JPH0788343B2 - アミド化合物の製造法 - Google Patents

アミド化合物の製造法

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JPH0788343B2
JPH0788343B2 JP62145667A JP14566787A JPH0788343B2 JP H0788343 B2 JPH0788343 B2 JP H0788343B2 JP 62145667 A JP62145667 A JP 62145667A JP 14566787 A JP14566787 A JP 14566787A JP H0788343 B2 JPH0788343 B2 JP H0788343B2
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暉躬 中嶋
述史 川合
紘一 首藤
哲夫 芝
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はグルタミン酸レセプター阻害作用を有するアミ
ド化合物の製造法に関する。
従来の技術 クモ類から昆虫などの節足動物の神経を麻痺させる化学
物質が単離され、それがアミド化合物であることが解明
されるとともに、その神経麻痺作用がグルタミン酸レセ
プター阻害作用に基づくものであることが確認された。
発明が解決しようとする問題点 クモ類の体内に存在する昆虫などの節足動物の神経を麻
痺させる上記のアミド化合物は極めて微量なため、化学
的に製造する方法の確立が望まれていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らは上記のアミド化合物を製造するための重要
な数種の中間体を得ることに成功するとともに、これら
の中間体を用いて上記のアミド化合物の製造法を確立す
べく鋭意検討を行なって本発明を完成した。本発明は一
般式 [式中,Rは水素原子または基 (以下、この基をArgと略称する)を、m,nはそれぞれ3
または4を、pは0または1を示す]で表わされるアミ
ド化合物またはその塩の製造法に関する。さらに詳しく
述べるならば、本発明は(1)2,4−ジヒドロキシフェ
ニル酢酸(II)またはその塩もしくは反応性誘導体と、
一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合
物またはその塩とを反応させ、要すれば保護基を脱離さ
せる、または(2)2,4−ジヒドロキシフェニルアセチ
ルアスパラギニルカダベリン(IV)またはその塩と一般
式 HOCO(CH22NH[(CH2)mNH]p(CH2)nNHR (V) [式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされるカル
ボン酸またはその塩もしくは反応性誘導体とを反応さ
せ、要すれば保護基を脱離させることを特徴とする上記
アミド化合物(I)またはその塩の製造法(式1)に関
する。
本発明の製造法で製造される化合物(I)はたとえば表
1に示すような化合物である。(塩も含む) 化合物(I)の塩としては無機酸または有機酸との塩が
あげられる。無機酸塩としては塩酸塩,硫酸塩,炭酸
塩,硝酸塩などがあげられる。有機酸塩としてはギ酸
塩,酢酸塩,プロピオン酸塩,シュウ酸塩,コハク酸
塩,安息香酸塩,パラトルエンスルホン酸塩などがあげ
られる。化合物(I)を構成するα−アミノ酸はL体,D
体またはDL体のいずれでもよいが、L体がより好まし
い。
式1において原料化合物(III)および(IV)は塩であ
ってもよい。化合物(III)または(IV)の塩としては
無機酸または有機酸との塩があげられる。(III)また
は(IV)の無機酸塩としては塩酸塩,硫酸塩,炭酸塩,
硝酸塩などがあげられる。有機酸塩としてはギ酸塩,酢
酸塩,プロピオン酸塩,シュウ酸塩,コハク酸塩,安息
香酸塩,パラトルエンスルホン酸塩などがあげられる。
式1において原料化合物(II)および(V)は塩もしく
は反応性誘導体であってもよい。化合物(II)または
(V)の塩としては無機塩基塩,有機塩基塩があげられ
る。(II)または(V)の無機塩基塩としてはアルカリ
金属塩(たとえばナトリウム塩,カリウム塩など),ア
ルカリ土類金属塩(たとえばカルシウム塩など)などが
例示される。(II)または(V)の有機塩基塩としては
たとえばトリメチルアミン塩,トリエチルアミン塩,ter
t−ブチルジメチルアミン塩,シクロヘキシルアミン
塩,ジベンジルメチルアミン塩,ベンジルジメチルアミ
ン塩,N,N−ジメチルアニリン塩,ピリジン塩,キノリン
塩などが例示される。化合物(II)または(V)の反応
性誘導体はそのカルボキシル基における反応性誘導体を
意味する。化合物(II)または(V)の反応性誘導体と
しては酸ハライド,酸アジド,酸無水物,混合酸無水
物,活性アミド,活性エステル,活性チオエステルなど
があげられる。(II)または(V)の酸ハライドとして
はたとえば酸クロライド,酸ブロマイドなどが、混合酸
無水物としてはモノアルキル炭酸混合酸無水物(たとえ
ば(II)または(V)とモノメチル炭酸,モノエチル炭
酸,モノイソプロピル炭酸,モノイソブチル炭酸,モノ
tert−ブチル炭酸,モノベンジル炭酸,モノ(p−ニト
ロベンジル)炭酸,モノアリル炭酸などとの混合酸無水
物),脂肪族カルボン酸混合酸無水物(たとえば(II)
または(V)と酢酸,トリクロロ酢酸,シアノ酢酸,プ
ロピオン酢酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,
ピバル酸,トリフルオロ酢酸,トリクロロ酢酸,アセト
酢酸などとの混合酸無水物),芳香族カルボン酸混合酸
無水物(たとえば(II)または(V)と安息香酸,p−ト
ルイル酸,p−クロロ安息香酸などとの混合酸無水物),
有機スルホン酸混合酸無水物(たとえば(II)または
(V)とメタンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベンゼ
ンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸などとの混合酸無
水物)などが、活性アミドとしては含窒素複素環化合物
とのアミド(たとえば(II)または(V)とピラゾー
ル,イミダゾール,ベンゾトリアゾールなどとの酸アミ
ドで,これらの含窒素複素環化合物はアルキル基,アル
コキシ基,ハロゲン原子,オキソ基,チオキソ基,アル
キルチオ基などの置換基を有していてもよい)などが例
示される。(II)または(V)の活性エステルとしては
ペプチド合成の分野でこの目的に用いられるものはすべ
て利用でき、有機リン酸エステル(たとえばジエトキシ
リン酸エステル,ジフェノキシリン酸エステルなど)の
ほかp−ニトロフェニルエステル,2,4−ジニトロフェニ
ルエステル,シアノメチルエステル,ペンタクロロフェ
ニルエステル,N−ヒドロキシサクシンイミドエステル,N
−ヒドロキシフタルイミドエステル,1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾールエステル,6−クロロ−1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾールエステル,1−ヒドロキシ−1H-2−ピリ
ドンエステルなどが例示される。(II)または(V)の
活性チオエステルとしては芳香族複素環チオール化合物
とのエステル(たとえば2−ピリジルチオールエステ
ル,2−ベンゾチアゾリルチオールエステルなどで、 これらの複素環はアルキル基,アルコキシ基,ハロゲン
原子,アルキルチオ基などの置換基を有していてもよ
い)が例示される。化合物(II)および(IV)のベンゼ
ン環上の2個の水酸基は保護されていてもよい。保護基
としては置換もしくは無置換のアルカノイル基(たとえ
ばアセチル,トリフルオロアセチル,プロピオニルな
ど)、置換オキシカルボニル基(たとえばメトキシカル
ボニル,エトキシカルボニル,イソプロポキシカルボニ
ル,tert−ブトキシカルボニル,フェノキシカルボニ
ル,ベンジルオキシカルボニル,p−メチルベンジルオキ
シカルボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニルな
ど)、tert−ブチル基,アラルキル基(たとえばベンジ
ル,p−メチルベンジル,p−メトキシベンジル,p−クロロ
