JPH0792301A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JPH0792301A
JPH0792301A JP26191893A JP26191893A JPH0792301A JP H0792301 A JPH0792301 A JP H0792301A JP 26191893 A JP26191893 A JP 26191893A JP 26191893 A JP26191893 A JP 26191893A JP H0792301 A JPH0792301 A JP H0792301A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光線の透過率を高く維持しつつ、紫外線
及び近赤外線の透過を効果的に阻止するプラスチックレ
ンズを得る。 【構成】 プラスチックレンズは、赤外線の透過を規制
する手段を備えると共に、紫外線吸収剤を含み、波長2
00〜400nm域の平均光線透過率が0.3%以下、
波長400〜750nm域の平均光線透過率が50%以
上、かつ波長750〜1000nm域の平均光線透過率
が15%以下である。赤外線の透過を規制するため、ジ
チオールニッケル錯塩系赤外線吸収剤などを0.001
〜0.1重量%程度レンズに含有させることができる。
紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系化合物などを使
用できる。前記プラスチックレンズによれば、明るい視
野が得られると共に、有害光線による目の損傷を防止で
きるため、眼疾患者用のメガネレンズなどに好適に使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光線に含まれる有
害な光線から目を保護する上で有用なプラスチックレン
ズに関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線には、目に有害な光線が含まれ
ている。例えば、400nm以下の波長を有する紫外線
は、角膜や水晶体に悪影響を及ぼす。特に、海など紫外
線量の多い場所で太陽光線に目を長時間晒すと、角膜炎
を起こしやすい。また、水晶体への影響は蓄積性がある
ため、白内障を引き起こす場合がある。
【0003】また、赤外線のうち、特に750〜100
0nmの波長を有する近赤外線は、目の眼底部にまで到
達するため、強く作用すると、虹彩、水晶体、網膜、脈
絡膜に障害をもたらす。そして、近赤外線の影響は徐々
に表れ、しかも蓄積性があるため、炎症の発見が遅れる
とともに、炎症が慢性化しやすい。
【0004】したがって、網膜色素変性症、光過敏、光
差明、コントラスト喪失症などの眼疾患者、眼疾患手術
後の療養中の者、老人など、特に目を保護する必要のあ
る者は、上記有害光線が眼に入るのを極力避ける必要が
ある。
【0005】一方、太陽光の眩しさから眼を守るため、
従来よりサングラスが繁用されている。しかし、通常の
サングラスでは、前記紫外線及び近赤外線を阻止するこ
とはできない。しかも、このようなサングラスを用いる
と、可視光線の透過率が低いことから瞳孔が開き、却っ
て有害光線が眼に入射し易い。
【0006】特開平3−227366号公報には、近赤
外線の透過を防止するため、六塩化タングステンと、リ
ン酸エステル又は亜リン酸エステルとを反応させて得ら
れる反応混合物を透明樹脂に含有させた熱線吸収グレー
ジング材が開示されている。しかし、このグレージング
材では、可視光線の透過率を50%以上の高い水準に保
持すると近赤外線の透過率も高くなり、近赤外線の透過
率を低水準に抑えると可視光線の透過率も低くなる。し
たがって、このグレージング材では、可視光線を十分透
過しつつ、近赤外線の透過率を低水準に抑制することは
できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、可視光線の透過率を高く維持しつつ、紫外線及び近
赤外線の透過を効果的に阻止し、眼疾患者などの眼を保
護する上で有用なプラスチックレンズを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため鋭意検討した結果、眼疾患者等に好適なプラ
スチックレンズを見出し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、赤外線の透過を規制
する手段を備えると共に、紫外線吸収剤を含むプラスチ
ックレンズであって、波長200〜400nm域の平均
光線透過率が0.3%以下、波長400〜750nm域
の平均光線透過率が50%以上、かつ波長750〜10
