JPH0782600A - 洗浄剤と洗浄方法 - Google Patents

洗浄剤と洗浄方法

Info

Publication number
JPH0782600A
JPH0782600A JP7848893A JP7848893A JPH0782600A JP H0782600 A JPH0782600 A JP H0782600A JP 7848893 A JP7848893 A JP 7848893A JP 7848893 A JP7848893 A JP 7848893A JP H0782600 A JPH0782600 A JP H0782600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
detergent
water
oil
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7848893A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Minami
信二 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TEISHIN SHOJI KK
Original Assignee
TEISHIN SHOJI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TEISHIN SHOJI KK filed Critical TEISHIN SHOJI KK
Priority to JP7848893A priority Critical patent/JPH0782600A/ja
Publication of JPH0782600A publication Critical patent/JPH0782600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント基板等の電気・電子部品や機械・金
属部品の汚れの洗浄剤として現在主として用いられてい
るフロン113やトリクロロエタンは大気オゾン層を破
壊する環境問題から1995年末には全廃される。これ
らに代わる洗浄剤が提案されているが、洗浄性、発癌性
等の衛生問題、火災の危険性、排水処理コスト等の点で
満足するべきものが見出されていない。本発明はこれら
の点をすべて満足する洗浄剤並びに洗浄法を提供するも
のである。 【構成】 引火点が150℃以上かつ水への溶解度が1
重量%未満(25℃)の親油性洗浄剤(A)と、(A)
とは相溶し引火点が100℃以上、かつ水への溶解度が
20重量%以上(25℃)の親水性非イオン性洗浄剤
(B)の2液からなる洗浄剤、並びに被洗浄物を(A)
つぎに(B)を使用して洗浄し、ついで水で洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】 [0001] [産業上の利用分野]本発明はプリント基板を始めとす
る電気・電子部品、機械・金属部品等の硬質表面に付着
した油性汚染物の除去に適した洗浄剤並びにそれを用い
た洗浄法に関するものである。
[0002] [従来の技術]プリント基板等に付着したフラックス
や、ベヤリング、リードフレーム、感光ドラム等の機械
・金属表面に付着した油性汚染物の洗浄には、従来フロ
ン113、トリクロロエタン等の環境面及び衛生面で好
ましくない洗浄剤が使用されており、1995年末には
全面的に使用禁止される。最近これに代わるものとして
種々の洗浄剤が開発されている。大別すれば有機溶剤系
洗浄剤と界面活性剤を主成分とする水系洗浄剤である。
しかし前者は火災に対する危険性からその安全性確保の
ため洗浄装置の防火・防爆対応が必要で大幅なコスト高
になる。場合によっては洗浄剤に水を添加し、非危険物
化する手段も講じられているが、使用時蒸発する水補給
のための十分な管理が必要となる。一方後者の場合は洗
浄性が不十分である点に加え、廃水処理コストがかかる
欠点がある。
[0003] [発明が解決しようとする課題]本発明は従来使用され
ているフロン113やトリクロロエタンと同等もしくは
それ以上の洗浄性を有し、同時に環境保護面・衛生面で
も問題のない洗浄剤とそれを用いた洗浄法を提供する。
同時に上記問題点を解決するために紹介されている代替
洗浄剤の問題点である火災に対する危険性や、水系洗浄
剤で見られる洗浄性不足や、洗浄工程で発生する廃水処
理の高コスト化を、同時に解決しようとするものであ
る。
