JPH079092A - 溶融金属噴射ノズル及びそれを用いた金属パイプの製造方法 - Google Patents

溶融金属噴射ノズル及びそれを用いた金属パイプの製造方法

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JPH079092A
JPH079092A JP17602693A JP17602693A JPH079092A JP H079092 A JPH079092 A JP H079092A JP 17602693 A JP17602693 A JP 17602693A JP 17602693 A JP17602693 A JP 17602693A JP H079092 A JPH079092 A JP H079092A
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JP
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nozzle
molten metal
pipe
alloy
shape memory
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JP17602693A
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English (en)
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Okikuni Takahata
興邦 高畑
Sakae Kimura
栄 木村
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Ti系合金の小径のパイプを安価に製造する
ための方法を供する。 【構成】 回転液中紡糸法を用い、金属溶湯を噴射する
ためのノズルの構造をノズル外郭部とその外郭内部に挿
入する入れ子とからなる二重構造とする。外郭部のノズ
ル部13と入れ子の突起部19によって、リング状のノ
ズル孔22を形成し、更に入れ子の突起部からはガスが
噴出するよう入れ子中心に貫通孔21を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属または合金パイ
プ、特に小径のTi系合金パイプの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常、小径パイプの製造は、引き抜き加
工によって主に行われている。しかし、TiNi系形状
記憶合金線は加工硬化が著しいために、繰り返し焼鈍を
要する。このため、冷間加工に要する費用はTiNi系
合金パイプのコストの大部分を占めるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機械加工によるTi系
合金パイプの製造は、内径、外径、共に寸法精度の良好
なパイプが得られるという利点を持つ。しかし、この方
法によってTi系合金パイプを製造した場合、コストの
大部分を加工費が占め、製作したパイプは非常に高価な
ものになってしまうという問題がある。
【0004】そこで、本発明の技術的な課題は、Ti系
合金による小径のパイプを安価に製造するための溶融金
属噴射ノズルおよび方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】金属細線を製造する方法
として、回転液中紡糸法が挙げられる。この方法は、回
転する円筒状ドラム内の円周面に遠心力による液体層を
形成し、その液体層中に溶融金属をジェットとして噴出
し、これを急速凝固させて金属細線を製造するものであ
る。
【0006】本発明は、前記回転液中紡糸法で使用する
金属または合金の溶湯を中空状ジェットとして噴射する
ためのノズルに関するものであって、ノズル構造がノズ
ル外郭部とその外郭内部に挿入する入れ子とからなる二
重構造を有し、外郭部に形成されたノズル部と入れ子の
突起部によって、形状がリング状のノズル孔を構成し、
かつ入れ子の突起部中心にはガスが導入されて、溶湯噴
出時に同時にその中空部にガスが噴出可能なパイプ形状
であることを特徴とする溶融金属噴射ノズルである。こ
の溶融金属噴射ノズルを用いることによって、小径のT
iNi系合金のパイプを製造することが可能になった。
【0007】更に、この溶融金属噴射ノズルを用いるこ
とによって、Ti系合金のパイプを製造した場合には、
小径で、かつ長尺のTi系合金パイプが安価に得られ
る。
【0008】なお、本発明において、小径のパイプの素
材としての金属または合金の種類はTi系合金が適用で
きるが、これらの金属または合金の種類は冷却媒体との
組合せによって、適宜、小径のパイプを製造することが
できるものであって、Ti系合金には限定されない。
【0009】
【作用】従来、金属または合金細線を製造する方法とし
ての回転液中紡糸法を利用して小径の金属または合金パ
イプの製造を可能としたもので、溶湯噴射ノズルの構造
をノズル外郭部とそのノズル外郭内部に挿入設置する入
れ子とからなる二重構造とし、外郭部のノズル部と入れ
子の突起部とによって中空状の溶湯を噴射するためのリ
ング状のノズル孔を形成し、更にリング状のノズル孔の
中心部からガスを噴出可能なよう入れ子の突起部をパイ
プ状として、溶湯噴射と同時にガスを噴出して溶湯の中
