JPH0789671A - 高伸度糸条の巻取方法ならびに装置 - Google Patents

高伸度糸条の巻取方法ならびに装置

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JPH0789671A
JPH0789671A JP23508293A JP23508293A JPH0789671A JP H0789671 A JPH0789671 A JP H0789671A JP 23508293 A JP23508293 A JP 23508293A JP 23508293 A JP23508293 A JP 23508293A JP H0789671 A JPH0789671 A JP H0789671A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高伸度糸条をパッケージとして形状良く巻き
上げるために好適な巻取方法ならびにその巻取装置を提
供すること。 【構成】 パッケージPの外周に接触して従動回転する
ローラベール12(28)と、該ローラベール12(2
8)の回転数検知手段14aと、該回転数検知手段14
aからの出力信号にもとづき、パッケージPの巻径増大
に拘らずローラーベール12(28)の回転数が常時一
定になる如く、前記スピンドル1の回転数を制御する巻
取速度制御手段16とを設け、該スピンドル1とトラバ
ース装置のカム軸とを所定の回転比にて連動させ、また
はスピンドルの回転速度と糸条トラバース速度との比に
て連動させ、またはトラバース装置のトラバース幅を巻
径増大過程において段階的に変更する手段を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一定糸速にて連続供給さ
れるゴム糸(伸び率200%以上)やスパンデックス
(伸び率550%〜1000%)等の高伸度糸条をパッ
ケージとして形状良く巻き上げるために好適な巻取方法
ならびにその巻取装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】一定のライン速度で連続供給される糸条
をボビン上に所定形状のパッケージとして巻取るための
巻取装置、所謂、テークアップワインダにおける巻取速
度の制御手段としては、給糸ラインの途上にダンサ装置
を配置し、該ダンサ装置により糸条の張力を検知しつつ
巻取機側のスピンドル回転数をフィードバック制御する
ものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、繊細なゴム
糸やスパンデックス等の高伸度糸条を巻取るに際して、
上記のダンサ装置によるスピンドル回転数の制御を行う
場合は、ダンサ装置のダンシングローラや定置ローラの
僅かな回転抵抗により、糸条が容易に引き伸ばされ、糸
条に不測の張力が作用して、巻取られた糸自体にダメー
ジが加わると共に、パッケージにバルジ現象(糸巻端面
の膨れ出し)が生じ、巻形状が悪化する問題があった。
【0004】また、パッケージ形状を良くするための糸
巻条件の一つとして、ボビンへの巻き始めより巻き終わ
りに至る間に、糸の張力(内部引張応力)を減少させる
ことが、前記バルジの発生防止に効果的とされている
が、前述の如き、ダンサ制御では低張力での微妙なテン
ションコントロールは、ローラの回転抵抗などのために
極めて困難であり、早急な開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の高伸度糸
条の巻取方法にあっては、かかる従来の高伸度糸条の巻
取工程におけるテンションコントロールの困難さを克服
する方法を提供するもので、一定速度で連続供給される
高伸度糸条をトラバース装置により綾振りしつつスピン
ドル上のボビンに巻取るに際し、ボビン上に形成される
パッケージの外周速度、即ち、見掛けの巻取速度を常時
一定に制御すると共に、前記パッケージの巻径増加過程
における単位外周長さ当りの糸条のトラバース長さを漸
次減少させ、実質巻糸速度を減少させつつ巻取ることを
