JPH0785394B2 - 酸化物陰極およびその製造方法 - Google Patents
酸化物陰極およびその製造方法Info
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- JPH0785394B2 JPH0785394B2 JP25383486A JP25383486A JPH0785394B2 JP H0785394 B2 JPH0785394 B2 JP H0785394B2 JP 25383486 A JP25383486 A JP 25383486A JP 25383486 A JP25383486 A JP 25383486A JP H0785394 B2 JPH0785394 B2 JP H0785394B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、酸化物陰極に係わり、とくにその電子放射
物層に関する。
物層に関する。
(従来の技術) 一般に陰極基体上にアルカリ土類金属酸化物を被着した
酸化物陰極は、他の種類の陰極に比べて低い動作温度で
の電子放出比が大きいこと、任意形状のものが得やすい
こと、安価なこと、等多くの利点を有するため、各種の
電気管に広く利用されている。その反面、管内ガスイオ
ン衝撃に弱いこと、高電流密度が得にくいこと等の問題
を有している。特に最近はブラウン管の高電流密度が要
求され一層の改善が望まれている。
酸化物陰極は、他の種類の陰極に比べて低い動作温度で
の電子放出比が大きいこと、任意形状のものが得やすい
こと、安価なこと、等多くの利点を有するため、各種の
電気管に広く利用されている。その反面、管内ガスイオ
ン衝撃に弱いこと、高電流密度が得にくいこと等の問題
を有している。特に最近はブラウン管の高電流密度が要
求され一層の改善が望まれている。
従来の酸化物陰極は所定形状に形成された陰極基体にバ
リウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)からなるアルカリ土類金属炭酸塩粉末を吹付法など
で塗布し、電子管内に組込み、排気工程で炭酸塩を加熱
分解し、アルカリ土類金属酸化物を形成している。この
アルカリ土類金属炭酸塩は、バリウムを主成分とする他
のアルカリ土類金属との複塩又は混合塩であるが、一般
的にはバリウムが57重量%、ストロンチウムが39重量
%、カルシウムが4重量%の複塩である三元炭酸塩が広
く用いられている。
リウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)からなるアルカリ土類金属炭酸塩粉末を吹付法など
で塗布し、電子管内に組込み、排気工程で炭酸塩を加熱
分解し、アルカリ土類金属酸化物を形成している。この
アルカリ土類金属炭酸塩は、バリウムを主成分とする他
のアルカリ土類金属との複塩又は混合塩であるが、一般
的にはバリウムが57重量%、ストロンチウムが39重量
%、カルシウムが4重量%の複塩である三元炭酸塩が広
く用いられている。
アルカリ土類金属炭酸塩は、高純度を必要とし、通常は
高純度アルカリ土類硝酸塩の水溶液に高純度の炭酸ナト
リウム又は炭酸アンモニウム水溶液を反応させて製作さ
れる。生成するアルカリ土類金属炭酸塩の結晶形状及び
粒度は、反応条件、特に温度、濃度等によって左右され
る。懸濁液は均一安定であることを必要とするので、ア
ルカリ土類金属炭酸塩を有機溶媒に懸濁し、必要に応じ
てニトロセルローズの如き結合分散剤を加えて50時間程
度のボールミルによる分散、均一化を行なう。アルカリ
土類金属炭酸塩の懸濁液をを作り、陰極基体面に、浸
漬、スプレー、電着等の方法で塗布する。そしてこの陰
極を電子管内に組込み、所要の排気操作を行ないアルカ
リ土類金属酸化物を形成する。さらに活性化処理によっ
て充分な電子放出が得られる。
高純度アルカリ土類硝酸塩の水溶液に高純度の炭酸ナト
リウム又は炭酸アンモニウム水溶液を反応させて製作さ
れる。生成するアルカリ土類金属炭酸塩の結晶形状及び
粒度は、反応条件、特に温度、濃度等によって左右され
る。懸濁液は均一安定であることを必要とするので、ア
