JPH0791685B2

JPH0791685B2 - 通話ヘルメット

Info

Publication number: JPH0791685B2
Application number: JP61051084A
Authority: JP
Inventors: 敏幸川口; 直樹田中
Original assignee: NGK Insulators Ltd
Current assignee: NGK Insulators Ltd
Priority date: 1986-03-07
Filing date: 1986-03-07
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2010-10-04
Also published as: JPS62215006A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は地下変電所、ビル、地下街、トンネル等の特定
の建築物の内部の巡視、点検作業や、送電線鉄塔上、配
電線電柱等における高所作業、活線作業、あるいはその
他一般の屋外作業に従事する作業員に着用させ、着用者
相互間もしくは監督者、司令室等との間の相互通信を行
わせるに好適な通話ヘルメットに関するものである。

（従来の技術）相互通信用の無線機器を組込んだヘルメットは例えば特
開昭48−30809号公報に示されるように従来から知られ
ているが、従来のヘルメットは平面状の基板上に組込ま
れた送受信器をヘルメットの内部に取付けるために頭頂
部に大きなスペースを必要とし、必然的にヘルメットが
大型化するとともに重量が増加し、長時間着用すると疲
労が著しくなり作業能率が低下する問題があった。ま
た、上記公報に示されるようにヘルメット帽体の下面に
制御回路収納部を突出させたものは、頭頂部に衝撃を受
けたときにこれを緩衝することができず、ヘルメット本
来の機能を満足することができなかった。更に、従来の
ように送受信器を一体化したヘルメットは、送信用電波
が受信器にまわり込んで受信障害を引起こし易い欠点も
あった。更にこのほか、従来のヘルメットはマイクロフ
ォンを口許に設けたものが普通であり、着用者の息の音
が入ったり着用者にとって煩わしさを感ずるものが多か
った。

（発明が解決しようとする問題点）本発明はこのような従来の問題点を解消して、ヘルメッ
トを大型化したり、緩衝性を低下させることなく通信用
機器を収納させることができ、しかも送信用電波のまわ
り込みによる受信障害がなく、また着用者の息の音が入
ることもなく明瞭な通話を行うことができる通話ヘルメ
ットを目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段）本発明は、ヘルメット帽体の頭頂部と内装体との間に送
信器を固定するとともに、耳当部の内側に受信器を取付
け、またヘルメット帽体の中間部にアンテナを送信器と
受信器のいずれからも離して円周状に取付けるととも
に、耳当部と反対側のヘルメット帽体には上記の送信器
及び受信器のためのバッテリーを取付け、更にヘルメッ
ト帽体の前縁部内側にマイクロフォンを下向きに取り付
けたことを特徴とするものである。

（実施例）次に本発明を図示の実施例について詳細に説明すると、
第１図及び第２図において（１）は繊維強化プラスチッ
クスからなるヘルメット帽体、（２）はその内面に設け
られた緩衝用の内装体、（３）は頭部にヘルメット帽体
を装着するためのハンモック、（４）はあご紐である。
このようなヘルメット帽体（１）の頭頂部と内装体
（２）との間には回路基板上に組込まれた送信器（５）
が固定されており、ヘルメット帽体（１）の前縁部内側
に下向きに設けられたマイクロフォン（６）とリード線
（７）によって接続されている。一方、耳当部（８）の
内側にはイヤホン（９）と一体化された受信器（10）が
設けられているとともに、ヘルメット帽体（１）の内側
の頭頂部と下方部との中間部には送受信用のアンテナ
（11）が送信器（５）と受信器（10）のいずれからも離
して円周状に設けられている。本実施例の通話ヘルメッ
トは400MHz帯の周波数を利用して送受信を行うものであ
り、これに必要なアンテナ（11）の長さを確保するとと
もにアンテナのリアクタンスを小さくするために、アン
テナ（11）は図示のようなジクザグを描きつつ円周状に
配置されている。なお、アンテナ（11）を受信器（５）
から離して配置してことにより、混信を防止することが
でき、またアンテナ（11）を送信器（５）から離して配
置したことにより、送信電波のまわり込みを防止するこ
とができる。更にヘルメット帽体（１）の中間部の耳当
部（８）と反対側の側面にはこれらの送信器（５）及び
受信器（10）のためのバッテリー（12）が取付けられて
いる。

第３図は送信器（５）及び受信器（10）の内部回路を示
すブロック図であり、送信器（５）には音声増幅器（2
1）、発振器（22）を備えた変調器（23）、周波数を400
MHzまで上げるためのマルチ回路（24）が設けられてい
る。また受信器（10）には送信波と受信波とを分離する
フィルタ（25）、フロントアンプ（26）、発振器（27）
付きの復調器（28）、前置アンプ（29）、音声増幅アン
プ（30）が設けられている。

（作用）このように構成されたものは、通常の作業用ヘルメット
と同様に頭部保護の目的で使用できるものであるが、作
業者相互間や司令室との間で通話したい場合にはそのま
まの状態で話せば、音声はヘルメット帽体（１）の前縁
部内側に下向きに設けられたマイクロフォン（６）に入
り、ヘルメット帽体（１）の頭頂部と内装体（２）との
間に固定された送信器（５）によって増幅及び変調され
たうえ、ヘルメット帽体（１）の中間部に円周状に取付
けられて必要な長さを持つアンテナ（11）から電波とし
て発信される。一方、アンテナ（11）により受信された
電波は耳当部（８）の内側に取付けられた受信器（10）
により復調及び音声増幅されたうえ、耳当部（８）に内
蔵されたイヤホン（９）により作業者の耳に達する。こ
れらの送受信の際には送信用電波と受信用電波とが干渉
を生じ易いが、本発明においては送信器（５）と受信器
（10）とがヘルメット帽体（１）の頭頂部と耳当部
（８）にあり、互いに遠く離れた場所に設けられている
ために送信用電波の受信器（10）へのまわり込みがな
く、明瞭な通話ができるうえ、送信器（５）の出力を上
げることができるので電波の到達距離が増し、通話エリ
アが増大する。また、送信器（５）と受信器（10）とを
分割してヘルメット帽体（１）に取付けたので、従来の
ように送受信器を一体としたもののようにヘルメット帽
体（１）を大型化したりメルメットの緩衝性を阻害する
ことなく通話機器をヘルメット帽体（１）の内部に収納
することができる。特に受信器（10）は耳当部（８）に
設けたのでコンパクト化を図ることができ、トータル重
量を軽くしてヘルメット着用時の作業員の疲労を軽減す
ることができるうえ、アンテナ（11）との間に距離を持
たせて電波のまわり込みを防止する上でも有効である。
更にまた、本発明においてはヘルメット帽体（１）の中
間部にアンテナ（11）を円周状に取付けたので必要なア
ンテナ長さを確保することができ、また比較的重いバッ
テリー（12）を耳当部（８）と反対側の中間部に設けた
ので、左右のバランスが取れるのみならず全体の重心位
置が下がり、重量のバランスに優れたものとなる。

更にこのほか、本発明ではヘルメット帽体（１）の前縁
部内側にマイクロフォン（６）を下向きに取り付けたの
で、着用者の息の音を拾わずに音声のみを拾うことがで
きること、外来音を拾わないこと、風切り音が入らない
こと等の利点がありノイズの少ない通信に効果があるの
みならず、マイクロフォンを口許に設けた従来のものの
ような煩わしさをなくすることができる。

なお本発明においては受信器（10）を耳当部（８）に、
送信器（５）を頭頂部に設けたが、これを逆にして耳当
部（８）に送信器（５）を設けるとともに頭頂部に受信
器（10）を設けることも考えられる。しかしこの場合に
はイヤホン（９）との一体化ができなくなる不利があ
る。また送信器（５）と受信器（10）とをヘルメット帽
体（１）の左右の中間部に振り分けて設けることも考え
られ、この場合には重心を下げることができる利点があ
るが、アンテナ（11）の配置が困難化する不利がある。
更にまた、バッテリー（12）を別置きにすることも考え
られるが、ヘルメットとの間をケーブルにより接続しな
ければならない不利があるので、いずれも本発明に比較
して実用性に劣るものである。

（発明の効果）本発明は以上の説明からも明らかなように、送信器と受
信器とを分離してそれぞれ頭頂部と耳当部とに設けると
ともに、ヘルメット帽体の中間部に送信器と受信器のい
ずれからも離してアンテナを円周状に取付けることによ
り、アンテナの必要長さを確保しつつヘルメットを大型
化したり緩衝性を低下させたりすることなく通信用機器
を収納させることができ、また送信用電波のまわり込み
による受信障害を生ずることがなく明瞭な通話ができる
とともに通話エリアの増大をも図ることができるもので
ある。更に本発明はヘルメット帽体の前縁部内側にマイ
クロフォンを下向きに取り付けたので、着用者の息の
音、外来音、風切り音等が入らず音声のみを確実に拾う
ことができるうえ、マイクロフォンが口許にある煩らし
さもなくすることができる。従って本発明は屋内作業の
みならず屋外作業に従事する作業員が着用して相互間や
監督者、指令室等との通話を行うに好適なものであり、
電気業界のみならず広く産業の発展に寄与するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す一部切欠斜視図、第２図
はその断面図、第３図は送信器及び受信器の内部回路を
示すブロック図である。（１）：ヘルメット帽体、（２）：内装体、（５）：送
信器、（６）：マイクロフォン、（８）：耳当部、（1
0）：受信器、（11）：アンテナ、（12）：バッテリ
ー。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘルメット帽体（１）の頭頂部と内装体
（２）との間に送信器（５）を固定するとともに、耳当
部（８）の内側に受信器（10）を取付け、またヘルメッ
ト帽体（１）の中間部にアンテナ（11）を送信器（５）
と受信器（10）のいずれからも離して円周状に取付ける
とともに、耳当部（８）と反対側のヘルメット帽体
（１）には上記の送信器（５）及び受信器（10）のため
のバッテリー（12）を取付け、更にヘルメット帽体
（１）の前縁部内側にマイクロフォン（６）を下向きに
取り付けたことを特徴とする通話ヘルメット。