00nm域の平均光線透過率が15%以下のプラスチッ
クレンズを提供する。
【0010】前記赤外線の透過を規制する手段には、赤
外線を吸収する手段と、赤外線を反射させる手段とが含
まれる。赤外線を吸収するためには、例えば、レンズに
赤外線吸収剤を含有させてもよく、レンズ表面に赤外線
吸収剤を含む被膜を形成してもよい。
【0011】前記赤外線吸収剤は、赤外線を吸収し、他
の吸収剤の光線吸収能を損なうことなく、かつ波長40
0〜750nm域の可視光線を透過させる吸収剤であれ
ば特に限定されない。赤外線吸収剤のなかでも、特に近
赤外線吸収剤が繁用される。近赤外線吸収剤を用いる
と、人間の目の眼底部にまで達する近赤外線が阻止され
るため、網膜の炎症などを予防できる。
【0012】近赤外線吸収剤として、例えば、シアニン
系色素、フタロシアニン系色素、ナフトキノン系色素、
アントラキノン系色素、ジチオール錯塩、ビス(1−メ
ルカプトレート−2−ナフトレート)第四級アンモニウ
ム塩類、チエノ[3,2−b]チエニリデンビスベンゾ
キノン類、アミニウム系化合物、トリフェニルメタン系
化合物、ジインモニウム系化合物、硫化第二銅等が挙げ
られる。
【0013】これらの近赤外線吸収剤のなかでも、少量
で高い近赤外線遮断能を示す化合物が好ましく、例えば
ジチオール錯塩、特にジチオールニッケル錯塩などが好
適に用いられる。前記ジチオールニッケル錯塩として、
例えば、下記式(I)で表される化合物などが例示でき
る。
【0014】
【化1】 なお、上記式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一又は
異なって、置換基を有していてもよいアリール基、低級
アルキル基又はシアノ基を示す。また、R1 とR2 、R
3 とR4 は、結合している2つの炭素原子と共に、それ
ぞれベンゼン環を形成してもよい。また、式(I)がア
ニオンを形成する場合には、カウンターカチオンとの塩
として使用できる。
【0015】前記アリール基には、フェニル基、ナフチ
ル基などが含まれる。アリール基が有していてもよい置
換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル基などのアルキル基;トリメチレン、
テトラメチレン基などのアルキレン基;シクロペンチ
ル、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、p−ニトロフェニル基などの置換基を有していて
もよいアリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ基などのアルコキシ基;メチレンジオキシ、エ
チレンジオキシ基などのアルキレンジオキシ基;フェノ
キシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシメチル、ヒドロキ
シエチル基などのヒドロキシアルキル基;ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ基などのアルキル
アミノ基;ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基などの
アリールアミノ基;トリフルオロメチル基;メチルチ
オ、エチルチオ、ブチルチオ基などのアルキルチオ基;
フェニルチオ、トリルチオ基などのアリールチオ基;ニ
トロ基;シアノ基;フッ素、臭素、塩素、ヨウ素のハロ
ゲン原子;モルホリノ、1−ピロリジニル基などの複素
環基等が挙げられる。
【0016】前記低級アルキル基には、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基な
どの炭素数1〜5のアルキル基が含まれる。前記R1
2 、R3 とR4 が、結合している2つの炭素原子と共
に形成するベンゼン環は、置換基を有していてもよい。
この置換基としては、前記アリール基が有していてもよ
い置換基等が例示できる。
【0017】式(I)で表されるジチオールニッケル錯
塩の具体例としては、ビス(1,2−ジプロピル−1,
2−エチレンジチオラート)ニッケル、ビス(1,2−
ジシアノ−1,2−エチレンジチオラート)ニッケル、
ビス(1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオラ
ート)ニッケル、ビス(1,2−ジトリル−1,2−エ
チレンジチオラート)ニッケル、ビス(1,2−ジキシ
リル−1,2−エチレンジチオラート)ニッケル、ビス
(1,2−ジビフェニル−1,2−エチレンジチオラー
ト)ニッケル、ビス[1,2−ビス(2−メトキシフェ
ニル)−1,2−エチレンジチオラート]ニッケル、ビ
