JPH0784408A - 画像形成方法及びそれに用いるトナー - Google Patents

画像形成方法及びそれに用いるトナー

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JPH0784408A
JPH0784408A JP5185455A JP18545593A JPH0784408A JP H0784408 A JPH0784408 A JP H0784408A JP 5185455 A JP5185455 A JP 5185455A JP 18545593 A JP18545593 A JP 18545593A JP H0784408 A JPH0784408 A JP H0784408A
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toner
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JP5185455A
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Masanori Suzuki
政則 鈴木
Takahisa Kato
貴久 加藤
Tomoe Hagiwara
登茂枝 萩原
Mitsuo Aoki
三夫 青木
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性転写搬送ベルトを使用する静電荷像の乾
式現像において、転写性が良く高品質の転写画像を形成
することのできる画像形成方法及び該方法に適した高画
質で低温定着性のトナーを提供すること。 【構成】 ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー
樹脂と着色剤を主成分とし、特定な高分子量の第4級ア
ンモニウム塩を正帯電性の帯電制御剤として含有してい
ることを特徴とするトナー。前記のトナーを使用すると
共に、表面抵抗値が1×109Ω〜1×1012Ωの弾性
転写搬送ベルトを使用することを特徴とする静電荷像の
乾式現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法や静電印刷
法等に用いられる電子写真用乾式トナー及び乾式の電子
写真画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】電子写真法、静電印刷法、
静電記録法等で感光体上に形成される静電荷像は、乾式
法の場合は一般にバインダー樹脂及び着色剤を主成分と
する乾式トナーで現像後、コピー紙上に転写・定着され
る。従来より電子写真用感光体としては、一般にセレ
ン、カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電材料が知られ
ている。しかし、これらの物質は廃棄時や使用時の安全
性に問題があり、近年は無害の有機光半導体が使用され
るようになってきている。
【0003】一方、静電荷像保持体表面に形成されたト
ナー像を紙のようなシート状転写材に静電的に転写する
工程が含まれている画像形成装置では、従来よりコロナ
放電を利用した転写手段が広く利用されている。このよ
うなコロナ放電を利用した転写装置は、転写材のトナー
像保持体への吸着領域が狭いために、転写材搬送手段に
よる同期不良の発生や転写材に存在するループ及びカー
ル等による転写ずれが起る恐れが多く、これらの問題は
転写率も低くしている。特に、最近のトナー小粒径化に
起因したトナー表面積の増加により、トナー像保持体表
面の静電潜像とトナー間の静電気力が増加したことで、
トナーは転写材へますます転写しにくいという傾向を出
現させている。このような問題に対して、回転円筒状又
は無端ベルト状等の無端状に走行する静電荷像保持体を
使用し、バイアスを印加した転写装置をこれに圧接して
これら両者間に転写材を通過させ、静電荷像保持体側の
トナー像を転写材に転写するように構成したもの、例え
ば特開昭59−4666号公報のような装置が考案され
ている。
【0004】この装置は、転写される側の保持体(転写
ローラー、ベルト等)と静電荷像保持体への圧接力を調
整することにより、転写材のトナー像保持体への吸着力
を大きくすることができ、転写材を転写部位で積極的に
押圧支持するので前記の同期不良や転写ずれを起す恐れ
が少なく、最近の画像形成装置の小型化等の要請にも対
応し易い等の利点がある。その反面、当接部位より転写
電流が供給されるために多少の圧力を転写装置に与える
必要がある。従って、静電潜像保持体表面のトナー像に
も圧力が加わるからトナーとトナー像保持体が密着し、
密着が強固な部分は転写不能なために画像欠損が生じる
等の問題が起っている。この問題に対して、特開平4−
274443号公報では、磁性トナーと静電荷像保持体
との間にスペーサー粒子として働く特定樹脂微粒子を添
加し、トナーが静電荷像保持体へ密着するのを防ぐ方法
が提案されている。
【0005】トナー像の定着方法は種々あるが、熱効率
が高く高速定着が可能なために熱ローラー定着方式が広
く採用されている。この方式で高速定着を行う場合はト
ナーに低温定着性が要求され、そのためにバインダー樹
脂としては低軟化点のものが使用される。しかし、トナ
ーに低軟化点樹脂を含有させると定着時にトナー像の一
部が熱ローラー表面に付着し、これがコピー用紙上に転
移して地汚れを起す、いわゆるオフセット性及び巻き付
き現象(特に熱ローラー温度が低いときに多い)が発生
し易くなる。そこで、これらの現象を防止する手段とし
て、特開昭51−143333号、同57−14875
2号、同58−97056号、同60−247250号
等の公報では、固形シリコンワニス、高級脂肪酸、高級
アルコール及び各種ワックス等を離型材として添加する
ことが提案されている。
【0006】しかし、良好な低温定着性を維持しながら
十分な耐オフセット性及び耐巻き付き性を示すものは見
