JPH0787952A - 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料 - Google Patents

焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料

Info

Publication number
JPH0787952A
JPH0787952A JP5240124A JP24012493A JPH0787952A JP H0787952 A JPH0787952 A JP H0787952A JP 5240124 A JP5240124 A JP 5240124A JP 24012493 A JP24012493 A JP 24012493A JP H0787952 A JPH0787952 A JP H0787952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
lees
shochu
shochu lees
bacteria
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5240124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3449757B2 (ja
Inventor
Akira Miyata
章 宮田
Yukio Tomohiro
幸男 友弘
Tomoaki Yamamura
智昭 山村
Shinsaku Hayashida
晋策 林田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukutokuchiyou Shiyurui Kk
Original Assignee
Fukutokuchiyou Shiyurui Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukutokuchiyou Shiyurui Kk filed Critical Fukutokuchiyou Shiyurui Kk
Priority to JP24012493A priority Critical patent/JP3449757B2/ja
Publication of JPH0787952A publication Critical patent/JPH0787952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3449757B2 publication Critical patent/JP3449757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Landscapes

  • Fodder In General (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 焼酎粕に中温菌および高温菌を混合接種し、
先ず25℃以上40℃未満の温度にて菌を増殖させ、次
いで40℃以上60℃以下の温度にて菌を増殖させるこ
とを特徴とする焼酎粕の処理方法およびこの方法によっ
て得られた培養処理物の有機質肥料としての利用。 【効果】 焼酎粕の簡便且つ経済的な利用方法が提供さ
れた。得られた培養処理物は、有機質肥料として優れた
性質を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼酎製造工程において副
生する焼酎粕の培養処理方法に関する。さらに詳しくは
本発明は焼酎製造工程における蒸留残渣である焼酎粕
を、微生物の作用により処理し有効に利用する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】焼酎の製造過程において副生する蒸留残
渣は、通常焼酎粕と称され、従来のその一部はそのまま
或いは濃縮、乾燥して肥料または飼料として利用されて
いる。しかし焼酎粕はそのままでは腐敗し易く保存が困
難であり、また加熱して濃縮、乾燥する場合には、その
ために多大の費用を要し、他の肥料または飼料と比べて
コストが割高となっている。その上いずれの場合にも、
焼酎粕はpHが低く酸性であるために、肥料または飼料
として大量に使用するには問題を有している。従って大
部分の焼酎粕は、海洋に投棄されているのが現状であ
る。
【0003】一方海洋投棄についても、それ自体多大の
