JPH078353Y2 - 車両用前後輪操舵装置 - Google Patents

車両用前後輪操舵装置

Info

Publication number
JPH078353Y2
JPH078353Y2 JP1987137991U JP13799187U JPH078353Y2 JP H078353 Y2 JPH078353 Y2 JP H078353Y2 JP 1987137991 U JP1987137991 U JP 1987137991U JP 13799187 U JP13799187 U JP 13799187U JP H078353 Y2 JPH078353 Y2 JP H078353Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
rear wheel
wheel steering
shaft
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987137991U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6442974U (ja
Inventor
政義 西森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP1987137991U priority Critical patent/JPH078353Y2/ja
Publication of JPS6442974U publication Critical patent/JPS6442974U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH078353Y2 publication Critical patent/JPH078353Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、自動車等の車両、中でも四輪車に用いて好適
の操舵装置に関し、特に、前輪と後輪との舵角比を車速
に応じて制御しながら前後輪を転舵させうる車両用前後
輪操舵装置に関する。
[従来の技術] 近年、自動車等の車両の操舵にあたり前輪のみならず後
輪をも転舵させて行なうようにした四輪操舵装置が考え
られている。
この四輪操舵装置における後輪の転舵は、小回り性の向
上のために前輪と逆方向(逆位相)に行なうようにする
場合(以後逆相転舵という)と、ステアリング応答性の
向上等のために前輪と同方向(同位相)に行なうように
する場合(以後同相転舵という)とがあり、前輪転舵角
(ハンドル舵角)に対する後輪転舵角の大きさの割合
(転舵比)を車両の走行状態によりどのように調整する
かが問題となる。
ところで、一般に、小回り性が要求されるのは、車両の
低速走行時であり、ステアリング応答性が要求されるの
は車両の高速走行時である。そこで、車速に基づいて、
ハンドル舵角に対する後輪の転舵比を調整する手段が考
えられている。
例えば、特開昭55-91457号公報に開示された車輌の操舵
装置は、操舵輪と、この操舵輪の回転運動を直線運動に
変換するギヤボックスと、このギヤボックスにより変換
された直線運動により前輪を転舵する第1連結杆とを有
し、さらに、後輪の転舵のために、ギヤボックスにより
変換された直線運動を受けて回動する動腕と、この動腕
と後輪との間に介装される第2連結杆とを有し、動腕の
回動により第2連結杆を通じて後輪が転舵されるように
なっている。そして、上記の動腕の支店が可動となって
いて、この可動支点が車速に応じて動腕上を移動するよ
うになっており、この可動支点の移動によって動腕の腕
の長さが変更され、これにより前輪,後輪の転舵比を調
整しうるように構成されている。
つまり、動腕の先端がギヤボックスに接続され、第2連
結杆がこの動腕の中間部に枢着されており、さらに、動
腕の支点が第2連結杆との枢着点の前後の動腕上を移動
しうるようになっている。そして、例えば、この可動支
持点が第2連結杆との枢着点より前に位置すると、前輪
と後輪とがその腕の長さに応じた転舵比で同位相(また
は逆位相)に転舵され、逆に可動支持点が枢着点より後
に位置すると、前輪と後輪とがその腕の長さに応じた転
舵比で逆位相(または同位相)に転舵される。
また、特開昭60-193770号公報に開示された車両の四輪
操舵装置は、後輪転舵機構と前輪転舵機構に連係された
ステアリング機構との間に介在され、ハンドル舵角に対
する後輪の転舵比を変更する転舵比変更装置を備えた車
両の四輪操舵装置であって、前記転舵比変更装置が、前
記ハンドル舵角に応じて回動されかつその回動軌道面が
所定の基準面に対してなす傾斜角を可変とされた回動部
材と、この回動部材の傾斜角を変更する傾斜角変更手段
とを備えており、前記回動部材の回動偏心位置と前記後
輪転舵機構とが連係されて、前記回動部材の回動角およ
び傾斜角に応じて決定される前記回動偏心位置の偏倚に
応じて後輪の転舵角が制御されるようになっている。
つまり、回動部材の回動軌道面が所定の基準面に対して
適当な傾斜角を有していれば、回動部材の回動に応じて
回動部材の回動偏心位置が基準面に対して離接する。こ
のため、例えば後輪転舵機構が所定の基準面に対して直
角方向にのみ駆動されるようになっていれば、後輪転舵
機構の連係する回動偏心位置が基準面に対して離接する
のに従って後輪転舵機構が後輪を転舵する。
したがって、回動部材の回動軌道面の基準面に対する傾
斜角が調整されると、ハンドル舵角と、基準面に対する
回動偏心位置の離接との関係、つまり後輪の転舵比が制
御されることになる。例えば、傾斜角が0であれば、ハ
ンドル舵角に応じて、回動偏心位置は基準面上を移動し
て基準面から離接せず、したがって、後輪は転舵されな
い。そして、回動軌道面の傾斜する方向(傾斜角の正
負)によって、後輪は前輪と同位相か逆位相かのいずれ
かに傾斜角の大きさに応じた転舵比で転舵される。
[考案が解決しようとする問題点] しかしながら、上述の特開昭55-91457号公報に開示され
た車輌の操舵装置の後輪転舵比調整手段は、動腕,連結
杆等のリンク機構からなり、しかも、動腕の支点を移動
させるようになっているため、構造全体が大型化してし
まうという問題点がある。
また、特開昭60-19377号公報に開示された車両の四輪操
舵装置の後輪転舵比調整手段も、立体的なリンク機構を
要するため構造全体の小型化が制限されるほか、前輪舵
角(ハンドル舵角)に対する後輪舵角(つまり後輪転舵
比)が正弦曲線状に変化するものに限られてしまうた
め、必ずしも最適な後輪転舵比特性を設定できないとい
う問題点があり、例えば、操舵初期の車の挙動変化が著
しくなってしまったり、車両のステアリング特性が舵角
によって変化してしまうことがあり、車両の走行フィー
リングに悪影響を与えることになってしまう。
本考案はこのような問題点を解決しようとするもので、
装置の小型化を図れるとともに、後輪転舵比特性を自由
に設定しうるようにした車両用前後輪操舵装置を提供す
ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] このため、本考案の車両用前後輪操舵装置は、前輪転舵
機構と、上記前輪転舵機構に後輪転舵比調整機構を介し
て連結された後輪転舵機構とをそなえ、上記後輪転舵比
調整機構が、上記前輪転舵機構側から上記後輪転舵機構
側への変位の伝達比を変化させる可変機構と、同可変機
構を駆動するアクチュエータとを有して構成され、同ア
クチュエータが、車速に対応して回転する車両の駆動系
部材により駆動される流体圧ポンプからの流体圧を受け
て作動する流体圧アクチュエータとして構成されるとと
もに、同流体圧アクチュエータと上記可変機構との間
に、同流体圧アクチュエータからの入力変位量に対する
上記可変機構への出力変位量の特性を、少なくとも上記
入力変位量が所定値よりも大きい領域で上記入力変位量
の変化に対する上記出力変位量の変化が上記入力変位量
の増加とともに漸次低下するような非線型の特性に変換
する中継カム機構が設けられたことを特徴としている。
[作用] 上述の本考案の車両用前後輪操舵装置では、前輪転舵機
構が作動すると前輪が転舵され、上記前輪転舵機構に後
輪転舵比調整機構を介して連結された後輪転舵機構は、
上記後輪転舵比調整機構により設定された後輪転舵比に
応じて作動して、後輪が転舵される。この時、上記後輪
転舵比調整機構では、車速に対応して回動する車両の駆
動系部材により駆動される流体圧ポンプからの流体圧を
受けて流体圧アクチュエータが作動して、可変機構を駆
動する。これにより、可変機構が、前輪転舵機構側から
上記後輪転舵機構側への変位の伝達比を変化させること
で、後輪転舵比を調整する。このように、可変機構によ
り調整された後輪転舵比によって、後輪を前輪に対して
同相(同位相)または逆相(逆位相)に転舵するよう
に、上記後輪転舵機構が作動する。そして、上記後輪転
舵比は、上記の流体圧アクチュエータと可変機構との間
に設けられた中継カム機構により、車速に対して非線形
に変化する。すなわち、上記中継カム機構は、少なくと
も入力変位量が所定値よりも大きい領域で入力変位量の
変位に対する出力変位量の変化が入力変位量の増加とと
もに漸次低下するような非線型の中継特性を発揮するの
で、車速の増大に対する流体圧アクチュエータの変位出
力(後輪転舵非調整機構の可変機構部分の変位)の変化
率が漸次低下して、車速の変化に対する後輪転舵比の変
化率は高速域では小さくなる。
[実施例] 以下、図面により本考案の一実施例としての車両用前後
輪操舵装置について説明すると、第1図はその後輪転舵
比調整機構および流体圧アクチュエータとしての油圧ア
クチュエータ系統の構成を示す概略斜視図、第2図はそ
の油圧アクチュエータ系統の構成を示す模式的な構成
図、第3図はその油圧アクチュエータの駆動用ラックの
変位特性を示すグラフ、第4図はその中継カム機構の展
開図、第5図はその中継カム機構を通じて駆動されるカ
ム溝方向の回転角特性を示すグラフ、第6図はその全体
構成を示す模式的な斜視図、第7図はそのベベルギヤア
センブリを示す縦断面図、第8,9図はいずれも本操舵装
置の後輪操舵性を示すグラフ、第10図(a)はそのロー
タリバルブの鉛直縦断面図、第10図(b)はそのロータ
リバルブの要部水平縦断面図、第11図(a)は第10図
(a)のXIa-XIa矢視断面図、第11図(b)は第10図
(a)のXIb-XIb矢視断面図、第11図(c)は第10図
(a)のXIc-XIc矢視断面図、第11図(d)は第10図