特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の高伸度糸条の巻取装
置は、上記方法を実施する巻取装置として、パッケージ
の外周に接触して受動的に回転するローラベールと、該
ローラベールの回転数検知手段と、該回転数検知手段よ
りの出力信号にもとづき、パッケージの巻径増大に拘ら
ず前記ローラベール回転数が常時一定になる如く前記ス
ピンドルの回転数を制御する巻取速度制御手段とトラバ
ース装置とを設け、スピンドルとトラバース装置のカム
軸とを所定の回転比にて連動させたことを特徴とする。
【0007】更に請求項3記載の高伸度糸条の巻取装置
は、パッケージの巻径増大に拘らずその外周速度が常時
一定になる如く、前記スピンドルの回転数を制御する巻
取速度制御手段と、トラバース装置とを設け、該スピン
ドルとトラバース装置のカム軸とを所定の回転比にて連
動させる手段を備えると共に、スピンドルの回転速度と
糸条トラバース速度との比をパッケージの巻径増大過程
において段階的に変更する手段を含むことを特徴とす
る。
【0008】更に請求項4記載の高伸度糸条の巻取装置
は、パッケージの巻径増大に拘らずその外周速度が常時
一定になる如く、前記スピンドルの回転数を制御する巻
取速度制御手段と、トラバース装置とを設け、該スピン
ドルとトラバース装置のカム軸とを所定の回転比にて連
動させる手段を備えると共に、該トラバース装置のトラ
バース幅を巻径増大過程において漸次変更する手段を含
むことを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の高伸度糸条の巻取方法にあって
は、一定速度で連続供給される高伸度糸条をトラバース
装置により綾振りしつつスピンドル上のボビンに巻取る
に際し、ボビン上に形成されるパッケージの外周速度を
常時一定に制御すると共に、前記パッケージの巻径増加
過程における単位外周長さ当りの糸条のトラバース長さ
を漸次減少させることで、巻径増加過程において実質巻
糸速度が減少するため、巻取に当たって糸条の張力がパ
ッケージ径の増加に従って自動的に漸減し、バルジ現象
が回避される共に、糸条のパッケージ内部の引張応力に
よるダメージが緩和される。
【0010】請求項2記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、上記方法を実施する巻取装置として、パッケー
ジの外周に接触して受動的に回転するローラベールと、
該ローラベールの回転数検知手段と、該回転数検知手段
よりの出力信号にもとづき、パッケージの巻径増大に拘
らず前記ローラベール回転数が常時一定になる如く前記
スピンドルの回転数を制御する巻取速度制御手段とを設
け、スピンドルとトラバース装置のカム軸とを所定の回
転比にて連動させることで、パッケージの巻径増加過程
における単位外周長さ当りの糸条のトラバース長さを漸
次減少させことができ巻径増加過程において実質巻糸速
度が減少するため、巻取に当たって糸条の張力が自動的
に漸減する。
【0011】請求項3記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、スピンドルの回転速度と糸条トラバース速度と
の比をパッケージの巻径増大過程において段階的に変更
する手段によって、両者の速度比を変更することで、巻
き始めから巻き終わりに至る実質巻糸速度の変化率を自
由に変更出来る。
【0012】請求項4記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、トラバース装置のトラバース幅を巻径増大過程
において漸次変更する手段で、トラバース幅を変更する
ことで、巻き始めから巻き終わりに至る実質巻糸速度の
変化率を自由に変更出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明実施の一例を添付図面にもとづ
いて説明する。
【0014】図1は本発明に係る巻取装置の概要を示す
正面図、図2は同装置の側面図である。
【0015】これらの図において、(1)は巻取機のフ