空状態を安定化する。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0011】図1は、本発明の溶融金属噴射ノズルを構
成するノズル外郭部の縦断面図である。図1に示すよう
に、ノズル外郭部は入れ子を挿入し、金属または合金原
料を溶融するためのるつぼ部12、溶融金属を噴射する
ためのノズル部13、入れ子を挿入し、金属または合金
原料をるつぼ部12に仕込むための導入口14、噴射ノ
ズルを不活性ガス導入部に取り付けるためのフランジ1
5、るつぼ部12からノズル部13に溶融金属を導くた
めのテーパー部16からなっている。
【0012】図2は、図1に示したノズル外郭部のるつ
ぼ部12内に挿入し、リング状のノズル形状を形成する
ための入れ子の構造を示す縦断面図である。図2に示す
ように、入れ子はノズル外郭部のるつぼ部12内に挿入
するため、外径がるつぼ部12の内径よりも若干小さく
なっており、金属または合金原料を溶融するためのるつ
ぼ部17、金属または合金原料をるつぼ部17に仕込む
ための導入口18、図1のノズル部13とによってリン
グ状のノズル孔22を形成するためのパイプ状の突起部
19、るつぼ部17によって溶解された溶融金属をノズ
ル部に通すための貫通穴20、入れ子中心にガスを導入
するための貫通孔21からなる。
【0013】図3は、図1のノズル外郭部と図2の入れ
子を組立てて構成した溶融金属噴射ノズルの縦断面図で
ある。図2の入れ子は、ノズル外郭部のテーパー部16
によって挿入位置が固定される。この時入れ子のパイプ
状の突起部19はノズル外郭部と入れ子との中心軸が同
一であるために、ノズル部13の中心軸上に位置するよ
うになる。加えて、パイプ状の突起部19の外径は、外
郭部のノズル部13のノズル口径よりも細く製作されて
いるために、突起部19の外径とノズル孔13との間に
均等な隙間を生じさせ、リング状のノズル孔22を形成
する。また、入れ子の下端面とノズルテーパー部16に
よって、るつぼ部17によって溶融された溶融金属がノ
ズル部から噴射するために通過する空間部23を形成す
る。
【0014】図4は、本発明の実施例に係わる金属また
は合金パイプの製造方法を実施するに用いる装置の構成
を示す図で、溶融金属噴射ノズル以外は従来の金属また
は合金細線を製造するに用いられる回転液中紡糸法を実
施するための装置と同様の構成である。
【0015】図4に示すように、金属または合金パイプ
の製造装置は、一面が閉口された円筒状ドラム1(以下
ドラムと称す)と、円筒状ドラム1の他面の中心に一端
を有する回転軸2と、この回転軸2を回転可能に支持す
るすべり軸受3とを有する。また、回転軸2は、ドラム
1に対向した他端側にこの軸に固着されたベルト車(図
示せず)とこのベルト車に装架され直流モータにより回
転されるVベルト(図示せず)とを備えた軸駆動部10
を有する。
【0016】更に、このドラム1の縁には中心軸に向か
って突出した面を有する流出防止板4が設けられ、この
ドラム1の一面側からドラム1内に冷却用液体層5を形
成する液体を供給する給液パイプ(図示せず)を有す
る。
【0017】ドラム1内に供給された冷却用液体は、こ
のドラム1の回転の遠心力により冷却液体層5を形成す
る。このドラムの一面側開口部内に一端を挿入した支持
部7を有し、この支持部7の一端より延出した部分は水
平方向に移動自在となるように複数のコロにより支持さ
れている。
【0018】更に、この基部の一端には、溶融金属また
は合金の噴射ノズル6が設けられている。噴射ノズル6
は、るつぼ部12(図1参照)の周囲に加熱用コイル9
が設けられている。更に、噴射ノズル6はノズル部13
を有し、供給されたアルゴンガス圧により、このノズル
部13から溶融金属または合金の溶湯ジェット8が噴出
する。
【0019】以下、このような構成の装置の動作につい
て説明する。
【0020】回転軸2の回転により円筒状ドラム1の回
転が所定の値になった時に、冷却液体が図示しない供給
パイプにより水等の冷却液体が供給パイプを経て円筒状
ドラム1内面に注入される。注入された冷却液体は、遠
心力によって冷却液体層5を形成すると共に、流出防止
板4によりドラム1からの流出が防止される。そして、
この冷却液体層5中に金属または合金インゴットを再溶
解した溶融金属または合金を噴射ノズル6の先端部のリ
ング状のノズル孔22(図3参照)から適当な速度で中
空状の溶湯ジェットとして噴射し、更に同時に、入れ子
中心の貫通孔21を通じて突起部19の先端よりガスを
噴出して、金属または合金パイプを製造するものであ
る。なお、ドラム1は壁部内に設けられた隙間(図示せ
ず)内を冷却液を通じて冷却される。
【0021】本発明に係わる噴射ノズルを用い、前述の
回転液中紡糸装置によって、金属または合金パイプを製
造した場合の具体例を以下に示す。
【0022】(実施例1)図4に示したドラム1とし
て、内径500mmφで冷却液体層5として深さ20m
m、温度0℃の水を用いた装置により、Ti(30g)
を母合金または合金とし、大気中で融点より50℃高い
温度で溶解し、ノズル孔内径φ2.0mm、入れ子突起
部の外形φ1.0mmの寸法の溶融金属噴射ノズルによ
りアルゴンガス圧を制御して、480m/分の速度でこ
の溶融金属を冷却液体層5中に噴出した。同時に、図3
に示す入れ子中心の貫通孔21を通してアルゴンガスを
入れ子の突起部19の先端から噴出させ、リング状のノ
