JPH078931A - 長尺管状部材用の内面研掃装置と内面研掃装置用のブラシ - Google Patents

長尺管状部材用の内面研掃装置と内面研掃装置用のブラシ

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JPH078931A
JPH078931A JP5159277A JP15927793A JPH078931A JP H078931 A JPH078931 A JP H078931A JP 5159277 A JP5159277 A JP 5159277A JP 15927793 A JP15927793 A JP 15927793A JP H078931 A JPH078931 A JP H078931A
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JP
Japan
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brush
tubular member
long tubular
long
cleaning
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JP5159277A
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English (en)
Inventor
Masaki Ooya
真佐起 大矢
Susumu Watanabe
進 渡辺
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心鋳造機の鋳型等、長尺管状部材の内面を
研掃して、その内面の付着物等を除去する内面研掃装置
と、その内面研掃装置用のブラシを提供する。 【構成】 内面研掃装置1は、モータ3に連結されたフ
レキシブルロッド5と、その先端に設けられたブラシ7
と、フレキシブルロッド5が挿通された角型パイプ9
と、これらを昇降させる高さ調整シリンダ13と、これ
らを前後進させる台車15と、台車15がレール19上
の所定位置に移動したことを検出するリミットスイッチ
21,23とを備える。ブラシ7を回転させながら台車
15を前進させると、鋳型Wの奥に向かってブラシ7が
押し込まれ、研掃がなされる。ブラシ7には、ブラシ毛
として、鋳型Wの内部半径よりも長くて可撓性のあるメ
ッシュワイヤが軸心から放射状に植設され、各ブラシ毛
は毛先が撓んだ状態で鋳型Wの内面に密着し、その内面
を帯状に研掃してゆく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心鋳造機の鋳型や流
体の導管などとして用いられる長尺管状部材の内面を研
掃し、その内面の付着物や錆などを除去する長尺管状部
材用の内面研掃装置と、その内面研掃装置にて用いられ
るブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、遠心鋳造機では、溶けた金属
を鋳型に流し込む前に、鋳型の内周面に離型剤を塗り、
塗型を形成する作業が行われている。この作業では、ま
ず、先に塗られていた離型剤を鋳型から剥離して除去
し、その後で離型剤の塗り直しを行わねばならない。
【0003】そのため、従来は、図9に示すように、鋳
型101を回転ローラ103によって数百rpm程度で
回転させながら、治具105の先端に設けられた太鼓状
ブラシ107を人手によって鋳型101の内周面に押し
付けて離型剤を剥離し、剥離された離型剤や塵などを集
塵機109によって吸引除去していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術によれば、作業者は、治具105によって鋳型10
1の内周面を押さえつけながら、徐々に太鼓状ブラシ1
07を奥に押し込むように移動して、離型剤の剥離作業
を行わねばならなかった。そのため、作業者は、鋳型1
01の回転トルクに耐えつつ、太鼓状ブラシ107をし
っかりと鋳型101に押し当てなければならず、重労働
を強いられていた。また、回転する鋳型101の近傍で
の作業は危険でもあった。そのうえ、そのような作業
を、粉塵や騒音が発生する劣悪な環境の中で行わざるを
得なかった。
【0005】さらに、この剥離作業を効率良く行うため
には相当な熟練を要するため、作業者によって剥離精度
や剥離作業にかかる時間にばらつきが生じ、スムーズな
流れ作業にならなかった。そこで本発明は、労力を低減
