JPH08129420A - トンネルロボットの方向・位置制御装置及びn次元線形離散時間系確率モデルの構成方法 - Google Patents

トンネルロボットの方向・位置制御装置及びn次元線形離散時間系確率モデルの構成方法

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JPH08129420A
JPH08129420A JP26986494A JP26986494A JPH08129420A JP H08129420 A JPH08129420 A JP H08129420A JP 26986494 A JP26986494 A JP 26986494A JP 26986494 A JP26986494 A JP 26986494A JP H08129420 A JPH08129420 A JP H08129420A
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robot
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deviation
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JP26986494A
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Tadashi Kotani
忠司 小谷
Koichi Yoshida
耕一 吉田
Takeshi Tsujimura
健 辻村
Takenori Morimitsu
武則 森光
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】外乱要因を表す残差項を含むトンネルロボット
の入出力モデルから直接、線形時不変確率システムを求
めることにより、本来の入出力モデルに忠実なシステム
表現を得るトンネルロボットの方向・位置制御装置とn
次元線形離散時間系確率モデルの構成方法を提供する。 【構成】トンネルロボットの制御入力であるロボット本
体7先端のヘッド14角θh の制御装置Aにおいて、ヘ
ッド14角θh を入力としエースモールのダイナミクス
モデルを通してロボット本体7の計画線Yd からの位置
偏差Dを出力するエースモールダイナミクス1と、当該
ダイナミクスモデルから求まるn次元の線形離散時間系
確率モデルを基に外部計測装置によって得られる位置偏
差Dを取り込んでn次元の状態ベクトルを推定するカル
マンフィルタ2と、当該状態ベクトルにn次元のゲイン
マトリックスを乗じてヘッド14角θh を計算する最適
レギュレータ3とを有し、カルマンフィルタ2と最適レ
ギュレータ3が計画線Yd の傾きと土質変化等による外
乱雑音の分散の大きさと計測雑音の分散の大きさによっ
て演算決定自在に構成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無排土式で押し込み推
進させながらロボット本体先端のヘッド角を制御し、方
向・位置修正を行う小口径トンネルロボットの方向・位
置制御装置及びn次元線形離散時間系確率モデルの構成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小口径トンネルロボットの方向制御則が
多数検討されている。その例を以下に示す。 (1)計画線に対するロボット本体の位置偏差とピッチ
ング角度偏差に、ある比例ゲインを掛けたものを次の入
力ヘッド角とするフィードバック制御則。 (2)計画線に対するロボット本体の位置偏差とピッチ
ング角度偏差とそれに対する入力ヘッド角に関するオペ
レータの経験と知識を使い、制御規則、メンバーシップ
関数で表現し制御するファジイ制御則。
【0003】(3)所定の方向制御則から得られる、ロ
ボット本体の位置偏差とピッチング角度偏差とそれに対
する入力ヘッド角との関係を、学習データとしてニュー
ラルネットワークに学習させ、初期位置偏差および初期
ピッチング角度によらない最適フィードバックゲインを
得るニューラルネットワーク制御則。 (4)ファジイ方向制御の最適ファジイ集合代表値をニ
ューラルネットワークによってオートチューニングする
オートチューニングファジイ制御則。
【0004】これらの制御則は、小口径トンネルロボッ
トの方向制御に有効であることが確認されている。しか
しながら、いずれの方法も、試行錯誤的に最適フィード
バックゲインを探索するという姿勢は同様であり、学習
およびオートチューニングの時間が必要という問題点が
あった。
【0005】以上の問題点に対し、特願平6−2192
96号に記載の発明「トンネルロボットの方向・位置制
御方法及び装置」において、トンネルロボットの入出力
モデルから求めたn次元線形離散値型確率システムを用
いて、土質変化などの外乱要因(外乱要因は雑音と扱う
ことができる)を含んだトンネルロボットのダイナミク
スを位置偏差の計測に代表される計測の雑音を表現する
ことにより状態フィードバックを含む制御アルゴリズム
を合理的に決定できるトンネルロボットの方向・位置制
御方法及び装置が提供されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特願平6−21929
6号の発明では、n次元線形離散値型確率システムを求
める場合に、まず残差項を含まないトンネルロボットの
入出力モデルから伝達関数を求め、それを線形時不変確
定システムで表現し、それに改めて残差項に相当する項
を加え確率システムに拡張するという手法を用いてい
る。
【0007】本発明は、このn次元線形離散値型確率シ
ステムについて着目してなされたものであり、その解決
すべき主要な目的は、次の通りである。本発明の第1の
目的は、外乱要因を表わす残差項を含むトンネルロボッ
トの入出力モデルから直接、線形時不変確率システムを
求めることにより、本来の入出力モデルに忠実なシステ
ム表現を得るトンネルロボットの方向・位置制御装置及
びn次元線形離散時間系確率モデルの構成方法を提供せ
んとするものである。
【0008】本発明の第2の目的は、システム表現の状
態ベクトルについて、特願平6−219296号と同様
な計画線からの偏差と偏角の両者を評価する状態フィー
ドバック制御を行うに必要なベクトルの拡大を行うトン
ネルロボットの方向・位置制御装置とn次元線形離散時
間系確率モデルの構成方法を提供せんとするものであ
る。
【0009】本発明の第3の目的は、前記n次元線形離
散値確率システムを基にした、トンネルロボットの方向
・位置制御装置及びn次元線形離散時間系確率モデルの
構成方法を提供せんとするものである。
【0010】本発明のその他の目的は、明細書,図面,
特に特許請求の範囲の記載から明らかとなろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手段及び手法を採用
することにより前記目的を達成する。即ち、本発明装置
の第1の特徴は、土中に押し込み推進させることで無排
土式に管路を構築して行く小口径トンネルロボットの、
制御入力であるロボット本体先端のヘッド角の制御装置
において、当該ヘッド角を入力としエースモールのダイ
ナミクスモデルを通してロボット本体の計画線からの位
置偏差を出力するエースモールダイナミクスをフィード
バック制御自在に接続し、かつ、当該ロボット本体の計
画線からの位置偏差を取り込んでヘッド角を計算する演
算装置が、当該ダイナミクスモデルから求まるn次元の
線形離散時間系確率モデルを基に外部計測装置によって
得られる位置偏差を取り込んでn次元の状態ベクトルを
推定するカルマンフィルタと、当該状態ベクトルにn次
元のゲインマトリクスを乗じてヘッド角を計算する最適
レギュレータとを具備し、前記カルマンフィルタと前記
最適レギュレータが、前記計画線の傾きと、土質変化等
による外乱雑音の分散の大きさと、計測雑音の分散の大
きさによって演算決定自在に構成してなるトンネルロボ
ットの方向・位置制御装置である。
【0012】本発明装置の第2の特徴は、前記本発明装
置の第1の特徴におけるダイナミクスモデルが、ロボッ
ト本体の姿勢角と水平線が成すピッチング角度の変化量
の時系列項と、ヘッド角の時系列項と、正規分布で近似
できる残差の線形結合と、によって表される差分方程式
で与えられ、各項のパラメータは最小二乗法によって推
定されてなるトンネルロボットの方向・位置制御装置で
ある。
【0013】本発明装置の第3の特徴は、前記本発明装
置の第2の特徴における差分方程式が、出力変数を偏角
に、制御入力変数をヘッド角に、その他を残差にそれぞ
れ対応変換し、さらに、前記偏角から偏差への伝達関数
を加え、偏差をも評価可能に状態ベクトルを拡大して、
状態空間表現で表してなるトンネルロボットの方向・位
置制御装置である。
【0014】本発明装置の第4の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2又は第3の特徴における外部計測装置
が、相互に連通するロボット本体内圧力センサと地上基
準圧力センサとの液圧差により地上測定基準面からの垂
直位置の計測装置であるトンネルロボットの方向・位置
制御装置である。
【0015】本発明装置の第5の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3又は第4の特徴におけるカルマン
フィルタが、雑音に汚れた出力から状態ベクトルを推定
するために、雑音過程を含んだ状態空間表現を基に、状
態推定器を構成してなるトンネルロボットの方向・位置
制御装置である。
【0016】本発明方法の第1の特徴は、土中に押し込
み推進させることで無排土式に管路を構築して行く小口
径トンネルロボットの、制御入力であるロボット本体先
端のヘッド角を制御するに当り、ロボット本体の計画線
からの位置偏差を取り込んで前記ヘッド角を計算する
際、前記トンネルロボットのダイナミクスモデルから一
意的に求まる、前記ヘッド角を制御入力変数、計画線か
らの偏差を出力変数とする1入力1出力の線形時不変確
率システムに対し、偏角から偏差への伝達関数を追加す
るように状態ベクトルを拡大し、1入力2出力の線形時
不変確率システムを構成することによって、状態フィー
ドバック制御のゲインマトリクスを求めるための評価関
数が、計画線からの偏角と偏差の2項を評価できるよう
にしてなるn次元線形離散時間系確率モデルの構成方法
である。
【0017】本発明方法の第2の特徴は、前記本発明方
法の第1の特徴における1入力1出力の線形時不変確率
システムが、n次元の状態変数ベクトル、制御入力変
数、雑音入力変数、出力変数の関係を状態方程式と出力
方程式で表現してなるn次元線形離散時間系確率モデル
の構成方法である。
【0018】本発明方法の第3の特徴は、前記本発明方
法の第1又は第2の特徴における状態フィードバック制
御が、状態空間表現に適用して、状態量や制御量に関す
る2次形式評価関数を最適化する安定なフィードバック
ループを形成してなるn次元線形離散時間系確率モデル
の構成方法である。
【0019】本発明方法の第4の特徴は、前記本発明方
法の第3の特徴における2次形式評価関数が、出力変数
の収束を速めたり、制御に要する入力を可及的に小さく
したり、所望に設定可能であるn次元線形離散時間系確
率モデルの構成方法である。
【0020】本発明方法の第5の特徴は、前記本発明方
法の第1,第2,第3又は第4の特徴における状態フィ
ードバック制御が、ある時点の事後推定値と、当該事後
推定値を用いた状態フィードバックによるヘッド角入力
から、次時点の事前推定値と、これに基づく出力予測値
を計算してなるn次元線形離散時間系確率モデルの構成
方法である。
【0021】
【作用】本発明は、前記のような新規な手段及び手法を
講じることにより、ロボット本体先端のヘッド角の制御
において、ロボット本体の計画線からの位置偏差を取り
込んでヘッド角を計算する場合、その演算装置の計算ア
ルゴリズムを、計画線の傾きと、土質変化などの外乱雑
音の分散の大きさと、計測雑音の分散の大きさによって
変更するものである。
【0022】また、演算装置におけるn次元の線形離散
時間系確率モデルの決定において、前記トンネルロボッ
トのダイナミクスモデルから一意的に求まる、ヘッド角
を制御入力変数、計画線からの偏差を出力変数とする1
入力1出力の線形時不変確率システムに対し、偏角から
偏差への伝達関数を追加するように状態ベクトルを拡大
し、1入力2出力の線形時不変確率システムを構成する
ことによって、状態フィードバック制御のゲインマトリ
クスを求める評価関数が、計画線からの偏角と偏差の2
項を評価できるようにするものである。
【0023】
【実施例】
(装置例)以下に図面を参照して本発明の装置例を説明
する。図1は本装置例の制御系ブロック線図、図2は本
装置例を装備使用したトンネルロボットのシステム構成
を示す図である。図中、Aは本装置例のトンネルロボッ
トの方向・位置制御装置、1はエースモールダイナミク
ス、2はカルマンフィルタ、3は最適レギュレータ、4
は演算装置、5,6は加算器である。この状態推定カル
マンフィルタ2と最適レギュレータ3とは演算装置4を
構成する。
【0024】トンネルロボットのシステムBは、ヘッド
角修正機能を持つトンネルロボット本体7、埋設管8、
埋設管8を押し込む押管装置9、油圧装置10、操作盤
11よりなる。図中、12はオペレータ、13は地表、
14はヘッドである。埋設管8は押管装置9より油圧で
一本づつ押し込まれる。このとき、オペレータ12はヘ
ッド14角を逐次修正し、計画線Yd に沿うように方向
制御を行う。この方向制御は従来オペレータの経験と知
識に頼っていた。
【0025】(方法例)当該本装置例に適用する本発明
の方法例の処理手順を図面につき説明する。図3は本方
法例が利用するトンネルロボットの垂直位置計測法を実
行する位置検知装置を示す図であり、シリコンタンク1
5によりシリコンホース16に供給されるシリコン油の
ホース16両端での液圧差を、先端トンネルロボット内
圧力センサ17と地上基準圧力センサ18により測定
し、地表13の測定基準面19からの垂直位置を得るも
のである。
【0026】以下に、この垂直位置計測法によって得ら
れるロボット本体7の計画線Yd からの位置偏差を取り
込んで、制御量であるヘッド14角を演算する、”エー
スモール”と呼称され、実用化されている小口径トンネ
ルロボットについての方向・位置制御法の実行手順につ
いて説明する。
【0027】制御対象としてエースモールダイナミクス
1(エースモールのダイナミクスモデル)が次の差分方
程式で与えられているものとする。
【数1】 ただし、Δθp [゜]はロボット本体7の姿勢角と水平
線βが成すピッチング角θp の変化量(以後ピッチング
角変化量Δθp と呼ぶ)、θh [゜]はヘッド1
【外1】 を図4(a)(b)にそれぞれ示す。
【0028】このモデル同定は特開平3−140599
号公報に開示されており、ロボット本体7のピッチング
角変化量Δθp の時系列項、ヘッド14角の時系列項、
および正規分布で近似できる残差の線形結合によってエ
ースモールのダイナミクスを表すもので、各項のパラメ
ータは最小二乗法によって推定される。
【0029】上式をz変換するとθh (k+r)→zr
θh (z)等のように変換されるから、整理して次の式
を得る。
【数2】 一方、図5に示すように位置Y(k)と、偏角θ
s (k)、計画線Yd の傾きθd の関係は次式で表され
る。
【数3】 上式は、θs (k)が微小角であることを考慮すれば次
の結果を得る。
【数4】 ここでLsinθd =Yd (k)−Yd (k−1)を考
慮すれば、計画線Ydからの偏差をD(k)=Y(k)
−Yd (k)と定義して次式を得る。
【数5】 両辺をz変換して整理すれば、次のようになる。
【数6】
【0030】また、ピッチング角度変化量Δθp と偏角
θs との間に次の関係が成り立つ。
【数7】 z変換して、次の結果を得る。
【数8】
【0031】従って、ヘッド角θh と偏角θs との差分
方程式は次のように表わせる。
【数9】
【0032】ここで、上記の入出力関係を実現する状態
空間表現を求める。Xをn次元の状態変数ベクトル[x
1 ,x2 ,…,xn T 、uを制御入力変数(スカ
ラ)、eを雑音入力変数(スカラ)、yを出力変数(ス
カラ)として次のような状態方程式と出力方程式を考
え、1入力1出力の線形時不変確率システムを構成す
る。
【数10】
【0033】ただし、
【数11】
【0034】z変換して両辺を比較すれば、
【数12】 となる。
【0035】以上を整理すれば次の式を得る。
【数13】 同様に、出力式について整理して次式を得る。
【数14】
【0036】(12)式からXn (z)を消去すると差
分方程式は次のようになる。
【数15】
【0037】従って、差分方程式(9)式を状態空間表
現で表すためには、(13)式で出力変数y→偏角
θs ,制御入力変数u→ヘッド角θh ,w→雑音入力変
数eとみなして(9)式と(14)式の分母・分子が一
致するようにαi ,βi ,γi (i=1〜n)を選べば
よい。このとき、n=4となり、θs /θh の状態空間
【外2】
【数16】
【0038】上式の状態空間表現に(6)式のD/θs
の伝達関数を加え、偏差Dをも評価できるように状態ベ
クトルを拡大すると、最終的にn=5となり、次の状態
空間表現を得る。
【数17】
【0039】伝達関数D/θs ,θs /θh は共に少な
くともz=1という不安定な運動モードを持っており、
安定な方向・位置制御のためには状態量に関するフィー
ドバックが必要となる。従来までは、位置と偏差に関し
て試行錯誤的に求めたフィードバックゲインを用いてい
たが、ai ,bi 等のシステムパラメータが変化すれば
再びゲインを決定し直さねばならなかった。前節で求め
た状態空間表現に最適レギュレータ3を適用することに
より、状態量や制御量に関する2次形式評価関数を最適
化する安定なフィードバックループを形成できる。
【0040】評価関数は出力変数の収束を速めたり、或
いは制御に要する入力を出来る限り小さくする等設計者
の要望に合わせて設定可能であり、次の形で与えられ
る。
【数18】 ここで、Qは状態に関する重み行列で、r(>0)は入
力に対する重みである。一般にQを大きくするほど制御
入力を抑制することができる。
【0041】特に出力のみを評価したい場合には、
【数19】
【0042】と書けるので、
【数20】 とおけばよい。
【0043】2次形式評価関数Jを最適化する状態フィ
ードバックは以下のように与えられる。
【数21】 ただし、Pは離散型リカッチ方程式
【数22】 を満たす正定行列である。
【0044】Q,rを設定すればリカッチ方程式は次の
手順で解くことができる。 i)P(0)=0とおく。 ii)
【数23】 をくり返し計算してその定常解をPとする。
【0045】(19)式による状態フィードバックを行
うためには状態ベクトルX(k)が測定可能でなければ
ならないが、実システムにおいて知り得るのは出力D
(k),θs のみであり、実システムにおけるこれらの
信号は雑音に汚されている。(15)式の雑音過程を含
んだ状態空間表現を基にカルマンフィルタによる状態推
定器を構成すれば、雑音に汚された出力から状態ベクト
ルX(k)を推定することが可能である。ただしD
(k)はθs から積分要素を介し出力される信号である
ため、θs からではすべての状態変数を推定することは
できない。従って、ここではD(k)からカルマンフィ
ルタ2を構成する。
【0046】(6)式の状態空間表現に、偏差D(k)
を観測するときの観測雑音の項v(k)[mm]を加え
ると、次のようになる。
【数24】
【0047】
【外3】
【外4】
【外5】 ルタのアルゴリズムが適用できる。
【数25】
【0048】(22)式では時点kで測定した出力D
(k)と、時点k−1で予測した時点
【外6】
【外7】
【外8】
【外9】 状態フィードバックによるヘッド14角入力θh (k)
から、次の時点k+1で
【外10】
【外11】
【外12】
【0049】カルマンゲインKは、以下のように与えら
れる。
【数26】
【外13】 リカッチ方程式
【数27】 を満たす。
【0050】
【外14】 i)Σ(0)=0とおく。 ii)
【数28】 をくり返し計算してその定常解をΣとする。このカルマ
ンフィルタ2によって推定された状態ベクトルを最適レ
ギュレータ3の状態ベクトルとしてフィードバックすれ
ばよい。
【0051】(実験例)次に本実施例の設計例として実
際の施工実験データの例を考える。実験結果により得ら
れた、エースモールダイナミクスのピッチング角変化量
とヘッド14角に関するダイナミクスモデルの各パラメ
ータは次のように与えられる。
【数29】
【外15】
【0052】1ストロークの長さをL=450[m
m]、計画線Yd の傾きをθd =0[゜]とした場合の
状態変数表現は次のように求められる。
【数30】
【0053】次に最適レギュレータ3を構成する。重み
行列選定の一例として次のような見積もりを行う。例え
ば、偏差Dと偏角θs の収束誤差をそれぞれ1[m
m],0.1[゜]程度とし、又ヘッド角θh の絶対値
が最大±1.5[゜]と限られているため少なくとも出
力誤差の範囲内ではヘッド角の変動幅を0.1[゜]程
度を許容するものとすれば、評価関数中の各要素の比率
は次のようになる。
【数31】
【0054】各要素を等しく評価したければ、各重み変
数を次のようにおけばよい。
【数32】 このとき、重み行列Qは次のように与えられる。
【数33】
【0055】重み行列Qとrを用いて(20)式のリカ
ッチ方程式を解けば200回のくり返し計算の後、次の
収束解Pを得る。
【数34】
【0056】最終的に最適レギュレータ3のフィードバ
ックゲインが次のように計算される。
【数35】
【0057】また、カルマンフィルタ2のゲインKは、
(26)式と偏差Dの観測雑音を平
【外16】
【外17】 れ、
【数36】
【0058】最終的にカルマンゲインKは次のように計
算される。
【数37】
【0059】カルマンフィルタ2を用いて状態ベクトル
を推定するときには初期状態ベクトルを選ばなければな
らない。推定値が速やかに収束するためには推定誤差が
小さいことが望ましいので次のような見積もりを行う。
(1)式のダイナミクスが意味を持つのはk=3以降で
あるので、少なくとも
【数38】 であるとする。
【0060】これは(1)式を用いてシミュレーション
を行う場合の初期条件とも考えられる。このとき(7)
式と(34)式を考慮すれば、
【数39】 また、(27)式と(33)式を考慮すれば
【数40】 となる。
【0061】以上を整理すれば
【数41】 を得る。
【0062】
【外18】 ルの初期値とすればよい。
【数42】
【0063】ちなみに、図6(a),(b),(c)は
位置の初期偏差をD(0)=500[mm]、偏角の初
期値をθs =−1.5[゜]、遷移雑音eおよび偏差D
の観測雑音無し、とおいた場合のシミュレーション結果
である。図7(a),(b),(c)は位置の初期偏差
をD(0)=500[mm]、偏角の初期値をθs =−
1.5[゜]、遷移雑音e[゜]を平均値0分散0.1
3、偏差D[mm]の観測雑音を平均値0分散1、とお
いた場合のシミュレーション結果である。
【0064】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、外乱要因を
表わす残差項を含むトンネルロボットのエースモールの
ダイナミクスモデルから直接線形時不変確率システムを
求めることにより、本来のダイナミクスモデルに忠実な
システム表現を得るとともに当該システム表現の状態ベ
クトルについても計画線からの偏差と偏角の両者を評価
する状態フィードバック制御を行うに必要なベクトルの
拡大も行って得たn次元線形離散値型確率システムを通
して計画線に追従するトンネルロボットの方向・位置を
正確に制御することが可能となる等優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置例を示す最適レギュレータとカル
マンフィルタを含む制御系のブロック線図である。
【図2】同上を装備使用したトンネルロボットのシステ
ム構成を示す図である。
【図3】本発明が利用する垂直位置計測法を実行する位
置検知装置を示す図である。
【図4】(a)(b)はそれぞれ本発明の方法例におけ
るヘッド角とピッチング角の定義の一例を示す図であ
る。
【図5】同上における位置Y(k)と偏角θs (k)と
の関係を示す図である。
【図6】(a)(b)(c)は本発明の実験例における
位置偏差、偏角、ヘッド角のシミュレーション結果をそ
れぞれ示す図である。
【図7】(a)(b)(c)は同上における雑音を付加
した場合の位置偏差、偏角、ヘッド角のシミュレーショ
ン結果をそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
A…トンネルロボットの方向・位置制御装置 B…トンネルロボットシステム 1…エースモールダイナミクス 2…カルマンフィルタ 3…最適レギュレータ 4…演算器 5,6…加算器 7…トンネルロボット本体 8…埋設管 9…押管装置 10…油圧装置 11…操作盤 12…オペレータ 13…地表 14…ヘッド 15…シリコンタンク 16…シリコンホース 17…先端トンネルロボット内圧力センサ 18…地上基準圧力センサ 19…測定基準面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森光 武則 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土中に押し込み推進させることで無排土式
    に管路を構築して行く小口径トンネルロボットの、制御
    入力であるロボット本体先端のヘッド角の制御装置にお
    いて、 当該ヘッド角を入力としエースモールのダイナミクスモ
    デルを通してロボット本体の計画線からの位置偏差を出
    力するエースモールダイナミクスをフィードバック制御
    自在に接続し、かつ、当該ロボット本体の計画線からの
    位置偏差を取り込んでヘッド角を計算する演算装置が、 当該ダイナミクスモデルから求まるn次元の線形離散時
    間系確率モデルを基に外部計測装置によって得られる位
    置偏差を取り込んでn次元の状態ベクトルを推定するカ
    ルマンフィルタと、 当該状態ベクトルにn次元のゲインマトリクスを乗じて
    ヘッド角を計算する最適レギュレータを具備し、 前記カルマンフィルタと前記最適レギュレータが、前記
    計画線の傾きと、土質変化等による外乱雑音の分散の大
    きさと、計測雑音の分散の大きさによって演算決定自在
    に構成する、 ことを特徴とするトンネルロボットの方向・位置制御装
    置。
  2. 【請求項2】ダイナミクスモデルは、 ロボット本体の姿勢角と水平線が成すピッチング角度の
    変化量の時系列項と、 ヘッド角の時系列項と、 正規分布で近似できる残差の線形結合と、 によって表される差分方程式で与えられ、 各項のパラメータは最小二乗法によって推定される、 ことを特徴とする請求項1記載のトンネルロボットの方
    向・位置制御装置。
  3. 【請求項3】差分方程式は、 出力変数を偏角に、制御入力変数をヘッド角に、その他
    を残差にそれぞれ対応変換し、 さらに、前記偏角から偏差への伝達関数を加え、偏差を
    も評価可能に状態ベクトルを拡大して、 状態空間表現で表す、 ことを特徴とする請求項2記載のトンネルロボットの方
    向・位置制御装置。
  4. 【請求項4】外部計測装置は、 相互に連通するロボット本体内圧力センサと地上基準圧
    力センサとの液圧差により地上測定基準面からの垂直位
    置の計測装置である、 ことを特徴とする請求項1,2又は3記載のトンネルロ
    ボットの方向・位置制御装置。
  5. 【請求項5】カルマンフィルタは、 雑音に汚れた出力から状態ベクトルを推定するために、
    雑音過程を含んだ状態空間表現を基に、 状態推定器を構成する、 ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のトンネ
    ルロボットの方向・位置制御装置。
  6. 【請求項6】土中に押し込み推進させることで無排土式
    に管路を構築して行く小口径トンネルロボットの、制御
    入力であるロボット本体先端のヘッド角を制御するに当
    り、 当該ロボット本体の計画線からの位置偏差を取り込んで
    前記ヘッド角を計算する際、 前記トンネルロボットのダイナミクスモデルから一意的
    に求まる、前記ヘッド角を制御入力変数、計画線からの
    偏差を出力変数とする1入力1出力の線形時不変確率シ
    ステムに対し、 偏角から偏差への伝達関数を追加するように状態ベクト
    ルを拡大し、1入力2出力の線形時不変確率システムを
    構成することによって、 状態フィードバック制御のゲインマトリクスを求めるた
    めの評価関数が、前記計画線からの偏角と偏差の2項を
    評価できるようにする、 ことを特徴とするn次元線形離散時間系確率モデルの構
    成方法。
  7. 【請求項7】1入力1出力の線形時不変確率システム
    は、 n次元の状態変数ベクトル、制御入力変数、雑音入力変
    数、出力変数の関係を状態方程式と出力方程式で表現す
    る、 ことを特徴とする請求項6記載のn次元線形離散時間系
    確率モデルの構成方法。
  8. 【請求項8】状態フィードバック制御は、 状態空間表現に適用して、 状態量や制御量に関する2次形式評価関数を最適化する
    安定なフィードバックループを形成する、 ことを特徴とする請求項6又は7記載のn次元線形離散
    時間系確率モデルの構成方法。
  9. 【請求項9】2次形式評価関数は、 出力変数の収束を速めたり、 制御に要する入力を可及的に小さくしたり、 所望に設定可能である、 ことを特徴とする請求項8記載のn次元線形離散時間系
    確率モデルの構成方法。
  10. 【請求項10】状態フィードバック制御は、 ある時点の事後推定値と、 当該事後推定値を用いた状態フィードバックによるヘッ
    ド角入力から、次時点の事前推定値と、 これに基づく出力予測値を計算することを特徴とする請
    求項6,7,8又は9記載のn次元線形離散時間系確率
    モデルの構成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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