当らない。例えば、離型剤用の低分子量ポリオレフィン
ワックスは高い耐オフセット性を示すが低温定着性が充
分でないし、従来の離型剤はバインダー樹脂への分散性
が悪いために、現像中に離型剤がトナーから遊離して感
光体や現像スリーブに付着するフィルミングが多い。以
上のほか、スペントトナーによるキャリア汚染も起るか
ら、長期間連続して安定的に良質な画像を形成すること
は困難であった。また、着色材もバインダー樹脂への分
散性不十分のために離型剤の場合と同じ現象が発生し易
くなると共に、着色材自身も帯電性を持つためにトナー
に安定で適切な帯電量を与えることが困難であった。
【0007】一方、バインダー樹脂には従来からスチレ
ン系樹脂が多く使われてきた。該樹脂を使用するトナー
は、長時間の連続使用や環境中での帯電量安定性には優
れているが、形成された転写画像が塩化ビニルシートに
融着するうえに低温定着困難等の多くの問題を抱えてい
る。そこで、近年はスチレン樹脂に代ってポリエステル
樹脂が使われるようになった。ポリエステル樹脂と塩化
ビニルシート中の可塑剤とでは、その溶解度パラメータ
ー値(SP値)が離れているために両者の融着が防止で
き、オフセット現象を発生せずに低温で良好な定着がで
きる。しかし、ポリエステル樹脂はスチレン系樹脂より
高価なうえに樹脂自身の負帯電性が強いから、該樹脂を
正帯電性トナーに使うことは難しく、負帯電性トナーに
使う場合には樹脂自身の帯電性に左右されるからトナー
を所望の帯電量にすることが困難である。
【0008】ポリエステル樹脂の帯電性を改善する方法
として、帯電制御剤を添加する方法がある。正帯電制御
剤として実用化されているものに、ニグロシン染料や第
4級アンモニウム塩等があり、前者は高電荷保持部材と
しては安価なために従来から広く使われている。そし
て、このような帯電制御剤の添加で摩擦帯電量を充分大
きくすることが可能になったが、使用環境等によって現
像剤の帯電量が大きく変動する問題については未解決で
ある。この問題は、カーボンブラックを含むトナーで顕
著であり、高温高湿条件で使用した場合には、現像剤の
帯電量が低下して地汚れや解像力の悪化やトナーの飛散
等が発生し、低温低湿条件で使用した際には、現像剤の
帯電量が上昇して画像濃度の低下やエッジ効果等が発生
し、安定した画像が得られない。また近年、市場ではコ
ピーの高画質化の要望が高まり、従来のような体積平均
径10〜15μmのトナーでは十分な高画質が得られな
くなってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、弾性転写搬
送ベルトを使用する静電荷像の乾式現像に際して発生す
る前記の諸問題を解決し、転写性が良く高画質の画像を
得ることのできる低温定着性で正帯電性のトナーを提供
すると共に、該トナーを使用する場合に好適な画像形成
方式を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、有機光半導体上の
一部が2本の金属ローラーを介した弾性転写搬送ベルト
と接し、該弾性転写搬送ベルト上にトナーと逆極性の電
荷を印加して、光半導体上のトナー像を弾性転写搬送ベ
ルト上の転写紙に転写するシステムを設けた画像形成方
式に用いるトナーであって、該トナーがポリエステル樹
脂を50重量%以上含有するバインダー樹脂と着色剤を
主成分とした軟化温度85℃以下の低温定着用トナーで
あり、且つ帯電制御剤として下記(イ)で示される化合
物を含有していることを特徴とする画像形成用トナーが
提供される。 (イ)下記構造式(I)、(II)及び(III)で示される
構造単位を持ち、(I)で示される繰り返し単位が9
8.5〜63.0重量%、(II)で示される繰り返し単
位が2.0〜0.5重量%、(III)で示される繰り返し
単位が35.0〜1.0重量%の範囲にある第4級アン
モニウム塩共重合体化合物
【化1】
【0011】また、本発明によれば、有機光半導体上の
一部が2本の金属ローラーを介した弾性転写搬送ベルト
と接し、該弾性転写搬送ベルト上にトナーと逆極性の電
荷を印加して、光半導体上のトナー像を弾性転写搬送ベ
ルト上の転写紙に転写するシステムを設けた画像形成方
式において、該トナーに請求項1のトナーを使用すると
共に、該弾性転写搬送ベルトとして表面抵抗が1×10
9Ω〜1×1012Ωのベルトを使用することを特徴とす
る画像形成方法が提供される。
【0012】本発明のトナーは、ポリエステル樹脂を主
成分とするバインダー樹脂、着色剤及び第4級アンモニ
ウム塩共重合体より成る帯電制御剤を含むことを必須と
しているが、充分に高い性能を得るためには前記のほか
離型剤及び流動性向上剤も添加するのが望ましい。離型
剤は、低温定着性のトナーで発生し易いオフセット現象
や巻き付き現像の発生を防止するから、低温定着性を指
向している本発明のトナーには好ましい添加剤であり、
離型剤不在では本発明のトナーの特徴が充分に生かされ
ない場合もある。また、流動性向上剤はトナーの凝集を
防止するから、トナーが静電荷像保持体に密着して転写
困難になることを防ぎ、トナーの種類によっては不可欠
である。以上のほか、本発明のトナーには必要に応じ
て、融着防止剤、研磨剤、ケーキング防止剤、導電性付
与剤、定着助剤等の添加剤を添加し、更に性能を向上さ
せることができる。また、本発明のトナーは高速定着を
行うために低温定着性とするのが望ましく、バインダー
樹脂の種類や配合比を調整して軟化温度を85℃以下に
するのが好ましい。更に、コピー画質を高品質化するた
めにトナー粒子の平均粒径を5〜10μmにすることも
望ましく、これらの全部を最適化することによって、本
発明の画像形成法に最適で最高品質の画像形成が可能な
トナーを提供することができる。
【0013】本発明を特徴づけている前記(イ)で示さ
れる化合物は、トナーの正帯電性を安定的に保持する帯
電制御剤の一種であり、従来の帯電制御剤よりバインダ
ー樹脂への分散性の高い帯電制御剤である。それゆえ、
該帯電制御剤はトナー中での存在分布に偏りが少なく、
