JPH0790591A - マイクロ波プラズマcvd装置及び堆積膜形成方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマcvd装置及び堆積膜形成方法

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JPH0790591A
JPH0790591A JP5227305A JP22730593A JPH0790591A JP H0790591 A JPH0790591 A JP H0790591A JP 5227305 A JP5227305 A JP 5227305A JP 22730593 A JP22730593 A JP 22730593A JP H0790591 A JPH0790591 A JP H0790591A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロ波導波管とプラズマ発生室間の壁に
薄膜が付くためにマイクロ波が薄膜に吸収され、こまめ
に装置メンテナンスしなければならないという問題の解
消、及び高速な堆積膜形成を可能にする。 【構成】 従来大気圧だったマイクロ波導波管103を
プラズマ発生室101及びスロット107を通じて減圧
可能にし、マイクロ波導波管とプラズマ発生室の間の壁
を取り去る。またプラズマ発生用ガス導入口108をマ
イクロ波導波管に移動させる。それにより、マイクロ波
導波管はプラズマ発生室より圧力が大きくなりプラズマ
発生室のみでプラズマが生成する。 【効果】 マイクロ波導波管とプラズマ発生室間の壁が
必ずしも必要でなくなり、装置のメンテナンスサイクル
が、従来に比べ10倍以上長くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波エネルギー
を使用するプラズマCVD装置及びマイクロ波エネルギ
ーを使用する堆積膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波プラズマCVD装置を使用す
る成膜は例えば次のように行われる。即ち該マイクロ波
プラズマCVD装置の成膜室内にガスを導入し、同時に
マイクロ波エネルギーを投入して該成膜室内にプラズマ
を発生させ前記ガスを励起、分解して、該成膜室内に配
された基体上に堆積膜を形成する。
【0003】マイクロ波プラズマCVD装置において
は、ガスの励起源としてマイクロ波エネルギーを使用す
るのは、RFエネルギーに比べて電子を高い周波数をも
つ電界により加速でき、ガス分子を連鎖的に電離し、励
起させることができるからである。それ故、ガスの励起
効率及び分解効率が高く、高密度のプラズマを比較的容
易に形成し得る、成膜を高速で行い得るといった利点が
ある。
【0004】本発明者は、マイクロ波の均一で効率的な
導入装置として複数のスロットが内側面に形成された環
状導波管を用いたマイクロ波プラズマCVD装置を提案
した(特許出願番号H3−293010)。このマイク
ロ波プラズマCVD装置を図9に示す。図9において、
1101はプラズマ発生室、1102はプラズマ発生室
1101を形成する石英管、1103はマイクロ波をプ
ラズマ発生室1101に導入するためのスロット付環状
導波管、1104は環状導波管1104にマイクロ波1
103を導入するマイクロ波導入部である。1106は
マイクロ波を二分配する二分配ブロック、1107は環
状導波管1104の内側に形成された複数のスロット、
1108はプラズマ発生用ガス導入手段、1111はプ
ラズマ発生室1101に連結した成膜室、1112は被
覆基体、1113は基体1112の支持体、1114は
基体1112を加熱するヒータ、1115は成膜用ガス
導入手段、1116は排気である。プラズマの発生及び
成膜は以下のようにして行う。排気系(不図示)を介し
てプラズマ発生室1101内及び成膜室1111内を真
空排気する。続いてプラズマ発生用ガスをガス導入口1
108を介して所定の流量でプラズマ発生室1101内
に導入する。次に排気系(不図示)に設けられたコンダ
クタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室1
101内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不
図示)より所望の電力を環状導波管1103を介してプ
ラズマ発生室1101内に供給する。こうすることで電
子がマイクロ波電界により加速され、プラズマ発生室1
101内に高密度プラズマが発生する。この時に成膜用
ガス導入管1115を介して成膜用ガスを成膜室111
1内に導入しておくと成膜用ガスは発生した高密度プラ
ズマにより励起され、支持体1113上に載置された被
覆基体1112の表面に成膜される。この際用途に応じ
て、プラズマ発生用ガス導入口1108に成膜用ガスを
導入しても良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この図
9に示される装置では、真空槽のプラズマ発生室110
1と大気圧のマイクロ波導入管の間の圧力差を保ちかつ
マイクロ波を通す壁すなわち石英管1102を設けなけ
ればならない。このとき基体上に膜成長させる物質によ
っては、使用しているうちに薄膜が石英管の内壁に付着
する。このような場合マイクロ波は薄膜に吸収されるた
めにプラズマ発生室に効率的に導入できなくなるという
問題が生じる場合がある。このような現象は、導電性の
膜を形成する場合、該導電性膜がマイクロ波を透過させ
ない為、特に顕著に生ずるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、従来
のマイクロ波プラズマCVD装置における上記した問題
点を解決し、上記問題を解決すべく鋭意努力した結果な
されたものである。本発明においては従来大気圧下にお
かれていたマイクロ波導管内をもマイクロ波導波管に設
けられたスロットを通じてプラズマ発生室の減圧手段に
よって減圧可能にした。こうすることにより図9に示し
た装置の石英管1102が必ずしも必要でなくなり、被
覆基体1112上に堆積膜を成長させても、石英管の内
壁に薄膜が付着することがなくなり、付着物によりマイ
クロ波が吸収され、マイクロ波のプラズマ発生室への導
入が妨げられることがなくなるという知見を得た。
【0007】また、本発明者は、マイクロ波導波管にプ
ラズマ発生用ガスを導入する手段を接続し、かつマイク
ロ波導波管に設けられたスロットを介して、マイクロ波
導波管内をもプラズマ発生室に接続された減圧手段で減
圧させプラズマ発生室内の圧力よりもマイクロ波導波管
内の圧力を大きくすることで、マイクロ波導波管内では
プラズマが発生しにくくなり、プラズマ発生室で効果的
にプラズマが作られるという知見を得た。
【0008】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものである。本発明のマイクロ波プラズマCVD装置
の第1の態様は次のとおりのものである。即ち、排気手
段によりプラズマ発生室を減圧させ、該プラズマ発生室
に接続されたマイクロ波導波管を介して前記プラズマ発
生室内にマイクロ波エネルギーを供給し、前記プラズマ
発生室内もしくは該プラズマ発生室に連通した成膜室内
に配された基体上に堆積膜を形成するマイクロ波プラズ
マCVD装置において、前記導波管には複数のスロット
が前記プラズマ発生室側の面に形成されていて、前記プ
ラズマを発生させるガスを前記スロットを介して前記プ
ラズマ発生室内に導入するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0009】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置の
第2の態様は、次のとおりのものである。即ち、排気手
段によりプラズマ発生室を減圧させ、該プラズマ発生室
に接続されたマイクロ波導波管を介して前記プラズマ発
生室内にマイクロ波エネルギーを供給し、前記プラズマ
発生室内にプラズマを発生させて、前記プラズマ発生室
内もしくは該プラズマ発生室に連通した成膜室内に配さ
れた基体上に堆積膜を形成するマイクロ波プラズマCV
D装置において、前記マイクロ波導波管をも前記排気手
段により減圧可能とし前記プラズマ発生室と、前記マイ
クロ波導波管とに圧力差を設けるようにしたことを特徴
とするものである。
【0010】本発明は、堆積膜形成方法をも包含する。
即ち、本発明の堆積膜形成方法は、排気手段によりプラ
ズマ発生室を減圧させ、該プラズマ発生室に接続された
マイクロ波導波管を介して前記プラズマ発生室内にマイ
クロ波エネルギーを供給し、前記プラズマ発生室内にプ
ラズマを発生させて、前記プラズマ発生室内もしくは該
プラズマ発生室に連通した成膜室内に配された基体上に
堆積膜を形成する堆積膜形成方法において、前記マイク
ロ波導波管を前記排気手段により減圧させ、前記マイク
ロ波導波管を介して前記プラズマを発生させるガスを前
記プラズマ発生室に供給しながら堆積膜の形成を行うこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明によれば、上述の課題が解決され、
