JPH0784617B2 - フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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- JPH0784617B2 JPH0784617B2 JP1073567A JP7356789A JPH0784617B2 JP H0784617 B2 JPH0784617 B2 JP H0784617B2 JP 1073567 A JP1073567 A JP 1073567A JP 7356789 A JP7356789 A JP 7356789A JP H0784617 B2 JPH0784617 B2 JP H0784617B2
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Description
ス冷延鋼板の製造方法に関する。
は耐食性に優れ、長期間に渡って美しい表面光沢を保持
しつづける上、良好な加工性を有しており、しかもオー
ステナイト系ステンレス鋼等に比べて安価であるから、
厨房機器、家電器具、自動車部品等の広い分野で使用さ
れている。
とが多く、耐食性や成形性とともに成形後の表面美観の
良さも要求されるようになってきた。
すると、いわゆるリジング(別名、ローピング)と呼ば
れる、表面美観を著しく損なう現象が発生することが知
られている。
“しわ”であり、表面美観を損なわせるばかりでなく、
程度のひどい場合はこれが原因となって、成形中に割れ
が発生することもある。したがって、このリジングが発
生した場合には、成形加工後にさらに表面研磨などの煩
瑣な作業によりこれを除去しなければならなかった。
生を防止する対策として、次のような提案がなされてい
る。すなわち、(a)凝固組織の微細化、等軸晶化、
(b)熱間圧延、冷間圧延時の再結晶による結晶粒の微
細化、(c)二相組織とすることにより結晶粒の微細
化、などである。
この微細化のための具体的方法として従来、電磁撹拌
の適用、鋳込み温度の低下、Ti、Zr、Nb、Al等の炭
窒化物形成元素の添加などの方法が知られている。
点がある。
め、得られる組織の等軸晶率に限界があり、高々板厚の
中心部から50%の範囲内のみである。
−凝固温度)を0℃以下とすると、溶鋼の粘度が高くな
るため、操業上ノズル閉塞等のトラブルを生じやすい。
また添加元素の使用によるコスト上昇もあり、SUS430鋼
として使用するには適していない。
できず、あるいは微細化できても操業上の問題等を回避
できず、実用上リジングを完全に防止することができな
かった。
面の50%以上の等軸晶帯を有する連続鋳造鋳片を用い
て、異径ロール圧延機を組み込んだ熱間圧延設備の下
で、異径ロール圧延機において圧下率を20%以上として
圧延することが提案されている。
延することが主眼であり、鋳片の断面の等軸晶帯の比率
が50%以上が必要とするのみであり、これを得るための
具体的な連続鋳造の条件について具体的な開示はない。
また、鋳片の断面の等軸晶帯の比率についても、これが
高くとも後述の実施例でも示すように、リジングを防止
する効果がない場合がある。
り、フェライト系ステンレス冷延鋼板のリジングを完全
にまたは実用上問題のない程度に防止できる製造方法を
提供することにある。
ンレス鋼の連続鋳造における鋳込温度が凝固温度を超え
40℃以下とし、かつ金型水冷鋳型で冷却しつつ凝固する
ことにより、鋳片の中心部が等軸晶凝固組織を有し、か
つ等軸晶部分が板厚の70%以上を占め、さらに等軸晶部
分の平均等軸晶粒径が0.9mm以下であるスラブを用い、 このスラブを熱間圧延し、かつこの圧延過程において、
1100〜1000℃のパスにおいて圧下率を40%以上として圧
延、その後焼鈍、冷間圧延および焼鈍の工程を経て鋼板
を製造することを特徴とするものである。
についてはまだ完全には解明されていないが、一応次の
ように考えることができる。
って平行に並んだ細長い“単位領域”(類似した結晶方
位を有し、塑性変形能を同じくする領域)たる結晶粒が
存在し、それらが塑性加工に対して互いに異なる変形挙
動を示すものと考えられる。
示す“単位領域”の形成原因については、連続鋳造スラ
ブの場合、連続鋳造スラブに形成される柱状晶凝固組織
が、その冷却過程で相変態を経ずに鋳造組織として存在
し、熱延、冷延を経ても結晶方位的に固有の集合組織を
形成したまま完全には破壊されずに根強く残存すること
と考えられる。
の根本原因である連続鋳造組織の徹底した微細化(等軸
晶化、細粒化)が必要不可欠な条件であると考え、本発
明を完成したものである。
ラブ板1の中心部2が等軸晶凝固組織を有し、かつ等軸
晶部分が板厚の70%以上を占め、さらに等軸晶部分の平
均等軸晶粒径が0.9mm以下であるスラブを用いて鋼板を
製造することによって、上記単位領域の発生を未然に防
止し、これによりリジング発生を実用上問題のない程度
にまで防止することができる。
以下とし、かつ金型水冷鋳型で冷却しつつ凝固すること
が必要となる。
り、ノズルの閉塞などの操業上のトラブルを生じ易い。
また、鋳込温度が凝固温度より40℃を超える温度とする
と、後述の実施例からも明らかなように、等軸晶部分が
板厚の70%以上を占め等軸晶部分の平均等軸晶粒径が0.
9mm以下であるスラブを得ることができない。
的には次の点に留意したものである。
らすこと。
て微細化し、かつ等軸晶部分の割合を高めて、熱延後の
単位領域を最小にする。
場合、熱延時に動的な再結晶を生じ易く、結晶方位のラ
ンダム化と微細化が促進される。
との関係について詳細に検討したところ次のことが判っ
た。
℃まで変化させることにより、等軸晶率を変えたスラブ
を製造した。等軸晶粒径は金型水冷鋳型を用いたため、
0.5〜1.0mmであった。かかるスラブを1200℃に加熱後、
40mmt→3.2mmtまで熱延後、焼鈍(830℃×16hrFC)、冷
延(3.2mmt→0.8mmt)、焼鈍(830℃×5分AC)し、リ
ジング性を評価した。結果を第2図に示す。なお、リジ
ング性の評価については後述する。
める割合)が70%以上で、実用上リジングの問題のない
Aグレードが得られることが判った。
し、かつ等軸晶部の粒径を、鋳型の材質(砂型、金型)
と鋳型の冷却条件(空冷、水冷)を変えることにより、
変化させた17kg試験スラブを用いて、(1)と同じ条件
で0.8mmt冷延板とし、リジング性を評価したところ、第
3図の結果を得た。
て、リジング性は顕著に向上し、Aグレードが得られる
ことが判った。
ただし、凝固温度は1495〜1505℃(平均1500℃)であっ
た。
すなわち、まず17kgの偏平インゴットを後述する第2表
に記載の鋳込み条件で溶解(I)した後、熱延(II)す
る。熱延条件は、スラブを1200℃に加熱し、40mmt→4.5
mmtとし、仕上がり温度を900℃とした。その後、830℃
×16hrという条件で焼鈍(III)し、冷延(IV)した。
この冷延条件は、3.2mmt→0.8mmtで、圧下率75%とし
た。最後に焼鈍(V)を、830℃×5分という条件で行
った。
Tを変化させて鋳造した。ΔTと等軸晶率とは密接な関
係、すなわち逆の相関関係があり、しかも等軸晶率とリ
ジング性とは相関関係があるため、ΔTを変化させるこ
とで鋳造条件とリジング性との関係を知ることができる
と考えられるからである。
Tと鋳造後の冷却速度を変化させた。冷却速度と結晶成
長とは密接な関係があり、冷却速度が速い程、結晶の成
長が抑制され、遅い程成長が促進されるからである。
した。ただし、熱延工程で再結晶を促進し、結晶粒を微
細化するため、3パス目または3パス目と4パス目、す
なわち1100〜1000℃の範囲内でのパス当たりの圧下率
を、23%、40%、60%と変化させた。
し、20%引張変形後、次の基準でグレード分けした。こ
の基準では、実用上A′以上であれば問題ない。
号〜は第2表に記載したものと同一である。
を40℃以下、特に30℃以下とすることにより、等軸晶率
≧70%を確保し、かつ金型水冷鋳型を用いることにより
等軸晶粒径≦0.9mmという両条件を満たす場合である。
例えば、等軸晶率が60%以下のNo.1、No.2、No.6、No.1
2、粒径が2.0mmを超えるNo.1、No.2およびNo.6はいずれ
もリジング性はB以下と劣っている。しかも、No.12の
例で示されているように、等軸晶率が63%であり、等軸
晶粒径≦0.9mmであっても、リジング性はB以下とな
る。したがって、等軸晶率および等軸晶粒径の両者が本
発明において規定する範囲内にあることが条件とされる
ことがわかる。
(1100〜1000℃)を23%/パスとしたNo.9は、40%/パ
ス、または60%/パスとしたNo.10よりやや劣る。従っ
て、3〜4パス目の圧下率は40%以上の大圧下圧延が望
ましい。
フェライト系ステンレス冷延鋼板を、容易かつ低コスト
で得ることができる。
第2図は等軸晶粒径とリジング性との関係を示すグラ
フ、第3図は本発明にかかるフェライト系ステンレス冷
延鋼板の製造工程図、第4図はフェライト系ステンレス
冷延鋼板の製造工程図である。
Claims (1)
- 【請求項1】フェライト系ステンレス鋼の連続鋳造にお
ける鋳込温度が凝固温度を超え40℃以下とし、かつ金型
水冷鋳型で冷却しつつ凝固することにより、鋳片の中心
部が等軸晶凝固組織を有し、かつ等軸晶部分が板厚の70
%以上を占め、さらに等軸晶部分の平均等軸晶粒径が0.
9mm以下であるスラブを用い、 このスラブを熱間圧延し、かつこの圧延過程において、
1100〜1000℃のパスにおいて圧下率を40%以上として圧
延、その後焼鈍、冷間圧延および焼鈍の工程を経て鋼板
を製造することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1073567A JPH0784617B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1073567A JPH0784617B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02250925A JPH02250925A (ja) | 1990-10-08 |
JPH0784617B2 true JPH0784617B2 (ja) | 1995-09-13 |
Family
ID=13521975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1073567A Expired - Lifetime JPH0784617B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0784617B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2292352A1 (en) | 1999-04-08 | 2011-03-09 | Nippon Steel Corporation | Cast steel and steel material with excellent workability, method for processing molten steel therefor and method for manufacturing the cast steel and steel material |
JP2013540900A (ja) * | 2010-09-30 | 2013-11-07 | 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 | 波状欠陥のない無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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KR100402020B1 (ko) * | 1999-12-09 | 2003-10-17 | 주식회사 포스코 | 페라이트계 스테인레스강 주편의 등축정율 제어방법 |
KR100958029B1 (ko) * | 2007-12-20 | 2010-05-17 | 주식회사 포스코 | 페라이트계 스테인리스강의 제조방법 |
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JPS6016281A (ja) * | 1984-06-15 | 1985-01-28 | 株式会社日立製作所 | 吊り形冷蔵庫 |
-
1989
- 1989-03-24 JP JP1073567A patent/JPH0784617B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH02250925A (ja) | 1990-10-08 |
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