ベンジル,ベンズヒドリル,トリチルなど)、置換シリ
ル基(たとえばトリメチルシリル,tert−ブチルジメチ
ルシリルなど)などが例示される。化合物(III)およ
び(V)のアミノ基(NH2)およびイミノ基(NH)は保
護されていてもよい。保護基としては置換もしくは無置
換のアルカノイル基(たとえばアセチル,トリフルオロ
アセチル,プロピオニルなど)、アリールカルボニル基
(たとえばベンゾイル基,パラクロロベンゾイル基な
ど)、フタロイル基,置換オキシカルボニル基(たとえ
ばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,イソプロ
ポキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,トリク
ロロエトキシカルボニル,フェノキシカルボニル,ベン
ジルオキシカルボニル,p−メチルベンジルオキシカルボ
ニル,ベンズヒドリルオキシカルボニルなど),置換ス
ルホニル基(たとえばメタンスルホニル,p−トルエンス
ルホニルなど)、アラルキル基(たとえばベンジル,p−
メチルベンジル,p−メトキシベンジル,p−クロロベンジ
ル,ベンズヒドリル,トリチルなど)、置換シリル基
(たとえばトリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシ
リルなど)などが例示される。化合物(II)または
(V)からその塩や反応性誘導体を製造したり、化合物
(II)や(IV)に保護基を導入したり、化合物(III)
または(IV)からその塩を製造したりする場合、公知の
方法またはそれに準ずる方法を用いれば容易に行ないう
る。
化合物(II)と化合物(III)との反応においては、た
とえば化合物(II)の反応性誘導体を反応混合物から単
離された物質として化合物(III)と反応させてもよい
し、または単離前の化合物(II)の反応性誘導体を含有
する反応混合物をそのまま化合物(III)と反応させて
もよい。また、化合物(IV)と化合物(V)との反応に
おいては、たとえば化合物(V)の反応性誘導体を反応
混合物から単離された物質として化合物(IV)と反応さ
せてもよいし、または単離前の化合物(V)の反応性誘
導体を含有する反応混合物をそのまま化合物(IV)と反
応させてもよい。
化合物(II)を遊離酸または塩の状態で化合物(III)
と反応させる場合または化合物(V)を遊離酸または塩
の状態で化合物(IV)と反応させる場合は適当な縮合剤
を用いる。縮合剤としてはたとえばN,N′−ジシクロヘ
キシルカルボジイミドなどのN,N′−ジ置換カルボジイ
ミド類,たとえばN,N′−カルボニルジイミダゾール,N,
N′−チオカルボニルジイミダゾールなどのアゾライド
類,たとえばN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−
1,2−ジヒドロキノリン,オキシ塩化リン,アルコキシ
アセチレンなどの脱水剤、たとえば2−クロロピリジニ
ウムメチルアイオダイド,2−フルオロピリジニウムメチ
ルアイオダイドなどの2−ハロゲノピリジニウム塩類な
どが用いられる。これらの縮合剤を用いた場合、反応は
(II)または(V)の反応性誘導体を経て進行すると考
えられる。
化合物(II)と化合物(III)との反応、および化合物
(IV)と化合物(V)との反応は一般に溶媒中で行なわ
れ、反応を阻害しない溶媒が適宜に選択される。このよ
うな溶媒としてはたとえばジオキサン,テトラヒドロフ
ラン,ジエチルエーテル,tert−ブチルメチルエーテ
ル,ジイソプロピルエーテル,エチレングライコール−
ジメチルエーテルなどのエーテル類、たとえばギ酸エチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチルなどのエステル類、たとえ
ばジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,トリク
レン,1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、たとえばヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化
水素類、たとえばホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、た
とえばアセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類、たとえばアセトニトリル,プ
ロピオニトリルなどのニトリル類などのほか、ジメチル
スルホキサイド,スルホラン,ヘキサメチルホスホルア
ミド,水などが単独または混合溶媒として用いられる。
化合物(III)の使用量は化合物(II)1モルに対して
通常0.2〜5モル,好ましくは0.5〜2モルである。化合
物(IV)の使用量は化合物(V)1モルに対して通常0.
2〜5モル,好ましくは0.5〜2モルである。反応はいず
れの場合も−80〜80℃,好ましくは−40〜50℃,最も好
ましくは−30〜30℃の温度範囲で行われる。反応時間は
原料化合物の種類,溶媒の種類(混合溶媒の場合はその
混合比も),反応温度などに依存し、通常1分〜72時
間,好ましくは15分〜3時間である。化合物(II)また
は(V)としてその酸ハライドを用いた場合は放出され
るハロゲン化水素を反応系から除去する目的で脱酸剤の
存在下に反応を行うことができる。このような脱酸剤と
してはたとえば炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸カ
ルシウム,炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基、たとえ
ばトリエチルアミン,トリプロピルアミン,トリブチル
アミン,ジイソプロピルエチルアミン,シクロヘキシル
ジメチルアミン,ピリジン,ルチジン,γ−コリジン,
N,N−ジメチルアニリン,N−メチルピペジリン,N−メチ
ルピロリジン,N−メチルモルホリンなどの第3級アミ
ン、たとえばプロピレンオキサイド,エピクロルヒドリ
ンなどのアルキレンオキサイドなどがあげられる。
なお、化合物(I,R=Arg)またはその塩を製造する場
合、化合物(I,R=H)またはその塩とアルギニン(XX
V)またはその塩もしくは反応性誘導体とを反応させ、
要すれば保護基を脱離させることによっても化合物(I,
R=Arg)を得ることができる。この場合、化合物(I,R
=H)および化合物(I,R=Arg)の塩としては化合物
(I),(III),(IV)の塩としてあげた無機酸また
は有機酸との塩がここでもあげられる。
また、アルギニン(XXV)の塩としては化合物(II),
(V)の塩としてあげた無機塩基塩,有機塩基塩がここ
でもあげられる。アルギニンの反応性誘導体はカルボキ
シル基における反応性誘導体を意味し、化合物(II),
(V)の反応性誘導体としてあげた酸ハライド,酸アジ
ド,酸無水物,混合酸無水物,活性アミド,活性エステ
ル,活性チオエステルなどがここでもあげられる。化合
物(I,R=H)のベンゼン環上の2個の水酸基は保護さ
れていてもよく、そのような保護基としては化合物(I
I),(IV)の保護基としてあげたアルカノイル基,置
換オキシカルボニル基,tert−ブチル基,アラルキル
基,置換シリル基などがここでもあげられる。化合物
(I,R=H)のイミノ基(NH)やアルギニン(XXV)のア
ミノ基(NH2),イミノ基は保護されていてもよく、そ
のような保護基としては化合物(III),(V)の保護
基としてあげたアルカノイル基,アリールカルボニル
基,フタロイル基,置換オキシカルボニル基,置換スル
ホニル基,アラルキル基,置換シリル基などがここでも
あげられる。化合物(I,R=H)またはその塩とアルギ
ニン(XXV)またはその塩もしくは反応性誘導体との反
応は前記した化合物(II)と化合物(III)との反応、
化合物(IV)と化合物(V)との反応と同じ方法で行う
ことができる。すなわち、縮合剤,溶媒,原料の使用
量,反応時間,反応温度などは前記したものがここでも
そのままあてはめられる。
化合物(II)と化合物(III),化合物(IV)と化合物
(V),化合物(I,R=H)とアルギニン(XXV)とを上
記のように反応させたのち、要すれば保護基の脱離およ
び精製を行うことにより本発明の目的化合物(I)を得
