JPH0780909B2 - 退行関連抗原およびそれに関する方法と組成物 - Google Patents

退行関連抗原およびそれに関する方法と組成物

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JPH0780909B2 JP62501631A JP50163187A JPH0780909B2 JP H0780909 B2 JPH0780909 B2 JP H0780909B2 JP 62501631 A JP62501631 A JP 62501631A JP 50163187 A JP50163187 A JP 50163187A JP H0780909 B2 JPH0780909 B2 JP H0780909B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は一般に腫瘍に関連する抗原とその使用に関し、
具体的には、退行関連抗原(RAA)、RAAを含む調製物、
および該抗原と調製物の使用に関する。
(従来の技術ならびに発明が解決しようとする問題点) 癌の診断および治療に対する一つの方法において、腫瘍
関連抗原に対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体の産生が関与する。報告されているほとんどす
べての症例において、腫瘍細胞成分に対する抗体を得る
ために使用された免疫原は、完全な腫瘍細胞または腫瘍
細胞から得た膜タンパク質である。
この分野におけるこれまでの研究としては、悪性腫瘍細
胞によって発現され、場合によっては、血流中に流入す
る腫瘍胎児抗原および血液型抗原の同定〔Springer,Sci
ence,224,1198(1984)〕がある。腫瘍細胞に関連する
抗原は、イムノブロッティング法によって同定すること
ができる。Du Bois等、J.Immunol.Methods63,7(198
3)。
特に、ヒトの乳癌細胞の表面と反応するモノクローナル
抗体は、転移癌病巣の膜濃縮画分を用いて産生し、かつ
特性を明らかにすることができる。Schlom等、Cancer
54(11 suppl.),2777-2794(1984)。あるモノクロー
ナル抗体は、ヒト乳癌の50%およびヒト結腸癌の80%に
見られる220,000から400,000ダルトンの高分子量の糖タ
ンパク質錯体と反応する。Scholm等の前出の文献。マウ
スモノクローナル抗体L6は、ガングリオシド抗原を認識
する。この抗原は、肺、乳房、結腸および卵巣等のほと
んどのヒト癌の細胞表面に発現するにもかかわらず、通
常細胞の表面には極微量しか存在しないため、この抗原
は特に興味深いものである。
Hellstrom等,Cancer Res.,46,3917-3923(1986)。
このように、卵巣、膵臓および腸悪性腫瘍を含むその他
のヒト癌細胞表面の腫瘍関連抗原と反応する一群のその
他のモノクローナル抗体を得ることができる。モノクロ
ーナル抗体および癌療法に関するUCLAシンポジウム会議
録,Reisfeld等編纂,Alan R. Liss,Inc.,New York,pp.3-
74,97-109および149-164(1985)を参照されたい。
これまでに開示されたモノクローナルおよびポリクロー
ナル抗腫瘍細胞抗体は、腫瘍特異抗体を産生するために
選択された試験動物において免疫応答を引き出すことが
できるヒト腫瘍細胞抗原の決定基に対するものである。
腫瘍が潜伏している患者、また特異的ないしは非特異的
な免疫刺激薬の処方を受けている患者が、これらの抗原
決定基に対する抗体を産生するかどうかは不明である。
したがって、このような抗体が患者の腫瘍の退行の仲介
に関連するか否かは明らかではない。動物が産生したこ
のような抗体を患者に受動輸送する試みでは乏しい成果
しか得られていない。Lowder等,Western J.Med.,143,8
10(1985)。
腫瘍の能動性免疫療法に対する臨床方法では、二つの細
菌細胞,マイコバクテリウムボーヴィス(Mycobacteriu
m bovis)(BCG菌株)およびコリネバクテリウムパルヴ
ム(Corynebacterium parvum)(C.parvum)の細胞壁成
分、あるいは『解毒された』細菌内毒素等の非特異刺激
剤を用いる患者自身の免疫系の全体的な刺激を行う。同
時に、インターロイキン2のような生物学的反応変更因
子を用いて、免疫系の活性化を誘発し、腫瘍細胞の破壊
を引き起こすこともできる。Mule等,J.Immunol., 135,6
46(1985)、およびRosenberg等,New Engl.J.Med.,31
3,1485(1985)。
能動性特異免疫療法と呼ばれる方法では、癌患者の免疫
感作は、同種異系の腫瘍細胞(別の患者の組織病理学的
に同様な腫瘍から採取した腫瘍細胞)から得た調製物を
用いて試みることができる。これは、特定の悪性細胞型
に存在する可能性がある独特の抗原構造に対して、患者
自身の免疫系を特異的に刺激するもので、それによって
腫瘍退行を誘発する可能性がある。Lachman等,Br.J.Ca
ncer51,415-417,(1985)およびWallack等,Surger
y96,791-800(1984)。能動性特異免疫療法はさら
に、自己(自発)腫瘍細胞(すなわち、同じ患者の腫瘍
から得た細胞)を皮内あるいは皮下に全身的に注入する
ことによって試みることができる。
Laucius等,癌,40,2091(1977)。
自己腫瘍細胞系あるいは異種腫瘍細胞系の種々の調製物
が能動性特異免疫療法に用いられてきた。Key等,Adv.I
mmunCancer Ther.,195-219(1985),Weisenburge
r等,J.Biol.Response Mod.,1,57-66(1982)およびKan
-Mitchell等,モノクローナル抗体および癌療法に関す
るUCLAシンポジウム会議録前出,523-536。これらの調
製物は、一般的に照射、機械的な破壊、あるいは凍結融
解サイクルを用いて、腫瘍細胞を成育不能とするよう処
理されている。その上で、これら調製物は、アジュバン
トと共に、あるいはアジュバンドを用いずに、免疫原と
して使用し、癌患者の免疫処置を目的として種々の経路
(皮内、皮下、筋内あるいはリンパ管内)で投与する。
これらの調製物については、毒性が比較的に少ないこと
が報告されており、多数の進行癌患者において有望な臨
床反応が得られている。
能動性特異免疫療法の試みの大きな限界の一つは、腫瘍
細胞調製物(一般に、照射された完全な細胞の懸濁液あ
るいは機械的に破壊された細胞溶解産物)の不確定な性
質にある。
組織培養された自己腫瘍細胞からの細胞や連続継代株化
細胞は、実験室培養で増殖する際に表現型に大きな変化
が起きることがある。調製物の予測効力を標準化する試
薬あるいは試験はこれまで無かった。膜タンパク質は完
全に照射された細胞から流出する可能性があり、また細
胞溶解産物中のタンパク質はタンパク分解酵素によって
変質する可能性がある。したがって、能動性特異免疫療
法の試みに使用される個々の異なる調製物は、同様なプ
ロセスならびに細胞型を使用するにもかかわらず、効能
が異なる可能性がある。さらに、最適な臨床効果を得る
ために免疫感作投与量ならびに免疫感作予定を調整する
のに必要な個々の患者の免疫応答をモニターする手段は
存在しない。これに加えて、治療を行う患者から適切な
腫瘍が得られないために自己腫瘍細胞調製物を用いるこ
とが実行不可能となることが頻繁に起きる。
多くの動物モデルから得た結果は、腫瘍退行を誘起する
ための能動性特異免疫感作に腫瘍細胞成分を使用するこ
とが有効であることを示している〔Key等,J.Biol.Resp
onse Mod.,359-365(1984)、およびSrivastava
等,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)83,3407-3411(198
6)〕。3-メチルコラントレン等の多環芳香族炭化水素
によってマウス中に誘起された腫瘍は、それぞれ特異な
腫瘍関連移植抗原を発現する。これらの抗原は、その同
系の宿主において免疫原性であり、それらの対応する腫
瘍に対してのみ移植免疫をもたらし、同じあるいは異な
る発癌物質によって誘導された独立した腫瘍、またはウ
ィルス起源の腫瘍に対しては移植免疫をもたらさない。
マウスの移植免疫は、まず腫瘍移植片の増殖した後に腫
瘍移植片を除去、あるいは照射腫瘍細胞、腫瘍細胞膜あ
るいは可溶化した抗原調製物を用いた免疫感作によって
誘起させることができる。
自己腫瘍細胞ワクチンを用いた臨床研究の結果は、BCG
等の強いアジュバントを腫瘍細胞懸濁液と共に用いた場
合には期待が持てるものである。Hoover等,Cancer Re
s.,44,1671-1676(1984)。アジュバントと共に、ある
いはアジュバントを用いずに、同種異系細胞を異なる経
路によって用いて免疫感作を行った患者の一部には、大
きな、しばしば劇的な臨床反応を示した。Weisenburge
r,J.Biol.Response Mod.,,57-66(1982)およびMitch
ell,モノクローナル抗体および癌療法に関するUCLAシン
ポジウム会議録前出,495-504。腫瘍細胞のある種の中
心的な抗原成分は、ヒトにおいて感染防御/退行抗体を
誘起することができるであろう。
能動性特異免疫療法の後のヒト腫瘍退行に関連する抗体
反応に関する知識が得られ、そしてこのような特異抗体
の誘起に関与する細胞下成分を同定することができるな
らば、癌免疫療法のための改良された能動性特異免疫原
の開発が可能となるはずである。したがって、下記のも
のを開発することが望まれる。
(i)関連する特異免疫原がさらに濃縮された調製物。
(ii)よりすぐれた細胞源を選択し、かつ異なる調製物
を有効に標準化することができるように調製物中の免疫
原を定量するための試薬。
(iii)これらの免疫原に対する患者の特異免疫応答を
モニターするための検定方法。
それによって、より良い臨床結果が得られるように医師
が療法プロトコルを調整することが可能となる。
(問題点を解決するための手段) 退行関連抗原は、能動性免疫感作が進行中でかつ腫瘍退
行反応を示している患者の体内に産生される退行関連抗
体(RAAb)との反応性に基づいて、同定することが可能
である。
本発明によるRAAbを検出する方法においては、退行状態
にないと診断された患者から第一血清試料の採取を行
い、さらにその後、退行状態にあると診断された後に患
者から第二血清試料の採取を行う。腫瘍性細胞のタンパ
ク質抽出物を各試料に暴露する。腫瘍性細胞成分と第二
血清試料中の抗体との間では免疫複合体が形成され、か
つ第一血清試料中の抗体とはこのような複合体が形成さ
れない場合は、第二試料中にRAAbが存在することを意味
する。
本発明によるRAAを精製する方法では、関連するRAAを持
つ(RAAbとの複合体形成によって判断する)腫瘍性細胞
を溶液成分に破壊し、この溶液の成分を画分に分離し、
さらにRAAbとの免疫複合体形成によってRAAを含有する
画分を同定する。本発明に従って精製および単離したRA
Aの分子量は、還元ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動による定量に基づくと、約
19000から約23000ダルトンの範囲内、あるいは約38000
から約45000ダルトンの範囲内、あるいは約65000から71
000ダルトンの範囲内である。望ましくは、上記の分子
量を有するこれらの退行関連抗原は、50mMNa3PO4(pH
7)におけるジエチルアミノエチル(DEAE)セファセル
(Sephacel)等の陽イオン交換樹脂あるいは200mMNa3PO
4(pH7)におけるヘパリンアガロース樹脂とは結合しな
い。さらに望ましくは、退行関連抗原は、還元SDS-PAGE
分析と続く銀染色法によって定量した場合に95%以上純
粋である。さらに本発明は、マイコプラズマヒオリニス
(Mycoplasma hyorhinis)に感染した可能性がある哺乳
類細胞系統のDNAによって暗号を決定された退行関連抗
原、およびマイコプラズマヒオリニスのDNAによってコ
ードを決定した退行関連抗原も網羅する。
本発明に従って免疫療法をおこなうことが可能であり、
それには、本発明によるRAA、本発明によるRAAの一個以
上の分子種を含有する腫瘍性細胞、あるいは前記腫瘍性
細胞から得た無細胞調製物(たとえば、粒状調製物ある
いは培養液に遊離したタンパク質)をリンパ液または血
液流体(すなわち、リンパまたは血液)中に、あるいは
患者の組織(例えば、筋内あいは皮下注射によって)に
導入する。免疫療法に対する患者の反応は、腫瘍に関連
する症状ならびに徴候によって、および患者のRAAbの循
環レベルの測定によってモニターすることができる。
さらに本発明は、RAAと特異な免疫反応性を示すモノク
ローナルあるいは単一特異性ポリクローナル抗体をも提
供する。
本発明による抗体は、基質に結合したRAAを、RAAbを含
有する溶液と接触させ、さらにRAAからRAAbを溶離する
ことによって、精製することができる。
本発明の一個以上のRAAに対するモノクローナルあるい
は単一特異性ポリクローナル抗体を投与して、直接的な
抗体依存性腫瘍細胞障害(ADCC)あるいは補体依存性腫
瘍細胞障害(CDCC)を起こすことが可能である。あるい
は、このような抗体は、毒素あるいは化学療法剤等の抗
癌剤、あるいは細胞増殖ならびに分化レギュレーター
(例えば、IL-1、TGF-β、TNF、IFN等)を含むが、これ
らに限定されるものではなく、生物活性成分と結合させ
て、患者の体液に導入させ、腫瘍細胞に対する薬剤と結
合した抗体の特異性によって活性成分を優先的に腫瘍細
胞に運ぶことができる。
本発明は、ヒト腫瘍細胞関連抗原の同定と、腫瘍細胞あ
るいは細胞抽出物を用いた能動性特異免疫療法を受けた
患者内に産生されるこのような抗原に対する抗体の特性
の確定に関する。
本明細書においてRAAと称する新規の抗原は、ヒト血清
から得られたRAAbを用いて、一群の新鮮なヒト腫瘍抽出
物および培養したヒト腫瘍細胞系統から検出した。
培養したヒト腫瘍細胞に関連する個々の抗原は、腫瘍細
胞に対して、あるいは腫瘍細胞から得た部分的に分画し
た抗原に対して、マウスあるいはその他の動物に産生す
る多数のモノクローナル抗体のスクリーニングによって
同定することができる。しかしながら、このような抗原
に対するほとんどの抗体は、腫瘍の進行または退行には
関係しない可能性があり、従って、そのような抗体によ
って検出された抗原は、能動性免疫原としての治療効力
を持つ可能性はまず無いものと思われる。さらに、マウ
スあるいはその他の動物において抗体反応を誘起するヒ
ト抗原決定基は、腫瘍に対するヒト免疫監視機構を誘発
させないかもしれない。
本発明では、特異抗体は、患者自身の腫瘍(自発性)か
ら得た細胞、あるいは組織病理学的に類似したタイプ
(同種異系)の腫瘍由来細胞の培養細胞をリンパ管内に
注入する能動性免疫感作の後に腫瘍退行を示している患
者の血清から検出された。本発明の抗体は、ある種のヒ
ト腫瘍細胞に関連するある種の抗原に対する特異な反応
性を有することを特徴とする。従って、これらの抗体
は、腫瘍細胞および組織中の特異抗原を同定するために
用いられている。本明細書においてRAAと称するこれら
の腫瘍関連抗原は、そのサイズ、異なる悪性腫瘍の退行
を示す患者のRAAbと反応能力、およびヒトの異なる種類
の癌から得た細胞中のこれらの抗原の有無および/また
は相対的な差異に基づいてさらに細かく分類することが
できる。
本発明によるRAAbは、照射された腫瘍細胞免疫原の投与
に応答して誘導され、かつ腫瘍塊の安定化あるいは退行
に関係する抗体である。
本発明によるRAAは、ヒト腫瘍細胞中に存在する抗原
で、RAAbの産生を誘導するものと推測され、そのためリ
ンパ管内経路を介して投与された腫瘍細胞に反応して腫
瘍退行を示している患者の血清中の抗体によって認識す
ることができるものを含む。
さらに本発明は、確立したヒト腫瘍細胞系、タンパク質
および無細胞組織抽出物およびこのような細胞および組
織の膜あるいは培地から得られた調製物等の前述のRAA
を含む調製物を得る方法に関する。RAAに対するポリク
ローナルあるいはモノクローナル抗体は、動物内で調製
することが可能であり、能動免疫性プロトコルを用いる
治療も含めて、治療、診断および治療の経過のモニタリ
ングに用いることができる。
(実施例) 実施例1:免疫治療後に評価可能な腫瘍退行を示している
患者の腫瘍細胞関連抗原に対する特異抗体 1(a)血清採取: 原発性部位から身体の別の場所に腫瘍が進行した状態
(転移)にあることが記録されている悪性腫瘍の患者、
または明らかに原発腫瘍塊が成長している患者から血清
試料を採取する。次に、患者に、参照として本明細書に
組み込んだJuillard等,Bull.Cancer66,217(1979)
に記載されたリンパ管内免疫療法を行う。前述の療法に
おいて、患者自身の腫瘍から採取した腫瘍細胞あるいは
参照として本明細書に組み込んだJuillard等,Bull.Can
cer41,2215(1978)およびWeisenburger等,J.Biol.R
esponse Mod.,57(1982)の記載に従って当該患者
と同じ種類の悪性腫瘍から得た培養された腫瘍由来細胞
の注入を行った。免疫感作に用いる悪性細胞の量および
患者に投与する前の洗浄および照射を含む前述の細胞の
処理方法は、Juillardと彼の共同研究者によって、Juil
lard等,Bull.Cancer41,2215-2225(1978)を含む出
版された報告書に記載されており、さらにBubbers等,B
ull.Cancer68,332-337(1981)にも述べられている。
免疫感作に用いる悪性細胞はしばしば、癌患者から単離
された腫瘍に由来する細胞として定義され、これら細胞
は、対応する正常組織から得た細胞とは異なる核型を持
つ可能性があり、また染色体異常を有する可能性があ
り、さらにこれら細胞は、培地中で増殖すると、変化し
た代謝特性および成長特性を示す可能性がある。これら
の変化した成長特性には下記の一つ以上のものが含まれ
る。
(a)足場依存性増殖の喪失および半固形培地中での塊
形成能力、 (b)無胸腺症のマウスにおいて充実した腫瘍を産生す
る能力、および (c)膜構造の変性で、腫瘍関連抗原の存在、を含み、 それらの例は文献に述べられており、かつ本発明に開示
される抗原とは別のものである。
Hood等,Immunology,Benjamin/Cummings Publishing C
o.,510-529,(1984)およびSell,モノクローナル抗体お
よび癌療法に関するUCLAシンポジウム会議録,前出,3-2
1(1985)を参照のこと。
上記のリンパ管内免疫療法を受けている患者の腫瘍退行
状態は、いくつかの判定基準を用いて腫瘍の状態を評価
することによって決定する。この評価プロセスは、容認
された臨床監視手順からなり、例えば、標準的な放射線
医学的評価、コンピュータ利用軸方向断層写真、磁気共
鳴イメージング、癌の種々の免疫学的標識の評価(例え
ば、腫瘍特異モノクローナル抗体によって検出される新
しく発見された抗原である癌胎児性抗原)、腫瘍特異酵
素およびホルモン受容体の検出、ならびに癌患者の臨床
管理に使用されているその他の標準的な検査室試験があ
る。さらに、腫瘍結節の触診(可能な部位であれば)を
含む慎重な身体検査を実施する。
免疫療法を行う前に進行していた腫瘍の安定化(すなわ
ち、3ケ月の間に腫瘍の寸法に何らかの客観的な変化が
検出されないこと)、あるいは50%を下回る腫瘍サイズ
の縮小およびそれに伴う自覚的な改善あるいは現状維持
が観察された場合には、部分的な腫瘍の退行と診断され
る。このような腫瘍増殖の安定化は、治療に用いた照射
済悪性細胞中の免疫原に対する遅発性過敏症の発生と関
連し、細胞調製物の皮下および皮内皮膚試験によって評
価を行う。
成功した腫瘍退行反応は、腫瘍塊の客観的に測定可能な
寸法の低減(すなわち、少なくとも50%)によって定め
る。腫瘍塊は、腫瘍が身体表面の近くにあって直接に触
知可能な場合には直接測定、放射線学的測定、および上
記判定基準の付加的な評価によって行う。
血清試料は、免疫療法を開始する前と、開始後の様々な
時点において患者から採取する。腫瘍の状態は上記した
方法で評価する。免疫療法養生を実施中でかつ腫瘍の退
行反応を示している患者から採取した血清試料は、各患
者が免疫療法の開始前ないしは退行状態を示す前に採取
した血清試料と共に試験する。
1(b)ヒト腫瘍細胞系統: 下記したヒト腫瘍細胞系統は、メリーランド州Rockvill
eに所在するAmerican Type Culture Collection(ATC
C)から入手したものであり、ATCCの推奨事項に従って
増殖したところ、下記の項目1(d)に示すウェスター
ン・イムノブロッティング法を用いることによって、RA
Aを発現することを確認した。A375黒色腫細胞(ATCC N
O.CRL 1619)、LoVo結腸腺癌細胞(ATCC NO.CCL229)、
A549肺腺癌細胞(ATCC NO.CLL 185)、およびSW480結腸
腺癌細胞(ATCC NO.CCL228)。以後本明細書において
は、A375細胞に対するすべての言及は、上記したA375細
胞のING-A変異体を意味するものと解すべきであり、こ
の変異体は、12301 Parklawn Drive,Rockville,Marylan
d 20852に所在するAmerican Type Culture Collection
に、1987年2月12日にATCC NO.CRL 9321として寄託され
ている。さらに、本発明でいう腫瘍細胞中にRAAを検出
する方法は、その他の種々のヒト腫瘍由来細胞系にRAAs
が存在していることを実証した。前述の細胞系として
は、例えば、University of California at Los Angele
sのG.Juillard博士が保有しているある種の細胞系、す
なわち、69-2あるいはWRO 82-1、CAL-27およびCAL-33
(扁皮上皮癌)、69-3あるいはCAL-2およびFR084-1(卵
巣腺癌)、BR081-1およびRR081-1(腎細胞癌)およびSR
084-1およびHR084-1(前立腺癌)、100P3、CR081-6、CR
081-8(肺癌)、MR081-1、MR084-1(腺様襄胞癌)、M
7、M6、M14、M20、M78、CR081-5、RR081-3、ER081-1、W
R081-1(黒色腫)、DR081-1、WR082-1、AR081-1(甲状
腺癌)がある。これらの細胞系は、それぞれの腫瘍から
採取した組織検体を用いて従来の技法によって確立した
ものであり、その後に標準的なヒト細胞培養条件の下で
幾つかの継代培養を行ったところ、観察可能な細胞学的
変化を示さずに50あるいはそれ以上の継代増殖が得られ
た。各々の細胞培養試料を、微生物培養、細胞学あるい
は電子顕微鏡検査によってウィルスあるいは微生物によ
る汚染について評価したところ、マイコプラズマヒオリ
ニスについては確認できる微生物が存在しないことがわ
かった(New Jersey,Camdenに所在するCoriell Institu
teによって判定を受けた)。
哺乳類細胞系統が、マイコプラズマに感染すると細胞代
謝および機能が変化することが知られている。Van Digg
elen等,Exp.Cell Res.106,191(1977),およびVan
Diggelen等,Cancer Res., 37,2680(1977)。さらに、
マイコプラズマは哺乳類細胞の表面に強固に付着する傾
向があり、洗浄した細胞から得た可溶性および粒状抽出
物中にも存在する。Butler等,Infect.Immun.,42,1136
(1983)。A375黒色腫細胞系統(ING-A)および前述し
たその他の全てのRAA陽性細胞系にもM.ヒオリニスの存
在する疑いがあるので、この微生物がRAAの産生に、M.
ヒオリニスゲノムのためにコードされる形、あるいは宿
主ヒト腫瘍細胞中のRAAの発現を誘起する形で関与する
可能性があるため、試験対象とする価値がある。
INGENEにおいて、転移卵巣腺癌を患い、かつ鼠径リンパ
節が関連している64歳の白人女性から2つの細胞系を確
立した。第1の細胞系統ING 69-1は、鼠径リンパ節の1
グラムの外科的生検体から確立した。無菌ハサミを用い
て検体を細分し、ガーゼのメッシュを通した後、コラゲ
ナーゼと共に37℃において1時間培養し、次にトリプシ
ンと共に37℃においてさらに30分間培養した。腫瘍細胞
懸濁物を細胞培地ですすぎ、RPMI 1640培地(上記)で
平板培養し、継代培養を行って、この患者の能動性免疫
感作を行うのに十分な数の細胞を得た〔Weisenburger
等,J.Biol.Response Mod.,57-66(1982)〕。ING
69-1を確立してから約9ケ月後に、この患者は腹部転移
卵巣腫瘍塊の外科摘出を受け、ING 69-11細胞培養が、
この患者の腹水中の腫瘍細胞から確立された。
1(c)全細胞あるいは組織抽出物の調製: 集密的細胞培養あるいは新鮮な細分化組織生検体から得
た正常細胞あるいは悪性細胞をリン酸緩衝溶液によって
2度すすぎ,次に Sen等,Proc.Nat′l Acad.Sci.(US
A)80,1246-1250(1983)の手順に従ってイオン性界面
活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物を用いて、
あるいは細胞膜からタンパク質を優先的に抽出する非イ
オン性界面活性剤緩衝液〔10mMトリス塩酸、pH7.5、1mM
EDTA、2.5mM EGTA、10mM NaMoO4、12mMモノチオグリセ
ロール、10%グリセロール、40μg/mlロイペプチン(Si
gma Chemical Company,St.Louis,Missouri)および0.2
%トリトンX-100(登録商標)〕のみを用いて抽出し
た。不溶性物質は10,000×gの遠心分離によって除去
し、上澄み液のみを残した。10〜20μgの細胞タンパク
質を含む上清画分に対し、基本的にLaemmli,Nature,22
7,680-685(1970)に記載された手順によって、還元ド
デシル硫酸ナトリウム‐ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS-PAGE)を行った。
1(d)イムノブロッティング: 個々のRAAの検出は、ウエスタンイムノブロッティング
手法によって行った。この方法では、患者の抗体RAAb
が、特異抗原を検出するプローブとして機能する。腫瘍
退行を示している一群の患者の抗体を用いて、種々の正
常細胞および腫瘍細胞から得たタンパク質のスクリーニ
ングによって、腫瘍の退行が起きている患者の体内にRA
Abによって検出される抗原の分子特性を、同定すること
が可能となる。これらの抗原は、腫瘍退行と関連する抗
体であるRAAbの産生を誘起することになる。
イムノブロッティング手順は、本明細書に参照として組
み込んだ、Towbin等,Proc.Nat′l Acad.Sci(USA), 7
6,4350(1979)に記載された下記の工程からなる。典型
的なウエスタンムイノブロッティング手順においては、
全細胞タンパク質抽出物あるいは細胞下画分に、還元ド
デシル硫酸ナトリウム‐ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS-PAGE)を行う。タンパク質は、そのタンパク質
がRAAであるかもしれないが、電気溶離によってニトロ
セルロースフィルターに移行され、その後に前述のフィ
ルターは適切に希釈した試験血清あるいは抗体調製物と
共に培養される。フィルターを抗体とともに培養し、RA
Abを含むフィルターを、入念に洗浄した後、スタフィロ
コッカスアウレウス(Staphylococcusaureus)のI125
標識した(抗体分子のFc領域に特異的に結合する)タン
パク質Aと共に培養し、結合しないタンパク質Aを除去
するために洗浄し、そして、オートラジオグラフィーを
行うためにX-線フィルムに暴露する。各放射性バンド
は、試験血清の抗体と免疫複合物を形成したタンパク質
種の位置を表す。
1(e)患者、療法、および抗体反応: ある患者の独立血清試料の評価: 前述した患者を含む3人の異なる患者の免疫前血清、免
疫療法の開始後の様々な時点ならびに腫瘍退行が顕著に
なった時点に採取された血清試料(免疫後血清)、およ
び免疫後血清を用いて、イムノブロッティングを実施し
た。すべての患者は、彼等自身の腫瘍から確立された細
胞系、そして他の患者の関連腫瘍から確立されたその他
の培養細胞を用いて、リンパ管内免疫療法を受けた。分
子量が約70,000ダルトンから43,000ダルトンの抗原は、
これら3人の患者の免疫後血清を用いることによって、
卵巣由来悪性細胞から得たタンパク質調製物の中に容易
に検出されたが、同じ患者の免疫前血清を用いた場合に
は有意な免疫反応は観察されなかった。これら患者の免
疫後血清は、正常な乳房および卵巣から得たものを含め
て種々の正常なヒト組織あるいは培養細胞抽出物内の抗
原種とは反応しなかった。
患者A(卵巣癌)の免疫後血清および腹水を用いたイム
ノブロッティング研究の結果は、血清および腹水の双方
に、幾つかの異なる卵巣および非卵巣腫瘍細胞系に存在
する70kd抗原バンドおよび38kdから40kdと43kdから45kd
の二つの抗原バンドとの反応性によって検出される適合
抗原が存在することを示した。第1図は、二人の免疫感
作を受けた患者(Pt-1およびPt-2)およびA375(ING-
A)細胞から得た粒子画分を用いた免疫感作を行ったラ
ビット(♯209)の1:1000倍希釈血清を用いたイムノブ
ロットを示す。すべての血清はA375-ING-A細胞の粒子画
分(ラベル1のレーン)あるいは馴らし培地(ラベル2
のレーン)に対して試験した。この試験の免疫複合物形
成パターンは、腫瘍が退行しつつある患者の血清に典型
的に観察されるものを示している。このイムノブロット
・データから、約43kdであると暫定的に同定された抗原
は、分子量が38kdから40kd(『38kd』抗原)および43kd
から45kd(『43kd』抗原)の少なくとも二つのものを含
むことが明らかとなった。上記の分子量は、高分解能を
持つSDS-PAGEシステムによって得られたものである。こ
れらの抗原種は双方とも、主要な組織適合抗原(HLA-AB
C)とは大きく異なっているように思われる。相違点
は、還元SDS-PAGE中における前述の抗原種の移動度が、
エンドグリコシダーゼHおよびFによる処理を、HLA-AB
Cの炭水化物成分がこれらの酵素によって分解される
(抗原バンドの位置を確認するためにHLA-ABCに特異な
モノクローナル抗体を用いるこれらの抗原のイムノブロ
ットによって観ることができる)条件において受けて
も、影響されないことにある。70kd、43kdおよび38kd抗
原もすべて、二次元ゲル電気泳動においてHLA-ABCと区
別することができる。二つの別々の前立腺癌から確立さ
れた二つの照射済培養細胞SR084-1およびHR084-1のリン
パ管注入を受けた転移前立腺癌患者は、HR084-1細胞系
列を得た前立腺腫瘍のもとの細胞懸濁物中の38kdおよび
43kd抗原と反応する抗体を産生した。これらの抗原もSR
084-1培養細胞中に検出された。この患者の免疫療法に
伴って、免疫感作の開始後の最初の二週間にて、血清酸
性ホスファターゼレベルの測定値が劇的に低下した。
43kdおよび70kd抗原種も、幾人かの患者の免疫後血清に
よって、ある種の新鮮な腫瘍抽出物中にて検出された。
これらの研究に用いた試験抽出物は、非ホジキンリンパ
腫および乳癌から得られた。転移腎臓癌患者の血清試料
を、同種異系腎臓癌細胞系の混合物を用いてリンパ管内
免疫感作を行う前後に採取した。この患者の免疫前血清
は、43kd抗原領域において、試験した二つの抽出物のい
ずれともほとんど反応しなかった。これとは対照的に、
この患者の免疫後血清は、リンパ腫抽出物中の特異的な
43kdバンドと反応した。これに加えて、ヒト偏平上皮細
胞癌培養物(69-2)を用いて免疫感作させたイヌも、ヒ
トカポジ肉腫抽出物の68kdから70kd範囲の抗原と特異的
に反応する抗体を産生した。患者およびイヌの免疫前血
清は、カポジ肉腫抽出物とは反応しなかった。
基本的に上記した手法を用いることによって、多数の腫
瘍退行を示す患者から得た血清試料中の抗体は、免疫感
作に用いた腫瘍細胞調製物をも含む様々な腫瘍細胞中
に、見かけ分子量が約68,000ダルトン、約43,000ダルト
ン(下記を参照のこと)、および約20,000ダルトンの3
つの主なRAAの分子グループの一つ以上のものを検出し
た。免疫療法の開始前に採取した血清中の抗体は、これ
らの3つのRAAのいずれも検出することができなかっ
た。
さらに、これらの新規な抗原の特性を明らかにするため
に、ヒト腫瘍細胞から得た細胞粒状画分を開始材料とし
てこれらを部分的に精製した。A375黒色腫細胞のING-A
変異体の抽出、硫安分画、およびRAAbをセファロースに
結合して行うアフィニティークロマトグラフィーの後
に、38kd、43kdおよび70kd抗原は、高性能液体クロマト
グラフィー(HPLC)を用いたアセトニトリルグラディエ
ント(連続的に組成を変えて、クロマトグラフィーに用
いる溶離液)中で共に溶離することが判明した。第2図
は、これらの抗原の溶離をC-8逆相HPLCカラムからの1
つの主要なピークとして示す(このピークは6番として
ラベル付けされており、プール1から9までの抗原種の
イムノブロット分析値と、カラムプロフィールの下方に
示したHPLCプールとの対応を示す番号と符合させてい
る)。
RAAのおよそのサイズは専ら、還元SDS-PAGEにおける、
検出された各RAAの相対的な移動度に基づくものであ
り、比較対照としたのは、メリーランド州ベセスダに所
在するBethesda Research Laboratories Inc.,あるいは
マサチューセッツ州ニュートン・センターに所在するDi
versified Biotechから市販されている染色された分子
量サイズマーカーである。分子量を68,000ダルトン(68
kd)と定めた一つのRAAは、65,000から71,000ダルトン
のサイズ範囲内で移動した。
他のRAAは、41,000から45,000ダルトンの範囲内のサイ
ズが約43,000ダルトン(43kd)の単一タンパク質バン
ド、あるいは、イムノブロットにて観ることができる二
つの検出可能なバンドを含んだ二重項からなる場合が多
い。第3のタイプは、19,000から23,000ダルトンの範囲
内の分子質量約20,000ダルトン(20kd)の抗原である。
RAAは通常は、様々なヒト悪性腫、例えば卵巣癌、甲状
腺癌、悪性黒色腫、前立腺癌、上皮性癌、偏平上皮癌お
よびその他のある種の退行を示す患者の血清の200倍か
ら2000倍の希釈液を用いて、ヒト腫瘍組織および細胞抽
出物から得た10から20μgの全タンパク質調製物にて検
出された。
表1は、診断された転移癌がリンパ管内免疫療法を受け
た後に評価可能な退行を示している5人の患者の血清か
ら得られた結果を要約したものである。5人の患者のそ
れぞれから(退行中に)採取した血清試料は、一つ以上
の腫瘍組織抽出物(文字記号を付したもの)あるいは様
々なヒト腫瘍の確立した初代細胞培養の抽出物にイムノ
ブロッティングを行うために用いた。各患者の血清試料
によって試験した試料は、各患者番号の下に挙げてあ
る。初代細胞懸濁液あるいは確立した培養細胞の一部
は、リンパ管内免疫療法に使用されており、従って、そ
れらが腫瘍の退行を誘起する能力も試験された。これら
の結果は、第2欄に示したILI状態として下記のように
要約されている。
Rg+:細胞系がILI患者に腫瘍退行を誘起したことを示
す。
Rg-:細胞系がILI患者に腫瘍退行を誘起できなかったこ
とを示す。
NT:細胞系統が試験されなかったことを示す。
この表において説明した3つのRAAのそれぞれについ
て、『+』は、20マイクログラム以下の全細胞タンパク
質中に存在する抗原と反応する血清抗体を用いた標準イ
ムノブロットアッセイにおいて容易に検出された信号を
示す。これらの研究のすべてにおいて、診断が確定した
患者の血清の200倍以上の希釈液が用いられた。表1に
おいて、患者♯1は悪性黒色腫を患っており、患者♯2
は卵巣癌がある。患者♯3は食道の偏平上皮癌を患って
おり、患者♯4は前立腺癌である。そして、患者♯5は
甲状腺癌である。
表1に示した患者全員に対して免疫療法前の血清を用い
て実施されたイムノブロッティング分析は、各RAAのい
ずれかと反応する抗体の存在を検出することができなか
った。評価を行った幾つかのその他の症例においては、
悪性黒色腫の患者2人を除いて、免疫療法前の血清を用
いて実施されたイムノブロッティング分析の結果は、約
68kd、約43kd、あるいは約20kdの放射性バンドを明らか
にすることができないことから、療法を受ける前の癌患
者のほとんどは本発明のRAAに対する抗体を持たないこ
とを示唆している。リンパ管内免疫療法を受ける前の黒
色腫患者2人において38kdおよび43kd RAAに対する抗体
が検出されたことは、既に知られている黒色腫が時折自
発的な退行を行い、さらに能動性免疫感作無しに前述の
抗体を産生する患者の能力によって、前述の退行を媒介
する能力が働いたことを示していることも考えられる。
表1に示したRAAの分子量決定は、高さ7.5cmの10%SDS-
ポリアクリルアミド分解能ゲルを用いた『ミニ』SDS-PA
GEを用いて行われた。『ミニ』SDS-PAGEを分子量標準を
用いて較正した結果、RAAの推定基本サイズは、68,000
ダルトン、43,000ダルトン、および20,000ダルトンであ
ったが、これらのゲルにおいては43,000ダルトン近くの
二重頃はしばしば分離能が低かった。さらに長い〔14c
m〕10%SDS-ポリアクリルアミドゲル(第1図で用いた
もの)の高分解能を用いて、さらに精密な分子量推定が
なされた。分子量が12kdおよび95kdの間の中間域分子量
マーカーを用いて較正された前述のゲルは、大きなRAA
の分子量の推定値が、68,000ダルトンではなく70,000ダ
ルトンであることを示し、さらに43,000ダルトン二重項
をはっきりと2つの種、すなわち、43,000ダルトン(42
kd)および38,000ダルトン(38kd)に分解した。この高
い分解能を持つSDS-PAGEを用いた結果、表1において患
者No.1、No.2およびNo.4について確認された43kd RAAは
大量の38kd RAAを含むことが示された。
免疫療法は受けたものの、臨床反応が見られなかった患
者(すなわち、放射線学的分析あるいは直接的な身体検
査を含む臨床判定基準によると悪性状態の進行が継続し
ていると判断された者)に関する追加的な研究では、結
果は免疫療法前の患者の血清を用いた場合のものと似て
いた。幾つかの異なるタイプの悪性腫瘍を患っている反
応を示さない多くの患者の血清を、リンパ管内免疫療法
の開始以降の様々な時点で採取して評価したが、これら
の血清はすべて、試験した腫瘍組織および腫瘍細胞系の
抽出物中の上述のRAAのいずれとも反応しなかった。
患者から採取した血清を用いてRAAを含む腫瘍細胞抽出
物のイムノブロッティングを行う簡単な方法は、本発明
の実験結果が実証しているように、腫瘍細胞関連抗体に
対する特異的な免疫反応に関して、免疫療法プロトコル
の成功をモニターすることを可能とするものである。モ
ニタリングは、(下記のように標準イムノブロット手順
においてRAAを検出することができる最大血清希釈度と
して定義される)RAAb力価および(血清試料によって認
識される特異抗原の見かけの分子量として定義される)
RAAb特異性を調べることによって実施できる。
腫瘍細胞関連成分に対する抗体が、照射済ヒト腫瘍細胞
系を用いてリンパ管内経路免疫感作を受けた患者に産生
された。
これらの抗体は、様々な癌の能動性特異免疫療法のため
の適切な腫瘍細胞あるいは細胞下成分の特性把握に役立
つ可能性がある。同定された前述の抗体は下記の通りで
ある。
1(f)多数の患者における抗体反応のスクリーニン
グ: 50人以上の癌患者が、上記した手順に従って、自己ヒト
腫瘍細胞および同種異系ヒト腫瘍細胞の混合物のリンパ
管内投与による治療を受けた。表2は、癌のタイプ、投
与された細胞系、免疫療法後の患者の血清によって検出
された抗原、および患者の臨床効果に関する患者の詳細
なデータである。
免疫療法を受けた相当数の患者に観察された細胞抗原に
は、分子量が70kd、43kdおよび38kdの膜抗原が含まれて
いた。
前述の分子量決定には高分解能のSDS-PAGEを用いた。様
々な細胞局在化部位のその他の幾つかの抗原が孤立症例
において確認されており、表2に示した。
表2の記号の意味は、〔+=緩解、0=安定、−=進
行、そして?=不明〕である。照射済腫瘍細胞105個の
皮内注射を行った後、24時間後および49時間後に遅延性
過敏症皮膚試験を行った。S=小(硬結および紅斑の直
径:5〜10mm)、M=中(硬結および紅斑の直径:10〜25m
m)、N=陰性。
腫瘍の名称は下記の通り。ov=卵巣、Sq=偏平上皮細
胞、ENT=頭部および頸部、pan=膵臓、AdLu=肺の腺
癌、mel=黒色腫、thy=甲状腺。抗原は、それらのキロ
ダルトン数に対応する数字で示す。
抗原数字に文字『c』が続く場合には、同定された抗原
の局在化部位は細胞形質である(例えば、70c)。抗原
数字に文字『n』が続く場合には、同定された抗原の局
在化部位は核である(例えば、43n)。数値のみが示さ
れる場合には(例えば、43)、抗原は腫瘍細胞膜に局在
化される。
『細胞系』は、免疫感作に使用されたヒト腫瘍細胞系で
ある。細胞系は、文字および数字コードを付してあり、
新鮮な自己由来腫瘍生検体から調製された細胞懸濁液は
RTHのみ、あるいは臨床反応が評価できなかったことを
意味する数字が続くRTHが付してある。少数の患者は、7
0kd抗原との反応に加えて、68kd抗原との反応性を示
す。この68kd抗原については、腫瘍退行とは直接の関連
は、未だ確認されていない。
表2に示したように、腫瘍が進行した患者の大半は、主
にA375黒色腫細胞および69-2細胞(食道の偏平上皮癌)
の抽出物に存在する38kd、43kdおよび70kd抗原に対する
抗体反応を誘起することができなかった。
リンパ管内免疫療法(ILI)後の典型的な免疫反応にお
いて、分子量が約70kdおよび43kdの腫瘍細胞関連抗原
は、第2表の23番および52番の患者から得た免疫後血清
を用いて、卵巣由来の悪性細胞中に容易に検出された。
同じ患者の免疫前血清を用いた場合には、有意な免疫反
応性は観察されなかった。
これらの抗原は、ウエスタンイムノブロットによって検
定したところ、A375細胞溶解産物の粒子画分に存在し
た。
評価可能な反応を示した患者の大半は、分子量が38kd、
43kdおよび70kdの粒子関連抗原に対する抗体を産生し
た。しかしながら、幾つかの症例においては、良好な臨
床反応をこれら抗体の出現と相関させることができなか
った。
表2に示すように、その他の細胞と共にA375細胞の処方
を受けた患者12人の内の8人は療法に反応した。患者2
人において腫瘍は進行し、他の2人には臨床反応を確認
することができなかった。陽性反応を示した8人のう
ち、7人は分子量が約38kd、43kdおよび70kdの粒子状抗
原に対する抗体を産生した。反応を示さなかった者ある
いは状態が明確に確定できない者は、誰も膜抗原に対す
る抗体を産生しなかった。
15人の患者は、その他の細胞とともに69-2細胞を用いた
治療を受けた。これらの患者のうち、5人だけが陽性の
臨床反応を示し、5人は治療に反応せず、さらに残りの
5人の患者については臨床状態を確認することができな
かった。5人の陽性反応を示した者のうちの4人は、38
kd、43kdおよび70kdの膜抗原に対する抗体を産生した。
その他の患者の大半は膜抗原に対する抗体を産生しなか
った。
1(g)抗体反応および臨床結果: リンパ管内免疫療法を受けた50人以上の患者から得たRA
Abの特異性および力価の決定は、本発明のRAAの一つ以
上のに対する抗体の産生と腫瘍の退行ないしは安定化と
の相関をモニターするのに役立った。
表3および表4は、表2に示した患者のRAAb(抗退行抗
体)の増大と臨床的に評価可能な退行ないしは安定化の
関連を示すデータを要約したものである。
1(h)黒色腫細胞溶解産物を用いて皮下経由免疫感作
した黒色腫患者中のRAAbの同定 2人の女性患者の黒色腫組織から得た2つの細胞培養
を、無血清培地で4日間にわたる最後の継代の後に混合
した。4℃にて、ポッター−エルベージェムホモジナイ
ザーを用いて機械的な溶解産物を調製し、溶解産物は既
知の濃度の腫瘍細胞当量に希釈した(すなわち、細胞の
解離の前の完全な細胞の数に相当する溶解産物の量、通
常は1ml当たり107〜108細胞当量である)。
溶解産物ワクチンの第1のバッチはMAC-1と称され、広
範な黒色腫がある最初の8人の患者の治療に使用され
た。ある試験の結果によると、このMAC-1細胞はマイコ
プラズマヒオリニスによって汚染されていたようであ
る。培養黒色腫のさらに後の継代のものを用いて非常に
似通った仕方で調製した別のバッチはMAC-3と称され、
本研究の残りの患者の治療に使用された。MAC-3はマイ
コプラズマヒオリニスによっては汚染されていないと思
われる。黒色腫細胞溶解産物を、DETOX(登録商標)
(モンタナ州、ハミルトンに所在するRibi Immunochem
Research,Inc.から入手した、主にモノフォスフォリル
脂質Aからなる解毒画分マイコバクテリア)と呼ばれる
試験的なアジュバントとともに患者に皮下投与した。
このアジュバントは免疫刺激活性があることが知られて
おり、従って、黒色腫患者に見られた臨床反応は、能動
性免疫感作プロセスに加えて、少なくとも部分的にはア
ジュバント効果(非特異的)によるものかもしれない。
MAC-1を処方した患者(患者♯1から♯8まで、結果は
表5に示す)およびMAC-3を処方した患者(患者♯9か
ら♯15まで)から得た免疫後血清を用いてイムノブロッ
トし、3つの異なる抗原調製物のスクリーニングをし
た。各抽出物の下に、各患者血清によって検出された抗
原の分子質量をキロダルトンで示す。臨床反応は下記の
ように示す。+=広範な退行。0=安定化または部分的
な退行。−=進行。?=評価不能。
下記の表5に示すように、MAC-1を投与された8人の患
者のうちの6人は、主に38kd、43kdおよび70kd RAAに対
する抗体を産生し、これらの患者の内の2人は腫瘍退行
を示した。
さらに別の患者(♯5)は、その後にインターロイキン
2による治療を受けた時点で退行を示した。MAC-3で免
疫感作を受けた患者は誰も、RAAの何れかと反応する抗
体を産生しなかったが、患者♯10および♯11には単一の
抗原バンドに対する微かな反応が見られた。このような
弱い反応性は、これらの患者の免疫感作前の血清によっ
ても検出可能であることに注意されたい。数人の患者に
みられた良好な臨床反応はアジュバントによるものであ
る可能性がある。なぜなら、これらの反応は一般に免疫
療法の開始から数日後あるいは数週間後に見られたから
である。この期間は特異RAAの産生に通常必要な期間よ
りも短い。
第3図は、3人の異なる(表2の反応者から選択した)
ILI患者のRAAbをMAC-1あるいはMAC-3抽出物中の抗原と
反応させた3つのイムノブロットを示す。各抗血清に観
察された主な反応性は、MAC-1の38kdおよび43kd RAAだ
けであった。左側の分子量(MW)マーカーは、抗血清A
を用いたウエスタンブロットに使用された。抗血清Bお
よびCを用いた2つのウエスタンブロット(MAC-3,MAC-
1)は、右側のもの(Cの近く)をMW基準とする。
これらの結果は、患者No.2の免疫後血清中の抗体の、IN
G-A細胞の43kd、38kdおよび70kdのRAAとの反応性を示す
第1図と比較することができる。この患者は、MAC-1溶
解産物調製物による皮下免疫感作に臨床反応を示した。
MAC-1溶解産物を調製するのに用いたプロトコルに従っ
て、ING-A細胞溶解産物を調製すると、RAAは10,000×
g、15分間の遠心分離によってペレットとして得られた
不溶性画分に局在化される。可溶性上清は、イムノブロ
ット分析によるとRAAが存在しない。
実施例2:RAAの特性把握 2(a)SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるサ
イズ: 本発明の個々のRAAは、サイズおよび免疫学的な特性に
基づき、互いに区別することができるだけでなく、腫瘍
および腫瘍から得た細胞に関連するその他の抗原とも区
別することができる。癌胎児性抗原(CEA)は、RAAのい
ずれよりも相当大きく、既存のマウスモノクローナル抗
体と同じものであると考えられるいくつかの抗原決定基
も同様である。ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)は
二つのサブユニットからなり、これらサブユニットはい
ずれも還元SDS-PAGE系に記録されるRAAと区別すること
ができる(HCGのβサブユニットはサイズが35kdであ
り、そのαサブユニットはサイズが16kdである〔Pierce
等,Ann.Rev.Biochem.50,465-495(1981)〕)。
マウスモノクローナル抗体によって同定される腫瘍特異
抗原が急増している。現在得られる情報によると、これ
らの抗原は本発明のRAAとは、サイズあるいは正常な細
胞成分との関係に基づいて区別することができる(Monoc
lonal Antibidies and Cancer Therapy,Reisfeld等編,
上掲)。
モノクローナル抗体は、膀胱癌において92kd、23kdおよ
び17kdの抗原を検出している。Ben-Aissa等,Br.J.Canc
er,52,65-72(1985)。しかしながら、これらのモノク
ローナル抗体は、黒色腫細胞(本明細書で述べた19kdお
よび23kd RAAの主な産生源)とは反応しない。
ヒト白血病細胞系統(THP-1)の43kd表面タンパク質に
特異的なモノクローナル抗体は、正常な細胞にみられる
中間フィラメントビメンチンと交差反応する。Herman
等,J.Cell Sci.73,87-103(1985)。52kdタンパク質
がヒト乳癌細胞によって放出され〔Capony等,Biochem.
Biophys.Res.Commun.108,8-15(1982)〕、さらにヒ
ト乳癌の膜には高分子量の糖タンパク質(220kdから400
kd)および90kdタンパク質が知見された〔Schlom等,Ca
ncer54,2777-2794(1984)〕。肉腫特異性70kd抗原
は、本発明の68kdから70kd RAAとは異なるものと思わ
れ、相違点は肉腫70kd抗原が本発明の68kd-70kdにおい
て癌細胞系中に検出できないことである〔Feit等,Canc
er Res.,44,5752-5756(1984)〕。35 S‐メチオニンを用いるING-A(A375)細胞の代謝ラベ
ル付け: A375細胞を100mmペトリ皿の中で70%の集密度に増殖さ
せ、10mlの無血清RPMI培地を用いて培養し、次に3μl
35S‐メチオニン(1148Ci/nmol、1mCi/0.077ml)を含
む新鮮メチオニン欠陥培地(マサチューセッツ州、ボス
トンに所在するNEW Research Products社製)を用いて
培養した。細胞および培地は、35S‐メチオニンへの暴
露して、1時間、2時間、4.5時間、22時間および28時
間後に収穫した。35 S‐メチオニンラベルを付けたA375細胞の抽出物を、
反応を示している患者から得たタンパク質‐Aセファロ
ース結合IgGによって処理することにより、抗原を免疫
沈降させた。
抗原は、免疫沈降した抗原のSDS-PAGEの後にオートラジ
オグラフィーによって視覚化した〔Sen等、Proc.Nat′l
Acad.Sci.(USA),80,1246-1250(1983)の手順によ
る〕。馴らし培地および細胞抽出物からタンパク質‐A
セファロース(登録商標)に結合した免疫前IgGによっ
て免疫沈降されたタンパク質を対照として用いた。分子
量が38kdおよび43kd付近の二重項を含めて数多くのバン
ドが、細胞抽出物とRAAbとの免疫沈降レーンに現れた。
これとは対照的に、RAAbを用いた馴らし培地の免疫沈降
は、38kd領域に一つのバンドを示した。4.5時間でのこ
のバンドの出現は、4.5時間での馴らし培地の38kdタン
パク質の出現と同時であった。この実験は、38kd抗原が
A375-INGA細胞によって分泌されることを実証するもの
である。
2(b)腫瘍細胞抽出物から得たRAAの部分的な精製: 細胞系統A375は、Todaroおよびその同僚が記述した悪性
黒色腫細胞系である。Giard等,J.Nat.Cancer Inst.5
1,1417-1423(1973)。RAAを単離するための典型的な手
順では、震とう瓶中で増殖しているA375細胞を、前述し
た非イオン界面活性剤およびイオン系界面活性剤を含む
抽出緩衝液で洗浄し、次に、前述の抽出緩衝液に暴露す
る。前述の界面活性剤は細胞膜からのタンパク質あるい
は全細胞タンパク質を可溶化する能力がある。高速遠心
分離(10,000×g、4℃)の後、可溶性上清は、従来の
クロマトグラフィー手順およびアフィニティークロマト
グラフィー(たとえば、退行関連抗原と反応する固定化
された抗原を含む樹脂、あるいはこれらの抗原と高いア
フィニティーを示すレクチン)を用いてさらに精製を行
う。
震とう瓶中で増殖した約108個のA375細胞を、標準リン
酸緩衝溶液(PBS)で二度洗浄し、次に、室温で5分間
にわたって、少量(50ml)の0.2%トリトンX-100(登録
商標)で抽出を行った。溶液を除去し、残滓を遠心分離
(10,000×g、4℃)によってペレットにした。RAAを
含む上清を、患者♯2血清から得た免疫グロブリンを含
む抗体アフィニティーカラムに通した。前述の血清は、
供給業者(コネチカット州メリデンに所在するAMF Lab
products)の使用説明書に従ってZetachrom(登録商
標)メンブランフィルター上で精製されたRAAbを含む。
供給業者(カリフォルニア州、リッチモンドに所在する
Bio-Rad社)の使用説明書に従って、免疫グロブリン10
ミリグラムがAffi-gel 10(登録商標)樹脂に結合され
た。結合されなかったタンパク質は、0.02%トリトンX-
100(登録商標)、25mMトリス塩酸pH7.5、および0.1M N
aClを用いて洗浄した。その後に、カラムを蒸留水で洗
浄した。
結合したRAAは、1M NaCl、0.1% NP40(登録商標)(ミ
ズーリー州セントルイスに所在するSigma Chemical
社)、0.5%デキシコール塩酸ナトリウム、0.1%ドデシ
ル硫酸ナトリウム、25mMトリス塩酸、pH7.5、1%アプ
ロチニンを用いて溶離した。溶離液は0.01M重炭酸アン
モニウムに対して透析を行い、凍結し、凍結乾燥した。
凍結乾燥粉末を0.05%トリフルオロ酢酸中に懸濁し、4m
g全タンパク質を高性能液体クロマトグラフィー(Beckm
an Instruments)用の標準C-8カラムに入れた。ピーク
1(通過)からピーク10に向かう線形0から100%のア
セトニトリル勾配を用いて溶離を行った。各ピークの試
料を凍結乾燥し、表1の患者♯2のILI後血清(1:1000
希釈液)を用いるイムノブロッティングによって分析し
た。クーマシーブルー染色SDS-PAGEによって、図2に示
すように、ピーク6中の検出可能なタンパク質の40%以
上が43kdおよび70kdサイズであることが明らかとなっ
た。精製の進捗は、イムノブロッティング手法を用いて
特異な68から70kd、38kdおよび43kd退行関連抗原の位置
を確認することによってモニターした。生産物の純度
は、タンパク質濃度の測定、およびRAA′を含む特定画
分中の全タンパク質パターンを開始材料のパターンと比
較することによって行う。様々な試料の全タンパク質パ
ターンは、SDS-PAGEをクーマシーブルータンパク質染料
によって染色するか、あるいは全タンパク質の表示感度
を高めるために銀染色法によってSDS-PAGEを染色するこ
とによってモニターした。この全体的な体系を用いてA3
75細胞系統の43kdおよび70kd抗原を精製するのに成功し
ており、ヒト卵巣および偏平上皮癌細胞系統からの同様
な精製にも有効であることが明らかとなっている。この
全体的な体系は、A375細胞からの20kd抗原の精製、およ
びRAA′を発現するすべてのその他の細胞系および組織
抽出物からのRAA′の精製をも可能にするものと期待さ
れる。
実施例3:RAAを含む調製物の単離 3(a)粒子画分腫瘍細胞系統中のRAA細胞および細胞
系統からの粒子画分の調製 含水重量6グラムの培養腫瘍細胞を、電動テフロン(登
録商標)ホモジナイザー中で5回均質化を行って、約4
倍量のL緩衝液〔5mM EDTAおよび5mM EGTAを含む50mMリ
ン酸ナトリウム(pH7.2)〕に溶離した。細胞溶解産物
を3,000×gで10分間に渡って遠心分離して清澄にし
た。上清を残し、ペレットは3倍量のL緩衝液に均質化
によって懸濁させた。
この懸濁液を再び3,000×gで10分間にわたって遠心分
離した。上清を残し、ペレットをもう一度3倍量のL緩
衝液に再懸濁させ、上記したような遠心分離によって清
澄にした。これら3つの上清を一つにまとめ、100,000
×gで1時間にわたって遠心分離した。
ペレットとなった粒子状調製物を、電動ホモジナイザー
に5度通すことによって、50%スクロースを付加したL
緩衝液に再懸濁させた。懸濁液の試料10mlを、50%、40
%、30%および20%蔗糖の不連続勾配がある40ml VTi50
遠心分離管(カリフォルニア州イルビンに所在するBeck
man Instruments社)の底部に層状に入れた。管をシー
ルし、VTi50ローター(Beckman Instruments社)の中で
2時間に渡って45,000rpmで回転させた(加速をゆっく
りと行い、ブレーキは掛けなかった)。
粒子状物質RAAが約40%蔗糖にバンド状になった。この
バンドを直接吸収によって収穫し、10mMリン酸塩緩衝
液、pH7.2によって5倍に希釈し、100,000×gで1時間
にわたって遠心分離を行った。抗原を含むペレットとな
った粒子状物質を3mlの10mMリン酸塩緩衝液、pH7.2中に
均質化によって再懸濁させ、−20℃で凍結貯蔵した。典
型的な調製手順において、約6mgの全タンパク質が最終
粒子状物質ペレット中に存在した。含水重量6gの細胞か
ら開始した精製の様々な過程において、約190mgのタン
パク質が廃棄された。
3(b)培養腫瘍細胞の馴らし培地からのRAA分泌され
た退行関連抗原の精製 細胞粒子状画分中の20kd、38kd、43kdおよび70kd RAAの
局在化に鑑みて、これらの抗原のいずれかが、培養腫瘍
細胞から得た無血清培地中に回収できないか検討を行う
ことは有意義である。予備的なイムノブロット実験によ
ると、A375細胞あるいは69-2細胞の集密培養から得た無
血清『馴らし』培地はRAAを含み、38kd抗原が豊富であ
る。図1の2番のレーンはING-A(A375)細胞培養から
の馴らし培地RAAタンパク質を含んだ。
A375および69-2細胞によって培地に分泌された38kd抗原
の精製は下記のようにしてなされた。培地2lを48時間に
わたって3×109個のA375細胞によって馴らし、10,000
×gで10分間にわたって遠心分離を行い、0.45μ Nalge
ne(登録商標)フィルター(ニューヨーク州ロチェスタ
ーに所在するNalgene社)で濾過した。
Amicon YM10フィルター(マサチューセッツ州ダンバー
所在のAmicon社)を用いて濾液を50mlに濃縮し、2lのA
緩衝液〔10mM NaPO4(pH7.4)〕に対して透析を行い、1
0,000×gで20分間に渡って遠心分離を行った。遠心分
離過程から生じた上清を、A緩衝液で平衡させたDEAE-
セファセルカラム(スゥエーデンのアップサラに所在す
るファーマシア社)に通した。次に、カラムをA緩衝液
75mlで洗浄し、結合しなかった物質を除去した。38kd抗
原はカラムに結合せず、未結合画分中に回収された。未
結合画分はAmicon YM10フィルターで濃縮し、容量を10m
lとした。
濃縮されたDEAE精製抗原を、A緩衝液で平衡したヘパリ
ン−アガロース(ミズーリー州セントルイスに所在する
Sigma Chemical社)カラム(2ml)に通した。その後、
カラムをA緩衝液中の50mM、100mM、200mMおよび500mM
NaCl各20mlですすいだ。38kd抗原は主に200mM NaClによ
る洗浄液中に溶離したが、少量は100mMおよび50nMの洗
浄液中にも溶離した。200mM溶離液はAmicon YM10フィル
ターによって1mlに濃縮し、C8逆相HPLCカラムに通し
て、30%〜60%の線形アセトニトリル勾配で溶離した。
30kd抗原は、約50%アセトニトリルで溶離した。38kd R
AAに対する非常によく似た溶離特性が、C4逆相HPLCカラ
ムを用いて得られた。38kd物質を還元SDS-PAGE分析と、
それに続く銀染色法によって分析した結果、38kd物質は
95%以上純粋であることが判明した。上記の手順による
典型的な調製においては、48時間にわたって3×109
のA375細胞によって馴らしがなされた2lの培地中に存在
する約300mgの全開始タンパク質から、約30μgの38kd
抗原調製物が得られた。この手順を用いて、分泌された
38kd RAAのかなりの精製がなされた。HPLCによって精製
された抗原は、プロセスの各段階において達成される精
製度を示す表6から明らかな通り、除去されたその他の
汚染タンパク質の量に基づくと、馴らし培地の10,000倍
の精製にあたる。表6において、用語『倍精製』は汚染
タンパク質の除去に基づく精製の程度を意味する。
実施例4:RAAに対する抗原の検査による患者のモニタリ
ング 4(a)リンパ管内免疫療法の後に腫瘍の退行を示す患
者のRAAb力価のモニタリング 免疫療法を受けている患者の血清試料を、上記のように
RAAを含む様々なヒト腫瘍細胞抽出物のイムノブロッテ
ィングを用いて試験する。各患者の血清試料の様々な希
釈液の特定のサイズのRAAの一つ以上を検出する能力を
評価する。
転移卵巣癌患者の療法を開始した後の様々な時点におい
て採取した血清中のRAAbを定量した。免疫療法の開始か
ら約6週間後に、一人の患者の血清は、43kd RAAに対す
るRAAb力価が約1:2000であった。3カ月にはこの力価は
1:5000に達した。種々のその他の悪性腫瘍のリンパ管内
免疫療法の後に腫瘍が退行し始めた時点で、一つ以上の
RAAに対する同様な実証可能なRAAb力価の上昇が患者に
観察された。
ここにRAAb力価の定量のために示した分析は、免疫療法
中の患者に対する薬剤の効果をモニターするのに使用す
ることも可能である。ある甲状腺癌患者について得られ
た結果がこのことの例証となる。その患者は、リンパ管
内免疫療法後に腫瘍の退行を示したが、その後に息切れ
の症状の療法として大量のプレドニソンを投与された。
このようなステロイド療法は免疫系統を抑制することが
知られている。大量プレドニソン投与療法を開始してか
ら5日以内に、70kd RAAに対する検出可能なRAAb力価が
全く無くなった。同じ患者において、それ以前は1:2000
の力価が検出されていた。このように、RAAb力価がプレ
ドニソンなどの免疫抑制剤によって抑制される点で、RA
Abの形成は抗原に対する能動性免疫反応の通常の経過を
たどるように思われる。
4(b)リンパ管内免疫療法中の患者のRAAbのRAA特異
性のモニタリング: 本発明による方法は、免疫療法に対する反応の評価に有
用であり、単にRAAbの力価を測定するのにとどまらず、
RAAbが向けられるRAAの異なる分子種を決定するのにも
役立つ。ある患者の結果が実証するように、免疫療法の
経過において異なる反応性が生じる。この患者の最初の
反応性は43kd抗原に対するものであったが、RAAbが出現
するとその後にこの43kdだけでなく38kdおよび78kdのRA
Aとも反応した。RAAbの検出は、この患者においては、
卵巣腺癌の肺転移の完全な退行と相関する。同様に、第
2の患者においては、43kdおよび70kdのRAAに対するRAA
bの検出は、甲状腺癌の肺転移のサイズの評価可能な減
少および患者の幸福感、スタミナおよび食欲の大きな改
善と同時であった。
実施例5:動物におけるヒトRAAに対する抗体の産生 5(a)ウサギによる高力価ポリクローナル抗体の調
製: 下記のように本発明の精製RAAを注入してウサギを免疫
感作させることによって、抗血清を特異的に製造するこ
とが可能である。最初の接種は、膜あるいは可溶性RAA
(可溶性膜あるいはならし培地から精製したもの)と、
アジュバントとして、不完全フロイントアジュバント、
あるいはミョウバン吸着テタヌストキシンを含む。続く
接種は、RAAと不完全フロイントアジュバントを含んで
もよい。動物を放血して血清を採取する。ポリクローナ
ル抗体は、当該技術で知られている在来手法によって血
清から単離することができる。Handbook of Experimental Immunology, Vol.3,Weir編,A
3.1からA4.1,Blackwell Scientific Publications(197
8)。別法としては、Affi-gel 10(登録商標)(Bio-Ra
d社)に結合した純粋なRAAを含むアフィニティーカラム
を供給業者の使用説明書に従って調製することもでき
る。このアフィニティーカラムを用いて従来の方法によ
って高特異性ポリクローナル抗体を調製することができ
る。
Affinity Chromatography,41-44および92-95,スウェー
デンのアップサラ所在のPharmacia社の38kd、43kdおよ
び70kdヒトRAAに特異な高力価(すなわち、1:10,000を
上回るもの)ウサギ抗血清が、図1に示すように、ウサ
ギ209の血清から製造された。
5(b)モノクローナル抗体: 本発明によるモノクローナル抗体は、Kohler等,Nature,
256,495(1975)の手順に従って、抗原として実施例4
のRAA調製物を代替して製造することができる。Kohler
等は参照までに、本明細書にて言及している。
基本的には、モノクローナル抗体は、ウサギ免疫感作に
ついて上述したように、RAAの免疫形成に必要な投与量
をマウスに注射することによって製造する。
免疫感作した動物から膵臓を除去し、ポリエチレングリ
コールなどの融合剤を用いて、膵臓細胞を骨髄腫細胞に
融合する。モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ細胞を、たとえばHAT培地などの選択培地によって選
択する。RAAに特異なモノクローナル抗体は、前述のハ
イブリドーマを培養した培地からクロマトグラフィーに
よって単離することができる。Brown等,J.Immunol.,13
1,180-185(1981)。
実施例6:退行関連抗原に対する抗体の使用 6(a)退行関連抗原の精製: 適切なマトリックス、たとえば、セファロース(登録商
標)あるいはAffi-gel(登録商標)に結合したRAAbを用
いたアフィニティークロマトグラフィーによって、ヒト
腫瘍細胞抽出物からのRAAの精製度の高い調製物を製造
することができる。実施例2(b)は、精製工程の一つ
としてRAAbアフィニティークロマトグラフィーを用い、
A375細胞からRAAを単離するのに成功した例を開示して
いる。
6(b)癌免疫療法のためのRAA調製: 高力価ヒトおよびウサギRAAb(実施例1および5)は新
鮮な腫瘍からの抽出物中の特異抗原と反応するので、こ
れらの抗体は患者自身の腫瘍あるいは腫瘍細胞系からRA
Aを単離するための有力な手段となる。腫瘍ないしは腫
瘍細胞系のグラム量の抽出物は、得られる場合は、Sen
等,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA), 80,1246-1250,(1983)
に記載された細胞溶解緩衝液中で調製し、次に、高力価
ウキザあるいはヒトRAAb(精製されたIgG画分)に結合
したセファロースのアフィニティーカラムに通す前に希
釈してもよい。特異的に結合したタンパク質は、解離緩
衝液によってカラムから溶離し、既知のRAAbを用いたイ
ムノブロッティングによって特性を把握することができ
る。そして、RAAbの一つ以上のものと陽性の反応を示す
調製物は、療法の一環として患者を能動的に免疫感作さ
せるのに用いることができる。
6(c)本発明によって、腫瘍に目標を定めて送り込む
ことができる薬剤: 抗癌剤を実施例6に説明した種類の一つのRAAに対する
モノクローナル抗体(すなわち、モノクローナルRAAb)
に結合することができる。このような抗体を媒介とする
薬剤供給システムについては、参照までに本明細書に言
及したRodwell等,Biotechnology,3,889-894(1985)で
検討されている。
ひとつの抗癌剤に結合したRAAに対して特異なモノクロ
ーナル抗体を、患者の体液(血液、リンパ液あるいはそ
の他の適切な液、例えば脳脊髄液)に導入することによ
って、前述の薬剤を、モノクローナルRAAbが特異なRAA
を発現する腫瘍細胞に選択的に供給することが可能とな
る。腫瘍細胞に抗癌剤がこのように結合することは、腫
瘍細胞の生存に悪影響を優先的に及ぼすものと考えられ
る。
放射性同位体(たとえば、131I、90Y、111In)あるいは
重金属(たとえば、アルブミン被覆磁鉄鉱、Fe3O4)に
結合した高力価ポリクローナルまたはモノクローナルRA
Abを用いる悪性腫瘍の診断用生体内視覚化は、結合RAAb
を患者に投与した後に放射性同位体あるいは磁気共鳴走
査を用いることによって達成できる〔Lauterbur,P.C.,4
7-57,in Accomplishments in Cancer Research 1985,Fo
rtner等編,J.B.Lippincott Co.,1986,およびWeinstein
等,pp.473-487,in Monoclonal Antibodies and Cancer
Therapy,Reisfeld and Sell編,A.R.Liss,Inc.,New York
1985〕。
実施例7:能動性免疫原としての効力を評価するためのRA
Aの動物モデルシステムでの使用 9匹の白色雄ニュージランドウサギの足に皮下免疫感作
を行った。3匹には、実施例3に述べたように69-2細胞
から調製された膜を用いた。別の3匹には、実施例3に
述べたようにA375細胞から調製された膜を用いた。さら
に残りの3匹には、実施例3に述べたように馴らし培地
のDEAG-セファセル通過画分をウサギ1匹あたり(全部
で3匹)150μgを用いた。同じタイプの未処置のウサ
ギ5匹を対照として用いた。免疫感作したウサギは、腫
瘍を接種する前に、2度にわたって追加免疫を行った。
次に、全ウサギにウサギ偏平上皮癌の同量(1匹当たり
5×106個の成育可能な細胞)を接種した。腫瘍が対照
ウサギに生じ、急速に進行し、4週間から6週間以内に
対照ウサギは死亡した。免疫感作を受けた全ウサギに
は、小さな腫瘍が生じたが、広範な腫瘍壊死が見られ、
全ウサギは少なくとも2カ月間生存した。免疫感作を行
った9匹のウサギの内の6匹においては、3カ月以内に
腫瘍は完全に退行した(3匹の免疫感作を行ったウサギ
の各グループについて、1匹が腫瘍退行を示さなかっ
た)。
免疫感作を受けたウサギの抗体反応はイムノブロッティ
ングによって検出したが、この反応は実施例1および2
の反応を示した患者に見られたものと非常によく似てお
り、さらに、ヒト黒色腫および乳癌およびウサギ偏平上
皮癌の新鮮抽出物中のRAAと反応した。
実施例8:腫瘍をモニターするためのRAAの定量RAA用の
『ドットブロット』イムイアッセイ: 1.5cm×1.5cm角の方眼を、0.45ミクロン孔サイズニトロ
セルロース濾紙(ニューヨーク州キインに所在するSchl
eicher and Schuell社)に描く。濾紙を蒸留水中で5分
間にわたって洗浄し、風乾する。未知量のRAAを含むと
考えられる試験抽出物の試料20μlを同容量の0.05Mト
リス塩酸(pH7.4)0.28M NaCl、1.4%トリトンX-100
(登録商標)、および0.2%SDSと混合し、5分間にわた
って100℃に加熱した。試料は10,000×gで遠心分離
し、上清をミクロピペットでニトロセルロース濾紙の方
眼の中に移した。濾紙を乾燥し、次に10%酢酸および25
%イソプロパノールを含む溶媒中で常時撹拌しながら15
分の間、定着した。次に、水中で何度か洗浄した。その
後、濾紙を実施例1に記載したイムノブロッティング手
法によって処理したが、放射性ヨウ素で処理したスタフ
ィロコッカスタンパク質Aを加えて行う培養に代えて、
ヤギ抗ヒト抗体をセイヨウワサビ過酸化物に共役(1:20
00)したものと共に培養した。イムノブロット手順によ
るこの1時間の培養および洗浄の後に、ニトロセルロー
スの各方眼を切取り、マルチウェルプレート(マサチュ
ーセッツ州ケンブリッジに所在するCostar社)の個々の
ウェルに入れた。各ウェルに染色液を加えた。染色液
は、0.6mg/mlのo-フェニレンジアミンヒドロクロライド
を含む0.5mlのリン酸緩衝溶液(pH7)に1μlの30%過
酸化水素を加えたものである。濾過方眼を含む溶液を暗
部で30分にわたって培養し、1ウェルあたり0.5ml 4N H
2SO4を添加することによって色形成を停止させる。次
に、490nmにおける吸光度を分光光度計で測定する。こ
の分析は、A375膜の量を次第に増してニトロセルロース
濾紙に滴下する場合には、RAAの線形定量を行うことが
できる。
本発明を望ましい実施例に沿って説明してきたが、当業
者にはその態様の変更および改良が可能であろう。一例
を挙げると、退行関連抗原の検出には、その他の便利な
免疫学的方法、たとえば、ラジオイムノアッセイ、免疫
沈降、およびELISAも適切であろう。
さらに、本発明のRAAはさらに特性を定めることも可能
であると思われる。例えば、そのアミノ酸配列の決定、
存在するならばタンパク質成分の共有修飾、存在するな
らばグリコタンパク質成分のオリゴ糖構造の決定、ある
いは存在する場合には関連脂質成分の脂質組成などであ
る。さらに、RAAのポリペプチド部分のアミノ酸配列を
得ることも可能であると思われ、それからcDNAあるいは
DNA配列を得ることも可能であろう。さらに本発明の抗
原を周知の組み換え体DNA手法を用いて製造することも
可能であろう。さらに、RAA断片およびRAAの共役類似体
および誘導体あるいはそれらの断片も予想される。した
がって、細胞系から単離あるいは直接に腫瘍細胞から単
離されても、また天然に産生されようと組み換えによっ
て得られようと、RAAあるいはRAAの類似体、誘導体また
は共役体と同じ構造を有するRAAあるいはRAAの類似体、
誘導体または共役体の断片の構造、あるいはここに開示
したRAAの断片の構造を有していても、そのすべてのRAA
調製物が、本発明の範疇に包含されるのである。
したがって、添付した請求の範囲は、請求する本発明の
範囲内に入るべきかようなすべての同等の変更態様も包
含するものである。
図面の簡単な説明 第1図は、免疫感作を施した二人の患者(Pt.1、Pt.2)
と、免疫感作を施したウサギから採取した試料を、細胞
A375の粒状画分(レーン番号1)および馴らし培地(レ
ーン番号2)に対して試験した血清希釈イムノブロット
の略図である。
第2図は、部分的精製を行ったA375-ING-A抽出物の高性
能液体クロマトグラフィー(HPLC)クロマトグラムおよ
び相応するHPLCプールのイムノブロット分析の略図であ
る。
第3図は、三人の異なる患者(A,B,C)の退行関連抗体
を、2つの異なる黒色腫細胞系統の初期(MAC-1)と後
期(MAC-3)継代の細胞溶解産物から画分した抗原と反
応させたイムノブロットの略図である。
フロントページの続き (72)発明者 ゴ−シユダステイダ−ル,プラデイツプ アメリカ合衆国 90066 カリフオルニア ロス アンジエルス サウス バリント ン アベニユ− 3556 (72)発明者 リユ−,アルヴイン ワイ. アメリカ合衆国 90403 カリフオルニア サンタ モニカ フイフス ストリ−ト 807 アパ−トメント 6

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精製かつ単離された退行関連抗原であっ
    て; 還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定さ
    れた65,000から71,000ダルトンの範囲の分子量を有し、
    および、 前記退行関連抗原が、腫瘍の退行に関連して生成した退
    行関連抗体を含む試料と反応する、 ことを特徴とする精製かつ単離された退行関連抗原。
  2. 【請求項2】精製かつ単離された退行関連抗原であっ
    て; 還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定さ
    れた38,000から45,000ダルトンの範囲の分子量を有し、
    および 前記退行関連抗原が、腫瘍の退行に関連して生成した退
    行関連抗体を含む試料と反応する、 ことを特徴とする精製かつ単離された退行関連抗原。
  3. 【請求項3】精製かつ単離された退行関連抗原であっ
    て; 還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定さ
    れた19,000から23,000ダルトンの範囲の分子量を有し、
    および 前記退行関連抗原が、腫瘍の退行に関連して生成した退
    行関連抗体を含む試料と反応する、 ことを特徴とする精製かつ単離された退行関連抗原。
  4. 【請求項4】前記退行関連抗原が、50mMNa3PO4(pH7)
    にて陽イオン交換樹脂に結合せず、また200mMNa3PO4(p
    H7)にてヘパリンアガロース樹脂に結合しない、特許請
    求の範囲第1乃至3項のいずれかに記載の退行関連抗
    原。
  5. 【請求項5】前記退行関連抗原が、前記還元SDS-ポリア
    クリルアミドゲル電気泳動に続く、銀染色法によって決
    定された95%以上の純度を有する特許請求の範囲第4項
    に記載の退行関連抗原。
  6. 【請求項6】前記退行関連抗原が、マイコプラズマ ヒ
    オリニス(Mycoplasma hyorhinis)のDNAによってコー
    ドされる特許請求の範囲第5項に記載の退行関連抗原。
  7. 【請求項7】前記退行関連抗原が、マイコプラズマ ヒ
    オリニス(Mycoplasma hyorhinis)に関連する哺乳類細
    胞系のDNAによってコードされる特許請求の範囲第5項
    に記載の退行関連抗原。
  8. 【請求項8】退行関連抗原の精製方法であって、下記工
    程、すなわち: (a)腫瘍の退行状態と関連の無い第一抗体試料と、腫
    瘍の退行に関連して生成した退行関連抗体を含む第二抗
    体試料を採取し、 (b)前記工程(a)の腫瘍と同種の腫瘍の細胞を破壊
    して、抗原性成分を含む溶液を調製し、 (c)前記溶液の抗原性成分を、クロマトグラフィーに
    よって画分に分離し、および (d)前記画分と前記第二抗体試料との反応での免疫複
    合物の形成によって、退行関連抗原を含む画分を同定す
    る、 工程を含むことを特徴とする退行関連抗原の精製方法。
  9. 【請求項9】前記退行関連抗原の精製方法が、下記工
    程、すなわち: (e)腫瘍性細胞の成分を各試料に暴露し、 (f)前記成分と前記第一試料中の抗体から構成された
    免疫複合体形成が存在しないことを確認し、および (g)抗体と前記成分から構成された免疫複合物の存在
    を検出する、 工程をさらに含む特許請求の範囲第8項に記載の退行関
    連抗原の精製方法。
  10. 【請求項10】還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動により決定された65,000から71,000ダルトンの範囲の
    分子量を有し、および、腫瘍の退行に関連して生成した
    退行関連抗体を含む試料と反応する、ことを特徴とする
    精製かつ単離された退行関連抗原、および薬学的に許容
    される希釈剤、アジュバントあるいは担体を含む、免疫
    療法のための組成物。
  11. 【請求項11】還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動により決定された38,000から45,000ダルトンの範囲の
    分子量を有し、および、腫瘍の退行に関連して生成した
    退行関連抗体を含む試料と反応する、ことを特徴とする
    精製かつ単離された退行関連抗原、および薬学的に許容
    される希釈剤、アジュバントあるいは担体を含む、免疫
    療法のための組成物。
  12. 【請求項12】還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動により決定された19,000から23,000ダルトンの範囲の
    分子量を有し、および、腫瘍の退行に関連して生成した
    退行関連抗体を含む試料と反応する、ことを特徴とする
    精製かつ単離された退行関連抗原、および薬学的に許容
    される希釈剤、アジュバントあるいは担体を含む、免疫
    療法のための組成物。
  13. 【請求項13】前記退行関連抗原が、50mMNa3PO4(pH
    7)にて陽イオン交換樹脂に結合せず、また200mMNa3PO4
    (pH7)にてヘパリンアガロース樹脂に結合しない、特
    許請求の範囲第10乃至12項のいずれかに記載の組成物。
  14. 【請求項14】腫瘍の免疫療法のための組成物の製造方
    法であって、下記工程、すなわち: (a)退行状態と関連の無い第一抗体試料と、腫瘍の退
    行に関連して生成した退行関連抗体を含む第二抗体試料
    を採取し、 (b)腫瘍性細胞の成分を個別に、第一試料および第二
    試料に対して曝し、 (c)前記成分と前記第一試料中の腫瘍の退行に関連し
    て生成した退行関連抗体から構成された免疫複合体形成
    が存在しないことを確認し、 (d)前記抗体と前記成分から構成された免疫複合物の
    存在を検出し、および (e)患者のリンパ球もしくは血液に導入するための腫
    瘍細胞、該腫瘍細胞の膜画分、もしくは該腫瘍細胞から
    単離された退行関連抗原を調製する、 工程を含むことを特徴とする腫瘍の免疫療法のための組
    成物の製造方法。
  15. 【請求項15】退行関連抗原の精製方法であって、下記
    工程、すなわち: (a)還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によっ
    て決定した38kdの分子量を有し、腫瘍の退行に関連して
    生成した退行関連抗体を含む試料と反応する退行関連抗
    原を分泌する細胞系を用いて培地を馴らし、 (b)前記培地中のタンパク質を濃縮し、 (c)前記濃縮したタンパク質の画分をクロマトグラフ
    ィーによって分離し、 (d)波長280nmにおいて顕著な吸光度を示す画分を濃
    縮し、 (e)前記画分を、C8カラムに通し、0.1%トリフルオ
    ロ酢酸中の0〜80%アセトニトリル勾配で溶離し、およ
    び (f)50%アセトニトリルで溶離する画分を保持する、 工程を含むことを特徴とする退行関連抗原の精製方法。
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