(a)のXId-XId矢視断面図、第12図(a),(b)は
そのロータリバルブの作動状態を第11図(a)と対応さ
せて示す横断面図、第12図(c)はそのロータリバルブ
の作動状態を第11図(b)と対応させて示す横断面図、
第12図(d)はそのロータリバルブの作動状態を第11図
(c)と対応させて示す横断面図、第13図はそのリヤパ
ワーシリンダの縦断面図、第14図はそのリヤパワーシリ
ンダの非線形バネ機構のアセンブリ特性を示すグラフ、
第15図はそのリヤパワーシリンダの出力特性を示すグラ
フ、第16図はそのリヤサスペンション部分を中心として
示す模式的な斜視図、第17図(a)はその平行リンク機
構を示す第16図のXVIIa-XVIIa矢視断面図、第17図
(b)は第17図(a)のXVIIb-XIIb矢視断面図、第18図
(a)〜(c)はその平行リンク機構の動作を他の機構
と比較して示す模式的な作動図、第19図(a)はその後
輪転舵比調整機構にそなえられる同相逆相変換機構の一
部を破断して示す平面図、第19図(b)はその同相逆相
変換機構の一部を破断して示す側面図、第19図(c)は
その同相逆層変換機構の一部を破断して示す後方正面
図、第20図(a)〜(c)はいずれもその同相逆相変換
機構の動作を説明するための斜視図、第21図はその円筒
型カム機構を示す斜視図、第22図(a)はその円筒型カ
ム機構の縦断面図、第22図(b)はその円筒型カム機構
の横断面図、第23図はその円筒型カム機構におる動力伝
達状態を説明するためのグラフである。なお、本実施例
の車両用前後輪操舵装置は、四輪自動車にそなえられて
いる。
第6図に示すように、本車両用前後輪操舵装置は、ステ
アリング機構STと、前輪転舵機構FMと、後輪転舵比調整
機構RCと、後輪転舵機構RMとから構成されている。
ステアリング機構STは、ステアリングホイール1と、ス
テアリングシャフト1bと、他のシャフトおよびジョイン
ト等とから構成され、その下端部をベベルギヤアセンブ
リ3に連結されている。なお、このベベルギヤアセンブ
リ3とステアリングシャフト1bとの間には、前輪転舵機
構FMのフロントパワーステアリングギヤボックス1aが介
装されており、前輪転舵機構FMは、このフロントパワー
ステアリングギヤボックス1aを通じて、油圧により加勢
しながらタイロッド1c,1cを駆動し前輪2aを転舵しうる
ようになっている。
そして、ベベルギヤアセンブリ3は、コントロールシャ
フト4および円筒型カム機構5を介して後輪転舵比調整
機構RCに接続されている。
この後輪転舵比調整機構RCは、同相逆相変換機構6と、
この同相逆相変換機構6を上記の車両の前後方向と車幅
方向との間で車速に基づき適宜調整しうる流体圧アクチ
ュエータとしての油圧アクチュエータ17および中継カム
機構18とから構成されている。なお、この流体圧アクチ
ュエータ17には、その駆動部分の位置を検出するポテン
ショセンサ71が付設され、さらに、このポテンショセン
サ71がコントローラCに接続され、このポテンショセン
サ71からコントローラCに検出信号が出力されるように
なっている。また、このコントローラCには、車速セン
サSも接続され、車速センサSからの信号も入力される
ようになっている。
さらに、同相逆相変換機構6に接続された後輪転舵機構
RMは、同相逆相変換機構6に駆動されるロータリバルブ
8と、このロータリバルブ8に接続されたパワーシリン
ダ9と、このパワーシリンダ9に接続されてパワーシリ
ンダ9に駆動されながら後輪2bを転舵するリヤサスペン
ション10とから構成されている。
なお、リヤパワーシリンダ9から突出したタイロッド92
a,92bは、リヤサスペンション10のトレーリングアーム1
0aに連結されており、リヤパワーシリンダ9の伸縮に応
じてトレーリングアーム10aが旋回すると、このトレー
リングアーム10aを介して後輪2bが操舵されるようにな
っている。
次に本実施例の車両用前後輪操舵装置の特徴的な各部に
ついて詳細に説明する。
まず、ステアリングシャフト1bとコントロールシャフト
4とを結ぶベベルギヤアセンブリ3について説明する
と、第7図に示すように、第1のシャフト(ピニオン
軸)31の下端に第1のベベルギヤ32が装着されている。
この第1のシャフトは、ステアリングシャフト1bに連結
されており、フロントパワーステアリングギヤボックス
1a内を貫通してそなえられている。この第1のシャフト
31と第1のベベルギヤ32との間には、回り止め用の樹脂
ピン37が介装されていて、緊急時にこの樹脂ピン37が破
壊することによって、第1のシャフト31と第1のベベル
ギヤ32との結合が解除されるようになっている。
そして、第1のベベルギヤ32の下方に、第1のベベルギ
ヤ32と噛合する第2のベベルギヤ34を装着された第2の
シャフト33が、第1のシャフト31とほぼ直交する向きに
そなえられている。さらに、この第2のシャフト33の後
端は、ユニバーサルジョイント35を介してコントロール
シャフト4に接続されている。
また、第1のシャフト31には、ピニオン31aが設けられ
ており、このピニオン31aは、前輪操舵用シャフト21に
設けられたラック21aと噛合している。そして、各シャ
フト31,33,21およびベベルギヤ32,34は、ケーシング30
によって覆われていて、ケーシング30の端部において、
ケーシング30と第1および第2のシャフト31,33との間
にシール38が介装されている。また、ケーシング30と第
1および第2のシャフト31,32との間には、要所にベア
リング36a,36b,36c,36dが介装されている。
なお、第7図中の符号38aはケーシング30を形成するケ
ーシング部分相互の結合部分をシールするシーラを示し
ており、符号35aはユニバーサルジョイントを覆うダス
トカバーを示す。
次に、後輪転舵比調整機構RCを構成する円筒型カム機構
5および正転逆転変換機構6について説明する。
まず、コントロールシャフト4の回転運動を直線運動に
変換する円筒型カム機構5について説明すると、第5,6
図に示すように、この円筒型カム機構5は、ケーシング
50にベアリング56,56を介して軸支された円筒カム51
と、この円筒カム51の外周に取付けられたスライダ52
と、スライダ52に先端を連結され後端を同相逆相変換機
構6に連結されたスライドロッド54とから構成されてい
る。
つまり、第22図(a),(b)に示すように、円筒カム
51はスプリングピン55によってコントロールシャフト4
と同軸上に連結されており、ケーシング51の内部におい
てコントロールシャフト4と一体に回転しうるようにな
っている。この円筒カム51の外周には、カム溝53が形成
され、このカム溝53の内部にスライダ52が摺動可能に取
付られている。このカム溝53は、スライド用の螺旋状溝
53aと、この螺旋状溝53aの前後端にそれぞれ連続して形
成された円弧状溝53b,53cとからなっている。この円弧
状溝53b,53cは、円筒型カムの回転軸心を直交する面に
沿って形成されており、スライダ52のスライドを停止し
て後輪への出力を押えるリミット出力機構5Aとして形成
されている。
また、ステアリング1の中立位置において、スライダ52
が、第21図に示すように、螺旋状溝53aの中間点に位置
するように設定されている。
なお、スライダ52の外周とカム溝53の内周との間には、
ベアリング59が介装され、同ベアリング59によりスライ
ダ52の摺動が容易に行なえるようになっている。また、
コントロールシャフト4の後端部はベアリング57によっ
てケーシング50に軸支されている。
スライダ52の基部52aには、スライドロッド54の先端が
挿入されており、スライダ52は、スライドロッド54に螺
合するナット58,58によってスライドロッド54に固定さ
れている。また、スライダ52は、基部52aに装着された
筒状摺動部材52bを、ケーシング50の下部に形成された
スライド室50aの内壁に摺接させており、このスライド
室50aの内壁に案内されて前後に滑らかにスライドしう
るようになっている。
したがって、ステアリングホイール1の操作量つまりハ
ンドル角と、スライドロッド54の進退量つまり後輪の出
力との関係は第23図に示すグラフのようになり、スライ
ダ52がその中立位置を中心に螺旋状溝53a内を摺動する
時には、ハンドル角に応じて線形に後輪への出力が増減
し、ハンドル角が大きくなり、スライダ52が円弧状溝53
b内を摺動するようになると、ハンドル角によらず一定
(またはほぼ一定)の後輪への出力が得られるようにな
っている。
次に、同相逆層変換機構6について説明すると、本機構
6は、第19図(a)〜(c)および第20図(a)に示す
ように、円筒型カム機構5のスライドロッド54の前後方
向へスライド運動を円盤型カム61により適宜の比率で横
方向スライド運動に変換するスライド方向変換部6Aと、
このスライド方向変換部6Aで発生する横方向スライド運
動を受けて、この運動を後輪油圧操舵のためのロータリ
バルブ8へ伝達する後輪操舵力伝達部6Bと、円盤型カム
61を回転させて円盤型カム61のカム溝61aの方向を変更
することにより、スライド方向変換部6Aにおける変換比
率を調整して後輪の転舵比を調整しうる可変機構として
のカム溝方向調整部6Cとからなっている。
このうち、スライド方向変換部6Aは、円筒型カム機構5
のスライドロッド54の後端にピン取付部材62bを介して
固定されたスライドピン62と、このスライドピン62が嵌
入するガイド用長穴63aをそなえケーシング60に固定さ
れたガイド部材63と、スライドピン62の下端が嵌合する
カム溝61aを上面に有する円盤型カム61と、ケーシング6
0にスライド用ベアリング64bを介して横方向へスライド
可能に装着され、円盤型カム61をベアリング64cを介し
て回転可能に軸支するスライドプレート(スライド部
材)64とから構成されている。なお、カム溝61aは、円
盤型カム61の中心を通る直線状のものに設定されてい
る。
したがって、スライドピン62は、長穴63aに案内されて
前後方向にのみスライドでき、このピン62の動きをカム
溝61aを介して円盤型カム61が受けるようになってい
る。そして、カム溝61aが例えば第19図(a)中に鎖線
で示すように、ピン62のスライド方向に対して角度をも
っていると、ピン62の前後方向へのスライドに伴い、円
盤型カム61およびスライドプレート64が横方向へスライ
ドしうるようになっている。
なお、スライドピン62の外周には、摺動リング62aが装
着され、ピン62のカム溝61a内での動きを滑らかにして
