JPH0786437B2 - 鋳造用モールドの熱流束検出方法及び装置 - Google Patents

鋳造用モールドの熱流束検出方法及び装置

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JPH0786437B2
JPH0786437B2 JP14872292A JP14872292A JPH0786437B2 JP H0786437 B2 JPH0786437 B2 JP H0786437B2 JP 14872292 A JP14872292 A JP 14872292A JP 14872292 A JP14872292 A JP 14872292A JP H0786437 B2 JPH0786437 B2 JP H0786437B2
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mold
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一彦 堤
淳 福田
康正 大村
育平 阪口
憲一 五明
修 井川
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Nippon Steel Corp
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KAWASO ELECTRIC INDUSTRIAL KABUSHIKI KAISHA
Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造用モールド、
その他の鋳造用モールドの内部を流れる熱流束を検出す
るための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造用モールド壁部内の温度
分布を測定することにより、連続鋳造設備で生産される
鋳片の表面疵の発生防止や、モールド内溶鋼の湯面レベ
ルの検出による溶鋼流入量のコントロール等が行われて
いる。
【0003】ところで、この従来技術によれば、モール
ドの壁部内の温度分布は、モールド壁部内の所定の多点
位置に熱電対を埋め込むことにより測定されている。然
しながら、測温点からモールド壁部内面(溶湯側の面)
までの距離は、連続鋳造作業に際しモールド壁部内面を
補修等の必要から研磨されることにより一定ではなく変
動し、これに伴い温度指示値も変化する。このため、こ
のような変動を考慮した温度指示値の補正が必要であ
り、測定を煩雑ならしめている。また、モールド壁部内
への熱電対の埋込み深さが一定でないと、測定値は誤差
を含んだものとなるため、正確な温度分布を測定するこ
とができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、かかる従来の方法における欠点を解消すべく研究を
重ねた結果、モールド壁部内の温度分布を測定するので
はなく、モールド壁部内を流れる熱流束を検出すること
が有利であることを知見した。
【0005】このため、本発明が課題とするところは、
モールド壁部の内部において該壁部の肉厚方向に流れる
熱流束を検出することにある。
【0006】ところで、このような熱流束を検出する方
法として、本発明に先立ち、図7に示すような、二つの
シース熱電対1、2を用いた装置を考案した。この装置
において、二つのシース熱電対1、2は、モールド壁部
Wに穿設された孔に挿入することにより相互に近接して
平行に埋入され、両者の先端測温部をモールド壁部Wの
肉厚方向に距離dだけ位置をずらせて配置されている。
そこで、深く挿入された熱電対1により測定される温度
1 と、浅く挿入された熱電対2により測定される温度
2 から、壁部W内を流れる熱流束qは、q=λ/d・
(T1 −T2 )の式により求めることができることにな
る(但し、λは壁部Wの熱伝導率)。
【0007】然しながら、前記装置は、二つの熱電対
1、2を平行に配置したものであるため、本発明が目的
とするようなモールド壁部の熱流束を正しく測定し得る
かどうか疑問を生じる。即ち、図7から明らかなよう
に、二つの熱電対1、2を同軸上に配置できない構成で
あるから、壁部Wの肉厚方向に対して同一線上に配置で
きず、両者の先端測温部を必然的に距離Dだけ偏位せし
めることになる。従って、二つの熱電対1、2の先端測
温部を同じ熱流束上に配置し得ないため、真の熱流束を