ルカリ土類金属炭酸塩を有機溶媒に懸濁し、必要に応じ
てニトロセルローズの如き結合分散剤を加えて50時間程
度のボールミルによる分散、均一化を行なう。アルカリ
土類金属炭酸塩の懸濁液をを作り、陰極基体面に、浸
漬、スプレー、電着等の方法で塗布する。そしてこの陰
極を電子管内に組込み、所要の排気操作を行ないアルカ
リ土類金属酸化物を形成する。さらに活性化処理によっ
て充分な電子放出が得られる。
この活性化は、陰極基体に含有するマグネシウム、シリ
コン、クロム等の還元剤によるもので、この還元剤が酸
化バリウムと反応し、過剰バリウム濃度を増加させる働
きをしている。
コン、クロム等の還元剤によるもので、この還元剤が酸
化バリウムと反応し、過剰バリウム濃度を増加させる働
きをしている。
ところで、酸化スカンジウム粉末をアルカリ土類金属炭
酸塩の中に分散させた酸化物陰極も提案されている。し
かしそれによると、酸化スカンジウムを懸濁液中に均一
に分散させるために酸化スカンジウムの粒度を5μm以
下に粉砕する必要がある。この粉砕はかなり困難で長時
間を有する。また、電子放射能力を高める酸化バリウム
と酸化スカンジウムとの化合物であるバリウムスカンジ
デイト(Ba2Sc2O5)を電子放射物層内に生成させるため
には、1000℃以上の温度で長時間の加熱処理を行なう必
要があるという、種々の不都合が考えられる。
酸塩の中に分散させた酸化物陰極も提案されている。し
かしそれによると、酸化スカンジウムを懸濁液中に均一
に分散させるために酸化スカンジウムの粒度を5μm以
下に粉砕する必要がある。この粉砕はかなり困難で長時
間を有する。また、電子放射能力を高める酸化バリウム
と酸化スカンジウムとの化合物であるバリウムスカンジ
デイト(Ba2Sc2O5)を電子放射物層内に生成させるため
には、1000℃以上の温度で長時間の加熱処理を行なう必
要があるという、種々の不都合が考えられる。
(発明が解決しょうとする問題点) この様な従来のアルカリ土類金属酸化物からなる酸化物
陰極の電子放出能力は、陰極基体金属に含有する還元剤
の種類及び量に大きく関係し、最適条件で製造された酸
化物陰極でも基体金属とアルカリ土類酸化物層の中間に
生じる中間層生成物のため基体金属からの還元剤の拡散
が阻害されて電子放出能力が低下し、長時間高電流密度
で動作させることが困難である。
陰極の電子放出能力は、陰極基体金属に含有する還元剤
の種類及び量に大きく関係し、最適条件で製造された酸
化物陰極でも基体金属とアルカリ土類酸化物層の中間に
生じる中間層生成物のため基体金属からの還元剤の拡散
が阻害されて電子放出能力が低下し、長時間高電流密度
で動作させることが困難である。
この発明は、以上のような従来の酸化物陰極のもつ不都
合を解消し、とくに高電流密度で長時間動作させてもそ
のエミッション特性の劣化が少ない酸化物陰極を提供す
ることを目的とする。
合を解消し、とくに高電流密度で長時間動作させてもそ
のエミッション特性の劣化が少ない酸化物陰極を提供す
ることを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、陰極基体面上に被着される電子放射物層
が、アリカリ土類金属炭酸塩に炭酸スカンジウムが共沈
されてなる酸化物陰極で、かつこの電子放射物層の炭酸
スカンジウム量は重量比で0.001乃至1.0重量%の範囲で
ある。またその製造方法は、アリカリ土類金属炭酸塩に
炭酸スカンジウムを共沈せしめたうえこれを焼成し、そ
の後この炭酸スカンジウムが共沈されたアルカリ土類金
属炭酸塩の懸濁液を作り、陰極基体に塗布する製造方法
である。
が、アリカリ土類金属炭酸塩に炭酸スカンジウムが共沈
されてなる酸化物陰極で、かつこの電子放射物層の炭酸
スカンジウム量は重量比で0.001乃至1.0重量%の範囲で
ある。またその製造方法は、アリカリ土類金属炭酸塩に
炭酸スカンジウムを共沈せしめたうえこれを焼成し、そ
の後この炭酸スカンジウムが共沈されたアルカリ土類金
属炭酸塩の懸濁液を作り、陰極基体に塗布する製造方法
である。
(作用) この発明は、アルカリ土類金属炭酸塩の結晶に重量比0.
001乃至1.0重量%の重量比で炭酸スカンジウム元素を不
純物として共沈せしめ、好ましくはそれを例えば400〜6
50℃で焼成し、その懸濁液を陰極基体に塗布したもので
あり、新規な活性機構を電子放射物質内に設けた酸化物
陰極である。
001乃至1.0重量%の重量比で炭酸スカンジウム元素を不
純物として共沈せしめ、好ましくはそれを例えば400〜6
50℃で焼成し、その懸濁液を陰極基体に塗布したもので
あり、新規な活性機構を電子放射物質内に設けた酸化物
陰極である。
従来の酸化物陰極は陰極基体金属に含有する還元剤の拡
散により過剰バリウム濃度が左右されていたが、この発
明によれば電子放出能力を主として左右する不純物準位
を酸化物層内に形成するものである。アルカリ土類金属
原子のバリウムに原子価の大きいスカンジウムを少量加
えると、スカンジウム原子もバリウムの結晶格子点には
いって、一部置換される。これは電子が供給される準位
になり、電子放出能力が高まる。さらにこの発明の製造
方法によれば炭酸スカンジウムが共沈された炭酸塩を焼
成処理することにより結晶性を向上させることができ
る。
散により過剰バリウム濃度が左右されていたが、この発
明によれば電子放出能力を主として左右する不純物準位
を酸化物層内に形成するものである。アルカリ土類金属
原子のバリウムに原子価の大きいスカンジウムを少量加
えると、スカンジウム原子もバリウムの結晶格子点には
いって、一部置換される。これは電子が供給される準位
になり、電子放出能力が高まる。さらにこの発明の製造
方法によれば炭酸スカンジウムが共沈された炭酸塩を焼
成処理することにより結晶性を向上させることができ
る。
一般的に、炭酸塩の沈殿は、反応初期と後期とでは沈殿
組成の違いにより結晶性が異なる。反応初期は結晶性が
良好だが、反応後期になるにつれて結晶性は悪くなるた
め、全体として結晶性の悪い炭酸塩が混在するが、焼成
処理を施すことにより結晶性の悪い炭酸塩の結晶性は改
善され、全体が均一な炭酸塩を得ることができる。この
ように、大電流密度での長時間動作でも、その電子放射
特性の劣化が抑制される。
組成の違いにより結晶性が異なる。反応初期は結晶性が
良好だが、反応後期になるにつれて結晶性は悪くなるた
め、全体として結晶性の悪い炭酸塩が混在するが、焼成
処理を施すことにより結晶性の悪い炭酸塩の結晶性は改
善され、全体が均一な炭酸塩を得ることができる。この
ように、大電流密度での長時間動作でも、その電子放射
特性の劣化が抑制される。
(実施例) まず、アルカリ土類金属硝酸塩の硝酸バリウム(Ba(NO
3)2)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)2)および、
硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)を、それぞれ重量比で
バリウムが53.6重量%、ストロンチウムが39.7重量%、
カルシウムが6.52重量%を、純水に溶解する。次にこの
溶液中に硝酸スカンジウム(Sc(NO3)3)を重量比で
0.18重量%溶解し、撹拌しながら87℃に加温する。次に
炭酸ナトリウムを所定量純水に溶解し、撹拌しながら87
℃に保つ。この炭酸ナトリウム溶液を、前記硝酸塩溶液
に一定の添加速度で加えて反応させる。炭酸ナトリウム
の添加終了後も、生成した結晶を熟成させるために約30
分間撹拌を継続する。次に、生成したBaCO3、SrCO3、Ca
CO3、Sc2(CO3)3の共沈炭酸塩を静置し、上澄液を排
出し、不純物が除去されるまで温水洗浄を繰返し、遠心
脱水等の方法により脱水し、乾燥させて白色の共沈炭酸
塩を得る。このようにして得られるアルカリ土類金属炭
酸塩の構成は、バリウムが57重量%、ストロンチウムが
39重量%、カルシウムが3.85重量%、スカンジウムが0.
15重量%である。
3)2)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)2)および、
硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)を、それぞれ重量比で
バリウムが53.6重量%、ストロンチウムが39.7重量%、
カルシウムが6.52重量%を、純水に溶解する。次にこの
溶液中に硝酸スカンジウム(Sc(NO3)3)を重量比で
0.18重量%溶解し、撹拌しながら87℃に加温する。次に
炭酸ナトリウムを所定量純水に溶解し、撹拌しながら87
℃に保つ。この炭酸ナトリウム溶液を、前記硝酸塩溶液
に一定の添加速度で加えて反応させる。炭酸ナトリウム
の添加終了後も、生成した結晶を熟成させるために約30
分間撹拌を継続する。次に、生成したBaCO3、SrCO3、Ca
CO3、Sc2(CO3)3の共沈炭酸塩を静置し、上澄液を排
出し、不純物が除去されるまで温水洗浄を繰返し、遠心
脱水等の方法により脱水し、乾燥させて白色の共沈炭酸
塩を得る。このようにして得られるアルカリ土類金属炭
酸塩の構成は、バリウムが57重量%、ストロンチウムが
39重量%、カルシウムが3.85重量%、スカンジウムが0.