[0004] [課題を解決するための手段]本発明は、フロン113
やトリクロロエタンの使用禁止に伴い要求される代替洗
浄剤について、その問題点を検討し鋭意研究を重ねた結
果本発明に至った。すなわち汚染された硬質表面をもつ
被洗浄物に対し、引火点が150℃以かつ25℃におけ
る水ヘの溶解度が1重量%未満であるエステル類、カル
ボン酸類、アルコール類、アルキルフェノール類、ポリ
エーテル類から選択配合された油性洗浄剤(A)と、該
油性洗浄剤と相溶し、引火点が100℃以上かつ25℃
における水への溶解度が20重量%以上のモノアルコー
ル類、多価アルコール類、カルボン酸類、アルキルフェ
ノール類のアルキレンオキサイド誘導体から選択配合さ
れた水溶性非イオン性洗浄剤(B)の2液からなる洗浄
剤を使用する。その使用方法として、まず油性洗浄剤
(A)、つづいて水溶性非イオン性洗浄剤(B)で洗浄
し、つぎに水によって洗浄することにより、フロン11
3やトリクロロエタンと同等若しくはそれ以上に汚染物
を除去でき、更には従来の代替洗浄剤で問題であった火
災の危険、蒸気吸入の危惧、廃水処理施設の経済的負担
などから脱却しうることを見出した。本発明の洗浄剤の
うち、油性洗浄剤(A)には汚染物であるフラックスや
金属加工油等の油性物質を溶解させるものが使用され
る。なお、水への溶解度は、全く不溶である必要性はな
く、25℃で1重量%以内の溶解度を持つものは十分使
用に耐える。この制約条件は、後で述べるように水すす
ぎによって発生する廃水処理と、この油性洗浄剤を利用
する点から必要である。また、引火点が150℃以上と
いうのは1気圧下での値であり、この制約は洗浄性から
ではなく洗浄温度で完全に引火の心配を排除するためで
ある。これにより洗浄装置の防火・防爆対策の負荷が非
常に軽くなる。一方水溶性非イオン性洗浄剤(B)は被
洗浄物を油性洗浄剤で洗浄した後に被洗浄物表面に付着
している油性洗浄剤と、その中に含まれる油性汚染物並
びに場合によっては油性洗浄剤で除去しきれなかった親
水性汚染物を除去する目的で使用される。更にこの水溶
性洗浄剤は洗浄後の水すすぎ工程で容易に除去されるこ
とが当然のことながら要求される。25℃における水へ
の溶解度が20%以上という制約はこの目的を果たす上
で重要である。なお引火点100℃以上という制約は1
気圧下における値であり、油性洗浄剤の場合と同じ洗浄
条件で、まったく引火の心配を排除するためである。上
記洗浄剤を使用しての洗浄法は、第1洗浄槽で油性洗浄
剤、第2洗浄槽で水性洗浄剤を用いるところに特長があ
る。以後水すすぎ、乾燥は通常使用されている方法がそ
のまま採用される。公知洗浄システムでは洗浄剤での洗
浄工程は通常1槽のみで実施されており一見本発明の洗
浄システムは経済的に不利のように感じられるかもしれ
ない。しかし本発明の洗浄法を実施することにより洗浄
率の向上はもちろんのこと、工程面でも非常に有利であ
る。すなわち公知の水系洗浄剤を使用した場合、水すす
ぎ工程で発生する洗浄剤含有廃水処理にかなりのコスト
がかかる問題があるのに対し、本システムを使用した場
合、発生する廃水は、第1槽で使用する油性洗浄剤に接
触させることによって、そのまま再使用可能なレベルま
で有機物含量を低下させる事が可能であり、廃水処理の
ための高価な設備を必要としない。油性洗浄剤と廃水と
の接触法は特に限定されるものではない。たとえば廃水
を油性洗浄剤中に噴霧する事により、廃水中の有機物は
油性洗浄剤に移行し油性洗浄剤から分離した水層中の有
機物は、水すすぎ工程で使用できるレベルまで低下す
る。なお廃水処理に用いる油性洗浄剤は使い古したもの
で廃棄対象のものが使用可能である。また油性洗浄剤
が、このような特性を示すためには、油性洗浄剤の水へ
の溶解度が25℃で1重量%以下の制約が重要である。
油性洗浄剤(A)の具体例としては、引火点が150℃
以上のエステル類、カルボン酸類、アルコール類、アル
キルフェノール類、ポリエーテル類などが性能的にもコ
スト面でも有利である。より具体的にはエステル類とし
ては動植物油脂、あるいはこれらの加水分解によりえら
れるモノグリセリド、ジグリセリドの他、カルボン酸と
モノアルコールとのエステル、アジビン酸等のジカルボ
ン酸と高級アルコールとのジエステル、エチレングリコ
ール等のアルキレングリコールとモノカルボン酸とのモ
ノエステル及びジエステル、あるいは2価以上のアルコ
ールと2価以上のカルボン酸から得られるポリエステル
等が用いられる。カルボン酸類としては動植物油の加水
分解で得られるものが経済的に有利であり、特に好まし