効率的な堆積膜の形成が可能となる。
【0012】即ち、本発明によれば、マイクロ波CVD
装置のプラズマ発生室内壁を構成する石英管が必要でな
くなり、石英管の内壁に薄膜が付着することでマイクロ
波のプラズマ発生室への導入がさまたげられるという問
題が解消する。そのため、該装置のメンテナンスサイク
ルが長くなり装置の信頼性と稼働率が向上する。更に、
本発明によれば効率的なプラズマの発生が可能となり、
高品質な堆積膜を効率良く形成することかできる。
【0013】本発明においては、プラズマ発生室内の圧
力は0.5Torr以下に保たれるのが望ましく、マイ
クロ波導波管内の圧力は1.0Torr以上に保たれる
のが望ましい。
【0014】プラズマは1Torr以上の圧力では作ら
れにくいので、プラズマ発生室のみでプラズマを起こす
上で有効な作用をする。このため該装置を使用すればマ
イクロ波をプラズマ発生室内に均一にして効率的に導入
することができ、均一かつ高密度なプラズマを発生させ
ることができる。
【0015】この装置の一例を図1に示す。図1に示し
た装置を使用した堆積膜の形成は、マイクロ波導波管1
03を排気手段116により減圧させ、マイクロ波導波
管103を介してプラズマを発生させるガスをプラズマ
発生室101に供給しながら堆積膜の形成を行う。ま
た、この装置は前記マイクロ波導波管103をも前記排
気手段116により減圧可能とし、前記プラズマ発生室
101と前記マイクロ波導波管103とに圧力差を設け
たマイクロ波プラズマCVD装置である。さらにこの装
置は前記導波管には、複数のスロットが前記プラズマ発
生室側の面に形成されていて、前記プラズマを発生させ
るガスを前記スロットを介して前記プラズマ発生室内に
導入するような構造にしたマイクロ波プラズマCVD装
置である。
【0016】この装置を使用したプラズマの発生及び成
膜は以下のようにして行われる。排気系(不図示)を介
してプラズマ発生室101内及び成膜室111内を真空
排気する。続いてプラズマ発生用のガスをガス導入口1
08を介して所定の流量で導波管103及びスロット1
07を経てプラズマ発生室101内に導入する。次に排
気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不
図示)を調整し、プラズマ発生室101内及び成膜室1
11内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図
示)より所望の電力を導波管103を介してプラズマ発
生室101内に供給することによりプラズマ発生室10
1内にプラズマが発生する。この時、成膜用ガス導入管
115を介して成膜用ガスを成膜室111内に導入して
おくと成膜用ガスは発生した高密度プラズマにより励起
され、支持体113上に載置された被覆基体112の表
面上に堆積膜が形成される。この際用途に応じて、プラ
ズマ発生用ガス導入口108に成膜用ガスを導入しても
良い。
【0017】本発明のマイクロ波導入装置の使用におい
ては、用いられるマイクロ波の周波数は、2.45GH
z以外でも、0.8GHz乃至20GHzの範囲から適
宜選択することができる。
【0018】本発明において用いられる導波管の形状
は、円筒状のものでも、プラズマ発生室の形状によって
円盤状や多角形など他の形でも良い。導波管の断面の形
状については、WRT−2規格導波管と同様の寸法で矩
形のものでも、寸法は任意で形状も円形でも半円形でも
他の形状でも、マイクロ波が伝搬可能でありさえすれば
良い。環状導波管の構成材料については、ステンレスに
銅コートした上に更に銀コートした二層メッキを施した
ものでも、Cu、A1、Fe、Niなどの金属や合金、
各種ガラス、石英、窒化シリコン、アルミナ、アクリ
ル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミドな
どの絶縁体にA1、W、Mo、Ti、Ta、Cu、Ag
などの金属薄膜をコーティングしたものなど、機械的強
度が充分で表面がマイクロ波の浸透厚以上の厚さの導電
層で覆われているものならいずれも使用可能である。
【0019】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置に
おいて設けられるスロットの形状は、長辺がマイクロ波
の進行方向に垂直な矩形状のものでも、長辺がマイクロ
波の進行方向に平行でも傾いていても、矩形ではなく円
形でも多角形でも鉄アレイ型でも星型でも、そのスロッ
トからマイクロ波が導入可能であり、導波管内の圧力が
導波管内で放電が起こらない程度に高くなるようなコン
ダクタンスをもつものであれば良い。但し、効率的な導
入やリーク率の調整し易さを考慮すると、長辺がマイク
ロ波の進行方向に垂直な40mm乃至60mm×0.5
mm乃至3mmの矩形状のものが最適である。スロット
の長さについては、各スロットからのマイクロ波のリー
ク量がほぼ等しくなるように調整する。スロットの長さ
の調整は、導電性テープを貼っても、シャッタを用いて
もよい。設けられる各スロットの間隔は、管内波長の1
/4でも、その整数倍であってもよく、プラズマ発生の
必要のない部分には設けなくてもよい。
【0020】本発明のマイクロ波CVD装置は主に、導
波管内では放電せずプラズマ発生室にマイクロ波が導入
されて初めて放電するものであるが、用途によっては導
波管内部で共振的に放電し、放電の強い部分から高密度
の非イオン性活性種を供給することも可能である。この
場合、スロットの形状は、導波管内の圧力が導波管内で
放電が起こる範囲になるようなコンダクタンスをもつも
のであれば採用可能であり、長辺がマイクロ波の進行方
向に垂直な40mm乃至60mm×2mm乃至5mmの
矩形状のものが最適である。
【0021】また、プラズマの高密度化のために磁界発
生手段を設けても良い。磁界発生手段としては導波管の
スロット付近の電界に垂直な磁界を発生できるものな
ら、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。ま
た磁気回路は、ミラー磁場以外でも、発散磁場でも、マ
ルチカスプ磁場でも、円筒マグネトロン磁場でも、使用
可能である。コイルを用いる場合には過熱防止のため水
冷機構や空冷など他の冷却手段を用いてもよい。
【0022】上記のマイクロ波プラズマCVD装置を用
いることにより、プラズマ発生室内もしくはプラズマ発
生室に連結された成膜室内に配置される被覆基体上に良
質な堆積膜を均一にして効率的に成膜することができ
る。
【0023】またこのマイクロ波プラズマCVD装置を
用いることにより、マイクロ波を石英管を透さずにプラ
ズマ発生室内に導入できるので、石英管上にマイクロ波
を吸収する膜が形成されてマイクロ波がプラズマ発生室
内に導入され難くなることがなくなり、メンテナンスサ
イクルが長くなり装置の信頼性と稼働率が向上する。
【0024】
【プラズマCVD装置例】以下装置例を挙げて本発明の
マイクロ波プラズマCVD装置をより具体的に説明する
が、本発明はこれら装置例に限定されるものではない。
【0025】装置例1 本発明の一例である環状導波管を使用したマイクロ波プ
ラズマCVD装置を図1(A)に、マイクロ波導入装置
を図1(B)に示す。101はプラズマ発生室、103
はマイクロ波をプラズマ発生室101に導入するための
スロット付環状導波管、104は環状導波管103にマ
イクロ波を導入するマイクロ波導入部、105は導入部
104に設けられたマイクロ波導入窓である。106は
マイクロ波を二分配する分配ブロック、107は環状導
波管103の内側に形成された複数のスロット、108
はプラズマ発生用ガス導入手段、111はプラズマ発生
室に連結した成膜室である。112は被覆基体、113
は基体112の支持体、114は基体112を加熱する
ヒータ、115は成膜用ガス導入手段、116は排気系
である。
【0026】環状導波管103は、内壁断面の寸法がW
RT−2規格導波管と同じ27mm×96mmであっ
て、中心径が354mmである。環状導波管103の材
質は、機械的強度を保つためステンレス鋼で構成されて
いて、その内壁面にはマイクロ波の伝搬損失を抑えるた
め銅をコーティングした上に更に銀をコーティングした
二層メッキが施されている。
【0027】スロット107の形状は長さ42mm、幅
2mmの矩形であり、管内波長の1/4間隔に形成され
ている。管内波長は、使用するマイクロ波の周波数と導
波管の断面の寸法に依存するが、周波数2.45GHz
のマイクロ波と上記の寸法の導波管を用いた場合には約
159mmである。使用した環状導波管103では、ス
ロットは約40mm間隔で28個形成されている。
【0028】マイクロ波導入部104には、4スタブチ
ューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHz
の周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続さ
れている。
