JPH0788417B2 - 液状変性エポキシ樹脂 - Google Patents

液状変性エポキシ樹脂

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JPH0788417B2
JPH0788417B2 JP62058651A JP5865187A JPH0788417B2 JP H0788417 B2 JPH0788417 B2 JP H0788417B2 JP 62058651 A JP62058651 A JP 62058651A JP 5865187 A JP5865187 A JP 5865187A JP H0788417 B2 JPH0788417 B2 JP H0788417B2
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陽造 山本
修一 石綿
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、分子量分布が狭く均一であり、硬化させた場
合に可撓性を有する硬化物を提供しうるような、ラクト
ン変性液状エポキシ樹脂およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、予め塩基性触媒が均一に分散した、分
子内に水酸基を有するエポキシ樹脂を合成した後、この
エポキシ樹脂に式(i)で示される特定量のラクトンを
添加して前記水酸基と反応させることにより、分子量分
布が式(ii)で示されるように狭く、従って均一であ
り、硬化させた場合にも可撓性を有する硬化物を提供し
うるような、ラクトン変性液状エポキシ樹脂およびその
製造に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来のラクトン変性エポキシ樹脂の製造方法において
は、分子内に水酸基を有するエポキシ樹脂(ビスフェノ
ール型、または水添ビスフェノール型)とラクトン(ε
−カプロラクトン)とを反応させるに際し、塩化第一ス
ズ、テトラブチルチタネート等の触媒を反応開始時に添
加する方法が知られていた(特開昭57−164116号公報参
照)。
しかし、この方法には次のような問題点があった。
この方法により合成されるラクトン変性エポキシ樹脂
は、以下の理由によって如何なるラクトン含量の範囲に
おいても、常温付近では液状とはならないため、注型成
形ができず、成形加工に困難が伴なうことがあった。
(1)ラクトンを開環重合させる際に用いられる、分子
内に水酸基を有するビスフェノール型または水添ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂は、比較的高分子量であるた
め、反応温度においても高粘度である。このため、反応
時に、反応容器内に反応物質と共に反応触媒を添加して
も、この反応触媒を反応系内に均一に分散させることが
困難である。従って、反応が系内で均一に進行せず、そ
の結果得られるラクトン変性エポキシ樹脂も不均一で、
広い分子量分布のものとなってしまう。
(2)エポキシ樹脂は、貯蔵すると吸湿しやすいが、も
し吸湿したエポキシ樹脂をそのまま使用すると、樹脂中
の水分とラクトンとが反応し、ラクトンの単独重合体が
副生する。これを避けるため、樹脂を溶融減圧して脱水
操作を行なうと、この間の熱履歴によって副反応が起こ
り樹脂の分子量分布が広がってしまう。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
するためになされたもので、特定のラクトン含量で、か
つ特定の製造方法によって特定の狭い分子量分布を有す
るラクトン変性エポキシ樹脂を合成することによって、
生成樹脂が30℃以下でも液状となるような、ラクトン変
性液状エポキシ樹脂を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る液状変性エポキシ樹脂は、軟化点が59℃以
上の分子内に水酸基を有するエポキシ樹脂と、ラクトン
とを、塩基性触媒の存在下に反応させて得られる一般式
[I] [式中、R1は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、これらの2,6−
ジハロゲン化物、またはこれらの水添化物の芳香環に結
合している水酸基が離脱している基であり、 R2は、CO−CxH2x pOH(xは2〜19の整数であり、p
は1以上の整数である)で表わされる基であり、 R3は、水素原子またはメチル基であり、 Lは、1以上の整数であり、 mは、1以上の整数であり、 −O−R1−O−CH2−CH(OR2)−CH2−、−O−R1−O
−CH2−CH(OH)−CH2−の繰り返し単位の順序は任意で
ある] で表わされるラクトン変性樹脂であり、かつ、 下記の(i)ラクトン含量および(ii)ラクトン変性樹
脂の分子量分布(▲▼/▲▼)を充足すること
を特徴としている。
(i)ラクトン含量 (2/3)A+34≧B≧(2/3)(A−30)で、かつ、B<
100。
[式中、Aはラクトン変性前の樹脂の軟化点(℃)の数
値、Bはラクトン変性樹脂のラクトン含量(重量%)の
数値を表わす。] (ii)ラクトン変性樹脂の分子量分布(▲▼/▲
▼) ▲▼/▲▼≦1.91log▲▼−4.8で、かつ、
▲▼/▲▼≧1。
[式中、▲▼はラクトン変性樹脂の重量平均分子
量、▲▼はラクトン変性樹脂の数平均分子量を表わ
す。] 本発明においては、分子内に水酸基を有するエポキシ樹
脂に上記式(i)で示される量のラクトンを添加するこ
と、およびラクトンを反応させるに際し、塩化第一錫等
の触媒を反応開始時に添加する従来の方法に代えて、上
記の分子内に水酸基を有するエポキシ樹脂を塩基性触媒
の存在下に合成し、塩基性触媒を均一に分散させ、この
塩基性触媒を用いて水酸基とラクトンとの反応を行なわ
せることによって生成物の分子量分布を上記式(ii)で
示される狭い範囲内に収めることができる。その結果、
生成物の軟化点をデュランス法で30℃以下とすることが
できる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る液状変性エポキシ樹脂について具体
的に説明する。
本発明に係る液状変性エポキシ樹脂は、軟化点が59℃以
上の分子内に水酸基を有するエポキシ樹脂と、ラクトン
とを塩基性触媒の存在下に反応させて得られる下記式で
表わされるラクトン変性樹脂であり、軟化点が30℃以下
である。
式中、R1は、後述するエポキシ樹脂原料として挙げられ
ているエポキシ樹脂の芳香環に結合している水酸基が脱
離している基であって、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、これら
の2,6−ジハロゲン化物、またはこれらの水添化物の芳
香環に結合している水酸基が離脱している基である。
たとえば、ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒロド
キシフェニル)エタン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、ビスフェノールAの水
添化物[2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン]の芳香環に結合している水酸基が脱離してい
る基は、それぞれ次式で示される。
R2は、後述するラクトン原料として挙げられている炭素
数3〜20のラクトンに由来する基であって、 CO−CxH2x pOH (xは2〜19の整数であり、pは1以上の整数である)
で表わされる。
たとえばラクトンがβ−プロピオラクトン、δ−バレロ
ラクトン、ε−カプロラクトンである場合、R2は、それ
ぞれ次式で表わされる。
CO−C2H4 pOH CO−C4H8 pOH CO−C5H10 pOH R3は、後述するエポキシ樹脂原料の具体例で挙げられて
いるエピクロロヒドリンまたはβ−エピクロロヒドリン
のβ位の炭素原子に結合している水素原子またはメチル
基に由来する水素原子またはメチル基である。
Lは、1以上の整数であり、mは、1以上の整数であ
る。
上記一般式[I]においては、−O−R1−O−CH2−CH
(OR2)−CH2−、−O−R1−O−CH2−−CH(OH)−CH2
−の繰り返し単位の順序は任意である。
本発明に係る液状変性エポキシ樹脂は、下記の(i)ラ
クトン含量および(ii)ラクトン変性樹脂の分子量分布
(▲▼/▲▼)を充足している。
(i)ラクトン含量 (2/3)A+34≧B≧(2/3)(A−30)で、かつ、B<
100。
[式中、Aはラクトン変性前の樹脂の軟化点(℃)の数
値、Bはラクトン変性樹脂のラクトン含量(重量%)の
数値を表わす。] この式は、縦軸にラクトン変性樹脂のラクトン含量[重
量%]を、横軸にラクトン変性前の樹脂の軟化点[℃]
をとり、ラクトン変性前の樹脂の軟化点とラクトン含量
との関係をグラフで示し、次いで、軟化点が30℃以下の
ラクトン変性エポキシ樹脂が得られるラクトン含量の範
囲をラクトン変性前の樹脂の軟化点の数値を使用して規
定した式である。
液状変性エポキシ樹脂のラクトン含量は、上記式で表わ
される範囲内にあるが、変性エポキシ樹脂のラクトン含
量が上記範囲内であっても、液状でない変性エポキシ樹
脂が存在する。
ラクトン変性エポキシ樹脂が液状であるためには、式
(i)を満足しているだけでなく、さらにラクトン変性
樹脂の分子量分布の範囲を規定する下式(ii)を満足し
ていることが必要である。
(ii)ラクトン変性樹脂の分子量分布(▲▼/▲
▼) ▲▼/▲▼≦1.91log▲▼−4.8で、かつ、
▲▼/▲▼≧1。
[式中Mwはラクトン変性樹脂の重量平均分子量、Mnはラ
クトン変性樹脂の数平均分子量を表わす。] 上記のような本発明に係る液状変性エポキシ樹脂は、次
の工程(A)および工程(B)を段階的に行なって製造
することができる。
工程(A):ビスフェノール類または水添ビスフェノー
ル類に、低分子のビスフェノール型エポキシ樹脂または
低分子の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を添加し、
塩基性触媒の存在下で重付加反応を行ない、塩基性触媒
が均一に分散した、軟化点が59℃以上の分子内に水酸基
を有するエポキシ樹脂を合成する工程。
工程(B):前記工程(A)により得られ、均一に分散
した塩基性触媒を含有し、分子内に水酸基を有するエポ
キシ樹脂に式(i)で示される範囲のラクトンを添加
し、前記塩基性触媒をそのまま利用して、エポキシ樹脂
中の水酸基にラクトンを開環付加させる工程。
次に、本発明の変性エポキシ樹脂を製造するために使用
する原料の種類と反応条件について述べる。
(1)原料の種類 I)ビスフェノール類または水添ビスフェノール類とし
ては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテルこれらの2,6−ジハロゲン
化物、これらの水添化合物などが用いられる。
II)エポキシ樹脂としては、低分子量すなわち低粘度の
ビスフェノール型エポキシ樹脂、または水添ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂が用いられる。具体的には、I)に
記載したビスフェノール類、水添ビスフェノール類をエ
ピクロルヒドリン、またはβ−メチルエピクロルヒドリ
ンでグリシジル化して得られたものが用いられる。
III)ラクトンとしては、β−プロピオラクトン、δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜20
のものなどが用いられる。
このようなラクトンは、前記工程(A)で得られ、均一
に分散した塩基性触媒を含有し、分子内に水酸基を有す
るエポキシ樹脂に、式(i)で示される範囲となるよう
な量で添加される。
すなわち、ラクトン変性されたエポキシ樹脂において
は、一般式[I]に示されるように、主鎖であるエポキ
シ樹脂の側鎖にラクトン(ポリラクトン、−O−R2)が
グラフトされている。このラクトン含量が増加するに伴
なって、得られるラクトン変性エポキシ樹脂の軟化点は
低下する。しかし、このラクトン含量が多すぎると、主
鎖であるエポキシ樹脂と側鎖であるラクトンの開環重合
体との相溶性が低下して相分離を起こし、その結果得ら
れるラクトン変性エポキシ樹脂は固体となってしまう。
従って、ラクトン変性エポキシ樹脂が軟化点30℃のもの
となるためには、上記式(i)の関係を充足することが
必要条件である。しかし、上記式(i)の関係を充足し
ても分子量分布(▲▼/▲▼)が式(ii)の関
係をも充足しなければ得られるラクトン変性エポキシ樹
脂の軟化点は30℃以下にはならない。すなわち、ベース
となるエポキシ樹脂の軟化点が高いものほどラクトン含
量を多くしないと、液状のラクトン変性エポキシ樹脂を
得ることはできない。
IV)塩基性触媒としては、リチウム、ナトリウム、ナト
リウムナフタレン、カリウムベンゾフェノン等のアルカ
リ金属又はその錯体、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、酢酸リ
チウム、塩化リチウム等のアルカリ金属塩、リチウムヒ
ドリド、ナトリウムヒドリド等のアルカリ金属水素化
物、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリ
ジンなどの3級アミンなどが用いられる。
(2)反応条件 I)反応温度 低過ぎると反応が起りにくい事態を招くことから、反応
に長時間を要する。また高過ぎると生成物の分子量を広
くし過ぎる事態を招くので、反応温度は、約100〜250
℃、好ましくは約120〜200℃の範囲である。
II)触媒濃度 触媒濃度は、エポキシ樹脂と、ビスフェノールまたは水
添ビスフェノールとを合計した重量に対し、約0.01〜50
00ppm、好ましくは約0.1〜1000ppmの範囲である。
なお、塩基性触媒の添加は、工程(A)(エポキシ樹脂
の重付加反応)を行なう際に添加し、工程(B)(エポ
キシ樹脂の水酸基にラクトンを開環重合させる反応)を
行なう際には添加しない。このように工程(B)の開始
前に、エポキシ樹脂(分子内に水酸基を有する)中に塩
基性触媒が均一に分散していることが、本発明の効果を
生ずるための必須要件である。
また、工程(A)と工程(B)は通常連続して行なうの
で、ラクトンと反応する工程(A)で生じたエポキシ樹
脂(分子内に水酸基を有する)が吸湿することがない。
従って、従来法のように、吸湿した水分によって生ずる
工程(B)における副反応が生ずる余地はなく、また工
程(B)の開始前に、エポキシ樹脂(分子内に水酸基を
有する)から水分を除去する必要もないので、水分の除
去の際の熱履歴に伴なう分子量分布の広がりを防ぐこと
ができる。この点も本願の優れた点である。
III)溶媒 溶媒は、用いても用いなくてもよい。
用いる場合には、トルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等が用いられるが、エポ
キシ基及びラクトンと反応し得る活性水素およびエステ
ル交換反応を生ずる可能性のあるエステル基を含有しな
い化合物が用いられる。
発明の効果 以上のように、本発明に係る物性を有する変性エポキシ
樹脂は、高分子量でありながら、常温で液状注型が可能
なため、成形容易で、かつ硬化させた場合に可撓性を有
する硬化物を提供しうるという効果を有する。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 撹拌装置、温度計、及び冷却管を備えた5リットル容量
のセパラブルフラスコにビスフェノールA型エポキシ樹
脂(エポキシ当量188g/当量)1000g、ビスフェノールA
283gおよびキシレン 150gを加え70℃まで昇温した後、
0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液をナトリウム原子換
算で原料中の濃度が20ppmとなるよう加え、さらに120℃
まで昇温した。次に系内を減圧し減圧蒸留によりキシレ
ンと水とを留去した後、窒素雰囲気下で170℃において
4時間反応を行った。この段階での樹脂のエポキシ当量
は465g/当量、軟化点60℃であった。続いて、ε−カプ
ロラクトン 1282gを加え更に170℃で7時間反応を継続
し変性エポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量、数平均分子量
(▲▼)、重量平均分子量/数平均分子量(▲
▼/▲▼;分子量分布の尺度)、軟化点、未反応の
ε−カプロラクトン含量を表1に示す。
なお、これら各項目の測定法は次の方法によった。
(1)エポキシ当量 エポキシ当量とは、エポキシ基1グラム当量あたりのエ
ポキシ樹脂の重量(単位g)を意味し、その詳細な説明
及び測定方法は、垣内弘編、エポキシ樹脂(発行所、昭
晃堂)、161〜170頁に記載されている。
(2)重量平均分子量(▲▼)、数平均分子量(▲
▼)。
以下の条件でGPCの分析により重量平均分子量および数
平均分子量を求めた。この値に基いてMw/Mnを計算し
た。
GPC分析条件 装置:島津高速液体クロマトグラフLC−3A 溶媒:THF カラム:HSG−60,−50,−40,−20各1本 カラム温度:40℃ 移動層:THF 流量:1.0ml/min 検出器:UV−254nm サンプル濃度:5mg/ml 検量線 ▲▼および▲▼の計算範囲13.0〜22.0カウント (ビスフェノールのジグリシジルエーテルすなわち分子
内に水酸基をもたない成分を除いた範囲) (3)軟化点 デュランス法に従って測定した。
(4)未反応のε−カプロラクトン含量 下記の条件で測定した。
装置:日立163FID カラム:クロムソルブWAWDMCS 60〜80メッシュ担体にジ
エチレングリコールアジベート 5部添加 カラム長:3m カラム温度:160℃ インジェクション温度:250℃ サンプル量:1μ サンプル調製濃度:エポキシ樹脂 1.0g フタル酸ジメチル(内部標準) 0.1g 1,4−ジオキサン 30ml 実施例2 実施例1において、ビスフェノールAおよびε−カプロ
ラクトンの添加量をそれぞれ387gおよび1387gに変えた
以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
実施例3 実施例1において、ビスフェノールA、およびε−カプ
ロラクトンの使用量をそれぞれ456g、2456gに変えた以
外は、実施例1と同様の操作を行なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
実施例4〜8 実施例1において、エポキシ樹脂またはビスフェノール
あるいはこの両者の種類および使用量を表1に示すよう
に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
実施例9〜10 実施例1において、ラクトンの種類を変えた以外は、実
施例1と同様の操作を行なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
比較例1〜2 この比較例では、変性エポキシ樹脂を製造するに際して
ε−カプロラクトンの添加量によっては、得られる変性
エポキシ樹脂の軟化点が30℃以下にはならない例を示
す。
実施例1において、ε−カプロラクトンの添加量を表1
に示すように変えた以外は、実施例1と同様の操作を行
なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
比較例3〜4 この比較例では、変性エポキシ樹脂を製造するに際して
ε−カプロラクトンの添加量によっては、得られる変性
エポキシ樹脂の軟化点が30℃以下にはならない例を示
す。
実施例3において、ε−カプロラクトンの添加量を変え
た以外は、実施例3と同様の操作を行なった。
得られたエポキシ樹脂の特性値の測定結果を表1に示
す。
比較例5 この比較例では、実施例1と同じε−カプロラクトン含
量の変性エポキシ樹脂であっても、分子量分布が広い場
合には、軟化点が30℃より高くなって、液状でなくなる
ことを示す。
特開昭57−164116号公報に準じて、実施例1と同様の装
置に、エポキシ当量475のビスフェノールA型エポキシ
樹脂(三井石油化学製エポミックR−301)を2000g仕込
み、系内を窒素置換後170℃に昇温して樹脂を熔融し
た。次にε−カプロラクトン2000gとテトラブチルチタ
ネート0.04gを加え170℃で7時間反応を行い変性エポキ
シ樹脂を得た。
以上の比較例1〜5では、実施例1〜10に比較していず
れも得られる変性エポキシ樹脂の軟化点が上昇している
ことがわかる。また、比較例3〜5では、▲▼/▲
▼は実施例1〜10のそれに比較して大きく、分子量
の分布が広くなっていることがわかる。
実施例1〜10では、▲▼が2300〜5720(エポキシ当
量880〜2560)という高分子量であるにもかかわらず、
軟化点が25℃以下の液状のラクトン変性エポキシ樹脂が
得られている。
実施例11 実施例1で得られた変性エポキシ樹脂を用いて以下の条
件で硬化物を作製し、その物性を測定した。
配合(1) 実施例1の変性樹脂/メチルテトラヒドロ
無水フタル酸/ベンジルジメチルアミン=100/16/0.5
(重量比) 配合(2) 実施例1の変性樹脂/エポミックR−140P
(三井石油化学製;エポキシ当量188g/当量)/メチル
テトラヒドロ無水フタル酸/ベンジルジメチルアミン=
60/40/42/0.5(重量比) 硬化条件 120℃×2時間+150℃×2時間 結果を表2に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点が59℃以上の分子内に水酸基を有す
    るエポキシ樹脂と、ラクトンとを、塩基性触媒の存在下
    に反応させて得られる一般式[I] [式中、R1は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
    1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
    ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)エーテル、これらの2,6−
    ジハロゲン化物、またはこれらの水添加物の芳香環に結
    合している水酸基が脱離している基であり、 R2は、CO−CxH2x pOH(xは2〜19の整数であり、p
    は1以上の整数である)で表わされる基であり、 R3は、水素原子またはメチル基であり、 Lは、1以上の整数であり、 mは、1以上の整数であり、 −O−R1−O−CH2−CH(OR2)−CH2−、−O−R1−O
    −CH2−CH(OH)−CH2−の繰り返し単位の順序は任意で
    ある] で表わされるラクトン変性樹脂であり、かつ、 下記の(i)ラクトン含量および(ii)ラクトン変性樹
    脂の分子量分布(Mw/Mn)を充足することを特徴とする
    液状変性エポキシ樹脂。 (i)ラクトン含量 (2/3)A+34≧B≧(2/3)(A−30)で、かつ、B<
    100。 [式中、Aはラクトン変性前の樹脂の軟化点(℃)の数
    値、Bはラクトン変性樹脂のラクトン含量(重量%)の
    数値を表わす。] (ii)ラクトン変性樹脂の分子量分布(▲▼/▲
    ▼) ▲▼/▲▼≦1.91log▲▼−4.8で、かつ、
    ▲▼/▲▼≧1。 [式中、▲▼はラクトン変性樹脂の重量平均分子
    量、▲▼はラクトン変性樹脂の数平均分子量を表わ
    す。]
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