くは炭素数12〜20のカルボン酸が用いられる。これ
らの脂肪酸は油脂を加水分解して得られる混合脂肪酸の
ままでもよく、蒸留生成されたもの、水素添加されたも
ののいずれかでもよい。これらのカルボン酸は室内より
高めの温度、たとえば50〜70℃において油溶性汚染
物に対し特にすぐれた洗浄剤である。アルコール類とし
ては動植物油から得られる還元アルコール、または合成
アルコールが用いられ、特に炭素数12〜22のアルコ
ールが油性の汚染成分に対する親和力の点から優れてい
る。アルキルフェノールとしてはノニルフェノール・ド
デシルフェノールなど炭素数8〜20のアルキル基を有
する物が用いられる。またポリエーテル類としてはカル
ボン酸類、アルコール類・アルキルフェノール類のアル
キレンオキサイド誘導体のうち25℃における水への溶
解度が1重量%未満のものが用いられる。アルキレンオ
キサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、直
鎖α−オレフィンオキサイドなどを単独もしくは混合し
て用いられる。アルキレンオキサイド誘導体の製造方法
としては、例えばカルボン酸に直接アルキレンオキサイ
ドを付加させることも、又は、あらかじめアルキレンオ
キサイドの付加重合物をつくり、これをカルボン酸等に
反応させることも可能である。以上具体例を列挙した
が、これらは単品もしくは2種以上組み合わせて使用す
る事ができる。あるいは本発明に定めた油性化合物以外
のものも、本発明の目的を阻害しない限り併用しても差
しつかえない。例えば消泡、酸化防止、防錆等の機能付
与のために添加される薬剤などがある。一方水溶性非イ
オン性洗浄剤(B)としては、上記油性洗浄剤(A)に
溶解し、引火点が150℃以上、かつ25℃における水
に対する溶解度が20重量%以上のモノアルコール類、
多価アルコール類、カルボン酸類、アルキルフェノール
類、アルキレンオキサイド誘導体がある。これらは単品
もしくは2種以上併用してもよい。これらの化合物の中
でラウリルアルコールのエチレンオキサイド15モル付
加物、ラウリン酸のエチレンオキサイド20モル付加物
などは洗浄性、すすぎ性ともに優れている。水に対する
溶解度は、20重量%以上(25℃)であることが、そ
のすすぎ性の点から必要である。又、油性洗浄剤(A)
に対する溶解除去性能を損なわない0〜25重量%の範
囲で該水溶性非イオン性洗浄剤(B)に水を配合するこ
とも可能である。又、油溶性洗浄剤の場合と同様、本発
明に記載のない成分も洗浄性の向上、他の機能の付与の
ために少量添加してもかまわない。例えば消泡剤の添加
は、洗浄工程を円滑に行うため有用なことが多い。上記
油性洗浄剤と水溶性非イオン洗浄剤を用いて洗浄する場
合、被洗浄物をまず油性洗浄剤を入れた第1槽に浸漬す
るだけ、あるいは撹拌、超音波、ジェット等の物理的な
手段で洗浄を加速してもよい。スプレー洗浄も有効な方
法といえる。浴温は被洗浄物にもよるが、通常室温〜1
30℃程度の範囲で選択される。また洗浄に要する時間
は、撹拌機を備えた洗浄槽で通常数10秒程度である。
次に被洗浄物は第2槽に移される。第2槽では、通常油
溶性汚染物に混じって少量存在する親水性化合物、たと
えばフラックス中のハロゲン化合物などを完全に除去す
るとともに、第1槽で被洗浄物表面に付着した油性洗浄
剤並びにこの中に含まれる油性汚染物を除去する。洗浄
方法は原理的には第1槽の場合と同じであるが、一般に
はより低温でかつ簡単な装置を用いて実施できる。次に
水すすぎ工程並びに乾燥工性であるが、これについては
通常の水系洗浄剤で実施されている方法と変わりはな
い。ただ本発明の洗浄剤を使用した場合、洗浄率が非常
によいため、被洗浄物表面の水切れがよく、乾燥負荷は
軽くなる。
[0005] [実施例]以下に実施例を掲げ、本発明に具体的な説明
を与えるが、本発に限定するものではない。
洗浄条件 1.本発明における油性洗浄剤(A)を第1槽、水溶性
非イオン洗浄剤(B)を第2槽に準備し、第1槽と第2
槽の液温を60℃に、第3・第4槽の水すすぎの水温を
50℃に設定した。
2.被洗浄物は第1槽で1分間、第2層で30秒間浸漬
揺動の後、第3槽で超音波洗浄による水すすぎを1分
間、第4槽で揺動のみによる水すすぎを30秒間行い乾
燥した。なお比較例のフロン113使用の場合は、被洗
浄物は第1槽のみ使用し、25℃で1分30秒浸漬揺動
する条件で洗浄試験を行った。
3.金属加工油の洗浄性評価は、日本石油製のプレス油
を50mm×50mmの鋼板に0.1000g塗布し、