転写時のトナーの静電荷がばらつくことによる転写選択
性を改良することが可能であり、小粒径トナーへの添加
効果は顕著である。本発明で使用される帯電制御剤は、
分子内に前記(II)で示される第4級アンモニウム塩構
造部分を持ち、これが強く正帯電性を保持する。従っ
て、該部分の存在比は前記帯電制御剤の正帯電性保持能
に大きく影響するから、その存在比を0.5〜2.0重
量%の範囲とすることが重要である。また、該帯電制御
剤は分子内に前記(III)で示されるポリアクリル酸エス
テル型構造部分を持ち、これが該帯電制御剤の溶融粘度
を適度に低下させるためにバインダー樹脂内への分散性
が向上する。
【0014】本発明で使用される帯電制御剤は、前記し
た(I)で示されるポリスチレン型構造を基本骨格とし
ており、この構造に前記した(II)の構造部分や(III)
の構造部分が付加されて高分子量の帯電制御剤を形成し
ている。そして、(II)の部分の割合が0.5重量%よ
り低いと正帯電性保持能が低下するから、該帯電制御剤
の使用量が増えるためにトナーの熱特性が悪くなる。ま
た、その割合が2.0重量%より高い場合は、正帯電性
保持能を適正値にするために添加量が減ってトナー性能
を損なう。(III)の部分は(II)の部分ほど大きな影響
を与えないが、前記割合より過少ではバインダー樹脂内
への分散性が低下し、過大では溶融粘度が小さすぎてト
ナー性能を低下する。すなわち、本発明で使用される帯
電制御剤は、前記3種の構造部分を正帯電性保持、熱特
性、分散性等の点で最適となる範囲に調整して得られた
ものである。以上に詳記した前記(イ)で示される帯電
制御剤は、バインダー樹脂100重量部当り0.1〜
5.0重量部の範囲で配合することが好ましく、トナー
製造の際に公知の方法で着色剤等と共にバインダー樹脂
中に分散して添加される。
【0015】本発明のトナーにおいて、バインダー樹脂
に含まれるポリエステル樹脂としてはガラス転移点(以
下、Tgと略記する)65〜75℃のものが好ましく、
その含有量を50重量%以上にすれば低温定着性と保存
性を同時に満足するトナーが得られる。そして、Tgが
65℃より低いとトナーの保存性が低下し、Tgが75
℃より高い場合はトナーの低温定着性が低下する。ま
た、該ポリエステル樹脂の含有量が50重量%より低い
場合は、前記した効果を顕著に示すトナーを得ることが
できない。本発明のトナーでは、バインダー樹脂にポリ
エステル樹脂を単独使用すると環境安定性が悪い上に高
価となるから、Tgが60〜75℃でトルエン不溶分0
のスチレン−アクリル系樹脂を添加するのが好ましい。
この場合、Tgが60℃より低いと保存性が低下し75
℃より高いと定着性が低下する。また、トルエン不溶分
を0にするとトナー製造時の粉砕性が向上するからコス
ト的に有利である。なお、本発明のトナーに添加される
バインダー樹脂には、スチレン−アクリル系以外の樹脂
をポリエステル樹脂と併用したり、前記2種の樹脂に第
3の樹脂を加えても良い。
【0016】本発明のトナーに使用されるバインダー樹
脂に好適なポリエステル樹脂は、2価カルボン酸と以下
のような2価アルコールとの縮重合で得られる。エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェ
ノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポ
リオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化
ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和又は不
飽和炭化水素基で置換した2価アルコール類等。前記ア
ルコール類と組合せて使用されるカルボン酸は、マレイ
ン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜2
2の飽和又は不飽和炭化水素基で置換した2価有機酸、
これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン
酸の2量体等である。
【0017】バインダー樹脂用のポリエステル樹脂は、
官能基を3個以上持つ単量体からも製造可能である。例
えば、3価以上の多価アルコールでは、ソルビトール、
1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビ
タン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グ
リセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチ
ル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒド
ロキシメチルベンゼン等が使用される。また、3価以上
の多価カルボン酸では、1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−
ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、ネオペンタント
リカルボン酸、ネオペンタンテトラカルボン酸、1,
2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3
量体酸、これらの酸の無水物等が使用される。
【0018】前記のように、本発明のトナー用バインダ
ー樹脂としてはポリエステル樹脂とスチレン−アクリル
系樹脂を併用するのが好ましく、ここで使用されるスチ
レン−アクリル系樹脂を具体的に示すと以下のような樹
脂が例示される。スチレンとアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等
のアクリル酸エステルとの共重合体;スチレンとメタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、α−クロルメタクリル酸メチル等のメタクリル酸エ