いる。
また、このピン62は、スライドロッド54の中立位置にお
いて、カム溝61aの中央つまり円盤型カム61の中心部に
位置するように配設されている。ケーシング60を貫通し
てそなえらえたスライドロッド54の後端部は、軸受60a,
60aを介してケーシング60に軸支されている。
つぎに、後輪操舵力伝達部6Bについて説明すると、この
後輪操舵力伝達部6Bはスライドプレート64の後部下面に
設けられたラック64aと、このラック64aに噛合するピニ
オン69と、後端をロータリバルブ8に連結されたピニオ
ン軸69aとから構成されている。したがって、スライド
プレート64の横方向スライドに伴いラック64aとピニオ
ン69とを介してピニオン軸69aが回転するようになって
いる。
さらに、カム溝方向調整部6Cについて説明すると、この
カム溝方向調整部6Cは、第1図に示すように、スプライ
ン軸66と、このスプライン軸66の先端部に装着されて円
盤型カム61の下部に装着された鉛直軸ベベルギヤ65と噛
合する水平軸ベベルギヤ67とから構成されている。そし
て、このスプライン軸66の先端部が中継カム機構18を介
して流体圧アクチュエータとしての油圧アクチュエータ
7の駆動軸170bに結合されている。
なお、水平軸ベベルギヤ67には、第19図(a)〜(c)
に示すように、キー溝67aが形成され、このキー溝67aが
スプライン軸66に形成されたキー66aと摺動可能にスプ
ライン係合しており、ベベルギヤ67がスプライン軸66と
常に一体回転しうるようになっている。また、ベベルギ
ヤ67は、スライドプレート64の下部に設けられた取付板
64dにベアリング67bを介して軸支され、ベベルギヤ67が
スライドプレート64とともにスプライン軸66の軸方向へ
スライドしうるようになっている。したがって、カム溝
方向調整部6Cでは、油圧アクチュエータ17が作動して、
その駆動用ラック170bが進退すると、中継カム機構18を
介して直線運動が回転運動に変換されて、ピニオン66b
を回転駆動し、この回転が、スプライン軸66,水平軸ベ
ベルギヤ67,鉛直軸ベベルギヤ65を順に介して円盤型カ
ム61に伝達されて、円盤型カム61を回動させて、円盤型
カム61のカム溝61aの向きを変更させることになり、こ
れにより、スライド方向変換部6Aにおける変換比率が変
更されて、後輪の転舵比が調整されるようになっている
のである。
油圧アクチュエータ17は、第1,2図に示すように、油圧
アクチュエータ本体170と、この油圧アクチュエータ本
体170に車速に対応して圧油を供給する油圧ポンプとし
てのトランスミッションポンプ装置(またはデファレン
シャルポンプ装置)72とから構成されている。
油圧アクチュエータ本体170は、ケーシング170eと、こ
のケーシング170e内部に進退可能に設けられたピストン
170aと、このピストン170aに結合されて先端部分をケー
シング170eの外部に突出した駆動軸としてのピストンロ
ッド170bと、ピストン170aを後退位置に付勢するコイル
スプリング170dと、前端をピストン170aに結合されて、
後端をピストン170a即ち駆動軸としてのピストンロッド
170bの進退位置を検知するポテンショセンサ71内に導入
されたセンサ用ロッド170cと、ケーシング170eとピスト
ン170aとでピストン170aの後部に形成された油室170fと
から構成されている。
なお、コイルスプリング170dの剛性(ばね定数)は、油
室170fへ入力される油圧の大きさの範囲に応じて設定さ
れる。
また、トランスミッションポンプ装置72は、第2図に示
すように、車速に対応して(比例して)油圧を出力する
トランスミッションポンプ(またはデファレンシャルポ
ンプ)72aと、このトランスミッションポンプ72aと油圧
アクチュエータ本体170の油室170fとの間を接続する圧
油給排路72bとこの圧油給排路72bに接続された圧油供給
路72cおよび圧油排出路72dと、トランスミッションポン
プ72aとリザーバタンク72gとの間に設けられた油路72j
と、圧油供給路72cと油路72jとの間でトランスミッショ
ンポンプ72aと並列に設けられた逆止弁72eを介装された
油路72iと、圧油排出路72dに介装されたオリフィス72f
と、圧油供給路72cと圧油排出路72dとの間でオリフィス
72fと並列に設けられたリリーフ弁72hとから構成されて
いる。
なお、リリーフ弁72hは圧油供給路72cに所定値以上の油
圧が生じると開通して圧油供給路72cから圧油排出路72d
へと圧油をリリーフしうるようになってている。
ついで、中継カム機構18について説明すると、この中継
カム機構18は、円筒上のカム面180aを有し、一端をスプ
ライン軸66の先端に結合されドラム型カム本体180と、
ピストンロッド170bの先端に固定するように取付けら
れ、カム面180aに形成されたカム溝181内に滑らかに摺
動可能に装着されたとから構成されている。
カム溝181は、第4図のカム面展開図に示すようにS字
状に形成されている。なお、第4図中では、横軸にスラ
イドピン180bつまりピストンロッド170bの進退方向、縦
軸にドラム型カム本体180の回転位相角度をそれぞれ示
している。したがって、カム溝181は、ピストンロッド1
70bがその後退位置(第4図中の右端位置)から前進位
置(第4図中の左端位置)に前進するにしたがい、まず
前進初期には緩やかに傾斜し、その後次第に傾斜を大き
くし、前進中期には大きく傾斜して、その後は逆に次第
に傾斜を大きくし、前進後期には再び緩やかに傾斜して
いる。なお、ここでいう傾斜とは、縦軸のドラム型カム
本体180の回転位相角度の増分に対する横軸のスライド
ピン180bつまりピストンロッド170bの進退方向の増分の
比を示している。
なお、トランスミッションポンプ72aが車速に比例して
油圧を出力するため、ピストンロッド170bの変位は、第
3図のごとく車速に比例したものとなるが、上述のよう
なカム溝181の形成により、ドラム型カム本体180の回転
位相角度(回転角)の車速に対する増加率は、第5図に
示すごとく、車速の極低速時には小さく、車速が大きく
なるにしたがって増加していき、ある車速値からは逆に
減らしていくようになる。
一方、第1図に示すように、ポテンショセンサ71とコン
トローラCとの間には、信号ライン71aおよび給電ライ
ン71bが介装されており、この給電ライン71bを介し、ポ
テンショセンサ71がコントローラCからの給電により、
流体アクチュエータ7の駆動部分であるラック70bの位
置を検出しこの検出信号をコントローラCに出力しうる
ようになっている。
また、圧油給排路72bには、圧力スイッチ73が設けられ
ており、この圧力スイッチ73は信号ライン73aによって
コントローラCと接続されている。
そして、後述する後輪転舵機構RMのロータリバルブ8の
プレッシャポートPPにはエンジンポンプ74から給油路77
aを通じて圧油を供給し、ロータリバルブ8のリターン
ポートPRからの圧油は排油路77bを通じてリザーバタン
ク76へと排出されるように構成されている。なお、第1
図中の符号75はフロントパワーステアリング用ポンプで
あり、このフロントパワーステアリング用ポンプ75はエ
ンジンポンプ74とともにリザーバタンク76から油を供給
されるようにリザーバタンク76と接続されている。
さらに、給油路77aと排油路77bとの間はリリーフ用油路
77cによって接続され、このリリーフ用油路77cには、電
磁弁79が介装されている。この電磁弁79は、給電ライン
79aを通じてコントローラCに接続されており、コント
ローラCで装置の異常を検知するとコントローラCから
電磁弁79に給電されリリーフ用油路77cが開通するよう
になっている。
また、コントローラCには給電ライン78aを通じてウォ
ーニングランプ78が接続されており、コントローラCで
装置の異常を検知するとコントローラCからアラームラ
ンプ78に給電されアラームランプ78が点灯するようにな
っている。
なお、コントローラCでは、ポテンショセンサ71からの
検出値と車速センサSからの検出値とを取り込んでこれ
らの2つの検出値が対応しているかを常に比較してお
り、2つの検出値が対応していなければ、所定時間だけ
ウォーニングランプ78および電磁弁79に給電して、ウォ
ーニングランプ78を点灯すると共に、電磁弁79によりリ
リーフ油路77cを開通させて、ロータリバルブ8への油
圧供給を停止するようになっている。
また、コントローラCでは、入力された車速測定値が所
定値(たとえば5km/h)以上であり且つ油圧スイッチ73
からトランスミッションポンプ72からの油圧が0である
との情報が入ると、上述と同様に所定時間だけウォーニ
ングランプ78および電磁弁79に給電して、ウォーニング
ランプ78を点灯すると共に、電磁弁79によりリリーフ油
路77cを開通させて、ロータリバルブ8への油圧供給を
停止するようにもなっている。
さらに、コントローラCでは、車速センサSからの車速
検出値を微分することで加速度(減速度を含む)を算出
し、この加速度が所定値(例えば1G)以上であれば、上
述と同様に所定時間だけウォーニングランプ78および電
磁弁79に給電して、ウォーニングランプ78を点灯すると
共に、電磁弁79によりリリーフ油路77cを開通させて、
ロータリバルブ8への油圧供給を停止するようになって
いる。
つぎに、後輪転舵機構RMを構成するロータリバルブ8,パ
ワーシリンダ9およびリヤサスペンション10についてい
説明する。
まず、同相逆相変換機構6の後輪操舵力伝達部6Bからの
操舵力を受けて、この操舵力によりリヤパワーシリンダ
9を駆動するロータリーバルブ8について説明する。
このロータリーバルブ8は、第10図(a),(b)およ
び第11図(a)〜(d)に示すように、ハウジング80と
このハウジング80内にハウジング80に対して前後方向軸
回りに回転可能に装着されたスプール81と、このスプー
ル81内に第1のリング84aおよび第2のリング84bを介し
てスプール81に対して回転可能に装着されたロータリー
シャフト82と、ピン83aによってスプール81と一体回転
しうるように装着された追従シャフト83と、ロータリー
シャフト82および追従シャフト83の内部に形成された中
空部82g,83b内にそなえられた内部シャフト85とから構
成されている。
ハウジング80は、前部ハウジング80aと中間部ハウジン
グ80bと後部ハウジング80cとがそれぞれOリング88cを
介して互いに油密に嵌合されさらにボルト・ナット80e
によって結合されてなっており、ハウジング80の内部に
は弁室80dが形成されている。また、中間部ハウジング8
0bの上部にはXポート(後述するリヤパワーシリンダ9
の右油室90bに通じるポート)PXおよびYポート(リヤ
パワーシリンダ9の左油室90aに通じるポート)PYが形
成され、下部にはPポート(プレッシャポート)PPが形
成されており、後部ハウジング80cの下部にはRポート
(リターンポート)PRが形成されている。このうちプレ
ッシャポートPPは、第1図に示すように、給油路77aを
通じてエンジンポンプ74に接続され、リターンポートPR
は、排油路77bを通じてリザーバタンク76へと接続され
ている。さらに、中間部ハウジング80bの前部および後
部には、それぞれ環状凹部80f,80gが形成されている。
このようなハウジング80の内部にそなえられるスプール
81には、その前部をベアリング87bによって前部ハウジ
ング80aに軸支され、その後部をベアリング87bによって
後部ハウジング80eに軸支されている。そして、このス
プール81の外周面と前部ハウジング80aと中間部ハウジ
ング80bの環状凹部80fとから第1の環状油室89aが形成
され、スプール81の外周面と後部ハウジング80cと中間
部ハウジング80bの環状凹部80fとから第2の環状油室89
bが形成されている。
そして、スプール81の下部には、スプール内部と第1の
環状油室89aとを連通させる第1の開口81aと、スプール
内部と第2の環状油室89bとを連通させる第2の開口81b
とが設けられている。スプール81の外周における第1お
よび第2の開口81a,81bの中間には、PポートPPと連通
する環状溝81cが形成され、さらにこの環状溝81c内に
は、第3の開口81dが設けられている。なお、スプール8
1の環状溝81cの前後の外周には、中間部ハウジング80b
と密着するシール用のOリング88d,88dが装着されてい
る。
このスプール81の後端内部には、追従シャフト83が、嵌
着されており、両者81,83はピン83aによって一体回転し
うるように結合されている。この追従シャフト83は、ベ
アリング87cによって後部ハウジング80cに軸支されてお
り、このベアリング87cの後方には、ハウジング80と追
従シャフト83との間をシールするシールリング88が装着
されている。
また、後部ハウジング80cのベアリング87cより前方に
は、環状油室89cが形成されており、スプール81および
追従シャフト83にはこの環状油室89cと追従シャフト83
の内部とを連通させる開口83cが形成されている。な
お、環状油室89cはRポートPRに通じている。
さらに、スプール81の内部には、ロータリーシャフト82
が第1のリング84aおよび第2のリング84bを介してそな
えられている。このロータリーシャフト82の前端には、
同相逆相変換機構6のピニオン軸69aが形成され、この
ピニオン軸69aラック64aと噛合するピニオン69が装着さ
れており、その前部がベアリング87aを介して前部ハウ
ジング80aに軸支されているとともに、その後部がベア
リング87aを介して追従シャフト83に軸支されている。
そして、このロータリーシャフト82の外周面は、スプー
ル81または第1および第2のリング84a,84bの内周面と
摺接しうるようになっているが、第11図(a)〜(c)
に示すようにロータリーシャフト82が中立状態の際に
は、ロータリーシャフト82の外周面と、スプール81また
は第1および第2のリング84a,84bの内周面との間に隙
間が生じるようになっている。
なお、本実施例においては、ロータリシャフト82とピニ
オン軸69aとが同軸上に一体に形成されているがこれら
のロータリシャフト82とピニオン軸69aとの間にユニバ
ーサルジョイントや他のシャフトを介装してもよい。
また、このロータリーシャフト82の両側部には、それぞ
れ第1の凹所82aおよび第2の凹所82bと、第1の連通口
82cおよび第2の連通口82dとが設けられ、第1および第
2の連通口82c,82dは、いずれもロータリーシャフト82
の軸心に沿って形成された中空部82gとロータリーシャ
フト82の外部とを連通させている。第1の凹所82aと第
1の連通口82cとの間、および、第2の凹所82bと第2の
連通口82dとの間は、それぞれ第1の仕切壁82e,第2の
仕切壁82fによって互いに仕切られている。
なお、第1のリング84aおよび第2のリング84bは、いず
れもスプール81の内周面に形成された凹所81eに圧入等
により嵌着されていて、互いに適当に離隔している。こ
の離隔部分には、ロータリーシャフト82の第1の凹所82
aと第2の凹所82bとを連通させうる連通室84cが形成さ
れている。さらに、第1のリング84aおよび第2のリン
グ84bの上部および下部には、それぞれのリング84a,84b
の内部と外部とを連通させる開口84d,84e,84f,84gが形
成されている。
このうち、第1のリング84aの開口84eは、ロータリーシ
ャフト82の前部に位置しスプール81の第1の開口81aと
連通している。また、第2のリング84bの開口84gは、ロ
ータリーシャフト82の後部に位置しスプール81の第2の
開口81bと連通している。
なお、ロータリーシャフト82の外周には、前部ケーシン
グ80a、第1のリング84aおよび第2のリング84bとの間
をシールするOリング88a,88b,88cがそれぞれ装着され
ている。また、ピニオン69と、ロータリーシャフト82の
ピニオン軸69aとはピン69bによって一体回転しうるよう
に結合されている。
このようなロータリーシャフト82の中空部82gおよび追
従シャフト83に形成された中空部83bの内部に、内部シ
ャフト85がそなえられている。この内部シャフト85は、
ピン85aによってその前端をロータリーシャフト82に固
定されており、内部シャフト85の外周面とロータリーシ
ャフト82の中空部82gの内周面との間には、適当な間隔
の隙間が形成されている。
また、内部シャフト85の後端部には、Oリング88fが装
着されていて、内部シャフト85と追従シャフト83との間
の回転摺動部をシールしている。
なお、この内部シャフト85は、ピン83aによって追従シ
ャフト83に一旦固定され位置決めされた上で組み付けら
れるが、このピン83aは、組み付け後には取り外され
る。
また、ロータリーシャフト82は、第11図(a)〜(c)
に示すように、左右に第1の凹所82aおよび第2の凹所8
2bを位置させた状態が中立状態であり、同相逆相変換機
構6の後輪操舵力伝達部6Bからの操舵力をラック64aに
噛合するピニオン69で受けることによりピニオン69が回
転すると、これとともにロータリーシャフト82が回転す
るようになっているが、このロータリーシャフト82の回
転角度θ[第12図(a)参照]は、θ=−150°〜+150
°の範囲内に設定されている。
さらに、追従シャフト83と、後述のリヤパワーシリンダ
9のピストン92またはピストンロッド92a,92bとの間に
は、ラックアンドピニオン等の図示しない連動機構が設
けられ、追従シャフト83は、ロータリーバルブ8により
作動するリヤパワーシリンダ9のピストンロッド92a,92
bの動きに応じて回転するようになっている。したがっ
て追従シャフト83はロータリーシャフト82の動きに追従
してロータリーシャフト82の回転角度θと同角度だけ同
方向に回転するようになっている。
次に、ロータリーバルブ8からの油圧を受けて伸縮しな
がらリヤサスペンション10のトレーリングアーム10aを
進退させ後輪を駆動するリヤパワーシリンダ9について
説明する。
このリヤパワーシリンダ9は、第13図に示すように、ロ
ータリーバルブの作動により油圧を供給または排出され
る左油室90aおよび右油室90bをそなえたシリンダ本体90
と、このシリンダ本体90の内部において進退しうるよう
にそなえられ、シリンダ本体90内部を左油室90aおよび
右油室90bに区分するピストン91と、このピストン91か
ら左右に突設されシリンダ本体90の左右を貫通するピス
トンロッド(タイロッド)92a,92bとから構成されてい
る。
シリンダ本体90の左右には、キャップ93a,93bが装着さ
れていて、ピストンロッド92a,92bはこのキャップ93a,9
3bに設けられた穴部を貫通している。また、シリンダ本
体90の内周面中央部には、内方に突出した環状凸部90c
が形成され、ピストン91は、この環状凸部90cの内部に
パイプ94を介して左右へ摺動しながら進退しうるように
摺接されている。
ピストン91の左右のピストンロッド92a,92bとパイプ94
との間には、環状のラバースプリング95a,9abがそなえ
られており、さらに、このラバースプリング95a,95bの
外側には、それぞれ外方に向けて突出したストッパ96a,
96bが設けられた環状のプレート97a,97bが、左油室90a
または右油室90bの内部でスライドしうるようにそなえ
られている。
この各プレート97a,97bの外側面と各キャップ93a,93bの
内側面との間には、それぞれコイルスプリング98a,98b
が介装される。このコイルスプリング98a,98bは、ラバ
ースプリング95a,95bよりも柔軟であってばね定数が低
く、これらのばね特性の異なる2種のスプリング98a,98
bおよび95a,95bをピストン91と直列に装着することによ
り非線形ばね構造9Aが構成されている。
なお、ピストン91が中立状態の際には、環状凸部90cの
左右端面とパイプ94およびラバースプリング95a,95bの
左右端面とが面一になるように設定されており、また、
コイルスプリング98a,98bには、適当なプリロード(本
実施例では圧縮荷重)F1が与えられているため、各プレ
ート97a,97bは、ピストン91の中立時において、コイル
スプリング98,98bに付勢されて、環状凸部90c,パイプ9
4,ラバースプリング95a,95bの各端面と当接している。
したがって、左油室90aおよび右油室90bの内部の油圧が
調整され、ピストン91に左または右への油圧には力がは
たらいて、この油圧による力がコイルスプリング98a,98
bへのプリロードF1を超えると、はじめてコイルスプリ
ング98a,98bも変形するようになっている。
なお、このプリロードの大きさは、第14図のグラフに示
すように、ピストン91のストロークが(+S1)または
(−S1)を超えると、はじめてコイルスプリング98a,98
bが変形するように設定されている。逆にピストンのス