これを洗浄・乾燥後、残存量を測定して以下の基準で3
段階に分類することにより行った。
◎:残存物を全く認めず。 残存量:0.0000
g〜 ○:残存物はほとんどなし。 残存量:0.0001
g〜 ×:僅少認められる。。 残存量:0.0010
g〜 4.フラックス洗浄性の評価は、タムラ製作所製ロジン
フラックスをガラスエポキシ製プリント基板に塗布し、
ハンダ付けの後、洗浄・乾燥しオメガメーターによるN
aCl換算の測定値として基板上に残存するイオン量を
測定、イオン量を以下の基準で3段階に分類することに
より行った。
◎:残存イオン濃度が5μg/inch 未満 ○:残存イオン濃度が10μg/inch 未満 ×:残存イオン濃度が10μg/inch 以上 洗浄試験結果 第1槽には油性洗浄剤(A)の単品を使用し、第2槽で
は水溶性非イオン性洗浄剤(B)として以下の配合物を
用いて洗浄試験を行った。
ラウリルアルコールエチレンオキサイド 20モル付加物 25部 ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド 20モル付加物 25部 ラウリン酸エチレンオキサイド 20モル付加物 25部 ノニルフェノールエチレンオキサイド 20モル付加物 25部 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 計100部 実施例 1〜8 実施例 9〜17 第1槽の油性洗浄剤(A)として2種のものを組合せ使
用し、第2槽は実施例1〜8と同じものを使用して洗浄
試験を行った。なお、洗浄は1〜8の場合と同一条件で
行った。
[0006] [発明の効果]電気・電子部品、機械・金属部品の汚染
物除去に、本発明の洗浄剤及び洗浄法を用いることによ
り、環境保護面、衛生面、火災面のいずれに対しても問
題なく、かつ従来の水系洗浄剤に比べ洗浄性にすぐれ、
かつ水すすぎにより発生する廃水の処理の容易な洗浄シ
ステムの構築を可能にする。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月26日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】洗浄剤と洗浄方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】[産業上の利用分野]本発明はプリント基
板を初めとする電気・電子部品、機械・金属部品等の硬
質表面に付着した汚染物の除去に適した洗浄剤並びにそ
れを用いた洗浄法に関するものである。
【0002】[従来の技術]プリント基板等に付着した
フラックスや、ベヤリング、リードフレーム、感光ドラ
ム等の機械・金属表面に付着した汚染物の洗浄には、従
来のフロン113、トリクロロエタン等の環境面及び衛
生面で好ましくない洗浄剤が使用されており、1995
年末には全面的に使用禁止される。最近これに代わるも
のとして種々の洗浄剤が開発されている。大別すれば有
機溶剤系洗浄剤と界面活性剤を主成分とする水系洗浄剤
である。しかし前者は火災に対する危険性からその安全
性確保のため洗浄装置の防火・防爆対応が必要で大幅な
コスト高になる。また一方後者の場合は洗浄性が、概し
て不十分で、また被洗浄物の種類によって洗浄効果の差
が大きく、汎用性にとぼしい。また、廃水処理コストが
かかる欠点がある。
【0003】[発明が解決しようとする課題]本発明は
従来使用されているフロン113やトリクロロエタンと
同等もしくはそれ以上の洗浄性を有し、同時に環境保護
面・衛生面でも問題のない洗浄剤とそれを用いた洗浄法
を提供する。同時に上記問題点を解決するために紹介さ
れている代替洗浄剤の問題点である火災に対する危険性
や、水系洗浄剤で見られる洗浄性不足や、被洗浄物の種
類による汎用性の不足、洗浄工程で発生する廃水処理の
高コスト化を同時に解決しようとするものである。
【0004】[課題を解決するための手段]本発明者
は、フロン113やトリクロロエタンの使用禁止に伴い
要求される代替洗浄剤について、その問題点を検討し鋭
意研究を重ねた結果本発明に至った。すなわち汚染され
た硬質表面をもつ被洗浄物に対し、引火点が150℃以
上かつ25℃における水への溶解度が1重量%未満であ
るエステル類、カルボン酸類、アルコール類、アルキル
フェノール類、ポリエーテル類から選ばれた1種類以上
の親油性洗浄剤(A)と、該親油性洗浄剤と相溶し、引
火点が100℃以上かつ25℃における水への溶解度が
20重量%以上のモノアルコール類・多価アルコール類
・カルボン酸類・アルキルフェノール類のアルキレンオ
キサイド誘導体から選ばれた1種類以上の親水性非イオ
ン性洗浄剤(B)の2液からなる洗浄剤を使用するその
使用方法として、まず親油性洗浄剤(A)、つづいて親
水性非イオン性洗浄剤(B)で洗浄し、つぎに水によっ
て洗浄することにより、フロン113やトリクロロエタ
ンと同等若しくはそれ以上に汚染物を除去でき、更には
従来の代替洗浄剤で問題であった洗浄性不足、汎用性の
不足、火災の危険、蒸気吸入の危惧、廃水処理施設の経
済的負担などから脱却しうることを見出した。本発明の
洗浄剤のうち、親油性洗浄剤(A)は主として汚染物で
あるフラックスや金属加工油等の親油性物質を溶解させ
るために使用される。なお、水への溶解度は、全く不溶
である必要性はなく、25℃で1重量%以内の溶解度を
持つものは十分使用に耐える。この制約条件は、後で述
べるように水すすぎによって発生する廃水の再生処理
に、この親油性洗浄剤を利用する点から必要である。ま
た、引火点が150℃以上というのは1気圧下での値で
あり、この制約は洗浄性からではなく洗浄温度で完全に
引火の心配を排除するためである。これにより洗浄装置
の防火・防爆対策の負荷が非常に軽くなる。一方親水性
非イオン性洗浄剤(B)は被洗浄物を親油洗浄剤で洗浄
した後に被洗浄物表面に付着している親油性洗浄剤と、
親油性洗浄剤に溶解した汚染物並びに場合によっては親
油性洗浄剤で除去しきれなかった汚染物を除去する目的
で使用される。更にこの親水性洗浄剤は洗浄後の水すす
ぎ工程で容易に除去されることが当然のことながら要求
される。25℃における水への溶解度が20%以上とい
う制約はこの目的を果たす上で重要である。なお引火点
100℃以上という制約は1気圧下における値であり、
洗浄条件で引火の心配を排除するためである。上記洗浄
剤を使用しての洗浄法は、最初に親油性洗浄剤、ついで
親水性洗浄剤を用いるところに特長がある。以後水すす
ぎ、乾燥は通常使用されている方法がそのまま採用され
る。公知洗浄システムでは洗浄剤は、通常1種類のみで
実施されており、一見本発明の洗浄システムは、経済的
に不利のように感じられるかもしれない。しかし本発明
の洗浄法を実施することにより、広範囲な汚染物に対す
る洗浄率の向上はもちろんのこと、工程面でも非常に有
利である。すなわち公知の水系洗浄剤を使用した場合、
水すすぎ工程で発生する洗浄剤含有廃水処理にかなりの
コストがかかる問題があるのに対し、本発明の洗浄シス
テムを使用した場合、発生する廃水は、本発明で使用す
る親油性洗浄剤で処理することによって、そのまま再使
用可能なレベルまで、不純物を低下させる事が可能であ
り、廃水処理のための高価な設備を必要としない。親油
性洗浄剤を用いて排水の再生処理の方法は特に限定され
るものではない。たとえば廃水を親油性洗浄剤中に噴霧
する事により、廃水中の不純物は親油性洗浄剤に移行し
処理後の水は、水すすぎ工程で再使用できるレベルまで
低下する。親油性洗浄剤が、このような特性を示すため
には、親油性洗浄剤の水への溶解度が25℃で1重量%
以下の制約が重要である。親油性洗浄剤(A)の具体例
としては、引火点が150℃以上のエステル類、カルボ
ン酸類、アルコール類、アルキルフェノール類、ポリエ
ーテル類などが性能的にもコスト面でも有利である。よ
り具体的にはエステル類としては動植物油脂、あるいは
これらの加水分解によりえられるモノグリセリド、シグ
リセリドの他、カルボン酸とモノアルコールとのエステ
ル、ジカルボン酸とアルコールとのジエステル、エチレ
ングリコール等のアルキレングリコールとモノカルボン
酸とのモノエステル及びジエステル、あるいは2価以上
のアルコールと2価以上のカルボン酸から得られるポリ
エステル等が用いられる。カルボン酸類としては動植物
油の加水分解で得られるものが経済的に有利であり、特
に好ましくは炭素数12〜20のカルボン酸が用いられ
る。これらの脂肪酸は油脂を加水分解して得られる混合
脂肪酸のままでもよく、蒸留生成されたもの、水素添加
されたもののいずれかでもよい。これらのカルボン酸は
室温より高めの温度、たとえば50〜70℃において汚
染物に対し特にすぐれた洗浄剤である。アルコール類と
しては動植物油から得られる還元アルコール、または合
成アルコールが用いられ、特に炭素数12〜22のアル
コールが油性の汚染成分に対する親和力の点から優れて
いる。アルキルフェノールとしてはノニルフェノール、
ドデシルフェノールなど炭素数8〜20のアルキル基を
有する物が用いられる。またポリエーテル類としてはカ
ルボン酸類、アルコール類、アルキルフェノール類のア
ルキレンオキサイド誘導体のうち25℃における水への
溶解度画1重量%未満のものが用いられる。これらの誘
導体に使用するアルキレンオキサイドとしてはエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイド、直鎖α−オレフィンオキサイ
ドなどを単独もしくは混合して用いられる。アルキレン
オキサイド誘導体の製造方法としては、例えばカルボン
酸に直接アルキレンオキサイドを付加させることも、又
は、あらかじめアルキレンオキサイドの付加重合物をつ
くり、これをカルボン酸等に反応させることも可能であ
る。以上具体例を列挙したが、これらの単品もしくは2
種類以上の組み合わせて使用する事ができる。あるいは
本発明に定めた親油性化合物以外のものも、本発明の目
的を阻害しない限り併用しても差しつかえない。例えば
消泡、酸化防止、防錆等の機能付与のために添加される
薬剤などがある。一方親水性非イオン性洗浄剤(B)と
しては、上記親油性洗浄剤(A)に溶解し、引火点が1
00℃以上、かつ25℃における水に対する溶解度が2
0重量%以上のモノアルコール類・多価アルコール類・
カルボン酸類・アルキルフェノール類のアルキレンオキ
サイド誘導体がある。これらは単品もしくは2種以上併
用してもよい。これらのうちモノアルコール類たとえば
オクチルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチル
アルコール、ステアリルアルコールのエチレンオキサイ
ド付加物がとくに優れている。水に対する溶解度は20
重量%(25℃)であることが、そのすすぎ性の点から
必要である。又、親油性洗浄剤(A)に対する溶解除去
性能を損なわない0〜25重量%の範囲で該親水性非イ
オン性洗浄剤(B)に水を配合することも可能である。
又、親油性洗浄剤の場合と同様、本発明に記載のない成
分も少量添加してもかまわない。例えば消泡剤の添加
は、洗浄工程を円滑に行うため有用なことが多い。上記
親油性洗浄剤と親水性非イオン洗浄剤を用いて洗浄する
場合、被洗浄物をまず親油性洗浄剤を入れた槽に浸漬す
る。この場合撹拌、超音波、ジェット等の物理的な手段
で洗浄を加速してもよい。スプレー洗浄も有効な方法と
いえる。浴温は被洗浄物にもよるが、通常室温〜130
℃程度の範囲で選択される。また洗浄に要する時間は、
撹拌機を備えた洗浄槽で通常数10秒程度である。次に
被洗浄物は親水性洗浄剤を入れた槽に移される。この槽
では、親油性洗浄剤槽で被洗浄物表面に付着した親油性
洗浄剤並びにこの中に含まれる汚染物を除去すると共に
親油性洗浄剤で除去してなかった汚染物を除去する。洗
浄方法は基本的には第1槽の場合と同じである。次に水
すすぎ工程並びに乾燥工性であるが、これについては通
常の水系洗浄剤で実施されている方法と変わりはない。
ただ本発明の洗浄剤を使用した場合、洗浄率が非常によ
いため、被洗浄物表面の水切れがよく、乾燥負荷は軽く
なる。
【0005】[実施例]以下に実施例を掲げ、本発明に
具体的な説明を与えるが、これに限定するものではな
い。 洗浄条例 1.本発明における親油性洗浄剤(A)を第1槽、親水
性非イオン洗浄剤(B)を第2槽に準備し、第1槽と第
2槽の液温を60℃に、第3・第4槽の水すすぎの水温
を50℃に設定した。 2.被洗浄物は第1槽で1分間、第2槽で30秒間浸漬
揺動の後、第3槽で超音波洗浄による水すすぎを1分
間、第4槽で揺動のみによる水すすぎを30秒間行い乾
燥した。なお比較例1の場合は、被洗浄物は第1槽のみ
使用し、25℃で1分30秒洗浄した。また比較例2.
3の場合は第1槽で液温60℃で1分間浸漬揺動のの
ち、第3槽で50℃で超音波による水すすぎを1分間、
第4槽で50℃30秒水すすぎを行い乾燥した。 3.金属加工油の洗浄性評価は、日本石油製のプレス油
を50mm×50mmの鋼板に0.1000g塗布し、
これを洗浄・乾燥後、残存量を測定して以下の基準で3
段階に分類することにより行った。 ◎:残存物を金く認めず。 残存量:0.0000
g〜 ○:残存物はほとんどなし。 残存量:0.0001
g〜 ×:僅少認められる。 残存量:0.0010
g〜 4.フラックス洗浄性の評価は、タムラ製作所製ロジン
フラックスをガラスエポキシ製プリント基板に塗布し、
ハンダ付けの後、洗浄・乾燥しオメガメーターによるN
aCl換算の測定値として基板上に残存するイオン量を
測定、イオン量を以下の基準で3段階に分類することに
より行った。 ◎:残存イオン濃度が5μg/inch 未満 ○:残存イオン濃度が10μg/inch 未満 ×:残存イオン濃度が10μg/inch 以上 洗浄試験結果 第1槽には親油製洗浄剤(A)の単品を使用し、第2槽
では親水性非イオン性洗浄剤(B)として以下の配合物
を用いて洗浄試験を行った。 実施例1〜8 すすぎ水の再生 実施例3においてプリント基板を洗浄したのち、第3槽
の水すすぎ工程で発生する洗浄剤ならびにフラックスを
含有するすすぎ水の再生結果を面す。 [洗浄工程後のすすぎ水の組成] ラウリルアルコールエチレンオキサイド20モル付加物 2重量パーセント パルミチン酸 0.3重量パーセント フラックス(固形分として) 0.02重量パーセント [すすぎ水の再生操作]断面積100cm、高さ12
0cmの円柱型で、液保温用ヒーターおよび底部はにコ
ックを有する容器に、パルミチン酸5lを注入し、75
℃に保温する。続いて75℃に加温した洗浄工程を終え
たすすぎ水を、円柱容器上部からシャワーノズルを用い
て粒径約3mmの水滴となしつつ毎分1lの流量で注入
後、下層部の水層5lをコックから回収した。 [再生すすぎ水の組成]再生後のすすぎ水中に残存する
洗浄剤ならびに不純物の量は以下のとおりで、第3槽に
使用するすすぎ水としては十分再使用に耐える水質のも
のであった。 ラウリルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物 0.42重量パーセント パルミチン酸 0.13重量パーセント フラックス 検出されず 実施例9〜17 第1槽の親油性洗浄剤(A)として2種のものを組合せ
使用し、第2槽は実施例1〜8と同じものを使用して洗
浄試験を行った。なお、洗浄は1〜8の場合と同一条件
で行った。
【0006】[発明の効果]電気・電子部品、機械・金
属部品の汚染物除去に、本発明の洗浄材及び洗浄法を用
いることにより、環境保護面、衛生面、火災面のいずれ
に対しても問題なく、かつ従来の水系洗浄材に比べ洗浄
性にすぐれ、かつ水すすぎにより発生する廃水の処理の
容易な洗浄システムの構築を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/26 7511−4E

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [請求項1]引火点が150℃以上、かつ25℃におけ
    る水への溶解度が1重量%未満であるエステル類、カル
    ボン酸類、アルコール類、アルキルフェノール類、ポリ
    エーテル類から選択配合された油性洗浄剤(A)と、該
    油性洗浄剤と相溶し、引火点が100℃以上で、かつ2
    5℃における水への溶解度が、20重量%以上であるモ
    ノアルコール類、多価アルコール類、カルボン酸類、ア
    ルキルフェノール類のアルキレンオキサイド誘導体から
    選択配合された水溶性非イオン性洗浄剤(B)の2液か
    らなる硬質表面上の汚染物除去に適した洗浄剤。 [請求項2]汚染された硬質表面をもつ被洗浄物を、ま
    ず請求項1記載の該油性洗浄剤(A)で、ついで請求項
    1記載の水溶性非イオン性洗浄剤(B)を用いて洗浄
    し、ついで水を用いて洗浄する方法。
JP7848893A 1993-02-26 1993-02-26 洗浄剤と洗浄方法 Pending JPH0782600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7848893A JPH0782600A (ja) 1993-02-26 1993-02-26 洗浄剤と洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7848893A JPH0782600A (ja) 1993-02-26 1993-02-26 洗浄剤と洗浄方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0782600A true JPH0782600A (ja) 1995-03-28

Family

ID=13663370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7848893A Pending JPH0782600A (ja) 1993-02-26 1993-02-26 洗浄剤と洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0782600A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03131698A (ja) * 1989-10-16 1991-06-05 Lion Corp 半田フラックス用液体洗浄剤
JPH0465500A (ja) * 1990-07-06 1992-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH0465498A (ja) * 1990-07-05 1992-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH0468091A (ja) * 1990-07-09 1992-03-03 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH04130199A (ja) * 1990-09-20 1992-05-01 Daikin Ind Ltd 洗浄剤組成物および洗浄方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03131698A (ja) * 1989-10-16 1991-06-05 Lion Corp 半田フラックス用液体洗浄剤
JPH0465498A (ja) * 1990-07-05 1992-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH0465500A (ja) * 1990-07-06 1992-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH0468091A (ja) * 1990-07-09 1992-03-03 Asahi Chem Ind Co Ltd フラックス洗浄剤
JPH04130199A (ja) * 1990-09-20 1992-05-01 Daikin Ind Ltd 洗浄剤組成物および洗浄方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5849106A (en) Cleaning process
AU668720B2 (en) Stabilization of silicate solutions
JP2763270B2 (ja) 洗浄方法、洗浄装置、洗浄組成物および蒸気乾燥組成物
US5433885A (en) Stabilization of silicate solutions
US5814588A (en) Aqueous alkali cleaning compositions
US5264047A (en) Low foaming effective hydrotrope
JPH04232288A (ja) 環境上安全な清掃方法
JP4761293B2 (ja) 洗浄剤組成物及び洗浄方法
US5340407A (en) Process of removing soldering flux and/or adhesive tape residue from a substrate
JP3089089B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP3111092B2 (ja) 洗浄剤
MXPA01005351A (es) Composicion acuosa de limpieza.
JPH0782600A (ja) 洗浄剤と洗浄方法
JPH0665772A (ja) 油付着物の洗浄方法及び洗浄装置
USRE35115E (en) Low foaming effective hydrotrope
CA2077151A1 (en) Cleaning compositions
JP2604632B2 (ja) 洗浄剤組成物
JPH06336600A (ja) 洗浄組成物および洗浄方法
JP3582168B2 (ja) 共沸様洗浄剤組成物
JPH06220671A (ja) 油付着物の洗浄装置
JPH0768551B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP2009262090A (ja) プレ洗浄に関する方法および洗浄装置
JPH05239495A (ja) ペースト用洗浄剤
JPH04130199A (ja) 洗浄剤組成物および洗浄方法
JPH0778238B2 (ja) アルコール系洗浄剤