JPH0783159A - メカノケミカルアクチュエータ - Google Patents
メカノケミカルアクチュエータInfo
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- JPH0783159A JPH0783159A JP23303593A JP23303593A JPH0783159A JP H0783159 A JPH0783159 A JP H0783159A JP 23303593 A JP23303593 A JP 23303593A JP 23303593 A JP23303593 A JP 23303593A JP H0783159 A JPH0783159 A JP H0783159A
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- electrodes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】この発明は、低電圧で高速にすることが可能な
メカノケミカルアクチュエータを提供することを目的と
する。 【構成】電気刺激によって屈曲動作するメカノケミカル
アクチュエータにおいて、電解質溶液を含浸し、前記電
解質溶液中の特定イオンの濃度変化に応じて可逆的に膨
潤、収縮するメカノケミカル材料(13)と、前記メカノケ
ミカル材料の近傍もしくは内部に配置され、電圧印加に
よって前記特定イオンを発生あるいは消費する第1の電
極(14)と、前記第1の電極と対向して配置された第2の
電極(15)と、前記第1・第2の電極に接続された電源(1
6)とを具備することを特徴とするメカノケミカルアクチ
ュエータ。
メカノケミカルアクチュエータを提供することを目的と
する。 【構成】電気刺激によって屈曲動作するメカノケミカル
アクチュエータにおいて、電解質溶液を含浸し、前記電
解質溶液中の特定イオンの濃度変化に応じて可逆的に膨
潤、収縮するメカノケミカル材料(13)と、前記メカノケ
ミカル材料の近傍もしくは内部に配置され、電圧印加に
よって前記特定イオンを発生あるいは消費する第1の電
極(14)と、前記第1の電極と対向して配置された第2の
電極(15)と、前記第1・第2の電極に接続された電源(1
6)とを具備することを特徴とするメカノケミカルアクチ
ュエータ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はアクチュエータに関
し、特に電気刺激により可逆的に屈曲動作するメカノケ
ミカルアクチュエータに関する。
し、特に電気刺激により可逆的に屈曲動作するメカノケ
ミカルアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気刺激により変形するメカノケ
ミカルアクチュエータとしては、特開昭61−4731
号公報に開示されたものが知られている(従来例1)。
この公報には、電解質溶液と、電解質溶液中に浸漬して
も酸化溶解を起こさない導電体からなる正電極及び負電
極と、電極間に配置した高分子材料からなるメカノケミ
カル材料から構成され、正電極と負電極の間に直流電圧
の印加により、電解質溶液中のイオンが移動し、浸透圧
差を発生させ、メカノケミカル材料を屈曲変形させるこ
とが開示されている。
ミカルアクチュエータとしては、特開昭61−4731
号公報に開示されたものが知られている(従来例1)。
この公報には、電解質溶液と、電解質溶液中に浸漬して
も酸化溶解を起こさない導電体からなる正電極及び負電
極と、電極間に配置した高分子材料からなるメカノケミ
カル材料から構成され、正電極と負電極の間に直流電圧
の印加により、電解質溶液中のイオンが移動し、浸透圧
差を発生させ、メカノケミカル材料を屈曲変形させるこ
とが開示されている。
【0003】特開昭64ー41673号公報(従来例
2)には、複数の酸化あるいは還元反応で特定イオンを
生じる電極と電解質溶液で電池を構成して、電気刺激に
より溶液全体を変化させ、メカノケミカル材料を伸縮さ
せるメカノケミカル材料の駆動方法について開示されて
いる。
2)には、複数の酸化あるいは還元反応で特定イオンを
生じる電極と電解質溶液で電池を構成して、電気刺激に
より溶液全体を変化させ、メカノケミカル材料を伸縮さ
せるメカノケミカル材料の駆動方法について開示されて
いる。
【0004】特開平2−153266号公報(従来例
3)には、各電極が存在する電解質溶液を隔膜で隔離し
て電極室を構成し、メカノケミカル材料が含浸する電極
室全体の濃度を変化させて、メカノケミカル材料を伸縮
させるメカニカル・アクチュエータ・デバイスについて
開示されている。
3)には、各電極が存在する電解質溶液を隔膜で隔離し
て電極室を構成し、メカノケミカル材料が含浸する電極
室全体の濃度を変化させて、メカノケミカル材料を伸縮
させるメカニカル・アクチュエータ・デバイスについて
開示されている。
【0005】特開昭62−113870号公報(従来例
4)には、水素イオンを発生消費するHg/HgO等の
電極と、酸性度の変化によって伸縮する材料から構成さ
れ、溶液中のpHを変化させてアクチュエータを伸縮又
は湾曲させる密閉式メカノケミカル素子が開示されてい
る。
4)には、水素イオンを発生消費するHg/HgO等の
電極と、酸性度の変化によって伸縮する材料から構成さ
れ、溶液中のpHを変化させてアクチュエータを伸縮又
は湾曲させる密閉式メカノケミカル素子が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各従来例には、以下に述べる問題点があった。 (1) 従来例1:電極が反応せず、電解質溶液内に予め存
在するイオンの移動によって浸透圧差を生じさせるた
め、イオンの移動速度に律速される。イオンの移動速度
sは電界強度Eに比例するから、 s=u×E 但し、uはイオンの移動度 となる。ここで、イオンの移動度uは比例定数であり、
イオンの種類,溶媒の種類,温度に依存する。
た各従来例には、以下に述べる問題点があった。 (1) 従来例1:電極が反応せず、電解質溶液内に予め存
在するイオンの移動によって浸透圧差を生じさせるた
め、イオンの移動速度に律速される。イオンの移動速度
