JPH0784860B2 - 内燃機関のノツキング制御装置 - Google Patents

内燃機関のノツキング制御装置

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JPH0784860B2
JPH0784860B2 JP22068586A JP22068586A JPH0784860B2 JP H0784860 B2 JPH0784860 B2 JP H0784860B2 JP 22068586 A JP22068586 A JP 22068586A JP 22068586 A JP22068586 A JP 22068586A JP H0784860 B2 JPH0784860 B2 JP H0784860B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関に関するノッキングを抑制するノッ
キング制御装置に関し、特に、点火時期の遅角量を学習
制御して応答性の高い制御を実現することのできる内燃
機関のノッキング制御装置に関する。
[従来技術] 従来より、内燃機関に発生するノッキングを抑制するた
めの点火時期制御として次のようなノッキング制御が周
知である。内燃機関の運転状態から該内燃機関に最適で
あると思われる点火時期θBを算出するとともに、該内
燃機関が負荷QN1以上の高負荷状態であるとき、発生し
ているノッキングを実測しつつ、そのノッキングが所定
レベル以下となるように遅角補正量θKを徐々に大きく
し、次式により実際の点火時期θを決定するのである。
θ=θB−θK(負荷QN1以上) また、上記した制御ではノッキングの抑制はできるもの
の遅角補正量θKが徐々に大きな値となる過渡的な期間
が長く、その間におけるノッキングの連続が問題とな
る。そこで次のような学習制御を採用するのが常であ
る。これは第2図に示すように内燃機関の運転状態を回
転数NE[rpm]と負荷Q/N[l/rev]とをパラメータとし
て2次元表示し、その中をまずある領域を分割するので
ある。第2図では1例として領域A,B,Cを設定してい
る。これらの領域とは、即ち前記ノッキング制御の実行
される領域(負荷QN1以上)を細分割したものであり、
この領域ごとに1つの学習値GA,GB,GCが次のようにして
定められる。内燃機関の運転状態が領域A,B,Cのいずれ
かに入っているときに、その領域に入ったときから該領
域より出るまでの運転中に前述したノッキング制御によ
って定められる遅角補正量θKの最大値θKmをその領域
の学習値GA,GBあるいはGCとして記憶するのである。そ
してこの領域から出た内燃機関の運転状態が再度同領域
に入って来たとき、前記ノッキング制御による遅角補正
量θKの最初の値(初期値)として上述のようにして記
憶された学習値から一定値、例えば2゜[CA]を減算し
た値(θKm−2)を与え、以後は同様に内燃機関のノッ
キング発生状況を監視しつつ遅角補正量θKの値を制御
し、かつそのときの最大値θKmは次回の処理の為に学習
されるのである。
上述したような学習制御を採用するノッキング制御装置
によれば、ある高負荷の運転領域内において遅角補正量
θKの値として最も適切であろうと推定される値が予め
学習されており、運転状態がその領域に入ると直ちに該
学習値が遅角補正量に反映されるため応答性の高いノッ
キング制御が達成されるのである。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上述した学習制御を採用するノッキング制御装
置にあっても未だに充分なものではなく、次のような問
題点を有していた。
内燃機関の負荷は極めて変動率が大きく、多様な変化を
呈する。例えば、車両用の内燃機関にあって山岳路や登
坂路を走行する際の負荷は、ノッキング制御の必要な高
負荷状態からその必要のない低負荷状態まで短時間の内
に頻繁に変動を繰り返すことになる。この様な場合、内
燃機関の負荷の長期的平均を取るならば高い負荷状態と
なっており、その吸気温度の上昇等を招き、ノッキング
の発生しやすい運転状態であるといえる。
しかし、従来のノッキング制御装置によれば、その作動
