JPH078878B2 - 有機錫化合物の除去法 - Google Patents
有機錫化合物の除去法Info
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- JPH078878B2 JPH078878B2 JP6715689A JP6715689A JPH078878B2 JP H078878 B2 JPH078878 B2 JP H078878B2 JP 6715689 A JP6715689 A JP 6715689A JP 6715689 A JP6715689 A JP 6715689A JP H078878 B2 JPH078878 B2 JP H078878B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機錫化合物の工業上有用な除去法に関する。
モノおよびジ有機錫化合物は工業的に価値が高く、ポリ
塩化ビニル樹脂用安定剤、有機合成触媒、カチオン電着
塗装触媒またはそれらの合成中間体などとして多用さ
れ、また、トリ有機錫化合物は農薬などの分野で重要な
位置をしめている。特に、近年、有機錫オキサイドはエ
ステル交換法などの有機合成反応において、触媒として
重用されている。
塩化ビニル樹脂用安定剤、有機合成触媒、カチオン電着
塗装触媒またはそれらの合成中間体などとして多用さ
れ、また、トリ有機錫化合物は農薬などの分野で重要な
位置をしめている。特に、近年、有機錫オキサイドはエ
ステル交換法などの有機合成反応において、触媒として
重用されている。
ところで、エステル交換反応において、有機錫化合物を
触媒として使用する場合、生成した反応混合物から除去
することが必要である。しかしながら、有機錫化合物を
洗浄、濾過、蒸留、再結晶などの通常の方法により除去
することには種々の難点があった。
触媒として使用する場合、生成した反応混合物から除去
することが必要である。しかしながら、有機錫化合物を
洗浄、濾過、蒸留、再結晶などの通常の方法により除去
することには種々の難点があった。
すなわち、有機錫化合物は通常、水不溶性または水難溶
性のため有機層に溶解しており、水洗浄のみによって反
応系から除去することはほとんど不可能である。また、
アルカリ水溶液を用いて対応する水酸化物にするなどし
て、溶媒に不溶性の化合物に変えて濾過する方法もある
が、水酸化物の粒子形が微細であり、濾過効率が悪く、
濾過に長時間を要し、工業上問題である。このようなこ
とから、蒸留操作により目的物を分取して、有機錫化合
物を残査として得る方法、吸着剤を用いて有機錫化合物
を吸着させる方法、または再結晶などの手段により母液
中に残す方法などが採られてきていた。ところが、これ
らの方法はいずれも特殊な装置を要することなどの設備
上の問題があり、また、有機錫化合物の除去率、目的物
の収率などの点で工業的に満足できる結果が得られてい
ないのが実状である。
性のため有機層に溶解しており、水洗浄のみによって反
応系から除去することはほとんど不可能である。また、
アルカリ水溶液を用いて対応する水酸化物にするなどし
て、溶媒に不溶性の化合物に変えて濾過する方法もある
が、水酸化物の粒子形が微細であり、濾過効率が悪く、
濾過に長時間を要し、工業上問題である。このようなこ
とから、蒸留操作により目的物を分取して、有機錫化合
物を残査として得る方法、吸着剤を用いて有機錫化合物
を吸着させる方法、または再結晶などの手段により母液
中に残す方法などが採られてきていた。ところが、これ
らの方法はいずれも特殊な装置を要することなどの設備
上の問題があり、また、有機錫化合物の除去率、目的物
の収率などの点で工業的に満足できる結果が得られてい
ないのが実状である。
一般に、有機錫化合物を触媒とする反応では目的物が好
収率、好品質で得られることから、特別な精製手段を用
いることなく、この触媒を除去することができれば、目
的物はそのまま製品として使用しうるのである。したが
って、本発明は有機錫化合物含有エステル交換反応液か
ら簡便かつ効率よく、有機錫化合物を除去する方法を提
供することを目的としている。
収率、好品質で得られることから、特別な精製手段を用
いることなく、この触媒を除去することができれば、目
的物はそのまま製品として使用しうるのである。したが
って、本発明は有機錫化合物含有エステル交換反応液か
ら簡便かつ効率よく、有機錫化合物を除去する方法を提
供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討した
結果、カルボン酸化物水溶液を用いて有機溶媒に不溶性
の有機錫化合物とすることによって、容易に有機錫化合
物を除去しうることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
結果、カルボン酸化物水溶液を用いて有機溶媒に不溶性
の有機錫化合物とすることによって、容易に有機錫化合
物を除去しうることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
ところで、カルボン酸化合物のみの使用によっても、有
機溶媒に不溶性の有機錫化合物は、生成するが、除去
時、濾過時間が長くかかることもあり、工業生産上困難
なこともある。しかし、本発明のようにカルボン酸化合
物水溶液として使用することにより、非常に濾過の容易
な有機錫化合物として生成することが判明した。この方
法によれば、工業的にも十分操作が可能であり、満足の
いく結果が得られる。
機溶媒に不溶性の有機錫化合物は、生成するが、除去
時、濾過時間が長くかかることもあり、工業生産上困難
なこともある。しかし、本発明のようにカルボン酸化合
物水溶液として使用することにより、非常に濾過の容易
な有機錫化合物として生成することが判明した。この方
法によれば、工業的にも十分操作が可能であり、満足の
いく結果が得られる。
本発明は、有機錫化合物含有エステル交換反応液へカル
ボン酸化合物水溶液を加え、還流脱水することにより生
成する濾過性の良好な不溶性有機錫化合物を除去するこ
とを特徴とする有機錫化合物の除去法に関する。
ボン酸化合物水溶液を加え、還流脱水することにより生
成する濾過性の良好な不溶性有機錫化合物を除去するこ
とを特徴とする有機錫化合物の除去法に関する。
本発明方法に適用しうる有機錫化合物としては、有機錫
ハライド(有機錫クロライド、有機錫ブロマイド、有機
錫アイオダイドなど)、有機錫オキサイド、有機錫酸、
有機錫ハイドロオキサイド、有機錫スルフイッド、有機
錫メルカプタン、有機錫硫酸塩、有機錫アルコキサイド
(アルコキサイド部は炭素数1〜8個のアルキル基を含
む)、有機錫カルボン酸、その塩(アルカリ金属、アル
カリ土類金属、銅、亜鉛、アルミニウムなどの塩)もし
くはそのエステル(エステル部は炭素数1〜8個のアル
キル、アリール、アラルキルを含む)または有機錫チオ
アルカン酸エステル(エステル部は炭素数1〜8個のア
ルキル基を含む)などがあげられ、それぞれモノ−、ジ
−およびトリ有機錫化合物が含まれる。置換基である有
機基としては炭素数1〜8個のアルキル基(メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
第3級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3,
3−テトラメチルブチルなどがあげられ、特にブチル、
オクチルが好ましい。)、炭素数3〜7個のシクロアル
キル(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチルなどがあげられ、特にシクロヘキシ
ルが好ましい。)、フェニル、置換フェニル(置換基と
しては、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基があげ
られる。)、アラルキル(ベンジル、ベンズヒドリル、
トリチル、2−フェニルエチル、ネオフィルなど)など
の炭素数1〜18個の炭化水素基を意味する。
ハライド(有機錫クロライド、有機錫ブロマイド、有機
錫アイオダイドなど)、有機錫オキサイド、有機錫酸、
有機錫ハイドロオキサイド、有機錫スルフイッド、有機
錫メルカプタン、有機錫硫酸塩、有機錫アルコキサイド
(アルコキサイド部は炭素数1〜8個のアルキル基を含
む)、有機錫カルボン酸、その塩(アルカリ金属、アル
カリ土類金属、銅、亜鉛、アルミニウムなどの塩)もし
くはそのエステル(エステル部は炭素数1〜8個のアル
キル、アリール、アラルキルを含む)または有機錫チオ
アルカン酸エステル(エステル部は炭素数1〜8個のア
ルキル基を含む)などがあげられ、それぞれモノ−、ジ
−およびトリ有機錫化合物が含まれる。置換基である有
機基としては炭素数1〜8個のアルキル基(メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
第3級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3,
3−テトラメチルブチルなどがあげられ、特にブチル、
オクチルが好ましい。)、炭素数3〜7個のシクロアル
キル(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチルなどがあげられ、特にシクロヘキシ
ルが好ましい。)、フェニル、置換フェニル(置換基と
しては、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基があげ
られる。)、アラルキル(ベンジル、ベンズヒドリル、
トリチル、2−フェニルエチル、ネオフィルなど)など
の炭素数1〜18個の炭化水素基を意味する。
これら有機錫化合物としては、具体的には、たとえば、
ジメチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド、ジオクチル
錫オキシド、ビストリブチル錫オキシド、モノブチル錫
オキシド、モノブチル錫酸、モノメチル錫酸、モノオク
チル錫酸、モノフェニル錫酸などの有機錫酸化物、ジブ
チル錫スルフィド、ジフェニル錫スルフィドなどの有機
錫硫化物、モノブチル錫トリクロリド、ジブチル錫ジブ
ロミド、モノフェニル錫トリブロミドなどの有機錫ハロ
ゲン化物、ジブチル錫サルフェートなどの有機錫硫酸
塩、ジメチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジアセテート、トリフェニル錫アセテ
ート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレエートなどの有機錫カルボン酸エ
ステル、ジブチル錫チオグレコレート、ビブチル錫β−
メルカプトプロピオネートなどの有機錫チオアルカン酸
エステル、ジブチル錫ジチオールなどの有機錫メルカプ
タン、ジオクチル錫ジメトキシド、ジオクチル錫ジブト
キシド、ジドチル錫ジフェノキシドなどの有機錫アルコ
キシドやフェノキシド、テトラブチル錫、テトラフェニ
ル錫などのテトラアルキルまたはアリール錫があげられ
るが、勿論これらに限定されるものではない。
ジメチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド、ジオクチル
錫オキシド、ビストリブチル錫オキシド、モノブチル錫
オキシド、モノブチル錫酸、モノメチル錫酸、モノオク