sは電界強度Eに比例するから、 s=u×E 但し、uはイオンの移動度 となる。ここで、イオンの移動度uは比例定数であり、
イオンの種類,溶媒の種類,温度に依存する。
【0007】電界強度Eは、 E=V/d 但し、Vは電圧,dは電極間距離 であるから、応答速度を上げるためには、高電圧にする
かあるいは電極間隔を狭めなければならない。高電圧に
した場合は、副反応として溶媒の電気分解等を生じるが
その対策は記載されていない。また、電極間隔を狭める
ことは、アクチュエータの形状に著しい制限を与えるの
で好ましくない。
かあるいは電極間隔を狭めなければならない。高電圧に
した場合は、副反応として溶媒の電気分解等を生じるが
その対策は記載されていない。また、電極間隔を狭める
ことは、アクチュエータの形状に著しい制限を与えるの
で好ましくない。
【0008】(2) 従来例2:反応性電極を用いその反応
によりイオンを生じる点は、従来例1より改善されてい
る。しかし、電極近傍での濃度変化は早いが、メカノケ
ミカル材料全体の伸縮を目的としているため、メカノケ
ミカル材料の含浸する溶液全体の濃度を増減させるため
には、イオンの移動が必要であり、結果的にイオンの移
動速度に律速される。また、対になる電極が異なる材料
で構成されている電池であるため、電極間に電位差が生
じ、外部からの電圧印加とは無関係に電極での反応が進
行するという問題点が生じる。
によりイオンを生じる点は、従来例1より改善されてい
る。しかし、電極近傍での濃度変化は早いが、メカノケ
ミカル材料全体の伸縮を目的としているため、メカノケ
ミカル材料の含浸する溶液全体の濃度を増減させるため
には、イオンの移動が必要であり、結果的にイオンの移
動速度に律速される。また、対になる電極が異なる材料
で構成されている電池であるため、電極間に電位差が生
じ、外部からの電圧印加とは無関係に電極での反応が進
行するという問題点が生じる。
【0009】(3) 従来例3:メカノケミカル材料が含浸
する電極室全体の濃度を変化させて、メカノケミカル材
料全体が伸縮することを目的としているために、結果的
にイオンの移動速度に律速される。
する電極室全体の濃度を変化させて、メカノケミカル材
料全体が伸縮することを目的としているために、結果的
にイオンの移動速度に律速される。
【0010】(4) 従来例4:反応性電極を用いpHの変
化によって変位させるものは、即ち、pHの変化で解離
度が変化するカルボキシル基のような弱酸性、あるいは
弱アルカリ性の固定イオン基をもつものに限られてしま
い、メカノケミカル材料の選択が限られる。
化によって変位させるものは、即ち、pHの変化で解離
度が変化するカルボキシル基のような弱酸性、あるいは
弱アルカリ性の固定イオン基をもつものに限られてしま
い、メカノケミカル材料の選択が限られる。
【0011】この発明はこうした事情を考慮してなされ
たもので、電極間に電圧を印加させることにより、電極
で特定イオンが発生あるいは消費され、電極近傍でのイ
オンの濃度が変化し、メカノケミカル材料のうち電極に
近接する部分が膨潤あるいは収縮することにより、低電
圧で迅速に屈曲動作しえるメカノケミカルアクチュエー
タを提供することを目的とする。
たもので、電極間に電圧を印加させることにより、電極
で特定イオンが発生あるいは消費され、電極近傍でのイ
オンの濃度が変化し、メカノケミカル材料のうち電極に
近接する部分が膨潤あるいは収縮することにより、低電
圧で迅速に屈曲動作しえるメカノケミカルアクチュエー
タを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、電気刺激に
よって屈曲動作するメカノケミカルアクチュエータにお
いて、電解質溶液を含浸し、前記電解質溶液中の特定イ
オンの濃度変化に応じて可逆的に膨潤、収縮するメカノ
ケミカル材料と、前記メカノケミカル材料の近傍もしく
は内部に配置され、電圧印加によって前記特定イオンを
発生あるいは消費する第1の電極と、前記第1の電極と
対向して配置された第2の電極と、前記第1・第2の電
極に接続された電源とを具備することを特徴とするメカ
ノケミカルアクチュエータである。
よって屈曲動作するメカノケミカルアクチュエータにお
いて、電解質溶液を含浸し、前記電解質溶液中の特定イ
オンの濃度変化に応じて可逆的に膨潤、収縮するメカノ
ケミカル材料と、前記メカノケミカル材料の近傍もしく
は内部に配置され、電圧印加によって前記特定イオンを
発生あるいは消費する第1の電極と、前記第1の電極と
対向して配置された第2の電極と、前記第1・第2の電
極に接続された電源とを具備することを特徴とするメカ
ノケミカルアクチュエータである。
【0013】
【作用】この発明においては、上記手段を講じることに
より、電極間に電圧を印加させると、電極でイオンが発
生あるいは消費され、電極近傍でのイオンの濃度が変化
し、電極から離れた部分との間でイオン濃度差が発生す
る。従って、メカノケミカル材料のうち、電極に接する
部分が、膨潤あるいは収縮することにより、メカノケミ
カルアクチュエータが屈曲運動する。
より、電極間に電圧を印加させると、電極でイオンが発
生あるいは消費され、電極近傍でのイオンの濃度が変化
し、電極から離れた部分との間でイオン濃度差が発生す
る。従って、メカノケミカル材料のうち、電極に接する
部分が、膨潤あるいは収縮することにより、メカノケミ
カルアクチュエータが屈曲運動する。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。 (実施例1)図1(A),(B)を参照する。ここで、
図1(A)は実施例1に係るメカノケミカルアクチュエ
ータの断面図、図1(B)は図1(A)に対応したメカ
ノケミカル材料中のイオン濃度特性図である。
して説明する。 (実施例1)図1(A),(B)を参照する。ここで、
図1(A)は実施例1に係るメカノケミカルアクチュエ
ータの断面図、図1(B)は図1(A)に対応したメカ
ノケミカル材料中のイオン濃度特性図である。
【0015】図中の11は、内部に硝酸銀の水溶液(電解
質溶液)12を収容した円筒状の溶液槽である。前記水溶
液12中には、スルホン酸基が固定された円柱体状のメカ
ノケミカル材料13が浸漬されて配置されている。前記メ
カノケミカル材料13の両端には、Agからなる屈曲自在
