JPH0779621A

JPH0779621A - 代掻同時植付機の駆動装置

Info

Publication number: JPH0779621A
Application number: JP25512693A
Authority: JP
Inventors: Yukinori Takami; 幸徳高見; Yozo Tsuda; 洋三都田; Tetsuo Shibata; 哲男芝田
Original assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date: 1993-09-17
Filing date: 1993-09-17
Publication date: 1995-03-28
Anticipated expiration: 2017-05-27
Also published as: JP3285436B2

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、耕起圃場の表面に多数の凹凸があ
って各所の代掻抵抗が著しく変化しても、確実な伝動を
行うことができると共に、組み立て分解及び代掻ロータ
ーの支持が容易な代掻同時植付機の駆動装置を提供せん
とするものである。【構成】走行車１に、複数の植付体１４を横方向に所
定の植付条間隔をおいて配設してなる植付装置８を装着
し、該植付装置８の前部に複数の代掻ローター２１を横
方向に連設し、相隣る代掻ローター２１の間に配置され
ていて原動機の動力により入力軸が駆動されるギヤケー
スの出力軸を、横方向にすると共に角孔軸に構成し、該
出力軸に多角軸からなる代掻軸を貫挿して代掻ローター
２１に伝動するようにした代掻同時植付機の駆動装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圃場を耕起し、その表
層を浅く代掻しながら代掻した部分に苗を植付ける代掻
同時植付機の駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、作物を収穫した状態の圃場を深層
まで耕起すると共に耕起層全体を代掻する方式、及び穀
稈を収穫した後の圃場に不耕起状態で苗を植付ける方
式、並びに上記圃場の狭い幅だけ耕耘し、この耕耘した
部分に苗を植付ける植付機は既に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記既知の植付方式の
うち、第１の方式は耕起層全体を代掻するため多大の労
力を要すると共に深層まで練り合わされて土壌中に空隙
がなくなり、しかも、代掻した後に植付装置により別途
植付作業をしなければならなかった。また、第２の方式
は、植付時の圃場に、収穫時のコンバインのクローラ
跡、窪み等があって均平性に欠け、かつ、古株や雑草が
多いので、著しい深植え、又は浅植えになって浮き苗や
成育不良が発生する。更に、第３の方式は、植付状列の
耕起部分の土壌に粘着性がないので植付けた苗の起立保
持が困難であった。このような課題を解決することを目
的として耕起した圃場の表層を代掻ローターにより浅く
代掻し、この代掻部分に苗を植付ける方式を既に提案し
た。そして、前記代掻ローターの駆動装置として、走行
車の代掻用ＰＴＯ軸にギヤケースの入力軸を連動連係
し、該ギヤケースから両側方へ突出した出力軸にスプラ
イン継手のような継手を介して代掻ローターの代掻軸の
端部を接続したところ、代掻作業中に、左右の代掻ロー
ターが不均一な抵抗を受けると、継手が抜けたり、破損
したりして伝動不能になることがあった。また、上記代
掻軸はギヤケースの左右で少なくとも２本に分割されて
いたのでその支持手段が複雑になると共に高さ調節が面
倒であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、走行車に、複
数の植付体を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設し
てなる植付装置を装着し、該植付装置の前部に複数の代
掻ローターを横方向に連設し、相隣る代掻ローターの間
に配置されていて原動機の動力により入力軸が駆動され
るギヤケースの出力軸を、横方向にすると共に角孔軸に
構成し、該出力軸に多角軸からなる代掻軸を貫挿して代
掻ローターに伝動すること、又は、前記各代掻ローター
の角型軸孔及び前記出力軸に、多角軸からなる一連の代
掻軸を貫挿して代掻ローターに伝動することにより前述
の課題を解決した。

【０００５】

【作用】収穫済の圃場を耕起した後湛水し、複数の代掻
ローターを、横方向にして耕起されている土壌の表層に
侵入させた状態で回転させながら進行させると、前記代
掻ローターは、表層の土を代掻して泥土状となし、植付
装置の各植付体は所定の条間で苗を植え付ける。そし
て、前記代掻ローターが代掻作動する際、ギヤケースの
入力軸が原動機の動力により回転駆動されると、横方向
の出力軸が回転し、それにより該出力軸の角孔に貫挿さ
れているローター軸及び代掻ローターが回転する。そし
て、代掻軸がギヤケースの出力軸に貫挿されているの
で、表層代掻中、伝動装置が破損したり、代掻ローター
に対する伝動が不能になったりすることがない。