【0029】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行われる。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
101内及び成膜室111内を真空排気する。続いてプ
ラズマ発生用のガスをガス導入口108を介して所定の
流量で環状導波管103及びスロット107を経てプラ
ズマ発生室101内に導入する。次に排気系(不図示)
に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整
し、プラズマ発生室101内及び成膜室111内を所定
の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望
の電力を環状導波管103を介してプラズマ発生室10
1内に供給することによりプラズマ発生室101内にプ
ラズマが発生する。この時に成膜用ガス導入管115を
介して成膜用ガスを成膜室111内に導入しておくと成
膜用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支
持体113上に載置された被覆基体112の表面上に成
膜する。この際用途に応じて、プラズマ発生用ガス導入
口108に成膜用ガスを導入しても良い。
【0030】図1(A)に示したマイクロ波プラズマC
VD装置を使用して、N2 流量500sccm、圧力5
mTorr、マイクロ波パワー1kWの条件でプラズマ
を発生させ、得られたプラズマの電子密度の均一性を評
価した。電子密度の均一性の評価は、プローブ法により
以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−
50から+50Vの範囲で変化させ、プローブに流れる
電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線
からラングミュアの方法により電子密度を算出した。電
子密度の測定をプラズマ発生室中央断面内の19点で行
い、その最大値/最小値のばらつきで均一性を評価し
た。その結果、電子密度はφ200面内で9.6×10
11/cm3 ±4.8%であり、高密度かつ均一なプラズ
マが形成されていることが確認された。
【0031】装置例2 円盤状導波管を使用したマイクロ波プラズマCVD装置
の一例を図2に示す。201はプラズマ発生室、203
はマイクロ波をプラズマ発生室201に導入するための
スロット付円盤状導波管、204はマイクロ波を円盤状
導波管203内に導入する導入部、205は導入部に設
けられたマイクロ波導入窓である。206はマイクロ波
を二分配する分配ブロック、207は円盤状導波管20
3の内側に形成された複数のスロット、208はプラズ
マ発生用ガス導入手段、211はプラズマ発生室に連結
した成膜室である。212は被覆基体、213は基体2
12の支持体、214は基体を加熱するヒータ、214
は成膜用ガス導入手段、215は排気系である。マイク
ロ波導入部204には、4スタブチューナ、方向性結合
器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイ
クロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0032】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行われる。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
201内及び成膜室211内を真空排気する。続いてプ
ラズマ発生用のガスをガス導入口208を介して所定の
流量で円盤状導波管203及びスロット207を経てプ
ラズマ発生室201内に導入する。次に排気系(不図
示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調
整し、プラズマ発生室201内及び成膜室211内を所
定の圧力に保持する。ついでマイクロ波電源(不図示)
より所望の電力を円盤状導波管203を介してプラズマ
発生室201内に供給することによりプラズマ発生室2
01内にプラズマが発生する。この時に成膜用ガス導入
管215を介して成膜用ガスを成膜室211内に導入し
ておくと成膜用ガスは発生したプラズマにより励起さ
れ、支持体213上に載置された被覆基体212の表面
上に成膜する。この際用途に応じて、プラズマ発生用ガ
ス導入口208に成膜用ガスを導入しても良い。
【0033】図2(A)に示したマイクロ波プラズマC
VD装置を使用して、N2 流量500sccm、圧力3
mTorr、マイクロ波パワー800Wの条件でプラズ
マを発生させ、得られたプラズマの電子密度の均一性を
評価した。その結果、電子密度はφ200面内で8.4
×1011/cm3 ±3.6%であり、高密度かつ均一な
プラズマが形成されていることが確認された。
【0034】装置例3 有磁場マイクロ波プラズマCVD装置の一例を図3
(A)に、マイクロ波導入装置を図3(B)に示す。3
01はプラズマ発生室、303はマイクロ波をプラズマ
発生室301に導入するためのスロット付環状導波管、
304はマイクロ波を環状導波管303内に導入する導
入部、305は導入部304に設けられたマイクロ波導
入窓である。306はマイクロ波を二分配する分配ブロ
ック、307は環状導波管304の内側に形成された複
数のスロット、308はプラズマ発生用ガス導入手段で
ある。309はプラズマ発生室301内に電界に平行磁
界を発生するコイル、311はプラズマ発生室に連結し
たプラズマ発生室、312は被覆基体、313は基体3
12の支持体、314は基体312を加熱するヒータ、
315は成膜用ガス導入手段、316は排気系である。
【0035】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行われる。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
301内及び成膜室311内を真空排気する。続いてプ
ラズマ発生用のガスをガス導入口308を介して所定の
流量で環状導波管303及びスロット307を経てプラ
ズマ発生室301内に導入する。次に排気系(不図示)
に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整
し、プラズマ発生室301内を所定の圧力に保持する。
ついで直流電源(不図示)より所望の電力をコイル30
9に供給しプラズマ発生室301内に中心磁束密度8
7.5mTの均一磁界を発生させた後、マイクロ波電源
(不図示)より所望の電力を環状導波管303を介して
プラズマ発生室301内に供給する。コイル309によ
りプラズマ発生室301内に生じた磁力線の廻りを螺旋
運動する電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速さ
れ、プラズマ発生室301内に高密度プラズマが発生す
る。この時に成膜用ガス導入管315を介して成膜用ガ
スを成膜室311内に導入しておくと成膜用ガスは、発
生した高密度プラズマにより励起されたプラズマ発生用
ガスと反応し、支持体313上に載置された被覆基体3
12の表面を成膜する。この際用途に応じて、プラズマ
発生用ガス導入口308に成膜用ガスを導入しても良
い。
【0036】装置例4 マイクロ波隔離プラズマCVD装置の一例を図4(A)
に、マイクロ波導入装置を図4(B)に示す。401は
プラズマ発生室、403はマイクロ波をプラズマ発生室
401に導入するためのスロット付環状導波管、404
はマイクロ波を環状導波管403内に導入する導入部、
405は導入部404に設けられたマイクロ波導入窓で
ある。406はマイクロ波を二分配する分配ブロック、
407は環状導波管404の内側に形成された複数のス
ロット、408はプラズマ発生用ガス導入手段、411
はプラズマ発生室に連結した成膜室である。412は被
覆基体、413は基体412の支持体、414は基体4
12を加熱するヒータ、415は成膜用ガス導入手段、
416は排気系、417はプラズマ発生室401と成膜
室411とを分離する多孔分離板である。
【0037】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行われる。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
401内を真空排気する。続いてプラズマ発生用のガス
をガス導入口408を介して所定の流量で環状導波管4
03及びスロット407を経てプラズマ発生室401内
に導入する。次に排気系(不図示)に設けられたコンダ
クタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室4
01内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図
示)より所望の電力を環状導波管403を介してプラズ
マ発生室401内に供給することによりプラズマ発生室
401内にプラズマが発生する。この時に成膜用ガス導
入管415を介して成膜用ガスを成膜室411内に導入
しておくと成膜用ガスは、発生したプラズマにより励起
されたプラズマ発生用ガスと反応し、支持体413上に
載置された被覆基体412の表面上に成膜する。この際
用途に応じて、プラズマ発生用ガス導入口408に成膜
用ガスを導入しても良い。
【0038】装置例5 光アシストマイクロ波プラズマCVD装置の一例を図5
(A)に、マイクロ波導入装置を図5(B)に示す。5
01はプラズマ発生室、503はマイクロ波をプラズマ
発生室501に導入するためのスロット付環状導波管、
504は環状導波管503にマイクロ波を導入するマイ
クロ波導入部、505は導入部504に設けられたマイ
クロ波導入窓である。506はマイクロ波を二分配する
分配ブロック、507は環状導波管503の内側に形成
された複数のスロット、508はプラズマ発生用ガス導
入手段、511はプラズマ発生室に連結したプラズマ発
生室である。512は被覆基体、513は基体512の
支持体、514は基体512を加熱するヒータ、515
は成膜用ガス導入手段、516は排気系である。521
は基体512の表面に可視若しくは紫外光を照射するた
めの照明系、525は照明系521からの可視若しくは
紫外光をプラズマ発生室501を通して成膜室511へ
導入する光導入窓である。ここで照明系521は、光源
522と、光源522からの光を集光するリフレクトミ
ラー523と、光を均一化する多数の凸レンズからなる
インテグレータ524とで構成されている。
【0039】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行う。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室50
1内及び成膜室511内を真空排気する。続いて照明系
521からの可視若しくは紫外光を光導入窓525を通
して基体512表面に照射すると共に基体512を所望
の温度に保持する。さらにプラズマ発生用のガスをガス
導入口508を介して所定の流量で環状導波管503及
びスロット507を経てプラズマ発生室501内に導入
する。次に排気系(不図示)に設けられたコンダクタン
スバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室501内
を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)よ
り所望の電力を環状導波管503を介してプラズマ発生
室501内に供給することによりプラズマ発生室501
内にプラズマが発生する。この時に成膜用ガス導入管5
15を介して成膜用ガスを発生室511内に導入してお
くと成膜用ガスは発生した高密度プラズマにより励起さ
れ、支持体513上に載置された被覆基体512の表面
上に成膜する。この時表面は可視若しくは紫外光により
活性化されるので、より高品質な成膜が可能になる。こ
の際用途に応じて、プラズマ発生用ガス導入口508に
成膜用ガスを導入しても良い。
【0040】照明系521の光源522としては、低圧
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセ
ノン−水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、A
r共鳴線ランプ、Kr共鳴線ランプ、Xe共鳴線ラン
プ、エキシマレーザ、Ar+ レーザ2倍高調波、N2
ーザ、YAGレーザ3倍高調波など基体表面に付着した
前駆体に吸収される波長を有する光源ならいずれのもの
も使用可能である。
【0041】装置例6 バイアスマイクロ波プラズマCVD装置を図6(A)
に、マイクロ波導入装置を図6(B)に示す。図6にお
いて601はプラズマ発生室、603はマイクロ波をプ
ラズマ発生室601に導入するためのスロット付環状導
波管、604はマイクロ波を環状導波管603内に導入
する導入部である。605は導入部604に設けられた
マイクロ波導入窓、606はマイクロ波を二分配する分
配ブロック、607は環状導波管603の内側に形成さ
れた複数のスロット、608はプラズマ発生用ガス導入
手段、611はプラズマ発生室に連結したプラズマ発生
室である。612は被覆基体、613は基体612の支
持体、614は基体612を加熱するヒータ、615は
成膜用ガス導入手段、616は排気系である。618は
支持体613に高周波バイアスを印加する高周波ロッ
ド、619は支持体613をアース電位から絶縁する絶
縁ロッドである。
【0042】プラズマの発生及び成膜は以下のようにし
て行う。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室60
1内及び成膜室611内を真空排気する。続いてプラズ
マ発生用のガスをガス導入口608を介して所定の流量
で環状導波管603及びスロット607を経てプラズマ
発生室601内に導入する。次に排気系(不図示)に設
けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プ
ラズマ発生室601内及び成膜室611内を所定の圧力
に保持する。さらに支持体613に高周波ロッド618
を介して高周波を印加した後、マイクロ波電源(不図
示)より所望の電力を環状導波管603を介してプラズ
マ発生室601内に供給することによりプラズマ発生室
601内にプラズマが発生する。この時に成膜用ガス導
入管615を介して成膜用ガスを成膜室611内に導入
しておくと成膜用ガスは、発生したプラズマにより励起
され、イオン成分は支持体表面に発生したシース電界に
より加速され、支持体613上に載置された被覆基体6
12の表面上に成膜する。この際用途に応じて、プラズ
マ発生用ガス導入口608に成膜用ガスを導入しても良
い。
【0043】装置例7 環状のマイクロ波導入装置と円盤状のマイクロ波導入装
置とをあわせて設けたマイクロ波プラズマCVD装置を
図7(A)に示す。円盤状マイクロ波導入装置を図8
(B)に、環状マイクロ波導入装置を図8(C)に示
す。701はプラズマ発生室、703a、703bはマ
イクロ波をプラズマ発生室701に導入するためのスロ
ット付導波管(703aは円盤状導波管、703bは環
状導波管のもの、以後、指標の終わりに付いているa、
bはそれぞれ円盤状導波管のもの、環状導波管のものを
表す。)、704は環状導波管703にマイクロ波を導
入するマイクロ波導入部、705は導入部704に設け
られたマイクロ波導入窓である。706はマイクロ波を
二分配する分配ブロック、707は環状導波管703の
内側に形成された複数のスロット、708はプラズマ発
生用ガス導入手段、711はプラズマ発生室に連結した
成膜室である。712は被覆基体、713は基体712
の支持体、714は基体712を加熱するヒータ、71
5は成膜用ガス導入手段、716は排気系である。
【0044】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置に
おけるプラズマ発生室内もしくは成膜室内の圧力は好ま
しくは0.5mTorr乃至0.5Torrの範囲から
選択することができる。
【0045】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置に
より成膜する際の基体温度は、使用する成膜用ガスの種
類や堆積膜の種類、及び用途により多少異なるが、一般
的には、好ましくは50乃至600℃の範囲、最適には
100乃至400℃の範囲である。
【0046】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置に
よる堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択すること
によりSi34 、SiO2 、Ta25 、TiO2
TiN、Al23 、AlN、MgF2 などの絶縁膜、
a−Si、poly−Si、SiC、GaAsなどの半
導体膜、Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属膜等、
各種の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
【0047】また本発明のマイクロ波プラズマCVD装
置は表面改質にも適用できる。例えば、使用するガスを
適宜選択することによりSi、Al、Ti、Zn、Ta
などの基体もしくは表面層に酸化処理あるいは窒化処理
さらにはB、As、Pなどのドーピング処理等が可能で
ある。更に本発明において採用する成膜技術はクリーニ
ング方法にも適用できる。その場合酸化物あるいは有機
物や重金属などのクリーニングに使用することもでき
る。
【0048】本発明のプラズマCVD装置により成膜す
る基体は、半導体であっても、導電性のものであって
も、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。また、
これらの基体には、緻密性、密着性、段差被覆性などの
性能の改善のため、−500Vから+200Vの直流バ
イアスもしくは周波数40Hzから300MHzの交流
バイアスを印加してもよい。
【0049】導電性基体としては、Fe、Ni、Cr、
Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb
などの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレ
ス鋼などが挙げられる。
【0050】絶縁性基体としては、SiO2 系の石英や
各種ガラス、Si34 、NaCl、KCl、LiF、
CaF2 、BaF2 、Al23 、AlN、MgOなど
の無機物の他、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカー
ボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シート
などが挙げられる。
【0051】堆積膜形成用ガスとしては、一般に公知の
ガスが使用できる。
【0052】プラズマの作用で容易に分解され単独でも
堆積し得るガスは、化学量論的組成の達成やプラズマ発
生室内の膜付着防止のため成膜室内の成膜用ガス導入手
段などを介して成膜室内へ導入することが望ましい。ま
た、プラズマの作用で容易に分解されにくく単独では堆
積し難いガスは、プラズマ発生室内のプラズマ発生用ガ
ス導入口を介してプラズマ発生室内へ導入することが望
ましい。
【0053】a−Si、poly−Si、SiCなどの
Si系半導体薄膜を形成する場合の成膜用ガス導入手段
を介して導入するSi原子を含有する原料としては、S
iH4 、Si26 などの無機シラン類、テトラエチル
シラン(TES)、テトラメチルシラン(TMS)、ジ
メチルシラン(DMS)などの有機シラン類、SiF
4 、Si26 、SiHF3 、SiH22 、SiCl
4 、Si2 Cl6 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、S
iH3 Cl、SiCl22 などのハロシラン類等、常
温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得る
ものが挙げられる。また、この場合のプラズマ発生用ガ
ス導入口を介して導入するプラズマ発生用ガスとして
は、H2 、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnが挙げ
られる。
【0054】Si34 、SiO2 などのSi化合物系
薄膜を形成する場合の成膜用ガス導入手段を介して導入
するSi原子を含有する原料としては、SiH4 、Si
26 などの無機シラン類、テトラエトキシシラン(T
EOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、オクタ
メチルシクロテトラシラン(OMCTS)などの有機シ
ラン類、SiF4 、Si26 、SiHF3 、SiH2
2 、SiCl4 、Si2 Cl6 、SiHCl3 、Si
2 Cl2 、SiH3 Cl、SiCl22 などのハロ
シラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易
にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合のプ
ラズマ発生用ガス導入口を介して導入する原料として
は、N2 、NH3 、N24 、ヘキサメチルジシラザン
(HMDS)、O2 、O3 、H2 O、NO、N2 O、N
2 などが挙げられる。
【0055】Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属薄
膜を形成する場合の成膜用ガス導入手段を介して導入す
る金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミ
ニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEA
l)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジ
メチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タン
グステンカルボニル(W(CO)6 )、モリブデンカル
ボニル(Mo(CO)6 )、トリメチルガリウム(TM
Ga)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金
属、AlCl3 、WF6 、TiCl3 、TaCl5 など
のハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合のプ
ラズマ発生用ガス導入口を介して導入するプラズマ発生
用ガスとしては、H2 、He、Ne、Ar、Kr、X
e、Rnが挙げられる。
【0056】Al23 、AlN、Ta25 、TiO
2 、TiN、WO3 などの金属化合物薄膜を形成する場
合の成膜用ガス導入手段を介して導入する金属原子を含
有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMA
l)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソ
ブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニ
ウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボ
ニル(W(CO)6 )、モリブデンカルボニル(Mo
(CO)6 )、トリメチルガリウム(TMGa)、トリ
エチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl
3 、WF6 、TiCl3 、TaCl5 などのハロゲン化
金属等が挙げられる。また、この場合のプラズマ発生用
ガス導入口を介して導入する原料ガスとしては、O2
3 、H2O、NO、N2 O、NO2 、N2 、NH3
24 、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが
挙げられる。
【0057】基体を酸化表面成膜する場合のプラズマ発
生用ガス導入口を介して導入する酸化性ガスとしては、
2 、O3 、H2 O、NO、N2 O、NO2 などが挙げ
られる。また、基体を窒化表面処理する場合のプラズマ
発生用ガス導入口を介して導入する窒化性ガスとして
は、N2 、NH3 、N24 、ヘキサメチルジシラザン
(HMDS)などが挙げられる。この場合成膜しないの
で、成膜用ガス導入手段を介して原料ガスは導入しな
い、もしくはプラズマ発生用ガス導入口を介して導入す
るガスと同様のガスを導入する。
【0058】基体表面の有機物をクリーニングする場合
のプラズマ発生用ガス導入口から導入するクリーニング
用ガスとしては、O2 、O3 、H2 O、NO、N2 O、
NO2 などが挙げられる。また、基体表面の無機物をク
リーニングする場合のプラズマ発生用ガス導入口から導
入するクリーニング用ガスとしては、F2 、CF4 、C
22 、C26 、CF2 Cl2 、SF6 、NF3
どが挙げられる。この場合成膜しないので、成膜用ガス
導入手段を介して原料ガスは導入しない、もしくはプラ
ズマ発生用ガス導入口を介して導入するガスと同様のガ
スを導入する。
【0059】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0060】実施例1 図1(A)に示したマイクロ波プラズマCVD装置を使
用し、光磁気ディスク用窒化シリコン膜の形成を行っ
た。
【0061】基体112としては、ポリカーボネート
(PC)基板(φ3.5インチ)を使用した。まず、P
C基板112を基体支持台113上に設置した後、排気
系(不図示)を介してプラズマ発生室101及び成膜室
111内を真空排気し、10−6Torrの値まで減圧
させた。プラズマ発生用ガス導入口108を介して窒素
ガスを200sccmの流量でプラズマ発生室101内
に導入した。同時に、成膜用ガス導入手段115を介し
てモノシランガスを200sccmの流量で成膜室11
1内に導入した。ついで、排気系(不図示)に設けられ
たコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、成膜室1
11内を20mTorrに保持した。2.45GHzの
マイクロ波電源より1kWの電力を環状導波管103を
介してプラズマ発生室101内に供給した。かくして、
プラズマ発生室101内にプラズマを発生させた。この
際、プラズマ発生用ガス導入口108を介して導入され
た窒素ガスはプラズマ発生室101内で励起、分解され
て活性種となり、シリコン基板112の方向に輸送さ
れ、成膜用ガス導入手段115を介して導入されたモノ
シランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板1
12上に100nmの厚さで形成した。成膜後、成膜速
度、屈折率などの膜質について評価した。
【0062】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、8
50nm/minと極めて大きく、膜質も屈折率2.
2、応力1.8×109 dyn/cm2 の極めて良質な
膜であることが確認された。また、形成された膜がSi
/N比3.1のシリコンリッチな膜で導電率が高いにも
かかわらず、パーティクル発生によって決定されるメン
テナンスサイクルである10,000回まで膜厚・膜質
が安定した膜が得られた。
【0063】比較例1 図1に示した装置に代えて図9に示した装置を使用して
実施例1と同様な窒化シリコン膜の形成を行った。
【0064】実施例1で使用した図1の装置は、マイク
ロ波導波管103とプラズマ発生室101とが、石英管
によっては、隔てられていないのに対し、本比較例で使
用した図9の装置は、石英管1102によって両者が隔
てられている。
【0065】本比較例においては、プラズマ発生用ガス
導入口1108より窒素ガスを導入し、成膜用ガス11
15よりモノシランガスを導入した以外、実施例1と同
様にして成膜を行なった。
【0066】そうしたところ本例においては、ほぼ10
00回の堆積膜形成で石英管の付着物を取り除くためメ
ンテナンスしなければならなかった。
【0067】実施例2 図2に示したマイクロ波プラズマCVD装置を使用し、
半導体素子保護用窒化シリコン膜の形成を行った。
【0068】基体212としては、P型単結晶シリコン
基板(面方位〔100〕、抵抗率10Ω・cm)を使用
した。まず、シリコン基板212を基体支持台213上
に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生
室201及び成膜質211内を真空排気し、10-6To
rrの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通
電し、シリコン基板212を300℃に加熱し、該基板
をこの温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口20
8を介して窒素ガスを500sccmの流量でプラズマ
発生室201内に導入した。同時に、成膜用ガス導入手
段215を介してモノシランガスを100sccmの流
量で成膜室211内に導入した。ついで、排気系(不図
示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調
整し、成膜室211内を30mTorrに保持した。
2.45GHzのマイクロ波電源より500Wの電力を
円盤状導波管203を介してプラズマ発生室201内に
供給した。かくして、プラズマ発生室201内にプラズ
マを発生させた。この際、プラズマ発生用ガス導入口2
08を介して導入された窒素ガスはプラズマ発生室20
1内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板2
12の方向に輸送され、成膜用ガス導入手段215を介
して導入されたモノシランガスと反応し、窒化シリコン
膜がシリコン基板212上に1.0μmの厚さで形成し
た。成膜後、成膜速度、応力などの膜質について評価し
た。応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉
計Zygo(商品名)で測定し求めた。
【0069】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、4
60nm/minと極めて大きく、膜質も応力1.1×
109 dyn/cm2 、リーク電流1.2×10-10
/cm2 、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良質な膜であ
ることが確認された。また、パーティクル発生によって
決定されるメンテナンスサイクルである1000回まで
膜厚・膜質が安定した膜が得られた。
【0070】実施例3 図3(A)に示したマイクロ波プラズマCVD装置を使
用し、太陽電池用pin接合型光起電力層のi層の形成
を行った。基体312として、SUS430BA製帯状
基体上に下部電極としてAl膜をコーティングしたもの
を使用した。
【0071】まず、基体を基体支持台313上に設置し
た後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室301
及び成膜室311内を真空排気し、10-6Torrの値
まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、基
体312を300℃に加熱し、該基体をこの温度に保持
した。プラズマ発生用ガス導入口308を介して水素ガ
スを100sccmの流量でプラズマ発生室311内に
導入した。同時に、成膜用ガス導入手段315からモノ
シランガスを300sccm、四弗化シリコンガスを1
0sccmの流量で成膜室311内に導入した。つい
で、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバル
ブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室301内及び成
膜室311内を10mTorrに保持した。2.45G
Hzのマイクロ波電源より1200Wの電力を環状導波
管303を介してプラズマ発生室301内に供給した。
かくして、プラズマ発生室301内にプラズマを発生さ
せた。プラズマ発生用ガス導入口308を介して導入さ
れた水素ガスはプラズマ発生室301内で励起、分解さ
れて活性種となり、基体312の方向に輸送され、成膜
用ガス導入手段315を介して導入されたモノシランガ
ス及び四弗化シリコンガスと反応し、i型a−Si:
H:F膜が基体312上に形成された。pin三層成膜
後、均一性、光電変換効率などの膜質について評価し
た。光電変換効率は、0.1W/cm2 の強度をもつ光
照射下で評価した。
【0072】得られたpin型a−Si:H:F膜の均
一性は、±2.8%と良好で、光電変換効率は9.8%
という良好な値を示し、特性が安定していた。また、形
成された膜が導電率が高いにもかかわらず、パーティク
ル発生によって決定されるメンテナンスサイクルである
1000回まで膜厚・膜質が安定した膜が得られた。
【0073】実施例4 図4(A)に示したマイクロ波隔離プラズマCVD装置
を使用し、半導体素子配線用選択Al膜の形成を行っ
た。
【0074】基体412としては、P型単結晶シリコン
基板(面方位〔100〕、抵抗率10Ω・cm)上にパ
ターニングされたBPSG膜が形成されたものを使用し
た。まず、シリコン基板412を基体支持台413上に
設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
401及び成膜質411内を真空排気し、10-6Tor
rの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電
し、シリコン基板412を260℃に加熱し、該基板を
この温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口408
を介して水素ガスを200sccmの流量でプラズマ発
生室411内に導入した。同時に、成膜用ガス導入手段
415からジメチルアルミニウムハイドライド(DMA
lH)ガスを50sccmの流量で成膜室411内に導
入した。ついで、排気系(不図示)に設けられたコンダ
クタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室4
01内を0.1Torr、成膜室411内を0.03T
orrに保持した。2.45GHzのマイクロ波電源よ
り500Wの電力を環状導波管403を介してプラズマ
発生室401内に供給した。かくして、プラズマ発生室
401内にプラズマを発生させた。プラズマ発生用ガス
導入口408を介して導入された水素ガスはプラズマ発
生室401内で励起、分解されて活性種となり、シリコ
ン基板412の方向に輸送され、成膜用ガス導入手段4
15を介して導入されたジメチルアルミニウムハイドラ
イドガスと反応し、Al膜がシリコン基板412上のみ
に0.8μmの厚さで選択的に形成された。成膜後、成
膜速度、均一性、抵抗率を評価した。
【0075】得られたAl膜の成膜速度と均一性は80
nm/min±2.7%と良好で、膜質も抵抗率4×1
-6Ω・cmと比較的良質であることが確認された。ま
た、形成された膜が導電膜であるにもかかわらず、パー
ティクル発生によって決定されるメンテナンスサイクル
である2000回まで膜厚・膜質が安定した膜が得られ
た。
【0076】実施例5 図4(A)に示したマイクロ波隔離プラズマCVD装置
を使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成
を行った。
【0077】基体412としては、P型単結晶シリコン
基板(面方位〔100〕、抵抗率10Ωcm)を使用し
た。まず、シリコン基板412を基体支持台413上に
設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
401及び成膜質411内を真空排気し、10-6Tor
rの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電
し、シリコン基板412を300℃に加熱し、該基板を
この温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口408
を介して酸素ガスを500sccmの流量でプラズマ発
生室411内に導入した。同時に、成膜用ガス導入手段
415からテトラエトキシシラン(TEOS)ガスを2
00sccmの流量で成膜室411内に導入した。つい
で、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバル
ブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室401内を0.