な板状の第1の電極(陽極)14,該陽極14と同材料,同
形状の第2の電極(陰極)15が夫々対向して挿入されて
いる。前記陽極14,陰極15には、これらの電極に直流電
圧を印加する外部電源16が接続されている。なお、図中
の17は一価の陽イオン(Ag+ ),18はイオンの発生,
消失を表現する矢印である。
質溶液)12を収容した円筒状の溶液槽である。前記水溶
液12中には、スルホン酸基が固定された円柱体状のメカ
ノケミカル材料13が浸漬されて配置されている。前記メ
カノケミカル材料13の両端には、Agからなる屈曲自在
な板状の第1の電極(陽極)14,該陽極14と同材料,同
形状の第2の電極(陰極)15が夫々対向して挿入されて
いる。前記陽極14,陰極15には、これらの電極に直流電
圧を印加する外部電源16が接続されている。なお、図中
の17は一価の陽イオン(Ag+ ),18はイオンの発生,
消失を表現する矢印である。
【0016】次に、上記メカノケミカルアクチュエータ
の作用について説明する。外部電源16により直流電圧が
印加されると、陽極では以下のような反応が起こる。 Ag→Ag+ +e- この反応により、陽極14の近傍のAg+ の濃度が増加す
る。また、陰極15では、次のような反応が生じる。 Ag+ +e- →Ag この反応により、陰極15の近傍のAg+ の濃度が減少す
る。そして、前記メカノケミカル材料13は、反対電荷の
1価のイオン濃度が増加すると収縮し、濃度が減少する
と膨潤するから、陽極側に屈曲する。
の作用について説明する。外部電源16により直流電圧が
印加されると、陽極では以下のような反応が起こる。 Ag→Ag+ +e- この反応により、陽極14の近傍のAg+ の濃度が増加す
る。また、陰極15では、次のような反応が生じる。 Ag+ +e- →Ag この反応により、陰極15の近傍のAg+ の濃度が減少す
る。そして、前記メカノケミカル材料13は、反対電荷の
1価のイオン濃度が増加すると収縮し、濃度が減少する
と膨潤するから、陽極側に屈曲する。
【0017】上述したメカノケミカルアクチュエータ
は、図1(A)に示すように、内部に硝酸銀の水溶液12
を収容した溶液槽11と、前記水溶液12中に浸漬して配置
されたスルホン酸基が固定されたメカノケミカル材料13
と、前記メカノケミカル材料13の端部に対向して挿入さ
れた金属からなる屈曲自在な陽極14,陰極15と、前記陽
極14,陰極15に接続された外部電源16とから構成されて
いる。従って、以下に述べる効果を有する。
は、図1(A)に示すように、内部に硝酸銀の水溶液12
を収容した溶液槽11と、前記水溶液12中に浸漬して配置
されたスルホン酸基が固定されたメカノケミカル材料13
と、前記メカノケミカル材料13の端部に対向して挿入さ
れた金属からなる屈曲自在な陽極14,陰極15と、前記陽
極14,陰極15に接続された外部電源16とから構成されて
いる。従って、以下に述べる効果を有する。
【0018】この屈曲は、陽極14,陰極15での反応によ
るもので、イオンの移動速度に律速されないため、低電
圧で迅速に動作する。また、電解質溶液を構成する硝酸
イオンは酸化され難いイオンであるので、硝酸イオンの
酸化による気体の発生はほとんど認められない。更に、
印加電圧を約1.5V以下にした場合、水の電気分解に
よる気体発生は認められない。
るもので、イオンの移動速度に律速されないため、低電
圧で迅速に動作する。また、電解質溶液を構成する硝酸
イオンは酸化され難いイオンであるので、硝酸イオンの
酸化による気体の発生はほとんど認められない。更に、
印加電圧を約1.5V以下にした場合、水の電気分解に
よる気体発生は認められない。
【0019】また、溶液のpHの変化を利用しているわ
けではないので、メカノケミカル材料に固定されたイオ
ン基の解離度によらず、駆動できる。即ち、弱酸性のイ
オン基でも屈曲動作する。なお、印加電圧の極性を切り
換えるようにすれば、当然反対方向に屈曲させることが
できる。
けではないので、メカノケミカル材料に固定されたイオ
ン基の解離度によらず、駆動できる。即ち、弱酸性のイ
オン基でも屈曲動作する。なお、印加電圧の極性を切り
換えるようにすれば、当然反対方向に屈曲させることが
できる。
【0020】なお、上記実施例1に使用された各構成部
材は、各種の変形、変更が可能である。例えば、メカノ
ケミカル材料は円柱体状ではなく、角柱体状でもよい。
イオンはAg+ ではなく、電解質用溶液中に溶出する1
価のイオンであればよい。また、電解質溶液中の陰イオ
ンは硝酸イオンではなく、例えば硫酸イオンでもよい。
更に、メカノケミカル材料に固定されたイオン基と、電
極で発生消費する特定イオンの極性が逆の組み合わせで
もよい。即ち、固定されたイオン基が陽イオンであっ
て、特定イオンが陰イオンであってもよい。また、メカ
ノケミカル材料内部に電極を挿入するのではなく、接触
しているかあるいは近傍に設置してもよい。
材は、各種の変形、変更が可能である。例えば、メカノ
ケミカル材料は円柱体状ではなく、角柱体状でもよい。
イオンはAg+ ではなく、電解質用溶液中に溶出する1
価のイオンであればよい。また、電解質溶液中の陰イオ
ンは硝酸イオンではなく、例えば硫酸イオンでもよい。
更に、メカノケミカル材料に固定されたイオン基と、電
極で発生消費する特定イオンの極性が逆の組み合わせで
もよい。即ち、固定されたイオン基が陽イオンであっ
て、特定イオンが陰イオンであってもよい。また、メカ
ノケミカル材料内部に電極を挿入するのではなく、接触
しているかあるいは近傍に設置してもよい。
【0021】(実施例2)図2(A),(B)を参照す
る。ここで、図2(A)は実施例1に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの説明図、図2(B)は図2(A)に
対応したメカノケミカル材料中のイオン濃度特性図であ
る。なお、図1と同部材は同符号を付して説明を省略す
る。図中の21は、溶液槽11内に収容された硫酸銅の水溶
液である。前記水溶液21中には、カルボキシル基が固定
された円柱体状のメカノケミカル材料22が浸漬されて配
置されている。前記メカノケミカル材料22の端部には、
Cuからなる屈曲自在な板状の第1の電極(陽極)23,
