JPH0789901A - けい皮酸誘導体、その製法およびその用途 - Google Patents

けい皮酸誘導体、その製法およびその用途

Info

Publication number
JPH0789901A
JPH0789901A JP25644593A JP25644593A JPH0789901A JP H0789901 A JPH0789901 A JP H0789901A JP 25644593 A JP25644593 A JP 25644593A JP 25644593 A JP25644593 A JP 25644593A JP H0789901 A JPH0789901 A JP H0789901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
cinnamic acid
acid derivative
alkylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25644593A
Other languages
English (en)
Inventor
Heinosuke Yasuda
平之介 保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KEMIPURO KASEI KK
Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Original Assignee
KEMIPURO KASEI KK
Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KEMIPURO KASEI KK, Chemipro Kasei Kaisha Ltd filed Critical KEMIPURO KASEI KK
Priority to JP25644593A priority Critical patent/JPH0789901A/ja
Publication of JPH0789901A publication Critical patent/JPH0789901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れたUV−B領域の紫外線吸収能を有し、
皮膚の老化を大幅に防止し、卓越した皮膚許容性も有
し、また光、熱および湿気に極めて安定である新規なけ
い皮酸誘導体、その製法およびその用途の提供。 【構成】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子、直鎖または分岐の、飽和また
は不飽和のアルキル基、アラアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、水酸基を含むアルキル基、アルコキ
シカルボニルアルキレン基、または酸素原子を含むアル
キル基を表し、R2は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基またはハロゲンを表し、Aは直鎖または分岐の、飽
和または不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、
酸素原子を含むアルキレン基、水酸基を含むアルキレン
基、アルコキシ基を含むアルキレン基、またはアルコキ
シカルボニルオキシ基を含むアルキレン基を表す]で示
されるけい皮酸誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なけい皮酸誘導
体、その製法およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より紫外線吸収剤は多くの分野で多
用されており、例えば、化粧品の分野においては皮膚の
保護を目的として種々の化粧品に配合されている。紫外
線は、その波長領域によってUV−A(320〜400
nm)、UV−B(280〜320nm)及びUV−C
(280nm以下)に分けられる。通常、人間が暴露さ
れる紫外線の大部分は太陽光線であるが、UV−Cはオ
ゾン層等で吸収されてしまい地上にまで殆ど達せず、地
上に届く紫外線はUV−A及びUV−Bが殆どである。
これらのうちUV−B領域の紫外線は一定量以上の光量
が皮膚に照射されると、急性の紅斑形成や水泡などの皮
膚障害を生じ、またメラニン形成が亢進され、色素沈着
を生じる等の変化を皮膚にもたらす。以上のように、
光、特にUV−B領域の紫外線による皮膚の変化を防止
する目的で、紫外線吸収剤を配合したいわゆる日焼け止
め用化粧品が知られている。公知の紫外線吸収化合物と
しては、p−アミノ安息香酸誘導体、例えば、p−アミ
ノ安息香酸エチル、その他のエステル類、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル
等、複素環式窒素含有化合物、例えば、2−フェニルベ
ンズイミダゾール誘導体等、サリチル酸誘導体、例えば
サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル等、ベンゾフェ
ノン誘導体、例えば、4−フェニルベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スル
