JPH0789248A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

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JPH0789248A
JPH0789248A JP5263117A JP26311793A JPH0789248A JP H0789248 A JPH0789248 A JP H0789248A JP 5263117 A JP5263117 A JP 5263117A JP 26311793 A JP26311793 A JP 26311793A JP H0789248 A JPH0789248 A JP H0789248A
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Application number
JP5263117A
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English (en)
Inventor
Koichi Shirai
孝一 白井
Yoshihiko Tamura
仁彦 田村
Kazunobu Imoto
和信 井本
Shinji Yonetani
伸二 米谷
Jiro Onishi
二郎 大西
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高感度であり、かつ印画後、カ−ルする等の問
題のない熱転写受像シ−トを提供する。 【構成】基材シ−トに、少なくとも中間層と染料受容層
とを積層してなる熱転写受像シ−トにおいて、上記中間
層は熱可塑性樹脂であり、かつ、緩和現象における見掛
けの活性化エネルギ−が250kJ/mol以上とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シートから移行
する色材を受容する受容層を有する受像シートに関する
ものであり、ビデオプリンター等,各種のカラープリン
ター分野で幅広く利用できるものである。更に詳しく
は,より高感度に改良された熱転写受像シートに関する
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、撮影技術およびコンピュウーターグ
ラフィックスに代表されるような画像形成システムの進
歩が著しい。それに伴い、画像のカラーハードコピーに
対するニーズの高まってきている。 各種のハードコピ
ーシステムの中でも、昇華性染料を記録材とし、これに
記録シートを重ね、記録信号に応じてサーマルヘッドで
加熱することにより染料を受像シート上に転移させるこ
とによって記録像を得る方式は、透明性、中間色の階調
再現性および色再現性に優れている為、銀塩写真に匹敵
する画像を得られることから非常に注目されている。
【0003】このような昇華転写方式に用いられる熱転
写受像シートには、濃度むら、ドット抜け等が無く、高
濃度で高精細な画像が得られることはもとより、サーマ
ルヘッドで印字した際の熱によるカールが生じない等、
高い性能が求められている。それらの性能を満たす為
に、従来は、各種プラスチックシート、合成紙等とコー
ト紙、アート紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙等の
紙を積層した基材を用いてきた。 しかしながら、昇華
転写方式の普及に伴い、昇華転写受像シートに対して,
プリント速度の向上すなわち高感度化の要求が益々高ま
ってきている。また、基材としてはOHP用途等への利
用から、プラスチックフィルム単層を基材としてもちい
る場合が増加している。この場合は,画像をサーマルヘ
ッドで印画した際の熱によるカールの問題が生じる。
【0004】このような要求を満たす手段の一つとし
て、サーマルヘッドが色材受容層面に対してむらなく接
触するように,色材受容層に従来以上にクッション性を
付与する方法がある。即ち,印画の際に形状的再現性や
濃度的再現性を確保する為に、色材受容層を柔軟な材料
で構成しておき、印画の際に熱転写シートの色材層と熱
転写受像シートの色材受容層との密着を高めるようにす
る方法である。しかし、このような材料は軟化点が低い
ためにブロッキングしやすく、また、色材がにじむ場合
もある。ゆえに、上述のようなクッション性は、基材シ
ートと色材受容層の間にクッション性の良好な樹脂から
なるクッション層を形成することにより得ることができ
る。
【0005】例えば、上述のようなクッション性を付与
する為に上記クッション層に気泡を含有させることが知
られている。しかし、気泡、特に良く知られている熱可
塑性樹脂からなるマイクロカプセル中に低沸点液化ガス
を封入した発泡性マイクロカプセルに由来する気泡は印
画時のサ−マルヘッドからの熱的機械的衝撃に対して弱
く、高濃度を得ようとして高エネルギ−を印画した際に
は気泡が破壊され、印画面にピンホ−ル状の白抜け部分
が生じるという問題があった。また、上記クッション効
果を付与するために上記クッション層に、JIS−K−
6301に規定される100%モジュラスが100Kg
/cm以下である樹脂を主とする中間層を用いる方法が
知られている。しかし、この方法はある程度の効果を発
揮するものの、基材シ−トによっては十分なクッション
効果を付与することはできず、また印画後、熱転写受像