ステルとの共重合体;スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体
等。これらのスチレン−アクリル系樹脂は、フタル酸エ
ステル系可塑剤を添加すると塩化ビニルシートへのトナ
ーの融着防止が可能であり、これもポリエステル樹脂と
併用する樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂が推奨さ
れる理由の一つである。また、前記可塑剤の添加量範囲
はバインダー樹脂100重量部当り0.2〜10重量部
であり、ここで使用されるフタル酸エステル系可塑剤の
具体例は以下のとおりである。フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチル
デシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジ
ル等。
【0019】本発明のトナーに使用される前記以外のバ
インダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロ
ルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニ
ルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重
合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチ
レン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体
等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、
ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペ
ン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹
脂、芳香族系石油樹脂、アイオノマー樹脂、ポリビニル
ピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変
性テルペン樹脂等が挙げられ、これらは単独或いは混合
して使用される。
【0020】以上のほか、熱融着防止や離型性増加等の
性能を持つ低融点バインダーを含有させ、これによって
軟化点85℃以下のバインダー樹脂を形成させることも
可能であり、ここで使用される低融点バインダーの具体
例は以下のとおりである。塩素化パラフィン、パラフィ
ンワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン、低分子量ポリエチレングリコール、低分子量ポ
リ四フッ化エチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体等。
【0021】本発明のトナー用着色剤にはトナー用とし
て公知のものがすべて使用可能である。例えば、黒色の
着色剤としてはカーボンブラック、アニリンブラック、
ファーネスブラック、ランプブラック等が;シアン色の
着色剤としてはフタロシアニンブルー、メチレンブル
ー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリン
ブルー、ウルトラマリンブルー等が;マゼンタ色の着色
剤としてはローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリド
ン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミン
B、アリザリンレーキ等が;イエロー色の着色剤として
はクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロ
ー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリ
ンイエロー、タートラジン等が使用できる。なお、着色
剤の添加量や添加方法は公知のトナー製造時と同一であ
り、所望量を添加剤と共に公知法でバインダー樹脂中に
分散させれば良い。
【0022】本発明のトナーに添加される離型剤は、前
記のようにオフセット現像や巻き付き現像の発生を防止
するものである。そして、シリコン油等の離型物質を定
着ローラーに塗布するのが困難な方式でトナーの定着を
行う場合は、離型剤をトナーに含有させるのが一般的で
ある。本発明者らは、本発明のトナーに好適な離型剤に
ついても鋭意研究を重ねた結果、酸価5以下の脱遊離脂
肪酸型カルナウバワックス、モンタン系エステルワック
ス及び酸価10〜30の酸化ライスワックスの中から選
ばれる1種又は2種以上混合物をトナーに添加させる
と、離型性が向上すると共に離型剤がトナー中に良く分
散しているために、現像中に離型剤がトナー表面から遊
離して感光体や現像スリーブ等を汚染することがないこ
とを見出した。すなわち、本発明者らが見出した前記離
型剤はトナー中のバインダー樹脂と親和性が高く、且つ
バインダー樹脂内への分散性の良いものである。なお、
本発明のトナーには前記以外の公知の離型剤を添加して
も良いし、従来の離型剤と前記の離型剤を併用すること
も可能である。
【0023】前記の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス
は、天然のカルナウバワックスから遊離脂肪酸を除去し
たものであり、このために酸価が5以下になると共に天
然のカルナウバワックスより微結晶となり、そのために
バインダー樹脂中での分散径が1μm以下となって分散
性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より
精製されたものであり、カルナウバワックスと同様にバ
インダー樹脂中の分散径が1μm以下となって分散性が