ることができる。水酸基の保護基の脱離法はたとえばペ
プチド合成の分野で通常使用される方法をそのまま利用
できる。たとえばメトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,tert−ブトキシカルボニル,フェノキシカルボニ
ルなどは酸(たとえば塩酸やトリフルオロ酢酸)によ
り、ベンジルオキシカルボニル,p−メチルベンジルオキ
シカルボニル,ベンズヒドリルオキシカルボニルなどは
接触還元により、ベンジル,p−メチルベンジル,p−メト
キシベンジル,p−クロロベンジル,ベンズヒドリル,ト
リチルなどは酸(たとえばトリフルオロ酢酸)または接
触還元により、トリメチルシリル,tert−ブチルジメチ
ルシリルなどは水のみによりまたは酢酸存在下に脱離す
ることができる。上記の保護基の脱離を行う場合、反応
混合物から保護基を有する化合物(I)を単離したのち
に保護基の脱離操作を行なってもよいし、また、反応混
合物のままで行なってもよい。水酸基やアミノ基などを
保護した原料化合物,中間体や本発明の目的化合物
(I)の精製は、抽出法,ゲルろ過,イオン交換樹脂カ
ラムクロマトグラフィー,シリカゲル分取薄層クロマト
グラフィー,高速液体クロマトグラフィー,再結晶法な
どの公知の精製手段を用いて行うことができる。
つぎに、原料化合物(III),(IV),(V)の製造法
について述べる。
本発明の製造法(I)における原料化合物(III)とし
てN1-(L−アスパラギニル)−N5-(8−トリクロロエ
トキシカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニ
ル−4−アザオクタノイル)カダベリン(IIIa)の製造
法を例示する。(IIIa)はたとえば式2に示すような経
路によりβ−アラニン(VI)と4−フタルイミドブタナ
ール(VII)とから製造することができる。
[式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を、Zはベ
ンジルオキシカルボニル基を、Trocはトリクロロエトキ
シカルボニル基を示す] すなわちβ−アラニン(VI)と4−フタルイミドブタナ
ール(VII)とをシアノ水素化ホウ素ナトリウム存在下
に反応させたのち、塩酸処理することにより8−フタロ
イル−4−アザオクタン酸 塩酸塩(VIII)を製造す
る。(VIII)のイミノ基をベンジルオキシカルボニル基
で保護して8−フタロイル−4−ベンジルオキシカルボ
ニル−4−アザオクタン酸(IX)としたのち、(IX)と
N-(tert−ブトキシカルボニル)カダベリン塩酸塩
(X)とを縮合させてN1-(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N5-(8−フタロイル−4−ベンジルオキシカル
ボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン(XI)を製
造する。つぎに、(XI)のフタロイル保護基をヒドラジ
ンで除いてアミノ体(XII)としたのち、あらためてト
リクロロエトキシカルボニル基で保護してN1-(tert−
ブトキシカルボニル)−N5-(8−トリクロロエトキシ
カルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4
−アザオクタノイル)カダベリン(XIII)とする。(XI
II)のtert−ブトキシカルボニル保護基をトリフルオロ
酢酸ではずしてアミノ体(XIV)としたのち、(XIV)と
α‐(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギ
ン p−ニトロフェニルエステル(XV)とを反応させて
N1-{Nα‐(tert−ブトキシカルボニル)−L−アス
パラギニル}‐N5-(8−トリクロロエトキシカルボニ
ルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオ
クタノイル)カダベリン(XVI)を製造する。(XVI)の
tert−ブトキシカルボニル保護基をトリフルオロ酢酸で
はずすとN1-(L−アスパラギニル)−N5-(8−トリク
ロロエトキシカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカ
ルボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン(IIIa)
が得られる。
本発明の製造法(2)における原料化合物(IV)として
は2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−アス
パラギニルカダベリン(IVa)が特に有用であるので、
(IVa)の製造法を例示する。
(IVa)はたとえば式3に示すような経路により2,4−ジ
ヒドロキシベンズアルデヒド(XVII)から製造できる。
[式中、Bzはベンジル基を示す] すなわち、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(XVI
I)を塩化ベンジルでベンジル化して2,4−ジベンジルオ
キシベンズアルデヒド(XVIII)としたのち、(XVIII)
を水素化ホウ素ナトリウムにて還元して2,4−ジベンジ
ルオキシベンジルアルコール(XIX)とし、(XIX)を塩
化チオニルで塩素化して2,4−ジベンジルオキシベンジ
ルクロライド(XX)とする。つぎに(XX)とシアン化ナ
トリウムとを反応させて2,4−ジベンジルオキシフェニ
ルアセトニトリル(XXI)としたのち、(XXI)をアルカ
リ加水分解して2,4−ジベンジルオキシフェニル酢酸(X
XII)とし、(XXII)を塩化チオニルで塩素化して2,4−
ジベンジルオキシフェニルアセチルクロライド(XXII
I)とする。さらに(XXIII)にL−アスパラギン p−
ニトロフェニルエステルを反応させて2,4−ジベンジル
オキシフェニルアセチル−L−アスパラギン p−ニト
ロフェニルエステル(XXIV)としたのち、(XXIV)にカ
ダベリンを反応させると(IVa)が得られる。
原料化合物(V)の製造例としてR=水素原子のものを
あげる。本発明の製造法(2)において、化合物(V)
としてはそのアミノ基およびイミノ基をベンジルオキシ
カルボニル基で保護したp−ニトロフェニルエステル体
が特に有用であるので、Rが水素原子であって、アミノ
基およびイミノ基がベンジルオキシカルボニル基で保護
されたp−ニトロフェニルエステル体(Va)の製造法を
例示する。(式4) [式中、Zはベンジルオキシカルボニル基を示す]すな
わち、アミノ化合物(XXVI)に塩化ベンジルオキシカル
ボニルを反応させてアミノ基とイミノ基を保護したエス
テル体(XXVII)とする。つぎに(XXVII)をアルカリ加
水分解してカルボン酸(XXVIII)としたのち、(XXVII
I)にジシクロヘキシルカルボジイミドを用いてp−ニ
トロフェノールと反応させることによりp−ニトロフェ
ニルエステル体(Va)が得られる。上記の化合物(III
a),(XXIV),(IVa),(Va)は化合物(I)を製造
するために特に重要な中間体である。
作用・効果 本発明の製造法により化合物(I)を簡便に、しかも収
率よく製造することができる。化合物(I)はグルタミ
ン酸レセプター阻害作用を有するため、グルタミン酸レ
セプターの単離,構造分析,局所分析などの研究に重要
な化合物であるとともに、グルタミン酸が関与する記憶
のメカニズムや脳神経疾患の解明にも役立つことも期待
されている。したがって本発明の重要性は非常に大き
い。
参考例1 2,4−ジベンジルオキシフェニル酢酸サクシ
ンイミドエステル(IIa)の製造 i)2,4−ジヒドロキシ安息香酸(1.54g)をN,N−ジメ
チルホルムアミド(10ml)に溶解し、氷冷下に水素化ナ
トリウム(60%オイルサスペンジョン,1.2g)を4回に
分けて加える。つぎに臭化ベンジル(5.13g)を加え、
氷冷下に1時間、さらに室温(20℃)で15時間かきまぜ
る。反応液を水(100ml)中に注ぎ、酢酸エチル(100m
l)で2回抽出する。酢酸エチル抽出液を水洗し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮する。
2,4−ジベンジルオキシ安息香酸 ベンジルエステル
(4.23g,収率99.6%)が得られる。融点100-101℃。
ii)上記の2,4−ジベンジルオキシ安息香酸 ベンジル
