JPH1163968A - 鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャップ測定方法並びに熱流束検出装置及び同装置におけるセンサー装置 - Google Patents

鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャップ測定方法並びに熱流束検出装置及び同装置におけるセンサー装置

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JPH1163968A
JPH1163968A JP24186297A JP24186297A JPH1163968A JP H1163968 A JPH1163968 A JP H1163968A JP 24186297 A JP24186297 A JP 24186297A JP 24186297 A JP24186297 A JP 24186297A JP H1163968 A JPH1163968 A JP H1163968A
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JP
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sensor
air gap
heat flux
temperature
mold wall
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JP24186297A
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Satoshi Ito
智 伊藤
Masahiro Toki
正弘 土岐
Junji Nakajima
潤二 中島
Yasuhiko Otani
康彦 大谷
Osamu Igawa
修 井川
Keiichi Mori
敬一 森
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KAWASO DENKI KOGYO
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Nippon Steel Corp
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KAWASO DENKI KOGYO
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャ
ップ測定方法並びに熱流束検出装置及び同装置における
センサー装置。 【解決手段】 鋳造用モールドのモールド壁面Wと溶鋼
56の間に潤滑剤57による潤滑層を形成し、潤滑層と
モールド壁の間にエアギャップ59を自然形成せしめ
る。モールド壁の肉厚方向に挿入された同軸センサー5
5により検出され且つ式q=(TH −TL )/R(但し
RはTH とTL の間における物体の熱抵抗により表され
る熱流束qと、同軸センサーの先端において検出したモ
ールド壁部Wの内部温度T1 と、溶鋼の固相線温度TSL
とから、モールド壁とエアギャップの界面における温度
2 と、潤滑層とエアギャップの界面における温度T3
を求め、エアギャップの厚さ方向の熱流束qを表す式、
q=(T3 −T2 )/R2 により、エアギャップの熱抵
抗R2 を求め、R2 =d2 /λ(λはエアギャップの熱
伝導率)により、エアギャップの厚みd2 を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造用モールド、
特に、連続鋳造用モールドにおいて、モールド内部を流
れる熱流束を検出することによりエアギャップを測定す
る方法と、該測定方法を実施するための熱流束検出装置
と、該熱流束検出装置に用いられるセンサー装置を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造用モールド壁部内の温度
分布を測定することにより、連続鋳造設備で生産される
鋳片の表面疵の発生防止や、モールド内溶鋼の湯面レベ
ルの検出による溶鋼流入量のコントロール等が行われて
いる。例えば、モールド壁部内の所定の多点位置に熱電
対を埋め込むことにより、モールドの壁部内の温度分布
を測定する技術が公知である(第一公知技術)。この第
一公知技術を利用して、縦割れや拘束性ブレークアウト
等の鋳片異常を検出し、異常発生時には鋳造速度を急激
に落とすことにより操業を安定させている。然しなが
ら、第一公知技術では、モールド壁部内の温度分布を測
定するため、鋳片の異常が発生し、抜熱量の異常が発生
した場合でも、正確に検知できず、また検知速度も遅
く、リアルタイムな異常検出ができない。
【0003】そこで、モールド壁部内の温度分布を測定
するのではなく、モールド壁部の内部において該壁部の
肉厚方向に流れる熱流束を検出することが有利であるこ
とから、図4に示すような二つのシース熱電対1、2を
用いた装置が公知である(第二公知技術)。この装置に
おいて、二つのシース熱電対1、2は、モールド壁部W
に穿設された孔に挿入することにより相互に近接して平
行に埋入され、両者の先端測温部をモールド壁部Wの肉
厚方向に距離dだけ位置をずらせて配置されている。そ
こで、深く挿入された熱電対1により測定される温度T
H と、浅く挿入された熱電対2により測定される温度T
L から、壁部W内を流れる熱流束qは、式、q=(TH
−TL )/R(但しRは前記距離dに相当するモールド
壁内部の熱抵抗)により求めることができることにな
る。尚、熱抵抗Rは、式、R=d/λ(但しλは熱伝導
率)により求められる。
【0004】然しながら、第二公知技術は、二つの熱電
対1、2を平行に配置したものであるため、モールド壁
部の熱流束を正しく測定し得るかどうか疑問を生じる。
即ち、図4から明らかなように、二つの熱電対1、2を
同軸上に配置できない構成であるから、壁部Wの肉厚方
向に対して同一線上に配置できず、両者の先端測温部を
必然的に距離Dだけ偏位せしめることになる。従って、
二つの熱電対1、2の先端測温部を同じ熱流束上に配置
し得ないため、真の熱流束を検出できない。
【0005】そこで、本出願人らは、先に、モールド壁
部の内部において該壁部の肉厚方向に流れる熱流束を検
出するための装置を特願平4−148722号(特公平
7−86437号)として提案した(第三公知技術)。
【0006】この第三公知技術によれば、図5に示すよ
うに、センサー11は、モールドMと同材質の金属棒1
2と、該金属棒12の先端に接合し固着された異種金属
片13とから構成されており、モールド壁部Wの外側よ
り該壁部の肉厚方向に穿設された孔14に挿入され、前
記異種金属片13を孔14の孔底部分に接合せしめられ
る。
【0007】モールド壁部Wの外側には、内側プレート
15aと外側プレート15bの間に冷媒室16を形成し
た冷却箱15が設けられているため、前記センサー11
は該冷却箱15を貫通して取付けられた金属チューブ1
7の挿通孔18に挿通せしめられる。尚、金属チューブ
17は、先端部をモールド壁部Wに螺入し、尾端部にシ
ールブロック8を介してナット9を螺着した締付ボルト
を構成する。
【0008】金属チューブ17の先端に対向して挿通孔
18と連通するようにモールド壁部Wに前記孔14が穿
設されており、該孔14にセンサー11の先端の異種金
属片13が挿入される。
【0009】金属チューブ17の尾端から挿出されたセ
ンサー11(金属棒12)の尾端部には押圧手段20が
設けられ、センサー11の先端部を孔14に圧入せしめ
るように付勢している。押圧手段20は、締付ボルト1
7の尾端に設けられたケース21と、該ケース21の尾
端側の開口部に螺合するネジ込み手段を介して挿入固定
される受部材22と、ケース21内に位置するセンサー
11(金属棒12)の軸部分に固着された鍔部材23
と、該鍔部材23及び前記受部材22の間に介装された
圧縮コイルスプリング24とから成る。
【0010】センサー11の外周面は、セラミック(A
2 3 等)のコーティング等による絶縁被膜25bに
より被覆され、これにより、金属チューブ17、押圧手
段20等からセンサー11を電気的に絶縁している。ま
た、金属チューブ17の挿通孔18から、モールド壁部
の孔14に至り、電気的絶縁性を有する充填剤、例え
ば、シリコン樹脂から成る充填剤25aが充填されてい
る。即ち、充填剤25aは、前記挿通孔18に挿通され
たセンサー11の外周面と該挿通孔18の内周面との
間、並びにモールド壁部Wの孔14に挿入されたセンサ
ー11の外周面と該孔14の内周面との間に充填されて
いる。
【0011】そこで、第三公知技術によれば、モールド
Mと、金属棒12の尾端12aとの間には、起電力検出
手段26が設けられ、前記モールド壁部W及び異種金属
片13により第一の熱電対を構成し、前記異種金属片1
3及び金属棒12により第二の熱電対を構成し、この第
一、第二の熱電対により、差動熱電対を構成する。その
結果、起電力検出手段26により検知される起電力は、
モールド壁部W及び異種金属片13から構成される第一
の熱電対により生じる起電力と、異種金属片13及び金
属棒12から構成される第二の熱電対により生じる起電
力とを打ち消した二接点の起電力の差として、温度TH
及びTL が測定されるので、その温度差(TH −TL
を検知することにより、熱流束qを検出することができ
る。
【0012】ところで、連続鋳造の場合、溶鋼はモール
ド内を流動し鋳片として成型されるが、連続鋳造中、モ
ールド壁を構成する銅板の内壁面に沿って溶鋼が円滑に
流動するように、硝子系の材質を含むパウダーから成る
潤滑剤が、銅板の内壁面に添加せしめられる。そこで、
添加された潤滑剤は、溶鋼に接する溶融層と、モールド
壁面に臨む固着層とを成層し、固着層とモールド壁面と
の間にエアギャップを自然形成する。そして、溶鋼は、
溶融層のある1点から凝固成長を開始し、シェルを形成
する。
【0013】この点に関し、前記シェルのモールド表面
への拘束や、該シェルの縦割れが生じた場合、そのまま
鋳造を続けると溶鋼が鋳片の外に漏れ、設備に甚大な被
害を及ぼすことがある。このような現象は、それぞれパ
ウダーの流入不足や抜熱の不均一が原因であるとされて
いる。
【0014】それら鋳片の異常を検知するため、従来よ
り熱電対をモールド壁部に複数個埋設し、鋳片異常の発
生時の温度異常を検知し、異常発生時には鋳造速度を急
激に落とすことにより操業停止を回避している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のような本出願人
らの開発経緯によれば、第三公知技術に基づいて、モー
ルド壁部内において壁部の肉厚方向に流れる熱流束を好
適に検出することができたものであるが、更に別の観点
から技術を見直した場合、今なお解決すべき次のような
課題がある。
【0016】即ち、第三公知技術は、熱流束検出技術と
して極めて優れたものであるが、これをセンサー組立体
として見たとき、比較的、構造が複雑でありコストが高
く、しかも簡便な実施には必ずしも適しない。
【0017】例えば、センサー11を絶縁するため、該
センサー11の外周にセラミックコーティングによる絶
縁被膜25bを設けた構成を採用しているが、低コスト
化の観点からは、このような絶縁手段を簡素化すること
が望ましい。
【0018】また、金属棒12の絶縁のため、金属チュ
ーブ17の挿通孔18に充填剤25aを充填した構成を
採用しているが、これが高コスト化の原因になるばかり
か、センサー組立体のユニット化を妨げることになる。
【0019】ところで、連続鋳造において、熱流束検出
装置や熱電対をモールド壁部に複数個設置することによ
り、鋳造異常の有無を監視しつつ異常発生時には鋳造速
度を減速していることは、前述の通りであるが、鋳造異
常が進展してブレークアウトが生じ、溶鋼が流れ出す
と、最悪の事態を招来することになる。
【0020】本発明者らが知見したところによると、こ
のようなブレークアウトは、モールド表面とシェルの間
における潤滑層の異常によるエアギャップの拡大が主原
因であると考えられる。ところが、従来は、複数の温度
測定点に基づいて局部的な温度変化があれば、エアギャ
ップの厚さの変化に関係なく異常信号を発し、ブレーク
アウトの危険性を予知していたため、実際にはエアギャ
ップに異常がなくブレークアウトの危険性が低い場合で
も、鋳造速度の急減速を行い稼働率の低下を余儀なくさ
れていた。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決したものであり、鋳造用モールド、特に、連続鋳造用
モールドにおいて、モールド内部を流れる熱流束を検出
することによりエアギャップを測定する方法と、該測定
方法を実施するための熱流束検出装置と、該熱流束検出
装置に用いられるセンサー装置を提供するものである。
【0022】そこで、本発明に係る鋳造用モールドの熱
流束検出によるエアギャップ測定方法が第一の手段とし
て構成したところは、鋳造用モールドのモールド壁面と
溶鋼の間に潤滑剤による潤滑層を形成し、該潤滑層とモ
ールド壁の間にエアギャップを自然形成せしめると共
に、該潤滑層と溶鋼の間に溶鋼の凝固層によるシェルを
自然形成せしめている連続鋳造方法において、前記モー
ルド壁の肉厚方向に挿入された同軸センサーにより検出
され且つ式q=(TH −TL )/R(但しRはTH とT
L の間における物体の熱抵抗)により表される熱流束q
と、同軸センサーの先端において検出したモールド壁部
Wの内部温度T1 と、溶鋼の固相線温度TSLとから、モ
ールド壁とエアギャップの界面における温度T2 と、潤
滑層とエアギャップの界面における温度T3 を求め、該
エアギャップの厚さ方向の熱流束qを表す式、q=(T
3 −T2 )/R2 により、エアギャップの熱抵抗R2
求め、該エアギャップの熱抵抗R2 から式、R2 =d2
/λ(但しλはエアギャップの熱伝導率)により、エア
ギャップの厚みd2 を求める行程から成り、前記エアギ
ャップの厚みd2 を監視することにより鋳造時のブレー
クアウトを防止するように構成した点にある。
【0023】また、本発明に係る鋳造用モールドの熱流
束検出によるエアギャップ測定方法が第二の手段として
構成したところは、鋳造用モールドのモールド壁面と溶
鋼の間に添加された潤滑剤により形成した潤滑層が、溶
鋼に接する溶融層と、モールド壁面に対してエアギャッ
プを介して臨む固着層とを成層せしめ、溶鋼が、前記潤
滑層の溶融層に接して該溶鋼を凝固せしめたシェルを自
然形成せしめている連続鋳造方法において、前記モール
ド壁の肉厚方向に挿入された同軸センサーにより検出さ
れ且つ式q=(TH −TL )/R(但しRはTH とTL
の間における物体の熱抵抗)により表される熱流束q
と、同軸センサーの先端において検知したモールド壁部
の内部温度T1 に基づいて、該モールド壁の肉厚方向に
関する熱流束qを表す式、q=(T2 −T1 )/R
1 (但しR1 はモールド壁の熱抵抗)により、モールド
壁とエアギャップの界面における温度T2 を求める行程
と、溶鋼の固相線温度TSLと、前記熱流束qに基づい
て、シェルの肉厚方向の熱流束を表す式、q=(TSL
5 )/R5 (但しR5 はシェルの熱抵抗)により、シ
ェルと潤滑層の界面における温度T5 を求める行程と、
前記により求めた温度T5 と、前記熱流束qに基づい
て、潤滑層における溶融層の肉厚方向の熱流束を表す
式、q=(T5 −T4 )/R4 (但しR4 は溶融層の熱
抵抗)により、溶融層と固着層の界面における温度T4
を求める行程と、前記により求めた温度T4と、前記熱
流束qに基づいて、潤滑層における固着層の肉厚方向の
熱流束を表す式、q=(T4 −T3 )/R3 (但しR3
は固着層の熱抵抗)により、固着層とエアギャップの界
面における温度T3 を求める行程と、前記により求めた
エアギャップの厚さ方向の両側における温度T3 及びT
2 と、前記熱流束qに基づいて、エアギャップの厚さ方
向の熱流束を表す式、q=(T3 −T2 )/R2 によ
り、エアギャップの熱抵抗R2 を求める行程と、前記に
より求めたエアギャップの熱抵抗R2 から式、R2 =d
2 /λ(但しλはエアギャップの熱伝導率)により、エ
アギャップの厚みd2 を求める行程とから成り、エアギ
ャップの厚みd2 を監視することにより鋳造時のブレー
クアウトを防止するように構成した点にある。
【0024】また、本発明に係る鋳造用モールドの熱流
束装置が手段として構成したところは、耐熱性樹脂の被
覆材により被覆された熱電対の該被覆材から突出する温
接点を鋳造用モールドと同材質の金属片に内装せしめた
第1センサーと、鋳造用モールドと同材質の金属棒の先
端に異種金属片を接合せしめた第2センサーとを備え、
前記第2センサーの異種金属片に前記第1センサーを接
合すると共に、第1センサーの熱電対を含む被覆材を第
2センサーの金属棒の外周に螺旋状に巻回せしめ且つ金
属棒の尾端方向に延長せしめることにより同軸センサー
を構成し、前記同軸センサーを金属チューブに挿通し、
少なくとも第1センサーの金属片を金属チューブの先端
から突出せしめると共に、第2センサーの外周部と金属
チューブの内周との間に、螺旋状熱電対の被覆材により
形成された絶縁部を備えるセンサー組立体を構成して成
り、前記センサー組立体の金属チューブから突出する金
属片を鋳造用モールドの壁部肉厚方向に穿設された孔に
挿入せしめた状態で、前記熱電対の一対の素線に接続さ
れる第1の起電力検出手段と、前記熱電対の一方の素線
と金属棒の尾端部に接続される第2の起電力検出手段と
を設けて成る点にある。
【0025】更に、本発明に係る鋳造用モールドの熱流
束装置におけるセンサー装置が手段として構成したとこ
ろは、耐熱性樹脂の被覆材により被覆された熱電対の該
被覆材から突出する温接点を鋳造用モールドと同材質の
金属片に内装せしめた第1センサーと、鋳造用モールド
と同材質の金属棒の先端に異種金属片を接合せしめた第
2センサーとを備え、前記第2センサーの異種金属片に
前記第1センサーを接合すると共に、第1センサーの熱
電対を含む被覆材を第2センサーの金属棒の外周に螺旋
状に巻回せしめ且つ金属棒の尾端方向に延長せしめるこ
とにより同軸センサーを構成し、前記同軸センサーを金
属チューブに挿通し、少なくとも第1センサーの金属片
を金属チューブの先端から突出せしめると共に、第2セ
ンサーの外周部と金属チューブの内周との間に、螺旋状
熱電対の被覆材により形成された絶縁部を備えるセンサ
ー組立体を構成して成る点にある。
【0026】本発明の実施形態において、前記第1セン
サーにおける熱電対の被覆材は、フッ素樹脂により形成
することが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の1実
施形態を詳述する。
【0028】図1に示すように、連続鋳造用モールド等
のモールドMは、モールド壁部Wの外側に冷却箱31を
設けており、該冷却箱31は、モールド壁部Wの外側面
に接合される内側プレート31aと、該内側プレート3
1aの外側に冷媒室32を形成する外側プレート31b
とから成り、冷媒室32に冷媒33を充填しており、こ
の点は公知の構成である。
【0029】センサー組立体34は、同軸センサー35
と金属チューブ36との組立体から成り、同軸センサー
35を金属チューブ36の挿通孔37に挿通せしめるこ
とにより組立てられる。
【0030】金属チューブ36は、金属管から成り、前
記冷却箱31を貫通せしめられ、該金属チューブ36の
先端部をモールド壁部Wに螺入すると共に、尾端部にシ
ールブロック38を介してナット39を螺着した締付ボ
ルトを構成する。
【0031】図2に示すように、同軸センサー35は、
鋳造用モールドMと同材質の金属棒40の先端に異種金
属片41を接合せしめると共に、更に異種金属片41に
鋳造用モールドMと同材質の金属片42を接合せしめた
棒状体を構成し、この先端の金属片42に熱電対43の
温接点43aを内装せしめることにより構成した第1セ
ンサー44と、前記金属棒40と異種金属片41により
構成した第2センサー45とを、同軸上に設けている。
この際、モールドMが銅又は鉄の場合、第1センサー4
4の一部を構成する金属片42、第2センサー45を構
成する異種金属片41及び金属棒40の材質は下記の表
1のように選択することができる。
【0032】
【表1】
【0033】前記第1センサー44は、図2(B)に示
すように、金属片42の直径方向に貫通して穿孔した小
孔46に該孔の一端から熱電対43の一対の素線43
b、43cを挿入すると共に、該孔の他端から挿出した
素線43b、43cの先端相互を溶接することにより温
接点43aを形成した後、該温接点43aを孔内に引込
むことにより構成される。従って、溶接により形成され
た温接点43aが孔内に嵌入状態で定置されている。
【0034】熱電対43は、一対の素線43b、43c
を相互に絶縁した状態で樹脂製の被覆材47により被覆
されており、前記温接点43aに近傍する被覆材47の
先端を小孔46に臨ましめている。そして、熱電対43
を含む被覆材47を金属片42から異種金属片41を経
て金属棒40の尾端に至る外周に螺旋状に巻回せしめて
いる。被覆材47は、耐熱性樹脂から成り、好ましくは
フッ素樹脂(商品名:テフロン)により成形される。
【0035】図2(C)に示すように、金属棒40の尾
端部と、該金属棒40に巻回せしめられ該金属棒40の
尾端に延長された熱電対43を含む被覆材47の延長端
は、ともに接続スリーブ48に挿入され、セットボルト
等の固定手段48aにより固定される。接続スリーブ4
8にはケーブル49が案内されジョイント手段50によ
り固定される。ケーブル49には3本の導線49a、4
9b、49cが内包されており、導線49aを金属棒4
0の尾端に接続せしめられる。接続スリーブ48の内部
において、熱電対43のマイナス側の素線43bは導線
49bに接続され、プラス側の素線43cは導線49c
に接続される。
【0036】上記構成の同軸センサー35は、熱電対4
3を含む被覆材47を螺旋状に巻回せしめた状態で、金
属チューブ36に挿通され、先端部の温接点43aを内
装する金属片42を金属チューブ36の先端から突出せ
しめると共に、モールド壁部Wの肉厚方向に穿設された
孔に嵌入し、該金属片42の先端を該孔内にスタッド溶
接される。この際、螺旋状に巻回された熱電対43を含
む被覆材47は、同軸センサー35と金属チューブ36
の間に圧着され、その状態で、同軸センサー35を金属
チューブ36の挿通孔37内で同心同軸状態に定置せし
め、しかも、金属片42と異種金属片41と金属棒40
とから成る棒状体の外周面と挿通孔37の内周面との間
に絶縁空間としての絶縁部51を形成する。従って、絶
縁部51は、電気的絶縁を果たす。
【0037】そして、熱電対43の一対の素線43b、
43cに接続されたケーブル49の導線49b、49c
は、第1の起電力検出手段52に接続される。また、熱
電対43のプラス側の素線43cに接続された導線49
cと、金属棒40に接続された導線49aは、第2の起
電力検出手段53に接続される。
【0038】尚、ナット39から挿出された金属チュー
ブ36の尾端にはジョイントボックス54が螺着され、
金属チューブ36から挿出された金属棒40の尾端と、
接続スリーブ48と、ケーブル49の一部とを該ジョイ
ントボックス54に内装せしめ、電気的絶縁性を有する
充填剤、例えば、シリコン樹脂から成る充填剤55をジ
ョイントボックス54の内部に充填している。
【0039】そこで、第1センサー44と第2センサー
45を構成する同軸センサー35は、冷媒室32に橋架
された部分においては金属チューブ36及び絶縁部51
を介して冷媒33により冷却される。
【0040】以下、上記構成の同軸センサー35を組込
んだ熱流束検出装置に基づいて、鋳造用モールドの熱流
束を検出し、連続鋳造時におけるブレークアウトを防止
するために、鋳造用モールドのモールド壁部と潤滑剤の
間のエアギャップを測定する方法について説明する。
【0041】図3に示すように、連続鋳造用モールドM
は、モールド壁部Wと溶鋼56との間に潤滑剤57によ
る潤滑層58が形成される。潤滑剤57は、硝子系の材
質を含むパウダーから成り、モールド壁部Wの内壁面に
添加せしめられる。そこで、モールド壁部Wと溶鋼56
の間に形成された潤滑層58は、溶鋼56に接する溶融
層58aと、モールド壁部Wの壁面に臨む固着層58b
とを成層し、該固着層58bとモールド壁面との間にエ
アギャップ59が自然形成される。また溶鋼56は、前
記溶融層58aのある1点から凝固成長を開始し、シェ
ル56aを自然形成する。
【0042】上述したように、シェル56aによるモー
ルド壁部Wの拘束や、該シェル57aの縦割れが生じる
と、鋳造異常を引き起こすことになり、このような現象
は、部分的な温度異常や、抜熱量の異常が原因であるた
め、上述のような同軸センサー35の多数をモールドM
に埋設することにより、鋳造異常の原因となる部分的な
温度異常や抜熱量の異常を検知し、鋳造速度の減速が行
われる。
【0043】ところで、上述したように、本発明者らが
知見したところによると、潤滑層58とモールド壁部W
の間におけるエアギャップ59が拡大する等の異常が発
生すると、ブレークアウトの危険性が極めて高くなる。
【0044】そこで、このようなエアギャップ59の厚
み変化を上記実施形態の熱流束検出装置を用いて理論的
に測定し、鋳造速度をコントロールすることにより、ブ
レークアウトを好適に防止することができる。
【0045】先ず、モールド壁部Wの温度により生じる
第1センサー44の起電力を第1の起電力検出手段52
により検出し、異種金属片41と金属棒40により熱電
対を構成した第2センサー45の起電力を第2の起電力
検出手段53により検出することにより、第1センサー
44により測定された温度TH と、第2センサー45に
より測定された温度TL の温度差(TH −TL )から、
熱流束qを検出することができ、熱流束qは、モールド
壁部W内の熱流束に比例する。この際、高低温度が異な
る2点で検知された温度TH とTL の温度差から熱流束
qを求めるためには、式、q=(TH −TL )/Rが用
いられる。ここで、Rは、温度測定された2点の間にお
ける物体の熱抵抗である。そして、前記熱抵抗Rは、
式、R=d/λにより求められる。ここで、dは、前記
物体の2点の間の距離であり、λは、その熱伝導率であ
る。
【0046】そこで、上述の同軸センサー35において
は、図3に示す異種金属片41の両端の温度TH1とTL1
の温度差として特定されるので、これにより同軸センサ
ー35における熱流束qは、q=(TH1−TL1)/R0
により求められる。尚、R0は、TH1とTL1の間におけ
る同軸センサーの熱抵抗であり、事前に検出されてい
る。
【0047】ところで、同軸センサー35の熱流束qに
対して、該センサー35と同軸線上にあるモールド壁部
Wの熱流束(図中、T1 とT2 の間の熱流束)、エアギ
ャップ59の熱流束(図中、T2 とT3 の間の熱流
束)、固着層58bの熱流束(図中、T3 とT4 の間の
熱流束)、溶融層58aの熱流束(図中、T4 とT5
間の熱流束)、シェル56aの熱流束(図中、T5 とT
SLの間の熱流束)は、それぞれ比例する。
【0048】換言すれば、前記モールド壁部Wの熱流束
qは式、q=(T2 −T1 )/R1で表され、前記エア
ギャップ59の熱流束は式、q=(T3 −T2 )/R2
で表され、前記固着層58bの熱流束は式、q=(T4
−T3 )/R3 で表され、前記溶融層58aの熱流束は
式、q=(T5 −T4 )/R4 で表され、前記シェル5
6aの熱流束は式、q=(TSL−T5 )/R5 で表され
ることになる。
【0049】従って、同軸センサー35により測定され
た熱流束qの値を利用することにより、該センサー35
の先端におけるモールド壁部Wの温度T1 と、溶鋼56
の固相線温度TSLがわかれば、エアギャップ59の熱流
束を表す式、q=(T3 −T2 )/R2 における値、T
3 、T2 、R2 を求めることができる。そして、そこで
求められたR2 (エアギャップの熱抵抗)は式、R2
2 /λにより求めることができ、エアギャップの熱伝
導率λは既知のことであるから、これによりエアギャッ
プの厚みd2 が求められることになる。
【0050】念のため具体的に説明すると、モールド壁
部Wの内部温度T1 は、同軸センサー35の第1センサ
ー44により検知される。従って、同軸センサー35に
より測定した熱流束qから、モールド壁部Wの肉厚方向
の熱流束qは式、q=(T2−T1 )/R1 で表される
ので、これにより、モールド壁部Wとエアギャップ59
の界面における温度T2 を求める。因みに、モールド壁
部Wの熱抵抗R1 は、該壁部を構成する素材から予め検
出済である。
【0051】一方、溶鋼の固相線温度TSLは、既存の連
続鋳造設備においても、常に測定されている。そこで、
前述の同軸センサー35により測定した熱流束qから、
シェル56aの肉厚方向の熱流束qは式、q=(TSL
5 )/R5 で表されるので、これにより、シェル56
aと溶融層58aの界面における温度T5 を求める。
尚、シェル56aの熱抵抗R5 は事前に検出されてい
る。
【0052】引き続き同様にして、溶融層58aの肉厚
方向の熱流束qは式、q=(T5 −T4 )/R4 で表さ
れるので、これにより、該溶融層58aと固着層58b
の界面における温度T4 を求め、更に、固着層58bの
肉厚方向の熱流束qは式、q=(T4 −T3 )/R3
表されるので、該固着層58bとエアギャップ59の界
面における温度T3 を求める。尚、潤滑剤57は、材質
が特定されているので、溶融層58aの熱抵抗R4 、固
着層58bの熱抵抗R3 は、事前に検出されている。
【0053】その結果、エアギャップ59の両側におけ
る温度T3 、T2 が求められると、エアギャップ59の
肉厚方向の熱流束qは式、q=(T3 −T2 )/R2
表されるので、これにより、該エアギャップ59の熱抵
抗R2 を求める。前述の通り、この熱抵抗は式、R2
2 /λにより表され、エアギャップの熱伝導率λは既
知であるから、結局、エアギャップ59の厚みd2 を求
めることができる。
【0054】従って、熱流束検出装置における同軸セン
サー35の第1センサー44における金属片42と第2
センサー45における異種金属片41と金属棒40によ
り測定した熱流束qと、該第1センサー44における熱
電対43により検知したモールド壁部W内の温度T
1 と、溶鋼の固相線温度TSLから、前述のような演算方
法を用いてコンピュータ等によりエアギャップ59の厚
みd2 を算出し、この厚みd2 を監視することにより潤
滑剤57の添加量を調節すれば、エアギャップ59の厚
みd2 を常に正常な状態に維持することができ、ブレー
クアウトを防止することが可能になる。
【0055】そして、上記実施態様の熱流束検出装置に
よれば、センサー組立体34は、同軸センサー35を金
属チューブ36に挿通せしめて成る組立ユニットを構成
し、その際、図5に示した第三公知技術のような絶縁被
膜25bのコーティングや放熱用充填剤25aの充填を
必要としないので、構造が簡単である。特に、同軸セン
サー35の外周域における絶縁部51は、第1センサー
44の熱電対43を含む被覆材47を金属片42から異
種金属片41を経て金属棒40の外周に螺旋状に巻回せ
しめることにより形成したものであるから、構成が極め
て簡単である。そして、被覆材47は、フッ素樹脂等の
耐熱性樹脂により成形しているので、同軸センサー35
の電気的絶縁を好適に果たすことができ、しかも、同軸
センサー35と金属チューブ36の間に挿入される結
果、金属チューブ36の挿通孔37内で同軸センサー3
5を同心同軸状に固定し定置できる。更に、この点に関
して、仮に、熱電対43を同軸センサー35に沿って直
線状に延長せしめる場合は、電磁攪拌によるノイズを生
じる虞れがあり、起電力の正確な測定を困難ならしめる
のに対して、前述のように熱電対43を螺旋状に巻回せ
しめることにより、電磁攪拌によるノイズ発生を防止で
きるという利点がある。
【0056】更に、熱電対43の素線43b、43c
と、金属棒40の尾端は、全てがセンサー組立体34の
尾端の接続スリーブ48に集約されているので、そこ
で、第1の起電力検出手段52と、第2の起電力検出手
段53から延びるケーブル49の導線49a、49b、
49cに接続すれば良く、配線が簡単である。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る鋳造用モールドの熱流束検
出によるエアギャップ測定方法によれば、同軸センサー
35により検出した熱流束qを表す式、q=(TH −T
L )/Rに基づいて、該同軸センサー35の先端におい
て検出したモールド壁部Wの内部温度T1 と、溶鋼56
の固相線温度TSLとから、エアギャップ59の厚さ方向
の両側の温度T2 、T3 を求め、該エアギャップ35の
厚さ方向の熱流束qを表す式、q=(T3 −T2 )/R
2 により、エアギャップの熱抵抗R2 を求めると共に、
これにより求めたエアギャップの熱抵抗R2 から式、R
2 =d2 /λ(但しλは熱伝導率)により、エアギャッ
プの厚みd2 を求める構成であるから、エアギャップの
厚みd2 を監視することにより鋳造時のブレークアウト
を防止できるという著効がある。
【0058】また、本発明に係る熱流束検出装置及び同