費用を要する。その上近年の世界的な環境保全運動の高
まりと共に、海洋への投棄を抑制または禁止する条約が
合意され、焼酎粕の海洋投棄も近い将来できなくなる恐
れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下で、
焼酎粕を簡便に、経済的に有利に、しかも環境汚染を起
さない方法で処理し、望むべくは有効に利用しうる形態
で処理物が得られる方法の開発が強く要望されている。
そこで本発明の第1の目的は、焼酎粕の経済的に有利で
且つ簡便な処理方法を提供することにある。本発明の第
2の目的は、環境汚染を引起す恐れのない焼酎粕の処理
方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、再
利用可能で且つ有用な物質、例えば有機質肥料に転換で
きる焼酎粕の処理方法を提供することにある。
【0005】本発明者らは、前記本発明の目的を達成す
るため、微生物を利用して焼酎粕を培養処理し、有用な
物質として利用する方法について鋭意研究を進めた。焼
酎粕は酸性が低く通常そのpHは約4〜約5の範囲であ
り、そのために焼酎粕中でよく生育しうる微生物は可成
り制限される。そして酸性の焼酎粕中でよく生育しうる
微生物は、いくつかの種類が見出された。しかしその微
生物を使用して焼酎粕を分解させても、経済的な速度で
且つ有用な分解物を得ることはできなかった。その理由
ははっきりしないが、使用した微生物が酸性の焼酎粕中
で生育するに従って、次第に焼酎粕中の生育条件が変化
し、その微生物の育成に適さない条件になるためであろ
うと考えられる。そこで本発明者らは、或る2つのタイ
プの微生物を選択し、組合せて接種して焼酎粕中で生成
したところ有機質肥料として有効に利用しうる程度に培
養処理されること並びに2つのタイプの微生物が互いに
有効に作用し合って結果として比較的短かい期間で有利
に培養処理されることが見出された。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記新しい知
見に基いて到達されたものであって、焼酎粕に中温菌お
よび高温菌を混合接種し、先ず25℃以上40℃未満の
温度に保持し、次いで40℃以上60℃以下の温度に保
持することを特徴とする焼酎粕の処理方法である。
【0007】かかる本発明方法は、要約すると2つの段
階により微生物による培養処理が施される。すなわち、
本発明方法における第1段階は、焼酎粕に前記2種の混
合菌を接種して25℃以上40℃未満の温度に保持して
培養が行なわれる。この第1段階では中温菌が主として
増殖し、かくして焼酎粕のpHは酸性から中性乃至弱ア
ルカリ性に変化する。その後、第2段階において温度を
40℃以上60℃以下に保持して培養が行なわれ、主と
して高温菌が増殖する。
【0008】かくして本発明によれば、2種の微生物の
作用により焼酎粕から、例えば利用価値のある有機質肥
料が得られ、その処理期間は比較的短期間であって経済
的にも優れている。
【0009】以下本発明方法についてさらに詳細に説明
する。本発明方法において微生物処理の対象である焼酎
粕は、焼酎の製造工程において副生する粕、つまり蒸留
残渣であれば、いかなる種類、形態でも差支えない。ま
た蒸留残渣をそのまま使用してもよく、或いは遠心分離
などの操作により濾別した液部或いは固形部を使用する
こともできる。焼酎粕中には、焼酎の主な原料である
米、麦、とうもろこし或いは芋などに含まれる成分の他
に、酵母・麹菌によって二次的に生産された種々の成分
が含有されている。焼酎粕の分析例を下記表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明方法の実施に当っては、中温菌と高
温菌との混合菌を焼酎粕に接種して培養を行う。そのた
めにそれぞれの菌株を培養して、その培養物を使用す
る。すなわち中温菌の場合、その生育適温である25〜
40℃の温度、特に好ましくは30〜35℃の温度で焼
酎粕添加フスマ培地中で約6日〜約14日間、特に好ま
しくは約8日〜約12日間培養する。一方高温菌の場
合、その生育適温である40℃〜60℃の温度、特に好
ましくは45℃〜55℃の温度で焼酎粕添加フスマ培地
中で約6日〜約14日間特に好ましくは約8日〜約12
日間培養する。
【0012】かくして中温菌および高温菌のそれぞれの
前培養物を得る。それぞれの前培養物は、菌が約1×1