エステル(2.00g)をジオキサン(20ml)に溶解したの
ち1N−水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を加えて加熱下
に1時間還流する。反応液を減圧下に半量になるまで濃
縮し、ジエチルエーテルで洗浄する。水層を塩酸でpH2
にしたのち、酢酸エチル(50ml)で2回抽出する。酢酸
エチル抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。減圧下に濃縮すると2,4−ジベンジルオキシ安息香
酸(1.37g,収率86.8%)が得られる。酢酸エチル−ヘキ
サン混合溶媒から再結晶すると精製された2,4−ジベン
ジルオキシ安息香酸(1.03g,収率65.4%)が得られる。
融点122-123℃。
iii)上記の2,4−ジベンジルオキシ安息香酸(1.00g)
を無水ベンゼン(30ml)に溶解してピリジン(261mg)
を加える。この溶液を塩化オギザリル(762mg)の無水
ベンゼン(10ml)溶液に滴下しながら加える。この混合
物を室温(20℃)で30分間かきまぜたのち、不溶物をろ
去し、ろ液を減圧下に濃縮する。得られた2,4−ジベン
ジルオキシ安息香酸クロライドを無水テトラヒドロフラ
ン(20ml)に溶解し、氷冷下にジアゾメタンのジエチル
エーテル溶液をジアゾメタンの黄色が消えてなくなるま
で加える。2時間かきまぜたのち、不溶物をろ去し、ろ
液を減圧下に濃縮する。得られた2,4−ジベンジルオキ
シベンゾイルジアゾメタンとN−ヒドロキシサクシンイ
ミド(3.76g)とを無水テトラヒドロフランに溶解した
のち、安息香酸銀(138mg)のトリエチルアミン(1mg)
溶液をこれに加える。暗所で4時間かきまぜたのち、不
溶物をろ去し、ろ液を減圧下に濃縮する。残渣を酢酸エ
チル(50ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水,10%クエン酸水溶液、水で順次洗浄する。無水
硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮する。
酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から再結晶すると2,4
−ジベンジルオキシフェニル酢酸 サクシンイミドエス
テル(IIa,0.77g,収率58%)が得られる。融点143-143.
5℃。
参考例2 4−フタルイミドブタナール(VII)の製造 i)4−アミノブタナール ジエチルアセタール(5.63
g),N−エトキシフタルイミド(8.04g)およびトリエチ
ルアミン(3.89g)をテトラヒドロフラン(40ml)に溶
解し、室温(20℃)で2時間かきまぜる。反応液を減圧
下に濃縮し、残渣をヘキサン30mlで5回抽出する。ヘキ
サン抽出液を減圧下に濃縮したのち、さらに減圧下、10
0℃で加熱することにより副生するカルバミン酸エチル
を昇華させて除去する。4−フタルイミドブタナール
ジエチルアセタール(9.71g,収率95.2%)が油状物とし
て得られる。
ii)上記の4−フタルイミドブタナール(2.10g)をア
セトン(30ml)に溶解したのち1N−塩酸(20ml)を加
え、加熱下に10分間還流する。反応液を減圧下に濃縮
し、残った水溶液をジエチルエーテル(50ml)で5回抽
出する。ジエチルエーテル抽出液を水(30ml)で3回洗
浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下
に濃縮すると4−フタルイミドブタナール(VII,2.17
g)が得られる。VIIは油状物で得られるが、放置するこ
とにより結晶化する。
参考例3 N1-(L−アスパラギニル)−N5-(8−トリ
クロロエトキシカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシ
カルボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン(III
a)の製造 i)4−フタルイミドブタナール(VII,3.40g)をメタ
エノール(140ml)に溶解し、これにβ−アラニン(VI,
1.67g)を水(12ml)に溶解した溶液を加える。10分間
かきまぜたのち酢酸(2ml)を加え、さらにシアノ水素
化ホウ素ナトリウム(1.18g)をメタノール(40ml)に
溶解した溶液を20分間で滴下して加える。滴下後、室温
(20℃)で3時間かきまぜる。6N−塩酸(10ml)を加え
てさらに2時間かきまぜたのち、減圧下に濃縮する。残
渣を水(10ml)に溶解したのち、ダイヤイオン HP-20
(三菱化成製)によるカラムクロマトグラフィーで精製
する。水、つづいて50%メタノールで流出することによ
り8−フタロイル−4−アザオクタン酸 塩酸塩(VII
I,3.60g,収率70.6%)が得られる。
融点203℃(分解)。
ii)8−フタロイル−4−アザオクタン酸 塩酸塩(VI
II,2.00g)を水(40ml)に溶解したのち炭酸水素ナトリ
ウム(1.03g)を加え、氷冷下に塩化ベンジルオキシカ
ルボニル(1.14g)と炭酸水素ナトリウム(514mg)を加
える。氷冷下に1時間、さらに室温(20℃)で3時間か
きまぜたのち、塩酸を加えてpHを2とする。酢酸エチル
(50ml)で2回抽出し水洗したのち、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥する。減圧下に濃縮すると油状の8−フタロイ
ル−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオクタン
酸(IX)が得られる。
iii)上記の8−フタロイル−4−ベンジルオキシカル
ボニル−4−アザオクタン酸(IX),N-(tert−ブトキ
シカルボニル)カダベリン 塩酸塩(X,1.46g),1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(827mg)とをN,N−ジメチ
ルホルムアミド(20ml)に溶解し、氷冷下に1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(950mg)を加えたのち、氷冷下に1時間、さらに室温
(20℃)で3時間かきまぜる。反応液を濃縮し、残渣を
酢酸エチルに溶解したのち、10%クエン酸水溶液,飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄する。無
水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮する
とN1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-(8−フタロ
イル−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオクタ
ノイル)カダベリン(XI,3.13g(VIII)から収率84.0
%)が油状物として得られる。
iv)N1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-(8−フタ
ロイル−4−ベンジルオシカルボニル−4−アザオクタ
ノイル)カダベリン(XI,860mg)をエタノール(15ml)
に溶解したのち、抱水ヒドラジン(156mg)を加えて還
流下に1時間加熱する。反応液を減圧下に濃縮すると粗
N1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-(8−アミノ−
4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオクタノイ
ル)カダベリン(XII)が油状物として得られる。精製
せずにつぎの反応に用いる。
v)上記の粗N1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-
(8−アミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−ア
ザオクタノイル)カダベリン(XII)を酢酸エチル(10m
l)に溶解したのち、炭酸トリクロロエチルサクシンイ
ミド とトリエチルアミン(143mg)とを加え、室温(20℃)
で3時間かきまぜる。反応液を10%クエン酸水溶液,飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で濃縮すると粗
N1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-(8−トリクロ
ロエトキシカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカル
ボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン(XIII)が
油状物として得られる。
vi)上記の粗N1-(tert−ブトキシカルボニル)−N5-
(8−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−4−ベン
ジルオキシカルボニル−4−アザオクタノイル)カダベ
リン(XIII)をトリフルオロ酢酸(5ml)に溶解したの
ち、室温(20℃)で20分間かきまぜる。反応液を減圧下
に濃縮すると粗N-(8−トリクロロエトキシカルボニル
アミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオク
タノイル)カダベリン(XIV)が油状物として得られ
る。
vii)上記の粗N-(8−トリクロロエトキシカルボニル
アミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオク
タノイル)カダベリン(XIV)をN,N−ジメチルホルムア
ミド(5ml)に溶解したのち、Nα‐(tert−ブトキシ
カルボニル)−L−アスパラギン p−ニトロフェニル
エステル(XV,498mg)とトリエチルアミン(143mg)を
加え、室温(20℃)で15時間かきまぜる。反応液を減圧
下に濃縮し、残渣を酢酸エチル(30ml)に溶解し、10%
クエン酸水溶液,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和
食塩水で洗浄する。無水硫酸マグネシムウで乾燥したの
ち減圧下に濃縮し、残渣にジエチルエーテル(2ml)を
加えると固化する。メタノール−ジエチルエーテル混合
溶媒(1:2(v/v),2ml)に溶解してから再沈殿させると
N1-{Nα‐(tert−ブトキシカルボニル)−L−アス
パラギニル}−N5-(8−トリクロロエトキシカルボニ
ルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオ
クタノイル)カダベリン(XVI,495mg,(XI)からの収率
46%)が得られる。融点98-99℃。
viii)N1-{Nα‐(tert−ブトキシカルボニル)−L
−アスパラギニル}−N5-(8−トリクロロエトキシカ
ルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−
アザオクタノイル)カダベリン(XVI,150mg)をトリフ
ルオロ酢酸(5ml)に溶解したのち、室温(20℃)で20
分間かきまぜる。反応液を減圧下に濃縮すると粗N1-
(L−アスパラギニル)−N5-(8−トリクロロエトキ
シカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−
4−アザオクタノイル)カダベリン(IIIa)が油状物と
して得られる。
参考例4 12−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N
9−ジベンジルオキシカルボニル−4,9−ジアザドデカン
酸 p−ニトロフェニルエステル(Va-1)の製造 i)1,4−ジアミノブタン(17.62g)をメタノール(5m
l)に溶解し、氷冷下にアクリロニトリル(13.25ml)を
1時間かけて滴下する。ついで室温にもどし、15時間放
置する。反応液をシリカゲルカラム(展開溶媒はイソプ
ロピルアミン−メタノール−クロロホルムの1:5:15(v/
v/v)混合液)で分離精製すると4-{(2−シアノエチ
ル)アミノ}ブチルアミン(143g,収率51%)が無色の
油状物として得られる。
ii)上記の4-{(2−シアノエチル)アミノ}ブチルア
ミン(14.1g)をエタノール(100ml)に溶解し、アクリ
ル酸エチルエステル(10g)のエタノール(50ml)溶液
を1時間かけて滴下する。15時間放置したのち、減圧下
に濃縮し、シリカゲルカラム(500g,展開溶媒はイソプ
ロピルアミン−クロロホルムの1:25(v/v)混合液)で
分離精製すると11−シアノ−4,9−ジアザウンデカン酸
エチルエステル(18.9g,収率79%)が無色の油状物と
して得られる。
iii)上記の11−シアノ−4,9−ジアザウンデカン酸 エ
チルエステル(18.1g)をエタノール(750ml)に溶解
し、酸化白金(2.25g)を加えて窒素雰囲気下に8時間
接触還元を行う。不溶物をろ去し、シリカゲルカラム
(展開溶媒はイソプロピルアミン−クロロホルム−メタ
ノールの1:5:5(v/v/v)混合液)で分離精製すると12−
アミノ−4,9−ジアザドデカン酸 エチルエステル(XXV
Ia,8.5g,収率46%)が無色の油状物として得られる。
iv)上記の12−アミノ−4,9−ジアザドデカン酸 エチ
ルエステル(XXVIa,1.7g)と炭酸水素ナトリウム(1.76
g)とを水(20ml)に加え、塩化ベンジルオキシカルボ
ニル(2.4g)を滴下する。1時間かきまぜたのち、炭酸
水素ナトリウム(1.2g)と塩化ベンジルオキシカルボニ
ル(2.4g)をさらに加えて15時間かきまぜる。反応液を
酢酸エチル(20ml)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥する。減圧下に濃縮したのち、シリカゲルカラム(展
開溶媒はヘキサン−酢酸エチルの1:1(v/v)混合液)で
分離すると12−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N
9−ジベンジルオキシカルボニル−4,9−ジアザドデカン
酸 エチルエステル(XXVIIa,1.43g,収率32%)が得ら
れる。
v)上記の12−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N
9−ジベンジルオキシカルボニル−4,9−ジアザドデカン
酸 エチルエステル(XXVIIa,760mg)をエタノール(5m
l)に溶解したのち、2N−水酸化カリウム水溶液(1.17m
l)を加えて15時間放置する。減圧下に濃縮乾固し、残
渣を水(10ml)に溶解する。クエン酸で酸性としたの
ち、酢酸エチル(20ml)で抽出する。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固する。12−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−N4,−N9−ジベンジルオキシカ
ルボニル−4,9−ジアザドデカン酸(XXVIIIa)が定量的
に得られる。このXXVIIIaをパラニトロフェノール(140
mg)とともにN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解
し、−10℃にてジシクロヘキシルカルボジイミド(179m
g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加え
る。−10℃で30分間、ついで室温(20℃)で1.5時間反
応させる。反応後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧
下に40℃ないし50℃で留去し、残渣を酢酸エチル(5m
l)で抽出する。酢酸エチルを留去したのちシリカゲル
カラム(70g,展開溶媒は、ヘキサン−酢酸エチルの1:1
(v/v)混合液)で分離精製すると12−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−N4,N9−ジベンジルオキシカルボニ
ル−4,9−ジアザドデカン酸 p−ニトロフェニルエス
テル(Va-1,376mg,XXVIIaからの収率63%)が黄色油状
物として得られる。
参考例5 11−ベンジルオキシカルボニル−N4,N8−ジ
ベンジルオキシカルボニル−4,8−ジアザウンデカン
p−ニトロフェニルエステル(Va-2)の製造 i)ビス(3−アミノエチル)アミン(1.3g)をエタノ
ール(10ml)に溶解し、アクリル酸エチルエステル(1.
0g)のエタノール(50ml)溶液を1時間かけて滴下す
る。15時間放置したのち減圧下に濃縮し、シリカゲルカ
ラム(80g,展開溶媒はイソプロピルアミン−クロロホル
ムの1:25(v/v)混合液)で分離精製すると11−アミノ
−4,9−ジアザドデカン酸 エチルエステル(XXVIb)が
油状物として得られる。このXXVIbと炭酸水素ナトリウ
ム(0.25g)とを水(5ml)に加え、塩化ベンジルオキシ
カルボニル(0.5g)を滴下する。1時間かきまぜたの
ち、炭酸水素ナトリウム(0.25g)と塩化ベンジルオキ
シカルボニル(0.5g)をさらに加えて15時間かきまぜ
る。反応液を酢酸エチル(10ml)で抽出し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥する。減圧下に濃縮したのち、シリカゲ
ルカラム(50g,展開溶媒はヘキサン−酢酸エステルの1:
1(v/v)混合液)で分離すると11−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−N4,N8−ジベンジルオキシカルボニル−
4,8−ジアザウンデカン酸 エチルエステル(XXVIIb,1.
04g,ビス(3−アミノエチル)アミンからの収率17%)
が得られる。
ii)上記の11−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N
8−ジベンジルオキシカルボニル−4,8−ジアザウンデカ
ン酸 エチルエステル(XXVIIb,760mg)をエタノール
(5ml)に溶解したのち、2N−水酸化カリウムが水溶液
(1.17ml)を加えて15時間放置する。減圧下に濃縮乾固
し、残渣を水(10ml)に溶解する。クエン酸で酸性とし
たのち、酢酸エチル(20ml)で抽出する。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固する。11−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−N4,−N8−ジベンジルオキ
シカルボニル−4,8−ジアザウンデカン酸(XXVIIIb)が
得られる。このXXVIIIbをパラニトロフェノール(140m
g)とともにN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解
し、−10℃にてジシクロヘキシルカルボジイミド(179m
g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加え
る。−10℃で30分間、ついで室温(20℃)で1.5時間反
応させる。反応後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧
下に40℃ないし50℃で留去し、残渣を酢酸エチル(5m
l)で抽出する。酢酸エチルを留去したのちシリカゲル
カラム(60g,展開溶媒はヘキサン−酢酸エチル1:1(v/
v)混合液)で分離精製すると11−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−N4,N8−ジベンジルオキシカルボニル−
4,8−ジアザドデカン酸 p−ニトロフェニルエステル
(Va-2,190mg,XXVIIbからの収率22%)が黄色油状物と
して得られる。
実施例1 N1-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチ
ル−L−アスパラギニル−N5-(8−トリクロロエトキ
シカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−
4−アザオクタノイル)カダベリン(Ia,表1の化合物
番号2の化合物の水酸基,アミノ基およびイミノ基を保
護した化合物)の製造 参考例3にて製造された粗N1-(L−アスパラギニル)
−N5-(8−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−4
−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオクタノイル)
カダベリン(IIIa)をN,N−ジメチルホルムアミド(5m
l)に溶解したのち、2,4−ジベンジルオキシフェニル酢
酸 サクシンイミドエステル(IIa,96mg)とトリエチル
アミン(22mg)を加えて、室温(20℃)で48時間かきま
ぜる。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エ
チル(3ml)と水(2ml)を加える。沈殿をろ取するとN1
-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−アス
パラギニル)−N5-(8−トリクロロエトキシカルボニ
ルアミノ−4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオ
クタノイル)カダベリン(Ia,155mg,XVIからの収率80
%)が得られる。融点146-147℃。
実施例2 N1-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチ
ル−L−アスパラギニル)−N5-(8−アミノ−4−ベ
ンジルオキシカダベリン−4−アザオクタノイル)カダ
ベリン 塩酸塩(Ib,表1の化合物番号2の化合物の水
酸基とイミノ基を保護した化合物)の製造 実施例1で得られたN1-(2,4−ジベンジルオキシフェニ
ルアセチル−L−アスパラギニル)−N5-(8−トリク
ロロエトキシカルボニルアミノ−4−ベンジルオキシカ
ルボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン(Ia,200
mg)を酢酸(2ml)に溶解したのち、亜鉛末(131mg)を
加え、超音波をかけながら1時間反応させる。不溶物を
ろ去したのち、ろ液を減圧下に濃縮する。残渣にジエチ
ルエーテル(3ml)を加え、得られた沈殿をろ取する。
さらにメタノール(0.5ml)に溶解し、ジエチルエーテ
ル(2ml)を加えて再沈殿させる。沈殿をろ取するとN1-
(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−アス
パラギニル)−N5-(8−アミノ−4−ベンジルオキシ
カルボニル−4−アザオクタノイル)カダベリン 酢酸
塩(Ib,157mg,88.9%)が得られる。
実施例3 N1-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチ
ル−L−アスパラギニル)−N5-{8-(トリベンジルオ
キシカルボニル−L−アルギニル)−4−ベンジルオキ
シカルボニル−4−アザオクタノイル}カダベリン(I
c,表1の化合物番号1の化合物の水酸基,アミノ基およ
びイミノ基を保護した化合物)の製造 トリベンジルオキシカルボニル−L−アルギニン(HOCO
CH(NHZ)(CH23N(Z)C(=NH)HZ,130mg)とトリ
エチルアミン(22.9mg)とを無水テトラヒドロフラン
(2ml)に溶解し、−20℃に冷却したのち、塩化イソブ
チルオキシカルボニル(30.9mg)を加えて10分間かきま
ぜる(溶液A)。別に、実施例2で得られたN1-(2,4−
ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−アスパラギニ
ル)−N5-(8−アミノ−4−ベンジルオキシカルボニ
ル−4−アザオクタノイル)カダベリン 酢酸塩(Ib,1
00mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)に溶解して
−20℃に冷却したのちトリエチルアミン(11.5mg)を加
える(溶液B)。溶液Bに溶液Aを加え、−20℃で1時
間かきまぜる。さらに室温(20℃)で2時間かきまぜ
る。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル(1m
l)と水(1ml)を加える。生ずる沈殿をろ取するとN1-
(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−アス
パラギニル)−N5-{8−(トリベンジルオキシカルボ
ニル−L−アルギニル)アミノ−4−ベンジルオキシカ
ルボニル−4−アザオクタノイル}カダベリン(Ic,125
mg,80.1%)が得られる。融点155-156℃。
実施例4 N1-(2,4−ヒドロキシフェニルアセチル−L
−アスパラギニル)−N5-{8-(L−アルギニル)アミ
ノ−4−アザオクタノイル}カダベリン(Id,表1の化
合物番号1の化合物)の製造 実施例3で得られたN1-(2,4−ジベンジルオキシフェニ
ルアセチル−L−アスパラギニル)−N5-{8−(トリ
ベンジルオキシカルボニル−L−アルギニル)アミノ−
4−ベンジルオキシカルボニル−4−アザオクタノイ
ル}カダベリン(Ic,10mg)を酢酸(2ml)とメタノール
(1ml)の混合溶媒に溶解したのち、パラジウム黒(10m
g)を触媒として水素雰囲気下で接触還元を行なう。反
応液、触媒をろ去し、溶液を減圧下に濃縮する。得られ
た残渣を高速液体クロマトグラフィー[半井化学製の5C
18カラムを用いる。カラムの内径は6mm,長さ250mmと
し、溶出溶媒はアセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢
酸の混合溶媒(0%から70%のリニア−グラジエント)
を用いる。流速は毎分1mlとし、220nmで検出する。この
条件で15分後にあらわれるピークを分取する]により分
離精製すると、N1-(2,4−ヒドロキシフェニルアセチル
−L−アスパラギニル)−N5-{8-(L−アルギニル)
アミノ−4−アザオクタノイル}カダベリン(Id,4.4m
g,収率60%)が得られる。ここで得られたIdは高速液体
クロマトグラフィーでシングルピークを与え、また、NM
Rにおいてオオジョロウグモから得られたものと一致し
た。
IdのプロトンNMR(400MHz,重水中,ppm):1.03(quin.,2
H),1,28(m,2H),1.30(m,2H),1.46(m,2H×2),1.5
6(m,2H),1.75(m,2H),2.49(t,2H),2.60(m,2H),
2.92(m,2H×2),3.07(t,2H),3.12(m,2H×3),3.3
8(dd,2H),3.80(t,1H),4.45(dd,1H),6.30(m,2
H),6.94(d,1H) 実施例5 2.4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−
L−アスパラギニルカダベリン(IVa)の製造 i)2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(XVII)(14.
