JPH0782266A - フォトクロミック化合物 - Google Patents

フォトクロミック化合物

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JPH0782266A
JPH0782266A JP22975093A JP22975093A JPH0782266A JP H0782266 A JPH0782266 A JP H0782266A JP 22975093 A JP22975093 A JP 22975093A JP 22975093 A JP22975093 A JP 22975093A JP H0782266 A JPH0782266 A JP H0782266A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ジアリールエテン構造の優れたフォトクロミッ
ク性を損なうことなく、高分子媒体中へのジアリールエ
テン誘導体の高濃度分散を可能にし、また、相分離を防
止したフォトクロミック材料を得る。 【構成】下記式 【化1】 (ただし、Xは、酸素原子またはシアノアルキル基で置
換されていてもよい窒素原子であり、R1、R2、R3
4およびR5は、それぞれアルキル基、アルコキシ基ま
たはシアノ基であり、R4およびR5は、互いに連結して
炭素環を形成していてもよく、R6はアルキレン基であ
り、R7は水素原子またはメチル基である。)で示され
るフォトクロミック化合物、および上記化合物とスチレ
ン、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと
の共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合性基を有する新規
なフォトクロミック化合物およびそれを重合したフォト
クロミック重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック化合物は、光の作用に
より色調の異なる2つの状態を可逆的に生成する機能を
もち、調光材料、光メモリ材料などへの応用がすすめら
れている。これまでのフォトクロミック材料は、上記し
たフォトクロミック化合物を高分子媒体中へ分散させた
ものが用いられてきた。
【0003】近年、熱不可逆性をもつフォトクロミック
化合物、例えば、フルギド誘導体、ジアリールエテン誘
導体、シクロファン誘導体等が開発され、光メモリ媒体
への応用が検討されている。しかし、このようなフォト
クロミック化合物は分子中に芳香環を多数含むものが多
いために高分子媒体との相溶性が悪く、特にジアリール
エテン誘導体は、熱安定性、繰返し発色耐久性、長波長
域感受性を持ち、光メモリ媒体として優れた物性を有し
ているが、その極性構造のために極性の低い高分子媒体
中への分散性が悪いという問題があった。また、上記の
熱不可逆性フォトクロミック化合物を高分子媒体中へ分
散させたものを長時間保存すると、フォトクロミック化
合物と高分子媒体とが相分離し、フォトクロミック化合
物の発色機能が十分に発揮されないという問題もあっ
た。
【0004】高分子媒体との相溶性を向上させる手段と
しては、フォトクロミック化合物そのものに高分子との
相溶性のよい官能基を導入する(特開昭61-263982号公
報、同61-263983号公報)、相溶化剤を添加するなどの
ことが試みられている。しかし、これらの方法は、芳香
環を多数個含むフォトクロミック化合物の場合は顕著な
成果をあげていない。そこで、本発明者は、ジアリール
エテン誘導体を高分子に結合させることを目的として、
下記式で示されるジアリールエテン誘導体を側鎖に有す
るスチレン系共重合体を合成した(以下の構造式中、M
eはメチル基であり、Etはエチル基である。)。
【0005】
【化3】
【0006】しかし、このスチレン系共重合体は、ジア
リールエテン誘導体のマレイミド基にフェニル基が直接
結合し電子求引性が減少したためと考えられるが、十分
な発色濃度が得られないという問題が生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたものであって、ジアリールエテン
誘導体の発色濃度を低下させることなく、ジアリールエ
テン誘導体を高分子媒体中に高濃度で分散させ、且つ相
分離を防止することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジアリールエ
テン誘導体のインドール環の窒素原子に重合性基を導入
することにより、重合性のジアリールエテン誘導体を合
成することに成功し、また、これを重合することにより
側鎖にジアリールエテン誘導体を結合した重合体を得る
ことができ、該重合体が上記本発明の目的を達成するも
のであることを見出し、本発明を提案するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記式(A)
【0010】
【化4】
【0011】(ただし、Xは、酸素原子またはシアノア
ルキル基で置換されていてもよい窒素原子であり、
1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれアルキル
基、アルコキシ基またはシアノ基であり、R4およびR5
は、互いに連結して炭素環を形成していてもよく、R6
はアルキレン基であり、R7は水素原子またはメチル基
である。)で示されるフォトクロミック化合物であり、
また、(1)下記式(B)
【0012】
【化5】
【0013】(ただし、Xは、酸素原子またはシアノア
ルキル基で置換されていてもよい窒素原子であり、
1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれアルキル
基、アルコキシ基またはシアノ基であり、R4およびR5
は、互いに連結して炭素環を形成していてもよく、R6
はアルキレン基であり、R7は水素原子またはメチル基
である。)で示される単量体単位 0.1〜70モル
%、および(2)スチレン、アクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルに基づく単量体単位 99.9〜
30モル%を含み、重量平均分子量が1万〜100万で
あることを特徴とするフォトクロミック重合体である。
【0014】上記式(A)および(B)中、Xは、酸素
原子またはシアノアルキル基で置換されていてもよい窒
素原子である。シアノアルキル基中のアルキル基の炭素
数は特に制限されないが、通常は1〜4の範囲であるこ
とが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等を挙げることができる。
【0015】上記式(A)および(B)中、R1、R2
3、R4およびR5は、それぞれアルキル基、アルコキ
シ基またはシアノ基である。アルキル基としては、炭素
数に特に制限されるものではないが、一般にはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4
のアルキル基が好適であり、アルコキシ基も同様に、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の
炭素数1〜4のアルコキシ基が好適である。また、上記
4およびR5は、互いに連結して炭素環を形成していて
もよい。形成される炭素環としては、一般にはベンゼン
環を挙げることができる。
【0016】上記式(A)および(B)中、R6はアル
キレン基である。アルキレン基の炭素数は特に制限され
るものではないが、ジアリールエテン構造が嵩高いこと
による上記フォトクロミック化合物の重合性低下を避け
るためには、アルキレン基の2つの結合手がある程度離
れていることが好ましく、通常は炭素数が8〜20であ
り、且つ2つの結合手は8〜12の直鎖炭素で隔てられ
た直鎖状または分岐状のアルキレン基であることが好ま
しい。このようなアルキレン基を具体的に例示すると、
オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、
ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基等を挙げること
ができる。
【0017】次に、本発明のフォトクロミック重合体
は、上記式(A)で示されるフォトクロミック化合物
0.1〜70モル%と、スチレン、アクリル酸エステ
ル、またはメタクリル酸エステル99.9〜30モル%
とのランダム共重合体である。上記式(A)で示される
フォトクロミック化合物と共重合するアクリル酸エステ
ル、またはメタクリル酸エステルは、下記式で示される
化合物が好適である。
【0018】
【化6】
【0019】(ただし、Rは水素原子またはメチル基で
あり、R′はアルキル基である。)上記式中、R′で示
されるアルキル基は、その炭素数の制限はないが、一般
には炭素数1〜20の直鎖状、分枝状、環状のアルキル
基であることが好適である。具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデ
シル基等を挙げることができる。
【0020】上記式(B)で示される単量体単位と、ス
チレン、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エス
テルに基づく単量体単位との比率は、前者が0.1〜7
0モル%、好ましくは0.2〜30モル%であり、後者
が99.9〜30モル%、好ましくは99.8〜70モ
ル%である。上記式(B)で示される単量体単位の比率
が0.1モル%よりも少ない場合は、得られるフォトク
ロミック重合体の発色濃度が向上しないために好ましく
ない。また、その比率が70モル%よりも多い重合体は
製造が困難である。
【0021】本発明のフォトクロミック重合体の重量平
均分子量は1万〜100万の範囲であり、5万〜50万
の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が1万未
満のときは分子量が低すぎるために成形体とすることが
できず、逆に100万を超えるときは通常の熱可塑性樹
脂の成形方法では成形が困難であり、また、溶媒に溶解
しがたくなるためにキャスト成形ができなくなる。
【0022】本発明のフォトクロミック化合物およびフ
ォトクロミック重合体は、どのような方法により製造さ
れてもよいが、下記に示す方法により好適に製造するこ
とができる。まず、本発明のフォトクロミック化合物
は、下記式(C)
【0023】
【化7】
【0024】(ただし、R1、R2、R6およびR7は前記
式(A)と同様である。)で示される化合物にオギザリ
ルクロライドを反応させ、次いで、下記式(D)
【0025】
【化8】
【0026】(ただし、Xはハロゲン原子または水酸基
であり、R3、R4およびR5は前記式(A)と同様であ
る。)で示される化合物を反応させることにより製造す
ることができる。また、上記方法において、オギザリル
クロライドと共に硫酸アミノアセトニトリルを反応さ
せ、次いで、上記式(D)で示される化合物を反応させ
ることにより製造することもできる。
【0027】上記式(C)で示される化合物は、次の方
法により製造することができる。
【0028】
【化9】
【0029】(ただし、R1、R2及びR6は前記式
(A)と同様である。)で示される置換インドールに対
して、
【0030】
【化10】
【0031】(ただし、R7は前記式(A)と同様であ
る。)で示される化合物を1.5〜3.0倍モル加え、
ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼンな
どの溶媒を加えて、室温で溶解させる。次いで、ジシク
ロヘキシルカルボジイミドなどの脱水剤を1.5〜3.
0倍モル添加し、反応促進剤として4−ピロリジノピリ
ジンを0.1〜1.0倍モル添加して10〜40℃の間
で10〜24時間かけて反応させ、水洗・乾燥後、シリ
カゲルカラムで分離し、前記式(C)で示される化合物
を収率30〜80%で得ることができる。
【0032】次いで、得られた(C)で示される化合物
をジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン
などの溶媒などに溶解させ、0℃以下に保つ。この溶液
中にオギザリルクロライドを等モル、反応温度が10℃
を越えないように滴下する。滴下終了後、10〜40℃
で10分間から1時間攪拌すると、下記式(E)
【0033】
【化11】
【0034】(ただし、R1、R2、R6及びR7は前記式
(A)と同様である。)で示される化合物が収率80〜
99%で得られる。また、オギザリルクロライドとの反
応において、硫酸アミノアセトニトリルをオギザリルク
ロライドと等モル滴下すると、下記式(F)
【0035】
【化12】
【0036】(ただし、R1、R2、R6及びR7は前記式
(A)と同様である。)で示される化合物が得られる。
【0037】次に、このようにして得られた(E)ある
いは(F)で示される化合物をジクロロメタン、クロロ
ホルム、トルエン、ベンゼンなどの溶媒に溶解させ、あ
らかじめ用意しておいた(D)で示されるチエニル酢酸
誘導体を0.5〜1.0倍モルとトリメチルアミン、ト
リエチルアミン、モルホリンなどの有機塩基性化合物を
2.0〜4.0倍モル、ジクロロメタンなどの溶媒に溶
かし、(E)及び(F)で示される化合物が溶解してい
る溶液中に0〜40℃の間で反応温度が10℃を越えな
いように滴下する。滴下終了後、溶媒を除去してシリカ
ゲルカラムを通すと、本発明のフォトクロミック化合物
が5〜20%の間の収率で得られる。
【0038】また、本発明のフォトクロミック重合体
は、上記したフォトクロミック化合物と、スチレン、ア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとを共重
合することにより製造することができる。具体的には、
反応溶媒としてベンゼン、トルエン、クロロホルム等を
使用する溶液重合を好適に使用することができる。重合
開始剤は、ラジカル重合開始剤を使用することができる
が、非酸化物系開始剤であるアゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ系開始剤を好適に使用することができる。重
合温度は、使用するラジカル重合開始剤の分解温度によ
って決定されるが、通常は40〜100℃の範囲である
ことが好ましい。
【0039】このようにして本発明のフォトクロミック
化合物およびフォトクロミック重合体を製造することが
できる。
【0040】
【発明の効果】本発明のフォトクロミック化合物は重合
性を有しており、これをスチレン等の共重合性モノマー
と共重合させることにより、重合体中へのジアリールエ
テン構造の導入量を任意にかえることができる。また、
ジアリールエテン構造は重合体主鎖と結合しているため
に経時的に相分離することもない。従って、本発明によ
れば、ジアリールエテン構造の優れたフォトクロミック
性を損うことなく、高分子媒体中へジアリールエテン誘
導体を高濃度に分散させることができ、また、相分離を
防止することができる。
【0041】本発明のフォトクロミック化合物は、フォ
トクロミック重合体の原料モノマーとして有用であり、
フォトクロミック重合体は、熱不可逆性を有しているこ
とから光メモリ媒体として有用である。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでは
ない。
【0043】実施例1 次のスキームに従ってフォトクロミック化合物(A)を
合成した。
【0044】
【化13】
【0045】化合物(1)の合成 50mlのナスフラスコに1-(11-ヒドロキシ)ウンデシ
ル-2-メチルインドール0.723g(2.3mmol)、メタクリル
酸 0.396g(4.6mmol)およびジクロロメタン15mlを入
れ、これにジシクロヘキシルカルボジイミド(DDC)
0.949g(4.6mmol)を加えた。続いて4-ピロリジノピリ
ジン0.050g(0.34mmol)を加えて室温で攪拌した。24
時間後、固形物を濾別して、水、5%酢酸溶液、水の順
で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を
留去してシリカゲルカラムで分離した(収量0.594g、収
率70.2%)。
【0046】フォトクロミック化合物(A)の合成 50mlのナスフラスコに化合物(1)である1-(11-メタ
クリロイロキシ)ウンデシル-2-メチルインドール0.572
g(1.55mmol)とジクロロメタン15mlを入れ、氷冷しな
がらオギザリルクロライド0.135ml(1.55mmol)を滴下
した。そのまま20分間攪拌し、これを、あらかじめ用
意しておいた5-シアノ-2,4-ジメチル-3-チエニル酢酸0.
212g(1.09mmol)、トリメチルアミン0.43ml(3.1mmo
l)およびジクロロメタン7.5mlの混合溶液中へ室温で滴
下した。終夜攪拌した後、溶媒を留去して、シリカゲル
カラムにより精製した(収量0.0463g、収率6.8%)。
【0047】フォトクロミック化合物(A)の1H−核
磁気共鳴スペクトルおよび質量分析の結果は下記のとお
りであった。
【0048】 MS(m/z) 600(M+),3751 H−NMR(CDCl3) δ=1.1〜1.8 (m,18H,-C
H2-) 1.93 (s,3H,-CH3) 2.38 (s,1H,Ar-CH3) 3.8〜4.3 (m,4H) 5.47 (m,1H) 6.05 (s,1H) 6.16 (s,1H,Ar-H) 6.9〜7.6 (m,4H,Ar-H) また、n−ヘキサン中においてこのフォトクロミック化
合物(A)に特定波長の光を照射したときの吸光度を常
温で分光光度計により測定し、そのグラフを図1に示し
た。
【0049】実施例2 実施例1のフォトクロミック化合物(A)の合成におい
て、オギザリルクロライドと等モルの硫酸アミノアセト
ニトリルをオギザリルクロライドと共に滴下したこと以
外は実施例1と同様にして、下記式
【0050】
【化14】
【0051】で示されるフォトクロミック化合物(B)
を合成した。この化合物の1H−核磁気共鳴スペクトル
および質量分析の結果は下記のとおりであった。
【0052】 MS(m/z) 538(M+),4131 H−NMR(CDCl3) δ=1.1〜1.8 (m,18H,-
CH2-) 1.90 (s,3H,C-CH3) 2.08 (sx2,6H,Ar-CH3) 2.12 (s,3H,Ar-CH3) 3.9〜4.1 (m,4H,N-CH2-,O-CH2-) 4.53 (s,2H,N-CH2-CN) 5.49 (m,1H,C=CH2) 6.01 (s,1H,C=CH2) 6.9〜7.3 (m,4H,Ar-H) また、このフォトクロミック化合物(B)のn−ヘキサ
ン中、常温における各波長の吸光度を示すグラフを実施
例1と同様に測定して図2に示した。
【0053】実施例3 次のスキームに従ってフォトクロミック化合物(C)を
合成した。
【0054】
【化15】
【0055】化合物(3)の合成 50mlのナスフラスコに3−シアノメチル−2−メトキシ
ベンゾチオフェン0.404g(2.0mmol)を入れ、20%水
酸化カリウム水溶液20mlを加えて3時間還流した。
【0056】放冷後、不溶物を濾別し、希塩酸を加えて
酸性にして析出した白色固体を濾取した(収量0.384g,
収率86.9%)。
【0057】化合物(4)の合成 50mlナスフラスコに硫酸アミノアセトニトリル0.158g
(0.75mmol)とジクロメタン7.5mlを入れ、トリエチル
アミン0.17ml(1.25mmol)を加えて4時間還流した。こ
れを、あらかじめ化合物(1)0.165g(0.45mmol)/ジ
クロロメタン6mlに氷冷しながらオギザリルクロライド
0.05ml(0.57mmol)を加えて1時間攪拌したものに、室
温で、滴下して終夜攪拌した。
【0058】フォトクロミック化合物(C)の合成 30mlのナスフラスコに化合物(3)(2-メトキシ-3-ベ
ンゾチエニル酢酸)0.266g(1.2mmol)とベンゼン7mlを
入れ、室温でオギザリルクロライド0.32ml(3.7mmol)
を加えて45分攪拌後、2.5時間還流した。放冷後、
溶媒を留去し、ジクロロメタン10mlを加えた。この溶液
を、用意しておいた化合物(4)である1-(11-メタク
リロイロキシ)ウンデシル-2-メチル-3-(N−シアノメ
チルオキサモイル)インドール)0.287g(0.6mmol)、
トリエチルアミン10ml及びジクロロメタン10mlの混合溶
液に室温で滴下し、室温で終夜攪拌した。この反応溶液
に水を加え、希塩酸で酸性にした後、クロロホルムで抽
出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留
去してシリカゲルカラムで分離した(収量0.162g 収率4
0.6%)。
【0059】フォトクロミック化合物(C)の1H−核
磁気共鳴スペクトルおよび質量分析の結果は下記のとお
りであった。
【0060】MS(m/z) 665(M
+),3681 H−NMR(CDCl3) δ=1.0〜1.8 (m,18H,-
CH2-) 1.86 (s,3H,C-CH3) 1.90 (s,3H,Ar-CH3) 3.75 (s,3H,Ar-OCH3) 3.8〜4.2 (m,4H,N-CH2-,O-CH2-) 4.52 (s,2H,N-CH2-CN) 5.45 (s,1H,C=CH2) 6.00 (s,1H,C=CH2) 6.8〜7.6 (m,8H,Ar-H) また、このフォトクロミック化合物(C)のn−ヘキサ
ン中、常温における各波長の吸光度を示すグラフを実施
例1と同様に測定して図3に示した。
【0061】実施例4 テトラヒドロフランあるいはベンゼン溶液中、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)を開始剤として、所定
量のフォトクロミック化合物とスチレン(St)、シクロ
ドデシルメタクリレート(c-DDMA)、n−ドデシルメタ
クリレート(n-DDMA),またはn−オクタデシルメタク
リレート(n-ODMA)とを反応容器に入れ、窒素バブリン
グを30分〜1時間程行った後、加熱してラジカル共重
合を行った。所定時間反応させた後、反応溶液をメタノ
ール中に滴下して沈殿させ、各々の共重合体を得た。重
合条件およびその結果を表1に示した。なお、フォトク
ロミック重合体の組成は1H−核磁気共鳴スペクトルか
ら算出し、重量平均分子量はゲル・パーミエーション・
クロマトグラフにより測定した。吸光度は、得られたフ
ォトクロミック重合体をベンゼンに溶解した溶液をガラ
ス基板上に流延して厚さ100μmのキャストフィルム
を得、これを実施例1と同様の方法により313nmの
光を照射したときの最大吸収波長における値を測定し
た。相分離は、上記のフィルムを10時間放置し、フィ
ルムの相分離の有無を目視で観察して評価した。相分離
のないものを○、相分離したものを×で表した。
【0062】
【表1】
【0063】また、表1中のNo.1およびNo.8の
それぞれのフォトクロミック重合体について、n−ヘキ
サン中およびフィルムで特定の光を照射したときの吸光
度を示すグラフを図4〜図7に示した。但し、図7は1
45℃、その他は常温における測定データである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトクロミック化合物(A)のn−
ヘキサン中での各波長の吸光度を示すグラフである。
【図2】本発明のフォトクロミック化合物(B)のn−
ヘキサン中での各波長の吸光度を示すグラフである。
【図3】本発明のフォトクロミック化合物(C)のn−
ヘキサン中での各波長の吸光度を示すグラフである。
【図4】本発明のフォトクロミック重合体(No.1)
のn−ヘキサン中での各波長の吸光度を示すグラフであ
る。
【図5】本発明のフォトクロミック重合体(No.1)
のフィルムの各波長の吸光度を示すグラフである。
【図6】本発明のフォトクロミック重合体(No.8)
のn−ヘキサン中での各波長の吸光度を示すグラフであ
る。
【図7】本発明のフォトクロミック重合体(No.8)
のフィルムの各波長の吸光度を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 【化1】 (ただし、Xは、酸素原子またはシアノアルキル基で置
    換されていてもよい窒素原子であり、R1、R2、R3
    4およびR5は、それぞれアルキル基、アルコキシ基ま
    たはシアノ基であり、R4およびR5は、互いに連結して
    炭素環を形成していてもよく、R6はアルキレン基であ
    り、R7は水素原子またはメチル基である。)で示され
    るフォトクロミック化合物。
  2. 【請求項2】(1)下記式 【化2】 (ただし、Xは、酸素原子またはシアノアルキル基で置
    換されていてもよい窒素原子であり、R1、R2、R3
    4およびR5は、それぞれアルキル基、アルコキシ基ま
    たはシアノ基であり、R4およびR5は、互いに連結して
    炭素環を形成していてもよく、R6はアルキレン基であ
    り、R7は水素原子またはメチル基である。)で示され
    る単量体単位 0.1〜70モル%、および(2)スチ
    レン、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
    に基づく単量体単位 99.9〜30モル%を含み、重
    量平均分子量が1万〜100万であることを特徴とする
    フォトクロミック重合体。
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