5/g〜約1×108/gの密度で含有している。これ
らの前培養物を混合して焼酎粕に添加する。その場合、
添加した前培養物が、添加した全量当たり約5〜20重
量%、好ましくは約7〜15重量%となる割合とするの
が適当である。
【0013】本発明方法において使用する中温菌として
は、25℃以上40℃未満の温度、特に好ましくは30
℃〜35℃の温度を生育適温とする菌株であり且つ焼酎
粕中で生育し増殖可能な菌株が選択され使用される。好
ましいのは、酸性条件下、例えばpHが約3.5〜約5
の条件下において育成しうる菌である。
【0014】かかる中温菌の具体的な菌としてはバシペ
トスポラ属(Basipetospora)或いはモナスカス属(Mon
ascus)に属する菌の1株または2株が挙げられる。そ
の具体例としてはバシペストポラ・クラミドスポリス
Basipetospora chlamydosporis ;IF0 32385)、バシ
ペストスポラ・Y105(Basipetospora sp.Y105)ま
たはモナスカス・ルーバー(Monascus ruber)が挙げら
れる。
【0015】また本発明方法において使用する高温菌と
しては40℃以上60℃以下の温度、特に好ましくは4
5℃以上55℃以下の温度を生育適温とする菌株であ
り、且つ焼酎粕、殊に前記中温菌によって培養した後の
焼酎粕中で育成し、増殖可能な菌株が選択され使用され
る。好ましいのは例えばpHが約5.5〜約10好まし
くは約6〜約9.5の範囲で育成し増殖しうる菌であ
る。
【0016】かかる高温菌の具体的な菌としては、フミ
コーラ属(Humicola)、サーモアクチノミセス属(Ther
moactinomyces)、サーモモノスポラ属(Thermomonospo
ra)またはサーモマイセス属(Thermomyces)に属する
菌の1株或いは2株が挙げられる。その具体例として
は、フミコーラ・グリセア(Humicola grisea)、サー
モアクチノミセス・グラウカス(Thermoactinomyces gl
aucus)、サーモモノスポラ・ヴィリヂス(Thermomonos
pora virides; IFO 12207)、サーモマイセス・ラヌギ
ノサス(Thermomyces lanuginosus)またはサーモモノ
スポラ・ヴィリヂスHIR50(Thermomonospora viri
des HIR 50)が挙げられる。
【0017】本発明方法においては、前記した2つのタ
イプの菌を焼酎粕に混合して下記2つの段階の条件で培
養処理を行なう。先ず第1段階では25℃以上40℃未
満の温度、好ましくは30℃以上35℃以下の温度に、
前記2つのタイプの菌を含む焼酎粕を保持して菌の育成
・増殖を行なう。この第1段階の初期では、pHが酸性
であり、温度は前記範囲に保持されており、そのため中
温菌が主として増殖し、高温菌は殆んど増殖しない。そ
して次第に中温菌の増殖が進むに従って、pHは徐々に
上昇する。かくしてpHが上昇しpHが約6.5〜約8.
5になるが、中温菌は依然として増殖を続け、一方高温
菌は少しではあるが増殖する傾向が認められる。この第
1段階は通常5〜10日間、好ましくは6〜9日間継続
される。この第1段階は、中温菌の増殖傾向が実質的に
認められなくなるまで、すなわち菌の密度を調べること
によって密度の上昇が実質的に認められなくなるまでの
期間保持するのが好ましい。しかし経済的理由や他の目
的のために、この期間を短縮してもよくまた延期しても
よい。
【0018】前述の如くして第1段階を経て、次に第2
段階の培養処理を行なう。第2段階では40℃以上60
℃以下の温度、好ましくは45℃以上55℃以下の温度
に菌を含む焼酎粕を保持する。この第2段階では高温菌
が主として増殖し、中温菌は実質的に増殖しないか或い
は増殖してもその割合は僅かである。その第2段階は通
常5〜10日間、好ましくは6〜9日間行なわれる。第
1段階から第2段階への移行は連続的または段階的いず
れで行ってもよい。
【0019】かくして本発明方法による前記第1段階お
よび第2段階による培養処理を行うことにより焼酎粕は
酸性からpHは約6.5〜約8の培養物に転化される。
本発明方法によって得られた培養物は、使用した中温菌
および高温菌が比較的高い密度で含有されている。例え
ば中温菌は、その種類にもよるが約1×106〜約1×
108個/g、高温菌はその種類にもよるが約1×107
〜約5×109個/gの密度で培養物に含まれている。
従って本発明方法の実施に当っては、最初の処理に使用
する菌体の培養は前記説明した方法で行なうことができ
るが、2回目以降は本発明方法によって得られた培養物
を、混合菌の種菌として使用し、この操作を繰返して実
施することが可能である。本発明方法の培養物を再び種
菌として使用する場合、その使用量は焼酎粕と混合した
含量に対して約5〜20重量%好ましくは約7〜15重
量%となる割合が望ましい。このように本発明方法は、
得られた培養物をそのまま種菌として使用することがで
きるので、新しい菌株は最初の培養に供給すればよい。
【0020】本発明方法により得られた培養物は、前述
したように有用微生物が高い密度で生存しており、焼酎
粕の或る種の成分が効果的に分解され、しかもpHは大
略中性であるので、或る有用な用途を有している。例え
ば培養物は、有機質肥料として使用することもでき、ま
た生活生ゴミを微生物処理するための種菌としても利用
することができ、さらに土壌改良剤としても使用するこ
とができる。
【0021】特に本発明者らの研究によれば、本発明方
法により得られた培養処理物をそのまま或いは他の肥料
と混合して、有機質肥料として使用すると極めて優れた
効果が得られることが見出された。すなわち、有機質肥
料として標準的に使用されている“なたね油粕”を使用
した場合を対照として、本発明方法による培養物を有機
質肥料として使用した場合、後述する実施例から明らか
なように、無機化速度が緩やかで、多用しても濃度障害
が表われにくく、有用植物の発芽にも有効である。しか
も本発明方法による培養物は有機物を多量に含むので土
壌改良剤としての役割も期待される。
【0022】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例1 本実施例では、中温菌の菌株としてバシペトスポラ・ク
ラミドスポリス(Basipetospola chlamydosporis; IFO
32385)を使用し、高温菌の菌株としてサーモモノスポ
ラ・ヴィリヂス(Thermomonospora viridis; IFO 1220
7)を使用した。
【0024】I. 種菌の調製並びに培養処理 焼酎粕添加フスマ培地にバシペトスポラ・クラミドスポ
リスIFO 32385およびサーモモノスポラ・ヴィリヂスIFO
12207を別々に接種し、それぞれ30℃で10日間培養
して培養物を種菌として使用する。この種菌を全量の1
0重量%となるように焼酎粕に添加し、よく混合して培
養を行う。まず30℃で7日間、45〜50℃でさらに
7日間培養を行った後、粉砕して有機質肥料を製造し
た。
【0025】II. 培養処理の結果並びに培養処理物の
評価結果 (1)培養処理物中におけるpHの変化 焼酎粕のpHは培養中に下記表2のように変化した。培
養直後から上昇を始め、3日後にはpH8になる。これ
により、低pHのもとでは増殖が困難な高温菌などの菌
株の培養が可能になる。
【0026】
【表2】
【0027】(2)培養処理物中の各菌株の菌数変化 培養中の各菌株の生菌数は表3のように推移した。培養
後には中温菌のバシペトスポラ・クラミドスポリスが1
7個/g、高温菌であるサーモモノスポラ・ヴィリヂ
スが109個/gの生菌数が認められた。このことは後
述する培養処理物を2回目からの処理に種菌としての使
用が可能であることを示唆している。
【0028】
【表3】
【0029】(3)培養処理物の肥料化 培養処理物を肥料として評価するため、培養処理物の成
分の分析、無機化試験およびこまつなに対する発芽試験
を行った。これらの結果を表4、表5および表6に示し
た。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】焼酎粕の培養処理物をなたね油粕を対照と
して窒素の無機化試験、こまつなに対する発芽試験を行
った結果、前記表5および表6から明らかなように培養
処理物は無機化速度が緩やかで、多用しても濃度障害が
表われにくいことが明らかである。また培養処理物は有
機物を含むため土壌改良剤としての役割が期待できる。
なお、無機化試験およびこまつなの栽培は下記方法によ
り行った。
【0034】1)無機化試験 培養処理物の窒素の土壌中における無機化量をなたね油
粕を対照として調べた。試験方法は下記の通りである。試料の調整 培養処理物およびなたね油粕をそれぞれ粉砕して径0.
