JPH0787797B2 - ヒト・ガンマ・インタ−フエロン様ポリペプチドの製造法 - Google Patents

ヒト・ガンマ・インタ−フエロン様ポリペプチドの製造法

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JPH0787797B2
JPH0787797B2 JP57086180A JP8618082A JPH0787797B2 JP H0787797 B2 JPH0787797 B2 JP H0787797B2 JP 57086180 A JP57086180 A JP 57086180A JP 8618082 A JP8618082 A JP 8618082A JP H0787797 B2 JPH0787797 B2 JP H0787797B2
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    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/70Vectors or expression systems specially adapted for E. coli
    • C12N15/72Expression systems using regulatory sequences derived from the lac-operon
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は遺伝子工学によるヒト・ガンマ・インターフエ
ロン様ポリペプチド(以下γ−IFNと略称する)の製造
に関する。
本明細書に開示する化学合成DNA分子は、アミノ酸順序
と組成とがヒト・ガンマ・インターフエロンと実質的に
一致し、かつヒト・ガンマインターフエロンの免疫学的
もしくは生物学的活性を有するポリペプチドを暗号化す
るDNA順序を特徴とする。
インターフエロンは細胞に抗ビールス状態を誘発し、ま
た抗腫瘍性を示すといわれているたん白質でアルフア,
ベータ,ガンマの3群に分類されている。
γ−IFNについては、メツセンジヤーRNAから逆転写酵素
によつて造つた遺伝子を用いて遺伝子工学的手法により
γ−IFNを生成させることが報告されている(Nature 29
5,503,1982)が遺伝子の配列がメツセンジヤーRNAによ
つて規定されているため宿主細胞に適したコドンを選ぶ
ことができないなどの欠点がある。
γ−IFN遺伝子を化学的に合成すれば上記の欠点を克服
でき、また任意に制限酵素切断部位を付加することによ
りキメリツクなポリペプチドの造成も可能と考えられる
が、該遺伝子は数百塩基対で構成されるため合成が容易
でない。
本発明者らはこの困難に挑んでγ−IFN遺伝子の合成に
成功し、この遺伝子を用いて遺伝子工学的手法によりγ
−IFNの製造する方法を開拓した。
本発明は5′末側に翻訳を開始するコードを有し、続い
て次の配列 とそれに続いて翻訳終止をコードするヌクレオチド配列
を有するポリデオキシリボヌクレオチドを組み込んだプ
ラスミドにより形質転換した宿主細胞を栄養培地中で培
養し、培養物中に蛋白成分として上記のアミノ酸配列を
有するポリペプチドを生成させるヒト・ガンマ・インタ
ーフェロン様ポリペプチドの製造法に関する。
上記のポリデオキシリボヌクレオチドの好ましい例とし
ては、第1図−2に示される1-146のアミノ酸配列をコ
ードする配列を有し、5′−末端にATGのような翻訳開
始コード、3′末端にTAAのような翻訳終止コードを有
するものが挙げられる。
遺伝子操作の便宜上、翻訳開始および終止コードの各末
端に制限酵素により切断されるヌクレオチド配列を付加
するのがよく、その好ましい例は5′末側にEcoRIで切
断されるヌクレオチド配列、3′末側にSa1Iで切断され
るヌクレオチド配列を付加したものである。
上記のポリデオキシリボヌクレオチドは、たとえば次の
ようにして合成することができる。先ず第1図−1に示
される62個の遺伝子断片(オリゴデオキシリボヌクレオ
チド)をそれ自体公知の改良トリエステル法および固相
法を用いて合成し、次にこれらの断片をT4リガーゼを用
いて結合し完全なγ−IFN遺伝子(第1図−2参照)と
する。この合成遺伝子には第6図に示すように制限酵素
切断部位が含まれている。これは活性部位構造の探索や
キメリツクな遺伝子の造成を容易にするためである。
次いで、上記の遺伝子をベクタープラスミドに組み込
む。その操作の一例は下記のようである。
先ずエシエリシア・コリのラクトースオペロンのプロモ
ーター領域(99塩基対)をpBR322のEcoRIおよびC1aI切
断部位に挿入したプラスミドpKO703を造成し、該プラス
ミドのEcoRIとSa1I切断部位に第1図−2に示される
5′末側にEcoRI、3′末側にSa1I切断部位をもつ合成
遺伝子を挿入してプラミドpGIFを造成する(第8図参
照)。
所望により、γ−IFN遺伝子以外の遺伝子を上記切断部
位に挿入したプラスミドを造成し、このプラスミドで形
質転換した宿主細胞を培養すれば、ラクトースプロモー
ターの支配下に該遺伝子による生産物を生成させること
ができるので有利である。
宿主細胞としては、エシエリシア・コリが用いられる。