1Torr、成膜室411内を0.05Torrに保持
した。2.45GHzのマイクロ波電源より1500W
の電力を環状導波管403を介してプラズマ発生室40
1内に供給した。かくして、プラズマ発生室401内に
プラズマを発生させた。プラズマ発生用ガス導入口40
8を介して導入された酸素ガスはプラズマ発生室401
内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板41
2の方向に輸送され、成膜用ガス導入手段415を介し
て導入されたテトラエトキシシランガスと反応し、酸化
シリコン膜がシリコン基板412上に0.8μmの厚さ
で形成された。成膜後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、
及び段差被覆性について評価した。段差被覆性は、ライ
ンアンドスペース0.35μmのラインパターンに形成
されたAl段差上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、段差上の膜厚に対
する段差側壁上の膜厚の比(カバーファクタ)を求め評
価した。
【0078】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は180nm/min±2.7%と良好で、膜質も絶
縁耐圧9.3MV/cm、カバーファクタ0.9であっ
て良質な膜であることが確認された。また、パーティク
ル発生によって決定されるメンテナンスサイクルである
1000回まで膜厚・膜質が安定した膜が得られた。
【0079】実施例6 図4(A)に示した光アシストマイクロ波プラズマCV
D装置を使用し、半導体素子ゲート絶縁用酸化シリコン
膜の形成を行った。
【0080】基体512としては、P型単結晶シリコン
基板(面方位〔100〕、抵抗率10Ω・cm)を使用
した。該シリコン基板512を基体支持台513上に設
置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室5
01及び成膜室511内を真空排気し、10-6Torr
の値まで減圧させた。続いて照明系521の超高圧水銀
ランプを点灯してシリコン基板512表面における光照
度が0.6W/cm2となるように光をシリコン基板5
12の表面に照射した。続いてヒータ(不図示)に通電
し、シリコン基板512を300℃に加熱し、該シリコ
ン基板をこの温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入
口508を介して酸素ガスを500sccmの流量でプ
ラズマ発生室501内に導入した。同時に、成膜用ガス
導入手段515を介してモノシランガスを50sccm
の流量で成膜室511内に導入した。ついで、排気系
(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図
示)を調整し、プラズマ発生室501内を0.05To
rrに、成膜室511内を0.02Torrに保持し
た。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源より50
0Wの電力を環状導波管503を介してプラズマ発生室
501内に供給した。かくして、プラズマ発生室501
内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ発生用ガ
ス導入口508を介して導入された酸素ガスは、プラズ
マ発生室501内で励起、分解されて酸素原子などの活
性種となり、シリコン基板512の方向に輸送され、成
膜用ガス導入手段515を介して導入されたモノシラン
ガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板512上
に0.1μmの厚さで形成された。成膜後、成膜速度、
均一性、リーク電流、絶縁耐圧、及び界面準位密度につ
いて評価した。界面準位密度は容量測定器により得られ
た1MHzrf印加の場合のC−V曲線より求めた。
【0081】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は110nm/min±2.3%と良好で、膜質も、
リーク電流4×10-11 A/cm2 、絶縁耐圧11MV
/cm、界面準位密度6×1010cm-2であって、極め
て良質な膜であることが確認された。また、パーティク
ル発生によって決定されるメンテナンスサイクルである
1000回まで膜厚・膜質が安定した膜が得られた。
【0082】実施例7 図6(A)に示したバイアスマイクロ波プラズマCVD
装置を使用し、光学素子反射防止用酸化シリコン膜及び
窒化シリコン膜の形成を行った。
【0083】基体612としては、BK7ガラス基板を
使用した。該ガラス基板612を基体支持台613上に
設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
601及び成膜室611内を真空排気し、10-6Tor
rの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電
し、ガラス基体612を300℃に加熱し、該シリコン
基板をこの温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口
608を介して窒素ガスを200sccmの流量でプラ
ズマ発生室601内に導入した。同時に、成膜用ガス導
入手段615を介してモノシランガスを30sccmの
流量で成膜室611内に導入した。ついで、排気系(不
図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を
調整し、成膜室611内を10mTorrに保持した。
ついで、2.45GHzのマイクロ波電源より500W
の電力を環状導波管603を介してプラズマ発生室60
1内に供給した。かくして、プラズマ発生室601内に
プラズマを発生させた。この際、プラズマ発生用ガス導
入口608を介して導入された窒素ガスは、プラズマ発
生室601内で励起、分解されて窒素原子などの活性種
となり、ガラス基板612の方向に輸送され、成膜用ガ
ス導入手段615を介して導入されたモノシランガスと
反応し、窒化シリコン膜がガラス基板612上に61n
mの厚さで形成された。
【0084】次に、プラズマ発生用ガス導入口608を
介して酸素ガスを200sccmの流量でプラズマ発生
室601内に導入した。同時に、成膜用ガス導入手段6
15を介してモノシランガスを30sccmの流量で成
膜室611内に導入した。ついで、排気系(不図示)に
設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、
成膜室611内を10mTorrに保持した。ついで、
2.45GHzのマイクロ波電源より500Wの電力を
環状導波管603を介してプラズマ発生室601内に供
給した。かくして、プラズマ発生室601内にプラズマ
を発生させた。この際、プラズマ発生用ガス導入口60
8を介して導入された酸素ガスは、プラズマ発生室60
1内で励起、分解されて酸素原子などの活性種となり、
ガラス基板612の方向に輸送され、成膜用ガス導入手
段615を介して導入されたモノシランガスと反応し、
酸化シリコン膜がガラス基板612上に86nmの厚さ
で形成された。成膜後、成膜速度、反射特性について評
価した。
【0085】得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン
膜の成膜速度はそれぞれ110nm/min、130n
m/minと良好で、膜質も、500nm付近の反射率
が0.3%と極めて良好な光学特性であることが確認さ
れた。また、パーティクル発生によって決定されるメン
テナンスサイクルである8000回まで膜厚・膜質が安
定した膜が得られた。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波CVD装置
