JPH078523Y2 - 伸線コイル自動切断折り曲げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ワイヤ、電線等の各種線材の素材としての伸
線コイルの自動切断、折り曲げ装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来、ワイヤ、電線等の素材となる伸線コイルを所定重
量ごとに切断して、結束する際、伸線コイルの切断と切
断した端末の折り曲げとを同時に自動的にする装置がな
いので、切断後手作業によって端末折り曲げが行われて
いた。そのため、伸線コイルの切断、端末折り曲げの自
動化ができず、よって省力化が困難であった。さらに
は、このことが、伸線機からコイラを終て伸線コイルの
自動切断、結束、排出までの全自動化の障害となる不具
合を有している。

［考案が解決しようとする課題］ そこで本考案は、上記欠点をなくし、伸線コイルの切断
作用と、端末折り曲げ作用を同時に一行程でなしえて、
かつ、自動的可能とした伸線コイル自動切断、折り曲げ
装置の開発を目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明に基づく伸線コイル自動切断折り曲げ装置は、伸
線コイルを切断するとともに、一端に折曲げ部を形成す
る伸線コイル自動切断折り曲げ装置であって、装置本体
と、移動刃と、センサーと、引込み爪とを有し、上記装
置本体には、縦溝が形成されるとともに、該縦溝の側壁
に該縦溝に臨む機溝がそれぞれ形成され、上記それぞれ
の横溝には被切断物載置部が設けられ、一方の横溝の被
切断物載置部には、上記移動刃と摺接する切断用固定刃
が設けられるとともに、他方の横溝の被切断載置部には
上記移動刃と所定間隔を介して折曲用固定刃が設けら
れ、また、上記各横溝の被切断物載置部は縦溝側へ上昇
傾斜して形成され、上記移動刃は、上記縦溝内を摺動
し、上記切断用固定刃側に切断用の刃先部を有し、上記
センサーは、上記各横溝にそれぞれ設けられ、上記各被
切断物載置部に伸線コイルが載置されていることを検知
し、上記引込み爪は、装置本体の両端に設けられ、伸線
コイルを被切断物載置部に引き込むとともに、該伸線コ
イルを固定することを特徴とするものである。

［作用］ 本発明の伸線コイル自動切断折り曲げ装置においては、
装置本体の両端に設けられた引込み爪が伸線コイルを被
切断物載置部に引き込み、固定する。その際、各横溝の
被切断物載置部は縦溝側に傾斜しているので、伸線コイ
ルが形成する円弧に応じて固定される。そして、縦溝に
摺動可能に設けられた移動刃が移動し、この移動刃の切
断用の刃先部と装置本体の被切断物載置部に設けられた
切断用固定刃が摺接することにより伸線コイルを切断す
る。また、切断された伸線コイルのうち縦溝内に残され
た伸線コイルの端部は横溝の被切断物載置物に該移動刃
と所定間隔を介して設けられた折曲用固定刃により移動
刃の摺動方向に曲げられて折曲げ部が形成される。

本発明の伸線コイル自動切断折り曲げ装置によれば、伸
線コイルの切断及び折曲げを１ストロークで行うことが
できるとともに、切断された伸線の一端に折曲げ部を形
成するので、伸線コイルが巻取り状態にある場合にもそ
の端部を早期に見付けることができる。また、各横溝の
被切断物載置部は縦溝側に上昇傾斜しているので、伸線
コイルが形成する円弧に応じて伸線コイルを確実に固定
して切断するので、正確に切断することができる。特
に、折曲げ部を形成した際に伸線コイルが形成する円弧
の内側に向けて折曲げ部が形成されるので、伸線コイル
が巻取状態にある場合でも、折曲げ部が外部に出た状態
にはならず安全である。また、引込む爪により伸線コイ
ルを被切断物載置部に確実に引き込むことができるとと
もに、センサーが設けられているので、伸線コイルが被
切断物載置部にあるかどうかを検知して確実に伸線コイ
ルを切断することができる。

［実施例］ 以下引き続き本考案の要旨をさらに明確にするため、図
面を利用して一実施例を説明する。

第１図及び第３図に示す如く装置本体１には縦溝11及び
横溝12、13が形成され、縦溝11の側面下部の一方に固定
刃14が、他方に折曲用固定刃15がそれぞれ設けられ、装
置本体１の横溝12、13側側面にはセンサー16、17が付設
されている。

次に移動刃２は一方の端部が刃先部21で、他方の端部が
背面部22であり、刃先部21及び背面部22は縦溝11の側壁
に接して摺動可能である。

次に、引き込み爪31、32がセンサー16、17の両外側に図
示しない支持具で配設され、伸線コイル４を横溝12、13
内へ引き込み又は開放できるようになっている。矢印33
は引き込み時の引き込み爪31、32の移動方向で、矢印34
は開放時の引き込み爪31、32の移動方向である。

以上の構成により、引き込み爪31、32によって、横溝1
2、13の切断位置まで引き込まれた１巻きの伸線コイル
４は、センサー16、17によって確認される。

次に、図示しない油圧シリンダにより、縦溝11内の移動
刃２を下降させ、刃先部21と固定刃14とにより伸線コイ
ル４を切断する。さらに下降を続けて、背面部22と固定
折曲用刃15とにより、切断後の伸線コイル４の片方の端
末を折り曲げることができる。

次に、移動刃２を上昇させた後、引き込み爪31、32を開
放すると、伸線コイル４は装置本体１の外へ放出され
る。

このようにして一ストロークで同時に伸線コイル４の自
動切断、端末折り曲げ可能で、かつ、段取り換えること
なく、線径の違う伸線コイル４に対応でき、さらに、移
動刃２の背面形状を変えることにより、最大90°まで任
意の角度に折り曲げることができる。

なお、移動刃、固定刃及び引き込み爪等の具体的形状、
大きさ、材質ならびに配設状態、さらには、伸線コイル
の在否検知手段は前記実施例にとりわけて限定するもの
ではない等、本考案伸線コイル自動切断折り曲げ装置は
前記した本考案の目的、作用及び後記する考案の効果が
達成される範囲内において、それぞれ任意に定められて
よく、これらの変更はいずれも本考案の要旨を何ら変更
するものではないことは申すまでもない。

［考案の効果］ 本考案は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。

本考案の伸線コイル自動切断折り曲げ装置は、移動刃の
一ストロークにより、同時に伸線コイルの切断及び切断
した端末の折り曲げが可能である結果、伸線コイルの切
断、端末折り曲げの自動化ができ、省力化が可能とな
る。また、端末の折り曲げによりエンドユーザーにて端
末を見つけ易くなる。さらに、そのために、伸線機から
コイラを経て伸線コイルの自動切断、結束、排出までの
全自動化、省人化に役立つことになるので、本考案は実
用上きわめて優れたものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は引き
込み、切断、折り曲げを完了したときの正面図、第２図
は第１図と同じ状態の左側面図、第３図は引き込み完了
して切断前の正面図である。 11……縦溝 12、13……横溝 14……固定刃 15……固定折曲用刃 ２……移動刃 21……刃先部 22……背面部 31、32……引き込み爪 ４……伸線コイル

フロントページの続き (72)考案者 加藤 等 愛知県海部郡弥富町大字前ヶ平字川南309 番地 (72)考案者 ▲塚▼原 義和 愛知県小牧市大字小松寺408番地の２ (72)考案者 石井 信雄 愛知県稲沢市北島町笠破１番地の５ (56)参考文献 実開 昭49−49232（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭48−8776（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】伸線コイルを切断するとともに、一端に折
   曲げ部を形成する伸線コイル自動切断折り曲げ装置であ
   って、 装置本体と、移動刃と、センサーと、引込み爪とを有
   し、 上記装置本体には、縦溝が形成されるとともに、該縦溝
   の側壁に該縦溝に臨む横溝がそれぞれ形成され、上記そ
   れぞれの横溝には被切断物載置部が設けられ、一方の横
   溝の被切断物載置部には、上記移動刃と摺接する切断用
   固定刃が設けられるとともに、他方の横溝の被切断物載
   置部には上記移動刃と所定間隔を介して折曲用固定刃が
   設けられ、また、上記各横溝の被切断物載置部は縦溝側
   へ上昇傾斜して形成され、 上記移動刃は、上記縦溝内を摺動し、上記切断用固定刃
   側に切断用の刃先部を有し、 上記センサーは、上記各横溝にそれぞれ設けられ、上記
   各被切断物載置部に伸線コイルが載置されていることを
   検知し、 上記引込み爪は、装置本体の両端に設けられ、伸線コイ
   ルを被切断物載置部に引き込むとともに、該伸線コイル
   を固定することを特徴とする伸線コイル自動切断折り曲
   げ装置。