前記のように得たプラスミドpGIFを用いてエシエリシア
属の菌株を形質転換する。菌株としてエシエリシア・コ
リWA802を用いた場合、形質転換株WA802/pGIFが得ら
れ、同株はアンピシリン耐性(Ampr)およびテトラサイ
クリン感受性(Tets)を有するので、それを利用して非
形質転換菌より分離することができる。
この形質転換株をたとえばL−ブロスのような培地中で
イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドを用い
て誘導培養すると得られる菌体内にインターフエロン活
性物質が生産される。
なお、エシエリシア・コリWA802/pGIF4はSBMG105の識別
表示を付して工業技術院微生物工業研究所に寄託され、
受託番号微工研菌寄第6522号を付されている。
以下実施例の形で本発明の態様を説明するが、エシエリ
シア・コリは大腸菌と記載されている。
実施例 γ−IFN遺伝子フラグメントの化学合成 第1図−1に示したそれぞれF1〜F62と名付けた62個の
オリゴデオキシリボヌクレオチドの化学合成は、以下に
述べる改良を除いては、基本的にはKen-ichi Miyoshi等
により報告されている固相法〔Ken-ichi Miyoshi et al
(1980)Nucl.Acids,Res.8 5507〕を用いた。
この改良技術によるオリゴデオキシリボヌクレオチドの
化学合成の概略は以下のごとくである。
a)まず第2図に示す様にアミノメチル化ポリスチレン
樹脂に3′末端モノヌクレオシド、ユニツトを固定化す
ることからはじめた。すなわち第2図に示したアミノメ
チル化ポリスチレン樹脂は1%シビニルベンゼンで架
橋した樹脂を用い、この樹脂にβ−アラニンを2個連結
した樹脂を合成した。この樹脂に3種類(Bはチミ
ン,N−ベンゾイルシトシン又はN−イソブチリルグアニ
ン)の化合物を作用させることにより、3種類の3′
末端ヌクレオサイドを樹脂に固定化した。ポリスチレン
樹脂を得た。
この樹脂の合成法の例を第2図中BはN−イソブチリ
ルグアニンの場合について示せば次の通りである。
アミノメチル化ポリスチレン・HCl(ジビニルベンゼン
1%,100〜200メツシユ,NH2:0.63m mole/g)樹脂20gをC
H2Cl2 100mlでよく膨潤させた後、N−t−BOC−β−ア
ラニン(1.34g,15.1m mole)を加え、DCC(3.11,15,1m
mole)を用いて室温3時間縮合した。樹脂をガラスフイ
ルターでろ別した後、CH2Cl2 200mlで2回,DMF150mlで
3回,次いでピリジン100mlで3回洗う。次に25%の無
水酢酢−ピリジン100mlで1時間樹脂を処理することに
より末反応アミノ基をアセチル化した。次の樹脂を20%
CF3 COOH-CH2Cl2 120mlで室温30分処理することによりt
-BOC基を除去、次いで5%トリエチルアミン−CH2Cl2 2
00mlで樹脂を洗浄し、さらにCH2Cl2 100mlで4回樹脂を
洗つた。同様の操作をもう一度くり返すことにより、第
2図2の樹脂すなわち、アミノメチル化ポリスチレン樹
脂にβ−alanineが2個連結した樹脂を得た。ここで得
た樹脂(第2図)10gをDMF60mlにけんだくし、第2図
化合物(BはN−イソブチリルグアニン)11m moleと
トリエチルアミン1mlを加え室温12時間振盪した。反応
後、樹脂をろ別し、DMF、続いてピリジンで洗つた後、1
0%フエニルイソシアナートピリジン150mlで3時間樹脂
を処理することにより、未反応アミノ基を保護し、続い
て樹脂をピリジン,メタノールで洗つた後P2O5存在下、
減圧乾燥することにより、第2図樹脂(BはN−イソ
ブチリルグアニン)を得た。
ここで得られた樹脂(第2図、BはN−イソブチリル
グアニン)の一部をM.J.Gaitらの方法〔M.J.Gait et a
l,(1980)Nucl.Acids Res.8 1081〕を用いて樹脂1gに
固定化されている3′未端ヌクレオサイドの量を定量し
たところ、0.12m moleであつた。樹脂(Bはチミン又
はN−ベンゾイルシトシン)を上記合成法と同様な方法
で製造した。樹脂の1gの固定化されている3′末端ヌ
クレオシドの量はBがチミンの場合0.126m mole、Bが
N−ベンゾイルシトシンの場合0.125m moleであつた。
b)ここで得られた3種類の樹脂と第3図に示した
3′燐酸ジエステルダイマーブロツク(第3図nは0)
及び3′燐酸ジエステルトリマーブロツク(第3図nは
1)を用い、一定の塩基配列を持つたF1〜F62からなる6
2個のオリゴデオキシリボヌクレオチドを合成した。即
ち、樹脂のジメトキシトリチル基(以下DMTrと略)を
10%トリクロル酢酸(以下TCAと略)−CHCl3で処理する
ことによりDMTr基を除去した後、樹脂に固定化されて
いる3′ヌクレオシドユニツト1当量に対し、3′燐酸
ジエステルダイマー(第3図nは0)4当量、又は3′
燐酸ジエステルトリマー(第3図、nは1)3当量を逐
次、縮合剤メシチレンスルホニルテトラゾリド(MsTe)
20〜50当量を用いて縮合した。過剰の3′燐酸ジエステ
ルブロツク及び縮合剤は、ガラスフイルターで反応混合
物をろ化することにより容易に除去することができる。