検出できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
した鋳造用モールドの熱流束検出方法及び装置を提供す
るものである。
【0009】そこで、本発明が方法発明の手段として構
成したところは、鋳造用モールドと同材質の金属棒の先
端に異種金属片を接合して構成したセンサーを、該モー
ルドの壁部肉厚方向に穿設した孔に挿入すると共に前記
異種金属片を孔底部分に接合せしめることにより、前記
モールド壁部及び異種金属片による第一の熱電対と、前
記異種金属片及び金属棒による第二の熱電対とから成る
差動熱電対を構成し、モールドと金属棒後端との間で起
電力を検出することにより、前記異種金属片の両端の温
度差からモールド壁部の肉厚方向の熱流束を検出する点
にある。
【0010】また、本発明が装置発明の第一手段として
構成したところは、鋳造用モールドと同材質の金属棒の
先端に異種金属片を接合して構成したセンサーと、前記
モールドの外側より該モールドの壁部肉厚方向に穿設さ
れ前記センサーを挿入せしめられる孔と、前記モールド
と金属棒後端との間に設けられた起電力検出手段とから
成り、前記異種金属片を前記孔の孔底部分に接合せしめ
ることにより、前記モールド壁部及び異種金属片による
第一の熱電対と、前記異種金属片及び金属棒による第二
の熱電対とから成る差動熱電対を構成した点にある。
【0011】また、本発明が装置発明の第二手段として
構成したところは、冷媒室を構成する冷却箱を締付ボル
トを介して外側に固着して成る鋳造用モールドにおい
て、前記モールドと同材質の金属棒の先端に異種金属片
を接合して構成したセンサーと、前記締付ボルトの軸方
向に貫通して形成され前記センサーを挿通せしめる挿通
孔と、前記締付ボルトの先端からモールドの壁部肉厚方
向に穿設され前記センサーの先端近傍部を挿入せしめる
孔と、前記モールドと金属棒後端との間に設けられた起
電力検出手段とから成り、前記異種金属片を前記孔の孔
底部分に接合せしめることにより、前記モールド壁部及
び異種金属片による第一の熱電対と、前記異種金属片及
び金属棒による第二の熱電対とから成る差動熱電対を構
成した点にある。
【0012】本発明装置の実施態様において、センサー
は、先端側において異種金属片にモールドと同材質の同
種金属片を取付け、前記孔底部分において該同種金属片
を該孔に接合する構成が選択的に採用される。
【0013】また、本発明の実施態様において、モール
ドの壁部肉厚方向に孔を貫通して穿設し、センサーの先
端側において異種金属片にモールドと同材質の同種金属
片を取付け、前記センサーをモールドの前記孔に挿入
し、前記同種金属片を前記孔に接合せしめる構成が選択
的に採用される。
【0014】また、本発明の実施態様において、センサ
ーには、該センサーの外周面を被覆するセラミックコー
ティング等の絶縁被膜を設けることができる。
【0015】また、本発明の実施態様において、センサ
ーを挿通せしめた締付ボルトの挿通孔から、センサーの
先端近傍部を挿入せしめたモールド壁部の孔に至り、電
気的絶縁性を有し且つ空気よりも放熱性の高い充填剤を
充填する構成が選択的に採用される。
【0016】また、本発明の実施態様において、センサ
ーを構成する金属棒を冷却する冷却手段を設けることが
好ましく、該冷却手段は、締付ボルトを貫通せしめた冷
却箱の冷媒室により構成しても良く、或いは、モールド
の壁部内に設けられた冷却手段により兼用せしめても良
い。
【0017】更に、本発明の実施態様において、センサ
ーを構成する金属棒は、該金属棒の先端側を断面積小と
することにより径小部を構成し、尾端側を断面積大とす
ることにより径大部を構成することができる。
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳述す
る。
【0018】(第1実施例)図1及び図2(A)に示す
第1実施例において、センサー11は、モールドMと同
材質の金属棒12と、該金属棒12の先端に接合し固着
された異種金属片13とから構成されており、モールド
壁部Wの外側より該壁部の肉厚方向に穿設された孔14
に挿入され、前記異種金属片13を孔14の孔底部分に
接合せしめている。
【0019】このセンサー11は、モールド壁部Wの外
側に設けられた冷却箱15を貫通して取付けられる。即
ち、冷却箱15は、モールド壁部Wの外側面に接合され
る内側プレート15aと、該内側プレート15aの外側