5g)をエタノール(60ml)に溶解したのち、塩化ベンジ
ル(30ml)および炭酸ナトリウム(17g)を加えて加熱
下に5時間還流する。不溶物をろ去し,ろ液を放冷した
のちに生ずる固形物をろ取する。エタノールより再結晶
して2,4−ジベンジルオキシベンズアルデヒト(XVII)
(20g,収率60%)を得る。融点89-90℃。
ii)2,4−ジベンジルオキシベンズアルデヒド(XVIII)
(20g)をメタノール(700ml)に溶解したのち、水素化
ホウ素ナトリウム(3.6g)を加えて室温(20℃)で1.5
時間放置する。反応液に水(1.5l)を加え,生ずる沈殿
をろ取する。エタノールより再結晶して2,4−ジベンジ
ルオキシベンジルアルコール(XIX)(19.8g,収率98
%)を得る。融点84-85℃。
iii)2,4−ジベンジルオキシベンジルアルコール(XI
X)(19.8g)を無水ベンゼン(150ml)に溶解したの
ち、塩化チオニル(40g)を加えて加熱下に1時間還流
する。減圧下に濃縮して乾固すると粗2,4−ジベンジル
オキシベンジルクロライド(XX)を得る。これを精製す
ることなくつぎの反応に用いる。
iv)上記の粗2,4−ジベンジルオキシベンジルクロライ
ド(XX)をジメチルスルホキサイド(150ml)に溶解し
たのち、シアン化ナトリウム(4g)を加えて室温(20
℃)で2時間撹拌する。反応液を水(1)中にあけ、
ジクロロメタン(1)で抽出する。ジクロロメタン抽
出液を減圧下に濃縮したのち、残渣をシリカゲルカラム
(内径10cm,長さ50cm,ジクロロメタン−ヘキサンの1:1
(v/v)混合液で展開)で分離精製し、さらにジエチル
エーテル−ヘキサンの2:1(v/v)混合液より再結晶し
て、2,4−ジベンジルオキシフェニルアセトニトリル(X
XI)(14.3g,(XIX)からの収率70%)を得る。融点99-
100℃ v)2,4−ジベンジルオキシフェニルアセトニトリル(X
XI)(14.3g)をエタノール(250ml)に溶解したのち、
水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム32gを水80mlに
溶解したもの)を加え、加熱下に15時間還流する。反応
液を減圧下に濃縮したのち水(100ml)に溶解する。濃
塩酸にて酸性としたのち、ジクロロメタン(100ml)2
日で抽出する。ジクロロメタン抽出液を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下に濃縮したのち、残渣をシリカ
ゲルカラム(内径10cm,長さ50cm,ジクロロメタン−酢酸
エチルの4:1(v/v)混合液で展開)で分離精製する。ベ
ンゼンより再結晶して2,4−ジベンジルオキシフェニル
酢酸(XXII)(14.4g,収率95%)を得る。融点139℃。
vi)2,4−ジベンジルオキシフェニル酢酸(XXII)(1.4
g)を無水ベンゼン(30ml)に溶解したのち、塩化チオ
ニル(5g)を加えて室温(20℃)で20分間放置する。反
応液を減圧下に濃縮して乾固すると粗2,4−ジベンジル
オキシフェニルアセチルクロライド(XXIII)を得る。
これを精製することなくつぎの反応に用いる。
vii)上記の粗2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル
クロライド(XXIII)を無水N,N−ジメチルホルムアミド
(20ml)に溶解したのち,L−アスパラギン p−ニトロ
フェニルエステル トリフルオロ酢酸塩の無水N,N−ジ
メチルホルムアミド溶液[N-(p−メトキシベンジルオ
キシカルボニル)−L−アスパラギン p−ニトロフェ
ニルエステル(1.6g)をアニソール(1.2g)の存在下に
0℃でトリフルオロ酢酸(3ml)で1時間処理したの
ち、減圧下に濃縮乾固し、その残渣を無水N,N−ジメチ
ルホルムアミド(20ml)に溶解したもの]を加える。さ
らにトリエチルアミン(1.8ml)を加え、40℃以下で減
圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラム(内径5cm,長
さ30cm,酢酸エチルで展開)で分離精製する。2,4−ジベ
ンジルオキシフェニルアセチル−L−アスパラギン p
−ニトロフェニルエステル(XXIV,290mg,(XXII)から
の収率13%)を得る。
XXIVのプロトンNMR(重水−重クロロホルム中;ppm):2.
75(dd,5Hz,16Hz,1H),3.01(dd,5Hz,16Hz,1H),3.61
(s,2H),4.90(dt,5Hz,4Hz,1H),5.00(s,2H),5.05
(s,2H),6.55(d,8Hz,2H),6.55(dd,3Hz,8Hz,1H),6.
59(d,3Hz,1H),7.26(d,8Hz,1H),〜7.38(10H),8.2
0(d,8Hz,2H). viii)2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−
アスパラギン p−ニトロフェニルエステル(XXIV)
(40mg)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶
解したのち,これをカダベリン(1,5−ジアミノペンタ
ン,80mg)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)溶
液に加える。
さらに5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5μl),つい
で水(30ml)を加える。生ずる沈殿をろ取したのちよく
水洗し、乾燥すると2,4−ジベンジルオキシアセチル−
L−アスパラギニルカダベリン(IVa,34mg,収率92%)
を得る。薄層クロマトグラフ上でシングルスポットを与
え、高速液体クロマトグラフでシングルピークを与え
る。マススペクトルでM+546をあたえる。
IVaのプロトンNMR(400MHz,重ジメチルスルホキサイド
−重水−重クロロホルム中,ppm):1.26(quint.,2H),
1.40(quint.,2H),1.44(quint.,2H),2.52(d,6Hz,2
H),2.62(t,5Hz,2H),3.02(dt,1H),3.08(dt,1H),
3.52(s,2H),4.59(t,6Hz,1H),5.06(s,2H),5.12
(s,2H),6.58(dd,7.5Hz,2.5Hz,1H),6.69(d,2.5Hz,1
H),7.12(d,7.5Hz,1H),7.30-7.49(10H). 実施例6 N1-(2,4−ジヒドロキシフェニルアセチル−
L−アスパラギニル)−N5-(12−アミノ−4,9−ジアザ
ドデカノイル)カダベリン(Ie,表1の化合物番号7の
化合物)の製造 i)2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−ア
スパラギニルカダベリン(IVa,50mg)および12−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−N4,N9−ジベンジルオキシ
カルボニル−4,9−ジアザドデカン酸 p−ニトロフェ
ニルエステル(Va-1,67.1mg)をN,N−ジメチルホルムア
ミド(2ml)に溶解したのち、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(2mg)を加えて室温(20℃)で1時間反応
させる。1%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え
て生じる沈殿をろ取してよく水洗するとN1-(2,4−ジベ
ンジルオキシフェニルアセチル−L−アスパラギニル)
−N5-(12−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N9
ジベンジルオキシカルボニル−4,9−ジアザドデカノイ
ル)カダベリン(63mg,エステルからの収率60%)を得
る。
ii)上記のN1-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチ
ル−L−アスパラギニル)−N5-(12−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−N4,N9−ジベンジルオキシカルボニ
ル−4,9−ジアザドデカノイル)カダベリン(50mg)を
酢酸(3ml)に溶解したのち、10%−パラジウム−炭素
(30mg)を加え、水素ガス雰囲気下で2時間接触還元を
行う。反応後、触媒をろ去し、減圧下で濃縮乾固する。
残渣を高速液体クロマトグラフィー[東洋ソーダ製の逆
相分配カラム−TSKgel ODS-120Tを使用。カラムは内径
4.6mm,長さ250mmとし、樹脂径は5μmのものを使用。
カラム温度は40℃。溶出溶媒は0.02%塩酸とアセトニト
リルの混合溶媒−95:5(v/v)−を使用]で分離精製す
る。溶媒を留去するとN1-(2,4−ジヒドロキシフェニル
アセチル−L−アスパラギニル)−N5-(12−アミノ−
4,9−ジアザドデカノイル)カダベリン 塩酸塩(Ie,22
mg,収率76%)が無色油状物質として得られる。Ie(塩
酸塩)のプロトンNMR(400MHz,重水中,ppm):1.02(qui
n.,2H),1.27(quin.,4H),1.63(br,4H),1.94(qui
n.,2H),2.49(t,7Hz,1H),2.57(dd,4Hz,12Hz,1H),2.
60(ddt,1H),3.12(t,7Hz,1H),3.32(d,15Hz,1H),3.
41(d,15Hz,1H),4.44(dd,4Hz,7Hz,1H),6.30(s-lik
e,2H),6.92(m,1H). 実施例7 N1-(2,4−ジヒドロキシフェニルアセチル−
L−アスパラギニル)−N5-(11−アミノ−4,8−ジアザ
ウンデカノル)カダベリン(If,表1の化合物番号5の
化合物)の製造 i)2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチル−L−ア
スパラギニルカダベリン(IVa,55mg)および11−ベンジ
ルオキシカルボニル−N4,N8−ジベンジルオキシカルボ
ニル−4,8−ジアザウンデカン酸 p−ニトロフェニル
エステル(Va-2,69mg)をN,N−ジメチルホルムアミド
(2ml)に溶解したのち,1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(2mg)を加えて室温(20℃)で1時間反応させ
る。1%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加えて生
じる沈殿をろ取してよく水洗するとN1-(2,4−ベンジル
オキシフェニルアセチル−L−アスパラギニル)−N5-
(11−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N4,N8−ジベ
ンジルオキシカルボニル−4,8−ジアザウンデカノイ
ル)カダベリン(71mg,エステルからの収率60%)を得
る。
ii)上記のN1-(2,4−ジベンジルオキシフェニルアセチ
ル−L−アスパラギニル)−N5-(11−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−N4,N8−ジベンジルオキシカルボニ
ル−4,8−ジアザウンデカノイル)カダベリン(70mg)
を酢酸(3ml)に溶解したのち、10%−パラジウム−炭
素(30mg)を加え、水素ガス雰囲気下で2時間接触還元
を行う。反応後、触媒をろ去し、減圧下で濃縮乾固す
る。残渣を高速液体クロマトグラフィー[東洋ソーダ製
の逆相分配カラム−TSKgel ODS-120Tを使用。カラムは
内径4.6mm,長さ250mmとし、樹脂径は5μmのものを使
用。カラム温度は40℃。溶出溶媒は0.02%塩酸とアセト
ニトリルの混合溶媒−95:5(v/v)−を使用]で分離精
製する。溶媒を留去するとN1-(2,4−ジヒドロキシフェ
ニルアセチル−L−アスパラギニル)−N5-(11−アミ
ノ−4,8−ジアザウンデカノイル)カダベリン 3塩酸
塩(If,34mg,収率83%)が無色油状物質として得られ
る。
If(3塩酸塩)のプロトンNMR(440MHz,重水中,ppm):
1.01(quin.,2H),1.27(quin.,2H),1.28(quin.,2
H),1.94(quin.,2H),1.96(quin.,2H),2.50(t,7Hz,
1H),2.58(dd,6Hz,18Hz,1H),2.61(dd,5Hz,18Hz,1
H),2.92(ddt,1H),2.93(t,4H),3.00(t-like,6H),
3.07(ddt,1H),3.14(t,7Hz,1H),3.31(d,15Hz,1H),
3.40(d,15Hz,1H),4.44(dd,5Hz,6Hz,1H),6.30(s-li
ke,2H),6.92(m,1H).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 首藤 紘一 東京都目黒区東山2丁目25番6―102号 公務員宿舎 (72)発明者 芝 哲夫 大阪府豊中市服部本町1丁目2番地28号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,4−ジヒドロキシフェニル酢酸またはそ
    の塩もしくは反応性誘導体と、一般式 [式中、Rは水素原子または基 を、m,nはそれぞれ3または4を、pは0または1を示
    す]で表される化合物またはその塩もしくは反応性誘導
    体とを反応させ、要すれば保護基を脱離させることを特
    徴とする一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表されるアミド
    化合物またはその塩の製造法。
  2. 【請求項2】2,4−ジヒドロキシフェニルアセチルアス
    パラギニルカダベリンまたはその塩と一般式 HOCO(CH22NH[(CH2)mNH]p(CH2)nNHR [式中、Rは水素原子または基 m,nはそれぞれ3または4を、pは0または1を示す]
    で表されるカルボン酸またはその塩もしくは反応性誘導
    体とを反応させ、要すれば保護基を脱離させることを特
    徴とする一般式 [式中の記号は前記と同意義を示す]で表されるアミド
    化合物またはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】Rが基 nが4、pが0である特許請求の範囲第(1)項または
    第(2)項に記載の製造法。
  4. 【請求項4】Rが水素原子、nが4、pが0である特許
    請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載の製造
    法。
  5. 【請求項5】Rが基 mが3、nが4、pが1である特許請求の範囲第(1)
    項または第(2)項に記載の製造法。
  6. 【請求項6】Rが基 mが4、nが3、pが1である特許請求の範囲第(1)
    項または第(2)項に記載の製造法。
  7. 【請求項7】Rが水素原子、mが3、nが3、pが1で
    ある特許請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載
    の製造法。
  8. 【請求項8】Rが水素原子、mが3、nが4、pが1で
    ある特許請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載
    の製造法。
  9. 【請求項9】Rが水素原子、mが4、nが3、pが1で
    ある特許請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載
    の製造法。
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