次に未反応5′水酸基を保護する為に、樹脂を10%無水
酢酸−ピリジンで室温1時間処理するか又は、10%無水
酢酸−ピリジン10mlに対し、4−ジメチルアミノピリジ
ン(DMAP)20mgを加えた溶液で室温30分処理することに
より未反応5′水酸基をアセチル化した。次に樹脂を10
%TCAで処理することにより5′末端DMTr基を除去し、
次の縮合反応を行なつた。このような操作を所望の長さ
が得られるまでくり返した。
この一連の操作の例をF16フラグメントの合成について
示せば次の通りである。
第2図樹脂(BはN−イソブチリルグアニン)200mg
を10%TCA-CHCl3 20mlで30秒、3回処理することにより
樹脂のDMTr基を除去した樹脂を得た。この樹脂に
3′燐酸ダイマーブロツク、CA,(第3図、n=0,B1
N−ベンゾイルシトシン、B3はN−ベンゾイルアデニ
ン)96μ moleを加えビリジン3mlと3回共沸をくり返し
た後、ピリジン2mlにけんだくさせ、縮合剤MsTe 1m mol
eを用いて室温2時間縮合反応を行つた。反応後、過剰
の3′燐酸ダイマー及び縮合剤は反応混合物をガラスフ
イルターを用いてろ過した後、得られる樹脂をピリジン
でよく洗うことにより容易に除去できる。次に未反応
5′水酸基を保護する為に樹脂を10%無水酢酸−ピリジ
ン20mlにけんだくさせ室温1時間振盪した。反応後、樹
脂をグラスフイルターを用いてろ別し、ピリジン、続い
てCHCl3でよく洗う。次に樹脂を10%TCA-CHCl3 20mlで3
0秒、3回処理することにより樹脂よりDMTr基を除去し
た。次に樹脂をCHCl3続いてピリジンでよく洗つた後、
同様にして所望の長さが得られるまでブロツク縮合を繰
り返した。すなわちF-16のオリゴデオキシリボヌクレオ
チドを合成する為には、ひきつづき次の3′燐酸ダイマ
ーブロツク、CC,TA,GA,TC,を順次用い、縮合反応をくり
返すことによりF-16の塩基配列をもつ完全保護したオリ
ゴデオキシリボヌクレオチド樹脂を得た。同様にして他
のフラグメントF1〜F15及びF17〜F62の各フラグメント
もヌクレオチドの組合せを変えるほかは上記と同様な方
法を用いて製造した。
c)この様にして得た一定の塩基配列をもつて完全保護
したオリゴデオキシリボヌクレオチドの樹脂からの切り
出し及び完全脱保護反応は、樹脂を濃アンモニア水−ピ
リジン(2=1v/v)で55℃10時間、つづいて80%酢酸で
室温10分処理することにより得た(方法A)。しかしな
がらフラグメント、F2,F3,F5,F7〜F10,F22〜F24,F26,F
29,F30,F33〜F42,F53〜F55,F57〜F62,はこの脱保護条件
では得ることができなかつた。そこで、これらのフラグ
メントについてReeseらの方法〔C.B.Reese,et al,(198
1),Nucl.AcidsRes.9,4611〕を用いて完全脱保護した
(方法B). これらの脱保護反応操作をフラグメントF16及びF26につ
いて記せば次のごとくである。
方法A: フラグメントF16の樹脂50mgをピリジン1mlと濃アンモニ
ア水2mlで封管中55℃、10時間振盪した後、樹脂をろ
別、ろ液を減圧下濃縮する。得られた残渣にトルエンを
加え共沸をくり返えすことによりピリジンを除く。次
に、残渣に80%酢酸2mlを加え室温10分処理することに
より完全脱保護したオリゴデオキシリボヌクレオチドを
得た。
方法B: フラグメントF26の樹脂50mgをジオキサン−水(7:1v/
v)3.5mlに溶かした0.3Mの1,1,4,4,−テトラメチルグア
ニジウム 2−ピリジンアルドキシメートで40℃48時間処
理した後、濃アンモニア水−ピリジン(2:1v/v)3mlで
封管中55℃、10時間処理した。続いて80%酢酸2mlで室
温20分処理することにより、完全脱保護したオリゴデオ
キシリボヌクレオチドを得た。
d)最終産物の分離、精製は高性能液体クロマトグラフ
イー(HPLC)を用いて行なつた。このHPLCはALTEX mode
l 110A液体クロマトグラフを使用し、溶媒A(20%CH3C
N-1m MKH2PO4,pH,6.5)と溶媒B(20%CH3CN-500m M KH
2PO4,pH,6.5)による直線濃度勾配法を用い、Partisil
10 SAX(Whatman)カラム(φ4.6×250mm)で化合物を
分離、精製した。溶媒Aから開始し、1分毎に3%の溶
媒Bを加えることにより、勾配をつけた。溶出は58℃
で、1分当り2mlの流速で行なつた。目的とするピーク
のものを集め、透析により脱塩し、凍結乾燥した。この
様にして得たF1〜F62の62個の完全脱保護したオリゴデ
オキシリボヌクレオチドの均一性(homogeneity)は、T
4ポリヌクレオチドキナーゼを用い〔γ−32P〕ATRで
5′末端を標識した後、20%ポリアクリルアミドゲルに
よる電気泳動によりチエツクした。又、各々のオリゴデ
オキシリボヌクレオチドの塩基配列は、T4ポリヌクレオ
チドキナーゼを用い、〔γ−32P〕ATPで5′末端を標識
した後、ヌクレアーゼを用いて部分水解したものを、セ
ルローズアセテートを用いるpH3.5の電気泳動とDEAE−
セルローズによるホモクロマトグラフイーを行なつて得