に冷媒室16を形成する外側プレート15bとから成
り、両プレート15a、15bを貫通する締付ボルト1
7の先端部をモールド壁部Wに螺入すると共に、該締付
ボルト17の尾端部にシールブロック8を介してナット
9を締着することにより組付けられる。
【0020】そこで、前記締付ボルト17の軸心に沿っ
て挿通孔18を貫通せしめると共に、該締付ボルト17
の先端において挿通孔18と連通するように前記孔14
を穿設し、挿通孔18を介して挿入したセンサー11の
先端の異種金属片13を孔14の孔底部分に圧接し、溶
接等接合する。従って、センサー11は、金属棒12の
冷却箱15に挿通された部分を好適に冷却される。換言
すれば、冷却箱15内の冷媒により冷却手段27が構成
される。
【0021】異種金属片13を孔底部分に圧接する場
合、締付ボルト17の尾端から挿出されたセンサー11
(金属棒12)の尾端部には、押圧手段20が設けられ
ている。即ち、この押圧手段20は、締付ボルト17の
尾端に設けられたケース21と、該ケース21の尾端側
の開口部に螺合する雄雌ネジ等のネジ込み手段を介して
挿入固定される受部材22と、ケース21内に位置する
センサー11(金属棒12)の軸部分に固着された鍔部
材23と、該鍔部材23及び前記受部材22の間に介装
された圧縮コイルスプリング等の付勢部材24とから成
り、常時、鍔部材23を受部材22から離反する方向、
従って、センサー11をモールド壁部Wに押し付ける方
向に付勢する。この付勢力は、センサー11の直径が2
〜9φmmのとき、3〜6kgf/mm2 程度であることが
好ましい。尚、センサー11(金属棒12)の尾端12
aは、前記受部材22を挿通して外部に挿出される。
【0022】尚、孔14の孔底とセンサー11の先端の
異種金属片13を溶接した場合は、前記押圧手段20は
不要になる。
【0023】センサー11の外周面は、セラミック(A
2 3 等)のコーティング等による絶縁被膜25bに
より被覆され、これにより、締付ボルト17、押圧手段
20等からセンサー11を電気的に絶縁している。
【0024】また、センサー11を挿通せしめた締付ボ
ルト17の挿通孔18から、センサー11の先端近傍部
を挿入せしめたモールド壁部の孔14に至り、電気的絶
縁性を有し且つ空気よりも放熱性の優れる充填剤、例え
ば、放熱用シリコン樹脂から成る充填剤25aが充填さ
れている。従って、充填剤25aは、前記挿通孔18に
挿通されたセンサー11の外周面と該挿通孔18の内周
面との間、並びにモールド壁部Wの孔14に挿入された
センサー11の外周面と該孔14の内周面との間に充填
されており、これにより、金属棒12の放熱を促進せし
めるので、センサー11自体における熱流束を促進し、
モールド壁部Wの熱流束を好適に把握することができ
る。
【0025】尚、前記絶縁被膜25bと充填剤25a
は、何れか一方だけを選択的に用いても良く、或いは両
者を併用しても良い。
【0026】このような構成において、モールドMと、
押圧手段20から挿出された金属棒12の尾端12aと
の間には、起電力検出手段26が設けられ、前記モール
ド壁部W及び異種金属片13により第一の熱電対を構成
し、前記異種金属片13及び金属棒12により第二の熱
電対を構成し、この第一、第二の熱電対により、差動熱
電対が構成される。
【0027】即ち、このような差動熱電対が構成される
結果、起電力検出手段26により検知される起電力は、
前記モールド壁部W及び異種金属片13から構成される
第一の熱電対により生じる起電力(測定温度T1 )と、
前記異種金属片13及び金属棒12から構成される第二
の熱電対により生じる起電力(測定温度T2 )とを打ち
消した二接点の起電力の差として測定されるので、その
温度差(T1 −T2 )を検知することができる。
【0028】その結果、センサー11内に流れる熱流束
qは、q=λ/d・(T1 −T2 )の式により求めるこ
とができることになる(但し、λは異種金属片13の熱
伝導率、dは異種金属片13の厚みである)。即ち、モ
ールド壁部Wの肉厚方向に配置されたセンサー11の同
軸上において、異種金属片13の両側の温度差(T1
2 )に応じて起電力を発生する熱流センサーとして機
能し、これにより検知される熱流測定値は、モールド壁
部W内の熱流束に比例するので、モールド壁部Wの内部
の測定すべき点の熱流束を検出することができる。そし
て、前記熱流束の検出に際しては、センサー11が異種
金属片13よりも後端寄り部分を冷却手段27により冷
却されているので、センサー11自体における熱流束を
促進し、モールド壁部Wの熱流束を好適に把握できる。
【0029】このような差動熱電対を構成するために、
モールドMが銅又は鉄の場合に対して、センサー11を
構成する金属棒12及び異種金属片13の材質は下記の
ように選択することができ、また、異種金属片13の厚
みは、下記のように設定することが好ましい。但し、下
記の表1において、センサー(金属棒12)の直径は2
〜9φmmである。
【表1】
【0030】(第2実施例)本発明の第2実施例におい
ては、図2(B)に示すように、前記センサー11の異
種金属片13に対して、更にセンサー先端側に位置して
モールドMと同材質の同種金属片28を取付け、前記孔
14の孔底部分において該同種金属片28を接合せしめ
るように構成している。その他の構成は、前記第1実施
例と同様である。
【0031】この第2実施例によれば、センサー11の
先端を孔14内に挿入した際、前記同種金属片28がモ
ールドMにおける孔14の孔底部分に馴染み良く接合さ
れるので、接触不良の虞れがない。
【0032】(第3実施例)図3に示す第3実施例にお
いて、センサー11がモールドMと同材質の金属棒12
の先端に異種金属片13を接合して構成されており、セ
ンサー11を保護するハウジング36を挿通してモール
ド壁部W内に挿入されている。
【0033】この第3実施例について、上記第1実施例
と相違する点を説明すると、センサー11の先端は、ハ
ウジング36を貫通せしめられた後、モールド壁部Wに
形成された冷媒通路29を通過し、該冷媒通路29から
モールド壁部Wの内面(溶湯に接する面)に貫通して穿
設された異径の貫通孔30に挿入せしめられる。即ち、
貫通孔30は、前記冷媒通路29に臨む大径孔30a
と、モールド壁部Wの内面に臨む小径孔30bとを有
し、センサー先端の異種金属片13は、大径孔30a内
に位置せしめられる。
【0034】前記小径孔30bは、モールド壁部Wの内
面側又は外面側からセンサー11の異種金属片13に接
合した該モールドと同材質の同種金属片28を嵌合する
ことにより閉塞される。その結果、センサー先端の異種
金属片13の接触不良の虞れはなく、また、上述した第
1実施例における押圧手段20が不要となる。
【0035】また、前記冷媒通路29を流通する冷媒が
モールド壁部Wの冷却手段を構成すると共にセンサー1
1の金属棒12を冷却する冷却手段27aを構成する。
尚、冷媒通路29の冷媒漏洩を防止するため、冷媒通路
29と大径孔30aの隣接位置において、金属棒12の
外周面と大径孔30aの内周面との間をOリング32に
よりシールし、ハウジング36内において金属棒12の
外周面と挿通孔18の内周面との間をOリング33によ
りシールしている。その他の構成は、上記第1実施例と
同様であり、同一符号で示している。
【0036】(第4実施例)図4(A)に示す第4実施
例は、前記第3実施例における同種金属片28の他の構
成を示している。この実施例において、同種金属片28
は、モールドMと同種金属材から成るネジ34により構
成され、貫通孔30の小径孔30b内に形成した雌ネジ
に螺合される。即ち、該小径孔30bに対してモールド
壁部Wの内面側から螺入される。その他の構成は、図3
に示した第3実施例と同様である。
【0037】(第5実施例)図4(B)に示す第5実施
例は、前記第3実施例における同種金属片28の更に他
の構成を示している。即ち、この実施例において、同種
金属片28は、モールドMと同種金属から成るテーパピ
ン35により構成され、モールド壁部Wの内面側から小
径孔30bに打ち込まれる。その他の構成は、図3に示
した第3実施例と同様である。
【0038】前記第4実施例及び第5実施例の何れにお
いても、同種金属片28は、予めセンサー11の先端側
において異種金属片13に取付けられており、センサー
11をモールドMの内側から貫通孔30に挿入するに際
し、同種金属片28をモールドMの内側から貫通孔30
に嵌合し、該貫通孔30の開口縁から突出する同種金属
28の端部を切落とし、該切断端をモールド壁部Wの内
面と面一になるように研磨される。尚、第4実施例にお
いては、同種金属片28をモールドMの外側から貫通孔
30に嵌合し、センサー11をモールドMの外側から貫
通孔30に挿入しても良い。また、必要に応じ、同種金
属片28の切断端を貫通孔30の開口縁に溶接しても良
い。
【0039】(第6実施例)図5に示す第6実施例にお
いて、センサー11を構成する金属棒12は、先端側に
断面積小とした径小部12bを構成し、尾端側に断面積
大とした径大部12cを構成している。
【0040】図5(A)に示す1例においては、径小部
12bと径大部12cの間にテーパ部12dを形成し、
締付ボルト17の挿通孔18に該テーパ部12dと相似
形を成すテーパ孔部18aを形成している。
【0041】一方、図5(B)に示す他例においては、
径小部12bと径大部12cの間に異径段部12eを形
成し、締付ボルト17の挿通孔18に該異径段部12e
と相似形を成す異径孔部18bを形成している。
【0042】この第6実施例における他の構成は、上記
第1実施例と同様である。
【0043】そこで、この第6実施例によれば、径小部
12bに比して径大部12cの放熱効果を大に構成し、
異種金属片13の両端における温度勾配を大きくするの
で、センサー11の出力を大ならしめることができる。
また、センサー11自体に対する熱流を促進できるの
で、モールド壁部Wの熱流束を好適に把握しつつ正確に
検出できることになる。
【0044】(第7実施例)図6に示す第7実施例は、
図1に基づき上述した第1実施例の変形例であり、セン
サー11は、上述のような締付ボルトを利用することな
く、冷却箱15を貫通する貫通孔34a、34bを挿通
して取付けられ、該センサー11の先端部は、前記貫通
孔34aと同軸上に穿設されたモールド壁部Wの孔14
に挿入され、先端の異種金属片13を孔14の孔底部分
に接合せしめられる。
【0045】この目的のため、冷却箱15を構成する内
側プレート15aには、環状のナット41が水密的に螺
着され、外側プレート15bには、筒状のスリーブ42
が水密的に螺着され、センサー11は、同軸上に配置さ
れた前記スリーブ42及びナット41に挿通せしめられ
ると共に、それぞれOリング等の水密的シール手段4
3、44を介して保持されている。尚、センサー11の
外周面は、上述した第1実施例と同様に絶縁被膜25b
により被覆されているが、第1実施例のような充填剤2
5aは有しない。
【0046】この第7実施例における他の構成は、上記
第1実施例と同様であり、同様の構成は同じ符号で示し
ている。
【0047】
【発明の効果】請求項1又は2に記載の本発明によれ
ば、センサー11の異種金属片13の両端の温度差を測
定し、センサー11内を流れる熱流束を検出できるの
で、それに比例するモールド壁部Wの肉厚方向に関する
熱流束を検出することができる。
【0048】この点について、従来公知の温度センサー
によりモールド壁部の定点の温度を多点で測定する方法
又は装置では、その測温点からモールド壁部内面までの
距離を考慮し、測温値を補正しつつ演算処理によりモー
ルド壁部内の温度分布を検出しなければならず、測定作
業が煩雑なものとなり、また、測温値は誤差を含んだも
のであったのに対して、本発明によれば、温度差による
熱流束を検出するものである結果、センサー11におけ
る測定個所(異種金属片13の両側部分)とモールド壁
部Wの内面との間の距離に関係なく測定作業が容易であ
ることは勿論、センサー11の先端部を挿入するための
盲状の孔14の加工が容易であり、或いは、貫通孔30
に対するセンサー11の先端部の設置位置を厳格に設定
する必要もなく組付作業が容易である。
【0049】また、上述した図5に示すような二つの熱
電対を用いて熱流束を検出する方法又は装置では、測温
の二点を同軸上に配置し得ず、このため熱流束上での温
度差の測定が困難であるのに対して、本発明によれば、
熱流束上に位置する温度差の測定が可能であり、熱流速
を正しく測定できるという効果がある。
【0050】更に、本発明によれば、センサー11に流
れる熱流束をモールド壁部に流れる熱流束と等価にする
ことができるので、センサー11を設置することにより
モールドに対して悪影響を及ぼすことはない。
【0051】請求項3に記載の本発明によれば、鋳造用
モールドに既設の冷却箱15における締付ボルト17を
利用してセンサー11を取付けることができるので、実
施化が容易であり、低コストにより本発明を実現できる
という効果がある。即ち、モールド壁部に孔14を穿設
し、締付ボルト17に挿通孔18を設ければ足り、既設
の設備にそれ以上の加工を施す必要はないという利点が
ある。しかも、センサー11を締付ボルト17の挿通孔
18に挿通保持せしめる構成であるから、センサー11
の安定した取付状態を可能にすることは勿論、冷却箱1
5内の冷媒からの絶縁性にも優れるという効果がある。
【0052】請求項4又は5に記載の本発明によれば、
センサー11の異種金属片13とモールド壁部Wとの接
触不良を生じる虞れがなく、常に良好な検出結果を得ら
れるという効果がある。
【0053】請求項6又は7に記載の本発明によれば、
センサー11の完全な絶縁性を期待することができ、所
期目的を達する上で極めて効果的である。殊に、請求項
7に記載の本発明によれば、充填剤25aがセンサー1
1の放熱性を促進するので、センサー11自体に対する
熱流を促進し、モールド壁部の熱流束の把握に寄与でき
るという効果がある。
【0054】請求項8に記載の本発明によれば、冷却手
段によりセンサー11自体に対する熱流を一層促進せし
めることが可能になり、モールド壁部Wの熱流束を好適
に把握しつつ正確に検出する点において更に優れるとい
う効果がある。
【0055】請求項9又は10に記載の本発明によれ
ば、センサー11自体に熱流を促進せしめる冷却手段2
7、27aをモールドの冷却手段により兼用できるの
で、冷却手段のための特別な構成が必要でなく、装置全
体の構造をシンプルに構成できるという効果がある。
【0056】請求項11に記載の本発明によれば、セン
サー11が、先端側の径小部12bに比して尾端側の径
大部12cの放熱効果を大に構成し、異種金属片13の
両端における温度勾配を大きくするので、センサー11
の出力を大ならしめることができると共に、センサー1
1自体に対する熱流を促進できるので、モールド壁部W
の熱流束を好適に把握しつつ正確に検出できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例を示す横断面図であ
る。
【図2】本発明装置の要部を示し、(A)は前記第1実
施例に係るセンサーの先端部を示す横断面図、(B)は
第2実施例に係るセンサーの先端部を示す横断面図であ
る。
【図3】本発明装置の第3実施例を示す横断面図であ
る。
【図4】本発明装置の要部を示し、(A)は第4実施例
に係るセンサーの先端部の横断面図、(B)は第5実施
例に係るセンサーの先端部の横断面図である。
【図5】本発明装置の第6実施例の要部を示し、(A)
は1例に係るセンサーの先端部の横断面図、(B)は他
例に係るセンサーの先端部の横断面図である。
【図6】本発明装置の第7実施例を示す横断面図であ
る。
【図7】本発明に対する比較例を示す横断面図である。
【符号の説明】
11 センサー 12 金属棒 12a 尾端 12b 径小部 12c 径大部 12d テーパ部 12e 異径段部 13 異種金属片 14 孔 15 冷却箱 16 冷媒室 17 締付ボルト 18 挿通孔 20 押圧手段 25a 充填剤 25b 絶縁被膜 26 起電力検出手段 27 冷却手段 27a 冷却手段 28 同種金属片 29 冷媒通路 30 貫通孔 30a 小径孔 30b 大径孔 34 ネジ 35 テーパピン 36 ハウジング 41 環状ナット 42 筒状スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 淳 千葉県君津市君津1番地新日本製鐵株式会 社君津製鐵所内 (72)発明者 大村 康正 千葉県君津市君津1番地新日本製鐵株式会 社君津製鐵所内 (72)発明者 阪口 育平 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号川 惣電機工業株式会社内 (72)発明者 五明 憲一 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号川 惣電機工業株式会社内 (72)発明者 井川 修 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号川 惣電機工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−148060(JP,A) 特開 昭55−113925(JP,A) 実開 昭57−190432(JP,U)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造用モールドと同材質の金属棒の先端
    に異種金属片を接合して構成したセンサーを、該モール
    ドの壁部肉厚方向に穿設した孔に挿入すると共に前記異