ホン酸等、けい皮酸誘導体、例えば、p−メトキシけい
皮酸 2−エトキシエチル、p−メトキシけい皮酸 2
−エチルヘキシル等、ベンズトリアゾール誘導体、例え
ば、2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンズトリア
ゾール等が利用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上に記載した従来公
知のUV−B領域の紫外線吸収剤として使用される合成
化合物は、通常、化粧料等に配合されているが、皮膚へ
の刺激性の問題から、その使用量に制限があり、本来の
目的である皮膚の日やけ止めに必要な量を使用すること
ができず、結果としてその紫外線遮蔽効果は小さいもの
であった。したがって、UV−B領域の紫外線を吸収す
る合成化合物で、吸収能力の極めて大きい、つまり分子
吸光係数の大きい合成化合物の開発が望まれていた。本
発明は上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、化粧品基剤に対して十分な溶解性と極
めて大きい紫外線吸収能力をもつことにより、UV−B
領域の紫外線から皮膚を保護することのできる新規合成
化合物、その製法およびそれを配合した化粧料を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者は、周到な研究を重ねた結果、優れたUV−
B領域の紫外線吸収能を有し、皮膚の老化を大幅に防止
し、卓越した皮膚許容性も有し、また光、熱および湿気
に極めて安定である新規なけい皮酸誘導体を見出し、本
発明に帰着するに至った。
【0005】本発明の第一は、一般式(1)
【化5】 [式中、R1は水素原子、直鎖または分岐の、飽和また
は不飽和のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、ス
テアリル、アリル基などであり、その炭素数は1〜18
が好ましい)、アラアルキル基(例えば、フェニルエチ
ル、フェニルプロピルなど)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、アリール
基(例えば、非置換またはメチル、メトキシ、エトキ
シ、カルボニル、ハロゲン、アセチル、シアノ等で置換
されたフェニルなど)、水酸基を含むアルキル基(例え
ば、メチロール、エチロールなど)、アルコキシカルボ
ニルアルキレン基(例えば、メトキシカルボニルメチ
ル、エトキシカルボニルメチル、2−エチルヘキシルオ
キシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エ
トキシカルボニルエチル、2−エチルヘキシルオキシカ
ルボニルエチルなど)、または酸素原子を含むアルキル
基(例えば、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキ
シエチルオキシなど)を表し、R2は水素原子、アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルな
ど)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシなど)、またはハロゲンを表し、Aは直鎖また
は分岐の、飽和または不飽和のアルキレン基(例えば、
1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,
6−ヘキサンジイル、1,8−オクタンジイル、1,1
2−ドデカンジイル、2−メチル−1,3−プロパンジ
イル、2−ブテン−1,4−ジイルなど)、シクロアル
キレン基(例えば、1,4−シクロヘキサンジイル、3
−メチル−1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−シ
クロヘキサンジイル−ビス−メチレンなど)、酸素原子
を含むアルキレン基〔例えば、オキシ−ビス−エチレ
ン、1,4−シクロヘキシレン−ビス−(オキシエチレ
ン)など〕、水酸基を含むアルキレン基(例えば、2−
ハイドロキシ−1,3−プロパンジイル、3−ハイドロ
キシ−1,2−プロパンジイル、3−ハイドロキシ−
1,5−ペンタンジイルなど)、アルコキシ基を含むア
ルキレン基(例えば、2−メトキシ−1,3−プロパン
ジイル、2−エトキシ−1,3−プロパンジイル、2−
プロポキシ−1,3−プロパンジイル、2−ブトキシ−
1,3−プロパンジイル、3−メトキシ−1,2−プロ
パンジイルなど)、またはアルコキシカルボニルオキシ
基を含むアルキレン基〔例えば、2−メトキシカルボニ
ルオキシ−1,3−プロパンジイル、2−エトキシカル
ボニルオキシ−1,3−プロパンジイル、2−(2−エ
チルヘキシルオキシカルボニルオキシ)−1,3−プロ
パンジイル、3−(2−エチルヘキシルオキシカルボニ
ルオキシ)−1,2−プロパンジイルなど〕を表す。]
で表されるけい皮酸誘導体に関する。
【0006】前記けい皮酸誘導体として好ましいものと
しては、下記一般式(2)
【化6】 [式中、R1は前記と同一であり、nは1〜30の整数
である]で表わされるα、ω−ビス[4−[2−(アル
コキシ)カルボニル)−1−エチレン)フェノキシ]]