ス[1,2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,2−エチレンジチオラート]ニッケル、ビス[1,
2−ビス(4−ニトロフェニル)−1,2−エチレンジ
チオラート]ニッケル、ビス[1,2−ビス(2−クロ
ロフェニル)−1,2−エチレンジチオラート]ニッケ
ル、テトラブチルアンモニウム ビス(3,4,5,6
−テトラクロロ−1,2−ベンゼンジチオラート)ニッ
ケル、テトラブチルアンモニウム ビス(3,4,5,
6−テトラメチル−1,2−ベンゼンジチオラート)ニ
ッケル、テトラブチルアンモニウム ビス(4−ジメチ
ルアミノ−1,2−ベンゼンジチオラート)ニッケル、
テトラブチルアンモニウム ビス(4−ヒドロキシルメ
チル−1,2−ベンゼンジチオラート)ニッケルなどが
挙げられる。
【0018】これらのジチオールニッケル錯塩は、例え
ば特開平3−197488号公報に記載の製造法等にし
たがって得ることができる。
【0019】前記ジチオールニッケル錯塩などのジチオ
ール錯塩は、可視光線の透過率が高く、しかも、レンズ
内に含有させてもヘイズを生じさせない。そのため、明
るく澄んだ視野が得られる。また、耐熱性が極めて高い
ため、レンズ基板と赤外線吸収剤を含む層とを別途作製
して張り合せる必要はなく、溶融成形法などの極めて簡
易な方法で工業的に効率よくプラスチックレンズを製造
することができる。前記赤外線吸収剤は、一種又は二種
以上混合して用いることができる。
【0020】赤外線を反射させる手段は、例えば、レン
ズの表面に形成した金属被膜、例えば、アルミニウム、
金などの蒸着膜などで構成できる。赤外線を反射する被
膜をレンズに形成する場合、被膜の厚みは、通常300
〜5000nm、好ましくは500〜3000nm程度
である。
【0021】赤外線の透過を規制するため、赤外線吸収
剤の使用と、赤外線を反射する層の形成とを組合せても
よい。
【0022】前記紫外線吸収剤としては、波長400n
m以下の光を吸収する種々の化合物が使用できる。紫外
線吸収剤として、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチル
オキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒド
ロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2
−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクチ
ルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリ
アゾール系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチ
ルフェニル サリシレート、p−オクチルフェニル サ
リシレート等のサリチル酸誘導体;2−エチルヘキシル
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチ
ル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等の
アクリロニトリル系化合物;レゾルシノール モノベン
ゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の安息
香酸誘導体などが挙げられる。これらのうち、好ましい
紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物等が含まれる。
【0023】前記赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤は、レ
ンズの原料に添加して、レンズ全体に均一に含有させて
もよく、コーティングによりレンズの表面に形成した被
膜に含有させてもよい。また、必要に応じて、前記吸収
剤を含む被膜を、レンズの内部に層として形成してもよ
い。
【0024】(1)前記吸収剤をレンズに含有させる場
合、赤外線吸収剤の使用量は、その種類により異なる
が、通常、レンズ全体の0.001〜0.1重量%であ
り、特に赤外線吸収剤としてジチオール錯塩を使用する
場合には、好ましくは0.005〜0.05重量%程度
である。赤外線吸収剤の使用量が多いと、可視光線の透
過率が低下し易く、逆に少ないと、赤外線の透過を有効
に防止できない。
【0025】紫外線吸収剤の使用量は、通常、レンズ全
体の0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜0.
