JPH078165A - ブランチング処理した緑色農産品の冷凍品の製造方法及び装置 - Google Patents

ブランチング処理した緑色農産品の冷凍品の製造方法及び装置

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JPH078165A
JPH078165A JP19157093A JP19157093A JPH078165A JP H078165 A JPH078165 A JP H078165A JP 19157093 A JP19157093 A JP 19157093A JP 19157093 A JP19157093 A JP 19157093A JP H078165 A JPH078165 A JP H078165A
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Tomohiko Yamakawa
智彦 山川
Toshiro Kurihara
俊郎 栗原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緑色農産品の採れたての旬のおいしさを保つ
加工冷凍品の製造方法及び装置を提供すること。 【構成】 緑色農産品を熱水処理による発色処理と蒸気
蒸煮による膨潤処理を併用してブランチング処理する。
上記ブランチング処理は、少なくとも発色帯域及び膨潤
帯域をもった円筒体、円筒体内に蒸気を供給する手段、
及び円筒体内で緑色農産品を移動する手段で構成された
ブランチング処理装置を用いて行う。緑色農産品はサヤ
エンドウ、サヤインゲン、エダマメ、ソラマメ、グリー
ンピース等の豆類、グリーンアスパラガス等の緑色で固
形の野菜である。 【効果】 ソフト感をもった状態でかつ新鮮さ、うま味
を逃すことなく緑色農産品の加工品の冷凍品を製造する
ことができる。熱水処理と蒸気蒸煮処理を単一の円筒体
内で行うことができるので、緑色農産品を効率的にブラ
ンチング処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブランチング処理した緑
色農産品の冷凍品の製造方法及び装置に関する。詳しく
は、本発明は緑色農産品を熱水処理による発色処理と蒸
気蒸煮による膨潤処理を併用するブランチング処理工程
を有することを特徴とするブランチング処理した緑色農
産品の冷凍品の製造方法、並びに、少なくとも、発色帯
域及び膨潤帯域をもった円筒体、円筒体内に蒸気を供給
する手段、及び円筒体内で緑色農産品を移動する手段で
構成されたブランチング処理装置を有することを特徴と
するブランチング処理した緑色農産品の冷凍品の製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】サヤインゲン、エダマメ、キヌサヤ、ソ
ラマメなどの緑色農産品は、加工品として流通する場
合、通常、良品の農産品を熱水処理による酵素失活を目
的とするブランチング処理をした後冷凍されて流通して
おり、食べるときは、加熱調理を必須としており食べる
のに手間がかかるのが普通である。緑色野菜は収穫した
直後出来る限り新鮮な状態で調理してすぐ食卓に乗せた
いと誰もが思う。そうした要求に答えるべく、生産地と
離れたどこへでも、季節を問わずいつでも、手軽に旬の
おいしさを届けることのできる形態として加工品の冷凍
品が注目されている。
【0003】しかし、緑色農産品の加工技術は茹でるだ
けと一見簡単なようであるが、冷凍保存の後食するとき
まで、採れたての旬のおいしさを保つ加工技術はまだ発
明されていない。その理想にいかに近づけるかでさえ非
常に困難な問題である。ソラマメを例に挙げると、ソラ
マメの熱度、品種、鮮度、取扱量などによって加工条件
は微妙に変化させなくてはならず、おいしく均一に仕上
げることが難しい。更に加工後比較的長期にする冷凍保
存の問題もあり、採れたての旬のおいしさを保つ加工技
術を一層難しくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、緑色農産品
の採れたての旬のおいしさを保つ加工冷凍品の製造方法
及び装置を提供することを目的とする。詳しくは本発明
は、緑色農産品をソフト感をもった状態でかつ新鮮さ、
うま味を逃すことなく加工品に仕上げ、さらにその加工
品をそのまま冷凍することにより、ソフト感、新鮮さ、
うま味を保持することができ、そして解凍後は加熱しな
くてもそのまま食することができる、そのような緑色農
産品の冷凍品を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0005】また本発明は緑色農産品を効率的に鮮やか
な緑色でおいしく仕上げることができる緑色農産品の冷
凍品の製造装置を提供することを目的とする。さらに本
発明は緑色農産品の種類、熟度、鮮度等によって変わる
処理条件に応じて最適の熱水処理、蒸気蒸煮処理の時
間、温度の設定が出来るような緑色農産品の冷凍品の製
造装置を提供することを目的とする。。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明で対象とする緑色
農産品はサヤエンドウ、サヤインゲン、エダマメ、ソラ
マメ、グリーンピース等の豆類、グリーンアスパラガ
ス、等の緑色で固形の野菜である。本発明の上記加工方
法は、緑色農産品を熱水中での短時間熱水処理による発
色工程と蒸気蒸煮による膨潤工程の組合せを採用する。
この各処理工程を採用することによって、ソフト感をも
った状態でかつ新鮮さ、うま味を逃すことなく緑色農産
品の加工品を仕上げることができる。その加工品はその
まま冷凍することができ、ソフト感、新鮮さ、うま味を
保持することができる。そして解凍後は加熱せずにその
まま食することができる。
【0007】エダマメを例にとって説明をする。エダマ
メの加熱の度合いは温度と時間の総和できまってくる。
加熱温度が高く、加熱時間が長いほど黄色味を帯び、色
調は悪くなる傾向にある。加熱温度が低くても加熱時間
が長くなれば色調は悪くなる。豆の固さ(食感)との兼
ね合いで必要最小限の加熱に留めることが肝要である。
加熱手段としては熱水中での短時間熱水処理と蒸気蒸煮
処理の組合せを採用する。
【0008】本発明の装置は、緑色農産品を円筒体内を
移動させることによって熱水処理による発色帯域と蒸気
蒸煮による膨潤帯域を通過させる装置である。例えば、
傾斜した二重円筒体の外円筒(1)は水封であり内円筒
(2)が多孔(12)または金網となっていて、内円筒
(2)の内部に螺旋輸送羽根(3)を設け、二重円筒体
の中央部に上記噴出口(5)を設け、外円筒(1)の下
端上部にホッパー(4)を設け、上端下部に排出口
(7)を、設けたことを特徴とする緑色農産品加工装置
(図1参照)が好ましい。また、本装置の材質はステン
レス材が好ましい。
【0009】
【実施例】本発明を実施例により説明する。本発明は実
施例によって何ら限定されない。 実施例1 円筒体内に投入されたサヤインゲンは蒸気凝結熱水中で
1分未満浸す。その後、円筒体の上端へと移動して、温
度95℃〜100℃の蒸気雰囲気中で2〜3分間蒸煮す
る。この様な処理後、サヤインゲンを排出口から装置外
に取り出した。サヤインゲンは鮮やかな緑色を呈し、柔
らかく煮上がっていた。
【0010】実施例2 収穫し集荷したエダマメを第1次選別し不要物を除く。
水洗いを繰り返し、2度目の選別を行う。選別し、塩水
濃度ボーメ15°で約3時間浸透したエダマメをネット
コンベアに乗せて、熱湯に1分未満くぐらせ、引き続き
スチームブランチングをする。蒸気蒸煮は温度95℃〜
100℃、2〜3分行い品温85℃〜90℃にする。こ
の時点ですぐに食べると塩味で風味がまざりあったうま
味がありおいしい状態である。
【0011】さらに、冷却水を通して、品温30℃〜3
5℃まで冷却する。振動コンベア上で均一にならし、冷
凍工程へ移送する。冷凍直後の製品はそのまま食べると
塩昧があり、解凍後ややかたいがそのまま食べられる。
第3次選別を行い、計量し1袋400g〜500gの量
で袋詰めする。解凍後エダマメを食べたところ、新鮮な
風味と塩味があり、ソフトな食感で良好であった。その
枝豆の塩分を測定したところ1%であった。又、その硬
度を錠剤硬度測定器で測定したところmax0.5k
g,min0.3kg平均値0.4kgであった。
【0012】実施例3 本発明の加工装置について図1を参照しながら説明す
る。外円筒(1)の内部に空間をおいて円筒周面に多数
の孔(12)を有する内円筒(2)を設けた二重構造と
なった円筒体を傾斜して設置する。円筒体の内部に内円
筒(2)の内面を摺動して旋回する螺旋状輸送羽根
(3)を設ける。
【0013】螺旋状輪送羽根(3)は円筒体の中心を通
るシャフト(10)に取り付いて一体となっている。シ
ャフト(10)と円筒体とは円筒体の端面の端板(1
4)でベアリング(11)を介して組合わさり、外円筒
(1)の外で旋状輸送羽根(3)を回転する為のチェン
ホイル(8)、プーリーなどの動力伝達部材がシャフト
(10)に取り付いている。動力伝達部材に動力を与え
る駆動モーター(9)は回転度を変化させることができ
る。
【0014】円筒体の外円筒(1)には下端上部に原料
を供給する為のホッパー(4)を設け、外円筒(1)の
下端下部には熱水の貯水量を調節する出水弁(13)を
設ける。また外筒の上端下部には原料排出口(7)を設
ける。円筒体の中央下部には蒸気を円筒体の内部に送り
込む為の蒸気噴出口(5)を複数設ける。蒸気の噴出量
は適宜に調節することが可能である。また、外円筒
(1)の中央上部には水を円筒体内部に送り込む為の噴
出口(6)を複数設け、噴出口(6)は外部の水道管に
連結している。外円筒(1)は水封となっているので、
円筒体の中央部から噴出した蒸気は凝結して熱水とな
り、傾斜した外円筒(1)の下端部に溜まるようになっ
ている。熱水は必要に応じて出水弁(13)から排出さ
れる。
【0015】緑色農産品はホッパー(4)から投入さ
れ、外円筒(1)の下端下部内に溜まった蒸気凝結熱水
中にとどまり、この間緑色農産品に鮮やかな緑色を呈す
るように熱水により発色処理を行う。続いて有孔内円筒
(2)内を螺旋輪送羽根(13)の回転によって上端へ
と移動し円筒体中央部で蒸気噴出口(15)から噴出す
る蒸気に晒す。有孔内円筒及び螺旋輸送羽根は蒸気が移
動中の緑色農産品と効率的に接触する任意の構造をと
る。この間緑色農産品を柔らかく煮る膨潤処理が行われ
る。緑色農産品はなおも内円筒(2)内を螺旋輸送羽根
(13)によって移動して排出口(7)から取り出され
る。
【0016】
【発明の効果】この方法によればソフト感をもった状態
でかつ新鮮さ、うま味を逃すことなく緑色農産品を加工
品に仕上げることができる。その加工品はそのまま冷凍
することができ、ソフト感、新鮮さ、うま味を保持する
ことができる。そして解凍後は加熱しなくてもそのまま
食することができる。熱水処理と蒸気蒸煮処理を併用し
ているので、緑色農産品を効率的に鮮やかな緑色でおい
しく仕上げることができる。
【0017】この装置によれば熱水処理と蒸気蒸煮処理
を単一の円筒体内で行うことができるので、緑色農産品
を効率的にブランチング処理することができる。また、
螺旋輸送羽根の回転数を変化させることによって、適度
に熱水処理、蒸気蒸煮処理の処理時間を変え、また、蒸
気の噴出量を調節することによって、サヤエンドウ、エ
ダマメ、サヤインゲン、ソラマメ等の緑色農産品豆の種
類及び豆の熟度、鮮度によって変わる処理条件に応じて
最適の熱水処理、蒸気蒸煮処理の時間、温度の設定が出
来るなどの効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑色農産品加工装置の一実施例を示
す。
【符号の説明】
1 外円筒 2 内円筒 3 螺旋状輪送羽根 4 ホッパー 5 蒸気噴出口 6 噴水口 7 排出口 8 チェンホイル 9 駆動モーター 10 シャフト 11 ベアリング 12 孔 13 出水弁 14 端板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑色農産品の発色工程及び膨潤工程から
    なるブランチング処理工程を有することを特徴とするブ
    ランチング処理した緑色農産品の冷凍品の製造方法。
  2. 【請求項2】 発色工程が熱水処理により、かつ、膨潤
    工程が蒸気蒸煮により行われる請求項1記載のブランチ
    ング処理した緑色農産品の冷凍品の製造方法。
  3. 【請求項3】 ブランチング処理工程が緑色農産品の円
    筒体内での移動により行われる請求項1または請求項2
    記載のブランチング処理した緑色農産品の冷凍品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも、発色帯域及び膨潤帯域をも
    った円筒体、円筒体内に蒸気を供給する手段、及び円筒
    体内で緑色農産品を移動する手段で構成されたブランチ
    ング処理装置を有することを特徴とするブランチング処
    理した緑色農産品の冷凍品の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    製造方法によって得られた緑色農産品の冷凍品。
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