向上する。なお、本発明のトナーに添加されるモンタン
系エステルワックスの酸価は5〜14が望ましい。酸化
ライスワックスは米ぬかワックスを空気酸化したもので
あり、酸価は10〜30が望ましい。酸価が10未満で
は定着下限温度が上昇し、30より大きいとコールドオ
フセット温度が上昇し、両者とも低温定着性が不十分と
なる。以上に詳記した離型剤は、トナー重量の1〜15
%程度を含有させれば良く、離型剤の添加方法は公知の
トナー製造時と同様にすれば良い。
【0024】本発明のトナーに添加される流動性向上剤
は、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、ス
テアリン酸金属塩等である。これらの流動性向上剤は、
トナー単独使用時の帯電量より帯電量を増加させるもの
と、減少させるものとを混合して使うのが転写等の面か
ら有利である。すなわち、前記の両者を混合使用する
と、弾性転写搬送ベルトと静電荷保持体間のトナーに圧
力が加えられてもトナーが凝集し難いから転写率が変化
せず、高い転写性を維持することができる。流動性向上
剤の添加量は、単独使用時も混合使用時でもトナー重量
100部当り0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2
〜2.0重量部である。この範囲より少ない場合は十分
な帯電量と流動性をトナーに付与することができず、逆
にこの範囲より多い場合には帯電量や流動性の環境変動
が大きくなる。
【0025】前記のように、本発明のトナーには流動性
向上剤以外の添加剤を添加しても良く、テフロンやステ
アリン酸亜鉛等の滑剤、酸化セリウムや炭化ケイ素等の
研磨剤、カーボンブラックや酸化スズ等の導電性付与
剤、低分子量ポリオレフィン等の定着助剤、各種のケー
キング防止剤等が必要に応じて添加される。以上に詳記
した本発明のトナーは、従来のトナーのように平均粒径
10〜15μmでも使用可能であるが、高品質の転写画
像を得るためには平均粒径を5〜10μmとするのが望
ましい。このような粒径のトナーは、バインダー樹脂と
着色剤と帯電制御剤と必要に応じて添加される各種添加
剤の混合物を、加熱・混練後に冷却してから粉砕・分級
する常法で容易に得られる。本発明のトナーは、バイン
ダー樹脂の種類及び配合比や、帯電制御剤等の添加剤の
種類及び量を調整することで体積固有抵抗値が変り、本
発明の画像形成方法に使用する場合の体積固有抵抗値は
1×1010Ω〜3×1012Ωの範囲にするのが望まし
い。本発明のトナーはこの範囲で良好な転写率を示す
が、体積固有抵抗値が前記範囲より低いと印加電流がリ
ークするために転写率が低下し、前記範囲を越えた場合
は転写チリが発生して地肌汚れが誘発される。
【0026】以上のようにして作製したトナーは、単独
でファーブラシ現像法用のトナーに使用することも可能
であるが、一般的には二成分系現像剤としてキャリアと
混合して使用される。なお、該トナーは磁性トナーとし
ても使用可能である。本発明のトナーを磁性トナーとし
て使用する場合は、該トナーに含有される磁性材料とし
ては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化
鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような8族金属;前記8
族金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、マンガン、セレン、チタン、タングスタ
ン、バナジウム等の金属との合金;前記磁性材料の混合
物等の強磁性体を使用するのが望ましい。これらの強磁
性体は、平均粒径0.1〜2μm程度のものを使用する
のが望ましく、トナー中に含有させる量は樹脂成分10
0重量部当り20〜200重量部、好ましくは樹脂成分
100重量部当り40〜50重量部である。
【0027】本発明のトナーは、公知の全部のキャリア
と混合使用が可能であり、鉄粉、フェライト粉、ニッケ
ル粉等の磁性粉体のほか、ガラスビーズや表面を樹脂被
覆した前記キャリア等が使われる。特にシリコン樹脂被
覆のキャリアは好適である。シリコン樹脂被覆のキャリ
アに使用される核体粒子は従来より公知のものでよく、
鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物;ガラス
ビーズ等である。これら核体粒子の平均粒径は、通常1
0〜1000μm、好ましくは30〜500μmであ
る。なお、シリコン樹脂の使用量はキャリア核体粒子の
1〜10重量%である。また、樹脂被覆体組成物中に導
電性微粉末を含有させてもよい。該導電性微粉末は、
0.01〜5.0μm程度の粒径のものが好ましく、シ
リコン樹脂100重量部当り0.01〜30重量部、好
ましくは0.1〜20重量部添加するのが良い。導電性
微粉末としては従来より公知のカーボンブラックがよ
く、具体的にはコンタクトブラック、ファーネスブラッ
ク、サーマルブラック等が使用される。
【0028】本発明の画像形成方法は、前記のトナーを
使用すると共に以下に説明する画像形成装置を使用する
ことにより好ましく実施される。図1は本発明の画像形
成方法に使用される装置の概要を説明する図であり、図
1において、感光体ドラム2の一部に、駆動ローラ9及
び従動ローラ3を介した弾性転写搬送ベルト8が接する
ように設けられ、転写搬送ベルト8にトナーと逆極性の
電荷が印加される。転写紙Aをレジストローラ1に通
し、転写搬送ベルト8上に載せ移動させると、感光体ド
ラム2上のトナー像が転写紙Aに転写される。トナー像
が転写された紙Aは続いて定着ローラ14により定着さ
れる。なお、図1において、4は(ベルトユニット)押
し上げレバー、5は(転写)バイアスローラ、6はドラ
ム分離爪、7は接触板、10はベルトユニット、11は
ベルトクリーニングブレード、12はトナー回収コイ
ル、13はトナー受け、15は転写前除電ランプ(PI
C)を、それぞれ示す。
