JPH0783329B2 - 送信タイミング保持方式 - Google Patents

送信タイミング保持方式

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JPH0783329B2
JPH0783329B2 JP1061642A JP6164289A JPH0783329B2 JP H0783329 B2 JPH0783329 B2 JP H0783329B2 JP 1061642 A JP1061642 A JP 1061642A JP 6164289 A JP6164289 A JP 6164289A JP H0783329 B2 JPH0783329 B2 JP H0783329B2
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transmission
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英之 篠永
健一 小野
明人 小山田
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Toshiba Corp
KDDI Corp
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Toshiba Corp
Kokusai Denshin Denwa KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、一つの親局と複数の子局との間でバースト信
号により無線通信を行なう時分割多元接続無線通信シス
テムにおいて、子局の送信タイミングを他の子局の送信
タイミングと重複しないように保持するための送信タイ
ミング保持方式に関する。
(従来の技術) 近年、通信技術の発達や通信ニーズの多様化に伴い種々
の通信システムが開発されており、その中に時分割多元
接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式を採
用した無線通信システムがある。第9図はその構成の一
例を示すもので、このシステムは一つの親局Aと任意に
分散配設された複数の子局B1〜Bnとから構成される。そ
して、親局Aから各子局B1〜Bnへは例えば第10図に示す
如く連続波からなる時分割多重信号(TDM信号)を送出
し、子局B1〜Bnから親局Aへは第11図に示す如く各子局
B1〜Bnが各々自局に予め割当てられたタイムスロットTS
1〜TSnにバースト波からなるデータ信号を送出すること
により、親局Aと各子局B1〜Bnとの間でデータの相互通
信を行なっている。
ところで、この種のシステムにおいては、親局Aと各子
局B1〜Bnとの間の距離は子局毎に異なるため、無線信号
の伝播時間に差が生じる。このため各子局B1〜Bnでは、
その送信信号が親局Aにおいて互いに重なり合わないよ
うにするために、子局毎に送信タイミングをそれぞれ調
整し最適なタイミングに設定する必要がある。そこで従
来では、各子局B1〜Bnから親局Aへ伝送されるTDMA信号
に例えば第12図に示す如く制御用スロットを設け、子局
Biが新たに設置されたときに、この制御用スロットを使
用して子局Biから親局Aへ調整用のバースト信号を送出
する。そして、親局Aでこの調整用のバースト信号の正
規の受信タイミングに対するずれ量を検出して、このず
れ量の検出結果をTDM信号(第10図)の制御用スロット
を使用して親局Aから子局Biに通知し表示器等に表示さ
せる。そして、子局Biの保守員がこの表示器等に表示さ
れたずれ量に応じて手動でスイッチ類を操作することに
より、子局Biの送信タイミングを調整するようにしてい
る。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来の送信タイミング捕捉方式は、いずれも
子局Biの設置時にのみ調整を行なうものであるため、調
整後の周囲の環境条件の変化や回路素子特性の経年変化
等により子局の送信タイミングに変化が生じると、その
ままの状態でシステムを運用することになり、この結果
親局においてタイムスロットが相互に隣接する複数の子
局からの信号が重なり合って回線品質の劣化を招いた
り、最悪の場合には回線断に至らしめることがあった。
また、従来では他局の回線への影響を防ぐために、デー
タ伝送用の各タイムスロットTS1〜TSnに各々ガードビッ
トを設け、このガードビットにより送信タイミングのず
れを吸収するようにしている場合もある。しかし、一般
にガードビットは伝送効率を考慮して大きく設定するこ
とができないため、送信タイミングのずれが大きい場合
にはガードビットでは吸収し切れなくなり、結局回線品
質の劣化は避けられなかった。一方、上記送信タイミン
グのずれを最小限に抑えるために、装置を温度変化の影
響を受け難い構造としたり、特性の優れた回路素子を使
用することも行なわれている。しかし、このようにする
と装置が大掛りになるとともに、回路素子に高品質のも
のを使用することになるため、装置が極めて高価になる
欠点があった。
そこで本発明はこのような事情に着目し、伝送効率の低
下や装置の高価格化を招くことなく、周囲の環境変化や
素子特性の経年変化が発生しても子局の送信タイミング
を常に最適な状態に保持し得る送信タイミング保持方式
を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、一つの親局と複数の子局との間でバースト信
号による無線通信を行なう時分割多元接続無線通信シス
テムにおいて、子局から親局へその伝送フレームに設け
られた制御用スロット内でタイミング捕捉用信号を送出
し、親局でこのタイミング捕捉用信号の受信タイミング
の正規の受信タイミングに対するずれ量を検出してその
検出結果に対応する情報を上記タイミング捕捉用信号を
送出した子局へ通知し、この子局で上記親局から通知さ
れた上記情報に従って上記ずれ量を零にするべく自局の
送信タイミングを調整し設定する送信タイミング捕捉制
御動作を、各子局毎に子局の運用開始後に定期的もしく
は不定期に行なうようにしたものである。
(作用) この結果本発明によれば、送信タイミングの捕捉後、周
囲の環境条件の変化や素子特性の経年変化が生じても、
これによる送信タイミングの変化は定期的もしくは必要
に応じて不定期に行なわれる送信タイミング捕捉制御動
作により補正され、これにより子局の送信タイミングは
常に最適値に保持されることになる。このため、親局に
おいて隣接するタイムスロットの信号が重なることは無
くなり、これにより伝送品質を高く保つことが可能とな
る。また、ガードビットの幅を大きく設定する必要がな
くむしろ縮小することが可能となるので、その分伝送効
率を高めることができ、さらに装置を温度変化の影響を
受け難い構造としたり、特性の優れた回路素子を使用す
る必要もなくなるので、これにより装置の複雑大形化や
高価格化を防止することができる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例における送信タイミング保持
方式を適用した親局および子局の構成を示すものであ
る。尚、同図では説明の便宜上複数の子局のうちの一つ
のみを示している。
先ず親局AAは、無線回線終端装置10と、送受信信号を変
復調する変復調装置11と、アンテナ12を有する無線送受
信装置13と、キースイッチなどの入力操作部および表示
器等の出力表示部を配置したコンソール14とを備えてい
る。
このうち無線回線終端装置10は、送信信号の多重化およ
び受信TDMA信号の分離を行なう多重化部15および分離部
16と、これらの多重化部15および分離部16に信号バスを
介して接続された複数のインタフェース17とを有し、こ
れらのインタフェース17には回線18を介して端末装置19
がそれぞれ接続されている。また無線回線終端装置10
は、制御部20と、例えばE2PROMからなる不揮発性メモリ
21とを備えている。制御部20は、例えばマイクロコンピ
ュータを主制御部として有するもので、通常のデータ伝
送動作に係わる制御手段に加えて、子局BBの送信タイミ
ングを捕捉する際に使用する位相ずれ情報送出制御手段
20aと、ビットずれ情報送出制御手段20bと、タイミング
保持制御手段20cとを有している。
位相ずれ情報送出制御手段20aは、子局BBの送信タイミ
ングを設定する場合に、この子局BBに対し送信タイミン
グの位相ずれを調整するための指示を出し、しかるのち
子局BBから送られる位相調整用バースト信号の位相ずれ
情報を子局BBに通知して子局BBに送信タイミングの位相
調整を行なわせるものである。ビットずれ情報送出制御
手段20bは、上記位相ずれ情報送出制御手段20aによる位
相ずれの調整が終了した後、子局BBに対しビットずれを
調整するための指示を出し、しかるのち子局BBから送ら
れたビットずれ調整用バースト信号のビットずれ情報を
子局BBに通知して子局BBに送信タイミングの調整をビッ
ト単位で行なわせるものである。尚、上記位相調整用バ
ースト信号の位相ずれおよびビットずれ調整用バースト
信号のビットずれは、分離部16に設けられたずれ検出手
段16aによりそれぞれ検出される。
タイミング保持制御手段20cは、運用中の全ての子局に
対し、各々定期的に上記位相ずれ情報送出制御手段20a
およびビットずれ情報送出制御手段20bを動作させて、
各子局の送信タイミングの補正を行なわせるものであ
る。
第2図は上記親局AAから子局BBへ送出されるTDM信号の
フレーム構成を示すもので、このTDM信号は同図(a)
に示すように同期ビットFと複数のデータ伝送用タイム
スロットTS1〜TSnとの間に制御用スロットを配置してお
り、この制御用スロットの一部を使用してタイミング調
整制御信号が送出される。このタイミング調整制御信号
は、同図(b)に示す如く子局の識別番号ID、子局への
指示情報CONT、位相ずれ情報、ビットずれ情報、予備情
報をそれぞれ挿入するビットにより構成される。尚、同
図(c)はデータ伝送用タイムスロットTS1〜TSnの構成
を示すもので、Fは同期ビット、IDは子局の識別番号、
SVは保守用ビット、Hはデータ、Pはパリティビットを
それぞれ示している。
一方、子局BBも上記親局AAと同様に、無線回線終端装置
30と、変復調装置31と、アンテナ32を有する無線送受信
装置33と、コンソール34とを備えている。このうち無線
回線終端装置30は、送信データおよび制御信号を多重化
する多重化部35と、親局AAから送られたTDM信号から自
局宛ての信号を分離する分離部36と、これら多重化部35
および分離部36に対し信号バスを介して接続された複数
のインタフェース37とを有しており、これらのインタフ
ェース37には回線38を介して端末装置39がそれぞれ接続
されている。また無線回線終端装置30は、制御部40と、
例えばE2PROMからなる不揮発性メモリ41と、送信タイミ
ング可変部42とをそれぞれ有している。このうち先ず送
信タイミング可変部42は、送信信号の送信位相を可変す
る移相回路42aと、送信信号の送信タイミングをビット
単位で可変するビット遅延回路42bとから構成される。
制御部40は、例えばマイクロコンピュータを主制御部と
して有したもので、通常の送受信動作に係わる制御手段
に加えて、送信タイミングを捕捉する際に使用する位相
ずれ調整制御手段40aと、ビットずれ調整制御手段40bと
を備えている。位相ずれ調整制御手段40aは、親局AAか
ら位相調整指示が送られた時に動作して、親局AAに対し
TDMAフレームの制御用スロットを使用して位相調整用バ
ースト信号を送出し、これに対し親局AAから位相ずれ情
報が送られた時、この情報に応じて上記移相回路42aの
移相量を可変制御するものである。ビットずれ調整制御
手段40bは、親局AAからビットずれの調整指示が送られ
た場合に動作して、親局AAに対しTDMAフレームの制御用
スロットを使用してビット調整用バースト信号を送出
し、これに対し親局AAからビットずれ情報が送られた時
に、この情報に応じて前記ビット遅延回路42bの遅延量
を可変制御するものである。
第3図は以上のように構成された各子局から親局AAに伝
送されるTDMA信号のフレーム構成を示すもので、この信
号は同図(a)に示すように制御用スロットAQを先頭に
配置し、その後にデータ伝送用の各タイムスロットTS1
〜TSnを配置したものとなっている。そして、制御用ス
ロットAQ内の一部を使用して位相調整用バースト信号お
よびビット調整用バースト信号が選択的に送出される。
位相調整用バースト信号は、同図(b)に示す如く“1
0"の繰返し信号(36ビット)からなる。またビット調整
用バースト信号は、同図(c)に示す如く所定の同期パ
ターン(SYNCパターン)と子局の識別番号IDとから構成
される。尚、同図(d)はデータ伝送用タイムスロット
TS1〜TSnの構成を示すもので、Gはガードビット、IDは
子局の識別番号、SVは保守用ビット、Hはデータ、Pは
パリティビットをそれぞれ示している。
次に、以上の構成に基づいて本実施例の送信タイミング
保持方式を説明する。尚、運用中の各子局の送信タイミ
ングは、それぞれ設置時の初期タイミング捕捉によって
既に一旦最適値に設定されているものとして説明する。
親局AAの制御部20は、運用中の各子局毎にその運用時間
をそれぞれ監視している。この状態で、例えばいま子局
BBの運用時間が送信タイミングの初期捕捉後から一定時
間(例えば数分)経過したとすると、親局AAの制御部20
は上記子局BBに対する送信タイミングの保持制御を開始
する。すなわち、親局AAの制御部20は先ず位相ずれ調整
用のタイミング調整制御信号を作成する。第4図はその
構成を示すもので、ID番号ビットに上記子局BBのID番号
を挿入し、かつ4ビットからなる指示情報のうちの先頭
ビット、つまり調整種別ビットを位相調整指示に対応す
る“0"にセットするとともに、指示情報の最終ビット、
つまり調整開始終了ビットを調整開始指示に対応する
“0"にセットする。そして、この制御信号を多重化部15
でTDM信号の制御用スロットに挿入して子局BBへ向けて
送出する。尚、このときTDM信号の制御用スロットの他
の領域およびデータ伝送用の各タイムスロットTS1〜TSn
には、既設の子局宛ての制御信号およびデータがそれぞ
れ多重化されて送出される。
これに対し子局BBの制御部40は、通常のデータ送受信制
御を行ないながら自局宛てのタイミング調整制御信号の
到来監視を行なっており、この状態で親局AAから自局宛
てのタイミング調整制御信号が送られると、この制御信
号の指示情報から先ず親局AAの指示内容を認識する。そ
して、今は位相調整指示ビットが“0"になっているため
指示は位相調整であると認識し、以後位相ずれ調整のた
めの制御を開始する。すなわち、先ず現時点で送信タイ
ミング可変部42に設定されている送信タイミングで、第
3図(b)に示した位相調整用バースト信号をTDMAフレ
ームの制御用スロットAQに挿入して送出する。
これに対し親局AAは、前記タイミング調整制御信号の送
信後、子局BBから到来するTDMA信号の制御用スロットに
挿入されている位相調整用バースト信号の受信タイミン
グから、この受信タイミングの正規の受信タイミングに
対する位相ずれ量をずれ検出手段16aで検出する。そし
て、いま位相ずれが検出されたとすると、制御部20によ
りこの位相ずれ量から位相の補正値を求め、この位相補
正値を第2図(b)に示したタイミング調整制御信号の
位相ずれ情報ビットに挿入して、子局BBに向けて送出す
る。例えば、いま第5図に示す如く位相調整用バースト
信号(a)の受信タイミングが正規の受信タイミング
(b)に比べて5/20ビット遅れていたとすると、子局BB
の送信位相は5/20ビット分だけ早める必要があるため、
制御部20は「−5/20ビット」なる位相補正値を子局BBへ
送出する。尚、位相ずれ情報は第2図(b)に示したよ
うに8ビットで表わされ、その先頭の1ビットが−,+
を表わし、残りの7ビットでm/20を表わすようになって
いるため、この場合子局BBへは「10000101」なる位相補
正値が送られる。
そうして親局AAから自局宛ての位相補正値が送られる
と、子局BBの制御部40は移相量の現設定値に上記補正値
−5/20ビットを加算し、移相回路42aの移相量を上記加
算結果に補正する。しかして、子局BBの送信位相は、親
局AAにおいて基準位相に対し位相差が零となるように調
整される。
尚、この位相補正後に子局BBは、上記補正後の位相で位
相調整用バースト信号を再度親局AAに送出する。そし
て、これに対し親局AAから再度位相補正値が送られた場
合には、この位相補正値に従って移相回路42aの移相量
を再調整し、以後親局AAの位相差が零になるまで以上の
動作を繰返す。
さて、以上の位相調整により位相差が零になると、親局
AAは不揮発性メモリ21に記憶してある移相量を、上記位
相調整により子局BBに設定された新たな移相量に書換
え、しかるのち第6図に示す如く4ビットからなる指示
情報のうちの調整種別ビットをビット調整指示に対応す
る“1"にセットして、この制御信号を子局BBへ向けて送
出する。これに対し子局BBは、上記ビット調整を指示し
た制御信号が親局AAから到来すると、位相調整が終了し
たと判断して先ず上記親装置AAと同様に不揮発性メモリ
41に記憶されている古い移相量を上記新たな移相量に書
換え、しかるのちビット調整のための制御を開始する。
すなわち、先ず制御部40から第3図(c)に示すような
所定の同期パターンと自局のID番号とからなるビット調
整用バースト信号を発生し、この信号をTDMAフレームの
制御用スロットAQに多重化部35で挿入して親局AAへ送出
する。
そうすると親局AAは、上記子局BBからビット調整用バー
スト信号が到来すると、分離部16のずれ検出手段16aに
より同期パターンの受信タイミングから正規の受信タイ
ミングに対するビットずれ量を検出する。そして、いま
仮にビットずれが検出されたとすると、制御部20により
このビットずれ量を零にするためのビットずれ補正値を
求め、この補正値を第2図(b)に示したタイミング調
整制御信号のビットずれ情報ビットに挿入し、子局BBへ
向けて送出する。例えば、いま第7図に示す如くビット
調整用バースト信号の受信タイミング(a)が正規の受
信タイミング(b)に比べて9ビット早かったとする
と、子局BBの送信タイミングは9ビット分だけ遅らせる
必要があるため、制御部20は「+9ビット」なるビット
補正値を子局BBへ送出する。尚、ビットずれ情報につい
ても前記位相ずれ情報と同様に8ビットで表わされ、そ
の先頭の1ビットが−,+を表わし、残りの7ビットで
ビットずれ量を表わすようになっているため、この場合
子局BBへは「00001001」なるビット補正値が送られる。
これに対し子局BBは、親局AAから自局宛てのビット補正
値(+9ビット)が送られると、ビット遅延回路42bの
遅延量を現設定値からさらに9ビット分遅延させる。し
かして、子局BBの送信タイミングは、親局AAにおいて基
準タイミングに対しビットずれが零となるように調整さ
れる。そして子局BBは、このビットずれ補正後の送信タ
イミングでビット調整用バースト信号を再度親局AAに送
出する。これに対し親局AAは、上記子局BBから再送信さ
れたビット調整用バースト信号の受信タイミングからビ
ットずれが無くなったことを確認すると、不揮発性メモ
リ21に記憶されている古いビット遅延量を子局BBに設定
された新たなビット遅延量に書換えるとともに、第8図
に示す如くタイミング調整制御信号の指示情報のうちの
調整開始終了ビットを調整終了指示に対応する“1"にセ
ットして子局BBへ送出する。そうすると子局BBは、上記
調整開始終了ビットの“1"から送信タイミングの調整が
完了したことを認識して、不揮発性メモリ41の古い設定
値を上記ビット遅延回路42bに設定した新たな遅延量に
書換え、以後この新たに設定された送信タイミングに従
ってデータの送信を再開する。
かくして、子局BBの送信タイミングは最適な値に補正さ
れる。尚、この子局BBの送信タイミングについては、以
後も予め定めた上記一定時間(例えば数分)が経過する
毎に上記調整手順に従って定期的に補正される。
また、親局AAは運用中の他の子局の送信タイミングにつ
いても、上記子局BBの場合と同様に一定時間毎に補正を
行なう。
このように本実施例であれば、各子局の送信タイミング
を運用中に定期的に補正するようにしたので、運用中に
仮に周囲の環境条件の変化や素子特性の経年変化が発生
したとしても、送信タイミングをずれたままの状態に放
置することなく補正して常に最適な値に保持することが
できる。したがって、親局AAにおいては隣接するタイム
スロット間で信号の重なりを生じることがなく、常に高
品質のデータ伝送を行なうことができる。また、ガード
ビットの幅を大きく設定する必要がないので、伝送効率
を高く保持することができ、さらに装置を温度変化の影
響を低減するための構造にしたり、高品質の回路素子を
使用する必要がないので、装置を簡単かつ安価にするこ
とができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例
えば、位相調整またはビット調整の手順を所定回数繰返
しても子局から送られる信号の位相ずれまたはビットず
れが零ににならない場合、もしくは変化しない場合に
は、親局で子局の送信タイミングの補正は不可能である
と判断して異常検出信号を発生し、これにより子局の送
信を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、
送信タイミングがずれた状態で子局が信号送出動作を続
けることは無くなり、この結果データ伝送用タイムスロ
ットが隣接する他の子局のデータ伝送を阻害する不具合
を防止することができる。また、前記実施例では子局の
設置時における送信タイミングの初期捕捉方式について
は特に言及しなかったが、この初期捕捉方式は実施例に
おいて詳述した送信タイミングを定期的に補正を行なう
方式を用いて行なってもよく、また従来技術で述べたよ
うな他の方式を用いてもよい。また、前記実施例では送
信タイミングの補正を定期的に行なったが、必要に応じ
て非定期に行なってもよい。その他、親局および子局の
構成、送信タイミングの調整制御手順や制御内容、各信
号の構成等についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施できる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、子局から親局へそ
の伝送フレームに設けられた制御用スロット内でタイミ
ング捕捉用信号を送出し、親局でこのタイミング捕捉用
信号の受信タイミングの正規の受信タイミングに対する
ずれ量を検出してその検出結果に対応する情報を上記タ
イミング捕捉用信号を送出した子局へ通知し、この子局
で上記親局から通知された上記情報に従って上記ずれ量
を零にするべく自局の送信タイミングを調整し設定する
送信タイミング捕捉制御動作を、各子局毎に子局の運用
開始後に定期的もしくは不定期に行なうようにしたこと
によって、伝送効率の低下や装置の高価格化を招くこと
なく、周囲の環境変化や素子特性の経年変化が発生して
も子局の送信タイミングを常に最適な状態に保持し得る
送信タイミング保持方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本発明の一実施例における送信タイ
ミング保持方式を説明するためのもので、第1図は同方
式を適用した親局および子局の構成を示す機能ブロック
図、第2図は親局から子局へ送出されるTDM信号の構成
図、第3図は子局から親局へ伝送されるTDMA信号の構成
図、第4図乃至第8図は動作説明に使用する信号構成
図、第9図乃至第12図は従来技術の説明に用いるもの
で、第9図は時分割多元接続無線通信システムの概略構
成図、第10図はTDM信号のフレーム構成図、第11図は各
子局の送信形態を示すタイミング図、第12図はTDMA信号
のフレーム構成図である。 AA……親局、BB……子局、10,30……無線回線終端装
置、11,31……変復調装置、12,32……アンテナ、13,33
……無線送受信装置、14,34……コンソール、15,35……
多重化部、16,36……分離部、16a……ずれ検出手段、1
7,37……インタフェース、18,38……回線、19,39……端
末装置、20,40……制御部、20a……位相ずれ情報送出制
御手段、20b……ビットずれ情報送出制御手段、20c……
タイミング保持制御手段、40a……位相ずれ調整制御手
段、40b……ビットずれ調整制御手段、21,41……不揮発
性メモリ、42……送信タイミング可変部、42a……移相
回路、42b……ビット遅延回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの親局と複数の子局との間でバースト
    信号による無線通信を行なう時分割多元接続無線通信シ
    ステムにおいて、 子局から親局へその伝送フレームに設けられた制御用ス
    ロット内でタイミング捕捉用信号を送出し、親局でこの
    タイミング捕捉用信号の受信タイミングの正規の受信タ
    イミングに対するずれ量を検出してその検出結果に対応
    する情報を前記タイミング捕捉用信号を送出した子局へ
    通知し、この子局で前記親局から通知された前記情報に
    従って前記ずれ量を零にするべく自局の送信タイミング
    を調整し設定する送信タイミング捕捉制御動作を、各子
    局毎に子局の運用開始後に定期的もしくは不定期に行な
    うようにしたことを特徴とする送信タイミング保持方
    式。
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