JPH0783109A - シリンダライナー - Google Patents
シリンダライナーInfo
- Publication number
- JPH0783109A JPH0783109A JP23171693A JP23171693A JPH0783109A JP H0783109 A JPH0783109 A JP H0783109A JP 23171693 A JP23171693 A JP 23171693A JP 23171693 A JP23171693 A JP 23171693A JP H0783109 A JPH0783109 A JP H0783109A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder liner
- corrosion
- piston ring
- coating layer
- dead center
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリンダライナーの腐食を遅延し、シリンダ
ライナーおよびピストンリングの摩耗を低減することを
可能とする。 【構成】 シリンダライナー内周面のピストンリング上
死点Pより上の部分4に、犠牲腐食材をコーティングし
たことを特徴としている。
ライナーおよびピストンリングの摩耗を低減することを
可能とする。 【構成】 シリンダライナー内周面のピストンリング上
死点Pより上の部分4に、犠牲腐食材をコーティングし
たことを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリンダライナーに係
り、特に、シリンダライナーおよびピストンリングの摩
耗を低減するためのシリンダライナーに関するものであ
る。
り、特に、シリンダライナーおよびピストンリングの摩
耗を低減するためのシリンダライナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、排ガス規制への対応策の一つとし
てEGRの装着あるいはEGR率増加が必須となってい
る。
てEGRの装着あるいはEGR率増加が必須となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、EGR時の
問題点としてシリンダライナーおよびこれに接するピス
トンリングの摩耗量増大が挙げられる。このシリンダラ
イナーおよびピストンリングの摩耗量増大の原因の一つ
として燃料中のSによる腐食が挙げられる。すなわち、
燃料中のSがH2 SO4 となってシリンダライナーを上
部からピストンリングとの摺動部側に腐食させ、この腐
食部分をピストンリングが摺動することから、腐食粉が
摩耗材となってシリンダライナーおよびピストンリング
の摩耗が促進するものと考えられる。したがって、シリ
ンダライナーの摺動部の腐食防止は摩耗粉の生成を防止
することになり、摩耗量低減につながる。
問題点としてシリンダライナーおよびこれに接するピス
トンリングの摩耗量増大が挙げられる。このシリンダラ
イナーおよびピストンリングの摩耗量増大の原因の一つ
として燃料中のSによる腐食が挙げられる。すなわち、
燃料中のSがH2 SO4 となってシリンダライナーを上
部からピストンリングとの摺動部側に腐食させ、この腐
食部分をピストンリングが摺動することから、腐食粉が
摩耗材となってシリンダライナーおよびピストンリング
の摩耗が促進するものと考えられる。したがって、シリ
ンダライナーの摺動部の腐食防止は摩耗粉の生成を防止
することになり、摩耗量低減につながる。
【0004】なお、特開昭61-169645 号公報にはシリン
ダライナの上部に不良熱伝導性部材を嵌装したものが提
案されている。
ダライナの上部に不良熱伝導性部材を嵌装したものが提
案されている。
【0005】本発明は上記問題点を有効に解決すべく創
案されたものである。
案されたものである。
【0006】本発明はシリンダライナーの腐食を遅延
し、シリンダライナーおよびピストンリングの摩耗を低
減することのできるシリンダライナーを提供することを
目的とする。
し、シリンダライナーおよびピストンリングの摩耗を低
減することのできるシリンダライナーを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はシリンダライナ
ー内周面のピストンリング上死点より上の部分に、犠牲
腐食材をコーティングしたものである。
ー内周面のピストンリング上死点より上の部分に、犠牲
腐食材をコーティングしたものである。
【0008】
【作用】腐食はシリンダライナーの上部から摺動部側に
次第に拡大するので、シリンダライナーの上部にコーテ
ィング層を形成しておけば、そのコーティング層が優先
的に腐食し、シリンダライナーの上部は腐食から保護さ
れる。シリンダライナーの上部が腐食から保護されれ
ば、摺動部側に腐食が拡大することもないので、摩耗粉
の発生が抑制され、摩耗粉によるシリンダライナーおよ
びこれを摺動するピストンリングの摩耗を低減できる。
次第に拡大するので、シリンダライナーの上部にコーテ
ィング層を形成しておけば、そのコーティング層が優先
的に腐食し、シリンダライナーの上部は腐食から保護さ
れる。シリンダライナーの上部が腐食から保護されれ
ば、摺動部側に腐食が拡大することもないので、摩耗粉
の発生が抑制され、摩耗粉によるシリンダライナーおよ
びこれを摺動するピストンリングの摩耗を低減できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0010】図1および図2に示すように、燃焼室を区
画する円筒状のシリンダライナー1が形成されると共に
ピストン2の外周部にはシリンダライナー1の内周面を
摺動するピストンリング3が嵌装されている。
画する円筒状のシリンダライナー1が形成されると共に
ピストン2の外周部にはシリンダライナー1の内周面を
摺動するピストンリング3が嵌装されている。
【0011】特に、シリンダライナー1の内周面にはピ
ストンリング上死点Pより上方の部分(第1ピストンリ
ングより上方)4に、犠牲腐食材である亜鉛をコーティ
ングしたコーティング層5が形成される。このコーティ
ング層5はディッピングあるいは電気メッキにより施さ
れる。
ストンリング上死点Pより上方の部分(第1ピストンリ
ングより上方)4に、犠牲腐食材である亜鉛をコーティ
ングしたコーティング層5が形成される。このコーティ
ング層5はディッピングあるいは電気メッキにより施さ
れる。
【0012】このようにシリンダライナー1の上部4に
亜鉛をコーティングすることにより、自動車の車体鋼板
に採用される亜鉛メッキ鋼板が、亜鉛の犠牲防食により
素地鋼板の腐食、錆の発生を防止し、寿命を延長するの
と同様に、シリンダライナー1の上部4に施されたコー
ティング層5を優先的に腐食させることになる。すなわ
ち、腐食はシリンダライナー1の上部4からその下方の
摺動部6側に次第に拡大するので、シリンダライナー1
の上部4にコーティング層5を形成しておけば、そのコ
ーティング層5が優先的に腐食し、保護被膜となり、シ
リンダライナーの上部4は腐食から保護される。シリン
ダライナー1の上部4が腐食から保護されれば、摺動部
6側に腐食が拡大することもないので、摩耗粉の発生が
抑制され、摩耗粉によるシリンダライナー1およびこれ
を摺動するピストンリング3の摩耗を低減できる。
亜鉛をコーティングすることにより、自動車の車体鋼板
に採用される亜鉛メッキ鋼板が、亜鉛の犠牲防食により
素地鋼板の腐食、錆の発生を防止し、寿命を延長するの
と同様に、シリンダライナー1の上部4に施されたコー
ティング層5を優先的に腐食させることになる。すなわ
ち、腐食はシリンダライナー1の上部4からその下方の
摺動部6側に次第に拡大するので、シリンダライナー1
の上部4にコーティング層5を形成しておけば、そのコ
ーティング層5が優先的に腐食し、保護被膜となり、シ
リンダライナーの上部4は腐食から保護される。シリン
ダライナー1の上部4が腐食から保護されれば、摺動部
6側に腐食が拡大することもないので、摩耗粉の発生が
抑制され、摩耗粉によるシリンダライナー1およびこれ
を摺動するピストンリング3の摩耗を低減できる。
【0013】具体的には図2に示すように、コーティン
グ層5が腐食してその摩耗粉が下方の摺動部6へ混入す
ることを防止するために、ピストンリング3の上死点か
ら上方に所定の隙間(0,1mm 以上)Sを隔ててコーティ
ング層5を形成する。この場合、コーティング方法によ
っては例えば溶融亜鉛浴へのディッピングではコーティ
ング層5が厚くなることから、コーティングすべきシリ
ンダライナー1の上部4に予めコーティング層5の厚さ
tに応じた凹部(11〜20μm )7を形成し、その凹部7
内にコーティングする。図3はホーニングにより形成さ
れる溝8を利用してコーティング層5を形成したもので
あり、シリンダライナー1の内周面にホーニングを施
し、そのホーニングにより形成される溝8を含めてシリ
ンダライナー1の上部4にコーティング層5を形成した
ものである。コーティング後に再ホーニングすることで
表面部分を除去すればよい。ホーニングを利用すれば、
コーティン層5が部分的に厚くすることができる。
グ層5が腐食してその摩耗粉が下方の摺動部6へ混入す
ることを防止するために、ピストンリング3の上死点か
ら上方に所定の隙間(0,1mm 以上)Sを隔ててコーティ
ング層5を形成する。この場合、コーティング方法によ
っては例えば溶融亜鉛浴へのディッピングではコーティ
ング層5が厚くなることから、コーティングすべきシリ
ンダライナー1の上部4に予めコーティング層5の厚さ
tに応じた凹部(11〜20μm )7を形成し、その凹部7
内にコーティングする。図3はホーニングにより形成さ
れる溝8を利用してコーティング層5を形成したもので
あり、シリンダライナー1の内周面にホーニングを施
し、そのホーニングにより形成される溝8を含めてシリ
ンダライナー1の上部4にコーティング層5を形成した
ものである。コーティング後に再ホーニングすることで
表面部分を除去すればよい。ホーニングを利用すれば、
コーティン層5が部分的に厚くすることができる。
【0014】なお、コーティング層5の腐食物は爆発,
燃焼の行程で排気と共に排出されるため、燃焼に与える
影響は少ない。また、腐食物はEGRで燃焼室内にも一
部流入するが、酸化媒のため、微粉であり、摩耗への影
響は少ない。
燃焼の行程で排気と共に排出されるため、燃焼に与える
影響は少ない。また、腐食物はEGRで燃焼室内にも一
部流入するが、酸化媒のため、微粉であり、摩耗への影
響は少ない。
【0015】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、シリンダ
ライナー内周面のピストンリング上死点より上の部分
に、犠牲腐食材をコーティングしたので、シリンダライ
ナーの腐食が遅延し、シリンダライナーおよびピストン
リングの摩耗を低減することができる。
ライナー内周面のピストンリング上死点より上の部分
に、犠牲腐食材をコーティングしたので、シリンダライ
ナーの腐食が遅延し、シリンダライナーおよびピストン
リングの摩耗を低減することができる。
【図1】本発明のシリンダライナーを示す図である。
【図2】図1の要部を示す拡大図である。
【図3】第2の実施例を示す図である。
1 シリンダライナー P ピストンリング上死点 4 ピストンリング上死点より上の部分 5 コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 朝夫 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 元吉 正人 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 原 裕一郎 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 塩谷 英爾 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 肥田 健司 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダライナー内周面のピストンリン
グ上死点より上の部分に、犠牲腐食材をコーティングし
たことを特徴とするシリンダライナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23171693A JPH0783109A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | シリンダライナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23171693A JPH0783109A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | シリンダライナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0783109A true JPH0783109A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=16927902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23171693A Pending JPH0783109A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | シリンダライナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0783109A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005041410A1 (de) * | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Mahle International Gmbh | Verfahren zum Beschichten der Außenfläche einer Zylinderlaufbuchse |
JP2014527135A (ja) * | 2011-07-05 | 2014-10-09 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | シリンダ摺動面の製造方法ならびにシリンダライナ |
JP2019060317A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-18 | 株式会社Subaru | 遮熱膜を有するエンジン構成部材及び該エンジン構成部材の製造方法。 |
CN109676221A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-04-26 | 广州中船文冲船坞有限公司 | 一种主机缸套包裹锌板的焊接方法 |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP23171693A patent/JPH0783109A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005041410A1 (de) * | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Mahle International Gmbh | Verfahren zum Beschichten der Außenfläche einer Zylinderlaufbuchse |
JP2014527135A (ja) * | 2011-07-05 | 2014-10-09 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | シリンダ摺動面の製造方法ならびにシリンダライナ |
US9488126B2 (en) | 2011-07-05 | 2016-11-08 | Mahle International Gmbh | Method for producing a cylinder liner surface and cylinder liner |
JP2019060317A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-18 | 株式会社Subaru | 遮熱膜を有するエンジン構成部材及び該エンジン構成部材の製造方法。 |
CN109676221A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-04-26 | 广州中船文冲船坞有限公司 | 一种主机缸套包裹锌板的焊接方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040309 |