チル錫酸、モノフェニル錫酸などの有機錫酸化物、ジブ
チル錫スルフィド、ジフェニル錫スルフィドなどの有機
錫硫化物、モノブチル錫トリクロリド、ジブチル錫ジブ
ロミド、モノフェニル錫トリブロミドなどの有機錫ハロ
ゲン化物、ジブチル錫サルフェートなどの有機錫硫酸
塩、ジメチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジアセテート、トリフェニル錫アセテ
ート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレエートなどの有機錫カルボン酸エ
ステル、ジブチル錫チオグレコレート、ビブチル錫β−
メルカプトプロピオネートなどの有機錫チオアルカン酸
エステル、ジブチル錫ジチオールなどの有機錫メルカプ
タン、ジオクチル錫ジメトキシド、ジオクチル錫ジブト
キシド、ジドチル錫ジフェノキシドなどの有機錫アルコ
キシドやフェノキシド、テトラブチル錫、テトラフェニ
ル錫などのテトラアルキルまたはアリール錫があげられ
るが、勿論これらに限定されるものではない。
これら有機錫化合物含有エステル交換反応液は、通常、
有機溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ヘキサン、フペタン、アイソパーE(エク
ソン化学製、炭素数8〜10の混合溶媒)などの脂肪族炭
化水素類、クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素などがあげられる。)に溶解している。
有機溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ヘキサン、フペタン、アイソパーE(エク
ソン化学製、炭素数8〜10の混合溶媒)などの脂肪族炭
化水素類、クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素などがあげられる。)に溶解している。
有機錫化合物と反応して不溶性化合物を生成するために
用いられるカルボン酸化合物とは脂肪族、芳香族または
複素芳香族カルボン酸で、モノ、ジまたはトリカルボン
酸が含まれる。たとえば酢酸、プロピオン酸、乳酸、シ
ュウ酸、コハク酸、クエン酸、フマール酸、マレイン
酸、マロン酸、アジピン酸、グルタル酸、安息香酸、フ
タル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ニコチン酸などが
あげられる。
用いられるカルボン酸化合物とは脂肪族、芳香族または
複素芳香族カルボン酸で、モノ、ジまたはトリカルボン
酸が含まれる。たとえば酢酸、プロピオン酸、乳酸、シ
ュウ酸、コハク酸、クエン酸、フマール酸、マレイン
酸、マロン酸、アジピン酸、グルタル酸、安息香酸、フ
タル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ニコチン酸などが
あげられる。
不溶性有機錫化合物は有機錫化合物含有エステル交換反
応液に有機酸水溶液を添加し、約10分から数時間還流さ
せ、その後数時間、脱水を行なうことにより生成され
る。なお、必要により濾過助剤(ケイソウ土、パーライ
ト、セルロース、アスベスト、プラスチック粒、鋸屑、
マグネシア、セッコウ、活性炭、酸性白土、ソルカフロ
ックなど)が使用される。カルボン酸化合物の使用量は
有機錫化合物に対して、約0.3〜約10モル、好ましくは
0.5〜5モルでよく適当量の水に溶解し、水溶液として
使用する。また、濾過助剤の有機錫化合物に対する使用
量は約10〜約1000モル、好ましくは100〜500モルがよ
い。
応液に有機酸水溶液を添加し、約10分から数時間還流さ
せ、その後数時間、脱水を行なうことにより生成され
る。なお、必要により濾過助剤(ケイソウ土、パーライ
ト、セルロース、アスベスト、プラスチック粒、鋸屑、
マグネシア、セッコウ、活性炭、酸性白土、ソルカフロ
ックなど)が使用される。カルボン酸化合物の使用量は
有機錫化合物に対して、約0.3〜約10モル、好ましくは
0.5〜5モルでよく適当量の水に溶解し、水溶液として
使用する。また、濾過助剤の有機錫化合物に対する使用
量は約10〜約1000モル、好ましくは100〜500モルがよ
い。
このようにして生成した不溶性有機錫化合物は有機溶媒
に対し、不溶性ないし難溶性を示すものであって、水溶
性であっても差支えないし、また水および有機溶媒に不
溶性ないし難溶性のミセル化合物を形成していてもよ
い。この不溶性有機錫化合物は濾過などの簡便な方法に
よりほぼ完全に分離することができる。また、必要に応
じ、遠心沈降操作などにより得た上澄液を濾過すると、
より効率的である。
に対し、不溶性ないし難溶性を示すものであって、水溶
性であっても差支えないし、また水および有機溶媒に不
溶性ないし難溶性のミセル化合物を形成していてもよ
い。この不溶性有機錫化合物は濾過などの簡便な方法に
よりほぼ完全に分離することができる。また、必要に応
じ、遠心沈降操作などにより得た上澄液を濾過すると、
より効率的である。
このようにして得た濾液は必要に応じ、本発明方法を反
復実施することにより、有機錫化合物の濃度を低減させ
ることができる。
復実施することにより、有機錫化合物の濃度を低減させ
ることができる。
本発明方法により、有機錫化合物が除去されたエステル
交換反応液は、そのまま目的物として使用できるし、ま
た、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの常
法により目的物を単離、精製することができる。
交換反応液は、そのまま目的物として使用できるし、ま
た、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの常