トロークが(−S1〜+S1)の範囲内では、ラバースプリ
ング95a,95bが変形してスプリング反力を発揮するよう
になっており、この非線形ばね構造9Aは、リヤパワーシ
リンダ9への油圧がフェイルした際に、この剛性の強い
ラバースプリング95a,95bの作用によって一定のステア
リング剛性を確保しうるとともに、大舵角時に要する操
舵力を低減しようとするものである。このストローク
(−S1〜+S1)の範囲は、油圧フェイル時に、車体の旋
回時により後輪2bに横力が加わって後輪2bが転舵しよう
としても、ラバースプリング95a,95bが確実に後輪2bを
中立状態へ戻すようにはたらきうるような範囲として設
定されている。
そして、このような非線形ばね機構9Aのアセンブリ特性
(シリンダストロークに対するスプリング反力の特性)
は、ラバースプリング95a,95b、コイルスプリング98a,9
8bおよびストッパ96a,96bの作用によって第14図に実線
で示すようになっている。
そして、これに応じたリヤパワーシリンダ9の出力特性
は第15図に実線で示すようになっている。
つぎに、リヤパワーシリンダ9により駆動されて後輪2b
を転舵するリヤサスペンション10について説明すると、
第3,16図に示すように、後輪2bのハブキャリヤ2b′は、
上下のラテラルリンク10b,10bを介してシャシメンバ12
に転舵可能に支持されている。なお、図示しないが、ラ
テラルリンク10b,10bはその円端をシャシメンバ12に枢
着されている。
さらに、この後輪2bのハブキャリヤ2b′には、トレーリ
ングアーム10aの一端が結合されており、後輪2bはこの
トレーリングアーム10aの移動に応じて転舵されるよう
になっている。
この各トレーリングアーム10aの前端は、平行リンク機
構11を介してシャシメンバ12に結合され支持されてい
る。また、この平行リンク機構11は、基端をシャシメン
バ12に枢支されていて、先端が一定範囲内で旋回自在と
なっているため、トレーリングアーム10aはこの平行リ
ンク機構11の先端を適宜旋回させながら、後輪2b側の一
端を中心として自ら旋回しうるようになっている。
この平行リンク機構11についてさらに説明すると、第16
図および第17図(a),(b)に示すように、平行リン
ク機構11は、シャシメンバ12にパイプ11gを介して枢着
された基端側の一対の第1回転軸11d,11dと、この回転
軸11d,11dの上下に取り付けられシャシメンバ12の後方
へ突出してそなえられた一対の平行リンクアッパ11a,11
aおよび一対の平行リンクロア11b,11bと、この平行リン
クアッパ11a,11aと平行リンクロア11b,11bとの先端部相
互間を結合するようにそなえられた一対の第2回転軸11
e,11eとから構成されている。
そして、先端側の一対の回転軸11e,11eの軸回りに回転
自在に一対のアダプタ11c,11cがそなえられ、このアダ
プタ11c,11cの相互に支持されて、トレーリンクアーム
用支持ピン11fが装着されている。したがって、支持ピ
ン11fは、シャシメンバ12のほぼ長手方向に平行移動で
きるようになっている。トレーリングアーム10aの先端
は、この支持ピン11fに、ゴム材等でできた弾性ブッシ
ュ11iを介して上下ストロークに対して回転自在に結合
されている。なお、第17図中、符号11hは、各回転軸11
d,11eを装着するためのナットを示す。
そして、リヤパワーシリンダ9のピストンロッド92a,92
bはそのまま延長されてタイロッドとして、各トレーリ
ングアーム10aの先端部分に連結されている。したがっ
て、このピストンロッドとしてのタイロッド92a,92bの
スライドに応じてトレーリングアーム10aがそれぞれ車
幅方向へ駆動されるようになっている。
本考案の一実施例としての車両用前後輪操舵装置は、上
述のごとく構成されているので、以下のようにして後輪
2bが転舵される。
第6図に示すように、ステアリングホイール1を回転さ
せると、この回転力は、ステアリングシャフト1bを通じ
て、フロントパワーステアリングギヤボックス1aに伝達
され、前輪転舵機構FMを作動し、さらに、ギヤボックス
1aからベベルギヤアセンブリ3およびコントロールシャ
フト4を通じて後輪転舵比調整機構RCのカム機構5に伝
達される。
なお、ステアリングホイール1を右回転させると、コン
トロールシャフト4は後方より見て右回転し、ステアリ
ングホイール1を左回転させると、コントロールシャフ
ト4は後方より見て左回転する。
このステアリングホイール1の回転時において、前輪転
舵機構FMでは、フロントパワーステアリングギヤボック
ス1aを通じて駆動される図示しないフロントパワーシリ
ンダおよびラック21aとピニオン31a(第7図参照)とに
よって前輪2aが転舵される。
そして、ピニオン31aのピニオン軸31の回転力は常時に
は、ベベルギヤアセンブリ3のベベルギヤ32、34を通じ
て方向転換された上でコントロールシャフト4に伝達さ
れる。
なお、例えばコントロールシャフト4の変形やこのシャ
フト4により駆動される後輪転舵比調整機構RCおよび後
輪転舵機構RM等に不具合が生じたりして、ベベルギヤア
センブリ3に過大な負荷が加わるような緊急時には、ピ
ニオン軸31と第1のベベルギヤ32との間に介装された樹
脂ピン37が過大な負荷によって破壊する。これによっ
て、ピニオン軸31と第1のベベルギヤとの結合が解除さ
れ、後輪転舵比調整機構RCおよび後輪転舵機構RMへの操
舵力が断たれ、前輪操舵のみの2輪操舵に変更されるよ
うになっている。したがって、緊急時にも、前輪操舵能
力が確保されて、一定の操舵能力が保たれる利点があ
る。
コントロールシャフト4が回転すると、コントロールシ
ャフト4の後端にそなえられた円筒型カム機構5におい
て、回転運動が直線運動に変換される。
つまり、第21図に示すように、コントロールシャフト4
が回転すると、このコントロールシャフト4の後端に一
体的に結合された円筒カム51が回転する。これによっ
て、円筒カム51のカム溝53内に摺動可能に取付けられ、
第22図に示すようにその基部52aをケーシング50のスラ
イド室51aの内壁に案内されてスライドしうるようにな
っているスライダ52は、カム溝53内を摺動しながらスラ
イドロッド54とともに前後に進退動する。
このとき、カム溝53が中間部の螺旋状溝53aとその前後
円弧状溝53b,53cとから構成されるリミット出力機構5A
をそなえているので、コントロールシャフト4の回転度
合(したがってステアリングホイール1のハンドル角)
に対するスライダ52およびスライドロッド54の進退度合
(したがって後輪への出力)との関係は第23図のグラフ
に示すようになる。
つまり、ステアリングホイール1の中立位置を中心とし
て、左右へ一定のハンドル角以内では、スライダ52が螺
旋状溝53a内を摺動して進退動しハンドル角が一定値を
超えると、スライダ52が円弧状溝53b内で摺動して、前
進位置または後退位置において停止する。
このようなスライドロッド54の進退動は、同相逆相変換
機構6を介して、適宜調整されてロータリーバルブ8へ
伝達されるが、この時、本考案の特徴とする同相逆相変
換機構6では、次のように各部が動作する。
つまり、まず、可変機構としてのカム溝方向調整部6Cに
おいて、常に車速に応じて円盤型カム61のカム溝61aの
方向が調整された上で、この調整されたカム溝61aに応
じた適宜の変換比率でスライド方向変換部6Aによりスラ
イダ52の前後方向へのスライド運動が左右方向への運動
(横方向スライド運動)に切換えられ、この横方行スラ
イド運動が後輪操舵力伝達部6Bにおいて、ロータリーバ
ルブ8へ伝達されて、ロータリーバルブ8が制御され
る。
このような同相逆相変換機構6の動作についてさらに詳
細に説明する。
カム溝方向調整部6Cでは、油圧アクチュエータ7の駆動
力が中継カム機構18を介して入力される。この時、油圧
アクチュエータ17のトランスミッションポンプ72aが車
速に比例して油圧を油圧アクチュエータ7の油室170fに
出力するため、ピストンロッド170bの変位が第3図に示
すごとく車速に比例したものとなるのに対して、中継カ
ム機構18における第4図に示すようなカム溝181の形成
により、ドラム型カム本体180の回転位相角度(回転
角)の車速に対する増加具合は、第5図に示すように、
車速の極低速時には小さく、車速が大きくなるにしたが
って増加していき、ある車速値からは逆に減らしていく
ようになる。
そして、油圧アクチュエータ17は、中継カム機構18を介
して、ドラム型カム本体180に結合されたスプライン軸6
6とともに水平軸ベベルギヤ67を回転駆動し、水平軸ベ
ベルギヤ67と噛合する鉛直軸ベベルギヤ65を通じて円盤
型カム61を回転駆動する。
この結果、円盤型カム61では、第5図に示すドラム型カ
ム本体180の回転角と同様な車速に対する回転角特性と
なる。
したがって、供給油圧が車速に対して比例して増加する
のに対して、スライドピン62をハンドル角に対してリニ
アに進退するように設定しても、円盤型カム61の回転角
特性に加えて、前後輪転舵比が0となるような車速基準
値Mを適当に設定することにより、前後輪転舵比特性
を、第9図に実線で示すような重心スリップ角を0とす
るような前後輪転舵比特性曲線に極めて近いものに、容
易に設定できるのである。
したがって、例えば車速が基準値Mである時には、カム
溝61aが車体の前後方向に沿うように向いた中立状態
[第19図(a)中における水平状態]になるように、ス
テッピングモータ7bが作動してモータ7bのモータ軸に連
結されたスプライン軸66を駆動し、ベベルギヤ65,67を
介してカム61を回転調整する。
そして、例えば車速が基準値Mよりも小さい中低速時に
は、カム溝61aが第19図(a)において符号61a″で示す
ような逆相用傾斜状態となるように、ステッピングモー
タ7bがカム61を回転調整する。この時、カム溝61aの傾
斜度合は、車速に応じたものに調整される。
また、車速が基準値Mよりも大きい高速時には、カム溝
61aが第19図(a)において符号61a′で示すように中低
速時とは逆向きの同相用傾斜状態となるように、ステッ
ピングモータ7bがカム61を回転調整する。この時も、カ
ム溝61aの傾斜度合は、車速に応じたものに調整され
る。
なお、この時、スプライン軸66の回転力は、スプライン
軸66のキー66aとステッピングモータ側のベベルギヤ67
のキー溝67aとのスプライン係合部を通じてベベルギヤ6
7に伝達される。
次に、スライド方向変換部6Aについて説明すると、この
スライド方向変換部6Aでは、車速に応じて適宜調整され
たカム溝61aを介して、スライド方向を変換する。
例えば、第20図(a)に示すように、車速が基準値Mで
あり、カム溝61aが中立状態となっていると、スライド
ロッド54とともにピン62がカム溝61a内を前後にスライ
ドしても、カム溝61aがこのピン62のスライド方向と一
致した方向にあるため、ピン62はカム溝61aの側壁へ力
を与えることはない。したがって、ステアリングホイー
ル1を操作してカム機構5を通じてピン62を進退させて
も、カム61およびスライドプレート64には、横方行のス
ライド力が発生しない。
また、第20図(b)に示すように、車速がMよりも小さ
い中低速時でカム溝61aが逆相用傾斜状態となっている
と、ピン62の進退動に応じて、カム61およびスライドプ
レート64に横方行のスライド力が伝達される。例えば、
ピン62が前進するとカム61およびスライドプレート64は
左方向へスライドし、ピン62が後退するとカム61および
スライドプレート64は右方向へスライドする。これに応
じて、後輪操舵力伝達部6Bにおいて、この横方行へのス
ライド運動が回転運動に変換されながらロータリーバル
ブ8のピニオン軸69aに動力伝達される。
一方、第20図(c)に示すように、車速がMよりも大き
い高速時でカム溝61aが同相用傾斜状態となっている
と、ピン62の進退動に応じて、カム61およびスライドプ
レート64に中低速時とは逆向きの横方向へのスライド力
が伝達される。例えば、ピン62が前進すると、カム61お
よびスライドプレート64は右方向へスライドし、ピン62
が後退するとカム61およびスライドプレート64は左方向
へスライドする。これに応じて、後輪操舵力伝達部6Bに
おいて、この横方向へのスライド運動が回転運度に変換
されながらロータリーバルブ8のピニオン軸69aに動力
伝達される。
後輪操舵力伝達部6Bでは、各カム溝61a方向に基づいて
ピン62の位置つまりハンドル角に応じてロータリーバル
ブ8のロータリーシャフト82がその回転位相をとるよう
に、スライドプレート64のラック64aとロータリーシャ
フト82の前端のピニオン軸69aに装着されたピニオン69
との噛合を通じて、動力を伝達する。
例えば、車速が基準値Mであれば、ピンの進退によらず
カム溝61aは第20図(a)に示すように常に中立状態に
保持され、カム61,スライドプレート64およびラック64a
とピニオン69とを通じてピニオン軸69aも中立状態に保
持される。したがって、ロータリーシャフト82も第11図
(a)〜(b)に示すような中立状態となり、後輪2bも
中立状態となっている。
また、車速の中低速時には、カム溝61aは第20図(b)
に示すような逆相用傾斜状態にあり、ステアリングホイ
ール1を右回転させてピン62が前進すると、スライドプ
レート64が左方向へスライドしラック64aとピニオン69
との噛合部を通じて、ピニオン69とともにピニオン軸69
aおよびロータリーシャフト82が、第12図(a)〜
(d)に示すように、後方より見て左回転する。
逆に、ステアリングホイール1を左回転させてピン62が
後退すると、スライドプレート64が右スライドし、ピニ
オン69とともにピニオン軸69aおよびロータリーシャフ
ト82が後方より見て右回転する。
一方、車速の高速時には、カム溝61aは第20図(c)に
示すような同相用傾斜状態にあり、ステアリングホイー
ル1を右回転させてピン62が前進すると、スライドプレ
ート64が右スライドし、ラック64aとピン69とを通じ
て、ピニオン69とともにピニオン軸69aおよびロータリ
ーシャフト82が後方より見て右回転する。逆に、ステア
リングホイール1を左回転させてピン62が後退すると、
スライドプレート64が左スライドし、ピニオン軸69aお
よびロータリーシャフト82が後方より見て左回転する。
なお、スライドプレート64のスライド時には、このスラ
イドプレート64の取付板64dに軸支されたステッピング
モータ側のベベルギヤ67が、第20図(a)〜(c)に示
すように、スライドプレート64とともにスライドするた
め、このベベルギヤ67とカム側のベベルギヤ65との噛合
状態が常時確保されている。
次に、ロータリーバルブ8、リヤパワーシリンダ9、非
線形ばね機構9Aおよびリヤサスペンション10の動作を説
明する。
第11図(a)〜(c)に示すように、ロータリーシャフ
ト82が中立状態の時には、ロータリーシャフト82の外周
面と、スプール81または第1および第2のリング84a,84
bの内周面との間に隙間が生じるため、プレッシャプー
トPPは、これらの隙間を通じてロータリーシャフトの第
1の凹所82a内および第2の凹所82b内と連通し[第11図
(a)の矢印参照]、さらに、この第1および第2の凹
所の各内部から各隙間と第1および第2の環状油室89a,
89bとを通じてXポートPXおよびYポートPYとが連通し
ている[第11図(b),(c)の各矢印参照]。また、
プレッシャポートPPは、中空部82g,83bを通じてリター
ンポートPRとも連通している[第11図(d)の矢印参
照]。
したがって、リヤパワーシリンダ9の左油室90a,右油室
90bは同圧となって、リヤパワーシリンダ9が中立状態
に保たれ、後輪2bも中立状態に保持される。
そして、例えば、第12図(a),(c),(d)に示す
ように、ロータリーシャフト82が角度θだけ左回転する
場合を考えると、ロータリーシャフト82の外周面がスプ
ール81または第1および第2のリング84a,84bの内周面
と密接して、ロータリーシャフト82の第1の凹所82a内
と第2の凹所82b内との間が閉塞される。これにより、
プレッシャポートPPは、第2の凹所82b内と連通して
[第12図(a)の矢印参照]、この第2の凹所82b内と
開口84e,81aとを介して連通する第1の環状油室89aとを
通じてYポートPYと連通する[第12図(c)の矢印参
照]。したがって、プレッシャポートPPからの圧油がY
ポートPYからリヤパワーシリンダ9の左油室90a内に供
給される。
一方、リターンポートPRは、このリターンポートPRに第
3の環状油室89cと開口83cとを介して連通状態にある中
空部82g,83bと、この中空部82g,83bと第2の連通路82d
および開口84g,81bを介して連通する第2の環状油室89b
とを通じて連通する[第12図(d)の矢印参照]。した
がって、リヤパワーシリンダ9の右油室90b内の圧油が
XポートPXからリターンポートPRへ排出される。
このように、リヤパワーシリンダ9の左油室90aへ圧油
が供給されて右油室90bから圧油が排出されるため、リ
ヤパワーシリンダ9内のピストン92は、例えば第20図
(c)中の矢印aで示すように右方向へ駆動される。
この時、図示しない連動機構によりフィードバック制御
されながらロータリーシャフト82に追従する追従シャフ
ト83は、ピストン92が所要量だけ移動すると、第12図
(b)に示すように、ロータリーシャフト82と同位相だ
け回転し、リヤパワーシリンダ9への油圧の給排が停止
される。
そして、この時、リヤパワーシリンダ9にそなえられた
非線形ばね構造9Aが作用する。つまり、第14図に示すよ
うに、ハンドル角が大きい場合には、コイルスプリング
98aに抗して後輪操舵力を発揮すればよく、コイルスプ
リング98aのばね定数が小さくスプリング反力の増加も
抑制されているため、第15図に示す後輪操舵力つまりリ
ヤパワーシリンダへの油圧供給量の増加が抑制される。
なお、この非線形ばね構造9Aには、ストッパ96a,96bが
そなえられているため、第14図に示すように後輪舵角量
が制限される。
そして、このようなピストン92とともにピストンロッド
(タイロッド)92a,92bも右方向へ駆動されると、この
ピストンロッド92a,92bにより、左右のトレーリングア
ーム10a,10aがともに右方向へ駆動させる。
例えば、高速時に、ステアリングホイール1を右回転さ
せると、コントロールシャフト4も後方より見て右回転
し、これによって、スライドロッド54とともにスライド
ピン62が前方へスライドし、第20図(c)に示すよう
に、同相逆相変換機構6を介してピニオン69が後方より
見て左回転して、第12図(a)〜(c)に示すように、
ロータリーバルブ8が作動して、トレーリングアーム10
a,10aが右方向へ駆動され、後輪2bが前輪2aと同位相
(同相)の右方向へ転舵される。
また、中低速時は、ステアリングホイール1を左回転し
て、スライドピン62を後退させると、ピニオン69が左回
転し、後輪2bが、左方向へ転舵される前輪2aとは逆位相
(逆相)の右方向へ転舵される。
この後輪転舵時に、各トレーリングアーム10aの前端
は、平行リンク機構11に介して平行移動自在にシャシメ
ンバに結合されているので、トレーリングアーム10aは
容易に横移動する。
つまり、第18図(a)に示すようなトレーリングアーム
10aの旋回時には、トレーリングアーム10aのブッシュ11
iの軸心と、このブッシュ11i内のピン11fの軸心とのな
す角(ブッシュのこじれ角)α,βが、例えば、第18図
(b)に示す一本リンクのこじれ角α,βに比べて著し
く小さく、また第18図(c)に示すパワーシリンダで直
接Z点を駆動させるものに比べZ点のスライド上の問題
も少いため、トレーリングアーム10aの横移動、つまり
後輪2bの転舵が無理なく行なわれるようになる。
また、この平行リンク機構11では、Z点(支持ピン11f
の中心点)の仮想の旋回半径R′が、平行リンク長(平
行リンクアッパ11aおよび平行リンクロア11bの長さ)R
よりも大きくなるため、後輪操舵時に、Z点の描く円弧
を大きくすることができる。したがって、E点(トレー
リングアーム10aの後輪1bへの連結点)の変位つまりホ
イールベースおよびトレッドの変化を小さくすることが
できる。また、リヤパワーシリンダ9のストロークが小
さくても所要の後輪舵角(θ)を得られるようになる。
さらに、2本のリンク長を適当に調整することにより、
パワーシリンダ9のストロークに対するIN側またはOUT
側への後輪舵角特性を変更することができ、設計自由度
が大きいという利点もある。
このようにして、車速に対した後輪転舵比に基づいて、
ステアリング1の操作量(ハンドル角)に応じて所要角
度だけ後輪2bが転舵される。
なお、ハンドル角に対する後輪転舵角の大きさは、第8
図に示すようになっており、角車速に応じて、一定ハン
ドル角までは、リニアに変化する。例えば、中低速時に
は、同相逆相変換機構6のカム溝61aが第20図(b)に
示すようにハンドル角の大きさに応じた逆相傾斜状態と
なって、後輪2bは前輪2aと逆位相方向に所要角度だけ転
舵される。この時の転舵比は、車速が小さいほど、大き
くなる。
一方、高速時には、同相逆相変換機構6のカム溝61aが
第20図(c)に示すような同相傾斜状態となって、ハン
ドル角の大きさに応じて、後輪2bは前輪2aと同位相方向
に所要角度だけ転舵される。この時の転舵比は、車速が
大きい程大きくなる。
そして、ハンドル角が一定値を超えると、カム機構5の
リミット出力機構5Aがはたらいて、つまり、カム機構5
の円弧状溝53b,53c内をスライダ52が摺動して、ハンド
ル角によらず後輪操舵量が一定に保持される。
この結果、中低速域における後輪の逆位相転舵時には、
後輪のグリップ力の低下が防止され、高速域における後
輪の同位相転舵時には、強アンダステア特性が抑制され
る。したがって、安定した車体姿勢でより確実に操舵で
きるようになるとともに、ソフトにステアリング操作で
きるようになり、ステアリングフィーリングが向上す
る。
なお、第8図中、0.5g,0.7g,0.9gを付して示す曲線は、
各車速における定常回転時のハンドル角と横G(横加速
度)との関係を示す。
このように本実施例では、後輪転舵比調整機構RCの油圧
アクチュエータ7と同相逆相変換機構6との間に設けら
れた中継カム機構1のカム溝181の形状を適宜設定する
ことによって、カム機構5のリミット出力構造5Aのはた
らきと相まって、第9図に実線で示すように、前後輪舵
各比kの車速vに対する特性を車体の重心スリップ角β
をほぼ0となるように設定できる。これにより、車体
の操縦性能を大きく向上できるようになる。したがっ
て、車速に応じて後輪転舵比が最適な値に設定され、あ
る車速でカム溝61aが所定角度に設定されると、ハンド
ル角に対して後輪2b,2bが線形に転舵される。
そして、後輪転舵機構RMがフェイルした場所には、リヤ
パワーシリンダ9に組み込まれた中立位置付勢機構とし
ての非線形ばね構造が、そのラバースプリング95a,95b
およびコイルスプリング98a,98bの中立位置への付勢力
によって後輪2bが中立状態へ保持される。この時、ラバ
ースプリング95a,95bには大きなばね値を設定しうるた
め、後輪のための十分な中立位置付勢力が得られる。
また、コントローラCでは、ポテンショセンサ71からの
検出値と車速センサSからの検出値とを取り込んでこれ
らの2つの検出値が対応しているかを常に比較してお
り、2つの検出値が対応していなければ、所定時間だけ
ウォーニングランプ78および電磁弁79に給電し、ウォー
ニングランプ78を点灯すると共に、電磁弁79によりリリ
ーフ油路77cを開通させえ、ロータリバルブ8への油圧
供給を停止する。
また、コントローラCでは、入力された車速測定値が所
定値(たとえば5km/h)以上であり且つ油圧スイッチ73
からトランスミッションポンプ72からの油圧が0である
との情報が入ると、上述と同様に所定時間だけウォーニ
ングランプ78および電磁弁79に給電して、ウォーニング
ランプ78を点灯すると共に、電磁弁79によりリリーフ油
路77cを開通させて、ロータリバルブ8への油圧供給を
停止する。
これによって、車速センサSやトランスミッションポン
プ72に異常が生じても、速やかに、後輪転舵用のリヤパ
ワーシリンダ9内の油圧をリリーフして、後輪転舵系が
操舵の妨害とならないようにするとともに、後輪転舵系
(特にリヤパワーシリンダ9等)の損傷を回避しなが
ら、前輪2aの転舵のみにより何ら支障のない操舵体制が
取れるようになる利点がある。
さらに、コントローラCでは、車速センサSからの車速
検出値を微分することで加速度(減速度を含む)を算出
し、この加速度が所定値(例えば1G)以上であれば、上
述と同様に所定時間だけウォーニングランプ78および電
磁弁79に給電して、ウォーニングランプ78を点灯すると
共に、電磁弁79によりリリーフ油路77cを開通させて、
ロータリバルブ8への油圧供給を停止する。
これによって、急ブレーキの際に生じる車輪2a,2a,2b,2
bがロック状態になった時や、摩擦係数の低い路面等に
おいて、車輪2a,2a,2b,2bがスリップした時に、車速比
例型のトランスミッションポンプ72や車速センサSが実
車速に対応して作動できなくなっても、後輪転舵系誤動
作を防止することができる利点がある。
なお、第9図中の破線は、従来例(特開昭60-193770号
公報に示される四輪操舵装置)の特性を示すものであ
り、この場合特に低速時の逆相域では前後輪転舵角比が
小さく、β=0に制御できない。
また、本実施例では、同相逆相変換機構6の円盤型カム
61のカム溝61aを直線上に設定したが、他の適当な曲線
状に設定することも考えられ、このカム溝61aの形状設
定により、ハンドル角に対する後輪転舵角の関係を線形
にも、非線形にも自由に設定できる。
また、カム61は円盤型に限られるものではない。また、
本実施例ではアクチュエータ7の流体圧として油圧を利
用したが、空気圧等の他の流体圧を利用することも考え
られる。
さらに、本実施例では、ステアリング機構STと後輪転舵
比調整機構RCとの間の動力伝達機構として円盤型カム機
構5を採用したが、ステアリング機構STからの操作力を
スライドピン62の進退運動として伝達できうるものであ
れば他の動力伝達機構でもよい。
そして、本実施例では、中継カム機構18をドラム型のも
のを採用したが、例えば第4図の展開図のごとき形状の
カム溝181を有する平板状のカムも考えられる。この場
合、カムの横移動(第4図中の上下方向移動)に対応し
てスプライン軸66を回転させる変換器等を設ければ本実
施例と同様な効果を得ることができる。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案の車両用前後輪操舵装置に
よれば、前輪転舵機構と、上記前輪転舵機構に後輪転舵
比調整機構を介して連結された後輪転舵機構とをそな
え、上記後輪転舵比調整機構が、上記前輪転舵機構側か
ら上記後輪転舵機構側への変位の伝達比を変化させる可
変機構と、同可変機構を駆動するアクチュエータとを有
して構成され、同アクチュエータが、車速に対応して回
転する車両の駆動系部材により駆動される流体圧ポンプ
からの流体圧を受けて作動する流体圧アクチュエータと
して構成されるとともに、同流体圧アクチュエータと上
記可変機構との間に、同流体圧アクチュエータからの入
力変位量に対する上記可変機構への出力変位量の特性
を、少なくとも上記入力変位量が所定値よりも大きい領
域で上記入力変位量の変化に対する上記出力変位量の変
化が上記入力変位量の増加とともに漸次低下するような
非線型の特性に変換する中継カム機構が設けられるとい
う簡素な構造によって、電動アフクチュエーアのように
電波障害を受けることなく確実に上記後輪転舵比調整機
構を作動させることができるとともに、中継カム機構の
設定により、極めて容易に、車速に応じて常に最適な転
舵比で後輪を転舵させるようにできる。また、装置を小
型化させながら、車両のステアリング性能を大幅に向上
させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜23図は本考案の一実施例としての車両用前後輪操
舵装置を示すもので、第1図はその後輪転舵比調整機構
および流体圧アクチュエータとしての油圧アクチュエー
タ系統の構成を示す概略斜視図、第2図はその油圧アク
チュエータ系統の構成を示す模式的な構成図、第3図は
その油圧アクチュエータの駆動用ラックの変位特性を示
すグラフ、第4図はその中継カム機構のカム面の展開
図、第5図はその中継カム機構を通じて駆動されるカム
方向の回転角特性を示すグラフ、第6図はその全体構成
を示す模式的な斜視図、第7図はそのベベルギヤアセン
ブリを示す縦断面図、第8,9図はいずれも本操舵装置の
後輪操舵特性を示すグラフ、第10図(a)はそのロータ
リバルブの鉛直縦断面図、第10図(b)はそのロータリ
バルブの要部水平縦断面図、第11図(a)は第10図
(a)のXIa-XIa矢視断面図、第11図(b)は第10図
(a)のXIb-XIb矢視断面図、第11図(c)は第10図
(a)のXIc-XIc矢視断面図、第11図(d)は第10図
(a)のXId-XId矢視断面図、第12図(a),(b)は
そのロータリバルブの作動状態を第11図(a)と対応さ
せて示す横断面図、第12図(c)はそのロータリバルブ
の作動状態を第11図(b)と対応させて示す横断面図、
第12図(d)はそのロータリバルブの作動状態を第11図
(c)と対応させて示す横断面図、第13図はそのリヤパ
ワーシリンダの縦断面図、第14図はそのリヤパワーシリ
ンダの非線形バネ機構のアセンブリ特性を示すグラフ、
第15図はそのリヤパワーシリンダの出力特性を示すグラ
フ、第16図はそのリヤサスペンション部分を中心として
示す模式的な斜視図、第17図(a)はその平行リンク機
構を示す第16図のXVIIa-XVIIa矢視断面図、第17図
(b)は第17図(a)のXVIIb-XVIIb矢視断面図、第18
図(a)〜(c)はその平行リンク機構の動作を他の機
構と比較して示す模式的な作動図、第19図(a)はその
後輪転舵比調整機構にそなえられる同相逆相変換機構の
一部を破断して示す平面図、第19図(b)はその同相逆
相変換機構の一部を破断して示す側面図、第19図(c)
はその同相逆層変換機構の一部を破断して示す後方正面
図、第20図(a)〜(c)はいずれもその同相逆相変換
機構の動作を説明するための斜視図、第21図はその円筒
型カム機構を示す斜視図、第22図(a)はその円筒型カ
ム機構の縦断面図、第22図(b)はその円筒型カム機構
の横断面図、第23図はその円筒型カム機構による動力伝
達状態を説明するためのグラフである。 1……ステアリングホイール、1a……フロントパワース
テアリングギヤボックス、1b……ステアリングシャフ
ト、1c……タイロッド、2a……前輪、2b……後輪、2b′
……ハブキャリヤ、3……ベベルギヤアセンブリ、4…
…コントロールシャフト、5……カム機構、5A……リミ
ット出力機構、6……同相逆相変換機構、6A……スライ
ド方向変換部、6B……後輪操舵力伝達部、6C……可変機
構としてのカム溝方向調整部、17……流体圧アクチュエ
ータとしての油圧アクチュエータ、8……ロータリーバ
ルブ、9……リヤパワーシリンダ、9A……非線形ばね構
造、9a,9b……リヤパワーシリンダのロッド、10……リ
ヤサスペンション、10a……トレーリングアーム、10b…
…ラテラルロッド、11a……平行リンクアッパ、11b……
平行リンクロア、11c……アダプタ、11d……第1回転
軸、11e……第2回転軸、11f……トレーリングアーム用
支持ピン、11g……パイプ、11h……ナット、11i……ブ
ッシュ、12……シャシメンバ、18……中継カム機構、21
……前輪操舵用のシャフト、21a……ラック、30……ケ
ーシング、31……第1のシャフト(ピニオン軸)、32…
…第1のベベルギヤ、33……第2のシャフト、34……第
2のベベルギヤ、35……ユニバーサルジョイント、35a
……ダストカバー、36a,36b,36c,36d……ベアリング、3
7……樹脂ピン、38a……シーラ、50……ケーシング、50
a……スライド室、51……円筒カム、52……スライダ、5
2a……スライダ基部、52b……筒状摺動部材、53……溝
(カム溝)、53a……螺旋状溝(螺旋状のカム溝)、53
b,53c……円弧状溝(円弧状溝のカム溝)、54……スラ
イドロッド、55……スプリングピン、56……ベアリン
グ、57……ベアリング、58……ナット、59……ベアリン
グ、60……ケーシング、60a……軸受、61……円盤型カ
ム、61a……カム溝、62……スライドピン、62a……摺動
リング、62b……ピン取付部材、63……ガイド部材、63a
……ガイド用長穴、64……スライドプレート(スライド
部材)、64a……ラック、64b……スライド用ベアリン
グ、64c……ベアリング、64b……取付板、65……カム側
のベベルギヤ、66……スプライン軸、66a……キー、67
……ステッピングモータ側のベベルギヤ、67a……キー
溝、67b……ベアリング、69……ピニオン、69a……ピニ
オン軸、69b……ピン、71……ポテンショセンサ、71a…
…信号ライン、71b……給電ライン、72……車速に対応
して圧油を供給する油圧ポンプとしてのトランスミッシ
ョンポンプ装置(またはデファレンシャルポンプ装
置)、72a……トランスミッションポンプ(またはデフ
ァレンシャルポンプ)、72b……圧油給排路、72c……圧
油供給路、72d……圧油排出路、72e……逆止弁、72f…
…オリフィス、72g……リザーバタンク72g、72h……リ
リーフ弁、72i……油路、72j……油路、73……圧力スイ
ッチ、73a……信号ライン、74……エンジンポンプ、75
……フロントパワーステアリング用ポンプ、76……リザ
ーバタンク、77……、77a……給油路、77b……排油路、
77c……リリーフ用油路、78……ウォーニングランプ、7
8a……給電ライン、79……電磁弁、79a……給電ライ
ン、80……ハウジング、80a……前部ハウジング、80b…
…中間部ハウジング、80c……後部ハウジング、80d……
弁室、80e……ボルト・ナット、81……スプール、81a…
…第1の開口、81b……第2の開口、81c……環状溝、81
d……第3の開口、81e……凹所、82……ロータリーシャ
フト、82a……第1の凹所、82b……第2の凹所、82c…
…第1の連絡口、82d……第2の連絡口、82e……第1の
仕切壁、82f……第2の仕切壁、82g……中空部、83……
追従シャフト、83a……ピン、83b……中空部、83c……
開口、84a……第1のリング、84d……第2のリング、84
c……連通室、84d〜84g……開口、85……内部シャフ
ト、86……ピン、87a,87b,87c……ベアリング、88……
シールリング、88a,88b,88c,88d,88e,88f……Oリン
グ、89a……第1の環状油室、89b……第2の環状油室、
89c……第3の環状油室、90……シリンダ本体、90a……
左油室、90b……右油室、90c……環状凸部、91……ピス
トン、92a,92b……ピストンロッド(タイロッド)、93
a,93b……キャップ、94……パイプ、95a,95b……ラバー
スプリング、96a,96b……ストッパ、97a,97b……プレー
ト、98a,98b……コイルスプリング、170……油圧アクチ
ュエータ本体、170a……ピストン、170b……駆動軸とし
てのピストンロッド、170c……センサ用ロッド、170d…
…コイルスプリング、170e……ケーシング、170f……油
室、180……ドラム型カム本体、180a……円筒上のカム
面、180b……スライドピン、181……カム溝、FM……前
輪転舵機構、RC……後輪転舵比調整機構、RM……後輪転
舵機構、ST……ステアリング機構、PP……プレッシャポ
ート(Pポート)、PR……リターンポート(Rポー
ト)、PX……Xポート、PY……Yポート。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪転舵機構と、 上記前輪転舵機構に後輪転舵比調整機構を介して連結さ
    れた後輪転舵機構とをそなえ、 上記後輪転舵比調整機構が、 上記前輪転舵機構側から上記後輪転舵機構側への変位の
    伝達比を変化させる可変機構と、 同可変機構を駆動するアクチュエータとを有して構成さ
    れ、 同アクチュエータが、車速に対応して回転する車両の駆
    動系部材により駆動される流体圧ポンプからの流体圧を
    受けて作動する流体圧アクチュエータとして構成される
    とともに、 同流体圧アクチュエータと上記可変機構との間に、同流
    体圧アクチュエータからの入力変位量に対する上記可変
    機構への出力変位量の特性を、少なくとも上記入力変位
    量が所定値よりも大きい領域で上記入力変位量の変化に
    対する上記出力変位量の変化が上記入力変位量の増加と
    ともに漸次低下するような非線型特性に変換する中継カ
    ム機構が設けられた ことを特徴とする、車両用前後輪操舵装置。
JP1987137991U 1987-09-09 1987-09-09 車両用前後輪操舵装置 Expired - Lifetime JPH078353Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987137991U JPH078353Y2 (ja) 1987-09-09 1987-09-09 車両用前後輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987137991U JPH078353Y2 (ja) 1987-09-09 1987-09-09 車両用前後輪操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6442974U JPS6442974U (ja) 1989-03-15
JPH078353Y2 true JPH078353Y2 (ja) 1995-03-01

Family

ID=31399922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987137991U Expired - Lifetime JPH078353Y2 (ja) 1987-09-09 1987-09-09 車両用前後輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH078353Y2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6138276U (ja) * 1984-08-13 1986-03-10 トヨタ自動車株式会社 前後輪操舵車の後輪操舵装置
JPS6266877U (ja) * 1985-10-17 1987-04-25

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6442974U (ja) 1989-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1633619B1 (en) Vehicle steering system having a rear steering control mechanism
JP2008540209A (ja) 後輪操舵装置及びこれを備えた原動機付き車両
GB2034262A (en) Power steering mechanism
JP2000097254A (ja) 軸駆動装置の制御方法および軸駆動装置
US4747614A (en) Hydraulic cylinder mechanism
US5168948A (en) All-wheel steering for motor vehicles
JPH078353Y2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
US4941542A (en) Automotive four wheel steering system
US5248009A (en) Vehicle rear wheels steering apparatus
JPH078352Y2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
US5788340A (en) Fluid pressure control apparatus and braking device using thereof
JPH0729614B2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
JPH0650285Y2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
JPH0732335Y2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
JPH07387Y2 (ja) 車両用前後輪操舵装置
JPS63291775A (ja) 車両用前後輪操舵装置
US4880073A (en) Four-wheel steering system of a motor vehicle
JPS63287678A (ja) 車両用前後輪操舵装置
US4838374A (en) Speed responsive rear wheel steering
JPH02120520A (ja) トルク伝達装置
JP3893799B2 (ja) 自動車用操舵装置
JPS62216808A (ja) 車輪支持装置
JPH0550924A (ja) 操舵装置
JPH0121031B2 (ja)
JPH0215013Y2 (ja)