5mmのふるいを全通させる。土壌の処理 畑地土壌を風乾し、径2mmのふるいを通す。無機化処理 土壌20gを300ml容三角フラスコにとり、窒素量
10mg相当の培養処理物および対照品を加えてよく混
合し、最大容水量の60%相当の水を加える。パラフィ
ルムでおおい、30℃定温器内に入れ、3日、1週間、
2週間の各期間静置する。測定 所定の各期間無機化処理した土壌に10%塩化カリウム
液200mlを加え、1時間振とう後乾燥濾紙で濾過す
る。濾液の一定量をとり蒸留法により無機態窒素量を測
定する。
【0035】2)こまつなの培養 1鉢当り20粒ずつこまつなの種子をまき、30℃温室
にて栽培を行った。そして試験区における施用量および
成分(N、P25およびK2O)の量は下記表7のとお
りであった。
【0036】
【表7】
【0037】上記表7に記載した培養処理物および対照
品(なたね油粕)の施用のほかに、標準区を含めたすべ
ての試験区に、N、P25およびK2Oとして、それぞ
れ35mgに相当する量の硫酸アンモニア、過りん酸石
灰および塩化加里を施用した。
【0038】(4)培養処理物の種菌としての繰り返し
使用 焼酎粕を微生物の混合培養により処理した培養処理物に
は、バシペトスポラ・クラミドスポリスが107個/
g、放線菌のサーモモノスポラ・ヴィリヂスが109
/gの生菌数が認められ、2回目からの処理は培養処理
物を種菌として10%量返送し、同様の培養をすること
で連続処理が可能であった。3回連続で処理したときの
培養処理物中の生菌数を下記表8に示した。
【0039】
【表8】
【0040】実施例2 中温菌としてバシペストスポラ属(Basipestospora)の
不完全糸状菌Y−105を使用し、高温菌として高温放
線菌サーモモノスポラ・ヴィリヂス(Thermomospora vi
ridis)HIR-50を使用する以外、実施例1と同様に焼酎
粕を処理し、その結果を下記に示した。この実施例で使
用した上記2種の菌株は本発明者らが所有するものであ
る。 (1)培養処理中におけるpHの変化 焼酎粕のpHは下記表9のように変化した。
【0041】
【表9】
【0042】菌の増殖は良好でpHの上昇も順調であっ
た。 (2)培養処理後の培養物の生菌数 2週間培養した後の生菌数は、糸状菌のバシペストフポ
ラY105は107個/g、放線菌サーモモノスポラHIR
-50は109個/gと実施例1と同様の好結果が得られ
た。したがって2回目以降の処理にも種菌としての利用
が可能である。 (3)培養物の肥料化 培養物を肥料として評価するため、実施例1と同様に、
培養処理物の成分の分析、無機化試験およびこまつなに
対する幼植物試験を行った。これらの結果を下記表1
0、表11および表12に示した。
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】なたね油粕と比較して本発明の培養処理物
は分解速度が遅く、土壌中への窒素の供給が緩やかなの
で持続性のある緩効性の有機質肥料としての利用が期待
できる。
【0046】
【表12】
【0047】発芽は播種の翌日に開始し、本発明の培養
処理物および対照品(なたね油粕)の両区間に発芽開始
日の差は実質的に認められなかった。両区とも発芽直後
から施用量が多くなるにしたがって生育に遅れがみら
れ、その生育の遅れは培養処理物区よりもなたね油粕区
のほうが顕著であった。培養処理物区となたね油粕区間
の生育差は試料の土壌中における無機化速度等の分解パ
ターンの相違によるものと考えられるが、有害物質によ
ると考えられる異常症状は認められなかった。上記2つ
の試験の結果、本発明の培養処理物は、こまつなの発芽
およびその後の生育について対照のなたね油粕に比べて
同等またはそれ以上の成績わ示し、緩効性の有機質肥料
としての利用が可能であることが判った。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、焼酎粕の微生物の利用
によって簡便且つ経済的な培養処理が可能となり、得ら
れた培養処理物は、有機質肥料として極めて優れたもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 晋策 福岡県福岡市東区香住ケ丘6−22−45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼酎粕に中温菌および高温菌を混合接種
    し、先ず25℃以上40℃未満の温度に保持し、次いで
    40℃以上60℃以下の温度に保持することを特徴とす
    る焼酎粕の培養処理方法。
  2. 【請求項2】 該中温菌は、25℃以上40℃以下の温
    度およびpHが3.5〜5の酸性条件下で焼酎粕中で増
    殖しうる菌株である請求項1記載の培養処理方法。
  3. 【請求項3】 該高温菌は40℃以上60℃以下の温度
    において焼酎粕培養物中で増殖しうる菌株である請求項
    1記載の培養処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の培養処理方法によって得
    られた培養処理物を有効成分として含有する有機質肥
    料。
JP24012493A 1993-09-27 1993-09-27 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料 Expired - Fee Related JP3449757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24012493A JP3449757B2 (ja) 1993-09-27 1993-09-27 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24012493A JP3449757B2 (ja) 1993-09-27 1993-09-27 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0787952A true JPH0787952A (ja) 1995-04-04
