JPH0784054A - 放射線検出器および放射線測定装置 - Google Patents

放射線検出器および放射線測定装置

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JPH0784054A
JPH0784054A JP22990793A JP22990793A JPH0784054A JP H0784054 A JPH0784054 A JP H0784054A JP 22990793 A JP22990793 A JP 22990793A JP 22990793 A JP22990793 A JP 22990793A JP H0784054 A JPH0784054 A JP H0784054A
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radiation
rays
ray
light
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JP22990793A
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English (en)
Inventor
Motohiko Shirasaki
元彦 白崎
Takashi Sugiyama
隆 杉山
Yoshio Kita
好夫 北
Makoto Watanabe
渡辺  誠
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】α線の測定エネルギー領域がβ線の測定エネル
ギー領域よりも非常に高い場合であってもα線及びβ線
を同時に測定可能にすることを目的とする。 【構成】第1の放射線および第2の放射線の入射に対し
て波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータ1
1,12と、各波長の光をそれぞれ電気的なパルス信号
に変換する光電変換手段13,14とを備えた放射線検
出器において、光電変換手段13,14へ入射する光の
うち第1の放射線に対応した光の入射光量を減少させる
減光手段15,17を具備する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α線,β線等の種類の
異なる複数種類の放射線を同時に検出または測定する放
射線検出器及び放射線測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、α線/β線の双方を同時に測
定可能な放射線測定装置がある。この種の放射線測定装
置は、α線/β線の各々に対して発光する2種類のシン
チレータを持ち、そのシンチレータで発光した光を後段
のフォトマル(光電子増倍管)とプリアンプにより電圧
パルスに変換する。そしてフォトマルから出力される電
圧パルスをリニアアンプに入力し、リニアアンプ出力の
立上がり時間を時間波高変換装置で波高値に変換し、そ
の各波高値毎のパルス数をカウントしてα線およびβ線
の双方を同時に測定する。
【0003】かかる放射線測定装置の構成例を図6及び
図7に示している。図6は放射線測定装置の検出器部分
を示し、図7は放射線測定装置の測定系部分を示してい
る。検出器部分は、α線の入射により発光するシンチレ
ータ1、β線の入射により発光するシンチレータ2、フ
ォトマル光電面3を有するフォトマル4,フォトマル4
の出力を増幅するプリアンプ5から構成されている。
【0004】測定系部分は、図6に示す検出器に電源を
供給する高圧電源6、プリアンプ5から出力される出力
パルスを増幅および波形成形するリニアアンプ7、リニ
アアンプ7の出力パルスの立上がり時間を波高値に変換
する時間波高変換装置8、各波高値毎に出力パルス数を
計数するマルチチャネルアナライザ9から構成されてい
る。
【0005】以上のように構成された放射線測定装置に
おいて、α線検出用のシンチレータ1としてZnS(A
g)、β線検出用のシンチレータ2としてプラスチック
シンチレータを選択し、リニアアンプなどの設定によ
り、α線検出の光に対応してリニアアンプ7の出力端子
に現れる電圧パルスの立上がり時間をおよそ2μse
c,β線検出の光に対応した電圧パルスの立上がり時間
をおよそ1μsecとすることができる。従って、時間
波高変換装置8は、検出器出力パルスの立上がり時間に
基づいて、α線に対応した出力パルスとβ線に対応した
出力パルスとを弁別することができる。なお、α線およ