【0029】本発明の画像形成方法では、弾性転写搬送
ベルト8の上に送り込まれた転写紙Aが、感光体ドラム
2に形成されているトナー像を転写し、これが定着ロー
ラー14で熱定着される。従って、弾性転写搬送ベルト
を使用する従来の乾式現像法とほぼ同一方法であるが、
本発明では前記トナーを使用すると共に弾性転写搬送ベ
ルト8の表面抵抗値を1×109Ω〜1×1012Ωの範
囲にするのが望ましく、このために転写性が良く高画質
の画像を得ることができる。本発明の画像形成方法で
は、弾性転写搬送ベルトの表面抵抗値を前記範囲とする
ために、該ベルトには少なくとも表面がウレタンゴムや
クロロプレンゴム等で形成されているベルトを使用する
のが望ましく、表面材質がクロロプレンゴムのベルト使
用時は、吸湿性が少ないために環境変化による抵抗値変
化が少ないから特に好ましい。なお、表面抵抗値が前記
範囲より低いと印加電流がリークするために転写率が低
下し、前記範囲を越えた場合は画像ベタ部白抜け等の転
写不良が起る。また、本発明の画像形成方法ではトナー
像を形成させる感光体ドラムに公知の有機光半導体を使
用すれば良く、ポリビニルカルバゾールとニトロフルオ
レン等をバインダー樹脂中に分散させたものが好ましく
使用される。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、以下の部及び%は重量基準であ
る。 〔キャリアの製造例〕下記組成物を、ホモミキサーで3
0分間分散してキャリア被覆層形成液を調製し、これを
平均粒径100μmの球状フェライト1000部の表面
に流動床塗布装置で塗布して、被覆層を持ったキャリア
Aを製造した。 (被覆層形成液組成物) シリコン樹脂溶液(KR250:信越シリコン社製) 100部 カーボンブラック(#44:三菱化成工業社製) 4部 トルエン 100部
【0031】実施例1 下記組成物をヘンシェルミキサー中で十分に撹拌・混合
後、130〜140℃に加熱されているロールミルで3
0分間加熱・溶融・混合し、室温まで冷却後に該混練物
を粉砕・分級して粒径5〜10μmの母体トナーを得
た。この母体トナー100部に酸化チタン(P−25:
日本エアロジル社製)0.5部を添加し、スピードニー
ダーで十分に撹拌・混合して軟化温度84℃のトナーを
得た。 (母体トナー形成用組成物) Tg64℃のポリエステル樹脂 75部 Tg70℃のスチレン−メチルメタクリレート共重合体 25部 (トルエン不溶分15%) 低分子量ポリプロピレン 4部 カーボンブラック(#44:三菱化成工業社製) 20部 帯電制御剤〔前記した(イ)の化合物で、R1はH、 R3はC24、その他の置換基はCH3のもの。 構造比は(I):(II):(III)=55:5:40〕 1部
【0032】前記のトナー2.5部当りキャリアA9
7.5部を加え、これをボールミルで十分に撹拌・混合
して現像剤を作製した。このトナーの粉砕性は6kg/
hrであり、粉砕性の良いトナーであった。なお、この
値はあらかじめ平均粒径1mm以下に破砕されているト
ナーを、日本ニューマチック社製のIDS型粉砕機で一
定条件下に粉砕した時の単位時間当り処理量を示したも
のであり、フィード量3kg/hr以上の場合を一般に
粉砕性良好と評価している。以上に記載した方法で得ら
れた現像剤を使用し、図1の説明図に示されている複写
機によって複写テストを行った。本実施例では弾性転写
搬送ベルトにウレタンゴム製のベルトを使用したが、該
ベルトでは表面抵抗値の環境変動幅が18%もあり、そ
のために複写時の転写率も環境差によって若干変動し
た。
【0033】実施例2 母体トナー中のポリエステル樹脂にTg68℃のものを
使用した以外は実施例1と同様にして実施例2のトナー
を作製し、このトナーを実施例1と同一方法で処理して
本実施例の現像剤を得、これを使って複写テストを行っ
た。
【0034】比較例1 実施例1の母体トナーにおいて、バインダー樹脂組成を
ポリエステル樹脂35部、スチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体65部に変更し、これによってトナー軟化
点を88℃とした。以上のほかは実施例1と同様にして
比較例1のトナーを作製し、このトナーを実施例1と同
一方法で処理して本比較例の現像剤を得、これを使った
複写テストを行った。
【0035】比較例2 実施例1の帯電制御剤の代りに同重量のニグロシン系染
料を使用した以外は実施例1と同様にして比較例2のト
ナーを作製し、このトナーを実施例1と同一方法で処理
して本比較例の現像剤を得、これを使って複写テストを
行った。
【0036】実施例3 実施例1と同一の現像剤を使用して複写テストを行った
が、本実施例では複写機の転写ベルトにクロロプレンゴ
ム製のベルトを使用した。その結果、該ベルトでは環境
変動による表面抵抗値の変動幅が5%以内と極めて小さ
く、そのために複写率の環境変動はほとんど見られなか
った。
【0037】実施例4 実施例1の母体トナー組成において、カーボンブラック
添加量を20部から10部に減らしてトナーの体積固有
抵抗を8×109Ωから4×109Ωに変えた以外は、実
施例1と同様にして実施例4のトナーを作製した。この
トナーを実施例1と同一方法で処理して現像剤を得、こ
れを使って複写テストを行った。
【0038】実施例5 実施例1の母体トナーに含まれている離型剤の低分子量
ポリプロピレンを、酸価2の脱遊離脂肪酸型カルナウバ
ワックスに変えた以外は実施例1と同様にして実施例5
のトナーを作製した。このトナーを実施例1と同一方法
で処理して本実施例の現像剤を得、これを使って複写テ
ストを行った。
【0039】実施例6 実施例1の母体トナーにおいて、バインダー樹脂に使用
されるTg70℃のスチレン−メチルメタクリレート共
重合体を、Tg73℃でトルエン不溶分0%のスチレン
−メチルメタクリレート樹脂に変え、それ以外の点では
実施例1と同様にして実施例6のトナーを作製した。こ
のトナーは、製造時の粉砕性が実施例1のそれより1.