JP3449757B2 JP3449757B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=17054858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24012493A Expired - Fee Related JP3449757B2 (ja) 1993-09-27 1993-09-27 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3449757B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001007380A1 (en) * 1999-07-21 2001-02-01 Carlton And United Breweries Limited Malt extract or spent grain liquor based fertilizer
KR100375946B1 (ko) * 2000-06-26 2003-03-10 보경하이텍 (주) 유기폐기물의 퇴비화방법

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5412035B2 (ja) * 2005-10-27 2014-02-12 正博 山元 家畜増体用飼料及び飼料添加物
US20100233319A1 (en) * 2006-01-24 2010-09-16 Masahiro Yamamoto Method of treatment of alcoholic fermentation residue with koji mold

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001007380A1 (en) * 1999-07-21 2001-02-01 Carlton And United Breweries Limited Malt extract or spent grain liquor based fertilizer
KR100375946B1 (ko) * 2000-06-26 2003-03-10 보경하이텍 (주) 유기폐기물의 퇴비화방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3449757B2 (ja) 2003-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100509709C (zh) 用垃圾和污泥混合二次发酵生产微生物菌肥的方法
CN107201229B (zh) 一种具有改良土壤及调控微生物种群结构功能的生物修复剂及其制备和应用
Ross et al. The significance of thermophilic fungi in mushroom compost preparation
Kobayashi et al. Contribution to nitrogen fixation and soil fertility by photosynthetic bacteria
CN101054552A (zh) 一种微生物复合菌剂及其制备方法与应用
CN101805716B (zh) 防治辣椒青枯病的拮抗菌及其微生物有机肥料
CN104789494B (zh) 采用强化垃圾堆肥微生物菌剂提高草皮抗盐性的方法
CN113582769A (zh) 一种利用厨余垃圾制备有机肥的方法、有机肥及应用
JP3449757B2 (ja) 焼酎粕の培養処理方法および有機質肥料
JP4230788B2 (ja) 堆肥浸出液およびその製造方法、並びに植物成長促進資材
JP4875809B2 (ja) 汚泥発酵肥料
JP3406100B2 (ja) 有機質肥料およびその製造方法
JP3365527B2 (ja) 有機質肥料の製造方法
JP2002212560A (ja) 高密度対抗微生物基礎材料の調製方法
JP3485401B2 (ja) 動物性有機肥料の良質腐熟化法
CN112094146B (zh) 一种利用好氧猪粪废水制备生态菌肥的方法
CN111088052A (zh) 基于餐厨垃圾的土壤改良剂及其制备方法和土壤改良方法
El-Beltagy et al. Potency of certain cyanobacterial strains on wheat grown in sandy and alluvial soils
Ahmed et al. Influence of nitrogen sources and bio-fertilizer on soil nutrients, yield and quality of cowpea under saline soil conditions
JPH11171677A (ja) 堆肥及びその製造方法
JP3418521B2 (ja) 有機肥料及びその製造方法
JP2003199434A (ja) 微生物応用資材
PS et al. Potential impact of Nostoc spp. on seed germination of Vigna radiata L., Pisum sativum L. and Cicer arietinum L.
CN104798818B (zh) 一种采用强化垃圾堆肥微生物菌剂提高草皮生产抗旱性的方法
CN104762233B (zh) 垃圾堆肥中草坪耐旱强化复合微生物菌群的制备方法及应用

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030630

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees