JPH0790264B2 - 押出用ダイス - Google Patents
押出用ダイスInfo
- Publication number
- JPH0790264B2 JPH0790264B2 JP1922086A JP1922086A JPH0790264B2 JP H0790264 B2 JPH0790264 B2 JP H0790264B2 JP 1922086 A JP1922086 A JP 1922086A JP 1922086 A JP1922086 A JP 1922086A JP H0790264 B2 JPH0790264 B2 JP H0790264B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nib
- die
- extrusion
- shape
- extrusion die
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Extrusion Of Metal (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は押出用ダイスに関し、詳しくはSi−Al−O−N
系化合物(以下サイアロンと記す)焼結体でなるニブを
有する押出用ダイスに関するものである。
系化合物(以下サイアロンと記す)焼結体でなるニブを
有する押出用ダイスに関するものである。
従来の押出用ダイスとしては、ニブが超硬合金のものが
主として用いられている。また最近になり、ジルコニア
を主とするセラミックスがニブに使用され始めている。
主として用いられている。また最近になり、ジルコニア
を主とするセラミックスがニブに使用され始めている。
しかしながら、超硬合金製ニブあるいはジルコニア製ニ
ブを用いた押出用ダイスは、次のような欠点を有し、実
用上一層の改良が望まれている。
ブを用いた押出用ダイスは、次のような欠点を有し、実
用上一層の改良が望まれている。
(1)超硬合金は高価である。
(2)超硬合金は金属と焼付を起しやすい。
(3)押出時はニブが600℃以上の高温になり、超硬合
金では硬度が、ジルコニアでは強度が著しく低下し、寿
命が短くなる。
金では硬度が、ジルコニアでは強度が著しく低下し、寿
命が短くなる。
(4)ジルコニアは耐熱衝撃性が低く、押出時600℃以
上に熱せられたビレットが当った際、破損しやすい。
上に熱せられたビレットが当った際、破損しやすい。
本発明は以上の点を鑑み、これらの欠点を排除し、高温
での押出に十分対応可能な押出用ダイスを提供しようと
するものである。
での押出に十分対応可能な押出用ダイスを提供しようと
するものである。
本発明者らは種々の検討を行なった結果、ニブとダイケ
ースを有する押出用ダイスにおいて、ニブの最適な材質
および形状を究明し、前記問題点を解決するに至ったも
のである。すなわち本発明は、サイアロン焼結体でなる
ニブを用いたことを特徴とする押出用ダイスであり、と
くに該ニブの逃げの部分を、製品の直径または肉厚が25
mm以下ではダイス中心軸とのなす角度が5〜15°のテー
パ、製品の直径または肉厚が15mm以上では半径が1〜2m
mのコーナーR形状としたものである。
ースを有する押出用ダイスにおいて、ニブの最適な材質
および形状を究明し、前記問題点を解決するに至ったも
のである。すなわち本発明は、サイアロン焼結体でなる
ニブを用いたことを特徴とする押出用ダイスであり、と
くに該ニブの逃げの部分を、製品の直径または肉厚が25
mm以下ではダイス中心軸とのなす角度が5〜15°のテー
パ、製品の直径または肉厚が15mm以上では半径が1〜2m
mのコーナーR形状としたものである。
また、本発明の押出用ダイスにおいては、互いに接触す
るニブの外周とダイケースの内周の接触面とダイス中心
軸とのなす角度が0.5〜3°であること、さらにニブと
ダイケースとの嵌合が締りばめにより、この時の締め代
比が0.1%以上であることが望ましい。
るニブの外周とダイケースの内周の接触面とダイス中心
軸とのなす角度が0.5〜3°であること、さらにニブと
ダイケースとの嵌合が締りばめにより、この時の締め代
比が0.1%以上であることが望ましい。
本発明においては、ニブにサイアロンを使用するが、こ
れは600℃以上の高温における超硬合金、ジルコニアの
特性と比較すると、次のような長所があり、高温で使用
するには超硬合金、ジルコニアより優れている。
れは600℃以上の高温における超硬合金、ジルコニアの
特性と比較すると、次のような長所があり、高温で使用
するには超硬合金、ジルコニアより優れている。
(1)曲げ強度が強い。
(2)硬さが高い。
(3)金属との親和性が低く、焼付を起しにくい。
また、材料価格についても超硬合金、ジルコニアに比べ
安価である。
安価である。
次に図面により、本発明ダイスの形状について詳述す
る。
る。
第1図に本発明における望ましい押出用ダイスの形状
(Aに全体断面図、Bにその逃げ部の形状の一例、Cに
逃げ部の形状の他の一例を示す)、第2図A、Bに比較
として従来の超硬合金性ニブを用いた押出用ダイスの形
状を示す。
(Aに全体断面図、Bにその逃げ部の形状の一例、Cに
逃げ部の形状の他の一例を示す)、第2図A、Bに比較
として従来の超硬合金性ニブを用いた押出用ダイスの形
状を示す。
第2図に示す通り、従来のニブ1′においては、逃げの
部分が凹んだものとなっているのに対し、本発明のニブ
1においては、テーパ(B)あるいはコーナーR形状
(C)となっている。
部分が凹んだものとなっているのに対し、本発明のニブ
1においては、テーパ(B)あるいはコーナーR形状
(C)となっている。