シ−トがカ−ルする等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明において
は、熱転写シ−トと組み合わせ使用される熱転写受像シ
−トの特性として、画像がにじむことなく、又、同一印
字条件においては同一濃度が得られるとともに高感度で
あることを達成し、さらに、印画面にピンホ−ル状の白
抜け部分が生じることがなく、かつ印画後、熱転写受像
シ−トがカ−ルする等の問題のない熱転写受像シ−トを
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは種々研究を行った結果、樹脂の粘弾性特
性の温度依存性が決定的に重要であることに着目し、以
下の本発明によって達成されることを見いだした。即
ち、基材シ−トに、少なくとも中間層と染料受容層とを
積層してなる熱転写受像シ−トにおいて、上記中間層は
熱可塑性樹脂であり、かつ、緩和現象における見掛けの
活性化エネルギ−が250kJ/mol以上である熱転
写受像シ−ト、によって高感度、印字後(印画後)カ−
ル発生防止等の上記課題を達成した。
【0008】
【作用】本発明において、このような中間層を形成する
と熱転写シ−トと熱転写受像シ−トとの密着性が向上す
るのは、中間層自体が剛性が低いために印字の際の圧力
により変形するためと考えられるが、さらに、前記した
ように、中間層は熱可塑性樹脂であり、かつ、緩和現象
における見掛けの活性化エネルギ−が250kJ/mo
l以上であることから、印字の際に与えられる熱エネル
ギ−により、動的弾性率即ち剛性が更に低下して変形し
やすくなることが寄与しているものと推察される。
【0009】
【実施例】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。本発明の熱転写受像シ−トは図1のよ
うに、基材シ−ト1の表面に中間層2、染料受容層3を
形成した構造となっており、中間層2はサ−マルヘッ
ド、熱転写シ−ト、熱転写受像シ−トの密着を完全にし
エア−ギャップ等が生じないようにクッション効果を与
えて印字(印画)濃度を高く、即ち高感度とする効果が
あるとともに、印字後(印画後)の熱転写受像シ−トの
カ−ルを防止する効果がある。
【0010】本発明で使用する基材シ−ト1は特に限定
されず、例えば、普通紙、上質紙、両面または片面コ−
ト紙、両面または片面ア−ト紙、両面または片面キャス
トコ−ト紙、合成紙、トレ−シングペ−パ−、コンデン
サ−ペ−パ−、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム等
のプラスチックフィルム、等いずれのシ−トまたはフィ
ルムでもよい。また、これらの積層体でもよい。要求さ
れる質感、引き裂き強度等のよって任意の材質、厚さの
基材シ−ト1を用いることができる。
【0011】基材シ−ト1は中間層2及び染料受容層3
を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には
熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障
のない程度の機械的熱的強度を有することが望ましい。
本発明の特徴的部分である中間層2は、熱可塑性樹脂で
あり、かつ、緩和現象における見掛けの活性化エネルギ
−が250kJ/mol以上である。
【0012】ここに於いて動的粘弾性について、試験片
モデルとして、Maxwell要素(弾性要素と粘性要
素が直列接続されている)に基づいて、以下に説明す
る。高弾性と粘性が相伴って生ずる場合、応力Sと変移
Υの関係式か、それぞれ弾性の場合、粘性の場合、 Υk =S/E 式(1) dΥv /dt=S/η で与えられるから、両者が同時に働くとき、実際の変移
はΥ=Υk +Υv であるから、この二つの式を組み合わ
せて、 dΥ/dt=dΥk /dt+dΥk /dt =(1/Ε)dS/dt+(1/η)S 式(2) となる。この式(2)はMaxwellの式とよばれ
る。
【0013】正弦的ひずみΥ=Υ0 exp(iωt)を
与えるときには、応力Sは次のようになる。 S=ΕΥ(ω2 τ2 +iω2 τ2 )=S′+iS″ 式(3) ここに、 S=応力 Υ=ひずみ(変移) ω=角周波数 t=時間 η=粘性率 Ε=弾性率(弾性要素の) τ=緩和時間(η/E)
【0014】即ち、応力はひずみと同じ位相をもった実
数部S′と位相が90°進んだ虚数部S″とからなり、
全体としてひずみよりδだけ位相が進む。ただし、 tanδ=S″/S′ 式(4) 応力とひずみの比として弾性率を定義すれば、この場合
の弾性率は複素数であり、しかも角周波数ωの関数であ
る。これを記号Ε* (ω)で表せば、 E* (ω)=E((ω2 τ2 )/(1+ω2 τ2 ) +iEωτ/(1+ω2 τ2 ) 式(5) =E′(ω)+iE″(ω) 式(6) tanδ=E″(ω)/E′(ω) 式(7)
【0015】E* (ω)を複素弾性率(complex modu
lus )、実数部E′(ω)を貯蔵弾性率(storage mo
dulus )または動的弾性率(dynamic loss)などとよ
ぶ。tanδは(力学的)損失正接(mechanical loss
tangennt)とよばれる。またここに於いて、緩和現象
の見掛けの活性化エネルギ−とは、後述するようにポリ
マ−の動的粘弾性測定の結果から求めることができる。
この活性化エネルギ−を評価することにより、得られた
