JPH0788483A - 廃液の中和処理剤 - Google Patents

廃液の中和処理剤

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JPH0788483A
JPH0788483A JP25647693A JP25647693A JPH0788483A JP H0788483 A JPH0788483 A JP H0788483A JP 25647693 A JP25647693 A JP 25647693A JP 25647693 A JP25647693 A JP 25647693A JP H0788483 A JPH0788483 A JP H0788483A
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JP
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alkali
acid
waste liquid
alkaline earth
neutralizing agent
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JP25647693A
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Fujio Shimono
富二雄 下野
Hisakuni Ito
寿国 伊藤
Hiroshi Kawai
寛 河合
Hisashi Nonoyama
尚志 野々山
Satoru Yamamoto
哲 山本
Tomoyoshi Uchigaki
友好 内垣
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で、取り扱いが容易であり、強酸、ある
いは強アルカリ性の両廃液を、どちらも中和することが
できる中和処理剤を提供する。 【構成】 酸化物基準で、 B2O3:50〜97mol% R2O : 3〜30mol% SiO2: 30mol%以下 R'O : 35mol%以下 (但し、R はアルカリ金属であり、R'はアルカリ土類金
属である)で表される組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強酸、或いは強アルカ
リ性を呈する工業廃液の中和処理剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】熱間圧延による鋼材の製造、或いは鋼材の
熱処理工程においては、鋼材表面に生成するスケールを
除去するために酸洗いがおこなわれている。また、ステ
ンレス鋼や耐熱鋼等に生成する密着性のスケールにおい
ては、カセイソーダを主成分とするアルカリ浴に浸漬
後、水洗しさらに酸洗いをおこなうように2段階の表面
処理がおこなわれる場合がある。また、金属加工業にお
いては錆を防止する為に、表面に防錆油を塗布した鋼材
を後加工する際には、アルカリ浴による脱脂洗浄処理が
必要である。
【0003】上記した処理工程の際に生成される強酸、
或いは強アルカリ性を呈する廃液はそのまま排出される
ことはなく、中和処理され、或いは中和処理後に廃液中
に残留する重金属等を凝集、沈殿、分離処理を施して安
全な廃水に処理される。この中和処理に際しては生成す
る強酸、或いは強アルカリ性を呈する廃水を一旦多量の
水で希釈し、その後廃液のpHに応じて、酸性廃液であれ
ばアルカリ処理剤(例えばNaOH、NaCO3等)、アルカリ
性廃液であれば酸処理剤(例えば塩酸、硝酸、硫酸等)
を添加し、ほぼpHが中性となるように処理するものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、廃液の
中和に用いるアルカリ処理剤或いは酸処理剤は、それ自
体有害物質であり、取り扱いに危険を伴う。また、強酸
及び強アルカリ性を呈する廃液の両方が生成される場合
には、それぞれ別々の中和処理剤を用意する必要があ
り、この為に廃液中和処理設備の簡素化の妨げとなって
いた。
【0005】よって、本発明は上記のような問題点を解
消し、安全で、取り扱い性が容易であるばかりでなく、
強酸及び強アルカリ性を呈するどちらの廃液にも作用す
る中和処理剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成すべく、先ず、pHを弱アルカリに保つという緩
衝作用を有する硼酸ナトリウムの組成に注目し、さらに
種々検討を重ねた結果、B2O3、及びR2O とを主体とする
特定組成割合の組成物が、硼酸ナトリウム単独よりも優
れたpH緩衝作用を呈し、強酸及び強アルカリ性を呈する
どちらの廃液もpHを中和域に保持することを見い出し、
本発明を完成した。
【0007】よって、本発明の要旨とするところの第1
の発明は、硼酸、メタ硼酸、四硼酸、アルカリ硼酸塩、
アルカリ土類硼酸塩のうちから選ばれた少なくとも1種
の硼酸化合物と、アルカリ金属の水酸化物、硫酸化物、
硝酸化物、炭酸化物のうちから選ばれた少なくとも1種
のアルカリ化合物と、珪酸、アルカリ珪酸のうちから選
ばれた珪酸化合物と、アルカリ土類金属の水酸化物、硫
酸化物、硝酸化物、炭酸化物のうちから選ばれたアルカ
リ土類化合物から成る組成物であって、該組成物は、酸
化物基準で、 B2O3:50〜97mol% R2O : 3〜30mol% SiO2: 30mol%以下 R'O : 35mol%以下 であることを特徴とする廃液の中和処理剤である。
【0008】また、第2の発明は、酸化物基準mol%でB2
O3:50〜97、R2O :3〜30、SiO2:30以下、R'
O :35以下のガラスであることを特徴とする廃液の中
和処理剤である。
【0009】ここで、R はLi、Na、K のうちから選ばれ
た1種又は2種以上のアルカリ金属であり、R'は Mg 、
Ca、Sr、Baのうちから選ばれた1種又は2種以上のアル
カリ土類金属である。
【0010】
【作用】本発明の中和処理剤は、廃液に添加することに
よって溶解しながらイオンを放出し、放出されたイオン
は廃液中のH+ あるいはOH- 基に作用して、廃液を中性
域に保持する働きをするものと考えられる。なお、本発
明において、中性域とあるのは、排水基準のpH範囲を考
慮して、pH6〜9を示すことを前提とするものである。
【0011】本発明におけるB2O3は、後述するR2O と併
用されて、pH緩衝作用を示す主体となる成分であって、
50mol%未満ではアルカリ性廃液に対するpH緩衝力が弱
くなり、廃液を中性に保持させることが困難となる。一
方、97mol%超では酸性廃液に対するpH緩衝力が弱くな
り、同様に廃液を中性に保持させることが困難となる。
【0012】R2O はB2O3と併用されてpH緩衝作用を示す
重要な成分であって、3mol%未満ではpH緩衝力が弱くな
り、30mol%超では 中和処理剤の溶解液自体がアルカ
リ性となるので、廃液を中性域に保持させることが困難
となる。また、R となるアルカリ金属としてはLi、Na、
K のうちから選ばれた1種又は2種以上が使用できる
が、Naがより好ましく使用できる。
【0013】なお、B2O3とR2O とのmol%比(R2O /B
2O3)は0.1以上0.5未満であるときpH緩衝作用が
最も有効に作用し、廃液を中性域に安定して保持するこ
とができるものである。
【0014】SiO2はpHを維持安定化するために配合する
ものであって、30mol%まで含有することができる。3
0mol%超では未溶融となって廃液中に残留するので、過
剰添加となり、好ましくない。
【0015】R'O はpH緩衝力を強化するために配合する
ものであって、35mol%まで含有することができる。3
5mol%超では未溶融となって廃液中に残留するので、過
剰添加となり、好ましくない。また、R'となるアルカリ
土類金属としてはMg、Ca、Sr、Ba、のうちから選ばれた
1種又は2種以上が使用できるが、Caがより好ましく使
用できる。
【0016】このようにして構成される本発明の中和処
理剤は好ましくは、水に対する溶解液のpHが6〜9の範
囲となる組成下で使用することによって、優れた作用効
果が発揮される。
【0017】本発明の第1の発明にかかる中和処理剤
は、廃液に対する溶解性を高める観点から、粉末形態で
使用することが好ましい。
【0018】次に、本発明の第2の発明にかかる中和処
理剤は、ガラス状物質からなるものであって、例えば第
1の発明にかかる各化合物を混合し、1000〜130
0℃で数時間溶融することによって得ることができる。
また、使用する形態は廃液に対する溶解性を高める観点
から、粉末状、又は粗粒状形態が好ましい。このガラス
は水分の接触下において、徐々にイオンを放出する水に
可溶な徐放性ガラスとなるので、中和処理剤として廃液
に添加すれば、長期間にわたりpH緩衝作用を引き起こす
イオンを放出し続けるので、連続的な廃液処理に適応す
る。
【0019】さらに、第1発明、ならびに第2の発明の
中和処理剤を微粒子化し水溶媒に懸濁させることによっ
て、本発明の中和処理剤が高濃度に分散したスラリー形
態として使用することもできる。その際、各原料の混合
物、あるいはガラス化したものをボールミル等の粉砕媒
体を介して、水溶媒による湿式粉砕をおこなうことによ
って、本発明の中和処理剤の粉砕と、加えて、予め成分
を幾らか水溶媒に溶解させることができる。これによる
スラリー状中和処理剤は、廃液を直に中和させるという
即効性が付与される。
【0020】なお、スラリー中に含有させる第1発明、
ならびに第2の発明の中和処理剤は、水溶媒に対して5
〜30wt% とするのが好ましい。含有率が5wt% 未満で
は、スラリー中の中和処理剤濃度が低いので、pH緩衝作
用を引き起こす為には廃液に添加するスラリーを多量に
使用せざるおえなくなる。また、中和処理剤の大部分が
スラリー中で溶解してしまうので、中和処理剤としての
効力の寿命が低下する恐れがある。一方、30wt% 超で
はスラリーの粘性が増大し、ペースト状となるので、こ
の状態で廃液に添加しても均一に分散しない。
【0021】
【実施例】
(実施例1)B2O3、あるいはNa2B4O7 を用いて、B2O3
Na2Oのモル比が表1の各比率となる混合物の中和処理剤
を作製し、酸性、あるいはアルカリ性に調整した試液に
5wt% 添加した場合の、その後のpH変化を調査した。酸
性試液は水にHClを加え、pH2に調整したものを、アル
カリ性試液は水にNaOHを加え、pH12に調整したものを
使用した。表1中、No.1の組成はB2O3のみ、No.5の組成
はNa2B4O7 のみを使用した比較例であり、元液pHとある
のは中性の水に対して10wt% 溶解液のpHを示す。
【0022】
【表1】
【0023】No.2〜4 のサンプルにおいては、酸、ある
いはアルカリの両試液に対してpHをほぼ中性域に保持す
ることができた。No.1のサンプルはアルカリ成分を含有
しておらず、元液のpHが酸性側であり、酸性試液に対す
るpH緩衝力はなかった。また、No.5のNa2B4O7 はアルカ
リ試液に対するpH緩衝力が若干弱く、中和処理剤として
使用するには効果不足であった。
【0024】(実施例2)次に示す組成となるようにガ
ラス原料を調合し、1200℃−2時間溶融後にガラス
を得た。得られたガラスは乾式粉砕され、平均粒径45
μm以下の粉末状とし、これを中和処理剤として用い
た。
【0025】
【0026】これらのガラス質中和処理剤は、NaOH、あ
るいはHClで所定のpHに調整した試液に0.5wt% 添加
し、その後のpH変化を測定した。結果を図1及び図2に
示す。A組成のガラス質中和処理剤は、pH2〜11.5
の試液をpH8〜9の中性域に変動させた。B組成のガラ
ス質中和処理剤は、pH3〜12の試液をpH8〜9の中性
域に変動させた。
【0027】(実施例3)実施例2で用いたA組成のガ
ラスを10wt% 含有するスラリー状中和処理剤を、以下
の手順により作成した。A組成のガラスを粒径75μm
以下に乾式粉砕し、これを水と伴に2000ccのボール
ミルで20時間湿式粉砕混合をおこなってスラリー状中
和処理剤とした。得られたスラリー状中和処理剤を実施
例2で用いた試液に5wt% 添加し、その後のpH変化を測
定した。結果を図3に示す。
【0028】実施例2と同様にA組成のガラスのスラリ
ー状中和処理剤は、pH3〜12の試液をpH8〜9の中性
域に変動させた。
【0029】
【発明の効果】以上に示したように、この発明によれ
ば、中和処理剤自体が中性であるので、安全で、取り扱
いが容易であり、強酸、あるいは強アルカリ性の両廃液
を、どちらも中和することができる。さらに、スラリー
状とした中和処理剤はポンプによる自動供給が可能であ
るので、既存の中和処理設備に組み込み易い等の優れた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2のA組成のガラス質中和処理剤のpH緩
衝力を示すグラフである。
【図2】実施例2のB組成のガラス質中和処理剤のpH緩
衝力を示すグラフである。
【図3】実施例3のスラリー状中和処理剤のpH緩衝力を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々山 尚志 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内 (72)発明者 山本 哲 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内 (72)発明者 内垣 友好 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼酸、メタ硼酸、四硼酸、アルカリ硼酸
    塩、アルカリ土類硼酸塩のうちから選ばれた少なくとも
    1種の硼酸化合物と、アルカリ金属の水酸化物、硫酸化
    物、硝酸化物、炭酸化物のうちから選ばれた少なくとも
    1種のアルカリ化合物と、珪酸、アルカリ珪酸のうちか
    ら選ばれた珪酸化合物と、アルカリ土類金属の水酸化
    物、硫酸化物、硝酸化物、炭酸化物のうちから選ばれた
    アルカリ土類化合物から成る組成物であって、該組成物
    は、酸化物基準で、 B2O3:50〜97mol% R2O : 3〜30mol% SiO2: 30mol%以下 R'O : 35mol%以下 (但し、R はLi、Na、K のうちから選ばれた1種又は2
    種以上のアルカリ金属であり、R'はMg、Ca、Sr、Baのう
    ちから選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属で
    ある)であることを特徴とする廃液の中和処理剤
  2. 【請求項2】 前記組成物を微粒子化し、水中に懸濁さ
    せてスラリ−状とした請求項1の廃液の中和処理剤
  3. 【請求項3】 酸化物基準mol%でB2O3:50〜97、R2
    O :3〜30、SiO2:30以下、R'O :35以下のガラ
    スであることを特徴とする廃液の中和処理剤(但し、R
    はLi、Na、K のうちから選ばれた1種又は2種以上のア
    ルカリ金属であり、R'はMg、Ca、Sr、Baのうちから選ば
    れた1種又は2種以上のアルカリ土類金属である)
  4. 【請求項4】 前記ガラスを微粒子化し、水中に懸濁さ
    せてスラリ−状とした請求項3の廃液の中和処理剤
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002010075A1 (en) * 2000-07-31 2002-02-07 Euroiset Italia S.R.L. Composition for the neutralisation of inorganic and organic strong acids
JP2004290860A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 金属イオンを含む酸性廃液の中和処理方法

Cited By (3)

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