する時間が短いとき内燃機関に発生しているノッキング
を検出しつつ遅角補正量θKを増加して最適値とする時
間的余裕がない。このため、内燃機関はノッキングが僅
かに発生する過少な遅角補正書θKeで運転されることに
なる。しかも再度上記高負荷状態となったときは、遅角
補正量θKの初期値として上記過少な遅角補正量θKeか
ら更に2゜[CA]減算したより小さな値が設定されるこ
とになり、内燃機関のノッキング発生は過渡的に無視で
きない大きさで発生することになる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、内燃機関の
負荷がいかに大きな変動率で変化しようとも的確な遅角
量をもって点火時期の制御が可能であり、内燃機関のノ
ッキングを抑制しつつ最良の動力性能を引き出すことの
できる優れた内燃機関のノッキング制御装置を提供する
ことをその目的としている。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するために本発明の構成した手段は、
第1図の基本的構成図に例示するごとく、 内燃機関EGが所定の運転状態より高負荷となったとき
に、前記内燃機関EGの運転状態によって定まる基本点火
時期と前記内燃機関に発生するノッキングを所定レベル
以下とするように定められる遅角補正量とから前記内燃
機関の点火時期を決定するノッキング制御手段C1と、 該ノッキング制御手段C1による遅角補正量の最大値を学
習する学習手段C2と、 前記内燃機関EGの運転状態が前記ノッキング制御手段C1
の作動する高負荷状態を外れた時点から、再度前記高負
荷状態となるまでの経過時間を測定する計時手段C3と、 前記内燃機関EGの運転状態が前記再度の高負荷状態とな
ったとき、前記学習手段C2の学習した遅角補正量および
前記計時手段C3の計時結果に基づいて定められる遅角量
を前記ノッキング制御手段C1の遅角補正量の初期値とし
て設定する初期値設定手段C4と を備えることを特徴とする内燃機関のノッキング制御装
置をその要旨としている。
[作用] 本発明におけるノッキング制御手段C1とは、内燃機関EG
の運転状態が所定の運転状態より高負荷となったときに
作動し、該運転状態により定められる基本点火時期θB
と、内燃機関EGに実際に発生するノッキングを所定レベ
ルにまで抑制するための遅角補正量θKとから次式によ
って点火時期θを決定する。
θ=θB−θK 一方、学習手段C2は、前記ノッキング制御手段C1が作動
する運転状態で次のような作動を開始する。所定の運転
状態よりも高負荷であるから当然に前記ノッキング制御
手段C1は作動しており、内燃機関EGのノッキングを抑制
するための遅角補正量θKを算出しつつ内燃機関EGの点
火時期θを決定している。そこで、この学習手段C2は前
記ノッキング制御手段C1が実行している遅角補正量θK
の最大値θKmを学習して記憶する。なお、この学習手段
C2の学習効率を上げるために、上記所定の運転状態をよ
り細分割してその分割された領域毎に1つの学習値を記
憶するようにすることが好ましい。
計時手段C3は、前記ノッキング制御手段C1の作動する運
転状態を内燃機関EGが外れた時点から計時を開始し、再
び内燃機関EGの運転状態が上記所定の運転状態より高負
荷となるまでの期間を計測する。内燃機関EGがノッキン
グ制御手段C1の作動を必要としない軽い負荷での運転状
態で、どれだけの機関運転を継続したかを測定するので
ある。
初期値設定手段C4とは、以下のごとくして前記ノッキン
グ制御手段C1の遅角補正量の初期値を与える。前記学習
手段C2には内燃機関EGのノッキングを抑制するに前回必
要であった遅角補正量の最大値が学習値として得られて
いる。このとき、仮に、計時手段C3が極めて短い計時結
果を得たとするならば、内燃機関EGの吸入温度等の運転
条件は前回とそれほど大きな変化はなく、上記学習手段
C2の学習値に極めて近い値の遅角補正量が内燃機関EGの
ノッキング防止に必要になるであろうと予想される。ま
た、逆に、計時手段C3が極めて長い計時結果を得たとす
るならば、内燃機関EGはその長い機関低負荷による運転
を実行したため、吸気温度も低下してノッキングの発生
しにくい運転条件となっている可能性が高い。このとき
には前記学習手段C2の学習値は無用に大きな遅角量を与
えることが予想される。このように、学習手段C2の学習
値と計時手段C3の計時結果との両者が最適の遅角補正量
に相関することが明らかであるため、初期値設定手段C4
は学習値と計時結果とに基づいてノッキング制御手段C1
の遅角補正量の初期値を設定するのである。
なお、初期値設定手段C4における学習値、計時結果と初
期値との相関関係は、内燃機関EGのシステム構成に基づ
いて決定されるものであり、内燃機関EGの設計に当たっ
て理論的に、あるいは実験的に定められ、計算式、テー
ブル等として与えられる。また、このようにして与えら
れた計算式やテーブル等を内燃機関EGの経年変化等を学
習して更新する等の制御を併せ用いれば一層効率よい点
火時期制御が達成できる。
以下、本発明をより具体的に説明するために実施例を挙
げて詳述する。
[実施例] まず第3図は実施例であるノッキング制御装置を搭載す
る内燃機関及びその周辺装置を電子制御回路のブロック
図と共に表わす概略構成図である。
1は内燃機関本体、2はピストン、3は点火プラグ、4
は排気マニホールド、5は排気マニホールド4に備えら
れ排ガス中の残存酸素濃度を検出する酸素センサ、6は
内燃機関本体1の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射
弁、7は吸気マニホールド、8は内燃機関本体1に送ら
れる吸入空気の温度を検出する吸気温センサ、9は内燃
機関に発生しているノッキングを検出するノッキングセ
ンサ、10はスロットルバルブ、11はアイドルスイッチを
内蔵しスロットルバルブの開度を検出するスロットルセ
ンサ、14は吸入空気の脈動を吸収するサージタンク、15
は吸入空気量を検出するエアフロメータ、をそれぞれ表
わしている。
そして、16は点火に必要な高電圧を出力するイグナイ
タ、17は図示していないクランク軸に連動し上記イグナ
イタ16で発生した高電圧を各気筒の点火プラグ3に分配
供給するディストリビュータ、18はディストリビュータ
17内に取り付けられ、ディストリビュータ17の1回転、
即ちクランク軸2回転に24発のパルス信号を出力する回
転数センサを兼ねた回転角センサ、19はディストリビュ
ータ17の1回転に1発のパルス信号を出力する気筒判別
センサ、20は制御手段としての電子制御回路、21はキー
スイッチ、22はキースイッチ21を介して電子制御回路20
に電力を供給するバッテリ、24は車載の変速機、26は変
速機24の出力軸の回転数から車速を検出する車速セン
サ、を各々表わしている。
また、電子制御回路20の内部構成について説明すると、
図中、30は各センサより出力されるデータを制御プログ
ラムに従って入力及び演算すると共に、各種装置を作動
制御等するための処理を行なうセントラルプロセシング
ユニット(CPU)、31は制御プログラム及び初期データ
が格納されるリードオンリメモリ(ROM)、32は電子制
御回路20に入力されるデータや演算制御に必要なデータ
が一時的に読み書きされるランダムアクセスメモリ(RA
M)、36は各センサからの信号を入力する入力ポート、3
8はイグナイタ16及び各気筒に備えられた燃料噴射弁6
を駆動する出力ポート、39は上記各素子を相互に接続す
るコモンバスである。入力ポート36は、酸素センサ5,吸
気温センサ,ノッキングセンサ9,スロットルセンサ11,
エアフロメータ15からのアナログ信号をA/D変換して入
力する図示しないアナログ入力部と、スロットルセンサ
11内の図示しないアイドルスイッチ,回転角センサ18,
気筒判別センサ19からのパルス信号を入力する図示しな
いパルス入力部とからなっている。又、出力ポート38は
CPU30からの点火時期の指令を受けるとイグナイタ16及
びディストリビュータ17へ制御信号を出力し、点火時期
θに従った各気筒の点火プラグ3による火花点火が実行
されるように作動する。即ち、CPU30が点火時期θの算
出を実行すると、その算出結果に忠実に点火プラグによ
る点火が行なわれるのである。
次に本実施例のノッキング制御装置に関する点火時期の
制御に先立ち、最初に内燃機関の基本的な制御ルーチン
について第4図のフローチャートに拠って説明し、次い
でその中で実行されている点火時期制御につき詳述す
る。
第4図に示すように、内燃機関1の基本的な制御ルーチ
ンは、キースイッチ21がオンされると起動されて、まず
CPU30の内部レジスタのクリア等の初期化を行ない(ス
テップ100)、次に内燃機関1の制御に用いるデータの
初期値の設定、例えば後述するごとく利用されるフラグ
FFを0に設定するといった処理を行なう(ステップ10
5)。続いて内燃機関1の運転状態、例えばエアフロメ
ータ15,回転角センサ18,ノッキングセンサ9等からの信
号を読み込む処理を行ない(ステップ110)、こうして
読み込んだ諸データから、内燃機関1の吸入空気量Qや
回転数N、あるいは負荷Q/N等内燃機関1の制御の基本
となる諸量を計算する処理を行なう(ステップ120)。
以下、ステップ120で求めた諸量に基づいて、更に詳し
く後述する点火時期制御(ステップ130)や、周知の燃
料噴射量の制御(ステップ170)が行なわれる。ステッ
プ170の終了後、処理はステップ110へ戻って上述の処理
を繰返す。
なお、ここで燃料噴射量の制御は通常は空燃比のフィー
ドバック制御を行なうものであって、内燃機関1の負荷
Q/Nに基づいて定められる基本燃料噴射量を空燃比フィ
ードバック補正係数などの各種補正項によって補正した
燃料噴射量により、内燃機関1の1回転に2回、同期噴
射を行なうものであるが、内縁機関1運転上の種々の要
求に応じて空燃比フィードバック制御に替えて燃料を増
量するオープン制御やその他の周知の制御を行なうこと
もある。これらの内燃機関の燃料噴射量制御について
は、良く知られているので説明は省略する。
次に、第5図、第6図のフローチャート及び第7図、第
8図の説明図を用いて、前記点火時期制御ステップ130
の処理について詳細に説明する。
まず、第5図に示すステップ130のより詳細な処理につ
き各ステップ毎に説明する。ステップ120による負荷Q/N
等の算出が完了するとステップ131にてそれらの負荷や
回転数等から基本点火時期θBが算出され、次にステッ
プ132の処理にて前記したROM31に記憶されている第7図
に示す負荷Q/Nと回転数NE[rpm]との関係を示すマップ
から、現在の運転状態がノッキングコントロール領域
(KCS領域)であるか否かの判定が行なわれる。負荷あ
るいは回転数の大きな、ノッキング発生頻度の高い領域
でノッキング制御の為の処理を実行するように構成する
ためであり、運転状態がこのKCS領域外であればその運
転状態を記憶するためにフラグFFを「0」にリセット
(ステップ134)した後、前述した燃料噴射制御の処理
(ステップ170)へと進む。
一方、ステップ132でKCS領域内であると判断されるとス
テップ136が実行され、フラグFFの内容が判断される。
フラグFFは、前述のようにステップ132においてKCS領域
外であると判断されたときにリセット状態にされるもの
であるから、本ステップ136でFF=0であると判断され
たときには従前の運転状態がKCS領域外であったもの
が、今回初めてKCS領域に移ったと判断される。このよ
うな過渡的場合であるときのみ以降のステップ138ない
しステップ150の処理が選択的に実行され、それ以外で
あれば過渡的処理(ステップ138〜ステップ150)を実行
することなく後述するステップ152へ移行する。
過渡的処理の初めには、フラグFFのセット(ステップ13
8)が実行され、再度以下の処理が実行されないように
する。そして、カウンタCの内容から遅角減量θTの検
索が行われる。ここでカウンタC、および遅角減量θT
とは次のようなものである。第6図に示す割込みルーチ
ンは前記CPU30に所定時間毎、例えば4[ms]毎に割込
み処理されるもので、フラグFFの内容を判断し(ステッ
プ200)、フラグFFがリセット状態にあるときのみカウ
ンタCを「1」づつインクリメントし(ステップ20
2)、それ以外のときはカウンタCを「0」にリセット
する(ステップ204)。このように、カウンタCは、内
燃機関1の運転状態がKCS領域内から外れた時点でリセ
ットされ、そのKCS領域外での内燃機関1の運転時間の
計時結果を表わしている。
また、遅角減量θTとは、ROM31に記憶されている第8
図のテーブルを検索して得られる、カウンタCの計時結
果に基づく点火時期の補正量である。第8図に示すよう
に、カウンタCの内容が示すKCS領域外での運転の経過
時間tが増すに比例して遅角減量θTの値も増加し、経
過時間3[sec]以上では遅角減量θTは2[゜CA]と
なる。
上記のようにして遅角減量θTが検索されると、処理は
ステップ142へと進み学習値θGの検索が行われる。こ
れは、第7図にて前述したKCS領域を更に細分化し(領
域A,B,C)、この領域内に内燃機関1の運転状態がある
とき、後述するステップ152の処理によりノッキングセ
ンサ9の出力が所定値以下となるようにフィードバック
制御された点火時期の遅角補正量θKの最大値θKmを記
憶学習したものである。すなわち、各領域の学習値θG
A,θGB,θGCは、その領域A,B,Cに以前の内燃機関1の運
転状態があったとき、ノッキングを抑制するのに必要で
あった遅角補正量θKの最大値θKmなのである。次い
で、以上のようにして求められた遅角減量θTおよび学
習値θGを用いて、今回のノッキング抑制のために使用
する遅角減量の初期値θKsが次式から算出される。
θKs=θG−θT 以前の学習した遅角補正量の最大値であるθGから遅角
減量θTを減算した値を、初期値θKsとするのである。
そして、この値θKsが「0」以下の不当な値とならない
ようにθKs≧0であるか否かを判断し(ステップ14
6)、θKs<0である場合のみθKsを「0」に再設定す
る(ステップ148)、いわゆるガード処理を実行してRAM
32の所定記憶領域に該θKsを格納する(ステップ15
0)。続くステップ152で実行されるノッキング検出値に
基づく点火時期制御では、ノッキングセンサ9からのノ
ッキング検出信号が所定値以下となるように点火時期を
徐々に遅角するフィードバック制御が行われる。このと
き、点火時期制御の初回の実行に際してRAM32の所定記
憶領域に遅角補正量の初期値θKsが格納されている場合
には、その値θKsをステップ131で算出した基本点火時
期θBから減算した値(θB−θKs)を用いて点火時期
を制御する。すなわち、ステップ136の判断にてステッ
プ138ないしステップ150を実行することなく直接ステッ
プ152へ処理が移行するときには単にノッキングセンサ
9の出力が大きいときに遅角補正量θKを徐々に増加す
るフィードバック処理が実行されるのみであるが、ステ
ップ138ないしステップ150の処理の後にステップ152が
実行されるときにはそのフィードバック処理の初期値と
してθKsが利用されるのである。なお、このステップ15
2の処理にて遅角補正量θKが刻々と変化するとき、遅
角補正量θKの最大値は次回のステップ138ないしステ
ップ150の処理のため学習されθGとして記憶される。
以上のごとくして遅角補正量θKを制御する本実施例の
ノッキング制御装置によれば、例えば第9図のように内
燃機関1が運転されるときに以下のように作用する。
第9図は横軸に時間を取り、内燃機関の負荷Q/Nが短時
間に大きく変動するとき(A個)、カウンタCの値(B
図)、遅角補正量θKの値(C図)および吸気量(D
図)がどのように変化するかを表わしたものである。図
示のように内燃機関1の負荷Q/NがKCS領域から外れた時
点からカウンタCのカウントアップが開始されるため、
より頻繁に負荷Q/Nが変動するときほどカウンタCの値
は小さな値となる。また、このときには平均的に内燃機
関1は高負荷状態となるから吸気温の上昇が観測され、
ノッキングの発生しやすい状況となる。
上記のような運転状態にあって遅角補正量θKは、負荷
Q/NがKCS領域となり、かつ、ノッキングセンサ9の出力
が所定値を超えるとき所定値づつ増加して点火時期を遅
角側へ制御する。従って、C図のように右上がりの特性
となる。しかも、負荷の変動が大きくてKCS領域を外れ
る期間が短いときには、カウンタCの内容に応じて定め
られる遅角減量θTがそれに比例して小さく設定される
ため遅角補正量の初期値θKsが大きく、初めから大きな
点火時期の遅角が実行されることになる。
第9図(C)において点線まで表現される右上がりの遅
角補正量は、従来の学習値から一定値を減算した値を遅
角補正量の初期値として与えた場合のものである。この
従来制御との比較からも容易に理解されるように、本実
施例のノッキング制御装置によれば、内燃機関1がKCS
領域の境界近傍で大きな負荷変動を行うとき、速やかに
遅角量の増量が実行され内燃機関1に過渡的ノッキング
の発生することを抑制することができる。しかも、その
ため遅角補正量は、前回の遅角補正量の最大値θKmとKC
S領域外での運転時間とを巧みに利用したものであり、
無用な遅角制御が行われることによる内燃機関1の動力
特性低下を回避している。
[発明の効果] 以上、実施例を挙げて詳述したごとく本発明の内燃機関
のノッキング制御装置は、内燃機関の以前の運転状態を
判断するために、遅角補正量の学習値とノッキング制御
手段の作動を必要としない低負荷での運転機関との2つ
のパラメータを巧みに用いてノッキング制御手段の初期
値を設定するものである。
従って、ノッキングの抑制が低負荷域から高負荷域まで
の広い範囲にわたって応答性高くかつ高精度に実行され
ることはもちろん、大きな負荷変動に対しても過渡的ノ
ッキングの発生を防止することができる。しかも、その
ために無用な遅角は一切行なわず、内燃機関の燃費やエ
ミッシヨン等も常に最良状態が維持され、動力特性が著
しく向上するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的な構成図、第2図は従来の技術
のノッキング制御領域と学習領域との関係説明図、第3
図は実施例の概略構成説明図、第4図はその実施例で実
行される基本的制御ルーチンのフローチャート、第5図
はその基本的制御ルーチン内の点火時期制御の流れを詳
述したフローチャート、第6図はその実施例における割
込みルーチンのフローチャート、第7図はその実施例の
KCS領域と学習領域との関係説明図、第8図はその実施
例の遅角減量テーブルの説明図、第9図はその実施例に
よるノッキング制御の一例を示すタイミングチャートを
示す。 C1……ノッキング制御手段 C2……学習手段 C3……計時手段 C4……初期値設定手段 1……内燃機関 3……点火プラグ 9……ノッキングセンサ 20……電子制御回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関が所定の運転状態より高負荷とな
    ったときに、前記内燃機関の運転状態によって定まる基
    本点火時期と前記内燃機関に発生するノッキングを所定
    レベル以下とするように定められる遅角補正量とから前
    記内燃機関の点火時期を決定するノッキング制御手段
    と、 該ノッキング制御手段による遅角補正量の最大値を学習
    する学習手段と、 前記内燃機関の運転状態が前記ノッキング制御手段の作
    動する高負荷状態を外れた時点から、再度前記高負荷状
    態となるまでの経過時間を測定する計時手段と、 前記内燃機関の運転状態が前記再度の高負荷状態となっ
    たとき、前記学習手段の学習した遅角補正量および前記
    計時手段の計時結果に基づいて定められる遅角量を前記
    ノッキング制御手段の遅角補正量の初期値として設定す
    る初期値設定手段とを備えることを特徴とする内燃機関
    のノッキング制御装置。
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JP4281784B2 (ja) 2006-11-10 2009-06-17 トヨタ自動車株式会社 内燃機関装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
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