られる二次元マツピング法で確認した〔Bambara,J.E.et
al(1974)Nu cl.Acids.Res.1331〕。
γ−IFN遺伝子フラグメントのリゲーシヨン 化学合成した前記の62のオリゴデオキシリボヌクレオチ
ドのフラグメント(1〜62)を第4図に示したリゲーシ
ヨン計画に従つて450塩基対からなるγ−IFNに相当する
遺伝子(第1図−2)をリゲーシヨンした。以下詳細に
示す。
〔A〕から〔F〕ブロツクの合成を行つた。各ブロツク
の5′末端にあるフラグメント(1,14,15,24,25,32,33,
44,45,54,55,62)を除く残りの50フラグメントそれぞれ
1n molを22μlの蒸溜水に溶解し、90℃で2分間加熱
後、直ちに0℃に冷却した。この水溶液に5μCiの〔γ
32P〕ATP(5100Ci/mmol)を加え、溶液を70mMトリス
塩酸(pH7.5)10mM MgCl2キナーゼ緩衝液となる様に調
整し、3単位のポリヌクレオチドキナーゼを加え全容量
を30μlとした。37℃で15分間反応することにより5′
末端を32Pでラベルした。次にすべての5′末端をリン
酸化する為に4nmolのATPと3単位のポリヌレオチドキナ
ーゼを追加し37℃で45分間反応させ、90℃で5分間加熱
することにより反応を止めた。上記のリン酸化した2か
ら13及びリン酸化していない1及び14(Aブロツク),
リン酸化した16から23及びリン酸化していない15及び24
(Bブロツク),リン酸化した26から31及びリン酸化し
ていない25及び32(Cブロツク),リン酸化した34から
43及びリン酸化していない33及び44(Dブロツク),リ
ン酸化した46から53及びリン化していない45及び54(E
ブロツク),リン酸化した56から61及びリン酸化してい
ない55及び62(Fブロツク)をそれぞれ2.1μgを混合
し透析チユーブに入れ蒸溜水に対して4℃で16時間透析
し、未反応ATP及びキナーゼ緩衝液成分を除いた。この
各A〜Fブロツクの透析したDNA溶液を濃縮乾固し、14.
5μlのリガーゼ緩衝液(20mMトリス塩酸,pH7.6,10mM M
gCl2)に溶解した。この溶液を40μlガラス細管に入れ
両端を封管した後、20mlの水の入つた16.5mm試験管に入
れ95℃で2分間加熱した。次に試験管ごと室温に2時間
放置し、DNAフラグメントをアニールさせた後0℃に置
いた。このDNA溶液をガラス細管より取り出し、0.4m MA
TP,10m MDTTを含むリガーゼ緩衝溶液とし30単位のT4DNA
リガーゼを加え、全容量を80μlとして15℃で16時間反
応させた。反応溶液を一部取り出し、7M尿素を含む14%
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行いラジオオートグ
ラフでリゲーシヨンの検討をした。その結果リゲーシヨ
ン反応物の最大の大きさのものがそれぞれAからFの6
ブロツクの目的物の大きさと一致した。次に上記のリゲ
ーシヨン反応物全量を7M尿素を含む14%ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動により分離した。ラジオオートグラフ
によりAからFのそれぞれの位置を確認した後、その部
分のゲル片を切り出し、透析チユーブに入れ、9mMトリ
スほう酸(pH8.3,0.25mM EDTAを含む)緩衝液(溶出緩
衝液)を満たし、チユーブの両端をとじた後、溶出緩衝
液中で200Vの定電圧で3時間電気泳動することによりゲ
ル中のDNAを溶出させた。次にDNAを透析チユーブより取
り出し、凍結乾燥した。乾燥物を100μlの0.3M酢酸ナ
トリウム(pH7.0)に溶解後2倍量のエタノールを加え
−80℃に30分間置いた後、遠心分離によりDNAを沈殿と
して回収した。AからFブロツクのDNA沈殿を20μlの
蒸溜水に溶解後、その1μlを7M尿素を含む14%ポリア
クリルアミド電気泳動で検討した。その結果第9図に示
すように〔A〕から〔F〕までの各ブロツクのDNAの大
きさに相当したほぼ均一のバンドが得られた。A〜F各
ブロツクのDNA溶液をキナーゼ緩衝液の組成となる様に
調整し、2n mol ATP及び6単位のポリヌクレオチドキー
ゼを加え37℃で1時間反応させ各ブロツクの5′末端を
イン酸化した。〔A〕,〔B〕,〔C〕各ブロツクのDN
A各20pmolを混合し、リガーゼ緩衝液組成となる様に調
整し、0.4mM ATP,10mM DTTとなる様にATP及びDTTを加
え、全量を50μlとして、8単位のT4DNAリガーゼを用
い15℃で16時間反応を行つた。〔D〕,〔E〕,〔F〕
各ブロツクのDNAも同様にそれぞれ5pmolを混合し、15℃
で16時間リゲーシヨンを行つた。反応終了後それぞれ反
応物の一部をとり、7M尿素を含む8%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動でリゲーシヨンの検討をした。その結果
第10図に示したように225bpに相当する〔I〕及び〔I
I〕ブロツクが合成されていることが判つた。次に上記
の反応溶液全量を7M尿素を含む8%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により分離した。ラジオオートグラフによ
