JPH0781919A - 多結晶シリコン膜およびその製造方法 - Google Patents
多結晶シリコン膜およびその製造方法Info
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- JPH0781919A JPH0781919A JP6951194A JP6951194A JPH0781919A JP H0781919 A JPH0781919 A JP H0781919A JP 6951194 A JP6951194 A JP 6951194A JP 6951194 A JP6951194 A JP 6951194A JP H0781919 A JPH0781919 A JP H0781919A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】可撓性基体、プラスチック基体または融点が2
90℃以下の基体上に形成された多結晶シリコン膜およ
び、30MHz以上300MHz以下の周波数の超短波
を用いて、水素化シリコンガスを含むガスをプラズマ分
解することにより多結晶シリコン膜を製造する方法。 【効果】本発明によると、融点の低い材料の上にも、多
結晶シリコン膜を作製できるので、安価な耐熱性の低い
プラスチック材料を基体として使用することができ、安
価な太陽電池、薄膜トランジスタやイメージセンサなど
を提供することができる。また、耐熱性の高い基体を用
いる場合においても、基体の温度を低く保ちつつ膜を形
成することができるため、熱膨張率の差や熱収縮などに
よる歪みや膜の剥離という問題を生じにくくすることが
できる。
90℃以下の基体上に形成された多結晶シリコン膜およ
び、30MHz以上300MHz以下の周波数の超短波
を用いて、水素化シリコンガスを含むガスをプラズマ分
解することにより多結晶シリコン膜を製造する方法。 【効果】本発明によると、融点の低い材料の上にも、多
結晶シリコン膜を作製できるので、安価な耐熱性の低い
プラスチック材料を基体として使用することができ、安
価な太陽電池、薄膜トランジスタやイメージセンサなど
を提供することができる。また、耐熱性の高い基体を用
いる場合においても、基体の温度を低く保ちつつ膜を形
成することができるため、熱膨張率の差や熱収縮などに
よる歪みや膜の剥離という問題を生じにくくすることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基体上に形成され
て、太陽電池、薄膜トランジスタなどとして使用される
多結晶シリコン薄膜およびその製造方法に関するもので
ある。
て、太陽電池、薄膜トランジスタなどとして使用される
多結晶シリコン薄膜およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン薄膜を製造する方法とし
ては、300℃以下の温度に保たれた基体上に形成され
たアモルファスシリコン膜を600℃以上の高温で熱処
理することにより結晶化させる固相成長法が知られてい
るが、この方法には600℃という高い温度に耐える基
体しか用いることができないという問題点がある。
ては、300℃以下の温度に保たれた基体上に形成され
たアモルファスシリコン膜を600℃以上の高温で熱処
理することにより結晶化させる固相成長法が知られてい
るが、この方法には600℃という高い温度に耐える基
体しか用いることができないという問題点がある。
【0003】また、さらに低い温度に保たれた基体上
に、多結晶シリコンを製造する方法としては、例えば、
H.Kakinumaらによる“Journal of Applied Physics Vo
l. 70 (1991) 7374“に記載された方法が知られてい
る。この方法は、13.56MHzの高周波を用いて、
SiH4 ガスとSiF4 ガスとH2 ガスをプラズマ分解
し、300℃に加熱されたガラス基板上に多結晶シリコ
ン膜を形成するというものである。
に、多結晶シリコンを製造する方法としては、例えば、
H.Kakinumaらによる“Journal of Applied Physics Vo
l. 70 (1991) 7374“に記載された方法が知られてい
る。この方法は、13.56MHzの高周波を用いて、
SiH4 ガスとSiF4 ガスとH2 ガスをプラズマ分解
し、300℃に加熱されたガラス基板上に多結晶シリコ
ン膜を形成するというものである。
【0004】しかしながら、この方法においても、多結
晶シリコン膜を得るためには基体温度を300℃以上と
高くしなければならず、それ以上の耐熱性のない基体が
使えないという問題点がある。耐熱性が300℃以上あ
る基体においても基体温度を高くすると歪みが入ったり
多結晶シリコン膜との熱膨張係数の差による変形がおき
やすくなるため、基体温度を低くすることが望まれてい
る。
晶シリコン膜を得るためには基体温度を300℃以上と
高くしなければならず、それ以上の耐熱性のない基体が
使えないという問題点がある。耐熱性が300℃以上あ
る基体においても基体温度を高くすると歪みが入ったり
多結晶シリコン膜との熱膨張係数の差による変形がおき
やすくなるため、基体温度を低くすることが望まれてい
る。
【0005】一方、融点の低い材料や、プラスチック材
料には、低い温度で任意の形に成型することができるた
め、加工コストが低いという長所があり、更にプラスチ
ック材料には、重量が軽くできるという長所があるた
め、これらの材料の上に高品質の多結晶シリコン膜を形
成することが望まれる。
料には、低い温度で任意の形に成型することができるた
め、加工コストが低いという長所があり、更にプラスチ
ック材料には、重量が軽くできるという長所があるた
め、これらの材料の上に高品質の多結晶シリコン膜を形
成することが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、融点
の低い基体上やプラスチック材料上に形成される多結晶
シリコン膜とその製造方法を提供することにある。
の低い基体上やプラスチック材料上に形成される多結晶
シリコン膜とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の構
成および製造方法により達成される。
成および製造方法により達成される。
【0008】すなわち、可撓性基体上、プラスチック基
体上または、融点が290℃未満の基体上に形成された
多結晶シリコン膜および、30MHz以上300MHz
以下の周波数の超短波を用いて、水素化シリコンガスを
含むガスをプラズマ分解することにより、基体上に多結
晶シリコン膜を形成することを特徴とする多結晶シリコ
ン膜の製造方法である。
体上または、融点が290℃未満の基体上に形成された
多結晶シリコン膜および、30MHz以上300MHz
以下の周波数の超短波を用いて、水素化シリコンガスを
含むガスをプラズマ分解することにより、基体上に多結
晶シリコン膜を形成することを特徴とする多結晶シリコ
ン膜の製造方法である。
【0009】まず、多結晶シリコン膜について説明す
る。
る。
【0010】多結晶シリコン膜とは、通常、膜厚が0.
1μm以上で、膜の任意の断面を透過型電子顕微鏡で基
体と膜界面から膜最表面までを含む視野で観察した場合
に、その断面積の60%以上が、膜厚の80%以上もし
くは粒径0.2μm以上の結晶からなるものである。
1μm以上で、膜の任意の断面を透過型電子顕微鏡で基
体と膜界面から膜最表面までを含む視野で観察した場合
に、その断面積の60%以上が、膜厚の80%以上もし
くは粒径0.2μm以上の結晶からなるものである。
【0011】多結晶シリコン膜は、電子移動度が、0.
5cm2 /V・s以上であることが好ましい。電子移動
度が、0.5cm2 /V・s未満になると、薄膜トラン
ジスタに用いた場合、高速動作しなくなるので、10イ
ンチ以上の大型ディスプレイ用としては、実用的でな
い。さらに好ましくは、10cm2 /V・s以上であ
る。電子移動度は、薄膜トランジスタのゲート電圧に対
するドレイン電流の傾きから求めることができる。
5cm2 /V・s以上であることが好ましい。電子移動
度が、0.5cm2 /V・s未満になると、薄膜トラン
ジスタに用いた場合、高速動作しなくなるので、10イ
ンチ以上の大型ディスプレイ用としては、実用的でな
い。さらに好ましくは、10cm2 /V・s以上であ
る。電子移動度は、薄膜トランジスタのゲート電圧に対
するドレイン電流の傾きから求めることができる。
【0012】次に、本発明にかかる多結晶シリコン膜の
製造方法について説明する。
製造方法について説明する。
【0013】すなわち、30MHz以上300MHz以
下の周波数の超短波を用いて、水素化シリコンガスを含
むガスをプラズマ分解することにより、基体上に多結晶
シリコン膜を形成する方法である。
下の周波数の超短波を用いて、水素化シリコンガスを含
むガスをプラズマ分解することにより、基体上に多結晶
シリコン膜を形成する方法である。
【0014】ここで、プラズマ分解に用いる電源の周波
数が、30MHz以上300MHz以下であることが重
要である。30MHz未満の周波数の高周波を電源に用
いて膜形成を行った場合、基体温度が290℃未満で
は、膜が結晶化しにくくなり、多結晶膜ができにくくな
る。300MHzを越える周波数の超短波を電源に用い
た場合、電極と電源の整合が、困難になったり、大面積
に均一の厚みの膜を形成するのが困難になったりする。
さらには、55MHz以上200MHz以下の周波数の
超短波を用いるのがより好ましい。
数が、30MHz以上300MHz以下であることが重
要である。30MHz未満の周波数の高周波を電源に用
いて膜形成を行った場合、基体温度が290℃未満で
は、膜が結晶化しにくくなり、多結晶膜ができにくくな
る。300MHzを越える周波数の超短波を電源に用い
た場合、電極と電源の整合が、困難になったり、大面積
に均一の厚みの膜を形成するのが困難になったりする。
さらには、55MHz以上200MHz以下の周波数の
超短波を用いるのがより好ましい。
【0015】30MHz以上300MHz以下の周波数
の超短波を用いることによって、基体の温度を290℃
以下に保っておいても、電子移動度の高い、高品質の多
結晶シリコン膜をその基体上に形成できる。そのためプ
ラスチック材料などの融点が低いなどの理由で耐熱性が
低い材料基体上にも、高品質の多結晶シリコン膜を形成
することができる。具体的には、融点が290℃以下の
基体、さらには融点が240℃以下の基体上にも、容易
に電子移動度の高い膜を形成することができる。融点の
低い材料は、低い温度で任意の形に成型することができ
るため、加工コストが低いという長所がある。
の超短波を用いることによって、基体の温度を290℃
以下に保っておいても、電子移動度の高い、高品質の多
結晶シリコン膜をその基体上に形成できる。そのためプ
ラスチック材料などの融点が低いなどの理由で耐熱性が
低い材料基体上にも、高品質の多結晶シリコン膜を形成
することができる。具体的には、融点が290℃以下の
基体、さらには融点が240℃以下の基体上にも、容易
に電子移動度の高い膜を形成することができる。融点の
低い材料は、低い温度で任意の形に成型することができ
るため、加工コストが低いという長所がある。
【0016】もちろん、本発明にかかる製造方法は、融
点が290℃以下の基体のみならず、融点が290℃を
越える基体上に多結晶シリコン膜を形成する場合にも好
ましく適用される。そのような基体においても、基体の
温度を低くすることによって、基体の歪みによる変形
や、多結晶シリコン膜との熱膨脹係数の差による変形を
防ぐことができる。
点が290℃以下の基体のみならず、融点が290℃を
越える基体上に多結晶シリコン膜を形成する場合にも好
ましく適用される。そのような基体においても、基体の
温度を低くすることによって、基体の歪みによる変形
や、多結晶シリコン膜との熱膨脹係数の差による変形を
防ぐことができる。
【0017】基体としては、プラスチック材料、金属材
料、セラミックス材料、珪酸ガラス、石英、シリコンな
どを用いることができる。これらのうち、可撓性基体と
して、プラスチック材料、金属材料、一部のセラミック
ス材料などを用いることができる。
料、セラミックス材料、珪酸ガラス、石英、シリコンな
どを用いることができる。これらのうち、可撓性基体と
して、プラスチック材料、金属材料、一部のセラミック
ス材料などを用いることができる。
【0018】珪酸ガラスとしては、ナトリウムを含まな
いバリウム硼珪酸ガラスやアルミニウム硼珪酸ガラスが
採用できる。ナトリウムを含む珪酸ガラスの場合は、ナ
トリウムの溶出を防ぐための酸化珪素膜などのバリア層
が表面にコーティングされているものが好ましい。
いバリウム硼珪酸ガラスやアルミニウム硼珪酸ガラスが
採用できる。ナトリウムを含む珪酸ガラスの場合は、ナ
トリウムの溶出を防ぐための酸化珪素膜などのバリア層
が表面にコーティングされているものが好ましい。
【0019】可撓性基体としては、上記の通り、プラス
チック材料、金属材料、一部のセラミックス材料などを
用いることができるが、具体的には、厚みの薄い板状も
しくはフィルム状に成型されたセラミックス材料、金属
材料やプラスチック材料などがある。可撓性基体は、ロ
ール状に巻くことができるため、この上に膜形成を行う
場合、長尺基体走行系を備えた膜形成装置を用いての製
造が可能となり、生産性を高くできるという長所があ
る。また、搬送が容易であったり、曲面をもった製品に
加工することができるという長所がある。さらに、可撓
性基体としてプラスチック材料を用いた場合は、基体の
面積当たりの重さをセラミックス材料や金属材料より軽
くすることが可能となるため、多結晶シリコン製品を軽
量化できたり、膜形成装置を簡略化できたりするという
長所がある。
チック材料、金属材料、一部のセラミックス材料などを
用いることができるが、具体的には、厚みの薄い板状も
しくはフィルム状に成型されたセラミックス材料、金属
材料やプラスチック材料などがある。可撓性基体は、ロ
ール状に巻くことができるため、この上に膜形成を行う
場合、長尺基体走行系を備えた膜形成装置を用いての製
造が可能となり、生産性を高くできるという長所があ
る。また、搬送が容易であったり、曲面をもった製品に
加工することができるという長所がある。さらに、可撓
性基体としてプラスチック材料を用いた場合は、基体の
面積当たりの重さをセラミックス材料や金属材料より軽
くすることが可能となるため、多結晶シリコン製品を軽
量化できたり、膜形成装置を簡略化できたりするという
長所がある。
【0020】該プラスチック材料としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナ
フタレートなどのポリエステル類、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン類、ポリフェニレンスルフィドなどの
ポリアリレンスルフィド類、ポリアミド類、芳香族ポリ
アミド類、ポリエーテルケトン類およびポリイミド類な
どを用いることができる。これらのうち、融点が290
℃以下のものとしては、ポリエチレンテレフタレート、
アセテート、ポリプロピレンスルフィドなどがあり、融
点が240℃以下のものとしては、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニルなどがある。また、これらをフィルムの形態で用い
る場合は、機械的安定性や強度の点から、二軸延伸され
ていることが好ましい。
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナ
フタレートなどのポリエステル類、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン類、ポリフェニレンスルフィドなどの
ポリアリレンスルフィド類、ポリアミド類、芳香族ポリ
アミド類、ポリエーテルケトン類およびポリイミド類な
どを用いることができる。これらのうち、融点が290
℃以下のものとしては、ポリエチレンテレフタレート、
アセテート、ポリプロピレンスルフィドなどがあり、融
点が240℃以下のものとしては、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニルなどがある。また、これらをフィルムの形態で用い
る場合は、機械的安定性や強度の点から、二軸延伸され
ていることが好ましい。
【0021】膜形成装置としては、並行平板の容量結合
型のプラズマCVD装置を用いることができる。分解に
用いるプラズマエネルギーは1W/cm2 以下が好まし
い。これより大きなエネルギーで分解をおこなうと、プ
ラズマダメージにより膜の明導電率が小さくなったり、
暗導電率が大きくなったりすることがある。電極基体間
距離は10mm以上、80mm以下が好ましい。10m
m未満になると、プラズマダメージにより膜が結晶化し
にくくなったりすることがあり、80mmより長くなる
と、放電が困難になったり、堆積速度が小さくなること
があり、実用上不利になることがある。
型のプラズマCVD装置を用いることができる。分解に
用いるプラズマエネルギーは1W/cm2 以下が好まし
い。これより大きなエネルギーで分解をおこなうと、プ
ラズマダメージにより膜の明導電率が小さくなったり、
暗導電率が大きくなったりすることがある。電極基体間
距離は10mm以上、80mm以下が好ましい。10m
m未満になると、プラズマダメージにより膜が結晶化し
にくくなったりすることがあり、80mmより長くなる
と、放電が困難になったり、堆積速度が小さくなること
があり、実用上不利になることがある。
【0022】分解に用いられる水素化シリコンガスを含
むガスとしては、SiH4 、Si2H6 、SiH2 Cl
2 などの水素化シリコンガスを単独で、あるいは、これ
らの水素化シリコンガスと、SiF4 、SiHF3 、S
iH2 F2 などの弗化シリコンガスおよび/または弗素
ガスとの混合ガスを、あるいは、これらの水素化シリコ
ンガスと、弗化シリコンガスおよび/または弗素ガス
と、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガ
ス、キセノンガスの群から選ばれる少なくとも一種のガ
スとの混合ガスを用いることができる。
むガスとしては、SiH4 、Si2H6 、SiH2 Cl
2 などの水素化シリコンガスを単独で、あるいは、これ
らの水素化シリコンガスと、SiF4 、SiHF3 、S
iH2 F2 などの弗化シリコンガスおよび/または弗素
ガスとの混合ガスを、あるいは、これらの水素化シリコ
ンガスと、弗化シリコンガスおよび/または弗素ガス
と、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガ
ス、キセノンガスの群から選ばれる少なくとも一種のガ
スとの混合ガスを用いることができる。
【0023】水素化シリコンガスの標準状態体積換算で
の流量をaとし、弗素ガスおよび/または弗化シリコン
ガスの標準状態体積換算での流量をbとすると、b/a
≧5であるのが好ましい。b/a<5となると、膜が結
晶化しなくなることがある。本発明にかかる多結晶シリ
コン膜および本発明によって製造される多結晶シリコン
膜は、真性半導体多結晶シリコン膜であり、基体上に形
成され、太陽電池、薄膜トランジスタなどに、p型半導
体層やn型半導体層などと積層することにより用いられ
る。
の流量をaとし、弗素ガスおよび/または弗化シリコン
ガスの標準状態体積換算での流量をbとすると、b/a
≧5であるのが好ましい。b/a<5となると、膜が結
晶化しなくなることがある。本発明にかかる多結晶シリ
コン膜および本発明によって製造される多結晶シリコン
膜は、真性半導体多結晶シリコン膜であり、基体上に形
成され、太陽電池、薄膜トランジスタなどに、p型半導
体層やn型半導体層などと積層することにより用いられ
る。
【0024】
[結晶粒径・結晶性の評価方法]結晶粒径の評価は膜の
断面の透過型電子顕微鏡観察により行った。
断面の透過型電子顕微鏡観察により行った。
【0025】結晶性の評価は、X線回折測定により行っ
た。装置には、理学電機社製のRAD−Bを用いた。
た。装置には、理学電機社製のRAD−Bを用いた。
【0026】実施例1 膜堆積装置としては、電極面積が400cm2 並行平板
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を30mmとし、放電時の圧力を0.1Torr
とし、ガス流量をSiH4 10sccm、SiF4 を3
00sccm、H2 を500sccmとし、超短波の周
波数を100MHzとし、出力45Wでプラズマを発生
させた。基体に、バリウム硼珪酸ガラス(融点1160
℃)を用い、基体温度180℃で、膜形成を行った。時
間28分で膜厚800nmの膜を形成した。この膜のX
線回折測定行ったところ、(110)に優先配向した多
結晶膜であることがわかった。
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を30mmとし、放電時の圧力を0.1Torr
とし、ガス流量をSiH4 10sccm、SiF4 を3
00sccm、H2 を500sccmとし、超短波の周
波数を100MHzとし、出力45Wでプラズマを発生
させた。基体に、バリウム硼珪酸ガラス(融点1160
℃)を用い、基体温度180℃で、膜形成を行った。時
間28分で膜厚800nmの膜を形成した。この膜のX
線回折測定行ったところ、(110)に優先配向した多
結晶膜であることがわかった。
【0027】実施例2 膜堆積装置としては、電極面積が400cm2 並行平板
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.2Torr
とし、ガス流量をSiH4 12sccm、SiF4 を6
00sccmとした。超短波の周波数を80MHzと
し、出力30Wでプラズマを発生させた。基体に、バリ
ウム硼珪酸ガラス(融点1160℃)を用い、基体温度
150℃で、膜形成を行った。時間25分で膜厚650
nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行ったとこ
ろ、(110)に優先配向した多結晶膜であることがわ
かった。
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.2Torr
とし、ガス流量をSiH4 12sccm、SiF4 を6
00sccmとした。超短波の周波数を80MHzと
し、出力30Wでプラズマを発生させた。基体に、バリ
ウム硼珪酸ガラス(融点1160℃)を用い、基体温度
150℃で、膜形成を行った。時間25分で膜厚650
nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行ったとこ
ろ、(110)に優先配向した多結晶膜であることがわ
かった。
【0028】実施例3 膜堆積装置としては、電極面積が400cm2 並行平板
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を30mmとし、放電時の圧力を0.08Tor
rとし、ガス流量をSiH4 5sccm、F2 を100
sccm、水素を200sccmとした。超短波の周波
数を120MHzとし、出力50Wでプラズマを発生さ
せた。基体に、バリウム硼珪酸ガラス(融点1160
℃)を用い、基体温度120℃で、膜形成を行った。時
間20分で膜厚500nmの膜を形成した。この膜のX
線回折測定行ったところ、(110)に優先配向した多
結晶膜であることがわかった。
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を30mmとし、放電時の圧力を0.08Tor
rとし、ガス流量をSiH4 5sccm、F2 を100
sccm、水素を200sccmとした。超短波の周波
数を120MHzとし、出力50Wでプラズマを発生さ
せた。基体に、バリウム硼珪酸ガラス(融点1160
℃)を用い、基体温度120℃で、膜形成を行った。時
間20分で膜厚500nmの膜を形成した。この膜のX
線回折測定行ったところ、(110)に優先配向した多
結晶膜であることがわかった。
【0029】実施例4 基体に、真空中で200℃で1時間の熱処理をおこなっ
た厚み100μmのポリイミドフィルム(融点なし)を
用い、基体温度を150℃とした他は、実施例1と同様
に膜形成を行った。時間27分で膜厚830nmの膜を
形成した。この膜のX線回折測定行ったところ、(11
0)に優先配向した多結晶膜であることがわかった。実
施例5 基体に、真空中で140℃で1時間の熱処理をおこなっ
た厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム(融点263℃)を用い、基体温度を120℃とした
他は、実施例2と同様に膜形成を行った。時間25分で
膜厚630nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定
行ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜であ
ることがわかった。
た厚み100μmのポリイミドフィルム(融点なし)を
用い、基体温度を150℃とした他は、実施例1と同様
に膜形成を行った。時間27分で膜厚830nmの膜を
形成した。この膜のX線回折測定行ったところ、(11
0)に優先配向した多結晶膜であることがわかった。実
施例5 基体に、真空中で140℃で1時間の熱処理をおこなっ
た厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム(融点263℃)を用い、基体温度を120℃とした
他は、実施例2と同様に膜形成を行った。時間25分で
膜厚630nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定
行ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜であ
ることがわかった。
【0030】実施例6 基体に、真空中で110℃で1時間の熱処理をおこなっ
た厚み100μmのポリプロピレンフィルム(融点16
0〜170℃)を用い、基体温度を100℃とした他
は、実施例3と同様に膜形成を行った。時間20分で膜
厚703nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行
ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜である
ことがわかった。
た厚み100μmのポリプロピレンフィルム(融点16
0〜170℃)を用い、基体温度を100℃とした他
は、実施例3と同様に膜形成を行った。時間20分で膜
厚703nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行
ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜である
ことがわかった。
【0031】実施例7 基体に、真空中で160℃で1時間の熱処理をおこなっ
た厚み100μmのポリフェニルスルフィドフィルム
(融点285℃)を用い、基体温度を140℃とした他
は、実施例3と同様に膜形成を行った。時間20分で膜
厚700nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行
ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜である
ことがわかった。
た厚み100μmのポリフェニルスルフィドフィルム
(融点285℃)を用い、基体温度を140℃とした他
は、実施例3と同様に膜形成を行った。時間20分で膜
厚700nmの膜を形成した。この膜のX線回折測定行
ったところ、(110)に優先配向した多結晶膜である
ことがわかった。
【0032】実施例8 膜堆積装置としては、電極面積が400cm2 並行平板
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.08Tor
rとし、ガス流量をSiH4 15sccm、SiH2 F
2 500sccmとした。超短波の周波数を110MH
zとし、出力50Wでプラズマを発生させた。基体に、
真空中で140℃で1時間の熱処理をおこなった厚み1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(融点
263℃)を用い、基体温度を120℃で、膜形成を行
った。時間15分で膜厚420nmの膜を形成した。こ
の膜のX線回折測定行ったところ、(110)に優先配
向した多結晶膜であることがわかった。
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.08Tor
rとし、ガス流量をSiH4 15sccm、SiH2 F
2 500sccmとした。超短波の周波数を110MH
zとし、出力50Wでプラズマを発生させた。基体に、
真空中で140℃で1時間の熱処理をおこなった厚み1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(融点
263℃)を用い、基体温度を120℃で、膜形成を行
った。時間15分で膜厚420nmの膜を形成した。こ
の膜のX線回折測定行ったところ、(110)に優先配
向した多結晶膜であることがわかった。
【0033】実施例9 膜堆積装置としては、電極面積が400cm2 並行平板
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.05Tor
rとし、ガス流量をSiH4 10sccm、SiHF3
350sccm、H2 150sccmとした。超短波の
周波数を130MHzとし、出力55Wでプラズマを発
生させた。基体に、真空中で140℃で1時間の熱処理
をおこなった厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(融点263℃)を用い、基体温度を12
0℃で、膜形成を行った。時間18分で膜厚513nm
の膜を形成した。この膜のX線回折測定行ったところ、
(110)に優先配向した多結晶膜であることがわかっ
た。
の容量結合型のプラズマCVD装置を用いた。電極基板
間距離を35mmとし、放電時の圧力を0.05Tor
rとし、ガス流量をSiH4 10sccm、SiHF3
350sccm、H2 150sccmとした。超短波の
周波数を130MHzとし、出力55Wでプラズマを発
生させた。基体に、真空中で140℃で1時間の熱処理
をおこなった厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(融点263℃)を用い、基体温度を12
0℃で、膜形成を行った。時間18分で膜厚513nm
の膜を形成した。この膜のX線回折測定行ったところ、
(110)に優先配向した多結晶膜であることがわかっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、融点の低い材料の上に
も、多結晶シリコン膜を作製できるので、安価な耐熱性
の低いプラスチック材料を基体として使用することがで
き、安価な太陽電池、薄膜トランジスタやイメージセン
サなどを提供することができる。また、耐熱性の高い基
体を用いる場合においても、基体の温度を低く保ちつつ
膜を形成することができるため、熱膨張率の差や熱収縮
などによる歪みや膜の剥離という問題を生じにくくする
ことができる。
も、多結晶シリコン膜を作製できるので、安価な耐熱性
の低いプラスチック材料を基体として使用することがで
き、安価な太陽電池、薄膜トランジスタやイメージセン
サなどを提供することができる。また、耐熱性の高い基
体を用いる場合においても、基体の温度を低く保ちつつ
膜を形成することができるため、熱膨張率の差や熱収縮
などによる歪みや膜の剥離という問題を生じにくくする
ことができる。
Claims (7)
- 【請求項1】可撓性基体上に形成されたことを特徴とす
る多結晶シリコン膜。 - 【請求項2】プラスチック基体上に形成されたことを特
徴とする多結晶シリコン膜。 - 【請求項3】融点が290℃以下の基体上に形成された
ことを特徴とする多結晶シリコン膜。 - 【請求項4】30MHz以上300MHz以下の周波数
の超短波を用いて、水素化シリコンガスを含む混合ガス
をプラズマ分解することにより、多結晶シリコン膜を形
成することを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。 - 【請求項5】290℃以下に保たれた基体上に多結晶シ
リコン膜を形成することを特徴とする請求項4記載の多
結晶シリコン膜の製造方法。 - 【請求項6】水素化シリコンガスを含むガスが、(A)
水素化シリコンガス単体、または(B)弗化シリコンガ
スおよび/または弗素ガスと、水素化シリコンガスとの
混合ガス、または(C)水素、ヘリウム、ネオン、アル
ゴン、キセノンの群から選ばれた少なくとも一種と、弗
化シリコンガスおよび/または弗素ガスと、水素化シリ
コンガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項4
または5記載の多結晶シリコン膜の製造方法。 - 【請求項7】超短波の周波数が、55MHz以上200
MHz以下であることを特徴とする請求項4〜6のいず
れかに記載の多結晶シリコン膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6951194A JPH0781919A (ja) | 1993-07-13 | 1994-04-07 | 多結晶シリコン膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-173240 | 1993-07-13 | ||
JP17324093 | 1993-07-13 | ||
JP6951194A JPH0781919A (ja) | 1993-07-13 | 1994-04-07 | 多結晶シリコン膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0781919A true JPH0781919A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=26410707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6951194A Pending JPH0781919A (ja) | 1993-07-13 | 1994-04-07 | 多結晶シリコン膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0781919A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5817550A (en) * | 1996-03-05 | 1998-10-06 | Regents Of The University Of California | Method for formation of thin film transistors on plastic substrates |
US7297414B2 (en) | 2003-09-30 | 2007-11-20 | Fujifilm Corporation | Gas barrier film and method for producing the same |
-
1994
- 1994-04-07 JP JP6951194A patent/JPH0781919A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5817550A (en) * | 1996-03-05 | 1998-10-06 | Regents Of The University Of California | Method for formation of thin film transistors on plastic substrates |
US7297414B2 (en) | 2003-09-30 | 2007-11-20 | Fujifilm Corporation | Gas barrier film and method for producing the same |
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