アルカンがある。
【0007】本発明の第二は、前記けい皮酸誘導体より
なる紫外線吸収剤に関する。
【0008】本発明の第三は、前記けい皮酸誘導体を含
有する化粧料に関する。
【0009】本発明の一般式(1)のけい皮酸誘導体の
最大吸収領域は、約290〜320nmの範囲であり、
従来公知の前記UV−B領域の紫外線吸収剤に比べ、極
めて大きい紫外線吸収能力を有しており、皮膚に対する
刺激性、更に、その他の有害性もなく、化粧料基剤との
相溶性に優れ、また、皮膚に塗布したとき、けい皮吸収
されにくい等の好ましい特徴を有する。
【0010】本発明に係る化粧料である皮膚外用剤の基
剤は、前記けい皮酸誘導体に対し不活性のものであれば
よく、固体、液体、乳剤、泡状体、ゲル等のいずれであ
ってもよい。その代表的なものとしてはカカオ脂、鯨ロ
ウ、ラノリン、密ロウ、カルナバロウ、硬化油、ステア
リン酸、パルミチン酸またはミリスチン酸またはそれら
のエステル、またはそれらの金属塩類、セチルまたはス
テアリルアルコール等の高級アルコール類、スクワラン
類、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、2価また
は3価アルコール類またはそれらの脂肪酸エステル類、
ポリエーテル類、ジアルキルシロキサン類、澱粉または
タルク等の微粉末、スイッチスパウト型噴射剤として使
用される低沸点炭化水素またはハロゲンを有する炭化水
素等が挙げられる。また、防腐剤、香料、着色料、界面
活性剤、分散剤等を本発明の化粧料に添加配合すること
も可能である。
【0011】本発明の前記けい皮酸誘導体を有する化粧
料は、常法により前記公知の化粧料基剤に配合し、クリ
ーム、溶液、油剤、スプレー、スティック、乳液、ファ
ンデーション、軟膏に調剤することにより製造される。
【0012】また、前記けい皮酸誘導体の有する置換基
1、R2または連結基であるAを変えることにより、U
V−B吸収効果を損なうことなく、化粧料基剤に対する
親和性を付与することができるため、化粧料基剤に合わ
せて選択使用することにより、油性基剤の化粧油、多量
に油剤を配合する油性クリームや油性乳液、水を多量に
配合する弱油性クリームや弱油性乳液、水ベースの化粧
水等の基礎化粧品から、油剤を基剤とするファンデーシ
ョンやリップスティックのメーキャップ化粧料に至るま
でUV−B領域での吸収作用を有するあらゆる形態の化
粧品を製造することができる。
【0013】けい皮酸誘導体の有する置換基R1、R2
よび連結基であるAの組み合わせを変えることにより化
粧料基剤との親和性を調節できることは前述した。ここ
で適切な組み合わせを以下に示す。水を多量に配合する
弱油性クリームや弱油性乳液、水ベースの化粧水等に使
用する望ましいけい皮酸誘導体の置換基R1、R2および
連結基Aの組み合わせは、R1が水酸基を含むアルキル
基(例えば、メチロール、エチロールなど)、R2が水
素原子、そしてAが水酸基を含む直鎖の飽和アルキレン
基(例えば、2−ハイドロキシ−1,3−プロパンジイ
ル、3−ハイドロキシ−1,2−プロパンジイル、3−
ハイドロキシ−1,5−ペンタンジイルなど)である。
一方、多量に油剤を配合する油性クリーム、油性基剤の
化粧油、油性乳液、油剤を基剤とするファンデーション
やリップステックのメーキャップ化粧料等に使用する望
ましいけい皮酸誘導体のR1は水酸基を含むアルキル基
を除く他の原子団、すなわち直鎖または分岐の、飽和ま
たは不飽和のアルキル基(例えば、エチル、2−エチル
ヘキシル、アリル基など)、アラアルキル基(例えば、
ベンジル基など)、アルコキシカルボニルアルキレン基
(例えば、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル
基など)、アリール基(例えば、アルコキシフェニル基
など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基
など)、酸素原子を含むアルキル基(例えば、エトキシ
エチル基など)であり、R2はアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、t−ブチル基など)、アルコキシ基(例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基、ベンジルオ
キシ基など)であり、連結基Aは直鎖または分岐の、飽
和または不飽和のアルキレン基(例えば、1,6−ヘキ
サンジイル、2−メチル−1,3−プロパンジイル、2
−ブテン−1,4−ジイル基など)、シクロアルキレン
基(例えば、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−
ヘキサン−ビス−メチレン基など)、酸素原子を含むア
ルキレン基(例えば、オキシ−ビス−エチレン基な
ど)、アルコキシ基を含むアルキレン基(例えば、2−
メトキシ−1,3−プロパンジイル基など)、アルコキ
シカルボニルオキシ基(例えば、2−エトキシカルボニ
ルオキシ−1,3−プロパンジイル基など)である。
【0014】本発明化粧料中の前記けい皮酸誘導体の配
合量は、使用形態により変動し得るので特に限定され
ず、有効量混在すればよいが、一般には組成物中に0.
1〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%となるよ
うに配合するのがよい。また、本発明の前記けい皮酸誘
導体は、そのもののみ配合したものでよいが、更に、他
のUV−A吸収剤と組み合わせて通常の日焼け止め化粧
料として使用することにより好ましい効果を発揮する。
本発明の前記けい皮酸誘導体は種々の添加剤とともに使
用することができる。適当な添加剤としては、例えばW
/O型またはO/W型の乳剤が挙げられる。乳化剤とし
ては、市販の乳化剤でよく、また、エチルセルロース、
ポリアクリル酸、ゼラチン、寒天等の増粘剤も必要に応
じて加えることもできる。更に、必要に応じて香料、保
湿剤、乳化安定剤、薬効成分など添加してもよい。
【0015】本発明の第四は、一般式(3)
【化7】 [式中、AおよびR2は、前記と同一]で表されるベン
ズアルデヒド誘導体と、一般式(4)
【化8】 [式中、R1は前記と同一]で表されるマロン酸半エス
テルとを、好ましくは塩基触媒の存在下に有機溶剤中で
反応させることにより、前記一般式(1)のけい皮酸誘
導体を製造する方法に関する。
【0016】前記塩基触媒としては、ピペリジン、トリ
エチルアミン、モルホリンなどを例示することができ、
前記有機溶剤としては、たとえば、ピリジン、キノリ
ン、ジメチルアニリンなどを挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示すが、これに限定されるも
のではない。なお、以下の実施例の反応は、下記の反応
に従う。
【化9】
【0018】製造例1 1,2−ビス(4−フォルミルフェノキシ)エタン
[式(5)で、n=2の化合物]の合成 60mlの50%アルコール水溶液に、3.28gの水酸
化ナトリウムを加え撹拌する。水酸化ナトリウムが溶解
したら、更に、10.0gのp−ハイドロキシベンズア
ルデヒド及び7.70gの1,2−ジブロモエタンを加
えて8時間撹拌下穏やかに加熱還流させる。放冷後、析
出した白色の粗目的物を濾過し、50%アルコール、水
で洗浄後乾燥を行うことにより目的物7.80g(融点
121.5〜123℃)が得られた。収率は70.5%
であった。 マススペクトル:m/z271(M+ +1,81%)、
270(M+ ,87)、242(36)、149(5
8)、148(21)、147(20)、134(1
5)、121(100)、120(17)、105(3
5)、93(39)、91(18)、77(47)、6
5(40)。
【0019】製造例2 1,3−ビス(4−フォルミルフェノキシ)プロパン
[式(5)で、n=3の化合物]の合成 50mlの50%アルコール水溶液に、1.64gの水酸
化ナトリウムを加え撹拌する。水酸化ナトリウムが溶解
したら、更に、5.0gのp−ハイドロキシベンズアル
デヒド及び2.76gの1,3−ジブロモプロパンを加
えて3時間撹拌下穏やかに加熱還流させる。放冷後、析
出した白色の粗目的物を濾過し、50%アルコール、水
で洗浄後乾燥を行うことにより目的物3.26g(融点
175〜177℃)が得られた。収率は84%であっ
た。 マススペクトル:m/z286(M+ +1,43%)、
285(M+ ,100)、284(25)、283(3
7)、269(24)、256(50)、163(1
8)、162(22)、161(24)、135(6
3)、121(52)、107(45)、105(2
6)、77(18)、65(16)。
【0020】製造例3 1,4−ビス(4−フォルミルフェノキシ)ブタン
[式(5)で、n=4の化合物] 30mlの50%アルコール水溶液に、1.64gの水酸
化ナトリウムを加え撹拌する。水酸化ナトリウムが溶解
したら、更に、5.0gのp−ハイドロキシベンズアル
デヒド及び2.95gの1,4−ジブロモブタンを加え