のプラズマ発生室内壁を構成する石英管が必要でなくな
り、石英管の内壁に薄膜が付着することでマイクロ波の
プラズマ発生室への導入がさまたげられるという問題が
解消する。そのため装置のメンテナンスサイクルが長く
なり装置の信頼性と稼働率が向上する。
【0087】更に、プラズマ発生室101、スロット1
07を通じて、マイクロ波導波管103を排気する手法
を用いているので、プラズマ発生室よりマイクロ波導波
管の方が気圧が大きくなる、このためマイクロ波導波管
ではプラズマが発生せず、効率的にプラズマ発生室でプ
ラズマを作れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環状導波管を使用するマイクロ波プラ
ズマCVD装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の円盤状導波管を使用するマイクロ波プ
ラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の有磁場マイクロ波プラズマCVD装置
の一例を示す模式図である。
【図4】本発明のマイクロ波隔離プラズマCVD装置の
一例を示す模式図である。
【図5】本発明の光アシストマイクロ波プラズマCVD
装置の一例を示す模式図である。
【図6】本発明のバイアスマイクロ波プラズマCVD装
置の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の環状のマイクロ波導入装置と円盤上の
マイクロ波導入装置とをあわせて設けたマイクロ波プラ
ズマCVD装置の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の環状のマイクロ波導入装置と円盤上の
マイクロ波導入装置とをあわせて設けたマイクロ波プラ
ズマCVD装置の一例を示す模式図であり、(B)は円
盤状マイクロ波導入装置を示し、(C)は環状マイクロ
波導入装置を示す。
【図9】従来例の石英管使用マイクロ波プラズマCVD
装置の一例を示す模式図である。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気手段によりプラズマ発生室を減圧さ
    せ、該プラズマ発生室に接続されたマイクロ波導波管を
    介して前記プラズマ発生室内にマイクロ波エネルギーを
    供給し、前記プラズマ発生室内もしくは該プラズマ発生
    室に連通した成膜室内に配された基体上に堆積膜を形成
    するマイクロ波プラズマCVD装置において、 前記導波管には複数のスロットが前記プラズマ発生室側
    の面に形成されていて、前記プラズマを発生させるガス
    を前記スロットを介して前記プラズマ発生室内に導入す
    るようにしたことを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記スロットの形状は、短辺が0.5m
    m〜3mmの範囲にあり、長辺が40mm〜60mmの
    範囲にある矩形である請求項1に記載のプリズマCVD
    装置。
  3. 【請求項3】 前記スロットの間隔は、前記マイクロ波
    エネルギーの前記導波管内における波長の1/4、ある
    いはその整数倍に制御されている請求項2に記載のプラ
    ズマCVD装置。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ発生室が略略円柱状であ
    り、前記導波管が該プラズマ発生室の外周部を囲み略略
    円筒状である請求項1乃至3に記載のマイクロ波プラズ
    マCVD装置。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ発生室が略略円柱状であ
    り、前記導波管が該プラズマ発生室の円形平面部に面し
    略略円盤状である請求項1乃至3に記載のマイクロ波プ
    ラズマCVD装置。
  6. 【請求項6】 該マイクロ波の電界に垂直でかつマイク
    ロ波の周波数の略略3.57×10-11 (T/Hz)倍
    の磁束密度をもつ磁界を該プラズマ発生室内に発生させ
    る手段を有する請求項1乃至4記載のマイクロ波プラズ
    マCVD装置。
  7. 【請求項7】 前記プラズマと離隔した位置に基体支持
    体が配された請求項1乃至6項記載のマイクロ波プラズ
    マCVD装置。
  8. 【請求項8】 被覆基体表面に可視若しくは紫外光を照
    射する手段を有する請求項1乃至7項記載のマイクロ波
    プラズマCVD装置。
  9. 【請求項9】 該基体支持体にrfバイアスを印加する
    手段を有する請求項1乃至8記載のマイクロ波プラズマ
    CVD装置。
  10. 【請求項10】 排気手段によりプラズマ発生室を減圧
    させ、該プラズマ発生室に接続されたマイクロ波導波管
    を介して前記プラズマ発生室内にマイクロ波エネルギー
    を供給し、前記プラズマ発生室内にプラズマを発生させ
    て、前記プラズマ発生室内もしくは該プラズマ発生室に
    連通した成膜室内に配された基体上に堆積膜を形成する
    マイクロ波プラズマCVD装置において、前記マイクロ
    波導波管をも前記排気手段により減圧可能とし、前記プ
    ラズマ発生室と前記マイクロ波導波管とに圧力差を設け
    るようにしたことを特徴とするマイクロ波プラズマCV
    D装置。
  11. 【請求項11】 前記プラズマ発生室が略略円柱状であ
    り、前記導波管が該プラズマ発生室の外周部を囲み略略
    円筒状である請求項10記載のマイクロ波プラズマCV
    D装置。
  12. 【請求項12】 前記プラズマ発生室が略略円柱状であ
    り、前記導波管が該プラズマ発生室の円形平面部に面し
    略略円盤状である請求項10記載のマイクロ波プラズマ
    CVD装置。
  13. 【請求項13】 該マイクロ波の電界に垂直でかつマイ
    クロ波の周波数の略略3.57×10-11 (T/Hz)
    倍の磁束密度をもつ磁界を該プラズマ発生室内に発生さ
    せる手段を有する請求項10乃至11記載のマイクロ波
    プラズマCVD装置。
  14. 【請求項14】 前記プラズマと離隔した位置に基体支
    持体が配された請求項10乃至13記載のマイクロ波プ
    ラズマCVD装置。
  15. 【請求項15】 被覆基体表面に可視若しくは紫外光を
    照射する手段を有する請求項10乃至14記載のマイク
    ロ波プラズマCVD装置。
  16. 【請求項16】 該基体支持体にrfバイアスを印加す
    る手段を有する請求項10乃至15記載のマイクロ波プ
    ラズマCVD装置。
  17. 【請求項17】 排気手段によりプラズマ発生室を減圧
    させ、該プラズマ発生室に接続されたマイクロ波導波管
    を介して前記プラズマ発生室内にマイクロ波エネルギー
    を供給し、前記プラズマ発生室内にプラズマを発生させ
    て、前記プラズマ発生室内もしくは該プラズマ発生室に
    連通した成膜室内に配された基体上に堆積膜を形成する
    堆積膜形成方法において、前記マイクロ波導波管を前記
    排気手段により減圧させ、前記マイクロ波導波管を介し
    て前記プラズマを発生させるガスを前記プラズマ発生室
    に供給しながら堆積膜の形成を行うことを特徴とする堆
    積膜形成方法。
  18. 【請求項18】 前記プラズマ発生室内の圧力を前記マ
    イクロ波導波管内の圧力よりも低い値とする請求項17
    に記載の堆積膜形成方法。
  19. 【請求項19】 前記プラズマ発生室内の圧力を0.5
    mTorr乃至0.5Torrの範囲に制御する請求項
    18に記載の堆積膜形成方法。
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