JPH0792510B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH0792510B2
JPH0792510B2 JP62147061A JP14706187A JPH0792510B2 JP H0792510 B2 JPH0792510 B2 JP H0792510B2 JP 62147061 A JP62147061 A JP 62147061A JP 14706187 A JP14706187 A JP 14706187A JP H0792510 B2 JPH0792510 B2 JP H0792510B2
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料集合体に係り、特に沸騰水型原子炉に適
用されてしかも高燃焼度燃料に好適な燃料集合体に関す
るものである。
〔従来の技術〕
燃焼度が零の新しい燃料集合体は、所定の期間、原子炉
の炉心内に装荷されており、寿命に達した後に使用済の
燃料集合体として炉心外に取出される。燃料集合体が炉
心内に装荷されている間に、燃料集合体を構成している
燃料棒内の核分裂性物質、すなわちウラン235が分裂し
て熱を発生し、この熱が炉心に供給される冷却水に伝え
られる。沸騰水型原子炉であれば、冷却水はウラン235
の核分裂によつて生じる熱により加熱されて蒸気にな
る。
燃焼度が零の新しい燃料集合体は、所定期間の寿命を維
持するように、すなわち所定期間の末期においても所定
の核分裂を起こすように必要な濃縮度を有する燃料ペレ
ツトを複数の燃料棒内に充填している。従つてこの新し
い燃料集合体は、炉心内に装荷された初期の時点では、
過剰量の核分裂性物質を有しており、初期余剰反応度を
有している。しかしながら、原子炉は、初期余剰反応度
を考慮して可燃性毒物及び制御棒を用いて、運転時に実
効増倍率を1に維持すると同時に原子炉の停止時に実効
増倍率を1未満に低下させるように制御される。
沸騰水型原子炉では、運転中に冷却水がウラン235によ
る核分裂によつて加熱されて蒸気となる関係上、炉心上
部に向つて蒸気のボイドが増大する。このようなボイド
分布により炉心における軸方向の出力分布は、下部にピ
ークが生じる分布となる。沸騰水型原子炉における軸方
向の出力分布のゆがみは、上部領域におけるウラン235
の濃縮度の増大もしくは下部領域における可燃性毒物濃
度の増大によつて一様な分布に改善できる。
ところで、沸騰水型原子炉の停止時には、炉心内での蒸
気の発生がなくなるので、上部領域では蒸気ボイドの量
が零の状態になる。このため、原子炉の停止時には、ボ
イドが排除されてボイドによる反応度抑制効果がなくな
る炉心上部領域、特に炉心上端部領域での反応度が炉心
下部領域のそれよりも大きくなる。すなわち、沸騰水型
原子炉における炉停止余裕が減少することになる。炉停
止余裕とは、炉心内に全制御棒を挿入して原子炉を停止
させた時にそれらの制御棒のうちで最も反応度効果の大
きな1本の制御棒(最大価値を有する制御棒)が炉心内
に挿入されない状態になつたとしても、残りの制御棒に
て原子炉を冷温停止させて未臨界状態を維持する反応度
からの余裕である。すなわち、特開昭58−179391号公報
の3頁、下部右欄9〜16行に示されるように、最大価値
を有する制御棒が1本炉心から引抜かれた状態になつた
としても、実効増倍率が0.9962未満、望ましくは0.99以
下になることが要求される。
このような炉停止余裕を満足するために、特開昭58−17
9391号公報は、燃料集合体内の燃料有効長部(燃料ペレ
ツトが充填されている領域)の軸方向の上部に低濃縮度
の燃料ペレツドを充填することを提案している。また特
開昭58−179392号公報は、原子炉停止時において出力が
ピークに達する軸方向の領域に濃度の高い可燃性毒物を
充填することを提案している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
最近、燃料集合体の燃焼度を大きくすることによつて燃
料経済性を向上することが考えられている。燃料集合体
の燃焼度を大きくするための一般的な手法としては、炉
心に装荷する新しい燃料集合体を構成する燃料棒内に充
填される燃料ペレツトの濃縮度、すなわちウラン−235
の割合を大きくすることである。特開昭58−179391号公
報及び特開昭58−179392号公報に示された燃料集合体は
平均濃縮度が約3重量%であるが、高燃焼度化のために
4〜5重量%またはそれ以上の平均濃縮度を有する燃料
集合体の開発が望まれている。このように燃焼度が零の
新しい燃料集合体内の濃縮度を大きくすると、原子炉の
炉心内に初期に装荷される核分裂性物質の過剰量が更に
大きくなり初期余剰反応度がひじように大きくなる。こ
の初期余剰反応度自体は、前述したように可燃性毒物及
び制御棒等により制御することが可能である。しかしな
がら、濃縮度を高くすることによる燃料集合体の高燃焼
度化は、上部領域の濃縮度も高めることにつながり特開
昭58−179391号公報及び特開昭58−179392号公報に示す
燃料集合体よりも炉停止余裕が減少する。
本発明の目的は、出力分布の平坦化及び核燃料物質の装
荷量減少の抑制を達成すると共に、炉停止余裕の向上を
