JP2919235B2 - 代掻同時植付機 - Google Patents

代掻同時植付機

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JP2919235B2 JP18720293A JP18720293A JP2919235B2 JP 2919235 B2 JP2919235 B2 JP 2919235B2 JP 18720293 A JP18720293 A JP 18720293A JP 18720293 A JP18720293 A JP 18720293A JP 2919235 B2 JP2919235 B2 JP 2919235B2
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哲男 芝田
幸徳 高見
友孝 三島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穀稈を収穫した圃場を
耕起し、その表層を浅く代掻しながら代掻した部分に苗
を植付ける代掻同時植付機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穀稈を収穫した圃場を耕起すると
共に耕起層全体を代掻する方式、及び穀稈を収穫した後
の圃場に不耕起状態で苗を植付ける方式、並びに上記圃
場の狭い幅だけ耕耘し、この耕耘した部分に苗を植付け
る植付機は既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の植付方式の
うち、第1の方式は耕起層全体を代掻するため多大の労
力を要すると共に深層まで練り合わされて土壌中に空隙
がなくなり、しかも、代掻した後に植付装置により別途
植付作業をしなければならなかった。また、第2の方式
は、植付時の圃場に、収穫時のコンバインのクローラ
跡、窪み等があって均平性に欠け、かつ、古株や雑草が
多いので、著しい深植え、又は浅植えになって浮き苗や
成育不良が発生する。更に、第3の方式は、植付状列の
耕起部分の土壌に粘着性がないので植付けた苗の起立保
持が困難であった。このような課題を解決すべく耕起し
た圃場の表層を浅く代掻し、この代掻部分に苗を植付け
たところ、植付装置の前部に設けた代掻ローターが回転
して代掻する際、泥土が側方へ押し出されて植付けた苗
を押し倒すという新たな問題点が発生した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行車の後部
に、複数の植付体を横方向に所定の植付条間隔をおいて
配設してなる植付装置を装着し、該植付装置の前部に代
掻ローターを横方向にして支架し、該代掻ローターの両
端側方に代掻ローターの前方から側方に亙る泥水案内板
を配設することにより代掻ローターが側方へ押し出す泥
土を泥土案内板が受け止めるようにして前述の課題を解
決した。
【0005】
【作用】収穫済の圃場を耕起した後湛水し、代掻ロータ
ーを、横方向にして耕起されている土壌の表層に侵入さ
せた状態で回転させながら進行させると、前記代掻ロー
ターは、表層の土を代掻して泥土状となし、植付装置の
各植付体は所定の条間で苗を植え付ける。そして、前記
代掻ローターは回転することにより代掻する際、泥土を
前方へ押しながら両側方へ押し出し、この側方へ押し出
された泥土は、代掻ローターの外側前方から端部側方に
亙る部位で受け止められるので、側方に植付けられた苗
を押し倒すことがない。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、走行車1は前輪2,2と後輪3,3とからなる走行
装置を有し、エンジン4の動力はミッションケース5に
より走行装置と機体の後部のPTO軸とに分配され、前
記機体の後方には、トップリンク6とロアリンク7,7
とを介して植付装置8を昇降可能に連結し、この植付装
置8はその入力軸をPTO軸に自在継ぎ手及び中間軸を
介して連動連結されていて、伝動ケース10と、該伝動
ケース10から両側方へ延出したパイプフレーム内の横
軸を介して伝動する複数の植付伝動ケース12・・と、
植付伝動ケース12・・により駆動される複数の植付体
14・・と、各植付伝動ケース12・・の下部に配設さ
れた整地フロート16・・と、横方向に往復動する苗載
台15とにより構成されている。
【0007】また、前記整地フロート16は、それぞれ
その上方にある植付伝動ケース12,12に、後部が上
下傾動自在に枢支され、前部はく字状リンクで昇降可能
に連結し、更に、中央の整地フロート16は、接地圧感
知フロートをも兼ねていて複数のリンクを介して植付装
置8を昇降させるための油圧シリンダの制御バルブに連
動連結してあるので植付装置8の接地高さを略一定し、
整地フロート16はその前部両側を外側方へ延出させて
あり、このように構成することにより車輪跡はもとより
中間部まで略全幅に亙る田面の凹凸を良好に均平するこ
とができ、かつ、雑草の発生を押さえると同時に除草剤
の効果を高めることができ、前記各植付体14・・は整
地フロート16の側方へ延出した部分が整地した部位に
苗を植付ける。
【0008】更に、中央及び左右両側の前記植付伝動ケ
ース12・・の側面に固定したブラケットには、前方へ
向かうステー19・・を回動調節可能に連結し、それら
のステー19・・の前端部には、軸受を介して両側方へ
延出した代掻軸20を回転自在に支承し、該代掻軸20
にゴム製(又は鋼製)の代掻ローター21・・を一体に
装着し、該代掻ローター21の外周面には、ジグザグ状
に屈曲したラグ状(又は蛇行状)の突条22・・を軸心
方向に間隔をおいて多数突設してある。上記突条22
は、く字状に折曲したものを断続的に配列したもの、若
しくは左右に傾斜したものを交互に断続的に配列したも
の等でも良く、また、突条22・・の間隔は、相隣る突
条22の折曲部が横方向において多少ラップする程度に
なっている。更に、代掻ローター21の長さは、1行程
の植付幅より長く、かつ、両端部は、最外側の植付条か
ら多少突出するようになっている。
【0009】そして、左右両側の植付伝動ケース12,
12の外側面に、支持パイプ23を外側方へ向けて突設
し、泥水案内板25の後部内側面に固定した支持杆26
を前記支持パイプ23に貫挿してピン27により着脱可
能に止着してあり、前記泥水案内板25は、図2に示す
ように前記整地フロート16の前部の張り出した部分の
外側から代掻ローター21の外側を経てその更に前方へ
延出しているので、代掻ローター21が代掻する際に、
前方へ押し出して側方へ流出する泥土や泥水、及び整地
フロート16の前部の張り出し部から側方へ押し出され
る泥土や泥水を受け止めて流動方向を後方向きに変換す
るので、側方の圃場に既に植付けられた苗を押し倒すこ
とがない。
【0010】次に伝動装置について説明すると、ミッシ
ョンケース5から後方へ突出したPTO軸は中間軸及び
伸縮可能な自在継ぎ手9を介して植付装置8の入力軸を
駆動し、駆動軸28に取付けたスプロケット30は減速
装置29の入力軸に取付けたスプロケットを駆動し、運
転席31の後方側部に設けた変速レバー32を操作する
とギヤチェンジされて減速装置29の出力軸34を変速
し、この出力軸34は伸縮可能な自在継手33を介して
前記代掻軸20の中間部に介装されているギヤケース3
5の入力軸を駆動する。その際、前記代掻ローラー21
の回転方向は車輪と同一方向であって周速は走行速度の
1.2〜1.5倍程度の範囲で火山灰土のような崩壊し
易い土壌の圃場では低速で、粘土質の土壌のように固い
圃場では高速にすることが望ましい。また、運転席31
の側部下方に配設した施肥ポンプ36も前記駆動軸28
により駆動される。
【0011】前記施肥ポンプ36の吸入口を、肥料タン
ク37の底部にサクションホース38を介して接続し、
複数の吐出口はそれぞれ別のホース39・・により植付
装置に付設した複数の施肥ノズル40・・に接続してあ
り、前記ホース39に中途部にはロアリンク7に装着し
たインジケーター41及び条止め用のレバー付きバルブ
42が介装してある。
【0012】次に代掻及び植付について説明すると、前
年に稲を刈取った後、秋にトラクタに装着したロータリ
ー耕耘装置等により耕起するか、作業の都合では翌年に
なってから耕起する。これにより収穫時のコンバインの
クローラ跡や他の凹凸が解消され、収穫時にカッターに
より細断散布された切藁が雑草と共に鋤き込まれる。そ
して、植付直前に前記耕起した圃場に湛水して2〜3日
経過させることにより土壌が膨軟になったならば、代掻
同時植付機を圃場に導入し、植付装置8、代掻ローター
21を駆動しながら走行させると、代掻ローター21は
回転しながら土中に浅く侵入した状態で進行し、その
際、代掻ローター21の各突条22・・は泥土を一側へ
向かう傾斜部で斜め一側方へ押し、それに続く他側に向
かう傾斜部は、泥土を斜め他側方へ押し出し、このよう
な逆向きの側方押し出しが反復されるので、耕土は浅い
範囲内で良く代掻されると共に雑草、切藁及び古株等が
泥土中に押し込まれ、同時に均平される。
【0013】前述の代掻行程において、代掻幅は実質的
な植付幅よりも両側にそれぞれ広くなるので、次の行程
では代掻部分の側部が一部ラップすることとなり、往復
代掻を反復した場合、行程間に未代掻部分が残ると、そ
の部分に雑草が早期に繁茂すると共に圃場面に凹凸が残
るが、前後の代掻行程で側部をラップさせることによ
り、上記の不具合を解消することができる。また、代掻
した部分よりも深い層は耕耘状態のまま残る。
【0014】このような代掻の直後に、前記植付装置8
の植付体14・・は、整地フロート16・・の前部の張
出部が整地均平した部分に植付けるが、前記代掻ロータ
ー21及び整地フロート16の前部の張出部は、泥水を
側方へ押し出すが、前記泥水案内板25は、それを前述
のように受け止めて後方へ流動されるので、隣接地に既
に植付けられた苗を押し倒すことがない。また、植付け
られる苗の側部では、回転ディスクが形成した施肥溝に
は、施肥ポンプ36により圧送されて前記施肥ノズル4
0から吐出されるペースト状肥料が施肥される。なお、
肥料はペースト状肥料に限られるものではなく、粒状肥
料とする場合もある。前述の浅代掻の際、雑草、古株又
は切藁等が泥土中に押し込まれているので、植付を良好
に行うことができると共に雑草の成育を抑制することが
でき、しかも、浅い代掻層より下層は耕耘状態になって
いて小さな多数の空隙を保有しているので根への酸素の
供給及び根の伸長が良くなり、苗の成育も助長される。
【0015】
【発明の効果】本発明は、走行車1の後部に、複数の植
付体14を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設して
なる植付装置8を装着し、該植付装置8の前部に代掻ロ
ーター21を横方向にして支架し、該代掻ローター21
の両端側方に代掻ローター21の前方から側方に亙る泥
水案内板25を配設したので、圃場の表層のみを代掻し
てそれより下層が耕起した状態に残され、苗の成育を良
好にすることができ、また、植付けた苗は、不耕起植付
方式のように浮き苗となったり欠株を生ずることがな
く、表層代掻時に、代掻ローター21は泥水を外側方へ
押し出すが、それを泥水案内板25が受け止めて流動方
向を後方へ変換することとなって、隣接部に既に植付け
られた苗が押し倒されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】代掻植付機の側面図である。
【図2】代掻部及び整地フロートの平面図である。
【図3】泥水案内板の側面図である。
【符号の説明】
1 走行車 8 植付装置 14 植付体 16 整地フロート 20 代掻軸 21 代掻ローター 22 突条 25 泥水案内板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01B 49/04 A01C 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車1の後部に、複数の植付体14を
    横方向に所定の植付条間隔をおいて配設してなる植付装
    置8を装着し、該植付装置8の前部に代掻ローター21
    を横方向にして支架し、該代掻ローター21の両端側方
    に代掻ローター21の前方から側方に亙る泥水案内板2
    5を配設したことを特徴とする代掻同時植付機。
JP18720293A 1993-06-29 1993-06-29 代掻同時植付機 Expired - Fee Related JP2919235B2 (ja)

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