該陽極23と同材料,同形状の第2の電極(陰極)24が夫
々対向して挿入されている。前記陽極23,陰極24には、
これらの電極に直流電圧を印加する外部電源16が接続さ
れている。なお、図中の25は二価の陽イオン(Cu2+)
である。次に、上記メカノケミカルアクチュエータの作
用について説明する。外部電源16により直流電圧が印加
されると、陽極23では以下のような反応が起こる。 Cu→Cu2++2e- この反応により、陽極23の近傍のCu2+の濃度が増加す
る。また、陰極24では、次のような反応が生じる。 Cu2++2e- →Cu この反応により、陰極24の近傍のCu2+の濃度が減少す
る。そして、前記メカノケミカル材料22は、反対電荷の
2価のイオン濃度が増加すると、キレートを形成して収
縮するから、陽極23側に屈曲する。
る。ここで、図2(A)は実施例1に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの説明図、図2(B)は図2(A)に
対応したメカノケミカル材料中のイオン濃度特性図であ
る。なお、図1と同部材は同符号を付して説明を省略す
る。図中の21は、溶液槽11内に収容された硫酸銅の水溶
液である。前記水溶液21中には、カルボキシル基が固定
された円柱体状のメカノケミカル材料22が浸漬されて配
置されている。前記メカノケミカル材料22の端部には、
Cuからなる屈曲自在な板状の第1の電極(陽極)23,
該陽極23と同材料,同形状の第2の電極(陰極)24が夫
々対向して挿入されている。前記陽極23,陰極24には、
これらの電極に直流電圧を印加する外部電源16が接続さ
れている。なお、図中の25は二価の陽イオン(Cu2+)
である。次に、上記メカノケミカルアクチュエータの作
用について説明する。外部電源16により直流電圧が印加
されると、陽極23では以下のような反応が起こる。 Cu→Cu2++2e- この反応により、陽極23の近傍のCu2+の濃度が増加す
る。また、陰極24では、次のような反応が生じる。 Cu2++2e- →Cu この反応により、陰極24の近傍のCu2+の濃度が減少す
る。そして、前記メカノケミカル材料22は、反対電荷の
2価のイオン濃度が増加すると、キレートを形成して収
縮するから、陽極23側に屈曲する。
【0022】上述したメカノケミカルアクチュエータ
は、図2(A)に示すように、内部に硫酸銅の水溶液21
を収容した溶液槽11と、前記水溶液21中には浸漬して配
置されたカルボキシル基が固定されたメカノケミカル材
料22と、前記メカノケミカル材料22の端部に対向して挿
入されたCuからなる屈曲自在な陽極23,陰極24と、前
記陽極23,陰極24に接続された外部電源16とから構成さ
れている。従って、以下に述べる効果を有する。
は、図2(A)に示すように、内部に硫酸銅の水溶液21
を収容した溶液槽11と、前記水溶液21中には浸漬して配
置されたカルボキシル基が固定されたメカノケミカル材
料22と、前記メカノケミカル材料22の端部に対向して挿
入されたCuからなる屈曲自在な陽極23,陰極24と、前
記陽極23,陰極24に接続された外部電源16とから構成さ
れている。従って、以下に述べる効果を有する。
【0023】この屈曲は、陽極23,陰極24での反応によ
るもので、イオンの移動速度に律速されないため、低電
圧で迅速に動作する。また、電解質溶液を構成する硫酸
イオンは酸化され難いイオンであるので、硫酸イオンの
酸化による気体の発生はほとんど認められない。更に、
印加電圧を約1.5V以下にした場合、水の電気分解に
よる気体発生は認められない。
るもので、イオンの移動速度に律速されないため、低電
圧で迅速に動作する。また、電解質溶液を構成する硫酸
イオンは酸化され難いイオンであるので、硫酸イオンの
酸化による気体の発生はほとんど認められない。更に、
印加電圧を約1.5V以下にした場合、水の電気分解に
よる気体発生は認められない。
【0024】また、溶液のpHの変化を利用しているわ
けではないので、メカノケミカル材料に固定されたイオ
ン基の解離度によらず、駆動できる。即ち、多価イオン
で収縮するメカノケミカル材料であれば、屈曲動作す
る。なお、印加電圧の極性を反対極性に切り換えるよう
にすれば、反対方向に屈曲させることができる。
けではないので、メカノケミカル材料に固定されたイオ
ン基の解離度によらず、駆動できる。即ち、多価イオン
で収縮するメカノケミカル材料であれば、屈曲動作す
る。なお、印加電圧の極性を反対極性に切り換えるよう
にすれば、反対方向に屈曲させることができる。
【0025】なお、上記実施例2に使用された各構成部
材は、各種の変形,変更が可能である。例えば、メカノ
ケミカル材料は円柱体状ではなく、角柱体状でもよい。
イオンはCu2+ではなく、電解質用溶液中に溶出する2
価のイオンであればよい。また、電解質溶液中の陰イオ
ンは硫酸イオンではなく、例えば硝酸イオンでもよい。
更に、メカノケミカル材料に固定されたイオン基と、電
極で発生消費する特定イオンの極性が逆の組み合わせで
もよい。即ち、固定されたイオン基がカチオンであっ
て、特定イオンがアニオンであってもよい。また、メカ
ノケミカル材料内部に電極を挿入するのではなく、接触
しているか、あるいは近傍に設置してもよい。
材は、各種の変形,変更が可能である。例えば、メカノ
ケミカル材料は円柱体状ではなく、角柱体状でもよい。
イオンはCu2+ではなく、電解質用溶液中に溶出する2
価のイオンであればよい。また、電解質溶液中の陰イオ
ンは硫酸イオンではなく、例えば硝酸イオンでもよい。
更に、メカノケミカル材料に固定されたイオン基と、電
極で発生消費する特定イオンの極性が逆の組み合わせで
もよい。即ち、固定されたイオン基がカチオンであっ
て、特定イオンがアニオンであってもよい。また、メカ
ノケミカル材料内部に電極を挿入するのではなく、接触
しているか、あるいは近傍に設置してもよい。
【0026】(実施例3)図3を参照する。なお、図1
と同部材は同符号を付して説明を省略する。図中の31
は、テフロン製の外殻である。前記外殻31内には、硝酸
銀溶液を含み、スルホン酸基が固定されたメカノケミカ
ル材料32が配置されている。前記外殻31の内側面と前記
メカノケミカル材料32間には、Agからなる第1の電極
33,第2の電極34が対向して形成されている。ここで、
第1の電極33は、第2の電極34と同じでも異なっていて
も良いが、電圧を印加したときに気体を発生しないもの
が望ましい。前記第1の電極33及び第2の電極34には、
外部電源35が接続されている。
と同部材は同符号を付して説明を省略する。図中の31
は、テフロン製の外殻である。前記外殻31内には、硝酸
銀溶液を含み、スルホン酸基が固定されたメカノケミカ
ル材料32が配置されている。前記外殻31の内側面と前記
メカノケミカル材料32間には、Agからなる第1の電極
33,第2の電極34が対向して形成されている。ここで、
第1の電極33は、第2の電極34と同じでも異なっていて
も良いが、電圧を印加したときに気体を発生しないもの
が望ましい。前記第1の電極33及び第2の電極34には、
外部電源35が接続されている。
【0027】次に、上記メカノケミカルアクチュエータ
の作用について説明する。外部電源35により直流電圧が
印加されると、実施例1と同様に陽極側に屈曲する。屈
曲した状態で電圧を解除すると、イオンの拡散によって
徐々にイオンの濃度差が小さくなり、アクチュエータも
元に戻る。
の作用について説明する。外部電源35により直流電圧が
印加されると、実施例1と同様に陽極側に屈曲する。屈
曲した状態で電圧を解除すると、イオンの拡散によって
徐々にイオンの濃度差が小さくなり、アクチュエータも
元に戻る。
【0028】しかして、実施例3に係るメカノケミカル
アクチュエータは、外殻31と、この外殻31内に配置され
た,硝酸銀溶液を含みスルホン酸基が固定されたメカノ
ケミカル材料32と、前記外殻31の内側面とメカノケミカ
ル材料32間に対向して配置された第1の電極33及び第2
の電極34と、外部電源35を備えた構成となっている。従
って、実施例1と同様な効果が得られる。また、メカノ
ケミカル材料32や第1の電極33,第2の電極34が密閉式
の外殻31に覆われているため、空気中での動作が可能で
ある。
アクチュエータは、外殻31と、この外殻31内に配置され
た,硝酸銀溶液を含みスルホン酸基が固定されたメカノ
ケミカル材料32と、前記外殻31の内側面とメカノケミカ
ル材料32間に対向して配置された第1の電極33及び第2
の電極34と、外部電源35を備えた構成となっている。従
って、実施例1と同様な効果が得られる。また、メカノ
ケミカル材料32や第1の電極33,第2の電極34が密閉式
の外殻31に覆われているため、空気中での動作が可能で
ある。
【0029】なお、実施例3において、第1の電極33を
第2の電極34と同じ材料を用いて、印加する電圧の極性
を切り換えるようにすれば、2方向に可逆的に屈曲させ
ることができる(図4参照)。なお、図4中の41は外部
電源を示す。
第2の電極34と同じ材料を用いて、印加する電圧の極性
を切り換えるようにすれば、2方向に可逆的に屈曲させ
ることができる(図4参照)。なお、図4中の41は外部
電源を示す。
【0030】(実施例4)図5(A),(B)を参照す
る。ここで、図5(A)は実施例4に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの平面図、図5(B)は図5(A)の
斜視図を示す。但し、図3と同部材は同符号を付して説
明を省略する。図中の51はAgからなる金属電極であ
り、メカノケミカル材料32の外周部の4個所に夫々配置
されている。これらの金属電極51には、複数の電極の極
性の切り替え可能な外部電源52が接続されている。
る。ここで、図5(A)は実施例4に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの平面図、図5(B)は図5(A)の
斜視図を示す。但し、図3と同部材は同符号を付して説
明を省略する。図中の51はAgからなる金属電極であ
り、メカノケミカル材料32の外周部の4個所に夫々配置
されている。これらの金属電極51には、複数の電極の極
性の切り替え可能な外部電源52が接続されている。
【0031】こうした構成のメカノケミカルアクチュエ
ータは、複数の金属電極51のうち少なくとも1つを陽極
とし、残る金属電極のうち、前記陽極に対向する少なく
とも1つを陰極として、電圧を印加すると陽極側に屈曲
する。更に、外部電源52により印加する電極と極性を切
り換えることにより、多方向に屈曲させることができ
る。なお、この実施例5の各構成は、当然、各種の変
形,変更が可能であり、一例として、中空の円筒状であ
るメカノケミカル材料の周囲に複数の電極を配置するよ
うにしても良い。
ータは、複数の金属電極51のうち少なくとも1つを陽極
とし、残る金属電極のうち、前記陽極に対向する少なく
とも1つを陰極として、電圧を印加すると陽極側に屈曲
する。更に、外部電源52により印加する電極と極性を切
り換えることにより、多方向に屈曲させることができ
る。なお、この実施例5の各構成は、当然、各種の変
形,変更が可能であり、一例として、中空の円筒状であ
るメカノケミカル材料の周囲に複数の電極を配置するよ
うにしても良い。
【0032】(実施例5)この実施例5は、実施例3
(図3)と比べ、第2の電極34,外殻31,メカノケミカ
ル材料32のうち少なくとも1つが弾性体からなる点を除
いて、全く同じ構成になっている。こうした構成のメカ
ノケミカルアクチュエータにおいて、電圧を印加して屈
曲させた後、電圧を解除すると、前記弾性体の弾性力に
よって、屈曲変位が解除され、より迅速に初期状態に戻
る。実施例5によれば、実施例3に示す効果の他に、逆
方向に電圧印加することなく、迅速に屈曲変位を戻すこ
とができる。なお、実施例6においては、第2の電極3
4,外殻31,メカノケミカル材料32のうち少なくとも1
つが弾性体からなる場合について述べたが、これに限ら
ず、アクチュエータに別の弾性体を設置しても良い。
(図3)と比べ、第2の電極34,外殻31,メカノケミカ
ル材料32のうち少なくとも1つが弾性体からなる点を除
いて、全く同じ構成になっている。こうした構成のメカ
ノケミカルアクチュエータにおいて、電圧を印加して屈
曲させた後、電圧を解除すると、前記弾性体の弾性力に
よって、屈曲変位が解除され、より迅速に初期状態に戻
る。実施例5によれば、実施例3に示す効果の他に、逆