第2図に示す従来のニブ形状をサイアロン焼結体のニブ
形状とすると、この凹んだ逃げ部から割れが生じ問題と
なっていた。本発明者は、割れが生じ易い逃げの部分に
注目し、該部分の応力値を有限要素法を用いて計算する
ことにより、ニブの最適形状を究明したのである。
形状とすると、この凹んだ逃げ部から割れが生じ問題と
なっていた。本発明者は、割れが生じ易い逃げの部分に
注目し、該部分の応力値を有限要素法を用いて計算する
ことにより、ニブの最適形状を究明したのである。
第3図、第4図は上述したそれぞれ本発明および従来の
押出用ダイスの形状で穴径Dが等しいニブを用い、700
℃に予熱した真ちゅうを押出した場合の逃げの部分の応
力値を有限要素法を用いて計算したものである。図から
わかるように、従来の形状(第4図)では圧縮応力が13
0kgf/mm2、引張応力が180kgf/mm2となっており、一方本
発明における形状(第3図)では、圧縮応力が85kgf/mm
2、引張応力が50kgf/mm2と小さくなっている。
押出用ダイスの形状で穴径Dが等しいニブを用い、700
℃に予熱した真ちゅうを押出した場合の逃げの部分の応
力値を有限要素法を用いて計算したものである。図から
わかるように、従来の形状(第4図)では圧縮応力が13
0kgf/mm2、引張応力が180kgf/mm2となっており、一方本
発明における形状(第3図)では、圧縮応力が85kgf/mm
2、引張応力が50kgf/mm2と小さくなっている。
また、本発明において、穴径の違いにより逃げの部分の
形状が異なっているのは、穴径の違いと逃げの形状を因
子として有限要素法を用いて計算することにより、穴径
が15mm以上ではテーパにした方が、25mm以下ではコーナ
ーR形状にした方がこの部分に加わる応力が小さくな
り、15〜25mmではほぼ同じ応力となることを知見したこ
とに基づくものである。
形状が異なっているのは、穴径の違いと逃げの形状を因
子として有限要素法を用いて計算することにより、穴径
が15mm以上ではテーパにした方が、25mm以下ではコーナ
ーR形状にした方がこの部分に加わる応力が小さくな
り、15〜25mmではほぼ同じ応力となることを知見したこ
とに基づくものである。
また本発明において、互いに接触するニブの外周とダイ
ケースの内周とのダイス中心軸とのなす角度θが0.5〜
3°とした場合、押出時にニブがダイケース2に押込ま
れる形になり、ニブの内周に圧縮応力を発生させ、押出
される被加工材がニブの外周を拡げようとする引張応力
を打消す作用がある。更に嵌合を締りばめとし、締め代
比を0.1%以上としたのは、押出時被加工材がニブの内
周を拡げようとする引張応力を打消すために、ニブ内周
に圧縮応力を発生させる必要があるためであり、ダイケ
ースの材質により、締め代を0.1%以上で必要な圧縮応
力を与えるような値をとることが望ましい。
ケースの内周とのダイス中心軸とのなす角度θが0.5〜
3°とした場合、押出時にニブがダイケース2に押込ま
れる形になり、ニブの内周に圧縮応力を発生させ、押出
される被加工材がニブの外周を拡げようとする引張応力
を打消す作用がある。更に嵌合を締りばめとし、締め代
比を0.1%以上としたのは、押出時被加工材がニブの内
周を拡げようとする引張応力を打消すために、ニブ内周
に圧縮応力を発生させる必要があるためであり、ダイケ
ースの材質により、締め代を0.1%以上で必要な圧縮応
力を与えるような値をとることが望ましい。
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 第2図に示す従来の形状でニブ1′の材質を超硬合金、
ジルコニア、およびサイアロンとし、各寸法を第1表に
示すところの押出用ダイスを製作(ダイケースはJIS SK
D61)し、直径200mm、長さ800mmの真ちゅうを700℃に予
熱し押出を行なったところ、超硬合金製ニブを用いたダ
イスでは、65回目で被加工材の押出後の肌が悪くなり、
また、ジルコニアでは1回目で、サイアロンを用いたも
のでは80回目まで良好な押出が行なえた。
ジルコニア、およびサイアロンとし、各寸法を第1表に
示すところの押出用ダイスを製作(ダイケースはJIS SK
D61)し、直径200mm、長さ800mmの真ちゅうを700℃に予
熱し押出を行なったところ、超硬合金製ニブを用いたダ
イスでは、65回目で被加工材の押出後の肌が悪くなり、
また、ジルコニアでは1回目で、サイアロンを用いたも
のでは80回目まで良好な押出が行なえた。
第1図Bに示した本発明の形状で、ニブ1の材質をサイ
アロン、ダイケース2の材質をJIS SKD61とし、穴径D1
を20mm、逃げの部分を中心軸とのなす角度が10°、長さ
が3mmのテーパ、アプローチ部の半径を8mm、ベアリング
部の長さを6mmとし、互いに接触するニブの外周とダイ
ケースの内周との接触面とダイスの中心軸とのなす角度
を2°、嵌合を圧入とし、また圧入代比を0.8%とした
押出用ダイスを製作した。上記ダイスを用い、直径が20
0mm、長さ800mmの真ちゅうを700℃に予熱し、押出を行
なったところ、150回の押出まで行なってもダイスの破
損はみられず、押出後の被加工材の肌も良好であった。
アロン、ダイケース2の材質をJIS SKD61とし、穴径D1
を20mm、逃げの部分を中心軸とのなす角度が10°、長さ
が3mmのテーパ、アプローチ部の半径を8mm、ベアリング
部の長さを6mmとし、互いに接触するニブの外周とダイ
ケースの内周との接触面とダイスの中心軸とのなす角度
を2°、嵌合を圧入とし、また圧入代比を0.8%とした
押出用ダイスを製作した。上記ダイスを用い、直径が20