【０００６】

【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、走行車１は前輪２，２と後輪３，３とからなる走行
装置を有し、エンジン４の動力はミッションケース５に
より走行装置と機体の後部のＰＴＯ軸とに分配され、前
記機体の後方には、トップリンク６とロアリンク７，７
とを介して植付装置８を昇降可能に連結し、この植付装
置８はその入力軸をミッションケース５から後方へ突出
したＰＴＯ軸に自在継ぎ手及び中間軸を介して連動連結
されていて、伝動ケース１０と、該伝動ケース１０から
両側方へ延出したパイプフレーム内の横軸を介して伝動
する複数の植付伝動ケース１２・・と、植付伝動ケース
１２・・により駆動される複数の植付体１４・・と、各
植付伝動ケース１２・・の下部に配設された整地フロー
ト１６・・と、横方向に往復動する苗載台１５とにより
構成されている。

【０００７】また、前記整地フロート１６は、それぞれ
その上方にある植付伝動ケース１２，１２に、後部が上
下傾動自在に枢支され、前部はく字状リンクで昇降可能
に連結し、更に、中央の整地フロート１６は、接地圧感
知フロートをも兼ねていて複数のリンクを介して植付装
置８を昇降させるための油圧シリンダの制御バルブに連
動連結してあるので植付装置８の接地高さを略一定し、
整地フロート１６はその前部両側を外側方へ延出させて
あり、このように構成することにより車輪跡はもとより
中間部まで略全幅に亙る田面の凹凸を良好に均平するこ
とができ、かつ、雑草の発生を押さえると同時に除草剤
の効果を高めることができ、前記各植付体１４・・は整
地フロート１６の側方へ延出した部分が整地した部位に
苗を植付ける。

【０００８】更に、左右両側の前記植付伝動ケース１２
・・の側面に固定した左右のブラケット１９ａ，１９ａ
には、前方へ向かうステー１９・・を枢支ボルト１９ｂ
と調節ボルト１９ｃとにより上下回動調節可能に連結
し、それらのステー１９・・の前端部には、代掻軸２０
を支承するための軸受２３，２３を取付けてあり、代掻
ローター２１・・は横方向に複数個連設されており、そ
れらの代掻ローター２１は、鋼製シリンダの外周に、ジ
グザグ状に屈曲したラグ状（又は蛇行状）の突条２２・
・を有するゴム層を熔着することにより構成し、該突条
２２は、く字状に折曲したものを断続的に配列したも
の、若しくは左右に傾斜したものを交互に断続的に配列
したもの等でも良く、また、突条２２・・の間隔は、相
隣る突条２２の折曲部が横方向において多少ラップする
程度になっている。更に、外側の代掻ローター２１の両
端部は、最外側の植付条から多少突出するようになって
おり、前記軸受２３はステー１９の前端が固定されてい
る外輪２３ａと内周面六角筒状になっている内輪２３ｂ
と、それらの間に介装したボールベアリングとにより構
成されている。２０ａはステー１９に螺着した調節レバ
ー、２０ｂは防泥カバー、２０ｃはカラーである。

【０００９】そして、中央寄りで相隣る代掻ローター２
１，２１の間には、ギヤケース２５を介装してあり、こ
のギヤケース２５は入力軸２４と、横方向の中間軸２６
と、軸孔が六角孔に形成された筒軸からなる横方向の出
力軸２７とをベアリングを介して支承しており、入力軸
２４の後端にキー止めした傘歯車ａと、中間軸２６の一
側にスプライン嵌合した傘歯車ｂを噛合させ、中間軸２
６の他側に固定した平歯車ｃと出力軸２７に固定した平
歯車ｄとを噛合させることにより伝動するようになし、
前記ミッションケース５から後方へ突出したＰＴＯ軸は
中間軸及び伸縮可能な自在継ぎ手９を介して植付装置８
の入力軸を駆動し、駆動軸２８に取付けたスプロケット
３０は減速装置２９の入力軸に取付けたスプロケットを
駆動し、運転席３１の後方側部に設けた変速レバー３２
を操作するとギヤチェンジされて減速装置２９の出力軸
３５を変速し、この出力軸３５は伸縮可能な自在継手３
３を介して前記ギヤケース２５の入力軸２４を駆動す
る。その際、前記代掻ローラー２１の回転方向は車輪と
同一方向であって周速は走行速度の１．２〜１．５倍程
度の範囲で火山灰土のような崩壊し易い土壌の圃場では
低速で、粘土質の土壌のように固い圃場では高速にする
ことが望ましい。また、運転席３１の側部下方に配設し
た施肥ポンプ３６も前記駆動軸２８により駆動される。

【００１０】また、前記代掻ローター２１の端板２１ａ
はいずれも中心部に六角孔を有しており、代掻軸２０は
六角軸により構成されており、代掻ローター２１・・を
組み付ける時は、代掻軸２０をギヤケース２５の出力軸
２７の軸孔に挿通し、この代掻軸２０に代掻ローター２
１の軸孔及び軸受２３・・を配設位置順に順次嵌装して
装架し、代掻軸２０の両端部にナット４５をねじ込んで
最外側の代掻ローター２１の外側の端板２１ａを止着
し、ステー１９，１９をブラケットに螺着するか、又
は、ステー１９，１９をブラケットに装着した状態で側
方から代掻軸２０を各軸孔に挿通して組み立てても良
く、代掻ローター２１・・を交換、又は修理するような
場合は、代掻軸２０を側方へ抜き出すことにより容易に
分解することができる。なお、前記整地フロート１６の
前部両側の左右へ膨出した部分の下面に、前部が上方へ
向けて湾曲した橇状の整地板４６を、上記膨出部の下部
両側のリブに鋲又は螺子により固定して相隣る整地フロ
ート１６，１６間、及び外側を整地するようにしてあ
る。なお、前記出力軸２７の軸孔、及び代掻軸２０等を
六角形状をなすものとして説明したが、他の多角形状に
しても同効作用を得ることができることは勿論である。

【００１１】前記施肥ポンプ３６の吸入口を、肥料タン
ク３７の底部にサクションホース３８を介して接続し、
複数の吐出口はそれぞれ別のホース３９・・により植付
装置に付設した複数の施肥ノズル４０・・に接続してあ
り、前記ホース３９に中途部にはロアリンク７に装着し
たインジケーター４１及び条止め用のレバー付きバルブ
４２が介装してある。

【００１２】次に代掻及び植付について説明すると、前
年に稲を刈取った後、秋にトラクタに装着したロータリ
ー耕耘装置等により耕起するか、作業の都合では翌年に
なってから耕起する。これにより収穫時のコンバインの
クローラ跡や他の凹凸が解消され、収穫時にカッターに
より細断散布された切藁が雑草と共に鋤き込まれる。そ
して、植付直前に前記耕起した圃場に湛水して２〜３日
経過させることにより土壌が膨軟になったならば、代掻
同時植付機を圃場に導入し、植付装置８、代掻ローター
２１を駆動しながら走行させると、代掻ローター２１は
回転しながら土中に浅く侵入した状態で進行し、その
際、代掻ローター２１の各突条２２・・は泥土を一側へ
向かう傾斜部で斜め一側方へ押し、それに続く他側に向
かう傾斜部は、泥土を斜め他側方へ押し出し、このよう
な逆向きの側方押し出しが反復されるので、耕土は浅い
範囲内で良く代掻されると共に雑草、切藁及び古株等が
泥土中に押し込まれ、同時にほぼ均平され、それに続い
て前記整地フロート１６・・及び整地板４６が更に圃場
面の所定幅全体を高度に仕上均平する。

【００１３】前述の代掻行程において、代掻幅は実質的
な植付幅よりも両側にそれぞれ広くなるので、次の行程
では代掻部分の側部が一部ラップすることとなり、往復
代掻を反復した場合、行程間に未代掻部分が残ると、そ
の部分に雑草が早期に繁茂すると共に圃場面に凹凸が残
るが、前後の代掻行程で側部をラップさせることによ
り、上記の不具合を解消することができる。また、代掻
した部分よりも深い層は耕耘状態のまま残る。

【００１４】このような代掻の直後に、前記植付装置８
の植付体１４・・は、整地フロート１６・・の前部の張
出部及び整地板４６・・が整地均平した部分に植付け、
植付けられる苗の側部では、回転ディスクが形成した施
肥溝に、施肥ポンプ３６により圧送されて前記施肥ノズ
ル４０から吐出されるペースト状肥料が施肥される。な
お、肥料はペースト状肥料に限られるものではなく、粒
状肥料とする場合もある。前述の浅代掻の際、雑草、古
株又は切藁等が泥土中に押し込まれているので、植付を
良好に行うことができると共に雑草の成育を抑制するこ
とができ、しかも、浅い代掻層より下層は耕耘状態にな
っていて小さな多数の空隙を保有しているので根への酸
素の供給及び根の伸長が良くなり、苗の成育も助長され
る。

【００１５】そして、代掻ローター２１を回転駆動して
表層代掻を行っている間、六角軸からなる代掻軸２０
は、ギヤケース２５の内周が六角形になった出力軸２７
に貫挿された状態で回転駆動され、かつ、代掻幅全体に
亙っているので、代掻ローター２１が少なくともギヤケ
ース２５の両側で別体になっていて圃場条件、及び長さ
の差により不均一な抵抗がかかるにも拘らず、複数の代
掻軸を継手により連結したもののように代掻軸の変形に
より継手が外れたり、それが破損したりすることがな
く、しかも組み立て分解を容易に行うことができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、走行車１に、複数の植付体１
４を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設してなる植
付装置８を装着し、該植付装置８の前部に複数の代掻ロ
ーター２１を横方向に連設し、相隣る代掻ローター２１
の間に配置されていて原動機の動力により入力軸が駆動
されるギヤケース２５の出力軸２７を、横方向にすると
共に角孔軸に構成し、該出力軸２７に多角軸からなる代
掻軸２０を貫挿して代掻ローター２１に伝動するように
するか、又は、前記各代掻ローター２１・・の角型軸孔
及び前記出力軸２７に多角軸からなる一連の代掻軸２０
を貫挿して代掻ローター２１・・に伝動するようにした
ので、圃場の表層のみを代掻してそれより雑草が繁茂す
るのを抑制しながら、下層が耕起した状態に残され、苗
の成育を良好にすることができると共に、植付けた苗
は、不耕起植付方式のように浮き苗となったり欠株を生
ずるのを防止することができる。

【００１６】また、複数の代掻ローター２１・・により
広幅に表層代掻を行って、それらの代掻ローター２１・
・に不均一な抵抗が加えられても、代掻軸２０はギヤケ
ース２５の出力軸２７の軸孔に貫挿されていて左右両側
方へ延出しているので、継手が破損したり、抜けたりす
ることがなく、凹凸のある耕起圃場の表層を確実に伝動
しながら代掻することができる。更に、代掻軸２０の支
持箇所を少なくして支持構成を簡略化することができる
と共に、代掻ローター２１・・の高さ調節を容易に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】代掻植付機の側面図である。

【図２】要部の一部を破断した平面図である。

【図３】ギヤケース及び代掻軸伝動部の断面図である。

【符号の説明】

１走行車８植付装置１４植付体１６整地フロート２０代掻軸２１代掻ローター２２突条２５ギヤケース２７出力軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】走行車１に、複数の植付体１４を横方向
に所定の植付条間隔をおいて配設してなる植付装置８を
装着し、該植付装置８の前部に複数の代掻ローター２１
を横方向に連設し、相隣る代掻ローター２１の間に配置
されていて原動機の動力により入力軸が駆動されるギヤ
ケースの出力軸を、横方向にすると共に角孔軸に構成
し、該出力軸に多角軸からなる代掻軸を貫挿して代掻ロ
ーター２１に伝動するようにしたことを特徴とする代掻
同時植付機の駆動装置。
【請求項２】走行車１に、複数の植付体１４を横方向
に所定の植付条間隔をおいて配設してなる植付装置８を
装着し、該植付装置８の前部に複数の代掻ローター２１
を横方向に連設し、相隣る代掻ローター２１の間に配置
されていて原動機の動力により入力軸が駆動されるギヤ
ケースの出力軸を、横方向にすると共に角孔軸に構成
し、各代掻ローター２１・・の角型軸孔及び前記出力軸
に多角軸からなる一連の代掻軸を貫挿して代掻ローター
２１・・に伝動するようにしたことを特徴とする代掻同
時植付機の駆動装置。