達成できる燃料集合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な構造で減速材領域に大きな
複数の水ロツドを保持できる燃料集合体を提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の第1の目的は、1本の燃料棒の横断面積の2倍
以上の減速材領域横断面積を有する複数の水ロツドを備
え、2本の前記水ロツドが互いに斜めに隣接し配置さ
れ、しかも前記2本の水ロツドに隣接して配置された燃
料棒内の燃料有効長部の少なくとも上端部領域の無限増
倍率を、この燃料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣
接している燃料棒の対向する領域の無限増倍率よりも低
くすることによつて達成できる。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成する要件
に、複数の燃料棒を保持する燃料スペーサが燃料棒が挿
入される複数の円筒部材、前述の無限増倍率が低い燃料
棒が挿入される前記円筒部材に取付けられるU字部を有
する第1部材、及び水ロツドに隣接ししかも互いに隣接
する2つの前記円筒部材に取付けられると共に2本の水
ロツドの軸心を結ぶ直線の延長線上にある第2部材を有
し、水ロツドを第1部材のU字部及び第2部材によつて
保持されることによつて達成される。
〔作用〕
本発明の第1の特徴によれば、1本の燃料棒の横断面積
の2倍以上の減速材領域横断面図を有する水ロツドを少
なくとも2本配置しているので、燃料集合体内の減速材
/燃料の比が増大し、燃料集合体横断面の出力分布が平
坦化される。2本の上記水ロツドを互いに斜めに隣接さ
せて配置しているので、水ロツドの減速材領域横断面積
を増加させた割には燃料集合体内の核燃料物質を多く装
荷でき、燃料経済性を十分に享受できる。更には、水ロ
ツドの減速材領域横断面積の増大による効果及び2本の
水ロツドに隣接して配置された燃料棒の燃料有効長部の
少なくとも上端部における無限増倍率をその燃料棒に隣
接する周囲の燃料棒の対向する領域の無限増倍率よりも
低くする効果によつて炉停止余裕を増大できる。
本発明の第2の特徴によれば、第1部材のU字部にて2
本の水ロツドを保持することができるので、燃料スペー
サによる水ロツドの保持が簡単な構造で容易に実施でき
る。
〔実施例〕
発明者等は高燃焼度を達成する燃料集合体の特性を種々
の観点から検討し、その検討結果に基づいて本発明の燃
料集合体を考えだしたのである。本発明の実施例を説明
する前に、上記の検討結果について説明する。
まず、濃縮度の増加に対する影響について検討した。第
8図は、沸騰水型原子炉における燃料集合体の平均濃縮
度の増加による減速材/燃料の比(すなわち、水素原子
数/ラウン原子数の比)と無限増倍率との関係を示して
いる。特性Aは平均濃縮度が高い高燃焼度の燃料集合
体、特性Bは平均濃縮度が低い燃料集合体(従来の燃料
集合体)に対するものである。A1は平均濃縮度の高い特
性Aの燃料集合体における原子炉の出力運転時の無限増
倍率と原子炉の冷温停止時の無限増倍率との差を示して
いる。また、B1は、平均濃縮度の低い特性Bの燃料集合
体における原子炉出力運転時と原子炉冷温停止時との間
における無限増倍率の差を示している。特性A及びBと
も、ボイドの多い原子炉出力運転時には無限増倍率が小
さく、ボイドが少なく中性子がよく減速される原子炉の
冷温停止時には無限増倍率が大きくなつている。なお、
燃料集合体の平均濃縮度が大きくなる程、原子炉出力運
転時と原子炉冷温停止時との間の無限増倍率の差が大き
くなる。これは、平均濃縮度の高い燃料集合体程、炉停
止余裕が低下することを意味している。
次に、沸騰水型原子炉の炉心内に装荷される平均濃縮度
4.5重量%の燃焼度が零の新燃料集合体(燃料棒の配列
は9行9列)内に配置された全水ロツド内の減速材領域
(沸騰水型原子炉では冷却水領域)の合計横断面積によ
つて変わる無限増倍率の状態を検討した。第9図は、そ
の検討結果を示している。実線は原子炉出力運転時にお
ける燃料集合体の全水ロツドの減速材領域の合計横断面
積と無限増倍率との関係を示し、一点鎖線は原子炉冷温
停止時におけるそれらの関係を示している。
燃料集合体における水ロツドの減速材領域の横断面積を
増大させることによつて、原子炉出力運転時と原子炉冷
温時との間の無限増倍率の差が小さくなり(第9図、詳
しくは第10図を参照)、炉停止余裕が増大する。これ
は、水ロツド内を上昇して流れる冷却水は軸方向の上部
においても沸騰する確率がひじように小さく飽和水の状
態にあるので、水ロツドの減速材領域の横断面積が大き
いと、燃料集合体の上部においてもその横断面積に占め
る飽和水領域の面積の割合が大きくなるためである。ま
た水ロツドの減速材領域の横断面積の増加は、燃料集合
体内の減速材/燃料の比を大きくすることにもつなが
り、燃料集合体の横断面における熱中性子束分布(出力
分布)の平坦化に大きく寄与する。
以上述べたように燃料集合体の水ロツドの横断面積の増
加は、炉停止余裕を減少させる機能及び出力分布平坦化
の可能を有するが、その横断面積があまり大きくなり過
ぎると燃料集合体内における核分裂性物質(例えばウラ
ン235)及び燃料親物質(例えばウラン238)を含む核燃
料物質の装荷量の減少に伴う悪影響が強くなつてくる。