て8時間撹拌下穏やかに加熱撹拌させる。放冷後、析出
した白色の粗目的物を濾過し、50%アルコール、次い
で水で洗浄後乾燥を行うことにより目的物3.61g
(融点102〜103.5℃)が得られた。収率は92
%であった。 マススペクトル:m/z300(M+ +1,18%)、
299(M+ ,90)、298(27)、177(10
0)、149(32)、135(81)、121(4
9)、107(47)、105(28)、79(1
7)、77(24)、65(18)。
【0021】製造例4 1,5−ビス(4−フォルミルフェノキシ)ペンタン
[式(5)で、n=5の化合物] 30mlの50%アルコール水溶液に、1.06gの水酸
化ナトリウムを加え撹拌する。水酸化ナトリウムが溶解
したら、更に、3.22gのp−ハイドロキシベンズア
ルデヒド及び2.02gの1,5−ジブロモヘキサンを
加えて8時間撹拌下穏やかに加熱還流させる。放冷後、
析出した粗目的物を濾過し、50%アルコール、次いで
水で洗浄後乾燥を行うことにより目的物2.28g(融
点81〜82℃)が得られた。収率は83%であった。 マススペクトル:m/z314(M+ +1,61%)、
313(M+ ,100)、312(18)、311(2
7)、297(17)、284(23)、191(9
3)、163(33)、121(57)、69(2
8)。
【0022】製造例5 1,6−ビス(4−フォルミルフェノキシ)ヘキサン
[式(5)で、n=6の化合物] 15mlの水と20mlのアルコールの混合溶液に1.49
gの水酸化ナトリウムを加え撹拌する。水酸化ナトリウ
ムが溶解したら、更に、4.55gのp−ハイドロキシ
ベンズアルデヒド及び3.03gの1,6−ジブロモヘ
キサンを加えて8時間撹拌下穏やかに加熱還流させる。
放冷後、析出した粗目的物を濾過し、50%アルコー
ル、次いで水で洗浄後乾燥を行うことにより目的物3.
78g(融点111〜112.5℃)が得られた。収率
は93%であった。 マススペクトル:m/z327(M+ +1,100
%)、326(M+ ,26)、298(25)、123
(24)、121(46)、83(45)。
【0023】実施例1 1,2−ビス[4−[(2−エトキシ)カルボニル)−
1−エチレン)]フェノキシ]エタン [式(2)で、
1=エチル、n=2の化合物] 10mlのピリジンに、2.37gの1,2−ビス(4−
フォルミルフェノキシ)エタン(製造例1の化合物)及
び4.0gのモノ−エチル ハイドロジェンマロネート
を加えてから、0.3mlのピペリジンを滴下する。油浴
中95〜100℃で反応混合物を6時間加熱撹拌する。
一夜放置後、撹拌下反応混合物に20mlの水を加える
と、粗目的物が析出する。粗目的物を濾過し、水で洗浄
後乾燥させる。ジオキサンとエタノールの混合溶媒で再
結晶を行うことにより精製された目的物3.17g(融
点140.5〜142.5℃)が得られた。収率は88
%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 311nm
(ε40,000)。 マススペクトル:m/z411(M+ +1,38%)、
410(M+ ,100)、365(45)、219(4
2)、218(17)、173(32)、147(4
3)、146(18)。 核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム):1.33
(t,6H,J=7.1,2C3 CH2)、4.26
(q,4H,J=7.1,2C2 CH3)、4.36
(s,4H,OC2 CH2O)、6.32(d,2H,
J=16.0,2 O=C−C=CH)、6.95
(d,2H,J=8.9,Ar[2−及び5−位],2
H)、7.49(d,2H,J=8.9,Ar[3−及
び5−位],2H)、7.65(d,2H,J=16.
0,2 O=C−CH=C)。
【0024】実施例2 1,2−ビス[4−[2−(2−エチルヘキシルオキ
シ)カルボニル)−1−エチレン)]フェノキシ]エタ
ン [式(2)で、R1=2−エチルヘキシル、n=2
の化合物] 10mlのピリジンに、1.00gの1,2−ビス(4−
フォルミルフェノキシ)エタン及び2.91gのモノ−
(2−エチルヘキシル)ハイドロジェン マロネートを
加えてから、0.3mlのピペリジンを滴下する。油浴中
95〜100℃で混合物を6時間加熱撹拌する。一夜放
置後、撹拌下反応混合物に30mlの水を加えると、粗目
的物が析出する。粗目的物を濾過し、水で洗浄後乾燥さ
せる。アセトニトリルで再結晶を行うことにより精製さ
れた目的物1.50g(融点71.5〜72.5℃)が
得られた。収率は71%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 311nm
(ε29,900)。 マススペクトル:m/z578(M+ ,100%)、4
66(28)、355(20)、354(91)、33
7(23)、319(18)、310(20)、191
(30)、166(27)、147(49)。
【0025】実施例3 1,3−ビス[4−[(2−エトキシ)カルボニル)−
1−エチレン]フェノキシ]プロパン [式(2)で、
1=エチル、n=3の化合物] 10mlのピリジンに、2.49gの1,3−ビス(4−
フォルミルフェノキシ)プロパン(製造例2の化合物)
及び4.00gのモノ−エチル ハイドロジェン マロ
ネートを加えてから、0.3mlのピペリジンを滴下す
る。油浴中95〜100℃で混合物を6時間加熱撹拌す
る。一夜放置後、撹拌下反応混合物に30mlの水を加え
ると、粗目的物が析出する。粗目的物を濾過し、水で洗
浄後乾燥させる。ジオキサンと水の混合溶媒で再結晶を
行うことにより精製された目的物3.36g(融点11
3〜114℃)が得られた。収率は90%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 310nm
(ε40,400)。 マススペクトル(エタノール):m/z425(M+
1,28%)、424(M+ ,100)、379(3
4)、233(41)、232(65)、205(2
7)、187(83)、160(29)、147(3
7)。
【0026】実施例4 1,4−ビス[4−[(2−エトキシ)カルボニル)−
1−エチレン]フェノキシ]ブタン [式(2)で、R
1=エチル、n=4の化合物] 10mlのピリジンに、2.61gの1,4−ビス(4−
フォルミルフェノキシ)ブタン(製造例3の化合物)及
び4.00gのモノ−エチル ハイドロジェンマロネー
トを加えてから、0.3mlのピペリジンを滴下する。油
浴中95〜100℃で混合物を6時間加熱撹拌する。一
夜放置後、撹拌下反応混合物に30mlの水を加えると、
粗目的物が析出する。粗目的物を濾過し、水で洗浄後乾
燥させる。ジオキサンとエタノールの混合溶媒で再結晶
を行うことにより精製された目的物3.34g(融点1
31〜132℃)が得られた。収率は84%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 311nm
(ε32,400)。 マススペクトル(エタノール):m/z439(M+
1,18%)、438(M+ ,27)、393(1
9)、248(25)、247(100)、205(5
7)、147(33)、119(11)、91(1
4)。
【0027】実施例5 1,5−ビス[4−[(2−エトキシ)カルボニル)−
1−エチレン]フェノキシ]ペンタン [式(2)で、
1=エチル、n=5の化合物] 6mlのピリジンに、1.71gの1,5−ビス(4−フ
ォルミルフェノキシ)ペンタン(製造例4の化合物)及
び4.00gのモノ−エチル ハイドロジェンマロネー
トを加えてから、0.15mlのピペリジンを滴下する。
油浴中95〜100℃で混合物を6時間加熱撹拌する。
一夜放置後、撹拌下反応混合物中に水15mlを加える
と、粗目的物が析出する。粗目的物を濾過し、水で洗浄
後乾燥させる。ジオキサンとエタノールの混合溶媒で再
結晶を行うことにより精製された目的物1.49g(融
点106.5〜107.5℃)が得られた。収率は60
%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 311nm
(ε27,000)。 マススペクトル:m/z452(M+ ,13%)、45
1(38)、407(36)、261(100)、21
5(24)、205(33)、193(21)、192
(24)、147(77)、120(20)、119
(19)、91(19)。
【0028】実施例6 1,6−ビス[4−[(2−エトキシ)カルボニル)−
1−エチレン]フェノキシ]ヘキサン [式(2)で、
1=エチル、n=6の化合物] 10mlのピリジンに、2.86gの1,6−ビス[4−
[(2−エトキシ)カルボニル)−1−エチレン]フェ
ノキシ]ヘキサン(製造例5の化合物)及び4.00g
のモノ−エチル ハイドロジェン マロネートを加えて
から、0.3mlのピペリジンを滴下する。油浴中95〜
100℃で混合物を6時間加熱撹拌する。一夜放置後、
撹拌下反応混合物に水30mlを加えると、粗目的物が析
出する。粗目的物を濾過し、水で洗浄後乾燥させる。ジ
オキサンとエタノールの混合溶媒で再結晶を行うことに
より精製された目的物3.51g(融点128〜129
℃)が得られた。収率は86%であった。 紫外吸収スペクトル(エタノール):λmax 311nm
(ε30,000)。 マススペクトル:m/z466(M+ ,16%)、46
5(39)、422(18)、421(61)、393
(18)、392(54)、347(16)、275
(16)、229(22)、193(28)、192
(52)、147(100)、120(29)、119
(20)、91(18)、55(68)。
【0029】
【効果】本発明の化合物は、皮膚にメラニン色素を発生
させる紫外線であるUV−B領域に相当する約290〜
320nmの光を極めてよく吸収する化合物であり、こ
の化合物は化粧料基剤との相溶性がよく、皮膚と接触し
ても皮膚を痛めず、またこれを体内に吸収することがな
いので、紫外線吸収剤とくに化粧料用の紫外線吸収剤と
して極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子、直鎖または分岐の、飽和また
    は不飽和のアルキル基、アラアルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基、水酸基を含むアルキル基、アルコキ
    シカルボニルアルキレン基、または酸素原子を含むアル
    キル基を表し、R2は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基またはハロゲンを表し、Aは直鎖または分岐の、飽
    和または不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、
    酸素原子を含むアルキレン基、水酸基を含むアルキレン
    基、アルコキシ基を含むアルキレン基、またはアルコキ
    シカルボニルオキシ基を含むアルキレン基を表す]で示
    されるけい皮酸誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 [式中、R1は前記と同一であり、nは2〜12の整数
    である]で表わされるけい皮酸誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のけい皮酸誘導体
    よりなる紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のけい皮酸誘導体
    を含有する化粧料。
  5. 【請求項5】 一般式(3) 【化3】 [式中、AおよびR2は、前記と同一]で表されるベン
    ズアルデヒド誘導体と、一般式(4) 【化4】 [式中、R1は前記と同一]で表されるマロン酸半エス
    テルとを、有機溶剤中塩基触媒存在下で反応させること
    により、前記一般式(1)のけい皮酸誘導体を製造する
    方法。
JP25644593A 1993-09-20 1993-09-20 けい皮酸誘導体、その製法およびその用途 Pending JPH0789901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25644593A JPH0789901A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 けい皮酸誘導体、その製法およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25644593A JPH0789901A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 けい皮酸誘導体、その製法およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0789901A true JPH0789901A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17292755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25644593A Pending JPH0789901A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 けい皮酸誘導体、その製法およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0789901A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998014423A1 (fr) * 1996-10-04 1998-04-09 Chemipro Kasei Kaisha, Limited Derives d'aminoethylene et absorbeurs d'uv en etant faits
JP2003128632A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Wakayama Prefecture 熱的に安定なフェルラ酸誘導体、その製造方法およびそれを有効成分として含有する紫外線吸収剤
KR100479405B1 (ko) * 2002-05-24 2005-03-30 주식회사 싸이제닉 신남산 이합체, 그 제조방법 및 퇴행성 뇌질환 치료를위한 그의 용도
JP2013043919A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Teijin Ltd 植物由来成分を骨格とするポリエステル樹脂及びその製造方法
WO2017066699A1 (en) * 2015-10-16 2017-04-20 The Regents Of The University Of California Biomass-derived polymers and copolymers incorporating monolignols and their derivatives
FR3045038A1 (fr) * 2015-12-14 2017-06-16 Michelin & Cie Compose pour augmenter la fluidite d'une composition de caoutchouc comprenant une resine phenol-aldehyde a base du compose

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998014423A1 (fr) * 1996-10-04 1998-04-09 Chemipro Kasei Kaisha, Limited Derives d'aminoethylene et absorbeurs d'uv en etant faits
US6114546A (en) * 1996-10-04 2000-09-05 Chemipro Kasei Kaisha, Limited Aminomethylene derivatives and ultraviolet absorbent comprising thereof
JP2003128632A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Wakayama Prefecture 熱的に安定なフェルラ酸誘導体、その製造方法およびそれを有効成分として含有する紫外線吸収剤
KR100479405B1 (ko) * 2002-05-24 2005-03-30 주식회사 싸이제닉 신남산 이합체, 그 제조방법 및 퇴행성 뇌질환 치료를위한 그의 용도
JP2013043919A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Teijin Ltd 植物由来成分を骨格とするポリエステル樹脂及びその製造方法
WO2017066699A1 (en) * 2015-10-16 2017-04-20 The Regents Of The University Of California Biomass-derived polymers and copolymers incorporating monolignols and their derivatives
US10941104B2 (en) 2015-10-16 2021-03-09 The Regents Of The University Of California Biomass-derived polymers and copolymers incorporating monolignols and their derivatives
FR3045038A1 (fr) * 2015-12-14 2017-06-16 Michelin & Cie Compose pour augmenter la fluidite d'une composition de caoutchouc comprenant une resine phenol-aldehyde a base du compose

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5078611B2 (ja) メロシアニン誘導体
US5501850A (en) Use of benzimidazole derivatives as light protection filters
EP0507691A1 (fr) Dérivés s-triaziniques portant des substituants benzalmalonates, leur procédé de préparation, compositions cosmétiques filtrantes les contenant et leur utilisation pour protéger la peau et les cheveux du rayonnement ultraviolet
US5677314A (en) Bis(methylidene)phenylene derivatives
US5565191A (en) Cosmetic and dermatological compositions for the protection against UV radiation containing stilbene derivatives
EP0350386A1 (fr) Nouveaux dérivés insaturés liposolubles des benzalmalonates et leur utilisation en tant qu'absorbeurs du rayonnement ultra-violet en cosmétique
JP3725564B2 (ja) ベンジリデンキヌクリジノン類
US5718906A (en) Light-stable cosmetic composition
LU84789A1 (fr) Compositions ecrans solaires
JPH0789901A (ja) けい皮酸誘導体、その製法およびその用途
JP3611517B2 (ja) アミノアミジン誘導体を含有する光保護化粧品用組成物及びその用途
JPH04134041A (ja) p―キシリデンケトン誘導体、これを含有する紫外線吸収剤及びこれを含有する化粧料
US5146002A (en) Aroyl ketone derivative, uv ray absorber comprising the same, and cosmetic composition containing the same
US5508025A (en) Naphthalenemethylenemalonic diesters, and UV absorbers and cosmetic compositions containing the diesters
JPS61293965A (ja) インドリン誘導体、その製造法及び該インドリン誘導体を含む化粧品用日焼け止め剤
US5191121A (en) Aroyl ketone derivative, UV ray absorber comprising the same, and cosmetic composition containing the same
JP2000136176A (ja) ポリメチン化合物、その製造方法および用途
DE4304236A1 (en) Use of new and known alpha-hydroxy:keto:alkyl derivs. - as light filters, e.g. for protection of skin and hair
US4935533A (en) Ultraviolet radiation absorbing compositions of 1-cyclohexenylacetonitrile derivatives of aldehydes
JPH07138240A (ja) ベンゾトリアゾール誘導体およびその用途
US5932195A (en) Arylaminomethylenecamphor derivatives
DE3927460A1 (de) Entzuendungshemmende wirkstoffe fuer kosmetische praeparate
JPH01211546A (ja) 不飽和3―ベンジリデンカンファー誘導体および化粧品組成物
JPH0753452A (ja) フェニレンジα−オキシアクリル酸誘導体、これを含有する紫外線吸収剤及び化粧料
EP0349418A1 (fr) Dérivés d'hydroxy-4 isoxazoles, leur procédé de préparation et compositions cosmétiques et pharmaceutiques les contenant