装置におけるセンサー装置によれば、同軸センサー35
内を流れる熱流束を第1センサー44と第2センサー4
5により検出できるので、それに比例するモールド壁部
Wの肉厚方向に関する熱流束を好適に検出し測定するこ
とができることは勿論、同軸センサー35を金属チュー
ブ36に挿通せしめることによりユニットとしてのセン
サー組立体34を構成するに際し、第1センサー44の
熱電対43を含む被覆材47を第2センサー45の金属
棒40の外周に螺旋状に巻回せしめた構成であり、前記
被覆材47は、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂により成形さ
れ、螺旋状に巻回された構成により同軸センサー35の
外周域に電気的絶縁を果たす絶縁部51を形成するの
で、従来のような絶縁被膜のコーティングを必要とせ
ず、しかも、被覆材47と共に熱電対43が螺旋状に巻
回されるので、電磁攪拌によるノイズ発生を防止でき
る。
【0059】更に、第1センサー44を構成する熱電対
43の素線43b、43cと、第2センサー45を構成
する金属棒40の尾端が、全てセンサー組立体34の尾
端に集約され、そこで、第1の起電力検出手段52と、
第2の起電力検出手段53に導線を介して接続すること
ができるので、配線作業が簡単容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱流束検出装置の1実施形態を示
す横断面図である。
【図2】本発明の1実施形態における同軸センサーを示
しており、(A)は全体を示す正面図、(B)は熱電対
の温接点を示す断面図、(C)は接続スリーブを示す断
面図である。
【図3】本発明に係る鋳造用モールドの熱流束検出によ
るエアギャップ測定方法の1実施形態を説明する拡大断
面図である。
【図4】公知技術のうち、第二公知技術を示す横断面図
である。
【図5】公知技術のうち、第三公知技術を示す横断面図
である。
【符号の説明】
34 センサー組立体 35 同軸センサー 36 金属チューブ 37 挿通孔 40 金属棒 41 異種金属片 42 金属片 43 熱電対 43a 温接点 43b、43c 熱電対素線 44 第1センサー 45 第2センサー 46 小孔 47 被覆材 48 接続スリーブ 51 絶縁部 52 第1の起電力検出手段 53 第2の起電力検出手段 56 溶鋼 56a 溶鋼の凝固シェル 57 潤滑剤 58a 潤滑層の溶融層 58b 潤滑層の固着層 59 エアギャップ M 鋳造用モールド W モールド壁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 潤二 千葉県君津市君津1番地新日本製鐵株式会 社君津製鐵所内 (72)発明者 大谷 康彦 千葉県君津市君津1番地新日本製鐵株式会 社君津製鐵所内 (72)発明者 井川 修 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号川 惣電機工業株式会社内 (72)発明者 森 敬一 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号川 惣電機工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造用モールドのモールド壁面と溶鋼の
    間に潤滑剤による潤滑層を形成し、該潤滑層とモールド
    壁の間にエアギャップを自然形成せしめると共に、該潤
    滑層と溶鋼の間に溶鋼の凝固層によるシェルを自然形成
    せしめている連続鋳造方法において、 前記モールド壁の肉厚方向に挿入された同軸センサーに
    より検出され且つ式q=(TH −TL )/R(但しRは
    H とTL の間における物体の熱抵抗)により表される
    熱流束qと、同軸センサーの先端において検出したモー
    ルド壁部Wの内部温度T1 と、溶鋼の固相線温度TSL
    から、モールド壁とエアギャップの界面における温度T
    2 と、潤滑層とエアギャップの界面における温度T3
    求め、該エアギャップの厚さ方向の熱流束qを表す式、
    q=(T3 −T2 )/R2 により、エアギャップの熱抵
    抗R2 を求め、該エアギャップの熱抵抗R2 から式、R
    2=d2 /λ(但しλはエアギャップの熱伝導率)によ
    り、エアギャップの厚みd2 を求める行程から成り、 前記エアギャップの厚みd2 を監視することにより鋳造
    時のブレークアウトを防止するように構成したことを特
    徴とする鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャッ
    プ測定方法。
  2. 【請求項2】 鋳造用モールドのモールド壁面と溶鋼の
    間に添加された潤滑剤により形成した潤滑層が、溶鋼に
    接する溶融層と、モールド壁面に対してエアギャップを
    介して臨む固着層とを成層せしめ、溶鋼が、前記潤滑層
    の溶融層に接して該溶鋼を凝固せしめたシェルを自然形
    成せしめている連続鋳造方法において、 前記モールド壁の肉厚方向に挿入された同軸センサーに
    より検出され且つ式q=(TH −TL )/R(但しRは
    H とTL の間における物体の熱抵抗)により表される
    熱流束qと、同軸センサーの先端において検知したモー
    ルド壁部の内部温度T1 に基づいて、該モールド壁の肉
    厚方向に関する熱流束qを表す式、q=(T2 −T1
    /R1 (但しR1 はモールド壁の熱抵抗)により、モー