すなわち、燃料集合体内における核燃料物質の装荷量の
著しい減少は、燃料経済性の低下につながる。このよう
な観点を考慮して、燃料集合体内の核燃料物質の装荷量
の減少を抑制すると共に燃料集合体の減速材/燃料の比
の改善による燃料集合体横断面における熱中性子束の平
坦化を図つた燃料集合体として第11図に示すものが提案
されている。この燃料集合体は、本発明と同一の特許出
願人から特願昭61−59204号として出願されているもの
であつて、本発明の先願であり公知例ではない。
この燃料集合体の構造について第11図により概略説明す
る。燃料集合体21は、チヤンネルボツクス23内に9行9
列に燃料棒22を配列した燃料集合体であつて、横断面の
中央部に燃料棒22の直径、詳細には複数の燃料棒22を束
ねる燃料スペーサ(図示せず、特開昭59−65287号公報
の第2A図の構造)の円筒スリーブの直径よりも大きな冷
却水流路の直径を有する2本の太径の水ロツド11を互い
に隣接させて配置している。1つの円筒スリーブ内に1
本の燃料棒が挿入される。2本の水ロツド11は、燃料集
合体21に対向する2つのコーナを結ぶ対角線上に配置さ
れている。これらに2本の水ロツド11の減速材領域の合
計横断面積は、1本の燃料棒22の横断面積の9倍であ
る。このような2本の水ロツド11を有する燃料集合体21
は、原子炉出力運転時においては第9図のMX点の無限増
倍率を得ることができ、最も燃料経済性がよい。加え
て、水ロツド11の横断面積を大きくしても、2本の水ロ
ツド11の配置によつて取除かれる燃料棒22は7本であ
り、燃料集合体21内に74本という多数の燃料棒22を配置
することができる。
本発明者等は、このような2本の太径の水ロツドを有す
る燃料集合体21では、個々の燃料棒22の周囲に形成され
る冷却材領域の面積が一様ではなく燃料棒22の配置位置
によつて著しく異なることを発見し、燃料集合体21内で
燃料棒に対する冷却材領域の面積が異なることも炉停止
余裕を低下させることにつながつていることを見出し
た。すなわち、チヤンネルボツクス23内の冷却材領域の
面積(2本の水ロツド11内の減速材領域面積を除く)を
燃料ペレツトが充填されていない2本の水ロツド11を除
いた74本の燃料棒22について分割すると、第11図のよう
になる。一部しか記入していないが、破線が各燃料棒22
毎の冷却材領域の境界を示している。この破線は、隣接
する燃料棒22の中間を通る仮想線である。ほとんどの燃
料棒22は、24で示す冷却材領域を周囲に形成している。
しかし、2本の水ロツド11の軸心を結ぶ直線と直交する
燃料集合体21の1本の対角線上に配置されて各々の水ロ
ツドに隣接する2本の燃料棒10は、冷却材領域24に比べ
著しく面積の大きい25で示す冷却材領域を周囲に形成し
ている。冷却材領域における冷却材の密度は、原子炉の
出力運転時においては蒸気のボイドが存在し原子炉の冷
温停止時においては蒸気のボイドがなくなるので、前述
したように出力運転時と冷温停止時との間で変化する。
この変化の割合は、冷却材領域24よりも2本の水ロツド
11に隣接する冷却材領域25で著しく大きくなることが判
明した。
発明者等は、第11図の燃料集合体における前述の新たな
課題、すなわち、2本の太径の水ロツド(減速材領域の
直径が燃料スペースの円筒スリーブの外径よりも大き
い)に隣接する冷却材領域において原子炉の出力運転時
と冷温停止時との間で生じる冷却材密度の変化幅の抑制
について更に検討した。燃料棒周囲の冷却材領域におけ
る冷却材密度は、蒸気のボイド量が多い程、小さくな
る。検討の結果、発明者等は、太径の2本の水ロツドの
両方に隣接している2本の燃料棒(第11図において2つ
の冷却材領域25内に配置された各燃料棒10)が有する反
応度を低くすればよいことを発見した。本発明は、発明
者等が発見したこの新たな知見に基づいてなされたもの
である。
沸騰水型原子炉に適用した本発明の好適な一実施例であ
る燃料集合体を第1図,第2図,第3図及び第4図に基
づいて説明する。
本実施例の燃料集合体30は、74本の燃料棒31,上部タイ
プレート33,下部タイプレート34,燃料スペーサ35,水ロ
ツド11及びチヤンネルボツクス21を有している。
上部タイプレート33及び下部タイプレート34は、燃料棒
31の上端部及び下端部をそれぞれ保持している。74本の
燃料棒31は、9行9列に配置され、隣接する相互の間隔
が燃料スペーサ35にて保持されている。チヤンネルボツ
クス21は、横断面が実質的に正方形をした筒状体であつ
て上部タイプレート33に取付けられ、燃料スペーサ35に
て束ねられた燃料棒束の周囲を取囲んでいる。2本の水
ロツド11が、燃料集合体30の横断面の中央部に配置され
ている。これらの2本の水ロツド11は、燃料集合体30、
すなわちチヤンネルボツクス21の対向する1対のコーナ
を結ぶ対角線上でその中央部に配置され、互いに隣接し
ている。2本の水ロツド11の減速材領域の合計横断面積
は、1本の燃料棒22の横断面積の9倍である。2本の水
ロツド11は、減速材領域の横断面積が等しいので、1本
当りの水ロツド11の減速材領域の横断面積は1本の燃料
棒22の横断面積の4.5倍である。従つて、燃料集合体30
は、第9図のMX点の全水ロツドの減速材領域の合計横断
面積を有しており、無限増倍率は最大値を示している。
このため、燃料集合体30の燃料経済性は最も大きくな
る。
燃料集合体30内に配置される燃料棒22は、燃料棒1〜4
の4種類である。各々の燃料棒1〜4の濃縮度及び可燃
性毒物であるガドリニウムの濃度は、第2図に示す通り
である。すなわち、燃料棒1の濃縮度は4.9重量%、燃
料棒2の濃縮度は4.2重量%、燃料棒3の濃縮度は3.2重
量%及び燃料棒4の濃縮度は4.5重量%である。燃料棒
1〜4の濃縮度は、前述の各濃縮度で燃料有効長部の軸
方向の全長にわたつて一様になつている。燃料棒4は、
4.5重量%のガドリニウムを含んでおりこのガドリニウ
ムも軸方向の全長にわたつて一様に含まれている。第2
図に示す燃料棒5は、燃料棒3の濃縮度と同じく3.2重
量%であり、その濃縮度は燃料有効長部の軸方向の全長
にわたつて一様である。このような燃料集合体30を濃縮
度は、炉心に装荷する前の燃焼度零の時のものである。
燃料棒1〜5の燃料有効長部の軸方向長さは等しい。燃
料棒1〜5の外径は、約10.6mmである。燃料棒1〜5と
も、密封された被覆管内に二酸化ウランを焼結してなる
燃料ペレツトを充填している。2本の燃料棒5は、2本
の水ロツド11に隣接して配置され、これらの水ロツド11
を間に挟んで互いに対向している。詳細に言えば、2本
の燃料棒5は、2本の水ロツド11の軸心を結ぶ直線と直
交する燃料集合体30の1本の対角線上に配置されて2本
の水ロツド11に隣接しており、2本の水ロツド11の軸心
から等距離の位置にある。
2本の水ロツド11及び2本の燃料棒5の配置を別の表現
にて示すと、燃料集合体3の横断面中央部で燃料棒31を
3行3列に配置できる領域内で2本の水ロツド11を斜め
に隣接させて配置すると共に、その領域の対向する2つ
のコーナ部に2本の水ロツド11に隣接させて各燃料棒5
を配置したものである。2本の燃料棒5は、水ロツド11
を介在させて対向している。
本実施例の燃料集合体30の横断面における平均濃縮度
は、約4.6重量%である。燃料集合体30の燃料有効長部
の軸方向の全長にわたつて約4.6重量%である。本実施
例の燃料集合体30は、第11図に示された2本の水ロツド
11に隣接した面積の著しく大きな2本の冷却材領域25内
に、燃料集合体30の平均濃縮度よりも低い平均濃縮度を
有する燃料棒5を配置している。特に、これら燃料棒5
の濃縮度は、その周囲に配置されてしかも燃料棒5に隣
接している燃料棒の濃縮度よりも低い。
第4図及び第5図は、燃料スペーサ35の詳細構造を示し
ている。燃料スペーサ35は、特開昭59−65287号公報の
第2A図に示された燃料スペーサと同様に、内部に燃料棒
22が挿入される。74個の円筒スリーブ35A,リープ状バネ
35B,バンド35C,U字部を有する1対のプレート35D,プレ
ート35E及びスプリング35Fを有している。円筒スリーブ
35Aは、内側に突出する2個の突起部35Gを有している。
円筒スリーブ35Aは、9行9列に配列されているが中央
部の7個分が取除かれているので74個の円筒スリーブ35
Aが互いに溶接にて接合されている。接合されて最外周
に配列された36個の円筒スリーブ35Aの外側にバンド35C
が取付けられる。ループ状バネ35Bは、隣接している円
筒スリーブ35Aに取付けられる。円筒スリーブ35Aに挿入
された燃料棒22は、円筒スリーブ35Aに設けられた2つ
の突起部35Gと1つのループ状バネ35Bの3点によつて保
持される。燃料スペーサ35は、最外周から三列目までに
配列された円筒スリーブ35Aと、最外周から四列目には
対向する1対のコーナを結ぶ対角線上に配列された2個
の円筒スリーブ35Aとを有している。すなわち、燃料ス
ペーサ35は、1本の対角線上では最外周から三列目、他
の対角線上では最外周から四列目までに円筒スリーブ35
Aが配置されている。このように二箇所のみで最外周か
ら四列目に配置された円筒スリーブ35A、及びその他の
部分においては最外周から三列目に配置された円筒スリ
ーブ35Aに取囲まれた内側の領域35Hに、前述の太径の2
本の水ロツド11が挿入される。領域35Hは、水ロツド挿
入領域である。前述の最外周から4列目に配置された円
筒スリーブ35A1とこの内側に位置して円筒スリーブ35A1
に隣接している円筒スリーブ35A2との領域Hに面する側
面に、U字部を有するプレート35Dが取付けられる。各
プレート35DのU字部35D1は、領域H内に突出してい
る。1つの対角線上で最外周から3列目の配置された円
筒スリーブ35Aに隣接している2個の円筒スリーブ35A3
水ロツド挿入領域Hに面する側面に、プレート35Eがそ
れぞれ取付けられる。スプリング35Fが、プレート35Eに
設置される。領域H内に挿入される2本の隣接する水ロ
ツド11は、スプリング35Fと2枚のプレート35DのU字部
35D1との3点によつて保持される。すなわち、U字部35
D1を有するプレート35Dを設けた燃料スペーサ35は、2
本の太径の水ロツド11を容易に保持することができる。
1本の水ロツド11は、水ロツド11に設けられた突起部36
によりプレート35DのU字部35D1を保持することによつ
て燃料スペーサ35を保持している。すなわち、突起部36
が第5図の破線の位置にある状態で燃料スペーサ35を装
着し、その後、水ロツド11を矢印37の方向に回転させて
突起部36をU字部35D1の位置まで移動させる。このよう
な燃料スペーサ35の円筒スリーブ35A内に1本ずつ挿入
される燃料棒22も、燃料集合体30の横断面において、円
筒スリーブ35Aと同様に配置されている。すなわち、本
実施例では、2本の水ロツド11は、燃料集合体30の横断
面中央部であつて、燃料棒22が3行3列に配置できる領
域に配置されているが、3行3列に燃料棒22を配置でき
る領域の1つの対角線上に前述のように四列目に配置さ
れた円筒スリーブ35A1内に燃料棒22を挿入している。こ
のため、本実施例は、2本の太径の水ロツド11を配置し
ている割には74本という多くの本数の燃料棒22を配置で
き、核燃料物質の装荷量が多く、この点からも燃料集合
体の燃料経済性が大きくなる。燃料集合体30内の核燃料
物質の装荷量は163kgである。燃料棒22を9行9列に配
置して74本の燃料棒22を有している燃料集合体30は、従
来の8行8列に燃料棒を配置した燃料集合体に比べて燃
料棒の線出力密度を低下できるという効果がある。更
に、本実施例は、中央部に太径の水ロツド11を2本配置
しているので、燃料集合体30の横断面の中央部で中性子
がよく減速されて熱中性子束が大きくなる。このため、
燃料集合体30の横断面における熱中性子束分布が均一化
され、横断面の出力分布が平坦化される。
本実施例は、第9図に示すように水ロツド11の減速材領
域の合計横断面積を大きくすることによる炉停止余裕の
増加と、更に2本の太径の水ロツド11に隣接する冷却材
領域25(第11図参照。他の冷却材領域24の面積の約2倍
の面積を有する)に周囲の燃料棒の平均濃縮度よりも低
い平均濃縮度を有する燃料棒5の配置による炉停止余裕
の増加という異なる機能による炉停止余裕の増加を得る
ことができる。後者の機能について第6図及び第7図に
より説明する。第6図において、破線は、燃料集合体30
の燃料棒5の濃縮度を4.9重量%(燃料有効長部の軸方
向全長にわたつて)にした場合における原子炉出力運転
時と原子炉冷温停止時との間における無限増倍率の差が
燃焼度によつて変化する様子を示したものである。実線
は、燃料棒5の燃料有効長部の濃縮度が3.2重量%であ
る本実施例の燃料集合体30における前述の無限増倍率の
差が燃焼度によつて変化する様子を示したものである。
第6図から明らかなように、2本の水ロツド11に隣接す
る燃料棒5(冷却材領域25に配置される燃料棒)の濃縮
度がその周囲に配置されてしかも燃料棒5に隣接する燃
料棒の濃縮度よりも低い場合における出力運転時と冷温
停止時との間での無限増倍率の差が小さくなり、炉停止
余裕が増大する。
第7図は濃縮度3.2重量%の2本の燃料棒5を2本の水
ロツド11の軸心を結ぶ直線と直交する1つの対角線上で
位置を変えて配置した場合における炉停止余裕の変化を
示したものである。第7図(A)に示すようにX及びY
の位置よりも2本の水ロツド11に隣接したZの位置(冷
却材領域25内)に濃縮度の低い燃料棒5を配置すると、
炉停止余裕の増加量が著しく多くなる。X,Y及びZの位
置は、第7図(B)に示されている。
以上述べた本実施例の燃料集合体30は、中央部に2本の
太径の水ロツド11を隣接して斜め(例えば1本の対角線
上)に配置し、それらの太径水ロツド11の両者に隣接す
る燃料棒5の濃縮度をその周囲に配置されてしかもそれ
に隣接して配置される燃料棒の濃縮度よりも低くしてい
るので、以下の効果を奏することができる。中央部に2
本の太径の水ロツドを隣接して配置しているので、水ロ
ツド内の減速材領域の合計横断面積が大きくなる割には
核燃料物質の装荷量を多くできて燃料経済性を大きくで
きると共に、減速材/燃料の比が大きくなることによつ
て横断面における出力分布の平坦化が図れる。また、炉
停止余裕について言えば、水ロツド内の減速材領域の合
計横断面積の増大及び低濃縮度の燃料棒を2本の水ロツ
ド11の両者に隣接させた配置の両方の作用によつて著し
く増大させることができる。また、水ロツド11は横断面
が円型をしているので製作が容易であり、燃料スペーサ
がU字部を有するプレートを備えているので太径の水ロ
ツドによる燃料スペーサの保持が容易に行える。燃料棒
22が9行9列に配置されて本数が多くなつているので、
全燃料棒の表面積の合計量が多くなり線出力密度を高く
できる。このような本実施例の燃料集合体は、燃焼度を
約50GWd/T程度まで高燃焼度化できる。
ちなみに、8行8列に燃料棒を配置した燃料集合体であ
つて中央部に2本の水ロツドを隣接させて斜めに配置し
た燃料集合体が、特開昭61−147183号公報として提案さ
れている。この従来例における水ロツドの外径は、燃料
棒の外径(約12mm)と同じである。この燃料集合体は、
中央に配置された2本の水ロツドWに隣接している燃料
棒11が燃料有効長部の上端からその有効長部の軸方向全
長の1/6までに天然ウランを充填している。このように
天然ウランを充填することによつて特開昭58−179391号
公報と同様に冷温停止時における炉心上端部領域の出力
ピークを抑制して炉停止余裕を増加している。特開昭61
−147183号公報に示された燃料集合体は、約170kgの核
物料物質が装荷されており、得られる燃焼度が約30GWd/
Tである。
本実施例における1本の水ロツド内の減速材領域の横断
面積は、少なくとも1本の燃料棒の横断面積の2倍以上
にする必要がある。これは、好ましい出力平坦化を達成
するのに必要なことである。
第6図に示す特性は、第11図に示す燃料集合体の水ロツ
ドの断面積を変えることによつて得られたものである。
前述したように燃料集合体30内における水ロツド11の減
速材領域の合計横断面積を点MXの面積(燃料棒22の横断
面積の9倍)にすることによつて、水ロツドの大きさが
寄与する燃料経済性は最大になる。しかしながら、2本
の太径の水ロツドを斜めに隣接して配置した燃料集合体
において望ましい燃料経済性を得るためには、水ロツド
の減速領域の合計横断面積は、1本の燃料棒の横断面積
の7〜12倍の範囲(第6図のLの範囲)にすることが好
ましい。
また、燃料集合体30は、燃料棒5の燃料有効長部の軸方
向全長にわたつてそれに隣接する燃料棒の濃縮度よりも
低くしているが、ボイドが発生する領域、特に燃料有効
長部の下端から燃料有効長部の軸方向全長の1/6より上
方の領域で、燃料棒5の濃縮度をそれに隣接する燃料棒
の同じ領域での濃縮度より低くしても、前述の各効果を
達成できる。
本発明の他の実施例である沸騰水型原子炉に用いられる
燃料集合体を、第12図及び第13図に基づいて説明する。
本実施例の燃料集合体40も、第3図に示す構造を有し、
第4図に示す燃料スペーサ35も有している。しかも、燃
料集合体40内の水ロツド11及び燃料棒47も、燃料集合体
30の水ロツド11及び燃料棒22と同様に配置されている。
2本の水ロツド11の減速材領域の合計横断面積は、燃料
集合体30と等しい。実施例が前述した実施例と異なつて
いる点は、燃料集合体40を構成する燃料棒47の濃縮度分
布である。燃料集合体40を構成する燃料棒47は、第13図
に示すように燃料棒41〜46の6種類があり、各燃料棒41
〜46は第12図のように配置されている。燃料棒41〜46
は、二酸化ウランを焼結してなる燃料ペレツトが充填さ
れ、燃料有効長部の下端から燃料有効長部の軸方向全長
の1/24の位置までに天然ウランからなる燃料ペレツトが
充填されている。また、燃料棒41〜45は、燃料有効長部
の上端から下方に向つて燃料有効長部の軸方向全長の2/
24の位置までに天然ウランからなる燃料ペレツトが充填
され、燃料棒46はその上端から下方に向つて燃料有効長
部の軸方向全長の5/24の位置までに天然ウランからなる
燃料ペレツトが充填されている。燃料棒41,43〜46は、
前述した天然ウランを充填した領域を除いて濃縮度の一
様な濃縮ウランからなる燃料ペレツトが充填されてい
る。燃料棒41及び46に充填された濃縮ウランからなる燃
料ペレツト内の濃縮度は4.9重量%であり、燃料棒43内
のその燃料ペレツトの濃縮度は4.2重量%、燃料棒44内
の燃料ペレレツトの濃縮度は3.2重量%、及び燃料棒45
内のその燃料ペレツトの濃縮度は4.5重量%である。燃
料棒45内に充填された濃縮ウランからなる燃料ペレツト
のうち、燃料有効長部の下端から燃料有効長部軸方向全
長の9/24の位置より下方にある燃料ペレツト中には5.5
重量%の濃度のガドリニウムが充填され、9/24の位置よ
り上方にある燃料ペレツト中には4.5重量%の濃度のガ
ドリニウムが充填されている。燃料棒42も、天然ウラン
からなる燃料ペレツトが充填されている以外の領域では
濃縮ウランからなる燃料ペレツトが充填されている。し
かし、この濃縮ウランからなる燃料ペレツトのうち、燃
料有効長部の下端から燃料有効長部の軸方向全長の9/24
の位置より下方にある燃料ペレツトの濃縮度は4.2重量
%であり、9/24の位置より上方にある燃料ペレツトの濃
縮度は4.9重量%である。このような燃料集合体40の平
均濃度は約4重量%である。中央部で斜めに隣接して配
置された2本の太径の水ロツド11に隣接して配置される
燃料棒46は、燃料有効長部の上端からその全長の2/24〜
5/24の範囲にも天然ウランが充填され、この範囲では燃
料棒46にその周囲に配置されてそれに隣接している燃料
棒41及び42よりも濃縮度が低くなつている。上記の濃縮
度及びガドリニウムの濃度を有する燃料集合体40は、製
造後の燃焼度が零の状態の新しい燃料集合体である。
本実施例も、燃料集合体30と同様な効果を生じることが
できる。特に、燃料棒46の上端部の濃縮度を下げたこと
によつて特開昭58−179391号公報と同様に冷温停止時に
おける炉心上端部領域のピーク抑制による炉停止余裕の
増加、上端部の濃縮度が周囲の隣接する燃料棒よりも低
い燃料棒46を斜めに隣接して配置された太径の2本の水
ロツド11に隣接する面積の著しく大きい冷却材領域25内
に配置することによる炉停止余裕の増加、及び2本の水
ロツド11の減速材領域の合計横断面積の著しい増大によ
る炉停止余裕の増加を生じさせることができ、本実施例
の炉停止余裕は特開昭61−147183号公報の第1図及び第
2図に示す燃料集合体に比べて著しく増大する。燃料棒
46を第7図(B)のX,Y及びZの位置に配置すると、各
配置位置での燃料集合体の炉停止余裕は第7図(A)の
ような傾向にある。
本実施例における2本の水ロツド11に隣接する燃料棒46
の周囲に形成される冷却材領域の面積が、特開昭61−14
7183号公報の2本の水ロツドWに隣接する燃料棒11の周
囲に形成される冷却材領域の面積よりも著しく大きいの
で、同じ濃縮度の低下量では本実施例の燃料集合体が大
きな炉停止余裕を得ることができる。なぜならば、原子
炉の出力運転中における燃料集合体横断面の各部におけ
るボイド率は等しいからである。本実施例の燃料集合体
も、約50GWd/Tの燃焼度を得ることができる。
なお、燃料集合体30及び40とも、特開昭61−147183号公
報の第1図に示す燃料集合体に比べて燃料集合体を構成
する燃料棒の種類を少なくすることができるこれは、燃
料集合体の製造が著しく単純化されることにつながり、
燃料等の誤装填の危険性を著しく低減できる。
本発明の他の実施例である燃料集合体を第14図に基づい
て説明する。本実施例の燃料集合体50は、燃料棒を10行
10列に配置し、中央部に3本の水ロツド11を斜めの直線
上に互いに隣接させて配置したものである。2本の太径
の水ロツド11に隣接して配置される4本の燃料棒5の濃
縮度は、燃料集合体50の平均濃縮度よりも低く、しかも
燃料棒5を除いて燃料棒5に隣接される燃料棒の濃縮度
よりも低い。
本実施例においても、第1図の実施例と同様な効果を得
ることができる。
第1図及び第12図の実施例において燃料棒5及び46の濃
縮度をその周囲で各々に隣接する燃料棒の濃縮度と等し
くした場合であつても、燃料棒5では全長に、燃料棒46
では燃料有効長部の上端から2/24〜5/24の範囲に、その
周囲で隣接している他の燃料棒の当該領域に対応する無
限増倍率よりも低くなるように(燃焼度が零の時で)所
定濃度のガドリニウムを充填してもよい。ガドリニウム
濃度は、1つの燃料サイクルにて燃え尽きるように調整
する。2本の太径の水ロツドに隣接する燃料棒の少なく
とも上端部における無限増倍率をその燃料棒に隣接する
燃料棒の当該領域での無限増倍率よりも低くすること
は、濃縮度にて行うことが望ましい。濃縮度の調節にて
実施すると、2本の太径の水ロツドに隣接する燃料棒と
この燃料棒に隣接する燃料棒との間の無限増倍率の差は
燃焼度の増大によつてほとんど変化しない。前述の無限
増倍率の差を2本の太径の水ロツドに隣接する燃料棒へ
の可燃性毒物の添加によつて行うと、その無限増倍率の
差は、燃焼度の増大によつて変化する。
可燃性毒物で調整した場合は、冷却材領域25に配置した
燃料棒の低無限増倍率による炉停止余裕の増加の機能が
燃焼集合体の寿命期間中に維持されず、短期間に消失す
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、水ロツドの減速材領域の横断面積の増
大、及び斜めに隣接して配置された2本の水ロツドに隣
接する燃料棒の少なくとも上端部における無限増倍率の
低下の各効果によつて炉停止余裕を増加させることがで
きる。更には、水ロツドの減速材領域の横断面積の増大
により、燃料集合体の横断面の出力分布を平坦化できる
と共に、水ロツドの減速材領域の横断面積が大きくなる
割には核燃料物質を多く装荷できる。
本発明の第2の特徴によれば、前述の効果に加えて複数
の水ロツドを簡単な構造で容易に保持することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好適な一実施例である燃料集合体の横
断面図、第2図は第1図に配置された各燃料棒の濃縮度
分布を示す説明図、第3図は第1図の燃料集合体の縦断
面図、第4図は第3図に示す燃料スペーサの平面図、第
5図は第4図のV部の拡大図、第6図は出力運転時と冷
温停止時との無限増倍率の差の燃焼度による変化を示す
特性図、第7図(A)は低濃縮度燃料棒の配置位置の違
いによる炉停止余裕の変化を示す特性図、第7図(B)
は第7図(A)の特性に対応した低濃縮度燃料棒の配置
位置を示す説明図、第8図は減速材/燃料比と無限増倍
率との関係を示す特性図、第9図は燃料集合体内の全水
ロツドの減速材領域の合計横断面積と無限増倍率との関
係を示す特性図、第10図は燃料集合体内の全水ロツドの
減速材領域の合計横断面積に対応する出力運転時と冷温
停止時との間の無限増倍率の差の変化を示す特性図、第
11図は第1図の燃料集合体における各燃料棒周囲に形成
される冷却材領域の大きさを示す説明図、第12図及び第
14図は本発明の他の実施例である燃料集合体の横断面
図、第13図は第12図の燃料集合体内の各燃料棒の濃縮度
分布を示す説明図である。 1〜5,31,41〜47……燃料棒、11……水ロツド、20,30…
…燃料集合体、21……チヤンネルボツクス、33……上部
タイプレート、34……下部タイプレート、35……燃料ス
ペーサ、35A……内筒スリーブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 3/30 GDB D 3/34 GDB J (72)発明者 小沢 通裕 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 持田 貴顕 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭61−159185(JP,A) 特開 昭63−201594(JP,A) 特開 昭62−217186(JP,A) 特開 昭54−35583(JP,A) 特開 昭63−231292(JP,A) 特開 昭63−217291(JP,A) 特開 昭63−172990(JP,A) 特開 昭63−82391(JP,A) 実開 昭61−193399(JP,U) 実開 昭56−109094(JP,U)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、前記上部タイプレート及び前記下部タイプレートに