各分散が、ガラス転移、局所緩和、または側鎖の緩和
等、分子構造上どのような運動に対応しているかを推定
する手がかりを得ることができる。
【0016】MullerとHuffは、損失弾性率ま
たは損失正接の測定周波数fとピ−クトップ温度Tよ
り、logf対1/Tプロットを行い、これが直線にな
ると近似した。logf対1/Tが直線になるという仮
定は、この関数形がア−レニウス型であり、この温度範
囲で活性化エネルギ−ΔEが一定であると見ていること
を意味している。この方法による活性化エネルギ−ΔE
は、次式により算出することができる。 ΔE=R〔d(lnf)/d(l/T)〕 =2.303R〔d(logf)/d(l/T)〕 式(8) ここに、 ΔE=活性化エネルギ− R =気体定数 f =周波数 T =絶対温度
【0017】従って、温度分散と周波数分散の同時測定
の結果における損失正接(tanδ)デ−タの、各測定
周波数f(Hz)とピ−クトップ温度T(K)から、式
(8)により見掛けの活性化エネルギ−ΔE(kJ/m
ol)を求めることができる。また、温度分散と周波数
分散の同時測定におけるtanδ曲線で、ガラス転移に
おける分散をα分散とよび、局所緩和による分散をβ分
散とよぶ。
【0018】前述の条件に合致する樹脂としては次のよ
うなものの中から選択することができる。 ポリウレタン樹脂、 ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂 ポリブタジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変性フェノ−ル樹脂 テルペンフェノ−ル樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用する
ことができる。
【0019】本発明においては、上記中間層2の樹脂は
比較的粘着性を有しているので、加工中に支障があると
きには無機質の添加物、例えば、シリカ、アルミナ、ク
レ−、炭酸カルシウムなど、あるいは、ステアリン酸ア
ミド等のアミド系物質を添加してもよい。 また、白色
性付与、平滑性付与、耐スクラッチ性向上等の目的で、
各種の蛍光増白剤や白色顔料、例えば酸化チタン、タル
ク、炭酸カルシウムなどを加えてもよい。
【0020】中間層2は上記したような樹脂を必要に応
じて他の添加物とともに、溶剤・希釈剤等と混練して塗
料もしくはインキとし、公知の塗布方法、例えばグラビ
アコ−ティング法、ナイフコ−ティング法、スライドコ
−ティング法、リバ−スロ−ルコ−ティング法等の形成
手段によりにより塗膜とし、さらに乾燥させることによ
り成形でき、その厚みは1.5〜50μm、より好まし
くは3〜20μm程度である。厚みが1.0μm未満で
は設けた基材シ−トの表面の粗さを吸収しきれず、従っ
て効果がなく、逆に50μmを越えると、効果の向上が
見れないばかりか、熱転写受像シ−トが厚くなりすぎて
巻き取ったり、重ねたりするとかさばるし、又、プリン
タ−内における搬送に支障が生じる。
【0021】染料受容層3は熱転写フィルムから移行し
てくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する
ためのものである。染料受容層3を形成するための樹脂
としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロ
ゲン化ポリマ−、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステ
ル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと
他のビニルモノマ−との共重合体系樹脂、アイオノマ
−、セルロ−スジアセテ−ト等のセルロ−ス系樹脂、ポ
リカ−ボネ−ト等が挙げられ、特に好ましいものは、ポ
リエステル系樹脂および塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体である。
【0022】熱転写フィルムと染料受容層3の融着もし
くは印画感度の低下等を防ぐ目的で上記樹脂に離型剤を
混合することができる。混合して使用する好ましい離型
剤としては、シリコ−ンオイル、リン酸エステル系界面
活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコ
−ンオイルが望ましい。そのシリコ−ンオイルとして
は、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボ
キシル変性、アルコ−ル変性、フッ素変性、アルキルア
ラルキルポリエテ−ル変性、エポキシ・ポリエ−テル変
性、ポリエ−テル変性等の変性シリコ−ンオイルが望ま
しい。
【0023】離型剤は1種もしくは2種以上のものが使
用される。また、この離型剤の添加量は染料受容層4形
成樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ま
しい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写フ
ィルムと染料受容層4の融着もそくは印画感度の低下等
の問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受
容層4に添加することによって、転写後の染料受容層4
の表面に離型剤がブリ−ドアウトして離型層が形成され