5倍も改良されており、具体的にはフィード量9kg/
hrであった。このトナーを実施例1と同一方法で処理
して本実施例の現像剤を得、これを使って複写テストを
行った。
【0040】実施例7 実施例6の母体トナーにおいて、スチレン−メチルメタ
クリレート共重合体の代りに該共重合体100部当りフ
タル酸ジイソノニル10部を含有する共重合体を使用
し、それ以外は実施例6と同様にして実施例7のトナー
を作製した。このトナーを実施例1と同一方法で処理し
て本実施例の現像剤を得、これを使って複写テストを行
った。
【0041】実施例8 実施例1のトナーで、流動性向上剤として添加される酸
化チタン0.5部の代りに、母体トナーの帯電量を増や
す酸化アルミニウム微粉末(アルミニウムオキサイド
C:日本エアロジル社製)0.3部と、母体トナーの帯
電量を減らす疎水性シリカ微粉末(H−2000:ヘキ
スト社製)0.2部に変え、それ以外は実施例1と同様
にして実施例8のトナーを作製した。このトナーを実施
例1と同一方法で処理して本実施例の現像剤を得、これ
を使って複写テストを行った。
【0042】実施例9 下記組成物を使用し、実施例1と同様にして実施例1と
同一粒径の母体トナーを作製した。この母体トナー10
0部に疎水性コロイダルシリカ0.4部を添加し、スピ
ードニーダーで十分に撹拌・混合して実施例9のトナー
を作製した。 (母体トナー形成用組成物) Tg68℃のポリエステル樹脂 70部 Tg67℃のスチレン−ブチルアクリレート共重合体 30部 (トルエン不溶分0%) 酸価4の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス 4部 カーボンブラック(#44:三菱化成工業社製) 11部 帯電制御剤〔前記した(イ)の化合物で、R1及びR7はH、 R3はC24、R8はC49、その他の置換基はCH3のもの。 構造比は(I):(II):(III)=55:4:41〕 1部 このトナーを実施例1と同一方法で処理して本実施例の
現像剤を得、これを使って複写テストを行った。
【0043】実施例10 実施例9の脱遊離脂肪酸型カルバウバワックスを酸価1
5の酸化ライスワックスに変え、それ以外は実施例9と
同様にして実施例10のトナーを作製した。このトナー
を実施例1と同一方法で処理して本実施例の現像剤を
得、これを使って複写テストを行った。
【0044】実施例11 実施例9の脱遊離脂肪酸型カルバウバワックスを酸価3
3の酸化ライスワックスに変え、それ以外は実施例9と
同様にして実施例10のトナーを作製した。このトナー
を実施例1と同一方法で処理して本実施例の現像液を
得、これを使って複写テストを行った。
【0045】実施例12 実施例9と同一の母体トナーを使用し、この母体トナー
100部当り疎水性シリカ微粉末(HVK−21:ワッ
カーケミカル社製)0.2部と酸化チタン微粉末(T−
805:日本エアロジル社製)0.3部を添加し、スピ
ードニーダーで十分に撹拌・混合して実施例12のトナ
ーを作製し。なお、ここで使用した疎水性シリカ微粉末
は母体トナーの帯電量を増加させる流動性向上剤で、酸
化チタン微粉末は母体トナーの帯電量を減少させる流動
性向上剤である。このトナーを実施例1と同一方法で処
理して本実施例の現像剤を得、これを使って複写テスト
を行った。
【0046】実施例13 下記組成物を使用し、実施例1と同一方法で作製した混
練物を粉砕・分級して粒径5〜20μmの母体トナーを
得た。この母体トナーを実施例9と同一方法で処理して
実施例13のトナーを作製し、これを実施例1と同一方
法で処理して本実施例の現像剤を得、これを使って複写
テストを行った。 (母体トナー形成用組成物) Tg73℃のポリエステル樹脂 80部 Tg69℃のスチレン−メチルアクリレート共重合体 20部 (トルエン不溶分0%) 酸価2の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス 6部 カーボンブラック(#44:三菱化成工業社製) 8部 帯電制御剤〔前記した(イ)の化合物で、R1はH、 R3はC24、R8はC25、その他の置換基はCH3のもの。 構造比は(I):(II):(III)=54:6:40〕 1部
【0047】実施例14 実施例13の母体トナーにおいて、スチレン−メチルア
クリレート共重合体の代りに該共重合体100部当りフ
タル酸ジオクチル7部を含有する共重合体を使用し、そ
れ以外は実施例13と同様にして実施例14のトナーを
作製した。このトナーを実施例1と同一方法で処理して
本実施例の現像剤を得、これを使って複写テストを行っ
た。
【0048】以上のようにして作製した実施例及び比較
例の現像剤は、いずれも図1の説明図に示した装置を使
って複写テストを行ったが、該複写機に使用した弾性転
写搬送ベルト材質は実施例によってウレタンゴムの場合
とクロロプレンゴムの場合がある。そこで、各実施例及
び比較例の弾性転写搬送ベルト材質及びその表面抵抗値
を表1に示すと共に、使用するトナーの物性値も表1に
記した。表1に記した弾性転写搬送ベルトの表面抵抗値
は、JIS K6911の方法に従ってリング電極を使
って測定したものである。また、トナーの体積固有抵抗
値は交流ブリッジ法で測定し、トナーの軟化温度は高架
式フローテスターを使用する昇温法で測定した。トナー