り、225塩基対DNAを確認した後、その部分のゲル片を切
り出し、前述の電気泳動溶出法にてDNAを溶出させた。D
NA溶液を凍結乾燥したのち、100μlの0.3M酢酸ナトリ
ウム(pH7.0)溶液に溶解後2.5倍量のエタノールを加え
てDNAを沈殿させた。得られたDNAに前述と同様に0.5n m
ol ATP及び3単位のポリヌクレオチドキーゼを加え、37
℃で1時間反応させた。〔I〕〔II〕各ブロツクのDNA
1 pmolを混合し、リガーゼ緩衝液組成となる様に調整し
0.4mM ATP,10mM DTTとなる様にATP及びDTTを加え、全量
を20μlとして5単位のT4DNAリガーゼを用い15℃で16
時間反応を行つた。反応終了後、反応物の一部をとり7M
尿素を含む6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動でリゲ
ーシヨンの検討をした。その結果を第11図に示す。同図
のI,IIはそれぞれ〔I〕,〔II〕ブロツクの分離精成し
たものを示す。
また、Gはγ−IFN全遺伝子のリゲーシヨンの結果を示
したもので450塩基対に相当するDNA分子が得られている
ことが判つた。
次に上記の反応溶液全量に1/10量の3M酢酸ナトリウムを
加え2.5倍量のエタノールを加えることによりDNAを沈殿
として回収した。沈殿を100μlのTA緩衝液(33mMトリ
ス酢酸,pH7.9,66mM酢酸カリ,10mM酢酸マグネシウム,0.5
mM DTT)に溶解し、20単位の制限酵素EcoRI,20単位の制
限酵素SalIを加え、37℃で1時間反応させた。反応液に
10μlの3M酢酸ナトリウムを加え2.5倍量のエタノール
を加えることによりDNAを沈殿として回収した。DNAを80
%ホルムアミド,10mM NaOH,1mM EDTAを含む溶液に溶か
し、7M尿素を含む6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により分離した。ラジオオートグラフにより、450塩基
対を確認したのち、その部分のゲル片を切り出し、透析
チユーブに入れ、溶出緩衝液を満たし、シールした後同
緩衝液中で200Vの定電圧で3時間電気泳動することによ
りゲル中のDNAを溶出させた。次にDNA溶液を透析チユー
ブより取り出し、凍結乾燥した。乾固物を100μlの0.3
M酢酸ナトリウム(pH7.0)に溶解後2.5倍量のエタノー
ルを加え、DNAを沈殿として回収した。約0.05pmolのγ
−IFN遺伝子が得られた。このDNAをキナーゼ緩衝液10μ
lに溶解し2単位のポリヌクレオチドキナーゼ及び0.1n
mol ATPを加え37℃で1時間反応を行い形質転換用のDNA
とした。
pGIFプラスミドの造成 化学合成したγ−IFN遺伝子を、大腸菌内で完全な蛋白
質として発現させる為、大腸菌ラクトースオペロンのUV
5プロモーターオペレーター領域の下流にγ−IFN遺伝子
を挿入できる大腸菌プラスミドpKO703の造成を行い、γ
−IFN遺伝子をこのpKO703プラスミドにクローニングし
た。
以下に本実験に用いた一連のプラスミドの造成を詳述す
る(第8図参照) (1)pKO703ブラスミドの造成 大腸菌ラクトースオペロンのUV5プロモーターーオペレ
ーター領域を含むプラスミドpKO703の造成を以下に述べ
る方法で行つた。
(A)制限酵素EcoRI,ClaI切断部位をうめたpBR322プラ
ミドの調整 pBR322 DNA 1.5μgを20μl中の1×TA反応液(33mM
トリス酢酸緩衝液pH7.6,66mM酢酸カリウム,10mM酢酸マ
グネシウムおよび0.5mMジチオスレイトール)中で制限
酵素EcoRI,ClaIそれぞれ5単位を用いて、37℃,60分間
切断した。反応液を65℃,30分間加熱し、酵素を不活化
した後、2.5倍量の冷エタノールを加えてDNAを沈殿物と
して得た。得られたDNA沈殿物をT4DNAポリメラーゼ反応
液40μlに懸濁し、65℃、10分間加熱後、dATP,dCTP,dG
TP各々4mM溶液より各々5μlずつと100mM β−メルカ
プトエタノール5μlを加えた後、T4DNAポリメラーゼ
1単位を用いて、37℃、60分間反応させた。反応液を65
℃、30分間加熱し、酵素を不活化した後、エタノール沈
殿を行い、最終的に15μlの蒸留水にDNA沈殿を溶解し
た。
(B)制限酵素EcoRI切断部位をうめたLacUV5プロモー
ターオペレーター領域DNAの調整 ラクトースオペロンのUV5プロモーターオペレーター領
域を分離する為に以下の実験を行つた プラスミドpKO601は2ケ所の制限酵素EcoRI切断部位間
にラクトースオペロンのプロモーターオペレーター領域
を有するブラスミドである。
このプラスミドpKO601 80μgを500μl中の1×TA反応
液中で、制限酵素EcoRI150単位を用い、37℃60分間反応
した。反応液を10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を
行い、制限酵素EcoRI粘着部位コヘシブエンドを持つ95
塩基対のプロモーターオペレーター領域DNA断片をゲル
より電気泳動により分離した(分離法については特願昭
56-163303号実施例参照)。
エタノール沈澱後、DNA沈澱を40μlのT4DNAポリメラー
ゼ反応液40μlに溶解し、65℃30分間加熱後急冷し、dA
TP,dTTP,dCTP,dGTP各々4mM溶液より各々5μlずつと10
0mMβ−メルカプトエタノール5μlを加えた後、T4DNA
ポリメラーゼ10単位を用いて、37℃60分間反応させた。
反応液を65℃30分間加熱し、酵素を不活化した後エタノ
ール沈殿を行い、最終的に20μlの蒸留水にDNAを溶解
した。
(C)(A)および(B)で調整したプラスミドとラク
トースUV5プロモーターーオペレーター領域DNAのリゲー
シヨン、並びに大腸菌への形質転換 (A)で調整した制限酵素EcoRI,ClaI切断部位を埋めた
pBR322DNA0.8μgと(B)で調整したラクトースオペレ
ーターのUV5プロモーターオペレーター領域DNA0.8μg
を、T4DNAリガーゼ2.5単位を用いて16℃、20時間リゲー
シヨンを行つた。(リゲーシヨンの方法は特願昭56-163
303号実施例に記されている方法に従つた。) リゲーシヨン後エタノール沈殿を行いDNA沈澱物を10μ
lの蒸留水に溶解し、大腸菌12・WA802の形質転換を行
つた。(形質転換の方法は特願昭56-163303号実施例に
記されている方法に従つた。)形質転換株はアンピシリ
ン40μg 1mlを含有するM9S-Xgal培地〔NaCl5g,NH4Cl 1
g,Na2HPO4 5.94g,KH2PO4 3g(pH7.0)MgSO4 0.2g,カザ
ミノ酸2g,グルコース5g,5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドイル−β−D−ガラクトピラノシド400mg,寒天15
g,水1000ml:以下M9S-Xga1培地と略す〕上で培養し、ア
ンピシリン耐性かつ濃青色のコロニーを10個選びWA802/
pKO701〜WA802/pKO710と命名した。
制限酵素C1aIのプラスミドpBR322上の認識部位はテトラ
サイクリン耐性遺伝子のプロモーター領域内にあり、pB
R322プラスミドの制限酵素EcoRI-C1aI認識部位間に他の
DNA断片が挿入されれば、そのプラスミドを持つ大腸菌
はテトラサイクリン感受性となる。しかしラクトースオ
ペロンのUV5プロモーターオペレーター領域のDNA断片が
望まれる方向性に挿入されればそのプラスミドを持つた
形質転換株はテトラサイクリン非感受性となることが期
待できる。
そこで得られたWA802/pKO701〜WA802/pKO710株をテトラ
サイクリン10μg/mlを含む普通栄養寒天培地上にシング
ルコロニーを行い、テトラサイクリン感受性を調べた。
その結果WA802/pKO701,WA802/pKO703,WA802/pKO706,WA8
02/pKO709がテトラサイクリン非感受性であつた。そこ
でこれらの菌株よりプラスミドDNAを分離し、DNA2μg
を20μlの1×TA反応液中で、制限酵素EcoRI,HpaII各
々5単位を用いて37℃60分間反応し、10%ポリアクリル
アミドゲル電気泳動により、ラクトースオペロンのプロ
モーターオペレーター領域の方向性を調べた。その結果
WA802/pKO703,WA802/pKO709は望まれる方向にプロモー
ターオペレーター領域が挿入されていた。
このpKO703プラスミドをγ−IFN遺伝子のクローニング
に用いた。プラスミドpKO703はEcoRI制限酵素認識部位
が1ケ所プロモーターからのトランスクリプシヨンの方
向の下流にあり、pBR322のテトラサイクリン耐性遺伝子
はそのままプラスミド上に残つている為、化学的又はプ
ラスミドより得たEcoRIとSalI,BamH1のようなテトラサ
イクリン耐性構造遺伝子内を切断する制限酵素のコヘシ
ブエンドを持つ遺伝子をライゲーシヨン反応を用いて、
プラスミドpKO703に容易に導入可能で、目的とするクロ
ーンをアンピシリン耐性テトラサイクリン感受性菌とし
て容易に選択することができる。
(2)プラスミドpGIF4造成 プラスミドpKO703の15μgを制限酵素EcoRI,Sa1I各々10
単位用いて30μlの100mMトリス塩酸緩衝液(pH7.3)5m
M MgCl2および50mM NaCl溶液中で37℃60分反応を行つ
た。反応液を65℃30分間加熱し、酵素を不活性化した後
0.7%アガロースゲル電気泳動を行い3.8kbのDNA切断を
ゲルより電気泳動法を行つて分離した。エタノール沈澱
後4.5μlの蒸留水にDNAを溶解した。このようにして得
られたpKO703のEcoRI,Sa1I制限酵素断片DNA0.3μgと先
に得た5′‐OH末端をリン酸化したγ−IFN遺伝子29ng
を24μlのT4DNAリガーゼ反応液中に溶解し、65℃10分
間加熱後、氷冷し100mM DTT 3μlおよび4mMのATP3μl
を加え次いでT4DNAリガーゼ3単位を用いて16℃、20時
間リゲーシヨンを行つた。リゲーシヨン反応液に2.5倍
量の冷エタノールを加え、DNAをエタノール沈澱とした
後、得られたDNA沈澱に10μlの蒸留水を加え、大腸菌W
A802の形質転換を行つた。形質転換株はアンピシリン40
μg/mlを含有するM9S-xgal培地上で培養し、アンピシリ
ン耐性かつ濃青色のコロニーを選択し、テトラサイクリ
ン10μg/mlを含む普通栄養寒天培地上にシングルコロニ
ーを行い、テトラサイクリン感受性を示すコロニーを選
びWA802/pGIF1〜WA802/pGIF5と命名した。
プラスミドDNAを分離後、制限酵素EcoRIとSalI,EcoRIと
HindIII,及びEcoRIとBglIIを用いて、プラスミドDNAを
切断し、アガロース電気泳動法,ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法によりDNA断片の大きさを測定して、目的
のγ−IFN遺伝子がクローニングされているWA802/pGIF
4,WA802/pGIF5を確認した。これらpGIF4,pGIF5プラスミ
ドでは、ラクトースオペロンのUV5プロモーター領域のS
hine-Dalgano DNA塩基配列より10塩基対下流にγ−IFN
遺伝子の開始コドンATGが位置している。
γ−IFN遺伝子の塩基配列決定 pGIF4プラスミドDNAの制限酵素EcoRI,制限酵素SalI分解
で得られる450塩基対のγ−IFN遺伝子に相当する領域の
塩基配列を第5図に示した計画に従つて決定した。塩基
配列の決定はMaxam-Gilbert法(Proc.Nat.Acad.Sci.US
A.74,560-564,1977)に準じて行つた。その結果450塩基
対すべて最初のデザイン(第1図−2)通りであること
を確認した。
(3)ヒト・ガンマ・インターフエロン様ポリペプチド
の大腸菌体内での発現及び同定 E.coli WA802/pGIF4およびWA802/pGIF5において、γ−I
FN遺伝子はラクトースオペロンのプロモーター領域の下
流に挿入されている。この為、ラクトースオペロンの支
配下にγ−IFNは発現されることが期待される。そこで
以下に詳述する方法によりE.coliWA802/pGIF4,WA802/pG
IF5菌体内でのγ−IFNの発現及び固定を行つた。
菌株E.coli WA802/pGIF4とWA802/pGIF5をアンピシリン4
0μg/mlを含むM9S−グリセロール培地(NaCl 5g,NH4Cl
1g,Na2HPO4 5.94g,KH2PO4 3g,MgSO4・7H2O 0.2g,グリセ
ロール2.5g,カザミノ酸2g,水1000ml)2.0mlに各々接種
し、37℃一夜培養した。この培養液をアンピシリン40μ
g/mlを含む5mlのM9S−グリセロール培地4本に吸光度OD
660nmが0.1になるように各々接種した後、37℃で培養を
行い、OD660nmが0.8に達した時、ラクトースオペロンの
誘導物質であるイソプロピル−β−D−チオ−ガラクト
ピラノシド(以下IPTGと略称)を最終濃度1mMになるよ
うに4本の培養試験管の内2本に加え、37℃、2.5時間
さらに培養した。残り2本はIPTGを加えずに37℃、2.5
時間さらに培養した。これらの培養液5mlを3,000rpmで1
0min遠心後、菌体を沈澱物として得た。IPTG添加、非添
加の2本の菌体沈澱物に1mg/mlの牛血清アルブミンを含
む1×PBS(10mMリン酸緩衝液pH7.0,150mM NaCl)0.5ml
を各々加え、菌体を超音波処理した。又、IPTG添加、非
添加の2本の菌体沈澱物に1mg/mlの卵白リゾチームを含
む1×PBS0.5mlを加え、0℃、40分間リゾチーム処理
後、超音波処理した。超音波処理した菌体0.5mlを25,00
0rpmで30分間、4℃に於いて遠心を行い、上清をγ−IF
Nの活性測定に用いた。
インターフエロンの活性の測定 コースター製プラスチツク96穴マルチプレート上で5%
新生仔牛血清を含むイーグル最少培地を用いてインター
フエロンサンプルをマルチピペツトにより希釈列をつく
つた。次に、各穴に100μlのFL細胞(5×105細胞/m
l)を加え、一夜37℃,5%CO2下で培養した。培養上清を
捨て、TCID50の100倍濃い濃度のシンドビスウイルスを1
00μl各穴に加え、37℃,5%CO2下で一夜培養した。約1
7時間後上清を捨て、20%エタノールを含む1%クリス
タル紫溶液で染色した。インターフエロンの力価は、ウ
イルスを加えなかつた穴と、インターフエロンを加えず
ウイルスのみを加えた穴との染色度の差の半分の染色度
を示したインターフエロンサンプルの希釈度をラボ単位
/mlとした。この検定系は国際標準のあるα型インター
フエロンと比較すると7〜25倍の感度を示す。
インターフエロン活性が確かにヒト・ガンマ・インター
フエロン活性であるかどうかは、抗ヒト・ガンマ・イン
ターフエロン抗体を用いた免疫学的手法によつて確かめ
られた。この場合、50μlインターフエロン活性サンプ
ルに10μlの抗ヒト・ガンマ・インターフエロン抗体
(2,000単位/mlのヒト・ガンマ・インターフエロン活性
を失活させる活性をもつ)を加え、室温で3時間放置
後、遠沈(10,000回転、5分)し、その上清をサンプル
とした。
第1表に示すように、本発明において得られた形質転換
E.Coli WA802/pGIF4およびWA802/pGIF5は、明らかにラ
クトースオペロン支配下にヒト・ガンマ・インターフエ
ロン様物質を生産していることが認められ、非形質転換
菌(WA802/pKO703)にはヒト・ガンマ・インターフエロ
ン活性が認められなかつた。
上記の実施例の中でインターフエロン活性を示したエシ
エリシア・コリの細胞破砕超遠心分離上清をウルトロゲ
ルACA54(直径0.7cm×高さ47cm)に添加し、ゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイによる分子量の推定を行な
つた。生理的平衡塩類溶液(1×PBS)を用い0.7mlずつ
分画した。標準蛋白としては、リボヌクレアーゼA(分
子量13,700),キモトリプシノーゲンA(分子量2500
0),オボアルブミン(分子量43,000)を用いた。イン
ターフエロン活性は、キモトリプシノーゲンAとオボア
ルブミンの間に溶出され、この条件下でのインターフエ
ロン活性の主ピークの分子量は約30,000と推定された
(第12図参照)。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図および第8図から第11図は実施例の記
載を補足するもので、第1図−1はγ−IFN遺伝子合成
に用いた62個の各オリゴデオキシリボヌクレオチドの配
列を、同−2は合成γ−IFNのアミノ酸配列および遺伝
子のヌクレオチド配列を示し、第2,第3図はオリゴデオ
キシリボヌクレオチドの合成反応工程を示し、第4図は
オリゴデオキシリボヌクレオチドのリゲーシヨン計画
を、第5図は合成γ−IFN遺伝子の塩基配列の決定計画
を示し、第8図はpGIFプラスミドの造成工程を示す。第
9図は合成したポリデオキシリボヌクレオチドA,B,C,D,
E,Fブロツクおよび分子量マーカーM(φ×174RFをHinf
Iで分解したもの)の14%ポリアクリルアミドゲル電気
泳動によるマツピングを、第10図は第4図に従つてリゲ
ーシヨンした〔I〕,〔II〕各ブロツクおよび分子量マ
ーカーM(φ×174RFをHpaIIで分解したもの)の8%ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動によるマツピングを、第
11図は上記の〔I〕,〔II〕各ブロツク,合成γ−IFN
遺伝子および分子量マーカーM(pBR322DNAをHpaIIで分
解したもの)の6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よるマツピングを示す。第6図は合成γ−IFN遺伝子の
制限酵素地図第7図はプラスミドpKO703の制限酵素切断
地図で、括弧中の数字はEcoRI認識切断部位を起点とし
た場合の塩基対で表わされる距離を示す。第12図はイン
ターフエロン活性を示したエシエリシア・コリ細胞破砕
遠沈上清のゲル過して得られた各分画の分子量のグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (56)参考文献 特開 昭58−90514(JP,A) 特開 昭59−51792(JP,A) Nature,295(11)(1982)P. 503−508

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5′末側に翻訳を開始するコードを有し、
    続いて次の配列 とそれに続いて翻訳終止をコードするヌクレオチド配列
    を有するポリデオキシリボヌクレオチドを組み込んだプ
    ラスミドにより形質転換したエシエリシア・コリを栄養
    培地中で培養し、培養物中に蛋白成分として上記のアミ
    ノ酸配列を有するポリペプチドを生成させることを特徴
    とするヒト・ガンマ・インターフェロン様ポリペプチド
    の製造法。
  2. 【請求項2】培養物から特許請求の範囲第1項記載のア
    ミノ酸配列を有するガンマ・インターフェロン様ポリペ
    プチドを分別する特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】形質転換の受容菌がエシエリシア・コリK1
    2・WA802である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】形質転換した菌がエシエリシア・コリK12
    ・WA802/pGIFである特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  5. 【請求項5】形質転換した菌がエシエリシア・コリK12
    ・WA802/pGIF4である特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】プラスミドpKO703をEcoRIおよびそれ以外
    の制限酵素を用いて切断し、ラクトースプロモーター領
    域の下流に5′末側に翻訳を開始するコドンを有し、続
    いて次の配列 とそれに続く翻訳終止をコードする塩基配列を有するポ
    リデオキシリボヌクレオチドを挿入し、得られたプラス
    ミドで形質転換したエシエリシア・コリを培養してラク
    トースプロモーターの支配下に遺伝子産物を生産させる
    ことを特徴とするヒト・ガンマ・インターフェロン様ポ
    リペプチドの製造法。
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