    種金属片を孔底部分に接合せしめることにより、前記モ
    ールド壁部及び異種金属片による第一の熱電対と、前記
    異種金属片及び金属棒による第二の熱電対とから成る差
    動熱電対を構成し、モールドと金属棒後端との間で起電
    力を検出することにより、前記異種金属片の両端の温度
    差からモールド壁部の肉厚方向の熱流束を検出すること
    を特徴とする鋳造用モールドの熱流束検出方法。
  2. 【請求項2】 鋳造用モールドと同材質の金属棒の先端
    に異種金属片を接合して構成したセンサーと、前記モー
    ルドの外側より該モールドの壁部肉厚方向に穿設され前
    記センサーを挿入せしめられる孔と、前記モールドと金
    属棒後端との間に設けられた起電力検出手段とから成
    り、前記異種金属片を前記孔の孔底部分に接合せしめる
    ことにより、前記モールド壁部及び異種金属片による第
    一の熱電対と、前記異種金属片及び金属棒による第二の
    熱電対とから成る差動熱電対を構成したことを特徴とす
    る鋳造用モールドの熱流束検出装置。
  3. 【請求項3】 冷媒室を構成する冷却箱を締付ボルトを
    介して外側に固着して成る鋳造用モールドにおいて、前
    記モールドと同材質の金属棒の先端に異種金属片を接合
    して構成したセンサーと、前記締付ボルトの軸方向に貫
    通して形成され前記センサーを挿通せしめる挿通孔と、
    前記締付ボルトの先端からモールドの壁部肉厚方向に穿
    設され前記センサーの先端近傍部を挿入せしめる孔と、
    前記モールドと金属棒後端との間に設けられた起電力検
    出手段とから成り、前記異種金属片を前記孔の孔底部分
    に接合せしめることにより、前記モールド壁部及び異種
    金属片による第一の熱電対と、前記異種金属片及び金属
    棒による第二の熱電対とから成る差動熱電対を構成した
    ことを特徴とする鋳造用モールドの熱流束検出装置。
  4. 【請求項4】 センサーの先端側において異種金属片に
    モールドと同材質の同種金属片を取付け、前記孔底部分
    において該同種金属片を該孔に接合して成ることを特徴
    とする請求項2又は3に記載の鋳造用モールドの熱流束
    検出装置。
  5. 【請求項5】 モールドの壁部肉厚方向に孔を貫通して
    穿設し、センサーの先端側において異種金属片にモール
    ドと同材質の同種金属片を取付けて成り、前記センサー
    をモールドの前記孔に挿入し、前記同種金属片を前記孔
    に嵌合せしめて成ることを特徴とする請求項2、3又は
    4に記載の鋳造用モールドの熱流束検出装置。
  6. 【請求項6】 センサーの外周面を被覆するセラミック
    コーティング等から成る絶縁被膜を設けたことを特徴と
    する請求項2、3、4又は5に記載の鋳造用モールドの
    熱流束検出装置。
  7. 【請求項7】 センサーを挿通せしめた締付ボルトの挿
    通孔から、センサーの先端近傍部を挿入せしめたモール
    ド壁部の孔に至り、電気的絶縁性を有し且つ空気よりも
    放熱性の高い充填剤を充填して成ることを特徴とする請
    求項2、3、4、5又は6に記載の鋳造用モールドの熱
    流束検出装置。
  8. 【請求項8】 センサーを構成する金属棒を冷却する冷
    却手段を設けたことを特徴とする請求項2、3、4、
    5、6又は7に記載の鋳造用モールドの熱流束検出装
    置。
  9. 【請求項9】 冷却手段が締付ボルトを貫通せしめた冷
    却箱の冷媒室により構成されて成ることを特徴とする請
    求項8に記載の鋳造用モールドの熱流束検出装置。
  10. 【請求項10】 冷却手段がモールドの冷却手段を兼用
    して成ることを特徴とする請求項8に記載の鋳造用モー
    ルドの熱流束検出装置。
  11. 【請求項11】 センサーを構成する金属棒が先端側に
    断面積小とした径小部を構成し、尾端側に断面積大とし
    た径大部を構成して成ることを特徴とする請求項2、
    3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の鋳造用モ
    ールドの熱流束検出装置。
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