る。
【0024】染料受容層3は、前記中間層2の表面に、
上記のごとき樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたも
のを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水
に分散した分散体を、上記した中間層と同じ形成手段に
より塗布および乾燥することによって形成される。上記
染料受容層3の形成に際しては、染料受容層3の白色度
を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、
蛍光増白剤等を添加することができる。
【0025】以上のように形成される染料受容層3は任
意の厚さでよいが、一般的には1〜50μmの厚さであ
る。又、このような染料受容層4は連続被覆であるのが
好ましいが、樹脂エマルジョンもしくは水溶性樹脂や樹
脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよ
い。
【0026】以上のように本発明の熱転写受像シ−ト
は、各層を基材シ−ト1に塗工して形成することもでき
るが、基材シ−ト1が、表面の目の粗いパルプ氏の場合
は、塗工方法では塗工液がパルプ紙に不均一に含浸して
均一な層を形成しにくいが、転写方法であれば、このよ
うな問題を容易に回避することができる。図1とは異な
る実施様態の本発明の熱転写シ−トの断面図が模式的に
図2に示されている。この熱転写シ−トは図2のよう
に、基材フィルム4の表面に剥離層5、染料受容層3、
中間層2、接着剤層6を形成してなる。転写方法で使用
する染料受容層用の転写フィルムは、基材フィルム4の
一方の面に前記のように染料受容層3、中間層2及び接
着剤層6をこの記載の順序に剥離可能に積層したもので
ある。 尚、中間層2及び染料受容層3等の形成方法は
前記と同様である。
【0027】上記基材フィルム4の材料としては、従来
の熱転写フィルムに使用されているのと同じ基材フィル
ムをそのまま用いることができると共に、その他のもの
も使用することができ、特に制限されない。好ましい基
材フィルム4の具体例としては、例えば、グラシン紙、
コンデンサ紙、パラフィン紙等の薄葉紙、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカ−ボネ−ト、酢
酸セルロ−ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
アイオノマ−等のプラスチック或いはこれらと前記紙と
を複合した基材フィルム等が挙げられる。 この基材フ
ィルム4の厚さは、その強度等が適切になるように、材
料に応じて適宜変更することができるが、その厚さは好
ましくは3〜100μmである。
【0028】染料受容層3の形成に先だって、基材フィ
ルム4の面に剥離層を形成することもできる。このよう
な剥離層はワックス類、シリコ−ンワックス、シリコ−
ン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤から形成
される。形成方法は前記染料受容層3の形成方法と同様
でよく、その厚みは0.5〜5μm程度で十分である。
また、転写後に艶消し染料受容層3が望ましい場合に
は、剥離層中に各種の粒子を包含させるか或いは剥離層
側表面をマット処理した基材フィルム4を使用すること
により表面マット状にすることもできる。勿論、上記の
ように、基材フィルム4が適度な剥離性を有している場
合には剥離層の形成は不要である。
【0029】上記接着剤6の材料としては、例えば、エ
チレン酢酸ビニル共重合樹脂系又は、アクリル系などの
エマルジョンもしくは水溶性樹脂粘着剤及び接着剤、2
液硬化型ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、塩化ビ
ニル系接着剤等が挙げられるが、特に限定されない。こ
の接着剤層6の厚さは好ましくは1〜50μmである。
【0030】転写方法によって染料受容層3を形成する
には、前記の方法で基材フィルム4の一方の面に染料受
容層3、中間層2、接着剤層6を積層したものを、受像
シ−トの基材シ−ト1に重ねて貼り合せた後基材フィル
ム4を剥離する。貼り合せの方法は、ドライラミネ−シ
ョン、ウェットラミネ−ション、押し出しラミネ−ショ
ン等、受像シ−トの基材シ−ト1の材質や接着剤の種類
によって任意に選べる。
【0031】次に、更に具体的な実施例及び比較例を挙
げて本発明を詳述する。文中、部又は%とあるのには特
に断りのない限り重量基準である。 (実施例1) 〔熱転写受像シ−トの作成〕基材としては厚さ約70μ
mのコ−ト紙(神崎製紙 (株) 製ホワイト金藤84.9
g/m2 )の両面に発泡ポリプロピレン(東洋紡績
(株) 製トヨパールSS厚さ60μmをドライラミネー
ション法により、積層したものを用いた。基材の上に、
中間層として塩素化ポリプロピレン(東洋化成 (株) 製
ハードレンB−13)活性化エネルギ−348kJ/m
olを、3.0μmの厚さで塗工した。染料受容層とし
て以下の組成の塗工液を、中間の上に塗工して熱転写受
像シ−トとした。受容層の乾燥厚みは3.5μmであ
る。