レーム(2)により軸支されたスピンドル、(3)は該
スピンドル(1)の前端に固着したボビンホルダ、Bは
該ボビンホルダ(3)の外周に5本を直列に貫挿した円
筒状ボビンであって、各ボビンは、上部のレバー(4)
の操作によってボビンホルダ(3)に夫々確実に保持さ
れる。
【0016】(5)は、前記フレーム(2)上部の支点
0を中心として揺動自在に支承されたアーム(6)の下
端に取付けたカムボックスであって、該カムボックス
(5)内には、巻き方向が異なる2本の螺旋案内溝を夫
々両端において互いに接続した複数本(ボビン数に対応
させて)の無端螺旋溝を外周に刻設した公知のトラバー
スカム(7)が前記スピンドル(1)と平行をなして、
回転自在に収設されており、各螺旋溝には、前記各ボビ
ンBに対応させてカムボックス(5)の長手方向に摺動
自在に設けたトラバースガイド(8)を係合させて、前
記トラバースカム(7)の回転により、各トラバースガ
イド(8)を往復動させる様にした。
【0017】なお、複数個のトラバースガイド(8)
は、これらを互いにロッド(図示せず)で連結し、その
一部に設けたガイドピン(図示せず)をトラバースカム
(7)に形成した唯一の螺旋溝に係合させて、一斉に往
復移動させる場合もある。
【0018】上記トラバースカム(7)を固着したカム
軸(9)と前記スピンドル(1)とは、フレーム(2)
の背後に設けたタイミングベルトおよびタイミングプー
リの組み合わせからなるベルト伝動機構(10)を介し
て、所定の回転比をもって連動する様になっており、こ
れらがフレーム(2)の後部に定置したモータ(11)
により一斉に駆動される。
【0019】(12)は、前記カムボックス(5)の上
部において、両端をブラケット(13)(13´)によ
り回転自在に軸支されたローラベールであって、該ロー
ラベール(12)は、前記ボビン(B)上に形成される
パッケージの外周面と接触して、受動的に回転するもの
で、その回転数は図3に示すごとく常時カムボックス
(5)の上面に取付けた回転数検知手段(14a)で検
知する様にした。なお、上記の回転数検知手段(14
a)としては、例えば、ローラベール(12)の端部に
縞状の不連続反射部を設け、これに対向させて配置した
限定反射型のフォトマイクロスイッチによって構成され
る。
【0020】また、前記スピンドル(1)駆動用のモー
タ(11)は、パッケージの糸層成長過程において、ロ
ーラベール(12)の回転数が常に予め設定した値を接
続するようにコントロールされるもので、図3に示す如
く、回転数検知手段(14a)によりローラベール(1
2)の回転数を検知し、これが出力するパルス信号をF
/V変換器(パルス−電圧変換器)(15)で電圧変位
信号に置き換え、巻取速度制御手段(制御回路)(1
6)内で、予め、糸速設定器(17)で指令した速度指
令電圧と比較し、その偏差信号にもとづいてモータ(1
1)への電圧をコントロールし、パッケージPの糸層成
長(巻径の増大)と共に、徐々に回転数を減少させて、
ローラベール(12)の回転数、即ち、パッケージPの
周速が一定になるようフィードバック制御される。
【0021】なお、ローラベール(12)とボビンBと
を非接触の状態で巻き始める場合には、パッケージPが
所定の糸層に達するまで、ローラベール(12)が回転
しないため、ボビンBの周速を検知する手段が別途必要
である。このため図3に示す如くスピンドル(1)にボ
ビンBと等しい径のプーリQを取付ける一方、スピンド
ル(1)と平行してローラベール(12)と等しい径の
検出プーリRを軸支し、プーリQ,R間にベルト5を巻
掛けると共に、検出プーリRにローラベール(12)と
同一本数の縞状の不連続反射部を設けて、これに第2の
回転数検出手段14bを対向させて設けた。この第2の
回転数検出手段(14b)は、タイマを含む切換回路T
を介してF/V 変換器15に対し、前記回転数検出手段
(14a)と並列に接続し、巻始めより、糸層が所定の
厚さになるまでは第2の回転数検出手段(14b)より
のパルス信号に基づいてスピンドル(1)の回転数を制
御し、ローラベール(12)が糸層の増加によってパッ
ケージPと接触し、定常回転に達した後は、切換回路T
のリレー接点を切換え、前記回転数検出手段(14a)
の検出信号に基づいてパッケージPの周速を一定に維持
させるようにした。
【0022】なお、検出プーリRとプーリQとの直径比
及び検出プーリRに設けるべき不連続反射部の本数は、
別段上記のものに限ることなく、ローラベール(12)
が定常回転に達したときに回転数検出手段(14a)か
ら発せられるパルス信号とほぼ等しい周波数信号を、巻
始めにおいて第2の回転数検出手段(14b)が発する
よう設定すればよい。
【0023】(18)は、巻取機の前面において、カム
ボックス(5)から所要距離を置いて配置した非接触糸
ガイドであって、糸ガイド(18)は、片持ち支持状態
で水平に突設した送風パイプ(19)に、ダクト(2
0)を介して、遠心送風機(21)の送風口を接続した
もので、送風パイプ(19)の下面には、各ボビンBの
中央に相当する箇所に夫々スリット状のノズル開口(2
2)が形成され、各ノズル開口(22)の両側にはそれ
ぞれ下方に向い、平行な対向間隙およびこれに続く先広
がりの導糸間隙を画成するガイド板(23)を立設し、
隣接するガイド板(23)同士は一体に形成した。
【0024】上記の糸ガイド(18)は、巻取機の上流
側に設置したフィードローラ装置(24)から一定速度
で送られる糸Yを、ノズル開口(22)からガイド板
(23)の対向間隙へ噴出する空気により浮上させ、送
風パイプ(19)との接触を回避しつつ、トラバースガ
イド(8)に向って鋭角的に転向させる。
【0025】(25)は上記糸ガイド(18)の送風パ
イプ(19)の上面に取付けた糸断センサであって、各
糸条Yに対し夫々各1個を配置した。
【0026】本発明に係る巻糸装置は、高伸度糸条Yの
紡糸工程あるいは糸処理工程の最終段階において、フィ
ードローラ装置(24)により一定ライン速度で給送さ
れる複数本の糸条Yを糸ガイド(18)によって上方に
転向させ、各糸端をボビンBに固定し、トラバースガイ
ド(8)により綾振りしつつ、チーズ状に巻き上げる。
また、スピンドル(1)の回転数は、パッケージPの表
面に接触しているローラベール(12)の回転数ならび
にパッケージPの周速が一定になるよう、即ち、見掛け
の巻取速度が一定になる如く制御されると共に、パッケ
ージPのワインド数Wはトラバースカム軸(9)とスピ
ンドル(1)との連動回転により、巻始めから巻き終わ
りに至るまで一定に維持される。
【0027】従って、図4(イ)に示す如く直径D1
よびD2時におけるパッケージの展開図を考えると、単
位外周長さ(l)当りの実質巻糸長L1,L2は図4
(ロ)に示す通りである。
【0028】ここで巻糸長L1,L2の比をkとすると、
三角形の相似の関係から、
【0029】
【数1】
【0030】上記(1)式に実際の巻径D1,D2,トラ
バース長T,ワインド数Wを代入すれば、その比が求め
られるが、図4(ハ)に図示する如く、一定ワインド
数,一定トラバース長さのもとでは、単位外周長さ当り
のトラバース長さ(t1)(t2)が t1〉t2 ……(2) の関係にあり、従って L1〉L2 ……(3) となり実質巻糸長さは直径の増加と共に漸減する。即
ち、高伸度糸条を巻取る場合において、初期巻糸速度
(実質巻糸速度)をライン速度より数パーセント程度大
きく設定して巻き始めると、糸条Yの張力はパッケージ
径の増加に従って自動的に漸減し、バルジ現象が防止さ
れると共に、糸条のパッケージ内部引張応力によるダメ
ージが緩和される。
【0031】なお、上記実施例においては、本発明方法
による最も単純な巻糸態様(一定ワインド数,一定トラ
バース長さの条件にて、チーズ巻きをする場合)につい
て説明したが、本願発明方法に基づくパッケージPの巻
き始めから巻き終りに至る実質巻糸速度(単位時間当た
りの巻糸長さ)の漸減比率kは、以下に述べる個々の実
施例及び、それらの組合わせにおいて任意に調整するこ
とが可能である。
【0032】第5図及び第6図(イ)(ロ)は、上記漸
減比率kをワインド数の段階的変更によって増減させる
実施例を示す。
【0033】第5図はワインド数変更可能な巻取装置の
概略図である。
【0034】これを説明すると、モータ26はベルト2
7を介して回転自在に支持されるパッケージPを載置し
て巻糸方向へ積極駆動するローラベール28(ドラム)
に連結されると共に、一対のテーパローラを含む無段変
速機構29及びギヤトレイン30を介して糸Yをトラバ
ースさせる溝付きドラム31に連結されている。32は
パッケージPの回転数値検知手段S1よりの信号に基づ
いて、無段変速機構29を、その出力軸の回転数を検知
手段S2でチェックしつつ、アクチュエータ33を作動
させて、予め定められた複数の変速比率に設定するコン
ピュータを示す。
【0035】この巻糸機は、パッケージPの巻糸始め
(直径D1)から巻糸終り(直径D2)に至る間にコンピ
ュータ32の指令にもづいて、パッケージPの表面にリ
ボン巻き(パターン巻きとも言う)が生じる危険のある
ワインド数を回避しつつ、段階的にワインド数Wを変更
する所謂ステッププレシジョン巻き取りを実施する。
【0036】第6図(イ)はこの巻糸機において、ワイ
ンド数をW1からW2まで段階的に増加させつつ、直径D
1から直径D2まで巻いた場合を示す。
【0037】これによれば、巻終り直径D2での単位外
周長さl当りの実質巻糸長さL2がワインド数をW1を変
更することなく巻いた場合の巻終り直径D2での実質巻
糸長さL2′より短く、従って減少比率kがより大き
く、前記図4の場合より張力漸減効果が助長されている
ことが理解できる。
【0038】図6(ロ)は上記と反対に、ワインド数を
1からW2まで段階的に減少させた場合で、巻終り直径
2での単位外周長さl当りの実質巻糸長さL2は、ワイ
ンド数W1を一定巻取とした場合の巻終り直径D2での実
質巻糸長さL2′より長く、従って減少比率kが緩和さ
れている。
【0039】図7乃至図9は、トラバース幅を変更させ
ることで、上記漸減比率kを変更させるために用いるこ
とが出来るトラバース幅可変のトラバース装置の実施例
である。
【0040】これを説明すると、巻糸体の巻糸の増大に
従い伴って傾動するスピンドルと連動する溝カム片34
を設け、溝カム片34の傾動により糸ガイド35のトラ
バース幅を変更可能としたもので、溝カム片34は、長
手方向に長溝36を備え、溝カム片34の上方には、ト
ラバース方向に移動可能の糸ガイドホルダー37を備
え、糸ガイドホルダー37には糸ガイド35を備える。
【0041】更に溝カム片34の前面には、トラバース
方向の軸39を配置し、綾振カム40によってトラバー
ス方向に往復動されるトラバース用スライド片41とこ
れに伴って移動する規制制御用スライド片42とがその
軸39に沿って移動自在に支持されている。
【0042】そして46は、前記トラバース用スライド
片41と、溝カム片34と、糸ガイドロッド48に沿っ
て移動自在の糸ガイドホルダー37等とを連動させる揺
動片で、該揺動片46には、下端にピン43,44を備
え上端にピン45を備える。該揺動片46による溝カム
片34と糸ガイドホルダー37等の連動を説明すれば、
揺動片46に設けたピン43を、溝カム片34の長溝3
6に遊嵌すると共に前記トラバース用スライド片41に
設けたトラバース方向と直交する溝41aに遊嵌係合さ
せ、ピン44を前記規制制御用スライド片42に回動自
在に遊嵌係合させる。
【0043】更に揺動片46のピン45を前記糸ガイド
ホルダー37に設けたトラバース方向と直交する溝37
aに遊嵌係合させた。
【0044】かくて、巻糸体の巻径の増加に従って回動
する作動レバー47の先端の突子47aを前記長溝36
に遊嵌係合させ、巻糸体の巻径の増加に従って溝カム片
34を傾動させることでトラバース幅を変更させる(こ
の装置は実公平1−30456号公報に示されてい
る)。
【0045】図10の(イ)(ロ)は、このパッケージ
の巻径の増加に従って、糸ガイドのトラバース幅を増減
することで、巻き始め(直径D1)から巻き終り(直径
2)に至る間にトラバース長さをT1からT2まで漸次
減少又は増加させる場合を示す。
【0046】図10の(イ)は、パッケージの巻径の増
加に従ってトラバース長さをT1からT2まで漸次減少さ
せ、所謂パイナップル巻きを実施した場合である。
【0047】これによると、巻き終り(直径D2)にお
ける単位外周長さT1を変更せずに巻いた場合の直径D2
での実質巻糸長さL2′に較べて減少しており、従って
減少比率kはトラバース長さ一定の場合より大きくなっ
ている。
【0048】図10の(ロ)は、これに対して、パッケ
ージの巻太りに伴ってトラバース長さをT1からT2まで
増加させる場合を示す。
【0049】図のように、トラバース長さT2のパッケ
ージ直径D2は、単位外周長さl当りの実質巻糸長さ
2′が、トラバース長さT1を変更せず、直径D2まで
巻き取った場合の実質巻糸長さL2′より大きくなって
おり、従って減少比率kがチーズ巻き(スケアエンドチ
ーズ)の場合より緩和されている。
【0050】尚、トラバース長さの増加を極端に大きく
設定する場合には、図11に示す公知のフランジ付きボ
ビンを使用すれば、糸の端面落ちを防げる。
【0051】尚、この実施例では、トラバース幅をパッ
ケージPの両端で増加させるようにしたが一方のみを増
加させることでも同様の効果が期待出来る。
【0052】尚、前記図1乃至図3に示した実施例にあ
っては、パッケージPの外周速度を巻径の増大に拘ら
ず、一定に維持する手段として、パッケージPの外周に
タッチさせるローラベールの回転数を検知し、その回転
数を一定に制御する方式について例示したが、パッケー
ジPの外周速度を一定に保つ手段としては、上記パッケ
ージPの外径を光センサー等により計測し、そのデータ
に基づいてスピンドル回転数をリアルタイムにコントロ
ールする方法や、パッケージPを定置のローラベールか
ら離反移動し得るよう、クレードルにより軸支し、直径
増大によるクレードルの傾動角に基づいてピンドル回転
数をコントロールする方法など、各種の制御手段が適用
可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明によるときは、次のような効果を
奏する。
【0054】請求項1記載の高伸度糸条の巻取方法にあ
っては、一定速度で連続供給される高伸度糸条をトラバ
ース装置により綾振りしつつスピンドル上のボビンに巻
取るに際し、ボビン上に形成されるパッケージの外周速
度を常時一定に制御すると共に、前記パッケージの巻径
増加過程における単位外周長さ当りの糸条のトラバース
長さを漸次減少させることで、高伸度糸条を巻取るに際
し、初期の実質巻糸速度を勘案して、ローラベール回転
数、即ち見掛けの巻取速度を設定するだけで、パッケー
ジ径の増加に従い実質の巻糸速度を自動的に漸減するこ
とが可能となり、糸条の引伸し率を逐次減少させてバル
ジの発生を防止し得ると共に、巻上った糸条の内部引張
応力によるダメージを大巾に緩和し得る。
【0055】請求項2記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、上記方法を実施する巻取装置として、パッケー
ジの外周に接触して受動的に回転するローラベールと、
該ローラベールの回転数検知手段と、該回転数検知手段
よりの出力信号にもとづき、パッケージの巻径増大に拘
らず前記ローラベール回転数が常時一定になる如く前記
スピンドルの回転数を制御する巻取速度制御手段とを設
け、スピンドルとトラバース装置のカム軸とを所定の回
転比にて連動させることで、パッケージの巻径増加過程
における単位外周長さ当りの糸条のトラバース長さを漸
次減少させことができ巻径増加過程において糸条の引伸
し率を逐次減少させてバルジの発生を防止し得ると共
に、巻上った糸条の内部引張応力によるダメージを大巾
に緩和し得る。
【0056】請求項3記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、スピンドルの回転数と糸条トラバース速度との
比をパッケージの巻径増大過程において段階的に変更す
る手段によって、両者の速度比を変更することで、巻き
始めから巻き終わりに至る実質巻糸速度の変化率を自由
に変更出来て、実質巻糸速度が減少度合いを自由に変更
節することができ、これによってより高度なテンション
コントロールが可能となる。
【0057】請求項4記載の高伸度糸条の巻取装置にあ
っては、トラバース装置のトラバース幅を巻径増大過程
において漸次変更する手段で、トラバース幅を変更する
ことで、巻き始めから巻き終わりに至る実質巻糸速度の
変化率を自由に変更出来て、実質巻糸速度の減少度合い
を自由に変更することができ、、これによって高度なテ
ンションコントロールが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る巻糸装置の一実施例を示す概要
正面図
【図2】 図1の巻糸装置の側面図
【図3】 図1の巻糸装置の速度制御手段の一例を示す
ブロック線図
【図4】 巻糸径の増加と単位外周長さ当りの実質巻糸
長さの変化との関係を示す説明図
【図5】 他の実施例の概要正面図
【図6】 図5のワインド数を増加させつつ巻く場合及
びワインド数を減少させつつ巻く場合の巻糸径の増加と
単位外周長さ当りの実質巻糸長さの変化との関係を示す
説明図
【図7】 更に他の実施例の概要正面図
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図
【図9】 一部を截除した平面図
【図10】 図7乃至図9の実施例装置によりトラバー
ス長さを増加させつつ、又は減少させつつ巻く場合の巻
糸径の増加と単位外周長さ当りの実質巻糸長さの変化と
の関係を示す説明図
【図11】 図10で使用するボビンの側面図
【符号の説明】
1 スピンドル 3 ボビンホルダ 9 カム軸 11 モータ 12 ローラベール 14a,14b 回転数検知
手段 P パッケージ Y 糸条(高伸度
糸条)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定速度で連続供給される高伸度糸条を
    トラバース装置により綾振りしつつスピンドル上のボビ
    ンに巻取るに際し、ボビン上に形成されるパッケージの
    外周速度を常時一定に制御すると共に、前記パッケージ
    の巻径増加過程における単位外周長さ当りの糸条のトラ
    バース長さを漸次減少させつつ巻取ることを特徴とする
    高伸度糸条の巻取方法。
  2. 【請求項2】 パッケージの外周に接触して受動的に回
    転するローラベールと、該ローラベールの回転数検知手
    段と、該回転数検知手段よりの出力信号にもとづき、パ
    ッケージの巻径増大に拘らず前記ローラベール回転数が
    常時一定になる如く前記スピンドルの回転数を制御する
    巻取速度制御手段と、トラバース装置とを設け、スピン
    ドルとトラバース装置のカム軸とを所定の回転比にて連
    動させたことを特徴とする高伸度糸条の巻取装置。
  3. 【請求項3】 パッケージの巻径増大に拘らずその外周
    速度が常時一定になる如く、前記スピンドルの回転数を
    制御する巻取速度制御手段と、トラバース装置とを設
    け、該スピンドルとトラバース装置のカム軸とを所定の
    回転比にて連動させる手段を備えると共に、スピンドル
    の回転数と糸条トラバース速度との比をパッケージの巻
    径増大過程において段階的に変更する手段を含むことを
    特徴とする高伸度糸条の巻取装置。
  4. 【請求項4】 パッケージの巻径増大に拘らずその外周
    速度が常時一定になる如く、前記スピンドルの回転数を
    制御する巻取速度制御手段と、トラバース装置とを設
    け、該スピンドルとトラバース装置のカム軸とを所定の
    回転比にて連動させる手段を備えると共に、該トラバー
    ス装置のトラバース幅を巻径増大過程において漸次変更
    する手段を含むことを特徴とする高伸度糸条の巻取装
    置。
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