しつつ、安全性を高め、しかも、容易に自動化して剥離
精度の向上や処理時間の均一化をもなし得る長尺管状部
材用の内面研掃装置と、その内面研掃装置にて用いるの
に好適なブラシを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上述した目的を
達成するために、本発明は課題を解決するための手段を
次の通り構成した。すなわち、遠心鋳造機の鋳型や流体
の導管などとして用いられる長尺管状部材の内面を研掃
し、その内面の付着物や錆などを除去する長尺管状部材
用の内面研掃装置であって、モータによって回転駆動さ
れる長尺軸の先端にブラシを設け、さらに、該ブラシを
前記長尺管状部材の奥に向かって押し込むブラシ押し込
み手段をも備えたことを特徴とする長尺管状部材用の内
面研掃装置の構成がそれである。
【0007】前記構成を有する本発明の長尺管状部材用
の内面研掃装置によれば、長尺軸の先端に設けられたブ
ラシは、長尺軸と共にモータによって回転される。この
ブラシは、ブラシ押し込み手段によって長尺管状部材の
奥に向かって押し込まれ、長尺管状部材の中を回転しな
がら移動する。そのとき、長尺管状部材の内周面はブラ
シによって擦られて付着物が剥離される。なお、ブラシ
押し込み手段によるブラシの押し込み速度とモータによ
るブラシの回転速度とを一定にしておけば、剥離精度や
処理時間は、常に均一に保たれる。
【0008】また、本発明の請求項2に記載の通り、前
記ブラシは、前記長尺管状部材の内部半径よりも長くて
可撓性のあるブラシ毛を軸心から放射状に植設した放射
状ブラシで、前記長尺管状部材に押し込まれたとき、各
ブラシ毛の毛先が撓んだ状態で前記長尺管状部材の内面
に密着するように構成すると良い。
【0009】このような構成を有する内面研掃装置によ
れば、撓んだ状態にある各ブラシ毛は、毛先の側面で長
尺管状部材の内面に接触する。すなわち、ブラシ毛は、
点で接触するのではなく、線で長尺管状部材に接触す
る。そのため、ブラシ毛の量を比較的少なくしても、ブ
ラシ毛との接触面積は大きく取られ、ブラシの駆動にか
かる負荷を軽減しながらも、付着物を剥離する能力は向
上する。また、各ブラシ毛は可撓性を有するので、接触
箇所に押圧力を加えつつ密着する。そのため、長尺管状
部材の内面にブラシ毛が接触した状態が維持されやす
い。なお、あまり密にブラシ毛を植設し過ぎると、ブラ
シ毛同士が支え合って撓みにくくなる。そこで、各ブラ
シ毛の周りには、ある程度の空間をおいて疎らな状態に
しておく方が望ましい。ブラシ毛を疎らにする方法とし
ては、例えば、軸方向に空間をおいてブラシ毛を植設し
て、ディスク状ブラシが1枚〜複数枚あるようにした
り、円周方向に空間をおいて、疎らな放射状になるよう
にすればよい。
【0010】さらに、本発明の請求項3に記載の通り、
前記長尺軸は、弾性変形して捻れたり撓んだりするフレ
キシブルロッドにすると、ブラシにかかる抵抗が不安定
に変化しても、モータには安定した負荷となって伝わ
る。なお、フレキシブルロッドを長尺な所定太さのパイ
プなどで覆っておけば、フレキシブルロッドに必要以上
の撓みが発生して振動するのを抑えることができる。こ
れにより、ブラシが振動して剥離状態にむらが出たり、
フレキシブルロッドが近傍のものに接触したりするよう
なことは防止される。
【0011】あるいは、本発明の請求項4に記載の通
り、前記ブラシ押し込み手段は、前記ブラシが押し込ま
れていない第1の位置、及びブラシを押し込みきった第
2の位置を検出するセンサと、該センサにより第2の位
置が検出されるまで前記ブラシを押し込み、その後第1
の位置が検出されるまで前記ブラシを引き抜く制御を行
う制御手段とを備える構成にすると、ブラシの押し込み
・引き抜き動作を自動化して、作業者の労力を軽減する
と共に、剥離精度や処理時間を均一にして、スムーズな
流れ作業の達成に寄与する。
【0012】加えて、本発明の請求項5に記載の通り、
前記長尺軸及び前記長尺管状部材は、略水平に配設さ
れ、さらに、前記長尺軸の先端が、前記長尺管状部材の
軸心位置から垂れないように、前記長尺軸を支持する先
垂れ防止手段をも備えた構成にすると、ブラシを押し込
むとき、もしくは、研掃処理の最中に、ブラシの回転中
心が長尺管状部材の軸心から外れることがない。
【0013】さらに加えて、本発明の請求項6に記載の
通り、前記長尺軸及び前記長尺管状部材は、略水平に配
設され、さらに、前記長尺軸及び/または前記長尺管状
部材を昇降させ、両者の軸心を一致させる昇降手段をも
備えた構成にすれば、種々の長尺管状部材に取り替えて
も、その軸心に対して、容易に長尺軸の軸心を一致させ
ることができる。
【0014】さて、このような長尺管状部材用の内面研
掃装置にて使用される内面研掃装置用のブラシとして
は、次のように構成すると良い。すなわち、本発明の請
求項7に記載の通り、金属線を束ねて編んだメッシュワ
イヤを放射状に植設すると共に、該メッシュワイヤの先
端がほぐされていることを特徴とする内面研掃装置用の
ブラシの構成がそれである。
【0015】このように構成されたブラシによれば、ブ
ラシ毛が、金属線を束ねて編んだメッシュワイヤなの
で、研掃用ブラシとしての十分な強度を備え、かつ可撓
性もある。また、その先端がほぐされているので、研掃
効果が高い。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例としての内面研掃装
置であって、遠心鋳造機の鋳型内面を研掃するためもの
である。図1では、内部構成を明らかにするために、一
部を破断して示してある。
【0017】内面研掃装置1は、図1に示すように、研
掃用モータ3と、研掃用モータ3によって回転駆動され
る長尺なフレキシブルロッド5と、フレキシブルロッド
5の先端に設けられ、鋳型Wの内面を研掃するブラシ7
と、フレキシブルロッド5が挿通された角型パイプ9
と、研掃用モータ3や角型パイプ9などが固定されたテ
ーブル11と、テーブル11を昇降させる高さ調整シリ
ンダ13とを備え、さらに、これらを移動させるための
台車15と、台車15の車輪にチェーン等を介して動力
を供給する移動用モータ17と、台車15が載せられる
レール19と、台車15がレール19上の所定位置に移
動したことを検出するリミットスイッチ21,23とを
備えている。
【0018】これらの構成部品の内、フレキシブルロッ
ド5は、弾性変形して捻れたり撓んだりする長尺なコイ
ルである。これにより、ブラシ7にかかる抵抗の変化
が、研掃用モータ3には緩和されて伝達される。フレキ
シブルロッド5は、図2(a),図2(b)に示すよう
に、円筒ケース27に挿通され、回転に伴う振動などに
よって、フレキシブルロッド5に大きな撓みが発生しな
いようにされている。そしてさらに、フレキシブルロッ
ド5及び円筒ケース27は、角型パイプ9に挿通されて
いる。この角型パイプ9は、剛性の高い長尺な角柱状の
金属管で、より撓みにくくするために、断面の対角線を
鉛直方向に向けて配設されている。角型パイプ9の先端
には軸受け31が設けられ、そこに軸支された回転軸3
3に、フレキシブルロッド5の先端が連結されている。
したがって、フレキシブルロッド5の先端は、角型パイ
プ9によって保持され、先端が垂れ下がることがない。
また、フレキシブルロッド5が完全に覆われていること
で、回転時の接触の危険も防止される。
【0019】また、ブラシ7は、ブラシ毛として、直径
0.3mmの金属線を束ねて編んで、直径約3mmに形
成された可撓性のあるメッシュワイヤが用いられてい
る。図3に示すように、このブラシ毛は、軸心から放射
状に8本植設され、その先端が約20mm程度ほぐされ
てほうき状にされている。また、ブラシ毛の長さは、研
掃対象となる鋳型Wの内部半径よりも約20mm〜50
mm長くされ、鋳型Wに押し込まれた際には、図4に示
すように、ブラシ毛が撓んで、毛先の側面で鋳型Wの内
面を押圧するように密着する。ブラシ7は、この状態で
回転駆動されるので、鋳型Wの内面を帯状に研掃してゆ
く。このため、ブラシ毛が比較的疎らに植設されている
にもかかわらず、鋳型Wの内面とブラシ毛との接触面積
は十分に取られ、離型剤の剥離が良好になされる。しか
も、ブラシ毛の先端部分がほぐされているので、接触面
積はより大きく確保される。また、帯状に研掃してゆく
際に、一部が重なって研掃されるので、研掃し残す部分
が無い。なお、本実施例の内面研掃装置1では、図1に
示したように、二組のブラシ7が、所定の間隔をおいて
設けられている。
【0020】また、高さ調整シリンダ13は、テーブル
11を昇降させて、フレキシブルロッド5の軸心位置を
変更するものである。したがって、鋳型Wが、異なる形
状のものに取り替えられても、鋳型Wの軸心とフレキシ
ブルロッド5の軸心とを容易に一致させることができ
る。
【0021】さらに、リミットスイッチ21は、ブラシ
7を鋳型に押し込みきった位置を検出し、リミットスイ
ッチ23は、ブラシ7を鋳型Wから引き抜ききった位置
を検出する。これらのリミットスイッチ21,23は、
レール19上での設置位置を自由に変更することがで
き、鋳型Wの奥行き等に応じて適切な位置に設置され
る。
【0022】次に、この内面研掃装置1の動きについて
説明する。この内面研掃装置1によって鋳型Wの研掃を
行うには、図5に示すように、まず、高さ調整シリンダ
13によってテーブル11を昇降させ、フレキシブルロ
ッド5の軸心と鋳型Wの軸心とを一致させる(S11
0)。次に、スタートスイッチ(図示略)を押すと、研
掃用モータ3に電力が供給され、フレキシブルロッド5
を介してブラシ7が回転駆動される(S120)。そし
て、移動用モータ17にも電力を供給し、台車15を前
進させる(S130)。この結果、ブラシ7は、回転し
ながら鋳型Wの内部に押し込まれ、内面の研掃が開始さ
れる。
【0023】さて、台車15が前進して所定位置に達す
ると、リミットスイッチ21が作動する(S140)。
リミットスイッチ21が作動した時点で、鋳型Wの内面
はブラシ7によって最も奥まで研掃し終えた状態になっ
ている。そこで、移動用モータ17を反転駆動させ、台
車15を後退させる(S150)。このときも、ブラシ
7は回転駆動されているので、再び鋳型Wの内面は一通
り研掃される。
【0024】そして、台車15が後退して所定位置に達
すると、リミットスイッチ23が作動する(S16
0)。リミットスイッチ23は、台車15が後退して、
ブラシ7が鋳型Wから引き抜かれたときに作動する。そ
こで、移動用モータ17を停止させ(S170)、さら
に研掃用モータ3も停止させる(S180)。
【0025】以上のように内面研掃装置1を動作させる
ことによって、鋳型Wの内側に塗られていた離型剤は、
ブラシ7によって擦り落とされる。なお、剥離された離
型剤は、従来と同様に、集塵機(図示略)によって吸引
除去される。以上説明した内面研掃装置1によれば、ス
イッチによる遠隔操作によって高さ調節や研掃開始の指
示を行うだけでよいので、作業者の労力が軽減され、安
全性も高く、粉塵や騒音の発生源から離れて作業を行う
ことも可能である。
【0026】また、ブラシの回転速度や押し込み速度を
均一にしておけるので、作業者が変わっても、研掃品質
や作業時間にばらつきが無くなる。この結果、遠心鋳造
機との間での鋳型のやり取りを、特定のタイミングで行
えるようになり、鋳造と研掃とを流れ作業で繰り返すこ
ともできるようになる。
【0027】さらに、ブラシ7の各ブラシ毛は、撓んで
毛先の側面にて長尺管状部材の内面に接触し、その内面
を帯状に研掃してゆく。また、その際に、帯状に研掃さ
れる部分の一部同士が重なるように研掃される。したが
って、ブラシ毛が疎らに植設されていても、研掃し残す
ことはない。そればかりか、ブラシ毛が疎らなので、研
掃用モータにかかる負荷も小さくなる。
【0028】加えて、ブラシ7には、長いブラシ毛が用
いられているので、長尺管状部材がいろいろと変えられ
ても、それに応じてブラシ毛が撓んで内面に密着する。
特に、一部分だけ太い内径になっている管や、テーパ状
になっている管などでも、ブラシを押し込んでゆくだけ
で、内径に応じてブラシが広がったり縮んだりして研掃
がなされる。
【0029】次に、第2実施例について説明する。以降
の実施例は、第1実施例に示した内面研掃装置1に、さ
らに角型パイプ9を支持する構造を加えたものである。
そこで、以降の説明は付加した構造の説明にとどめ、同
一の部分については、第1実施例と同じ符号を用いて説
明を省略する。
【0030】第2実施例では、図6に示すように、角型
パイプ9の先端側を一対のV溝ローラ33で保持し、そ
のV溝ローラ33の高さを調整して角型パイプ9を水平
に維持する高さ調整シリンダ35を設けてある。したが
って、きわめて長い角型パイプ9を用いた場合でも、角
型パイプ9の先端が自重で垂れ下がることがない。その
ため、ブラシ7を押し込む前から、鋳型Wとフレキシブ
ルロッド5との軸心位置を確実に合わせることができ
る。
【0031】次に、第3実施例について説明する。第3
実施例では、図7(a)に示すように、角型パイプ9の
先端側の下部に、回動操作用のレバー37を有する回転
可能なロッド38を介してローラ39が設けてある。こ
のローラ39は、レバー37によってフレキシブルロッ
ド5の軸心との相対距離を変えられる。レバー37に
は、図7(b)に示すように、U字状の係止部37aが
形成され、ストッパー40は、係止部37aを引っかけ
てレバー37を所定のピッチで係止する。したがって、
ローラ39の位置を適宜調整して鋳型W内に押し込め
ば、鋳型Wの内面にローラ39が当接して角型パイプ9
を支え、鋳型Wとフレキシブルロッド5との軸心位置を
一致させることができる。
【0032】次に、第4実施例について説明する。第4
実施例では、図8に示すように、小径細長の油圧シリン
ダ41によってフレキシブルロッド5の軸心との相対距
離を変えられるローラ43が設けてある。この場合も、
第3実施例と同様、鋳型Wの内面にローラ43が当接し
て角型パイプ9を支え、鋳型Wとフレキシブルロッド5
との軸心位置を一致させる。しかも、外部から油圧シリ
ンダ41にかける油圧を調節できるので、遠隔操作が可
能で、研掃開始後に微調整を施すこともできる。
【0033】以上説明したように、第2実施例〜第4実
施例に示したような角型パイプ9の支持構造を加える
と、角型パイプ9が非常に長くても、撓みによってブラ
シ7側が垂れ下がって、鋳型Wに対して軸心のずれが生
じることはない。なお、第1実施例のものでも、一旦、
鋳型Wの中にブラシ7が押し込まれてしまえば、フレキ
シブルロッド5は、ブラシ7自体によって鋳型Wの軸心
に保持されるので問題はない。
【0034】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
の種々なる態様を採用することができる。例えば、実施
例では、遠心鋳造機用の鋳型内面を研掃する装置の例を
示したが、これに限らず種々の長尺管状部材の内面を研
掃する装置として使用することができる。例えば、水道
管や送油管などの内面の錆を研掃してもよいし、内面を
樹脂コーティングしたパイプなどにおいて、内面の樹脂
が劣化した場合のコーティングの剥離などにも利用でき
る。
【0035】また、実施例では、8本のブラシ毛を備え
たディスク状ブラシを2組用いたが、ブラシ毛の本数や
ブラシの組数は、これに限らない。これらの本数や組数
は、長尺管状部材の内径や、付着物の種類などに応じ
て、研掃し残しが無く、かつ、モータへかかる負荷が大
きくならないように適宜変更すればよい。
【0036】さらに、本発明の内面研掃装置に装着され
るブラシは、必ずしも実施例に示したような、可撓性の
ある疎らなディスク状ブラシに限らず、太鼓状ブラシな
ど、種々のブラシを用いても構わない。但し、例えば、
可撓性の無い硬いブラシ毛を備えるブラシの場合、長尺
管状部材にぴったりと嵌まる寸法のものが必要である。
また、このようなブラシの場合には、ブラシ毛一本一本
が、針の先端で螺旋を描くように引っかいて研掃するこ
とになるため、研掃し残す部分が生じやすい。そのた
め、ブラシ毛を密に植設したり、研掃用モータの回転数
を上げざるを得ず、摩擦抵抗が大きくなって研掃用モー
タの負荷は大きくなる。その点、実施例で示したブラシ
であれば、疎らなブラシ毛で帯状に研掃がなされるの
で、研掃用モータの負荷を押えながらも、研掃し残すこ
とがなく十分な研掃効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上の如く本発明の請求項1〜請求項6
に記載の内面研掃装置によれば、長尺管状部材の内面を
研掃する際に、労力が軽減され、安全性も向上する。ま
た、研掃にかかる時間や、研掃品質が均一化され、容易
に自動化することも可能となる。
【0038】特に、請求項2に記載の構成にすれば、ブ
ラシ毛の量を比較的少なくして、ブラシの駆動にかかる
負荷を軽減しても、付着物を剥離する能力を良好に保つ
ことができる。さらに、請求項3に記載の構成にすれ
ば、モータにかかる負荷が安定し、ブラシの動きも安定
する。
【0039】また、請求項4に記載の構成にすれば、ブ
ラシの押し込み・引き抜き動作を自動化して、作業者の
労力を一層軽減すると共に、剥離精度や処理時間をより
均一にできる。加えて、請求項5の構成にすれば、ブラ
シを押し込むとき、もしくは、研掃処理の最中に、ブラ
シの回転中心が長尺管状部材の軸心から外れることがな
い。
【0040】さらに加えて、請求項6の構成にすれば、
長尺管状部材の形状が変えられても、容易に軸心を一致
させて研掃を行うことができる。そして、請求項7に記
載のブラシによれば、研掃効果が高く、請求項1〜請求
項6に記載の内面研掃装置で用いるには、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例としての内面研掃装置を一部破断
して示す概略左側面図である。
【図2】 第1実施例としての内面研掃装置の一部分を
示す部分断面図である。
【図3】 第1実施例としての内面研掃装置で使用する
ブラシの正面図である。
【図4】 鋳型にブラシを押し込んだときのブラシ毛の
状態を示す部分断面図である。
【図5】 第1実施例における内面研掃装置の制御手順
を示す流れ図である。
【図6】 第2実施例における先垂れ防止機構を示す部
分拡大図である。
【図7】 第3実施例における先垂れ防止機構を示す部
分拡大図である。
【図8】 第4実施例における先垂れ防止機構を示す部
分拡大図である。
【図9】 従来の遠心鋳造機用の鋳型の研掃作業を示す
説明図である。
【符号の説明】
1・・・内面研掃装置、3・・・研掃用モータ、5・・
・フレキシブルロッド、7・・・ブラシ、9・・・角型
パイプ、11・・・テーブル、13,35・・・高さ調
整シリンダ、15・・・台車、17・・・移動用モー
タ、19・・・レール、21,23・・・リミットスイ
ッチ、33・・・V溝ローラ、37・・・レバー、3
9,43・・・ローラ、41・・・油圧シリンダ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心鋳造機の鋳型や流体の導管などとし
    て用いられる長尺管状部材の内面を研掃し、その内面の
    付着物や錆などを除去する長尺管状部材用の内面研掃装
    置であって、 モータによって回転駆動される長尺軸の先端にブラシを
    設け、 さらに、該ブラシを前記長尺管状部材の奥に向かって押
    し込むブラシ押し込み手段をも備えたことを特徴とする
    長尺管状部材用の内面研掃装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の長尺管状部材用の内面研
    掃装置において、 前記ブラシは、前記長尺管状部材の内部半径よりも長く
    て可撓性のあるブラシ毛を軸心から放射状に植設した放
    射状ブラシで、前記長尺管状部材に押し込まれたとき、
    各ブラシ毛の毛先が撓んだ状態で前記長尺管状部材の内
    面に密着することを特徴とする長尺管状部材用の内面研
    掃装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の長尺管状部
    材用の内面研掃装置において、 前記長尺軸は、弾性変形して捻れたり撓んだりするフレ
    キシブルロッドであることを特徴とする長尺管状部材用
    の内面研掃装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    長尺管状部材用の内面研掃装置において、 前記ブラシ押し込み手段は、前記ブラシが押し込まれて
    いない第1の位置、及びブラシを押し込みきった第2の
    位置を検出するセンサと、 該センサにより第2の位置が検出されるまで前記ブラシ
    を押し込み、その後第1の位置が検出されるまで前記ブ
    ラシを引き抜く制御を行う制御手段とを備える構成とし
    たことを特徴とする長尺管状部材用の内面研掃装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    長尺管状部材用の内面研掃装置において、 前記長尺軸及び前記長尺管状部材は、略水平に配設さ
    れ、 さらに、前記長尺軸の先端が、前記長尺管状部材の軸心
    位置から垂れないように、前記長尺軸を支持する先垂れ
    防止手段をも備えたことを特徴とする長尺管状部材用の
    内面研掃装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    長尺管状部材用の内面研掃装置において、 前記長尺軸及び前記長尺管状部材は、略水平に配設さ
    れ、 さらに、前記長尺軸及び/または前記長尺管状部材を昇
    降させ、両者の軸心を一致させる昇降手段をも備えたこ
    とを特徴とする長尺管状部材用の内面研掃装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    長尺管状部材用の内面研掃装置にて使用される内面研掃
    装置用のブラシであって、 金属線を束ねて編んだメッシュワイヤを放射状に植設す
    ると共に、該メッシュワイヤの先端がほぐされているこ
    とを特徴とする内面研掃装置用のブラシ。
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