ズル孔22と入れ子中心の貫通孔21のアルゴンガス圧
は等しくなるよう設定した。この時のドラム1の速度
は、500m/分秒であった。得られたTiNi形状記
憶合金パイプの外径、内径、長さを測定した。この結果
を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】ただし、表1中の外径、内径については、
各試料無作意に30点測定した平均値を示した。また、
内径の測定は、パイプを測定部にて径方向切断し測定し
た。
【0025】表1から本発明のノズルを用いた場合、細
径で、かつ長尺のTiNi系形状記憶合金パイプが得ら
れることがわかる。また、本発明の製造方法によって、
パイプを製造した場合、溶融金属から直接パイプを製造
するために、これまでの機械加工によって製造した場合
よりも加工コストが安価になり、TiNi系形状記憶合
金パイプを安価に製造することができる。
【0026】(実施例2)実施例1と同様の方法を用い
て得られたTiPd形状記憶合金パイプの外径、内径、
長さを測定した。この結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】ただし、表2中の外径、内径については、
各試料無作意に30点測定した平均値を示した。また、
内径の測定は、パイプを測定部にて径方向切断し測定し
た。
【0029】表2から本発明のノズルを用いた場合、T
iNi系形状記憶合金と同様に、細径で、かつ長尺のT
iPd系形状記憶合金パイプが得られることがわかる。
また、本発明の製造方法によって、パイプを製造した場
合、溶融金属から直接パイプを製造するために、これま
での機械加工によって製造した場合よりも加工コストが
安価になり、TiPd系形状記憶合金パイプを安価に製
造することができる。
【0030】以上説明したように、回転液中紡糸法にお
ける溶融金属噴射ノズルとして、ノズル外郭部と、その
外郭中に挿入する入れ子による二重構造を有し、外郭部
のノズル孔と入れ子の突起部によって溶融金属を噴射す
るノズル孔形状をリング状に構成し、かつ入れ子突起部
はガスを噴出可能なパイプ形状であることを特徴とする
溶融金属噴射ノズルを使用することにより、細径で、か
つ長尺なTiNi系、及びTiPd系形状記憶合金パイ
プを安価に製造する方法を提供することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
細径で、かつ長尺なTi系形状記憶合金パイプを安価に
製造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる溶融金属噴射ノズルを
構成するためのノズル外郭部の縦断面図。
【図2】ノズル外郭部の内に挿入し、リング状のノズル
形状を形成するための入れ子の構成を示す縦断面図。
【図3】ノズル外郭部と入れ子によって組立てられた溶
融金属噴射ノズルの縦断面図。
【図4】本発明の実施例に係わる金属または合金パイプ
の製造方法を実施するための装置の構成を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1 円筒状ドラム 2 回転軸 3 すべり軸受 4 流出防止板 5 冷却用液体層 6 噴射ノズル 7 支持部 8 溶湯ジェット 9 加熱コイル 10 軸駆動部 11 アルゴンガス導入管 12,17 るつぼ部 13 ノズル部 14,18 導入口 15 フランジ 16 テーパー部 19 突起部 20 貫通穴 21 貫通孔 22 リング状のノズル孔 23 空間部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル外郭部と該ノズル外郭部内に同心
    的に配置された入れ子とからなり、前記ノズル外郭部の
    ノズル部と前記入れ子の突起部によって形成されたリン
    グ状の噴射口を有する溶融金属噴射ノズルにおいて、前
    記入れ子の突起部はガス噴出可能なパイプ状であること
    を特徴とする溶融金属噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 回転している円筒状ドラム内に、遠心力
    により冷却液体層を形成し、前記冷却液体層中に噴射ノ
    ズルより中空状の溶融金属を噴射し凝固させてパイプを
    製造することを特徴とする金属パイプの製造方法におい
    て、前記噴射ノズルとして請求項1記載の溶融金属噴射
    ノズルを用いることを特徴とするTi系合金パイプの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のTi系合金は、超弾性あ
    るいは形状記憶特性を有するTiNi系形状記憶合金で
    あることを特徴とするTi系合金パイプの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のTi系合金は、超弾性あ
    るいは形状記憶特性を有するTiPd系形状記憶合金で
    あることを特徴とするTi系合金パイプの製造方法。
JP17602693A 1993-06-22 1993-06-22 溶融金属噴射ノズル及びそれを用いた金属パイプの製造方法 Pending JPH079092A (ja)

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