0mm、長さ800mmの真ちゅうを700℃に予熱し、押出を行
なったところ、150回の押出まで行なってもダイスの破
損はみられず、押出後の被加工材の肌も良好であった。
このように、ニブの材質を変えるだけでなく、形状もニ
ブの材質に適したものとすることにより、押出が充分に
行なえる。
ブの材質に適したものとすることにより、押出が充分に
行なえる。
実施例2 第1図Cに示した形状でニブの材質をサイアロン、逃げ
の部分を半径1mmのコーナーR形状とし、他の部分を実
施例1と同じとした押出用ダイスを製作し、実施例1と
同じ条件で押出を行なったところ、150回押出してもダ
イスは破損せず、被加工材の押出後の肌も良好であっ
た。
の部分を半径1mmのコーナーR形状とし、他の部分を実
施例1と同じとした押出用ダイスを製作し、実施例1と
同じ条件で押出を行なったところ、150回押出してもダ
イスは破損せず、被加工材の押出後の肌も良好であっ
た。
以上説明したごとく、本発明にかかる押出用ダイスは、
寿命がこれまでの押出用ダイスよりも長く、押出後の仕
上りも良好であり工業上非常に有益である。
寿命がこれまでの押出用ダイスよりも長く、押出後の仕
上りも良好であり工業上非常に有益である。
第1図は本発明のダイス形状を示す図、第2図は従来の
ダイス形状を示す図、第3図は本発明のダイスのニブの
逃げの部分の応力値を示す図、第4図は従来のダイスの
逃げの部分の応力値を示す図である。
ダイス形状を示す図、第3図は本発明のダイスのニブの
逃げの部分の応力値を示す図、第4図は従来のダイスの
逃げの部分の応力値を示す図である。
1:ニブ、2:ダイケース、1a、1a′:アプローチ部、1b、
1b′:ベアリング部、1c、1c′:逃げ。
1b′:ベアリング部、1c、1c′:逃げ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 久雄 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社安来工場内 (56)参考文献 特開 昭60−206525(JP,A) 特開 昭57−109519(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】ニブとダイケースを有する押出用ダイスに
おいて、該ニブがSi−Al−O−N系化合物焼結体でな
り、押出製品の直径または肉厚が25mm以下であり、ニブ
の逃げ部はダイス中心軸に対し、5〜15°のテーパであ
ることを特徴とする押出用ダイス。 - 【請求項2】ニブとダイケースを有する押出用ダイスに
おいて、該ニブがSi−Al−O−N系化合物焼結体でな
り、押出製品の直径または肉厚が15mm以上であり、ニブ
の逃げ部は半径1〜2mmのコーナーR形状であることを
特徴とする押出用ダイス。 - 【請求項3】互いに接触するニブの外周とダイケースの
内周の接触面とダイス中心軸とのなす角度が0.5〜3°
である特許請求の範囲第1項ないし第2項いずれかに記
載の押出用ダイス。 - 【請求項4】ニブとダイケースとの嵌合が締りばめであ
り、締め代比が0.1%以上である特許請求の範囲第1項
ないし第3項いずれかに記載の押出用ダイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1922086A JPH0790264B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 押出用ダイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1922086A JPH0790264B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 押出用ダイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62179810A JPS62179810A (ja) | 1987-08-07 |
JPH0790264B2 true JPH0790264B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=11993283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1922086A Expired - Lifetime JPH0790264B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 押出用ダイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790264B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE59404062D1 (de) * | 1993-03-30 | 1997-10-23 | Alusuisse Lonza Services Ag | Strangpresswerkzeug |
CN106140854A (zh) * | 2015-04-22 | 2016-11-23 | 扬中凯悦铜材有限公司 | 双面c形排30×40挤压模具 |
-
1986
- 1986-01-31 JP JP1922086A patent/JPH0790264B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62179810A (ja) | 1987-08-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |