JPH0782514B2 - レ−ザ光走査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 レーザ光源、ホログラムディスク等からなる走査用レー
ザ光発生部、およびレーザ光を偏向させて所望の走査パ
ターンを作成する走査パターン形成部を有するレーザ光
走査装置において、前記走査パターン形成部にガラス板
等の光学的屈折体を配し屈折体内で全反射させてレーザ
光を伝播せしめ、光学系の高さ方向のスペース（厚さ）
を減少させると共に低価格化を図ったものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は商品のバーコードを読み取るバーコードリーダ
に係り、特にレーザ光を発生すると共に所望する走査方
向に走査するレーザ光走査装置に関する。

バーコードリーダはコンピュータと接続してリアルタイ
ムに販売データの収集等が可能なPOS（point of sale
s）端末として広く利用されている。かかる用途におい
て複数台のバーコードリーダが各所のテーブル上に設置
されることが多く、それに用いるレーザ光走査装置は占
有スペース特に厚さ方向のスペースが小さく安価である
ことが要求される。

〔従来の技術〕

第３図はレーザ光走査装置の原理を示す構成図、第４図
は読取り部の上面図である。

図において筐体１内に走査用レーザ光発生部２および走
査パターン形成部３が配設される。走査用レーザ光発生
部２はレーザ光源20、ビームエキスパンダ21、ミラー2
2、23、孔24を有する孔明きレンズ25、ミラー26、モー
タ27、ホログラムディスク28、光検知器29により構成さ
れる。レーザ光源20で発生したレーザ光はビームエキス
パンダ21で所定の径のレーザ光とされ、ミラー22、23で
反射されて孔明きレンズ25の孔24を通過し、ミラー26で
反射されてモータ27により回転するホログラムディスク
28に入射する。ホログラムディスク28に入射したレーザ
光はホログラムにより所定の方向に回折し、走査用レー
ザ光Ｃとなって走査パターン形成部３に入射する。

走査パターン形成部３は複数のミラー31〜35により構成
しており、入射したレーザ光Ｃはミラー群の中の適当な
ミラーで反射され、走査ビームＡとして筐体１の上面に
設けられた読取り部11から出射する。

読取り部11の上を商品12が通過すると走査ビームＡが商
品12のバーコード13を照射し、バーコード13は走査ビー
ムＡを受けてこれを散乱光Ｂとして反射する。この散乱
光Ｂは元の光路を経てホログラムディスク28に到達し、
ここで回折された後ミラー26を経由して孔明きレンズ25
によって光検知器29上に集光されバーコード13が読取ら
れる。

上記走査パターンが一方向に限定されるとバーコード13
を常に走査パターンに合致させる必要があり、バーコー
ド13の方向と走査パターンの方向が合致しないために読
み取れない場合が生じる。そこで読取り部11には第４図
に示す読取り窓14が設けられており、読取り窓14から水
平方向に走査する走査パターンを有するレーザ光30a
や、斜め方向に走査する走査パターンを有するレーザ光
30b〜30eが出射される。

これらの走査パターンはホログラムディスク28とミラー
群31〜35の組み合わせにより形成される。即ちホログラ
ムディスク28の回転によりレーザ光Ｃの方向が変わり、
これに応じてミラー31〜35のうち適当なミラー（図の例
ではミラー33および35）がレーザ光を反射し、走査パタ
ーン30a〜30eが順次形成される。

しかし上記レーザ光走査装置は走査パターンを形成する
ためにミラー群を用いており、走査パターン形成部を設
置するために広いスペースを必要とする。そこでかかる
問題点を無くし小形化、薄形化を図ったレーザ光走査装
置では、ミラーの代わりに屈折体を走査パターン形成部
に設けている。

第５図は従来の屈折体を示す側面図、第６図は走査パタ
ーン形成説明図である。

第５図（ａ）において屈折体４はガラス板、アクリル板
等適当な屈折率を有する透明板から形成されており、一
方の端部に第１のホログラム41が設けられ光導入部を構
成する。他方の端部に第２のホログラム42が設けられ光
出口部を構成する。また第２のホログラム42の上方に第
３のホログラム43が配設される。

前述の走査用レーザ光発生部からのレーザ光Ｃが第１の
ホログラム41に入射すると、入射したレーザ光は第１の
ホログラム41によって屈折体４内で全反射する臨界角以
上となる方向に回折され、屈折体４内で全反射を繰り返
しながら第２のホログラム42に達する。屈折体４内を伝
播したレーザ光は第２のホログラム42により垂直上方に
回折され、第３のホログラム43により再び回折されて図
示していない読取り窓に向けて出射し所望の走査パター
ンを形成する。

なお第１のホログラム41に代えて第５図（ｂ）に示す如
く屈折体４の端部に傾斜面44を形成して光導入部とな
し、レーザ光を屈折体４内で全反射する臨界角以上とな
る方向に屈折せしめ、他の端部に傾斜面45を形成して光
出口部となしてもよい。また第３のホログラム43を無く
し第２のホログラム42から直接読取り窓に向けて出射し
てもよい。

かかる屈折体による走査パターンの形成例を第６図によ
り説明する。

前述のホログラムディスクからの走査用レーザ光は、出
射点Ｆから矢印Ｅのように回転しながら屈折体４のレー
ザ光導入部に入射し入射ビーム軌跡46を描く。レーザ光
導入部には５種類のホログラム41a〜41eで構成された、
入射ホログラム（第１のホログラム）41が設けられてお
り、また光出口部には入射ホログラムに対応して５種類
のホログラム42a〜42eで構成された、出射ホログラム
（第２のホログラム）42が設けられている。

入射ホログラム41a〜41eに入射したレーザ光は屈折体４
内を全反射しながら各々対応する出射ホログラム42a〜4
2eに伝播し、各々出射ビーム軌跡47a〜47eを描いて読取
り窓方向に出射する。その結果読取り窓14に出射ビーム
軌跡47a〜47eに対応する前述の走査パターン30a〜30eが
現れる。なお第６図（ａ）、第６図（ｂ）は図面の煩雑
化を避けるために入射ホログラム41a〜41cおよび出射ホ
ログラム42a〜42cによる出射ビーム軌跡47a〜47cと、入
射ホログラム41d、41eおよび出射ホログラム42d、42eに
よる出射ビーム軌跡47d、47eとを分割して描いたもので
ある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし上述の走査パターン形成方法は走査パターンを合
成するために、屈折体４のレーザ光導入部または光出口
部に各種のホログラムを設けたり、或いは屈折体４から
出射したレーザ光の光路内に更にミラーやホログラム等
を設置しなければならないために、構造が複雑になって
光量ロスが多く組立時の光学調整が困難である。また大
量生産に適さず量産化による低コスト化も期待できない
という問題があった。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本発明になる屈折体の一実施例を示す斜視図で
ある。

上記問題点は少なくともレーザ光源、およびレーザ光源
から出るレーザ光を所定の方向に回折させるホログラム
ディスクを有し、ホログラムディスクを回転させてレー
ザ光を軌跡が円弧を描く走査用レーザ光Ｃに変える走査
用レーザ光発生部と、少なくとも光伝達手段を有し光伝
達手段の一端に入射した走査用レーザ光Ｃを伝播し他端
から出射すると共に、軌跡が交差する複数の走査光から
なる走査パターンに変換する走査パターン形成部とを具
えたレーザ光走査装置であって、相対する内側と外側の
面が長さ方向に平行な平面または曲面からなるＵ字型断
面の屈折体５を前記光伝達手段とし、屈折体５が入射端
に走査用レーザ光Ｃを屈折体５内において全反射する方
向に屈折させる傾斜面52を有し、且つ、出射端側に屈折
体５内を伝播してきた走査用レーザ光Ｃを所定の方向に
向け出射する傾斜面53を有し、屈折体５からの出射光に
よって走査パターンが形成されるよう構成してなる本発
明になるレーザ光走査装置によって解決される。

〔作用〕

相対する内側と外側の面が長さ方向に平行な平面または
曲面からなるＵ字型断面の屈折体を前記光伝達手段と
し、屈折体が入射端に走査用レーザ光Ｃを屈折体内にお
いて全反射する方向に屈折させる傾斜面を有し、且つ、
出射端側に屈折体内を伝播してきた走査用レーザ光Ｃを
所定の方向に向け出射する傾斜面を有し、屈折体からの
出射光によって走査パターンが形成されるよう構成する
ことによって、走査パターン形成部の光路中に配設され
るミラーやホログラムの数が減少しレーザ光走査装置の
構造が簡略化されて、光量ロスが低減されると共に組立
時の光学調整が容易になる。また高効率な生産が可能に
なり量産化によって低コスト化を実現することができ
る。

〔実施例〕

以下添付図により本発明の実施例について説明する。な
お第２図はＵ字型屈折体による走査パターン形成説明図
である。

第１図において対向する内側の面と外側の面とで平行平
面を形成する、断面がＵ字型の屈折体５はガラス板、ア
クリル板等適当な屈折率を有する透明板51a〜51eから形
成されている。屈折体５の一方の端部に傾斜面52が設け
られて光導入部を構成しており、レーザ光を屈折体５内
で全反射する臨界角以上となる方向に屈折させている。
また他方の端部にも傾斜面53が設けられて光出口部を構
成している。

前述の走査用レーザ光発生部からのレーザ光Ｃが傾斜面
52に入射すると、屈折体５を形成する透明板51a〜51eの
内部でレーザ光がそれぞれ全反射を繰り返し傾斜面53の
方に伝播される。傾斜面53に達したレーザ光はそこから
図示していないミラーやホログラム等を介して読取り窓
に向けて出射し所望の走査パターンを形成する。

かかる屈折体による走査パターンの形成例を第２図によ
り説明する。

前述のホログラムディスクからの走査用レーザ光が屈折
体５の傾斜面52に入射すると、傾斜面52によって屈折体
５内で全反射する臨界角以上となる方向に屈折させら
れ、透明板51a〜51eの内部を全反射しながら伝播して他
端に設けられた傾斜面53から出射する。透明板51a〜51e
の内部をそれぞれ伝播してきたレーザ光は出射ビーム軌
跡54a〜54eを描き、これを図示していないミラーやホロ
グラム等を介して読取り窓に向けて出射することによっ
て、前述の読取り窓14に出射ビーム軌跡54a〜54eに対応
する前述の走査パターン30a〜30eが現れる。

なお第２図（ａ）、第２図（ｂ）は図面の煩雑化を避け
るために透明板51a〜51cの内部をそれぞれ伝播してきた
レーザ光が描く出射ビーム軌跡54a〜54cと、透明板51
d、51eの内部をそれぞれ伝播してきたレーザ光が描く出
射ビーム軌跡54d、54eとを分割して描いたものである。

このように相対する内側と外側の面が長さ方向に平行な
平面または曲面からなるＵ字型断面の屈折体を前記光伝
達手段とし、屈折体が入射端に走査用レーザ光Ｃを屈折
体内において全反射する方向に屈折させる傾斜面を有
し、且つ、出射端側に屈折体内を伝播してきた走査用レ
ーザ光Ｃを所定の方向に向け出射する傾斜面を有し、屈
折体からの出射光によって走査パターンが形成されるよ
う構成することによって、走査パターン形成部の光路中
に配設されるミラーやホログラムの数が減少しレーザ光
走査装置の構造が簡略化されて、光量ロスが低減される
と共に組立時の光学調整が容易になる。また高効率な生
産が可能になり量産化によって低コスト化を実現するこ
とができる。

本実施例においては対向する内側の面と外側の面とで平
行平面を形成するＵ字型の屈折体について述べている
が、対向する内側の面と外側の面とで平行曲面を形成す
るＵ字型の屈折体についても同等の効果が得られること
はいうまでもない。

〔発明の効果〕

上述の如く本発明によれば占有スペース特に厚さ方向の
スペースが小さく安価なレーザ光走査装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる屈折体の一実施例を示す斜視図、 第２図はＵ字型屈折体による走査パターン形成説明図、 第３図はレーザ光走査装置の原理を示す構成図、 第４図は読取り部の上面図、 第５図は従来の屈折体を示す側面図、 第６図は走査パターン形成説明図、 である。図において ５は屈折体、14は読取り窓、30a、30b、30c、30d、30e
は走査パターン、51a、51b、51c、51d、51eは透明板、5
2、53は傾斜面、54a、54b、54c、54d、54eは出射ビーム
軌跡、をそれぞれ表す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 文雄 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 稲垣 雄史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくともレーザ光源、および該レーザ光
   源から出るレーザ光を所定の方向に回折させるホログラ
   ムディスクを有し、該ホログラムディスクを回転させて
   該レーザ光を軌跡が円弧を描く走査用レーザ光Ｃに変え
   る走査用レーザ光発生部と、 少なくとも光伝達手段を有し該光伝達手段の一端に入射
   した該走査用レーザ光Ｃを伝播し他端から出射すると共
   に、軌跡が交差する複数の走査光からなる走査パターン
   に変換する走査パターン形成部とを具えたレーザ光走査
   装置であって、 前記光伝達手段は相対する内側と外側の面が長さ方向に
   平行な平面または曲面からなるＵ字型断面の屈折体
   （５）であり、該屈折体（５）の光入射端は入射された
   該走査用レーザ光Ｃを該屈折体（５）内において全反射
   する方向に屈折させる傾斜面（52）を有し、且つ、出射
   端側は該屈折体（５）内を伝播してきた該走査用レーザ
   光Ｃを所定の方向に向け出射する傾斜面（53）を有し、
   該屈折体（５）からの出射光によって該走査パターンが
   形成されるよう構成してなることを特徴とするレーザ光
   走査装置。