15重量%である。
次に空気中で前記炭酸塩を600℃で焼成する。
一般的に炭酸ナトリウムを用いて沈澱させたアルカリ土
類金属炭酸塩は焼成により結晶同士の焼結が進行する
が、スカンジウムを含有した炭酸塩は焼成が進行せず結
晶の原形をとどめるので通常のボールミル操作で均一な
懸濁液とすることができる。
類金属炭酸塩は焼成により結晶同士の焼結が進行する
が、スカンジウムを含有した炭酸塩は焼成が進行せず結
晶の原形をとどめるので通常のボールミル操作で均一な
懸濁液とすることができる。
次に前記焼成処理をした共沈炭酸塩を有機溶楳、例えば
酢酸ブチル、酢酸アミル、エタノール等に懸濁し、必要
量の結合剤例えばニトロセルローズを加えて50時間程度
のボールミルを行ない、均一な懸濁液を作る。
酢酸ブチル、酢酸アミル、エタノール等に懸濁し、必要
量の結合剤例えばニトロセルローズを加えて50時間程度
のボールミルを行ない、均一な懸濁液を作る。
このようにして製作した懸濁液を、第1図に示すように
還元剤を微量添加した陰極基体11の上面に塗布する。こ
の電子放射物層を同図に符号12であらわしている。なお
同図の符号13は陰極支持スリーブ、14は加熱ヒータをあ
らわし、全体として傍熱型陰極構体を構成している。
還元剤を微量添加した陰極基体11の上面に塗布する。こ
の電子放射物層を同図に符号12であらわしている。なお
同図の符号13は陰極支持スリーブ、14は加熱ヒータをあ
らわし、全体として傍熱型陰極構体を構成している。
以上の実施例の酸化物陰極を、2極管に組込み、排気、
活性化操作をした。
活性化操作をした。
この電子管について、長時間動作にともなうエミッショ
ン特性を測定した。第2図は、電流密度を0.8A/cm2で長
時間動作させた場合の各時間毎のパルスエミッション
(A/cm2)特性値を示す。同図に示す曲線Pは以上の実
施例の場合、曲線Qは上述の実施例と同様であるが共沈
炭酸塩の焼結を実施しないものの場合、曲線Rは従来の
バリウムが57重量%、ストロンチウムが39重量%、カル
シウムが4重量%の三元炭酸塩のものの場合である。
ン特性を測定した。第2図は、電流密度を0.8A/cm2で長
時間動作させた場合の各時間毎のパルスエミッション
(A/cm2)特性値を示す。同図に示す曲線Pは以上の実
施例の場合、曲線Qは上述の実施例と同様であるが共沈
炭酸塩の焼結を実施しないものの場合、曲線Rは従来の
バリウムが57重量%、ストロンチウムが39重量%、カル
シウムが4重量%の三元炭酸塩のものの場合である。
また第3図は動作電流密度を0.5A/cm2として長時間動作
させた場合の特性比較である。曲線P1はこの発明の実施
例のものの場合、同R1は従来のものの場合である。
させた場合の特性比較である。曲線P1はこの発明の実施
例のものの場合、同R1は従来のものの場合である。
この特性比較により裏付けられているように、この発明
のものは従来のものに比べて比較的低い電流密度での長
時間動作でややすぐれており、とくに大電流密度での長
時間動作によるエミッションの劣化が非常に少ないこと
が明らかである。なお、パルスエミッションの低下が少
ないということは、高い電子放出能力を長時間維持でき
ることを示している。
のものは従来のものに比べて比較的低い電流密度での長
時間動作でややすぐれており、とくに大電流密度での長
時間動作によるエミッションの劣化が非常に少ないこと
が明らかである。なお、パルスエミッションの低下が少
ないということは、高い電子放出能力を長時間維持でき
ることを示している。
以上説明した実施例は、アルカリ土類金属炭酸塩の結晶
にスカンジウムを0.15重量%含有せしめ、焼成温度600
℃として説明したが、実験結果によればスカンジウムの
量を0.001〜1.0重量%の範囲、また焼成温度は400〜650
℃の範囲で、同様の効果が得られた。
にスカンジウムを0.15重量%含有せしめ、焼成温度600
℃として説明したが、実験結果によればスカンジウムの
量を0.001〜1.0重量%の範囲、また焼成温度は400〜650
℃の範囲で、同様の効果が得られた。
すなわち、炭酸塩中のスカンジウムの含有量を種々変え
た陰極について、それぞれ、0.8A/cm2で3000時間動作さ
せた後のパルスエミッション値を比較すると、第4図の
ような結果が得られた。したがって、炭酸塩の構成中、
スカンジウム量の上限は、1.0重量%であり、それ以下
(0を含まない)が特性上有効である。したがってま
た、そのカルシウム分を一部スカンジウムに置換するの
で、カルシウムは3重量%以上、4重量%未満の構成で
ある。そして前述のように、スカンジウムを共沈させた
ものでは、焼成によりなお一層エミッション特性が向上
する。また、焼成した炭酸塩は、ほとんど緻密になら
ず、粉砕が容易となる。
た陰極について、それぞれ、0.8A/cm2で3000時間動作さ
せた後のパルスエミッション値を比較すると、第4図の
ような結果が得られた。したがって、炭酸塩の構成中、
スカンジウム量の上限は、1.0重量%であり、それ以下
(0を含まない)が特性上有効である。したがってま
た、そのカルシウム分を一部スカンジウムに置換するの
で、カルシウムは3重量%以上、4重量%未満の構成で
ある。そして前述のように、スカンジウムを共沈させた
ものでは、焼成によりなお一層エミッション特性が向上
する。また、焼成した炭酸塩は、ほとんど緻密になら