    上端部及び下端部がそれぞれ保持される複数の燃料棒
    と、前記燃料棒相互間を所定間隔に保持する燃料スペー
    サと、前記燃料棒の1本の横断面積の2倍以上の減速材
    領域横断面積を有する複数の水ロツドとを備え、2本の
    前記水ロツドが互いに斜めに隣接して配置され、しかも
    前記2本の水ロツドに隣接して配置された前記燃料棒内
    の燃料有効長部の少なくとも上端部領域の無限増倍率
    が、この燃料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣接し
    ている他の前記燃料棒の対向する領域の無限増倍率より
    も低いことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】前記2本の水ロツドに隣接して配置された
    前記燃料棒の少なくとも上端部領域の濃縮度を、この燃
    料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣接している前記
    燃料棒の濃縮度よりも低くした特許請求の範囲第1項記
    載の燃料集合体。
  3. 【請求項3】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、前記上部タイプレート及び前記下部タイプレートに
    上端部及び下端部がそれぞれ保持される複数の燃料棒
    と、前記燃料棒相互間を所定間隔に保持する燃料スペー
    サと、前記燃料棒の1本の横断面積の2倍以上の減速材
    領域横断面積を有する2本の水ロツドとを備え、前記2
    本の水ロツドが斜めに隣接して配置され、しかも前記2
    本の水ロツドに隣接して配置された前記燃料棒内の燃料
    有効長部の少なくとも上端部領域の無限増倍率が、この
    燃料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣接している他
    の前記燃料棒の対向する領域の無限増倍率よりも低く、
    前記2本の水ロツド内の減速材領域横断面積が前記燃料
    棒1本の横断面積の9〜12倍の範囲にあることを特徴と
    する燃料集合体。
  4. 【請求項4】前記2本の水ロツドに隣接して配置された
    前記燃料棒の少なくとも上端部領域の濃縮度を、この燃
    料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣接している前記
    燃料棒の濃縮度よりも低くした特許請求の範囲第3項記
    載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、前記上部タイプレート及び前記下部タイプレートに
    上端部及び下端部がそれぞれ保持される複数の燃料棒
    と、前記燃料棒相互間を所定間隔に保持する燃料スペー
    サと、前記燃料棒の1本の横断面積の2倍以上の減速材
    領域横断面積を有する2本の水ロツドとを備え、前記燃
    料棒が3行3列に配置できる領域内に前記2本の水ロツ
    ドを互いに斜めに隣接して配置すると共に前記領域の対
    向する2つのコーナ部に前記2本の水ロツドを隣接させ
    て2本の前記燃料棒を配置し、この燃料棒の少なくとも
    上端部領域の無限増倍率が、その周囲に配置されてその
    燃料棒に隣接している他の前記燃料棒の対向する領域の
    無限増倍率よりも低いことを特徴とする燃料集合体。
  6. 【請求項6】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、前記上部タイプレート及び前記下部タイプレートに
    上端部及び下端部がそれぞれ保持される複数の燃料棒
    と、前記燃料棒相互間を所定間隔に保持する燃料スペー
    サと、前記燃料棒の1本の横断面積の2倍以上の減速材
    領域横断面積を有する2本の水ロツドとを備え、前記2
    本の水ロツドが互いに斜めに隣接して配置され、しかも
    前記2本の水ロツドに隣接して配置された前記燃料棒内
    の燃料有効長部の少なくとも上端部領域の無限増倍率
    が、この燃料棒の周囲に配置されてこの燃料棒に隣接し
    ている他の前記燃料棒の対向する領域の無限増倍率より
    も低く、前記燃料スペーサが、前記燃料棒が挿入される
    複数の円筒部材、前記無限増倍率が低い燃料棒が挿入さ
    れる前記円筒部材に取付けられるU字部を有する第1部
    材、及び前記水ロツドに隣接ししかも互いに隣接する2
    つの前記円筒部材に取付けられると共に前記2本の水ロ
    ツドの軸心を結ぶ直線の延長線上にある第2部材を有
    し、前記水ロツドを前記第1部材のU字部及び前記第2
    部材によつて保持することを特徴とする燃料集合体。
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