びβ線の立上がり時間はリニアアンプの設定などにより
異なる。
【0006】また、上述した放射線測定装置では、図5
に示すように、フォトマル光電面の分光感度が上に凸な
放物線状の特性曲線L1を描き、かつ、特性曲線L1の
頂点付近に発光波長が来る用にシンチレータ1,2およ
びフォトマル光電面3を選択する。λ(α1)はシンチ
レータ1の発光波長、λ(β1)はシンチレータ2の発
光波長である。
【0007】このように、フォトマル光電面の分光感度
特性と各シンチレータの発光波長とを設定することによ
り、α線およびβ線を感度特性の良い波長域を使って測
定できるので、効率の良い測定が可能となる。
【0008】ところで、α線の測定エネルギー領域がβ
線の測定エネルギー領域よりも非常に高い場合、シンチ
レーションでのα線の発光量はβ線の発光量よりも非常
に大きいため、α線のシンチレーションに対応した検出
器出力パルスの波高値が、β線のシンチレーションに対
応した検出器出力パルスの波高値に比べ非常に大きくな
る。
【0009】ところが、α線,β線の測定エネルギー領
域が上記関係にある場合、α線側の検出器出力パルス波
高値に応じて高圧電源出力やリニアアンプゲインを最適
化すると、α線およびβ線のリニアアンプ出力波形が図
8に示すような状態となる。一方、β線側で高圧電源出
力やリニアアンプゲインを最適化すると、α線およびβ
線のリニアアンプ出力波形が図9に示すような状態とな
る。
【0010】すなわち、α線側で最適化した場合には、
高圧電源出力やリニアアンプゲインを大幅に下げる方向
に調節することとなるので、α線に比べ大幅に波高値の
小さかったβ線の検出器出力パルスがさらに小さくされ
る。その結果、β線の検出器出力パルスが時間波高変換
装置8にノイズ除去等のために設定されている下限側デ
ィスクリレベルを下回りβ線を測定できない状態とな
る。
【0011】逆に、β線側で最適化した場合には、高圧
電源出力やリニアアンプゲインを大幅に上げる方向に調
節することとなるので、β線に比べ大幅に波高値の大き
いα線の検出器出力パルスがさらに大きくされる。その
結果、時間波高変換装置8に立上がり時間の判らない飽
和波形をカットするために設けられている上限側ディス
クリレベルを越えるためにα線の測定が不能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、α線およ
びβ線を同時に測定する放射線測定装置は、α線の測定
エネルギー領域がβ線の測定エネルギー領域よりも非常
に高い場合には、高圧電源出力やリニアアンプゲインを
いずれかの種類の放射線の検出器出力パルスに対応して
最適化すると、最適化されなかった他の種類の放射線の
測定が困難になるという問題がある。
【0013】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたもので、α線の測定エネルギー領域がβ線の測定エ
ネルギー領域よりも非常に高い場合であっても、α線お
よびβ線を同時に測定することのできる放射線検出器お
よび放射線測定装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、次のような手段を講じた。請求項1に対応
する放射線検出器は、種類の異なる第1の放射線および
第2の放射線の入射に対して波長の異なる光を発生する
2種類のシンチレータからなるシンチレーション手段
と、前記シンチレーション手段で生成された各波長の光
をそれぞれ電気的なパルス信号に変換する光電変換手段
と、前記光電変換手段に入射する光のうち前記第1の放
射線に対応した光の入射光量を減少させる減光手段とを
具備する構成とした。
【0015】請求項2に対応する放射線検出器は、種類
の異なる第1の放射線および第2の放射線の入射に対し
て波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータから
なるシンチレーション手段と、前記シンチレーション手
段で生成された各波長の光を分光感度特性に応じてそれ
ぞれ電気的なパルス信号に変換する光電変換手段とを具
備し、前記光電変換手段の分光感度特性を、前記シンチ
レータでの発光量の多い第1の放射線による発光波長に
対する感度が前記シンチレータでの発光量が相対的に少
ない第2の放射線による発光波長に対する感度に対して
相対的に低くなるように設定した。
【0016】請求項3に対応する放射線測定装置は、種
類の異なる第1の放射線および第2の放射線の入射に対