ず、粉砕が容易となる。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、とくに大電流密
度での長時間動作でのエミッション特性がすぐれ、信頼
性の高い酸化物陰極を得ることができ、特にこの発明の
製造方法によれば、炭酸スカンジウムが共沈された炭酸
塩を焼成処理するので、全体が均一な炭酸塩を得ること
ができる。
度での長時間動作でのエミッション特性がすぐれ、信頼
性の高い酸化物陰極を得ることができ、特にこの発明の
製造方法によれば、炭酸スカンジウムが共沈された炭酸
塩を焼成処理するので、全体が均一な炭酸塩を得ること
ができる。
第1図はこの発明の実施例を示す縦断面図、第2図およ
び第3図はそれぞれ陰極について動作時間とエミッショ
ン特性を比較して示す特性図、第4図はScの量とエミッ
ション特性の関係を示す特性図である。 11……陰極基体、 12……電子放射物層。
び第3図はそれぞれ陰極について動作時間とエミッショ
ン特性を比較して示す特性図、第4図はScの量とエミッ
ション特性の関係を示す特性図である。 11……陰極基体、 12……電子放射物層。
Claims (3)
- 【請求項1】還元剤を微量添加した陰極基体に、主とし
てアルカリ土類金属炭酸塩の電子放射物層が被着されて
なる酸化物陰極において、 前記電子放射物層はアルカリ土類金属炭酸塩に炭酸スカ
ンジウムが共沈されてなり、かつ前記電子放射物層の炭
酸スカンジウム量は重量比で0.001乃至1.0重量%の範囲
であることを特徴とする酸化物陰極。 - 【請求項2】主としてアルカリ土類金属の炭酸塩の懸濁
液を陰極基体に塗布して電子放射物層を形成する酸化物
陰極の製造方法において、前記アルカリ土類金属炭酸塩
に炭酸スカンジウムを共没せしめたうえこれを焼成し、
その後該炭酸塩の懸濁液を作り、前記陰極基体に塗布す
ることを特徴とする酸化物陰極の製造方法。 - 【請求項3】焼成温度は、400℃乃至650℃の範囲である
特許請求の範囲第2項記載の酸化物陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25383486A JPH0785394B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | 酸化物陰極およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25383486A JPH0785394B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | 酸化物陰極およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63110521A JPS63110521A (ja) | 1988-05-16 |
JPH0785394B2 true JPH0785394B2 (ja) | 1995-09-13 |
Family
ID=17256782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25383486A Expired - Fee Related JPH0785394B2 (ja) | 1986-10-27 | 1986-10-27 | 酸化物陰極およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0785394B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1266303C (zh) | 2000-04-21 | 2006-07-26 | 株式会社新王磁材 | 粉体压制装置及使用该装置的稀土磁铁的制造方法 |
JP4134721B2 (ja) | 2000-11-06 | 2008-08-20 | 日立金属株式会社 | 粉末プレス成形方法および粉末プレス成形装置ならびに希土類磁石の製造方法 |
JP4698867B2 (ja) | 2001-03-29 | 2011-06-08 | 日立金属株式会社 | R−Fe−B系合金の造粒粉の製造方法およびR−Fe−B系合金焼結体の製造方法 |
WO2003045611A1 (fr) | 2001-11-28 | 2003-06-05 | Neomax Co., Ltd. | Procede et appareil permettant de produire une poudre d'un alliage de terres rares et procede permettant de produire un comprime fritte d'un alliage de terres rares |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52312B2 (ja) * | 1971-09-03 | 1977-01-06 | ||
JPS555661B2 (ja) * | 1972-05-12 | 1980-02-08 |
-
1986
- 1986-10-27 JP JP25383486A patent/JPH0785394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63110521A (ja) | 1988-05-16 |
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