方向に電圧印加することなく、迅速に屈曲変位を戻すこ
とができる。なお、実施例6においては、第2の電極3
4,外殻31,メカノケミカル材料32のうち少なくとも1
つが弾性体からなる場合について述べたが、これに限ら
ず、アクチュエータに別の弾性体を設置しても良い。
【0033】(実施例6)図6を参照する。但し、図3
及び図4と同部材は同符号を付して説明を省略する。図
中の61は、メカノケミカル材料32の中央に位置するよう
に設けられた陰イオン交換膜である。図6のメカノケミ
カルアクチュエータの作用を、図7(A),(B)を用
いて説明する。但し、図1と同部材は同符号を付して説
明を省略する。また、図7(B)は図7(A)において
一方電極から他方の電極までの距離とイオン濃度との関
係を示す特性図である。
及び図4と同部材は同符号を付して説明を省略する。図
中の61は、メカノケミカル材料32の中央に位置するよう
に設けられた陰イオン交換膜である。図6のメカノケミ
カルアクチュエータの作用を、図7(A),(B)を用
いて説明する。但し、図1と同部材は同符号を付して説
明を省略する。また、図7(B)は図7(A)において
一方電極から他方の電極までの距離とイオン濃度との関
係を示す特性図である。
【0034】外部電源41により電圧を印加すると、陰極
側よりAg+ イオン17が発生し、陰極側ではAg+ イオ
ン17が消費され、濃度差が生じて屈曲する。屈曲したま
ま、電圧を解除すると、陰イオン交換膜61中のAg+ イ
オンの拡散速度が小さくなるために、図7(A)に示す
ようにAg+ イオンの濃度が保たれる。従って、電圧印
加を解除しても、屈曲変位が保たれる。初期状態に戻す
ときには、Ag+ イオンの拡散によって戻すのではな
く、極性を切り替えて電圧を印加し初期状態に戻し、更
に電圧を印加して逆方向に屈曲する。
側よりAg+ イオン17が発生し、陰極側ではAg+ イオ
ン17が消費され、濃度差が生じて屈曲する。屈曲したま
ま、電圧を解除すると、陰イオン交換膜61中のAg+ イ
オンの拡散速度が小さくなるために、図7(A)に示す
ようにAg+ イオンの濃度が保たれる。従って、電圧印
加を解除しても、屈曲変位が保たれる。初期状態に戻す
ときには、Ag+ イオンの拡散によって戻すのではな
く、極性を切り替えて電圧を印加し初期状態に戻し、更
に電圧を印加して逆方向に屈曲する。
【0035】しかして、実施例6に係るメカノケミカル
アクチュエータは、メカノケミカル材料32の中央に位置
するように陰イオン交換膜61が設けられた構成になって
いるため、実施例3で述べた効果を有する他に、ある変
位で外部電源41からの電圧を解除した場合、その姿勢を
保持することができる。また、アクチュエータのサイズ
が小さく、陰イオン交換膜61がないと両電極間の濃度差
が得られない場合も有効である。なお、上記実施例6の
各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。例え
ば、隔膜はイオン交換膜ではなく、特定イオンの拡散速
度が溶液中よりも低い隔膜であればよい。
アクチュエータは、メカノケミカル材料32の中央に位置
するように陰イオン交換膜61が設けられた構成になって
いるため、実施例3で述べた効果を有する他に、ある変
位で外部電源41からの電圧を解除した場合、その姿勢を
保持することができる。また、アクチュエータのサイズ
が小さく、陰イオン交換膜61がないと両電極間の濃度差
が得られない場合も有効である。なお、上記実施例6の
各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。例え
ば、隔膜はイオン交換膜ではなく、特定イオンの拡散速
度が溶液中よりも低い隔膜であればよい。
【0036】(実施例7)図8(A),(B)を参照す
る。ここで、図8(A)は実施例7に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの平面図、図8(B)は図8(A)の
斜視図を示す。但し、図3,図5と同部材は同符号を付
して説明を省略する。
る。ここで、図8(A)は実施例7に係るメカノケミカ
ルアクチュエータの平面図、図8(B)は図8(A)の
斜視図を示す。但し、図3,図5と同部材は同符号を付
して説明を省略する。
【0037】この実施例7では、2つの陰イオン交換膜
81a,81bが図8に示すように互いに交差するようにメ
カノケミカル材料32に設けられている。こうした構成の
メカノケミカルアクチュエータにおいて、複数の電極51
のうち少なくとも1つを陽極とし、残る電極のうち前記
陽極に対向する電極を少なくとも陰極として電圧を印加
すると、陽極側に屈曲する。更に、この実施例7では、
ある電位で外部電源からの電圧を解除した場合、その姿
勢を保持することができる。
81a,81bが図8に示すように互いに交差するようにメ
カノケミカル材料32に設けられている。こうした構成の
メカノケミカルアクチュエータにおいて、複数の電極51
のうち少なくとも1つを陽極とし、残る電極のうち前記
陽極に対向する電極を少なくとも陰極として電圧を印加
すると、陽極側に屈曲する。更に、この実施例7では、
ある電位で外部電源からの電圧を解除した場合、その姿
勢を保持することができる。
【0038】しかして、実施例7に係るメカノケミカル
アクチュエータは、2つの陰イオン交換膜81a,81bが
互いに交差するようにメカノケミカル材料32に設けられ
ている構成になっているため、実施例6で述べた効果を
有する他に、ある変位で外部電源41からの電圧を解除し
た場合、その姿勢を保持することができる。また、アク
チュエータのサイズが小さく、陰イオン交換膜がないと
両電極間の濃度差が得られない場合も有効である。
アクチュエータは、2つの陰イオン交換膜81a,81bが
互いに交差するようにメカノケミカル材料32に設けられ
ている構成になっているため、実施例6で述べた効果を
有する他に、ある変位で外部電源41からの電圧を解除し
た場合、その姿勢を保持することができる。また、アク
チュエータのサイズが小さく、陰イオン交換膜がないと
両電極間の濃度差が得られない場合も有効である。
【0039】なお、この発明の本質を鑑みれば、上記実
施例1〜7を通して以下のような変更が可能である。こ
の発明により駆動できるメカノケミカル材料は、含有す
る液体中の特定イオンの濃度変化に応じて可逆的に、膨
潤収縮する高分子を有するメカノケミカル材料である。
このような性質を有するメカノケミカル材料であれば、
特に組成について制限はない。また、形状についても、
特に制限はなく、塊状、膜、繊維、粒状等何でもよく、
更にそれらが集積されたものでもよい。
施例1〜7を通して以下のような変更が可能である。こ
の発明により駆動できるメカノケミカル材料は、含有す
る液体中の特定イオンの濃度変化に応じて可逆的に、膨
潤収縮する高分子を有するメカノケミカル材料である。
このような性質を有するメカノケミカル材料であれば、
特に組成について制限はない。また、形状についても、
特に制限はなく、塊状、膜、繊維、粒状等何でもよく、
更にそれらが集積されたものでもよい。
【0040】前記メカノケミカル材料を膨潤収縮させる
ために濃度変化させるイオン種は、陽イオン、陰イオ
ン、あるいは無機イオン、有機イオン等いずれでも用い
ることができる。また、単一でなく複数のイオンの組み
合わせでもよい。但し、密閉した系等で動作する場合
は、使用する溶媒、電極材料との組み合せで、電圧を印
加したときに、ガスが発生しないものが望ましい。例え
ば、溶媒が水でイオンが金属イオンの場合、金属イオン
はH+ よりイオン化傾向が小さく、具体的には言えば、
Ag+ ,Cu2+等が望ましい。
ために濃度変化させるイオン種は、陽イオン、陰イオ
ン、あるいは無機イオン、有機イオン等いずれでも用い
ることができる。また、単一でなく複数のイオンの組み
合わせでもよい。但し、密閉した系等で動作する場合
は、使用する溶媒、電極材料との組み合せで、電圧を印
加したときに、ガスが発生しないものが望ましい。例え
ば、溶媒が水でイオンが金属イオンの場合、金属イオン
はH+ よりイオン化傾向が小さく、具体的には言えば、
Ag+ ,Cu2+等が望ましい。
【0041】電極は、電圧印加によって該イオンを発生
あるいは消費する材料で一部又は全部構成していれば、
特に他の制限はない。例えば、イオンがAg+ であれ
ば、電極はAg単体あるいは表面がAg鍍金されている
もの、合金等何でもよい。また、電極として導電性高分
子を用いることもできる。
あるいは消費する材料で一部又は全部構成していれば、
特に他の制限はない。例えば、イオンがAg+ であれ
ば、電極はAg単体あるいは表面がAg鍍金されている
もの、合金等何でもよい。また、電極として導電性高分
子を用いることもできる。
【0042】電極形状についても特に制限はなく、ワイ
ヤー、板、繊維等何でもよい。粉状の電極材料を前記の
メカノケミカル材料に分散させる、あるいは導電性高分
子をメカノケミカル材料にドーピングするなど、メカノ
ケミカル材料自体に導電性をもたせてもよい。
ヤー、板、繊維等何でもよい。粉状の電極材料を前記の
メカノケミカル材料に分散させる、あるいは導電性高分
子をメカノケミカル材料にドーピングするなど、メカノ
ケミカル材料自体に導電性をもたせてもよい。
【0043】反応性電極と対をなして、電圧を印加され
る電極は、同一材料の反応性電極でなくてもよい。但
し、外部電源により電極の極性を切り替えて、可逆的に
屈曲させる場合は、同一材料の電極である方が望まし
い。また、対になる電極が異なる材料で構成されると、
電極間に電位差が生じ、外部からの電圧印加とは無関係
に電極での反応が進行するので、その点からも、同一材
料である方が望ましい。
る電極は、同一材料の反応性電極でなくてもよい。但
し、外部電源により電極の極性を切り替えて、可逆的に
屈曲させる場合は、同一材料の電極である方が望まし
い。また、対になる電極が異なる材料で構成されると、
電極間に電位差が生じ、外部からの電圧印加とは無関係
に電極での反応が進行するので、その点からも、同一材
料である方が望ましい。
【0044】なお、上記実施例6,7では、隔膜として
陰イオン交換膜を用いた場合について述べたが、これに
限らず、イオンの拡散速度が電解室溶液中より小さい隔
膜であればなんでも良い。
陰イオン交換膜を用いた場合について述べたが、これに
限らず、イオンの拡散速度が電解室溶液中より小さい隔
膜であればなんでも良い。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明のメカノケ
ミカルアクチュエータによれば、電極間に電圧を印加さ
せることにより、電極で特定イオンが発生あるいは消費
され、電極近傍でのイオンの濃度が変化し、メカノケミ
カル材料のうち、電極に近接する部分が膨潤あるいは収
縮することにより、メカノケミカルアクチュエータが屈
曲動作する。その結果、低電圧で迅速に屈曲動作するこ
とができる。
ミカルアクチュエータによれば、電極間に電圧を印加さ
せることにより、電極で特定イオンが発生あるいは消費
され、電極近傍でのイオンの濃度が変化し、メカノケミ
カル材料のうち、電極に近接する部分が膨潤あるいは収
縮することにより、メカノケミカルアクチュエータが屈
曲動作する。その結果、低電圧で迅速に屈曲動作するこ
とができる。
【図1】この発明の実施例1に係るメカノケミカルアク
チュエータの説明図であり、図1(A)は断面図、図1
(B)は図1(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
チュエータの説明図であり、図1(A)は断面図、図1
(B)は図1(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
【図2】この発明の実施例2に係るメカノケミカルアク
チュエータの説明図であり、図2(A)は断面図、図2
(B)は図2(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
チュエータの説明図であり、図2(A)は断面図、図2
(B)は図2(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
【図3】この発明の実施例3に係るメカノケミカルアク
チュエータの断面図。
チュエータの断面図。
【図4】図3に係るメカノケミカルアクチュエータの変
形例を示す断面図。
形例を示す断面図。
【図5】この発明の実施例4に係るメカノケミカルアク