の粉砕性は実施例1で前記した方法で測定した。
【0049】
【表1】
【0050】トナー性能を知るため、前記した実施例及
び比較例の現像剤を使用して転写率、塩化ビニルシート
へのトナーの融着性、コールドオフセット及びホットオ
フセットの発生温度を測定し、表2に記載した。転写率
の測定は図1で説明される装置を使って行ったものであ
り、普通紙3000枚を連続的に使用するランニング試
験時に消費されたトナー量を、投入トナー量と転写殘の
回収トナー量の差から求めて転写率を算出した。なお、
コロナチャージを利用した転写システムによる複写機の
トナー転写率は小粒径トナー使用時ほど悪くなり、この
場合の平均的転写率は50〜70%程度である。塩化ビ
ニルシートへのトナーの融着性評価は、転写率測定で得
られたコピー画像をプラス社製のプラス塩ビマットに挾
み、50℃で24時間保存した結果を目視で検査して行
った。評価結果はランク1を最低としランク5を最高と
しており、ランク5では前記試験で塩ビマットとコピー
画像は全く付着しない。オフセット発生温度の測定は、
テフロンローラーを定着ローラーとする改造複写機(リ
コー製普通紙複写機FT7030を改造したもの)を使
用し、これにリコー製タイプ6200紙をセットして複
写テストを行い、定着温度を変えてコールドオフセット
発生温度及びホットオフセット発生温度を求めた。
【0051】
【表2】
【0052】表1、2の結果から、実施例のトナー使用
時は比較例能トナー使用時より転写率が高いことが明ら
かである。この傾向は、トナーの体積固有抵抗値及び転
写ベルトの表面抵抗値が高められている実施例9〜14
で顕著である。オフセット発生温度の点でも実施例のト
ナー使用時は比較例のトナー使用時より優れており、実
施例のトナーを使用することによってコールドオフセッ
ト発生温度は低下し、ホットオフセット発生温度は上昇
することが認められる。塩ビ付着性の点でも実施例のト
ナーは比較例のそれより優れているが、塩化ビニル樹脂
との付着性を充分に低くするためには、バインダー樹脂
にフタル酸エステル系可塑剤を添加するのが良いことが
明らかである(実施例7及び14のトナーは該可塑剤が
添加されている)。
【0053】
【発明の効果】本発明のトナーは、前記(イ)で示され
る高分子量の第4級アンモニウム塩を帯電制御剤とし、
かつポリエステル樹脂を50重量%以上含有する樹脂を
バインダー樹脂とし、軟化温度85℃以下の低温定着用
トナーとしたことにより、正帯電性が向上し、高品質で
転写性の良い複写画像が与えられる。また、弾性転写搬
送ベルトの表面抵抗を1×109Ω〜1×1012Ωの範
囲とした画像形成装置を使用し、前記トナーによって複
写した場合は高品質で転写性の良い複写画像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に使用される装置の一例
を示す説明図である。
【符号の説明】
A 転写紙 1 レジストローラー 2 感光体ドラム 3 従動ローラー 4 (ベルトユニット)押し上げレバー 5 (転写)バイアスローラー 6 ドラム分離爪 7 接触板 8 弾性転写搬送ベルト 9 駆動ローラー 10 ベルトユニット 11 ベルトクリーニングブレード 12 トナー回収コイル 13 トナー受け 14 定着ローラー 15 転写前除電ランプ(PTL)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 351 (72)発明者 青木 三夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機光半導体上の一部が2本の金属ロー
    ラーを介した弾性転写搬送ベルトと接し、該弾性転写搬
    送ベルト上にトナーと逆極性の電荷を印加して、光半導
    体上のトナー像を弾性転写搬送ベルト上の転写紙に転写
    するシステムを設けた画像形成方式に用いるトナーであ
    って、該トナーがポリエステル樹脂を50重量%以上含
    有するバインダー樹脂と着色剤を主成分とした軟化温度
    85℃以下の低温定着用トナーであり、且つ帯電制御剤
    として下記(イ)で示される化合物を含有していること
    を特徴とする画像形成用トナー。 (イ)下記構造式(I)、(II)及び(III)で示される
    構造単位を持ち、(I)で示される繰り返し単位が9
    8.5〜63.0重量%、(II)で示される繰り返し単
    位が2.0〜0.5重量%、(III)で示される繰り返し
    単位が35.0〜1.0重量%の範囲にある第4級アン
    モニウム塩共重合体化合物 【化1】
  2. 【請求項2】 有機光半導体上の一部が2本の金属ロー
    ラーを介した弾性転写搬送ベルトと接し、該弾性転写搬
    送ベルト上にトナーと逆極性の電荷を印加して、光半導
    体上のトナー像を弾性転写搬送ベルト上の転写紙に転写
    するシステムを設けた画像形成方式において、該トナー
    に請求項1のトナーを使用すると共に、該弾性転写搬送
    ベルトとして表面抵抗が1×109Ω〜1×1012Ωの
    ベルトを使用することを特徴とする画像形成方法。
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