5重量%程度である。
【0026】また、(2)レンズに赤外線吸収剤や紫外
線吸収剤を含む被膜を形成する場合、被膜中の赤外線吸
収剤の含有量は、例えば、0.1〜25重量%、好まし
くは0.5〜10重量%程度である。また、被膜中の紫
外線吸収剤の含有量は、例えば、0.1〜25重量%、
好ましくは0.5〜10重量%程度である。
【0027】前記被膜は、前記吸収剤と透明性ポリマー
とを含むコーティング剤を塗布することにより形成でき
る。透明性ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)ア
クリル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリスチレン、シリコーン樹脂などが例示される。
【0028】前記各被膜の厚みは、例えば、1〜20μ
m、好ましくは3〜10μm程度である。また、前記吸
収剤を含む被膜全体の厚みは、例えば、2〜30μm、
好ましくは3〜20μm程度である。
【0029】被膜は、それぞれの吸収剤を含むコーティ
ング剤を順次塗布することにより形成した複数の層で構
成されていてもよく、赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤を
含むコーティング剤を塗布することにより形成された1
つの被膜であってもよい。また、複数の層で被膜を形成
する場合、各層の積層順序は特に限定されない。
【0030】製造の容易性などの点から、前記赤外線吸
収剤等をレンズ全体に均一に含有させるのが好ましい。
【0031】本発明のプラスチックレンズでは、波長2
00〜400nm域の平均光線透過率は0.3%以下、
好ましくは0.1%以下、波長400〜750nm域の
平均光線透過率は50%以上、例えば50〜70%程
度、かつ波長750〜1000nm域の平均光線透過率
は15%以下、好ましくは12%程度以下である。
【0032】好ましいプラスチックレンズには、400
〜750nm域の平均光線透過率(A%)と波長750
〜1000nm域の平均光線透過率(B%)との比(A
/B)が、A/B≧3.7、特にA/B≧4.0である
プラスチックレンズが含まれる。このようなレンズで
は、近赤外線が極めて選択的に除去されるので、眼への
悪影響が少なく、しかも明るい視野が得られる。
【0033】プラスチックレンズの材料としては、光線
透過率が高く、成形可能なポリマー、例えば、ポリメチ
ルメタクリレート等のメタクリル樹脂;ポリカーボネー
ト;ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート
等のポリジアリルグリコールカーボネート類;ポリスチ
レンなどが例示できる。これらのうち、透明性、成形性
に優れ、機械的強度の高いポリカーボネートなどが好ま
しい。
【0034】本発明のレンズはプラスチック製であるた
め、ガラスレンズと比較して軽量であり、しかも割れ難
く安全性が高い。そのため、特に眼疾患者や老人用のメ
ガネレンズとして好適に使用できる。
【0035】本発明のプラスチックレンズは、慣用の方
法、例えば以下の方法により製造することができる。す
なわち、(a) 原料モノマーに前記吸収剤を添加し、キャ
スト法等により重合させることによって製造できる。
【0036】また、本発明のプラスチックレンズは、
(b) ポリマーと前記吸収剤との溶融物を、所定の金型を
用いて成形することによっても製造することができる。
この場合、前記ポリマーとして、重合反応を損なわない
場合には、予め1種又は2種以上の前記吸収剤を添加し
て重合させたポリマーを用いることもできる。溶融温度
は、用いるポリマーの種類によっても異なるが、例えば
150〜300℃程度である。成形は、例えば、射出成
形等により行うことができる。この方法は、極めて簡便
であることから、本発明のプラスチックレンズを製造す
る方法として繁用される。
【0037】さらに、本発明のプラスチックレンズは、
(c) 所定の形状に成形されたレンズに、コーティングを
施すことにより製造できる。コーティングは慣用の方法
により行うことができる。コーティングにより、赤外線
を反射する被膜や前記吸収剤を含有する被膜を形成する
ことができる。これらの方法は、二以上組合わせて用い
ることもできる。
【0038】本発明のプラスチックレンズを製造する
際、種々の添加剤、例えば、染料、顔料、酸化防止剤、
安定剤、可塑剤、重合調節剤、剥離剤等を添加してもよ
い。
【0039】また、レンズの表面硬度を高めるため、レ
ンズ面が強化コートされていてもよい。レンズ面の強化
コートとして、真空蒸着法でレンズの表面に特殊ガラス
を蒸着する無機強化コート、及びシリコン系化合物等を
含む溶液中にレンズを浸すことによりレンズ表面にシリ
コン樹脂等の塗膜を形成させる有機強化コート(ハード
コート)が挙げられる。本発明のプラスチックレンズに
おいては、特に、ハードコートを施されるのが好まし
い。
【0040】また、本発明のプラスチックレンズは、発
汗や吐息によりレンズ表面が曇るのを防止するため、防
曇コートが施されていてもよい。防曇コートは、慣用の
方法、例えば、防曇剤を含む溶液中にレンズをディッピ
ングすることにより行うことができる。
【0041】さらにまた、本発明のプラスチックレンズ
は、反射防止加工、耐薬品性処理、帯電防止処理等の表
面加工又は処理が施されていてもよい。また、レンズに
度をいれることにより、近視用レンズあるいは老眼レン
ズとすることもできる。本発明のプラスチックレンズを
老眼レンズとすることにより、目の弱い老人用保護メガ
ネとして好適に利用できる。
【0042】本発明のプラスチックレンズは、人間の目
に有害な光線の透過を阻止すると共に、可視光線をよく
透過するため、眼疾患者等用のメガネレンズ、サングラ
スレンズ、コンタクトレンズなどとして極めて有用であ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズは、人間の
目に有害な近赤外線及び紫外線の透過を選択的に阻止
し、可視光線を高い透過率で透過する。そのため、眼疾
患者などの目の弱い者であっても、目に負担や損傷を受
けることがなく、しかも明るい視界が得られる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例により限定されるも
のではない。なお、実施例中において、部は重量部を表
す。また、得られたレンズの透過スペクトルは、分光光
度計[(株)日立製作所製:U−3410型]で測定し
た。
【0045】実施例1 紫外線吸収剤(理研ビタミンK.K.製、リケマールS
−100A)を0.1%含有するビスフェノールA型ポ
リカーボネート[帝人化成(株)製、L−1225L]
100部と、ジチオールニッケル錯塩系近赤外線吸収剤
[大日本インキ化学工業(株)製、スパンダイIRアデ
ィティブ200]0.024部、及び少量の青色染料と
赤色染料とを含む混合物を250℃で溶融させ、所定の
金型を用いて射出成形機により成形し、外径75mm
φ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。得られ
たレンズの透過スペクトルの測定結果を図1に示す。
【0046】実施例2 実施例1と同じジチオールニッケル錯塩系近赤外線吸収
剤を0.020部用いた外は、実施例1と同様にして、
プラスチックレンズを得た。得られたレンズの透過スペ
クトルの測定結果を図2に示す。
【0047】図1および図2に見られるように、実施例
1および2で得られたレンズは、紫外線及び近赤外線の
透過を効果的に阻止すると共に、可視光線を極めて高い
透過率で透過する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたレンズの透過スペ
クトルを示す図である。
【図2】図2は、実施例2で得られたレンズの透過スペ
クトルを示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線の透過を規制する手段を備えると
    共に、紫外線吸収剤を含むプラスチックレンズであっ
    て、波長200〜400nm域の平均光線透過率が0.
    3%以下、波長400〜750nm域の平均光線透過率
    が50%以上、かつ波長750〜1000nm域の平均
    光線透過率が15%以下のプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 赤外線吸収剤を含有する請求項1記載の
    プラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 赤外線吸収剤としてジチオールニッケル
    錯塩を含む請求項2記載のプラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 ジチオールニッケル錯塩を0.001〜
    0.1重量%含む請求項3記載のプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート、ジチオールニッケル
    錯塩及び紫外線吸収剤を含み、波長200〜400nm
    域の平均光線透過率が0.3%以下、波長400〜75
    0nm域の平均光線透過率が50%以上、かつ波長75
    0〜1000nm域の平均光線透過率が15%以下のプ
    ラスチックレンズ。
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