    ルド壁とエアギャップの界面における温度T2 を求める
    行程と、 溶鋼の固相線温度TSLと、前記熱流束qに基づいて、シ
    ェルの肉厚方向の熱流束を表す式、q=(TSL−T5
    /R5 (但しR5 はシェルの熱抵抗)により、シェルと
    潤滑層の界面における温度T5 を求める行程と、 前記により求めた温度T5 と、前記熱流束qに基づい
    て、潤滑層における溶融層の肉厚方向の熱流束を表す
    式、q=(T5 −T4 )/R4 (但しR4 は溶融層の熱
    抵抗)により、溶融層と固着層の界面における温度T4
    を求める行程と、 前記により求めた温度T4 と、前記熱流束qに基づい
    て、潤滑層における固着層の肉厚方向の熱流束を表す
    式、q=(T4 −T3 )/R3 (但しR3 は固着層の熱
    抵抗)により、固着層とエアギャップの界面における温
    度T3 を求める行程と、 前記により求めたエアギャップの厚さ方向の両側におけ
    る温度T3 及びT2 と、前記熱流束qに基づいて、エア
    ギャップの厚さ方向の熱流束を表す式、q=(T3 −T
    2 )/R2 により、エアギャップの熱抵抗R2 を求める
    行程と、 前記により求めたエアギャップの熱抵抗R2 から式、R
    2 =d2 /λ(但しλはエアギャップの熱伝導率)によ
    り、エアギャップの厚みd2 を求める行程とから成り、 エアギャップの厚みd2 を監視することにより鋳造時の
    ブレークアウトを防止するように構成したことを特徴と
    する鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャップ測
    定方法。
  3. 【請求項3】 耐熱性樹脂の被覆材により被覆された熱
    電対の該被覆材から突出する温接点を鋳造用モールドと
    同材質の金属片に内装せしめた第1センサーと、鋳造用
    モールドと同材質の金属棒の先端に異種金属片を接合せ
    しめた第2センサーとを備え、前記第2センサーの異種
    金属片に前記第1センサーを接合すると共に、第1セン
    サーの熱電対を含む被覆材を第2センサーの金属棒の外
    周に螺旋状に巻回せしめ且つ金属棒の尾端方向に延長せ
    しめることにより同軸センサーを構成し、 前記同軸センサーを金属チューブに挿通し、少なくとも
    第1センサーの金属片を金属チューブの先端から突出せ
    しめると共に、第2センサーの外周部と金属チューブの
    内周との間に、螺旋状熱電対の被覆材により形成された
    絶縁部を備えるセンサー組立体を構成して成り、 前記センサー組立体の金属チューブから突出する金属片
    を鋳造用モールドの壁部肉厚方向に穿設された孔に挿入
    せしめた状態で、前記熱電対の一対の素線に接続される
    第1の起電力検出手段と、前記熱電対の一方の素線と金
    属棒の尾端部に接続される第2の起電力検出手段とを設
    けて成ることを特徴とする鋳造用モールドの熱流束検出
    装置。
  4. 【請求項4】 耐熱性樹脂の被覆材により被覆された熱
    電対の該被覆材から突出する温接点を鋳造用モールドと
    同材質の金属片に内装せしめた第1センサーと、鋳造用
    モールドと同材質の金属棒の先端に異種金属片を接合せ
    しめた第2センサーとを備え、前記第2センサーの異種
    金属片に前記第1センサーを接合すると共に、第1セン
    サーの熱電対を含む被覆材を第2センサーの金属棒の外
    周に螺旋状に巻回せしめ且つ金属棒の尾端方向に延長せ
    しめることにより同軸センサーを構成し、 前記同軸センサーを金属チューブに挿通し、少なくとも
    第1センサーの金属片を金属チューブの先端から突出せ
    しめると共に、第2センサーの外周部と金属チューブの
    内周との間に、螺旋状熱電対の被覆材により形成された
    絶縁部を備えるセンサー組立体を構成して成ることを特
    徴とする鋳造用モールドの熱流束検出装置におけるセン
    サー装置。
  5. 【請求項5】 第1センサーにおける熱電対の被覆材が
    フッ素樹脂から成ることを特徴とする請求項4に記載の
    鋳造用モールドの熱流束検出装置におけるセンサー装
    置。
JP24186297A 1997-08-22 1997-08-22 鋳造用モールドの熱流束検出によるエアギャップ測定方法並びに熱流束検出装置及び同装置におけるセンサー装置 Withdrawn JPH1163968A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100381784C (zh) * 2005-04-11 2008-04-16 欧姆龙株式会社 距离估计装置、异常检测装置、温度调节器及热处理装置
JP2008279256A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 General Electric Co <Ge> 傾斜コイルの内部温度を監視するためのシステム及び装置
KR101175431B1 (ko) * 2010-02-26 2012-08-23 현대제철 주식회사 연속 주조용 몰드 내 에어갭 측정 장치 및 방법
KR20210081044A (ko) * 2019-12-23 2021-07-01 주식회사 포스코 예측 장치 및 주편의 제조 방법

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