チュエータの説明図であり、図5(A)は平面図、図5
(B)は図5(A)の斜視図。
チュエータの説明図であり、図5(A)は平面図、図5
(B)は図5(A)の斜視図。
【図6】この発明の実施例6に係るメカノケミカルアク
チュエータの断面図。
チュエータの断面図。
【図7】この発明の実施例7に係るメカノケミカルアク
チュエータの説明図であり、図7(A)は断面図、図7
(B)は図7(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
チュエータの説明図であり、図7(A)は断面図、図7
(B)は図7(A)のメカノケミカル材料の外周面から
直径方向の距離とイオン濃度との関係を示す特性図。
【図8】この発明の実施例8係るメカノケミカルアクチ
ュエータの説明図であり、図8(A)は平面図、図8
(B)は図8(A)の斜視図。。
ュエータの説明図であり、図8(A)は平面図、図8
(B)は図8(A)の斜視図。。
11…溶液槽、 12…硝酸銀溶液、 13,22,32…
メカノケミカル材料、14,23…陽極、 15,24…陰
極、 16,35,41,52…外部電源、17…Ag+ イオ
ン、 18…イオン発生・消失を表す矢印、21…硫酸銀溶
液、 25…Cu2+イオン、31…殻、33…第1の電極、
34…第2の電極、 51…金属電極、61,81a,81b
…陰イオン交換膜。
メカノケミカル材料、14,23…陽極、 15,24…陰
極、 16,35,41,52…外部電源、17…Ag+ イオ
ン、 18…イオン発生・消失を表す矢印、21…硫酸銀溶
液、 25…Cu2+イオン、31…殻、33…第1の電極、
34…第2の電極、 51…金属電極、61,81a,81b
…陰イオン交換膜。
Claims (1)
- 【請求項1】 電気刺激によって屈曲動作するメカノケ
ミカルアクチュエータにおいて、電解質溶液を含浸し、
前記電解質溶液中の特定イオンの濃度変化に応じて可逆
的に膨潤、収縮するメカノケミカル材料と、前記メカノ
ケミカル材料の近傍もしくは内部に配置され、電圧印加
によって前記特定イオンを発生あるいは消費する第1の
電極と、前記第1の電極と対向して配置された第2の電
極と、前記第1・第2の電極に接続された電源とを具備
することを特徴とするメカノケミカルアクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23303593A JPH0783159A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | メカノケミカルアクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23303593A JPH0783159A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | メカノケミカルアクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0783159A true JPH0783159A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=16948791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23303593A Withdrawn JPH0783159A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | メカノケミカルアクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0783159A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004260995A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-09-16 | Eamex Co | アクチュエータの駆動方法及び水槽 |
WO2005076452A1 (ja) * | 2004-02-05 | 2005-08-18 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | アクチュエータ及びアクチュエータ用平板状電極支持体の製造方法 |
JP2009165219A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Kyushu Institute Of Technology | 磁気力によるアクチュエータ及びそれを用いた駆動装置、並びにセンサ |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23303593A patent/JPH0783159A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004260995A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-09-16 | Eamex Co | アクチュエータの駆動方法及び水槽 |
WO2005076452A1 (ja) * | 2004-02-05 | 2005-08-18 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | アクチュエータ及びアクチュエータ用平板状電極支持体の製造方法 |
US7586242B2 (en) | 2004-02-05 | 2009-09-08 | Panasonic Corporation | Actuator and method for manufacturing planar electrode support for actuator |
JP2009165219A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Kyushu Institute Of Technology | 磁気力によるアクチュエータ及びそれを用いた駆動装置、並びにセンサ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |