JPH0783824A - 減衰全反射による解析方法及びその装置 - Google Patents

減衰全反射による解析方法及びその装置

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JPH0783824A
JPH0783824A JP25004493A JP25004493A JPH0783824A JP H0783824 A JPH0783824 A JP H0783824A JP 25004493 A JP25004493 A JP 25004493A JP 25004493 A JP25004493 A JP 25004493A JP H0783824 A JPH0783824 A JP H0783824A
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JP
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substrate
prism
thin film
total reflection
layer
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JP25004493A
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English (en)
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Fusaaki Endou
惣銘 遠藤
Hiroshi Iwasaki
洋 岩崎
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基体12の一主面上に薄膜11を設けてなる積層
体について減衰全反射法によって解析を行うに際して、
前記薄膜11の側にてこの薄膜上に前記基体12よりも屈折
率の高いプリズム23を配し、このプリズム23から前記基
体12側に入射させた光14を全反射させるようにした、減
衰全反射による解析方法。 【効果】 薄膜/基体の界面の状態(透明境界膜の厚さ
の変化等)を正確に検出すると共に、薄膜の厚み方向
(初期堆積層/金属層/腐食層の積層状態等)の状態の
解析を可能にし、薄膜の光学定数の決定等の解析をより
正確に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰全反射(Attenua
ted Total Reflection :以下、ATRと称する。)
による解析方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ATR法は、例えば日本物理学会
誌 Vol. 43, No. 11, 1988, 第 863〜868頁に開示され
ているように、減衰全反射の現象を利用して薄膜の屈折
率、減衰係数(光吸収)、膜厚等の光学定数の評価を行
うための解析技術として知られている。
【0003】このATRによる評価は、同じ目的で広く
用いられている偏光解析と比較すると、偏光解析が透明
薄膜や吸収バルク材に適性があるのに対し、ATRは被
評価薄膜が金属のように光吸収をもつ薄膜である場合に
好適である。
【0004】このATRによる評価は、屈折率の高い媒
質Aから屈折率の小さい媒質Bに入射する光が、或る入
射角(即ち、両媒質の屈折率によって決まる全反射臨界
角)を超えるときに生じる全反射の現象を利用するもの
である。このとき、両媒質A及びBの界面に光を吸収す
る物質の薄膜、例えば金属薄膜が存在すると、媒質Bか
ら滲み出した光がこの薄膜で吸収され、反射される光パ
ワーが減少する。
【0005】このATRの現象は、共鳴的な性格を持っ
ている。これは、最も効果的に光パワーを吸収できるモ
ードが金属薄膜表面のプラズマ振動(電気分極の波動)
であり、これが媒質の光学定数で決まる固有の分散関係
(角周波数ωと波数kの金属薄膜の面方向成分kH とが
満たす一定の関係)を持っていることにより、滲み出し
光が、これと同じω、kH を持つときに限って高い効率
で表面プラズモンへとエネルギーが移動し、反射率が激
減する。
【0006】このATR薄膜評価方法は、例えば図17に
その一例の基本的構成を示すように、屈折率nP のプリ
ズム1の、被評価金属薄膜2(例えば、Ag蒸着膜)が
被着形成された底面に対して入射光3(例えば角周波数
ωl のレーザ光)を所要の見掛けの入射角(プリズムに
入射する光の、プリズム底面に対する法線とのなす角を
見掛けの入射角と称することにする)θi をもって照射
することによって行われる。
【0007】図18は、この場合の表面プラズモンの分散
関係を示す図である。
【0008】こうしたATR薄膜評価方法は、入射光の
周波数ωL は固定するものであるが、光の入射角θi
変えることによって、下記の式1によって周波数kH
選定して、図18の分散曲線上の点Pを得ることができ
る。
【0009】 kH =ωL P sinθi /c・・・(1) (cは光速を示す。)
【0010】図19は、光の入射角θi に対する反射率の
変化を示し、破線曲線は、プリズムのみの場合、実線曲
線はAg薄膜がある場合である。プリズムのみの場合
は、θi >θc で全反射が、Ag薄膜(即ち金属薄膜)
が存在する場合は、図18の点Pの分散関係によるATR
による沈み込み=ディップAが生じる(θc は全反射臨
界角)。
【0011】このような反射率の角度依存性は、媒質の
光学定数(屈折率n、消衰係数k)、金属薄膜の厚さd
を仮定して計算することによって求めることができるの
で、計算結果が実測を再現するようにしてn、k、dの
3者全てを同時に推定できるのである。
【0012】因に、良く用いられる、入射角固定、単一
波長の偏光解析装置では、kに文献値を仮定してnとd
を求めるとか、膜厚を別法で定めた上でn、kを求める
というように、2者の推定しかできないものであり、こ
こにATR薄膜評価方法の大きな利点が存在する。
【0013】ところで、上述したATR薄膜評価方法で
は、上述したことから明らかなように、全反射臨界角θ
c を超えるような方向に光を導入する必要があり、特殊
な光カップリングが必要となる。
【0014】ATR薄膜評価方法において、その薄膜解
析で一般に用いられている代表的方法としては、クレッ
チマン法とオットー法とがある。
【0015】クレッチマン法は、図17で説明したよう
に、プリズムに直接薄膜を被着する方法であり、この場
合、被評価薄膜を蒸着あるいはスパッタリングで形成す
る点での制約があって汎用性に欠け、また高価なプリズ
ム上にこの物質を被着することは経済的ではないなどの
問題がある。
【0016】また、オットー法は、図20に示すように、
プリズム1と被評価薄膜2とが別体構成とされ、両者間
に空隙gが存在する配置をとるもので、この場合には物
質の制約が改善されるものの、その空隙gの厚さの再現
性に問題があり、この空隙gの厚さをそろえるために、
被評価薄膜上にさらに別種のスペーサ薄膜を蒸着した
り、これら薄膜をプリズムに一定の圧力をもって押圧す
るための治具を必要とするなどの問題がある。
【0017】
【発明に至る経過】こうした問題を解消すべく、本出願
人は次の如き方法を特願平5−72245号等において
既に提案した。即ち、この方法(以下、先願発明と称す
る。)は、「被評価薄膜が形成された光透過性基板の、
上記被評価薄膜が形成された側とは反対側の面に、光結
合用プリズムを配置して該プリズムを介して上記被評価
薄膜に測定用光ビームを照射して、減衰全反射による分
析評価を行うことを特徴とする減衰全反射型薄膜評価方
法」を要旨とするものである。
【0018】この先願発明の一実施例を図21〜図25につ
いて説明する。この先願発明は、図21にその被評価薄膜
11の光カップリング部の一例の断面図を示すように、被
評価薄膜11が形成された光透過性基板12の、被評価薄膜
11が形成された側とは反対側の面に、光結合用プリズム
13を配置し、このプリズム13を介して被評価薄膜11に測
定用光ビーム14を照射して、減衰全反射(ATR)によ
る分析評価を行う。
【0019】この場合、測定用光ビーム14の径を、光透
過性基板12の厚さDより小に選定するのが望ましい。
【0020】また、光結合用プリズム13と光透過性基板
12との間に光透過性のカップリング層15を介在させ、こ
のカップリング層15を、プリズム13とこのカップリング
層15との界面での全反射臨界角が光透過性基板12と空気
との界面での全反射臨界角よりも大となる液体層とする
のが望ましい。
【0021】先願発明によれば、被評価薄膜11を、プリ
ズム13とは別体の光透過性基板12に形成するので、高価
なプリズムへの加工が回避され、また基板12の材料の選
定の自由度が大となり、クレッチマン配置と同様の利点
を有する。
【0022】また、先願発明は光透過性の基板12上に形
成した薄膜11に対する評価の態様を採るので、例えば光
ディスクにおけるように、光透過性基板上にAl薄膜等
が形成されたものに対する評価を行う場合において、例
えばこのディスク自体としてその評価を行うことができ
る。従って、その評価(即ち特性測定)を正確かつ簡便
に行うことができる。
【0023】また、図22に示すように、測定用光ビーム
14の被評価薄膜11との界面からの第1の反射光14R
1 と、基板12のプリズム13側での界面からの第2の反射
光14R2とが重なることにより両者が干渉し、これによ
って生じる反射率変化による誤評価を回避することがで
きる。即ち、今、基板12のプリズム側の界面からの反射
が例えば0.25%という小さな値である場合でも、第1及
び第2の反射光が重なった場合に、これら反射光が干渉
した場合は、その反射率変化が数%にも及び、無視でき
ない大きさになる。
【0024】即ち、今、反射率(光エネルギーの反射
率)が例えば0.25%のときを考えると、光電場の振幅反
射率は、(0.0025)1/2=0.05(=5%)となる。そして
エネルギーは電場の二乗に比例することから、重ね合わ
せられた反射光全体のエネルギーは次のように電場のた
し合わせから与えられる。
【0025】(全体としてのエネルギー反射率)=
{(第1の反射光の光電場)+(第2の反射光の光電
場)}2
【0026】これより、第2の反射光の電場が、第1の
反射光の電場の数%の大きさであれば、両方の電場の位
相関係によって全体のエネルギーも数%以上変化するこ
とは明らかである。
【0027】この位相関係は、基板の厚さという、評価
の対称とは無関係で、しかもその量を正確に知ることが
困難な量に依存するので、これを取り入れた測定によっ
て目的とする評価のための解析を行うことはきわめて煩
雑で、かつ精度に問題が生じる。
【0028】これに対し、先願発明によれば、測定用光
ビーム14の径を、光透過性基板12の厚さDより小に選定
した場合、第1の反射光14R1 と、第2の反射光14R2
とが重なることが回避されるので、これによる相互の干
渉を回避でき、上述の反射率変化による誤評価を回避す
ることができる。
【0029】また、先願発明においては、プリズム13と
光透過性基板12との間にカップリング層15を介在させ、
このカップリング層15を、プリズム13とこのカップリン
グ層15との界面での全反射臨界角が光透過性基板12と空
気との界面での全反射臨界角よりも大となる液体層とす
ることができる。このようにしたことによって、カップ
リング層15の厚さを数μm程度にしても、即ちプリズム
13と基板12とをさほど圧着させないでも、測定結果に大
きな影響を与えることを回避できるものである。
【0030】即ち、プリズム13−カップリング層15(即
ち液体層)−基板12の重ね合わせによるプリズム/液体
/基板の構造で、これによる不要な反射が強くなるの
は、入射角がプリズム/液体界面の全反射臨界角に近付
いた場合であり、それにより小さい入射角では、特にA
TR測定に用いられるp偏光に対して、ここでの反射は
無視できるほど小さいことを利用するものである。
【0031】つまり、被評価薄膜11が形成された光透過
性基板12とプリズム13との間に、カップリング層15を介
在させるものであるが、このカップリング層15の構成材
料として通常の光学的カップリングに用いる材料で考慮
されているように、そのカップリングされるべき部材と
屈折率を一致させるという思想によらず、その全反射臨
界角について考慮していることに特徴を有する。
【0032】このことについて説明する。今、プリズム
/液体/基板において、基板の屈折率をnS とし、液体
即ちカップリング層の屈折率をnc としたとき、そのn
がnair <nc <nS のとき、nc 〜nS のとき、nc
>nS のときの各見掛けの入射角に対するカップリング
層、即ち液体からの反射光(図21で破線図示の第2の反
射光14R2 )に関する反射率をみると、それぞれ図23、
図24、図25中の曲線21、22及び23となる。これらにおい
て基板はガラスとし、このガラス基板とプリズムの屈折
率nは共にn=1.515 とした場合である。カップリング
層はその厚さを5μmとし、このカップリング層の液体
は、図23が水(nc =1.3)、図24がアーモンド油(nc
=1.475)、図25がヨウ化メチレン(nc =1.73)とした
場合である。
【0033】また、図23〜図25において曲線24は、プリ
ズム/空気界面における見掛けの入射角に対する反射
率、曲線25は、厚さ36nmのAl膜のプリズム/Al/空
気の構成におけるATRスペクトルを計算したものであ
る。この場合、金属膜に特徴的なATRディップがあら
われるのは、見掛けの入射角が0°から90°の中でも、
プリズム/空気の界面の全反射臨界角に近い30°〜40°
の範囲に限られていることが分かる。
【0034】図23の曲線21のプリズム/水/ガラスの場
合についてみると、プリズム/水の界面の全反射臨界角
59°に近付くと反射率が波を打ってくるが、この場合、
曲線25のATRディップが現れる目的の見掛け入射角の
30°〜40°の範囲では、反射率の強度は 0.5%に過ぎな
い。
【0035】そして、第1の反射光についてみると、こ
の反射光はカップリング層15を往復するものであって、
このカップリング層15を2回通過するものであるので、
これらを合わせても1%程度の損失を被るに過ぎない。
【0036】従って、この程度の損失は、評価装置全体
の誤差程度であることから、これを無視すれば、このA
TR評価のための目的の角度の範囲(即ち30°〜40°の
範囲)では、カップリング層15の存在は無視できること
になり、プリズム13と基板12は一体と見做すことができ
ることになる。
【0037】即ち、この場合クレッチマン配置の場合と
等価の効果が得られることになる。
【0038】そして、このようにカップリング層15を、
入手が容易で、安価で、取扱いに問題のない液体を用い
得ることは、実際の使用においてきわめて有益なもので
ある。
【0039】また、図24の曲線22で示すカップリング層
としてアーモンド油を用いた場合、その屈折率がプリズ
ム及び基板のガラスに近付くことから、目的の評価範囲
を含んで見掛けの入射角が20°〜60°の範囲できわめて
良好なカップリングが達成されている。この場合におい
ても、プリズム/アーモンド油の界面での全反射臨界角
に近付く85°付近では反射が大きくなる。
【0040】これに対し、図25の曲線23で示されるよう
に、nc >nS とするカップリング層15にヨウ化メチレ