して波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータか
らなるシンチレーション手段と、前記シンチレーション
手段で生成された各波長の光をそれぞれ電気的なパルス
信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の出
力段に対して並列に接続された第1および第2の測定系
統と、前記第1の測定系統に設けられ前記光電変換手段
からのパルス信号の立上り時間から前記第1の放射線の
パルス信号のみを通過させる第1のバンドパスフィルタ
ーと、前記第1のバンドパスフィルターを通過したパル
ス信号をカウントする第1のカウンタと、前記第2の測
定系統に設けられ前記光電変換手段からのパルス信号の
立上り時間から前記第2の放射線のパルス信号のみを通
過させる第2のバンドパスフィルターと、前記第2のバ
ンドパスフィルターを通過したパルス信号をカウントす
る第2のカウンタとを具備する構成とした。
【0017】
【作用】本発明は、以上のような手段を講じたことによ
り、次のような作用を奏することができる。請求項1に
対応する放射線検出器では、第1の放射線および第2の
放射線がそれぞれ対応するシンチレータにより発光し、
その各放射線に対応した光が光電変換手段へ入射する。
このとき、光電変換手段へ入射する光のうち第1の放射
線に対応した光は減光手段により減光されるため、光電
変換手段への入射光量が減少する。
【0018】従って、第1の放射線をα線とし、第2の
放射線をβ線とし、かつ、α線の測定エネルギー領域が
β線の測定エネルギー領域よりも非常に高いとすれば、
α線のシンチレーションによる光の光量が減光手段によ
り減少しているため、α線側に合わせて後段の測定系の
高圧電源出力,リニアアンプゲインを最適化したとして
も、β線に対応した検出器出力パルスの波高値が測定系
の下限側ディスクリレベルを下回らなくなる。また、β
線側に合わせて後段の測定系の高圧電源出力,リニアア
ンプゲインを最適化したとしても、α線に対応した検出
器出力パルスの波高値が測定系の上限側ディスクリレベ
ルを上回ることがなくなる。
【0019】請求項2に対応する放射線検出器では、第
1の放射線および第2の放射線がそれぞれ対応するシン
チレータにより発光し、その各放射線に対応した光が光
電変換手段へ入射する。光電変換手段は第1の放射線に
よる発光波長に対する感度よりも第2の放射線の発光波
長に対する感度のほうが相対的に高い分光感度特性とな
っている。すなわち、シンチレータでの発光量が相対的
に少ない第2の放射線に対応した発光波長に対して第1
の放射線よりも光から電子への変換効率が高くってい
る。
【0020】従って、第1の放射線をα線とし、第2の
放射線をβ線とすれば、α線とβ線との光電子数の差が
従来に比べて小さくなり、両者の検出器出力パルスの波
高値の差も縮小する。よって、上記同様、α線の測定エ
ネルギー領域がβ線の測定エネルギー領域よりも非常に
高い場合であっても、双方を良好に同時に測定できるも
のとなる。
【0021】請求項3に対応する放射線測定装置では、
第1,第2の放射線のシンチレーションによって光電変
換手段から出力されるパルス信号が、第1,第2の測定
系統にそれぞれ入力する。そして第1の測定系統では第
1の放射線のパルス信号のみが第1のバンドパスフィル
タを通過し、その通過したパルス数が第1のカウンタで
計数される。一方、第2の測定系統では第2の放射線の
パルス信号のみが第2のバンドパスフィルタを通過し、
その通過したパルス数が第2のカウンタで計数される。
【0022】従って、リニアアンプを用いることなく第
1の放射線および第2の放射線のパルス数を別々にカウ
ントできるので、α線の測定エネルギー領域がβ線の測
定エネルギー領域よりも非常に高い場合であっても、リ
ニアアンプのゲイン調整を行って増幅等しないため、第
1,第2の放射線を同時に測定できるものとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の第1実施例に係る放射線検出器の構成を
示している。本実施例の放射線検出器は、α線を検出す
るシンチレータ11とβ線を検出するシンチレータ12
とを面接合してシンチレーション手段を構成し、シンチ
レータ11を放射線入射側に配置している。各シンチレ
ータ11,12で発光した光はフォトマル13のフォト
マル光電面14に入射している。放射線の入射側に対す
