。
【図2】図1に示したせ適応同定制御系によって得られ
たプロセスパラメータを用いて実際に制御を行う適応同
定制御系の構成図である。
【図3】図2に示した適応制御装置の構成を示す図であ
る。
【図4】図1に示した制御対象のプロセスモデルを示す
図である。
【図5】図1に示した適応同定装置における適応的な同
定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4・・コントローラ 6・・制御対象 8・・加算器 10・・適応同定装置 12・・適応制御装置 12a・・制御量設定手段 12b・・適応同定手段 12c・・加算器 y(k)・・制御対象の実際の操作結果 y’(k)・・適応同定装置のプロセスモデルの結果 yr ・・目標値yr u・・操作量 e・・偏差 eALL ・・偏差の総和
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】ステップ4〜6 AIC0>AICになるまで、上記処理を反復する。
これにより、暫定的な次数Mが決定される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】ステップ3,7,8 AIC0>AICになったら、ステップ7の処理に移
行する。ステップ7において、AIC1>AIC2の判
定を行う。このときは、AIC1>AIC2ではないか
ら、ステップ8に移行して、AIC2=AIC1の置き
換え処理を行い、次数Nの更新を行い、ステップ3にお
いて、再び、M=0として、ステップ4の処理に移行す
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】ステップ4〜6 この場合は、D=0、N=1、M=0について、適応同
定装置10において、パラメータAi,Biを算出す
る。つまり、次数N=1に更新された状態のAIC0を
算出し、AIC0>AICになるまで、ステップ4〜
6の処理を繰り返す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】ステップ3,7,8 D=0、N=1、M=0において、AIC0>AIC
になったら、ステップ7の処理に移行する。このとき
も、AIC1>AIC2ではないから、ステップ8に移
行して、AIC2=AIC1の置き換え処理を行い、次
数Nの更新、N=2を行い、ステップ3において、再
び、M=0として、ステップ4の処理に移行する。以上
の処理を行うことにより、次数N,Mが暫定的に決定さ
れる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ステップ2,9,10 ステップ7においてAIC1>AIC2になったら、ス
テップ9に移行し、AIC>AICの判定が行わ
れ、ステップ10において、むだ時間Dの更新が行われ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非線形要素および時変系要素またはいずれ
    か一方を含む制御対象の伝達関数を同定する適応的同定
    方法であって、 (イ)前記制御対象の伝達関数を離散系の下記伝達関数
    G(z)として仮定的に規定し、 【数1】 (ロ)操作量u(k)に対する前記制御対象の実際の操
    作結果y(k)を下記式で規定し、 【数2】 (ハ)前記制御対象を同定するため、操作量uが印加さ
    れたときのプロセスモデルを下記式で規定し、 【数3】 (ニ)前記プロセスパラメータak ,bK の初期値
    0 ,b0 を所定の値に設定し、 (ホ)前記実際の操作結果y(k)と、前記プロセスモ
    デルの結果y’(k)との偏差e(k)=y(k)−
    y’(k)を算出し、 (ヘ)下記式に基づいて、該偏差e(k)と前回のサン
    プリング時刻のプロセスパラメータak,i ,bk,i を用
    いて次回のサンプリング時刻のプロセスパラメータa
    k+1,i ,bk+1,i を更新し、ただし、変数α,βをプロ
    セスパラメータa,bが動的に変化する値になるように
    設定する。 【数4】 (ト)あるむだ時間dにおけるプロセス次数n,mを徐
    々に増加させてそのときの前記偏差e(k)の総和を最
    小にするように前記プロセスパラメータの一致度から最
    適なプロセスパラメータの次数n,mを決定し、 (チ)むだ時間dを変えて、さらにプロセスパラメータ
    の次数n,mを徐々に増加させてそのときの前記偏差e
    (k)の総和を最小にするように前記プロセスパラメー
    タの一致度から最適のむだ時間を決定し、 (リ)前記得られたプロセスパラメータの次数と、得ら
    れた最適なむだ時間についての、前記伝達関数のプロセ
    スパラメータ(ai )、(bi )を操作量uと実際の操
    作結果y(k)その偏差eが最小になるように決定し、 (ヌ)前記決定したむだ時間、前記決定した次数n,m
    のプロセスパラメータ(ai ),(bi )を用いて、前
    記制御対象の伝達関数を同定する適応的同定方法。
  2. 【請求項2】前記得られた制御対象の伝達関数の逆関数
    を、目標値に対して制御対象に対する操作量を算出する
    制御装置の伝達関数として用いて前記制御対象を制御す
    る適応的同定制御方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009134751A (ja) * 1998-01-22 2009-06-18 Mts Systems Corp 物理的システムにおいて入力信号を発生する方法及び装置

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JP2009134751A (ja) * 1998-01-22 2009-06-18 Mts Systems Corp 物理的システムにおいて入力信号を発生する方法及び装置

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