ンを用いる場合は、このカップリング層15の屈折率がプ
リズム13や、基板12と全く異なるにもかかわらず、見掛
けの入射角が60°まで全くプリズム/カップリング層界
面での反射はきわめて小さくなる。
【0041】このように、カップリング層15として、全
反射臨界角を考慮したことによって、いわばオットー的
配置を採りながら、クレッチマン配置と同等の効果を得
て目的のATR薄膜評価を確実に行うことができる。
【0042】このようにしてATRによる金属薄膜の光
学定数評価を行うことができるものであるが、先願発明
によれば、その光学的結合のためのプリズムに直接被評
価薄膜を被着することなく、しかもこれと等価の評価を
行うことができる。
【0043】尚、先願発明で用いられるプリズムは、2
等辺3角形のプリズムに限られるものではなく不等辺3
角形等種々の構成を採り得る。
【0044】上記したように、先願発明は、減衰全反射
型薄膜評価方法、即ちATR薄膜評価方法において、そ
の光カップリングを合理的に行うことができるようにし
て、汎用性に優れ、確実に目的とする薄膜の評価すなわ
ち特性測定を行うことができるようにするものである。
【0045】また、先願発明は例えばCD(コンパクト
・ディスク)等の光ディスクにおけるように、光透過性
の基板(例えばガラス基板、合成樹脂基板等)にAl等
の金属薄膜が被着された構成をとるものにおいて、その
金属薄膜の特性評価を行う場合に用いて好適な評価方法
を提供するものである。
【0046】上述した先願発明の方法は、基板12の一方
の面にプリズム13を設け、これとは反対の他方の面にA
l等の金属薄膜11を形成した状態でレーザー光14をプリ
ズム13に入射させ、その全反射光を得るものであって、
基板12の表面側で光の入射、反射を行っている。この方
法は、本明細書では以下に「表ATR法」と称すること
とする。
【0047】ところで、光ディスクの不良解析(Al薄
膜と基板との界面)において、ディスクの切断面を電子
顕微鏡で観察することがよく行われている。しかし、こ
うした切断による場合、試料作製時に界面の剥離を起こ
してしまうことがあるが、剥離によって関連する不良解
明のためには好都合な手法とはいえなかった。これを解
消するために、非破壊で“薄膜/基板”界面の情報を得
る解析技術の開発が求められていた。
【0048】ここで、既述した表面プラズモンについて
説明すると、表面プラズモンは、図3に示すように、金
属などの表面から内部あるいは外部にエネルギーは伝搬
せず、表面上を振動して進行していく(表面プラズマ振
動)。金属表面付近でのプラズモンの振動振幅は、金属
表面からの距離Zに対して指数関数で減少して分布す
る。金属薄膜表面に金属腐食層等の被膜層が形成される
と、表面プラズマ振動は金属薄膜と腐食層間で再分布さ
れ、その振動振幅の再分布は被膜層が数原子層であって
もATRスペクトル吸収として敏感に検出できる。
【0049】図2(a)には、先願発明の如き表ATR
法において、Al等の金属薄膜11と基板12との界面に透
明境界膜11aが形成されている状態を示したが、この透
明境界膜は特に、ポリメチルメタクリレート等の基板12
上にAl等をスパッタ法で堆積させるときに初期堆積層
として生じるものである。また、同図には、金属11の空
気との界面に上記の金属腐食層としての透明表面膜11b
を示した。
【0050】しかし、こうした表ATR法では、金属薄
膜11と基板12との間にたとえ金属腐食層のような透明境
界膜が存在したとしても、その膜では表面プラズモンの
電場(振動振幅)は弱いので、ATRスペクトル吸収の
変化として検出できないことが判明した。
【0051】このことは、図4のATRスペクトル(S
imulation data)において、 i)透明表面膜11b付きの金属薄膜11の場合、透明表面
膜11bの厚さに応じてATRスペクトルのディップは高
角度側にずれるが、 ii)透明境界膜11a付きの金属薄膜11の場合、透明境界
膜11aの厚さが異なってもこれがATRスペクトル上に
は現れない。 ことによって確認された。
【0052】従って、表ATR法では透明境界膜の厚さ
の変化を検出できないため、多層薄膜の解析(光学定数
の決定)を正確に行えないことになる。実際の製品、例
えば光ディスク等で多層薄膜の場合はその特性を十分に
評価できない。
【0053】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄膜
/基体の界面の状態(透明境界膜の厚さの変化等)を正
確に検出すると共に、薄膜の厚み方向(初期堆積層/金
属層/腐食層の積層状態等)の状態の解析を可能にし、
薄膜の光学定数の決定等の解析をより正確に行える、A
TRによる方法及びその装置を提供することにある。
【0054】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体
(例えばポリメチルメタクリレート等の光透過性基板)
の一主面上に薄膜(例えばアルミニウム薄膜)を設けて
なる積層体について減衰全反射法(ATR法)によって
解析を行うに際して、前記薄膜の側にてこの薄膜上に前
記基体よりも屈折率の高いプリズムを配し、このプリズ
ムから前記基体側に入射させた光を全反射させるように
した、減衰全反射(ATR)による解析方法に係るもの
である。
【0055】本発明の方法によれば、上記薄膜の側に高
屈折率のプリズムを配し、このプリズムから基体若しく
は基板への入射光を全反射させるようにしているので、
図2(b)に例示する如く、薄膜/基体の界面に存在す
る透明境界膜11aでは表面プラズモンの電場(振動振
幅)は強いため、ATRスペクトル吸収の変化としてそ
の厚みを検出できることが分かった。即ち、図5に示す
ように、初期堆積層としての透明境界膜の膜厚dの変化
に応じて(ここでは、膜厚の増大に従って)ディップが
低入射角側にずれることが確認されたのである。
【0056】この事実は、ポリメチルメタクリレート等
の基体12上にスパッタ法でアルミニウム等の金属薄膜を
形成したときに既述した表ATR法では解析できなかっ
た初期堆積層をはじめて解析できたことを意味するもの
である。
【0057】本発明者の考察によれば、例えばアルミニ
ウム膜の多くは、表面(空気側)の腐食層と金属アルミ
ニウム層の2層構造を仮定する限りにおいては、既述し
た表ATR法によってその表面腐食層(図2(a)での
透明表面膜11b)を解析することが可能である。しか
し、特にポリメチルメタクレリート基板上にアルミニウ
ム膜をスパッタした場合、アルミニウム層と基板との境
界面に別種の層(図2(a)での透明境界膜11a)が存
在するため、表ATR法ではこの透明境界膜を解析でき
ないことは上述した通りである。
【0058】こうした透明境界膜は、基板に対するスパ
ッタAl膜の付着力の弱さに寄因して生じるものと考え
られるが、この透明境界膜を解析しない限り、ATR法
によっても薄膜の光学定数を正確に評価することはでき
ない。
【0059】本発明は、こうした透明境界膜の解析を可
能にしたものであって、表ATR法とは異なり、薄膜の
側からATR法を適用したことに特徴があり、いわば
「裏ATR法」と称することができる方法を提供するも
のである。
【0060】図2(b)には、この裏ATR法を概略的
に例示したが、ここで、薄膜11に対し(具体的には、透
明表面膜11b)に、基板12よりも屈折率の高いプリズム
23を当てがい、プリズム23から入射する光14を全反射さ
せる必要がある。この場合、プリズム23の屈折率は、基
板12の屈折率の1.01〜5.0 倍とするのがよい。
【0061】例えば、図1(b)に示すように、基板12
の屈折率をn=1.5 とした場合、プリズム23の屈折率を
n=1.723 と高くすれば、上記した全反射を効果的に生
ぜしめることができる。
【0062】そして、本発明では、既述した表ATR法
(即ち、図21〜図25に例示した如く、薄膜とは反対側の
基体の他主面上にプリズムを配し、このプリズムから前
記基体側に入射させた光を全反射させるようにした減衰
全反射による解析方法)を併用することによって、薄膜
の解析(光学定数の決定)をより正確に行え、透明境界
膜/Al膜/透明表面膜の如きより多層の積層膜も解析
できる。
【0063】即ち、表ATR法によって、図21〜図25で
説明したように光透過性基板側から薄膜の光学定数を解
析できるので、この表ATR法と組合せて本発明による
裏ATR法を適用することによって、上記した透明境界
膜をも解析できるのである。これによって、例えば光デ
ィスクにおけるように、光透過性基板上にAl薄膜等が
形成されたものに対する評価を行う場合において、この
ディスク自体としてその評価を行うことができ、その特
性測定を正確かつ簡便に行うことができる。
【0064】本発明では、プリズムと基体との間にカッ
プリング層(図21で述べた如きカップリング層15)を設
け、前記プリズムと前記カップリング層との界面での全
反射臨界角が前記基体と空気との界面での全反射臨界角
よりも大となるようにすることが望ましい。
【0065】即ち、図1において、カップリング層15
は、プリズム13、23とこのカップリング層15との界面で
の全反射臨界角が光透過性基板12と空気との界面での全
反射臨界角よりも大となる液体層(例えば、水、アーモ
ンド油、ヨウ化メチレン等の層)によって形成できる。
カップリング層15をそのような液体層としたことによ
り、ATR評価のための目的の角度の範囲(即ち、例え
ば30°〜40°の範囲)では、カップリング層15の存在を
無視でき、プリズム13、23と基板12は一体と見做すこと
ができるので、クレッチマン配置の場合と等価の効果が
得られることになる。
【0066】そして、このカップリング層15は、入手が
容易で、安価であり、取扱いに問題のない液体を用い得
るので、このことと上述したプリズムへの被評価薄膜の
直接的被着の回避などから、汎用性を高めることができ
る。
【0067】また、本発明において、レーザー光14等の
測定用の光ビーム径を、基板12の厚さを勘案して基板12
の厚さより小さく選定するのが望ましい。これによっ
て、特に表ATR法で、この測定用光ビームの被評価薄
膜11との界面からの第1の反射光と、基板12のプリズム
13側での界面からの第2の反射光14R2 とが重なること
による両者の干渉で反射率変化が生じ、これによる誤評
価を回避することができ、確実な評価を行うことができ
る。このことは、裏ATR法でも同様に考えられる。
【0068】本発明はまた、裏ATR法を実施する解析
装置として、上記した屈折率の高いプリズムと、このプ
リズムへの光入射角を変化させる入射角可変手段と、全
反射光を受光する受光手段とを有する解析装置も提供す
るものである。
【0069】ここで、上述の表ATR法に好適な解析装
置の一例を図15について説明する。このATR型薄膜評
価装置は、標準的なATR測定系とすることができ、角
走査(即ち、角度掃引)を行うための回転台61上に、被
評価薄膜を有する試料62と、これに特殊な構成で光学的
に結合した光結合用プリズム13とを載置する。
【0070】この試料62は、図1(a)で説明したよう
に、被評価薄膜11として例えばAl金属薄膜が形成され
た光透過性基板12、例えば光ディスクからなっている。
そして、この試料62の被評価薄膜11が形成された側とは
反対側の面に、カップリング層15を介して光結合用プリ
ズム13が光学的に結合されて配置される。
【0071】回転台61は、いわゆるゴニオメータステー
ジによって構成することができる。即ち、例えばそれぞ
れ2θとθとの関係で回動する第1及び第2のステージ
63及び64を有していて、第2のステージ64上に、互いに
光学的に結合されたプリズム13と試料62とを、少なくと
も被評価薄膜11の法線方向に移動可能とするように、例
えば互いに直交するx及びyの2方向に移動可能に設け
られたステージ75上に試料62を載置する。
【0072】そして、光源、例えばHe−Neレーザ65
が設けられ、このレーザからの測定用光ビーム14(即
ち、レーザ光)を、偏光子66、ビームスプリッタ67、ビ
ームシフタ68を通じてプリズム13に図1に示した所要の
見掛け入射角θi をもって導入する。
【0073】この測定用光ビーム14は、その径を光透過
性基板12の厚さDより小に選定する。
【0074】そして、第1及び第2のステージ63及び64
を2θ及びθの関係で回転させて入射角掃引を行い、入
射角に対する試料62からの反射光14R1 の強度を測定す
る。この測定においては、第1のステージ63に配置され
たフォトダイオード等の第1の光検出器69に反射光14R
1 を入射させることによって、その光強度を検出する。
このとき、ビームシフタ68を回転させ、かつステージ75
をx、y方向に移動させることによって、光透過性基板
12の薄膜11との界面の所定の測定位置に入射光が入射す
るように制御される。
【0075】一方、ビームスプリッタ67で分離されたレ
ーザ光の一部をフォトダイオード等の第2の光検出器70
に入射させ、これによってレーザ光(即ち、測定用光ビ
ーム)のパワーを検出する。そして、光検出器69及び70
の各検出出力をそれぞれ増幅器71及び72によって増幅
し、これらの出力A及びBをアナログ割り算器(アナロ
グデバイス社製のAD−533)73に導入してA/Bを
得、これに所要の係数を掛けて反射率を算出する。
【0076】割り算器73の出力はディジタルオシロスコ
ープを介してパソコン(PC−9801)に導入する。
そして、理論反射率の計算、及び実測値との相互比較も
すべて、このパソコン74で行うことができる。
【0077】因に、1回の測定に要する時間は、上述の
ゴニオメータステージ61の角度掃引とデータ取り込みを
合わせて5分程度である。
【0078】次に、上述の裏ATR法に好適な解析装置
は、図15に示した装置を使用し、図16に示すように、ゴ
ニオメータ61においてステージ75上に試料72を載置して
構成することができる。その他の構成部分は、図15に示
したものと同様であるので、その説明は省略する。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明する。
【0080】実施例1 表ATR法と裏ATR法:全反射(光が屈折率の高い媒
質から低い媒質に入射しなければならない。)を生じ、
金属層の吸収による有効なATRスペクトルのディップ
を得るためには、表ATR法と裏ATR法では全反射面
及び全反射臨界角が異なるので、基板やプリズムの配置
だけでなく、プリズムの屈折率や形状および入射角を適
当に選ばなければならない。実際に、以下のような方法
で行った。
【0081】(i)表ATR法では、図1(a)及び図
2(a)に示すように、プリズム13はBK7の正三角柱
プリズム(n=1.515)、カップリング液15はヨウ化メチ
レン(CH2 2)を用いた。レーザ光(He−Ne las
er:633nm)14は、プリズム13、カップリング液15、基板
(nS 〜1.5)12を通り、基板12から空気(na =1.0)に
入射する場合には約41.8°以上の入射角で全反射を生じ
る。また、みかけの入射角θを28〜40°にすることで、
入射角αが39.5〜47.0°となり、全反射臨界角を含み、
Al層の吸収によるATRスペクトルのディップが得ら
れる。
【0082】(ii)裏ATR法では、基板と金属の境界
層の変化を解析するために、図1(b)及び図2(b)
に示すように、基板12とAl層11の配置を逆にし、プリ
ズムから基板に入射する場合に全反射を生じるように高
屈折率のプリズム(nP =1.723 >nS )23を使用す
る。即ち、FD10の台形柱状(頂角30°、底角75°)の
高屈折率プリズム23を用い、同様にカップリング液15は
ヨウ化メチレン(CH22)を用いた。
【0083】また、レーザ光14は、プリズム23から基板
(nS 〜1.5)12に入射する場合には約60°以上の入射角
で全反射を生じる。また、基板12がポリメチルメタクリ
レート(PMMA)基板(nS =1.488)の場合、みかけ
の入射角θを40〜64°にすることで、入射角αが55.5〜
68.6°となり、全反射臨界角を含み、Al層11の吸収に
よるATRスペクトルのディップが得られる。基板12が
ポリカーボネート(PC)基板(nS =1.579)の場合、
みかけの入射角θを54〜78°にすることで、入射角αを
63.0〜76.7°として、全反射臨界角を含み、Al層11の
吸収によるATRスペクトルのディップが得られる。
【0084】試料:スパッタリング時間以外はすべて共
通の下記の条件下で、室温のPMMA基板(3t)上及
びPC基板(3t)上に堆積されたAl薄膜の膜質を比
較した。 RFマグネトロンスパッタ、 投入電力:300W/100mm diam.、 Ar gas圧:0.27Pa、 Ar流量:100sccm 。
【0085】試料1:PC基板に10秒間Alスパッタ
(No. 3692) 試料2:PC基板に20秒間Alスパッタ(No. 3691) 試料3:PMMA基板に10秒間Alスパッタ(No. 369
3) 試料4:PMMA基板に20秒間Alスパッタ(No. 369
4)
【0086】そして、この解析には、図15(表ATR
法)及び図16(裏ATR法)にそれぞれ示した装置を使
用した。
【0087】結果: 1.表ATRスペクトルと裏ATRスペクトル 図6及び図7に示すように、同一試料においてそれぞれ
表ATRと裏ATRの両スペクトルが得られた。裏AT
Rのスペクトルは、(全反射)臨界角を含み、Al層の
吸収によるATRスペクトルのディップが得られるが、
みかけの入射角θの角度幅が表ATRのそれに比べて約
2倍である。また、裏ATRスペクトルのディップも表
ATRのそれに比べてブロードである。また、基板や成
膜法の異なるAl薄膜の他の試料においてもそれぞれ、
図8〜図13に示すように表ATRと裏ATRの両スペク
トルが得られ、裏ATRスペクトルは上記と同様な傾向
を示した。
【0088】即ち、表ATRのスペクトルは、基板の屈
折率によらず、みかけの入射角のスキャン角度(28.0〜
40.0°)が等しく、みかけの臨界角がすべてほぼ31.0°
である。しかし、実際の入射角、臨界角、スキャン角度
幅が異なっていることに注意しなければならない。裏A
TR法においては、基板の屈折率によって、みかけの入
射角もみかけの臨界角も異なっている。
【0089】実施例2 解析:従来の表ATR法だけでは、図14(a)の如きA
l層/Al腐食層の2層(透明表面膜付き金属薄膜)の
解析は可能であるが、従来の表ATR法と裏ATR法を
併用することによって、同一試料において表ATR法と
裏ATR法においてそれぞれの層のn、k、dは同一で
あることから、図14(b)の如きAl初期堆積層/Al
層/Al腐食層の3層の解析が可能となる。但し、Al
腐食層のn、kは別の方法により決定した(Al腐食層
のn=1.50、k=0.016)。
【0090】下記の表1に、Alスパッタ膜の各層の
n、k、d(解析結果)を示す。
【0091】
【0092】この結果から、PC基板上にスパッタリン
グ堆積した試料は“Al腐食層/Al層/基板”の構造
(図14(a)参照)を仮定すれば、ATRスペクトルを
説明できた。しかし、PMMA基板上にスパッタリング
堆積した試料については、Al層と基板の境界面に厚さ
が1〜2nmの別種の層(Al初期堆積層)を仮定しない
と、スペクトルが再現できなかった。スパッタAl膜/
PMMA基板の組み合わせは、付着力が弱いことが知ら
れているが、今回検出した別種の層(Al初期堆積層)
は非常にkの値が小さいため(k=0.04、0.15)、一つ
の可能性としては非常に疎な膜になっていると考えられ
る。そのことが、付着力が小さいことに関係しているこ
とも考えられる。
【0093】即ち、裏ATR法によって非破壊で“薄膜
/基板”界面の情報を得る境界面付近の変化を敏感に検
出できる。また、従来のATR法と裏ATR法を併用す
ることによって、Al層と基板の境界層の解析およびA
l初期堆積層/Al層/Al腐食層の3層(図14(b)
参照)の解析ができる。つまり、薄膜の解析(光学定数
の決定)がより正確に行えかつより多層膜まで解析でき
る。
【0094】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0095】例えば、上述した金属薄膜はスパッタ法以
外の蒸着等で成膜してもよいし、その材質もAlに限ら
ず、Au、Ag等であってもよい。また、使用する基
板、カップリング層、プリズムの材質や光学定数等も種
々変更してよい。プリズムの形状は、断面台形、2等辺
3角形、不等辺台形、不等辺3角形等、様々なものを採
用できる。
【0096】なお、本発明の方法及び装置は、CD等の
光ディスクにおける金属反射膜をはじめ、種々の薄膜や
より多層の薄膜の光学定数を解析するのに広く応用する
ことができる。
【0097】本発明は上述した如く、薄膜の側にてこの
薄膜上に基体よりも屈折率の高いプリズムを配し、この
プリズムから前記基体側に入射させた光を全反射させる
ようにした裏ATR法を解析に用いているので、薄膜/
基体の界面の状態を正確に検出することができる。
【0098】しかも、薄膜とは反対側の基体の他主面上
にプリズムを配し、このプリズムから前記基体側に入射
させた光を全反射させるようにした表ATR法と併用す
ることによって、薄膜の解析(光学定数の決定)をより
正確に行え、透明境界膜/Al膜/透明表面膜の如き多
層の積層膜も解析できる。
【0099】本発明においては、薄膜をプリズムとは別
の基体に設けているので、薄膜を直接に高価なプリズム
に設ける必要がなく、また薄膜とプリズムとの位置関係
を設定し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく方法に使用する被測定試料の概
略図である。
【図2】同被測定試料での薄膜構造と表面プラズモンの
電場分布を示す概略図である。
【図3】金属/空気界面の表面プラズモンの説明図であ
る。
【図4】金属薄膜の透明表面膜又は透明境界膜の厚さを
変化させたときのATRスペクトル図である。
【図5】Al初期堆積層の厚さを変化させたときの裏A
TRスペクトル図である。
【図6】試料1の表ATRスペクトル図である。
【図7】試料1の裏ATRスペクトル図である。
【図8】試料2の表ATRスペクトル図である。
【図9】試料2の裏ATRスペクトル図である。
【図10】試料3の表ATRスペクトル図である。
【図11】試料3の裏ATRスペクトル図である。
【図12】試料4の表ATRスペクトル図である。
【図13】試料4の裏ATRスペクトル図である。
【図14】層構造の異なるモデルの概略図である。
【図15】本発明に基づく表ATR法を実施する装置の一
例の構成図である。
【図16】本発明に基づく裏ATR法を実施する装置の一
例の主要部の構成図である。
【図17】従来例によるATR法に使用する被測定試料の
概略図である。
【図18】表面プラズモンの分散関係を示す図である。
【図19】反射率の見掛けの入射角依存性を示す図であ
る。
【図20】他の従来例によるATR法に使用する被測定試
料の概略図である。
【図21】先願発明に基づく方法に使用する被測定試料の
概略図である。
【図22】同被測定試料の反射光路の説明図である。
【図23】反射率の見掛け入射角依存性を示すスペクトル
図である。
【図24】反射率の見掛け入射角依存性を示すスペクトル
図である。
【図25】反射率の見掛け入射角依存性を示すスペクトル
図である。
【符号の説明】
11・・・金属薄膜(被評価被膜) 11a・・・透明境界膜(初期堆積層) 11b・・・透明表面膜(腐食層) 12・・・光透過性基板 13、23・・・プリズム 14・・・入射光 14R1 、14R2 ・・・反射光 15・・・カップリング層 n・・・屈折率 k・・・消衰率 d・・・厚さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の一主面上に薄膜を設けてなる積層
    体について減衰全反射法によって解析を行うに際して、
    前記薄膜の側にてこの薄膜上に前記基体よりも屈折率の
    高いプリズムを配し、このプリズムから前記基体側に入
    射させた光を全反射させるようにした、減衰全反射によ
    る解析方法。
  2. 【請求項2】 薄膜と基体との界面を解析する、請求項
    1に記載した方法。
  3. 【請求項3】 薄膜の光学定数を解析する、請求項2に
    記載した方法。
  4. 【請求項4】 薄膜とは反対側の基体の他主面上にプリ
    ズムを配し、このプリズムから前記基体側に入射させた
    光を全反射させるようにした減衰全反射による解析方法
    を併用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載した方
    法。
  5. 【請求項5】 プリズムと基体との間にカップリング層
    を設け、前記プリズムと前記カップリング層との界面で
    の全反射臨界角が前記基体と空気との界面での全反射臨
    界角よりも大となるようにした、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載した方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載した屈折率の高いプリズ
    ムと、このプリズムへの光入射角を変化させる入射角可
    変手段と、全反射光を受光する受光手段とを有する、請
    求項1〜5のいずれか1項に記載した方法に使用する、
    減衰全反射による解析装置。
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