る反対側に配置されたシンチレータ12とフォトマル光
電面14との間に、減光手段を構成する光学フィルタ1
5を配置している。
【0024】この光学フィルタ15は、α線の入射によ
って発光するシンチレータ11の発光波長λ(α1)に
対して高い吸収率を持ち、かつβ線の入射によって発光
するシンチレータ12の発光波長λ(β1)に対して高
い透過率を持つ波長選択特性を有している。発光波長λ
(α1)に対する吸収率と、発光波長λ(β1)に対す
る透過率とは、α線検出に対応してフォトマル光電面1
4に入射する光量とβ線検出に対応してフォトマル光電
面14に入射する光量とを同程度とし得るように設定す
る。
【0025】なお、光学フィルタ15の光学的特性を上
記特性とするのは、α線の測定エネルギー領域がβ線の
測定エネルギー領域よりも非常に高い場合に限る。フォ
トマル光電面14で光電変換し、フォトマル13で所定
レベルまで増幅したパルス信号はプリアンプ16へ出力
する。プリアンプ16は、フォトマル13からのパルス
信号を所定レベルの電圧パルス信号に変換し検出器出力
パルスとして出力する。
【0026】以上のように構成された本実施例の動作に
ついて説明する。本実施例ではα線の測定エネルギー領
域がβ線の測定エネルギー領域よりも非常に高いことが
前提となっているため、α線およびβ線がシンチレーシ
ョン手段に入射すると、シンチレーションでのα線の発
光量がβ線の発光量よりも非常に大きくなる。
【0027】α線がシンチレータ11に入射することに
よりシンチレータ11で発光した光は、シンチレータ1
2を透過して光学フィルタ15に入射する。光学フィル
タ15は、シンチレータ11による発光波長に対して高
い吸収率を持つため、α線による光は光学フィルタ15
を通過する際にその多くが吸収され、フォトマル光電面
14には大幅に減光された光が入射する。
【0028】また、β線がシンチレータ12に入射する
ことによりシンチレータ12で発せられた光は、光学フ
ィルタ15がシンチレータ12による発光波長に対して
高い透過率を持つため、光学フィルタ15でほとんど減
光されることなくフォトマル光電面14に入射する。
【0029】その結果、α線およびβ線がシンチレータ
11,12に入射したときに発生した光は、α線の発光
量がβ線の発光量よりも非常に大きかったにもかかわら
ず、フォトマル光電面14に入射するときには両者の光
量は同程度になっている。
【0030】以上のようにしてα線およびβ線のフォト
マル光電面14への入射光量が同程度に調整されるた
め、α線およびβ線の各入射光にそれぞれ対応してプリ
アンプ16から出力される検出器出力パルスは同レベル
の波高値となる。
【0031】このように本実施例によれば、シンチレー
ション手段のシンチレータ12とフォトマル13のフォ
トマル光電面14との間に、α線およびβ線のフォトマ
ル光電面14への入射光量を別々に調整する光学フィル
タ15を配置したので、プリアンプ16から出力される
α線およびβ線の各検出器出力パルスの波高値を同レベ
ルにすることができる。
【0032】従って、本実施例の放射線検出器を前述し
た図7に示す放射線測定装置に適用すれば、リニアアン
プ7へ入力する検出器出力パルスの波高値がα線とβ線
とでほぼ差異がなくなる。よって、α線またはβ線のい
ずれの放射線の検出器出力パルス波高値に対応して高圧
電源出力,リニアアンプゲインを最適化しても双方の放
射線に対して最適化されるものとなり、α線およびβ線
を双方にとり最適な測定状態で同時に測定できる。
【0033】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図2は、本実施例に係る放射線検出器の構成を示し
ている。本実施例は、前述した第1実施例におけるシン
チレーション手段に相当する部分を変更した例であり、
その他の部分は第1実施例と同様である。
【0034】本実施例の放射線検出器は、α線を検出す
るシンチレータ11′とβ線を検出するシンチレータ1
2′とを面接合し、その接合面に減光手段としての金属
膜17を形成している。この金属膜17は、Au,Al
等を蒸着することにより形成され、シンチレータ11′
で発した光の一部を反射するように機能する。金属膜1
7の反射率は、金属膜17を通過した光量とシンチレー
タ12′で発光する光量とが同程度となるように、金属
膜17の膜厚等により調整する。
【0035】フォトマル13,プリアンプ16等は第1
実施例と同じ構成である。以上のように構成された本実