法により目的物を単離、精製することができる。
本発明方法を実施することにより、反応系から不要な有
機錫化合物を10ppm以下の濃度にまでほぼ完全に除去す
ることができ、また特別な装置も不要であることから操
作も極めて簡便であり、さらに、目的物はほとんど吸着
除去されないことから、工業的にすぐれた方法である。
機錫化合物を10ppm以下の濃度にまでほぼ完全に除去す
ることができ、また特別な装置も不要であることから操
作も極めて簡便であり、さらに、目的物はほとんど吸着
除去されないことから、工業的にすぐれた方法である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1 モノブチル錫オキサイドを触媒として用い3−(3,5−
ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸メチルとペンタエリスリトールとのエステル交換反応
により生成したテトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタンのトルエン溶液300ml(錫含量700ppm)にシ
ュウ酸・2水和物0.5gを水6gに溶解した水溶液を加え、
還流下30分間攪拌し、その後、還流脱水を2時間行な
う。そして約100℃まで冷却し、合成ケイ酸マグネシウ
ム0.6gを加えて30分間100℃で攪拌する。その後100℃で
濾過して透明なトルエン溶液を得る。原子吸光光度法に
より錫残存量を測定したところ3ppmであった。(除去率
99.6%) 実施例2 溶媒をトルエンからアイソパーEに変えて実施例1と同
様な操作を行なったところ、錫残存量は5ppmであった。
(除去率99.3%) 実施例3 モノブチル錫オキサイドを触媒として用いて3−(3,5
−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸メチルとオクタデシルアルコールとのエステル交換
反応により生成した3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルのトル
エン溶液300ml(錫含量200ppm)にシュウ酸・2水和物
0.1gを水2gに溶解した水溶液を加え、還流下30分間攪拌
し、その後、還流脱水を2時間行なう。そして約100℃
まで冷却し、ソルカフロック0.2gを加えて30分間100℃
で攪拌する。その後100℃で濾過して透明なトルエン溶
液を得る。原子吸光光度法により錫残存量を測定したと
ころ、1ppmであった。(除去率99.5%) 実施例4 実施例1においてモノブチル錫オキサイドの代りに、ト
リフェニル錫アセテートまたはジオクチル錫メトキサイ
ドを用いて同様のエステル交換反応を行ない、ついで処
理したところ、錫残存量はそれぞれ5または6ppmであっ
た。
ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸メチルとペンタエリスリトールとのエステル交換反応
により生成したテトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタンのトルエン溶液300ml(錫含量700ppm)にシ
ュウ酸・2水和物0.5gを水6gに溶解した水溶液を加え、
還流下30分間攪拌し、その後、還流脱水を2時間行な
う。そして約100℃まで冷却し、合成ケイ酸マグネシウ
ム0.6gを加えて30分間100℃で攪拌する。その後100℃で
濾過して透明なトルエン溶液を得る。原子吸光光度法に
より錫残存量を測定したところ3ppmであった。(除去率
99.6%) 実施例2 溶媒をトルエンからアイソパーEに変えて実施例1と同
様な操作を行なったところ、錫残存量は5ppmであった。
(除去率99.3%) 実施例3 モノブチル錫オキサイドを触媒として用いて3−(3,5
−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸メチルとオクタデシルアルコールとのエステル交換
反応により生成した3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルのトル
エン溶液300ml(錫含量200ppm)にシュウ酸・2水和物
0.1gを水2gに溶解した水溶液を加え、還流下30分間攪拌
し、その後、還流脱水を2時間行なう。そして約100℃
まで冷却し、ソルカフロック0.2gを加えて30分間100℃
で攪拌する。その後100℃で濾過して透明なトルエン溶
液を得る。原子吸光光度法により錫残存量を測定したと
ころ、1ppmであった。(除去率99.5%) 実施例4 実施例1においてモノブチル錫オキサイドの代りに、ト
リフェニル錫アセテートまたはジオクチル錫メトキサイ
ドを用いて同様のエステル交換反応を行ない、ついで処
理したところ、錫残存量はそれぞれ5または6ppmであっ
た。
実施例5 実施例2においてモノブチル錫オキサイドの代りに、ジ
ブチル錫ジクロライド、ジメチル錫ビス(2−エチルヘ
キシルチオグリコレート)、テトラメチル錫またはジオ
クチル錫ジブロマイドを用いて同様の反応、処理を行な
ったところ、錫残存量はそれぞれ7、4、6または3ppm
であった。
ブチル錫ジクロライド、ジメチル錫ビス(2−エチルヘ
キシルチオグリコレート)、テトラメチル錫またはジオ
クチル錫ジブロマイドを用いて同様の反応、処理を行な
ったところ、錫残存量はそれぞれ7、4、6または3ppm
であった。
実施例6 パラヒドロキシ安息香酸メチル、ベンジルアルコールお
よびジブチル錫オキサイドを用いてエステル交換反応を
行ない、生成したパラヒドロキシ安息香酸ベンジルのト
ルエン溶液300ml(錫含量400ppm)にクエン酸0.2gを水4
gに溶解した水溶液を加え、還流下30分間攪拌し、その
後、還流脱水を2時間行なう。約100℃まで冷却しソル
カフロック0.4gを加えて30分間100℃で攪拌する。その
後100℃で濾過すると、錫含量が3ppmであった。(除去
率99.3%)
よびジブチル錫オキサイドを用いてエステル交換反応を
行ない、生成したパラヒドロキシ安息香酸ベンジルのト
ルエン溶液300ml(錫含量400ppm)にクエン酸0.2gを水4
gに溶解した水溶液を加え、還流下30分間攪拌し、その
後、還流脱水を2時間行なう。約100℃まで冷却しソル
カフロック0.4gを加えて30分間100℃で攪拌する。その
後100℃で濾過すると、錫含量が3ppmであった。(除去
率99.3%)
Claims (1)
- 【請求項1】有機錫化合物を触媒とするエステル交換反
応液へカルボン酸化合物水溶液を加え、生成する不溶性
有機錫化合物を除去することを特徴とする有機錫化合物
の除去法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6715689A JPH078878B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-03-17 | 有機錫化合物の除去法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7281488 | 1988-03-25 | ||
JP63-72814 | 1988-03-25 | ||
JP6715689A JPH078878B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-03-17 | 有機錫化合物の除去法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01316389A JPH01316389A (ja) | 1989-12-21 |
JPH078878B2 true JPH078878B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=26408333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6715689A Expired - Lifetime JPH078878B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-03-17 | 有機錫化合物の除去法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH078878B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102018131625A1 (de) * | 2018-12-10 | 2020-06-10 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetengetriebe für eine Robotergetriebeanordnung |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69905775T2 (de) | 1998-02-02 | 2003-10-16 | Ciba Sc Holding Ag | Verfahren zum Herstellen von substituierten Hydroxyhydrozimtsäureestern durch Entfernung von Zinnkatalysatoren |
CN110573489A (zh) * | 2017-04-26 | 2019-12-13 | 大阪有机化学工业株式会社 | 多官能丙烯酸酯的制造方法 |
-
1989
- 1989-03-17 JP JP6715689A patent/JPH078878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102018131625A1 (de) * | 2018-12-10 | 2020-06-10 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetengetriebe für eine Robotergetriebeanordnung |
DE102018131625B4 (de) * | 2018-12-10 | 2020-10-08 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetengetriebe für eine Robotergetriebeanordnung |
US11298817B2 (en) | 2018-12-10 | 2022-04-12 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetary gearing for a robot gearing arrangement |
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Publication number | Publication date |
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JPH01316389A (ja) | 1989-12-21 |
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