【0032】 受容層用塗工液 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(電気化学工業 (株) 製1000A)16部 アミノ変性シリコ−ン(信越化学工業 (株) 製X−22−3050C) 2部 エポキシ変性シリコ−ン( 同上 X−22−3000E) 2部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 合計100部
【0033】(実施例2)基材として透明PETフィル
ム(東レ (株) 製T−60厚さ150μm)を用い、そ
の上に中間層として実施例1と同じ塩素化ポリプロピレ
ンを43μmの厚さで形成した。その他は、実施例1と
同じである。 (実施例3)基材として厚さ約120μmのア−ト紙
(日本加工紙 (株) 製NKハイコ−ト)の上に、実施例
1と同じ中間層および受容層を形成した。但し、中間層
の厚さは30μmとした。 (実施例4)中間層として実施例1と同じ塩素化ポリプ
ロピレンに、アナタ−ゼ型の酸化チタンおよび蛍光増白
剤を添加した。組成は下記に示す。他は、実施例1と同
じである。 中間層組成 塩素化ポリプロピレン(東洋化成 (株) 製ハ−ドレンB−13) 89部 酸化チタン平均粒径2μm 20部 蛍光増白剤 1部 合計100部 (実施例5)実施例3において中間層の厚さを55μm
とした。他は、実施例3と全く同じである。 (実施例6)実施例3において中間層の厚さを0.5μ
mとした。他は、実施例3と全く同じである。
【0034】(比較例1)実施例2において、中間層と
してポリウレタン(日本ポリウレタン工業 (株)製DN
−5812活性化エネルギ−208.9kJ/mol)
を用いた。他は、実施例2と同じである。 (比較例2)実施例1において、中間層としてポリウレ
タン(日本ポリウレタン工業 (株)製DN−5980活
性化エネルギ−234.4kJ/mol)を用いた。他
は、実施例1と同じである。 (比較例3)実地例3において、中間層を用いなかっ
た。中間層の代わりに塩化ビニリデン樹脂に発泡剤(松
本油脂製薬 (株) 製F−50)を混入し、それを10.
0g/m2 塗工、乾燥させて発泡層を形成した。他は、
実施例3と同じである。
【0035】以上に記した実施例および比較例は、以下
の方法で印字して評価した。 濃度、画質・・・16m秒/lineで3色グレイ14
階調印字 カ−ル・・・・・16m秒/lineで3色ベタ印字 以下に評価結果を示す。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば熱転写受像
シートの中間層は、緩和現象における見かけの活性化エ
ネルギーが250kJ/mol以上である熱可塑性樹脂
を使用することにより、画像がにじむことなく、又、同
一印字条件においては同一濃度が得られるとともに高感
度であることを達成し、さらに、印画面にピンホ−ル状
の白抜け部分が生じることがなく、かつ印画後、熱転写
受像シ−トがカ−ルする等の問題のない熱転写受像シ−
トを得ることができた。また、本発明によれば熱転写受
像シートの中間層に無機顔料又は/及び蛍光増白剤を含
有することによって、白色度に優れ、高感度で印字後カ
ールしない熱転写受像シートを得ることができた。ま
た、本発明によれば熱転写受像シートの中間層の厚さが
1.0μm以上50μm以下であるから、更に高感度で
印字後カールしない熱転写受像シートを得ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの構成を模式的に示
す断面図。
【図2】本発明の熱転写受像シートを得る転写シートの
構成を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1 基材シート 2 中間層 3 染料需要層 4 基材フィルム 5 剥離層 6 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米谷 伸二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 大西 二郎 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートに少なくとも中間層と色材受容
    層とを積層してなる熱転写受像シートにおいて、上記中
    間層は熱可塑性樹脂であり、かつ、緩和現象における見
    かけの活性化エネルギーが250kJ/mol以上であ
    ることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】上記中間層が無機顔料を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】上記中間層が蛍光増白剤を含有することを
    特徴とする請求項1、2に記載の熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】上記中間層の厚さが1.0μm以上50μ
    m以下であること特徴とする請求項1、2、3に記載の
    熱転写受像シート。
JP5263117A 1993-09-28 1993-09-28 熱転写受像シート Pending JPH0789248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5263117A JPH0789248A (ja) 1993-09-28 1993-09-28 熱転写受像シート

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