施例において、シンチレーション手段にα線,β線が入
射すると、シンチレータ11′がα線により、またシン
チレータ12′がβ線によりそれぞれ発光する。
【0036】ここで、α線の測定エネルギー領域がβ線
の測定エネルギー領域よりも非常に高ければ、シンチレ
ーションでのα線の発光量がβ線の発光量よりも非常に
大きくなる。
【0037】α線の入射によりシンチレータ11′で発
生した光がフォトマル光電面14に至るまでの経路に上
記反射率に調整された金属膜17が形成されているた
め、シンチレータ11′で発生した光の一部は金属膜1
7で反射される。そのため、シンチレータ11′で発生
した光の一部のみが金属膜17,シンチレータ12′を
透過してフォトマル光電面14に入射する。
【0038】またβ線の入射によりシンチレータ12′
で発生した光は、金属膜17を通過することなく、直接
にフォトマル光電面14に至るため、大きな減光作用を
受けることなくフォトマル光電面14に入射する。
【0039】従って、シンチレータ11′で発生した光
が金属膜17を通過した後の光量と、シンチレータ1
2′で発光する光の光量とが同程度となるように金属膜
17の反射率を調整しているため、フォトマル光電面1
4に入射するα線およびβ線の各光量と同程度となる。
【0040】このように本実施例によれば、シンチレー
タ11′とシンチレータ12′との接合面に、上記した
反射率に調整した金属膜17を形成したので、フォトマ
ル光電面14に入射するα線およびβ線の各光量と同程
度とすることができる。その結果、プリアンプ16から
出力する検出器出力パルスのα線およびβ線の各波高値
を同レベルとすることができる。
【0041】従って、本実施例の放射線検出器を前述し
た図7に示す放射線測定装置に適用すれば、α線の測定
エネルギー領域がβ線の測定エネルギー領域よりも非常
に高い場合にも、α線およびβ線を双方にとり最適な測
定状態で同時に測定できる利点がある。
【0042】なお、第1実施例と第2実施例を組み合わ
せて、第1実施例に示した光学フィルタ15と第2実施
例に示した金属膜17とを同時に備えた放射線検出器を
構成することもできる。この場合は、光学フィルタ15
と金属膜17の双方の作用を併せて上記した減光手段を
構成するようにする。
【0043】また、フォトマル光電面14に入射するα
線およびβ線の各光量は必ずしも同程度とする必要はな
く、α線およびβ線の各検出器出力に不具合を生じるこ
となく、高圧電源出力,リニアアンプゲインの調整がで
きる程度に両者の差が縮小できれば良い。
【0044】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。本実施例に係る放射線検出器は、図6に示す検出器
と同様に、α線およびβ線の入射により発光する2種類
のシンチレータ1,2、フォトマル光電面3′を有する
フォトマル4,フォトマル4の出力を増幅するプリアン
プ5等から構成されている。
【0045】本実施例は、α線による発光波長λ(α
2)に対しては感度が低く、β線による発光波長λ(β
2)に対しては感度が高くなる図5の特性曲線L2に示
すような光電面分光特性を有するフォトマル光電面3′
と、α線及びβ線の入射に対して発光波長λ(α2),
λ(β2)の光を発する2種類のシンチレータ1,2と
を組み合わせている。
【0046】以上のように構成された本実施例において
は、フォトマル光電面3′における光/電子変換効率
が、シンチレータ1でα線によって発生した光よりもシ
ンチレータ2でβ線により発生した光のほうが高くなっ
ている。従って、α線のエネルギーがβ線よりも非常に
高い場合であっても、フォトマル4の初段での光電子の
数はα線とβ線とで従来ほどの差はなくなる。場合によ
っては、β線による光電子の数のほうがα線よりも多く
なる。
【0047】この様にしてα線とβ線との間の光電子数
が調整され、その調整された光電子数に対応してプリア
ンプからα線,β線のそれぞれに対応した検出器出力パ
ルスが出力される。
【0048】このような本実施例によれば、α線による
発光波長λ(α2)に対しては感度が低く、β線による
発光波長λ(β2)に対しては感度が高くなる光電面分
光特性を有するフォトマル光電面3′と、α線及びβ線
の入射に対してそのような発光波長λ(α2),λ(β
2)の光を発するシンチレータ1,2とを組み合わせた
ことにより、前述した第1,第2の実施例と同等の効果
を奏することができ、しかも光学フィルタ,金属膜を設
ける必要がないという利点がある。
【0049】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。図3は、第4実施例に係る放射線測定装置の構成を
示している。本実施例の放射線測定装置は、前述した図
6に示す放射線検出器20の出力段(プリアンプ5の出
力端子)に、リニアアアンプ27と第1のバンドパスフ
ィルター(第1BPF)21とα線用カウンタ22とか
らなる第1測定系統と、リニアアンプ28と第2のバン
ドパスフィルター(第2BPF)23とβ線用カウンタ
24とからなる第2測定系統とが並列に接続されてい
る。また放射線検出器20の各構成要素の所定要素には
高圧電源25から高圧電源が供給され、他の要素には電
源26から通常の電源が供給されるようになっている。
【0050】ここで第1BPF21および第2BPF2
3の周波数特性について説明する。前述したように、放
射線検出器20から出力される検出器出力パルスは、検
出器出力パルスの立上り開始からピークに達するまでの
時間(立上り時間)が、α線とβ線とで異なっている。
この立上がり時間はシンチレータの種類により決定され
る。従来の技術の欄で説明した時間波高変換装置はこの
立上り時間を波高値に変換している。
【0051】一般のBPFは入力周波数が設定された通
過帯域内の場合に入力信号を通過させるように動作す
る。本実施例は、検出器出力パルスの立上り時間をBP
Fの入力周波数とみなし、α線に対応した検出器出力パ
ルスの立上り時間を含む所定時間幅T1を第1BPF2
1の通過帯域F1とし、β線に対応した検出器出力パル
スの立上り時間を含む所定時間幅T2を第2BPF23
の通過帯域F2としている。
【0052】すなわち、各BPF21,23の入力パル
ス周波数に検出器出力パルスの立上り時間を対応させ
て、α線の検出器出力パルスを通過させるBPF21に
は、図4(a)に示すように、α線の検出器出力パルス
の立上がり時間T1に対応した周波数帯域F1に通過帯
域を設定する。またβ線の検出器出力パルスを通過させ
るBPF23には、図4(b)に示すように、β線の検
出器出力パルスの立上がり時間T2に対応した周波数帯
域F2に通過帯域を設定する。
【0053】なお、第1,第2のBPF21,23の周
波数特性は任意に設定可能であり、対象とする放射線の
種類等に応じて再設定できる。以上のように構成された
本実施例では、放射線検出器20のシンチレーション手
段にα線,β線が入射すると、放射線の種類に応じた立
上がり時間の検出器出力パルスが第1測定系統及び第2
測定系統にそれぞれ入力する。
【0054】第1測定系統では、検出器出力パルスの立
上り時間が周波数帯域F1内の所定周波数に対応する時
間であれば、当該検出器出力パルスを通過させてα線用
カウンタ22へ入力する。また検出器出力パルスの立上
り時間が周波数帯域F1外の周波数に対応していれば、
当該検出器出力パルスの通過を阻止する。
【0055】第2測定系統においても同様に図4(b)
に示す周波数特性に基づいて検出器出力パルスの立上り
時間が周波数帯域F2に対応しているかいな判断する。
そして周波数帯域F2内に入っていれば当該検出器出力
パルスを通過させてβ線用カウンタ24へ入力する。ま
た周波数帯域F2外であれば当該検出器出力パルスの通
過を阻止する。
【0056】その結果、α線用カウンタ22ではα線に
対応した検出器出力パルスのみがカウントされ、β線用
カウンタ24ではβ線に対応した検出器出力パルスのみ
がカウントされる。
【0057】このように本実施例によれば、放射線検出
器20の検出器出力パルスを第1測定系統及び第2測定
系統に並列に取り込み、各測定系統で対応する種類の放
射線の検出器出力パルスを測定するようにしたので、各
測定系統毎に独立して測定ゲイン等の調整を行うことが
できる。よって、α線の測定エネルギー領域がβ線の測
定エネルギー領域よりも非常に高い場合にも、α線およ
びβ線を双方にとり最適な測定状態で同時に測定でき
る。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能であ
る。
【0058】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、α
線の測定エネルギー領域がβ線の測定エネルギー領域よ
りも非常に高い場合であっても、α線およびβ線を同時
に測定することのできる放射線検出器および放射線測定
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る放射線検出器の構成
図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る放射線検出器の構成
図である。
【図3】本発明の第4実施例に係る放射線検出器の構成
図である。
【図4】図3に示す第4実施例に備えたバンドパスフィ
ルターの周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る放射線検出器および
従来の放射線検出器のそれぞれの光電面分光特性と発光
波長との関係を示す図である。
【図6】従来の放射線測定装置の検出器部分の構成図で
ある。
【図7】従来の放射線測定装置の測定系部分の構成図で
ある。
【図8】α線の出力パルスを調整したことによりβ線の
出力パルスが下限側ディスクリレベルを下回った状態を
示す図である。
【図9】β線の出力パルスを調整したことによりα線の
出力パルスが上限側ディスクリレベルを越えた状態を示
す図である。
【符号の説明】
11,12…シンチレータ、13…フォトマル、3′,
14…フォトマル光電面、15…光学フィルター、16
…プリアンプ、17…金属膜、21…第1BPF、23
…第2BPF、22…α線用カウンタ、24…β線用カ
ウンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種類の異なる少なくとも2種類の放射線
    を検出する放射線検出器において、 種類の異なる第1の放射線および第2の放射線の入射に
    対して波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータ
    からなるシンチレーション手段と、前記シンチレーショ
    ン手段で生成された各波長の光をそれぞれ電気的なパル
    ス信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段へ
    入射する光のうち前記第1の放射線に対応した光の入射
    光量を減少させる減光手段とを具備したことを特徴とす
    る放射線検出器。
  2. 【請求項2】 種類の異なる少なくとも2種類の放射線
    を検出する放射線検出器において、 種類の異なる第1の放射線および第2の放射線の入射に
    対して波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータ
    からなるシンチレーション手段と、前記シンチレーショ
    ン手段で生成された各波長の光を分光感度特性に応じて
    それぞれ電気的なパルス信号に変換する光電変換手段と
    を具備し、前記光電変換手段の分光感度特性を、前記シ
    ンチレータでの発光量の多い第1の放射線による発光波
    長に対する感度が前記シンチレータでの発光量が相対的
    に少ない第2の放射線による発光波長に対する感度に対
    して相対的に低くなるように設定したことを特徴とする
    放射線検出器。
  3. 【請求項3】 種類の異なる少なくとも2種類の放射線
    を測定する放射線測定装置において、 種類の異なる第1の放射線および第2の放射線の入射に
    対して波長の異なる光を発生する2種類のシンチレータ
    からなるシンチレーション手段と、前記シンチレーショ
    ン手段で生成された各波長の光をそれぞれ電気的なパル
    ス信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の
    出力段に対して並列に接続された第1および第2の測定
    系統と、前記第1の測定系統に設けられ前記光電変換手
    段からのパルス信号の立上り時間に基づいて前記第1の
    放射線のパルス信号のみを通過させる第1のバンドパス
    フィルターと、前記第1のバンドパスフィルターを通過
    したパルス信号をカウントする第1のカウンタと、前記
    第2の測定系統に設けられ前記光電変換手段からのパル
    ス信号の立上り時間に基づいて前記第2の放射線のパル
    ス信号のみを通過させる第2のバンドパスフィルター
    と、前記第2のバンドパスフィルターを通過したパルス
    信号をカウントする第2のカウンタとを具備したことを
    特徴とする放射線測定装置。
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